★ タバコ関連ニュース2006年 ★


2006/12/31  タクシー全面禁煙 大都市圏で初、名古屋地区8千台 (中日新聞記事

 名古屋地区(名古屋市とその近郊)で営業するすべてのタクシー約8000台が、来年5月1日から全面禁煙となる。名鉄交通やつばめ自動車など大手タクシー会社を筆頭に、地区の法人、業界団体の大半が一斉実施で合意した。大都市圏でのタクシーの全面禁煙化は初めて。
 名古屋地区の102社・3協同組合が加盟する「名古屋タクシー協会」によると、女性や子どもを中心とした非喫煙者から「車内がたばこくさい」と苦情が多かった。また運転手にとっても狭い車内で「受動喫煙」を強いられるなど健康面で不安が根強かったため、今年夏ごろから禁煙化の検討を開始。
 「中途半端に喫煙タクシーが混在すると、利用者が戸惑ったり不公平感を抱いたりして、運転手もきっぱり喫煙を断れないムードになりかねない」と判断し、全面禁煙の一斉実施を決めた。
 各社や業界団体は今後、同協会内に連絡会議を設け、利用者への周知方法を詰める。
 名古屋地区の禁煙タクシーは現在、5社で計80台。大手タクシー会社の幹部らは「電車や駅、路上での禁煙拡大など社会の流れからも、また多くの人を快適に運ぶ公共交通機関としてのタクシーの使命からも、全車両の禁煙化は必要」と強調。「愛煙家の方にもぜひ、理解願いたい」と話している。
 中部運輸局は「大変な英断で、公共交通機関の健康増進対策としても、望ましい取り組み」と歓迎している。
 タクシーの全面禁煙化は、今年4月に大分市タクシー協会(約800台)など大分県内の一部地域が先鞭(せんべん)をつけ、同県内では現在、運行車両(約2800台)の90%近くまで禁煙化が進んでいるが、東京、大阪を含めた大都市圏では例がない。
→タバコの煙に猛毒の放射性物質ポロニウム210が含まれていることをJTが認めた(週刊現代2007年1月6・13日合併号)。特に濃厚な受動喫煙被害を受けるタクシーは法律で禁煙にすべきではないだろうか。


2006/12/31  名古屋のタクシー全面禁煙化 政令指定都市では初 (産経新聞記事

 名古屋市や周辺で営業するすべてのタクシー約8000台が、2007年5月にも全面禁煙になることが31日、分かった。タクシー会社や個人事業者が加盟する名古屋タクシー協会が方針を決めた。協会によると、政令指定都市では初の取り組みという。
 協会の森博一会長によると、喫煙したい乗客がいる一方、車内のにおいを嫌って禁煙を求める乗客も多かった。たばこを吸わない運転手の受動喫煙の問題や、公共交通機関などで禁煙が広がっている社会情勢を考慮し、全面禁煙に踏み切ることにした。
 協会は今後、乗客への周知期間を設けるほか、禁煙化を国土交通省・中部運輸局へ申請するなど準備を進める。
 森会長は「英断と評価する声もいただいている。全車の徹底を図りたい」としている。


2006/12/31  新年の幕開けと共に禁煙条例が施行される - 香港 (AFP BB News記事

【香港 31日 AFP】2007年が始まると同時に改正禁煙条例が施行され、レストラン、オフィス、バーでの喫煙が全面禁止される香港で、喫煙者は自由にタバコを楽しめる最後のひと時を過ごしている。
 「私は14歳のときからタバコを吸っていたが、まだピンピンしている。それなのにどうして『タバコは死を招く』なんていえるんだ。禁煙条例は人権の侵害だ」と70歳の元土木作業員、Lam Kin-shingさんは怒り心頭の様子。
 政府は10月に同条例を打ち出してから、喫煙反対や副流煙の害を訴えるPR活動を行っていた。
 新年の幕開けつまり、1月1日の午前12時丁度に即、同条例を施行するという警察に対し、人々からは猛烈な不満の声が上がっている。「彼らは一体どういうつもりなんだ?真夜中を回ったら店の客に『12時になりました。皆さんタバコを消してください!』なとど叫べとでもいうのかい?ありえないよ」とあるバーの店主は語った。
 政府はサービス産業で働く、20万を越える労働者を守るための禁煙条例実施の機会を長い間狙っていた。又、同条例の施行により室内での喫煙を禁止するニューヨークなどの大都市と並ぶことにもなる。
 屈しない喫煙者に対し政府は、香港の255の指定公園や遊技場ではタバコに火をつけても良いという妥協策を講じた。
 建物の外には、喫煙可能な場所を示す黄色のラインが引かれている所もあり、同条例に違反した人には最高640米ドル(約7万円)の罰金の支払いが命じられる。
 写真は30日、新界地区で米漫画「ピーナッツ(Peanuts)」のキャラクターと一緒にポーズをとる少女。


2006/12/31  元日からレストランが禁煙へ、カフェは含まず ベルギー (CNN Japan記事

 ブリュッセル──ベルギーでは来年1月1日から、レストラン内を禁煙とする禁煙法が施行される。しかし、カフェやバーなどは対象に含まれておらず、受動喫煙の害を減らすためには、不十分だとの声も挙がっている。
 ベルギーでは2006年1月1日から、職場や公共の場が禁煙となっている。
 元日から施行される禁煙法では、レストラン内は禁煙となり、レストランの経営者は煙が食事場所に流れ出ないよう、喫煙用の別室を設けることを求めている。
 ベルギーの保健相は、1年間で2万5000回にわたって、レストラン内の禁煙状況のチェックを実施すると断言。違反した場合は、最高で1650ユーロ(約26万円)の罰金が科せられる。
 しかし、ベルギーのがん撲滅活動団体は、「(今回の禁煙法は)重要な一歩だが、十分ではない」と指摘。同国内では年間2500人が、受動喫煙が原因で死亡しているとして、さらに踏み込んだ禁煙を求めている。
 一方で、レストランだけが禁煙となることに、現場でも混乱が生じている模様だ。この点について、与党・自民党の政策担当者は、「喫煙者の団体に立ち向かう、政治的な勇気が不十分なため」と見ている。
 禁煙化の流れが加速する欧州では、アイルランドやイタリア、マルタ、ノルウェー、スウェーデン、スコットランドで、レストランなどの飲食店が禁煙となっている。英国では2007年内に、喫煙に寛大とされるフランスでも2008年の元日から、レストランなどが禁煙となる。


2006/12/31  <国立大学>完全禁煙…わずか6% 「建物内」…半数どまり (毎日新聞記事

 キャンパス内の完全禁煙を実施している国立大学は1割に満たないことが、国立大学法人保健管理施設協議会の調査で分かった。非喫煙者が他人のたばこの煙を吸わされる「受動喫煙」のリスクが増す、建物内での喫煙を完全に禁止している施設も半数以下だった。03年5月施行の健康増進法は学校や病院、飲食店などに受動喫煙を防止する努力義務を課したが、大学では対策が遅れている実情が明らかになった。
 同協議会のワーキンググループが今年11月、84国立大を対象に実施、69大学から回答があった。
 「建物内のどこでも吸える」という大学は、健康増進法前の03年4月は19%だったが、今回はゼロで改善がみられた。しかし「建物内完全禁煙」は49%(34大学)で、半数以上は喫煙室や喫煙コーナーを設置する「分煙」にとどまっていた。
 建物を含めキャンパス全体を完全禁煙としているのは旭川医科大、岐阜大など4大学で、全体の6%だった。建物内は分煙にしていても「屋外ならどこでも吸える」が14%(10大学)あった。
 05年に文部科学省が全国の幼稚園から高校までを対象に実施した調査では、45%が敷地内の完全禁煙を実施している。
 ワーキンググループの高橋裕子・奈良女子大教授(予防医学)は「高校までに比べると、大学の対策は遅れている。大学とはいえ未成年を預かる場であり、禁煙教育を進める場だ。大学法人の中期計画に盛り込むなどして、完全禁煙を目指してほしい」と話している。


2006/12/30  JTが英ガラハーを買収 (東洋経済オンライン記事

 JTは海外のたばこシェアを拡大することで成長の道を見いだそうとしている。買うのは英国企業。振り返れば、2006年は日本企業による英国企業買収が目立ったが、それはなぜなのか。
 年の瀬になって、大型M&Aが、またも火を噴いた。
 12月15日、日本たばこ産業(JT)が英国たばこ会社のガラハーと買収手続きを開始することで基本合意した。買収金額は1兆7310億円で、ガラハーの有利子負債を加えたM&A総額は2兆2530億円にもなる。日本企業による海外企業のM&Aとしては過去最大の規模だ。
 JTはスキーム・オブ・アレンジメントという手法を用いて現金で全株を買い取る方針で、買収資金は手元資金約1兆円の中から約7000億円を充てるほか、新規借入金約1兆円で賄う予定。株式交換を選ばず現金買収を選んだ理由は「英国と米国が中心のガラハー株主が、ロンドンで非上場のJTをどう評価するかわからないためだ」(木村宏・JT社長)。
 ガラハーのナイジェル・ノースリッジ社長は数年前から「大手たばこメーカーからの買収提案を歓迎する」と公言しており、約27%のプレミアムをつけて株を買ってくれるJTの提案は大歓迎に違いない。一方で1・7兆円もの現金を支払うJT側はおそれをなすことはなかったのか。
 木村社長は「待っても(ガラハーの)株価が下がるわけではない」と説明する。海外の中堅たばこメーカーは禁煙ブームのあおりを受け、売り上げが減少傾向。そのことが再編への期待となり、株価は高止まりが続く。躊躇していれば、他社にさらわれるだけというわけだ。
のれん代は2兆円
 木村社長の持論は「一つの市場で2位以内に入らないとスケールメリットが出ない」ということ。そのため、世界シェア拡大を重点課題に掲げていた。今回の買収により、JTがシェア2位以上を占める市場は日本、台湾、マレーシアの3市場から、ロシア、ウクライナ、英国などが加わって10市場まで拡大する。
 ただし、将来はバラ色というわけではなさそうだ。競合メーカー幹部は「ガラハーは低価格商品をつぎ込む一方で、値上げも仕掛けてくる。保有ブランドを自ら傷つけている」と指摘する。
 のれん代の問題もある。2007年央に買収が完了するまで詳細は不明だが、すべて現金で買収した場合、JT側には1・7兆円ののれん代が発生する。これにガラハーが過去の買収で計上しているのれん代約3000億円を加えると、2兆円に及ぶ。20年間償却で年1000億円の負担が発生する計算だ。
 また、1兆円の借金を抱えることで「300億円以上の金利が発生する」(モルガン・スタンレー証券の出村泰三アナリスト)。ガラハーは05年12月期の売上高1兆9000億円、営業利益1380億円という高収益企業だが、のれん代と金利を差し引けばJTの連結最終利益への貢献はほとんどなくなるおそれがある。そのうえ、財務の悪化も避けられない。
結局はたばこ頼み
 それでもJTには、海外たばこ事業を拡大する必要があった。利益の7割超を稼ぐ国内たばこが年5%減で推移するうえに、08年からは成人識別式たばこ自販機の運営費用が年間100億円のしかかる。多角化事業として参入した食品の営業利益は約70億円にとどまり、医薬では125億円(07年3月期見込み)の営業赤字というありさまだ。唯一、1999年に約9400億円で買収したRJRナビスコの海外たばこ事業だけはロシアを中心に伸びており、この成功があったからこそ今回の大型買収に踏み切れた。
 残る大型の“売り物”としては、英インペリアル(世界シェア3・2%)、スペインのアルタディス(同2・4%)が取りざたされている。今後、さらに買収する可能性について木村社長は「ガラハーとの統合成果を早く出すことが優先」と慎重だ。それでも世界2強との差を縮めるためには、さらにM&Aに乗り出さざるをえないだろう。
英企業は買いやすい?
 JTによるガラハー買収だけでなく、06年は日本企業による海外企業の大型M&Aが目立つ年だった。数ある大型買収を俯瞰してみると、大きな特徴がある。英国に絡んだ案件が多いことだ。
 2月には2件の大型案件があった。東芝グループが、英BNFLが売り出していた原子力発電大手の米ウエスチングハウスを約6400億円で買収すると発表。日本板硝子は、20%出資していた英ピルキントンの完全子会社化に約6160億円投入することを決めている。
 3月にはソフトバンクが英ボーダフォン日本法人を1兆7500億円で買収することを発表している。これは国内企業同士のM&Aだが、やはり英国絡みだ。
 もともと英国は、米国に次いでM&A市場が発達しており企業の売買が盛んだ。英国会社法に詳しいアレン&オーヴェリー外国法事務弁護士事務所のケース・フェレコープ氏は「英国は米国と似た法体系。労働組合が弱くキャピタリズムが強い点も同じ。よい条件の買収提案には応じることが経営者の責務、という考え方が浸透している」と言う。「よい条件を出しさえすれば買える」ため、欧州大陸企業と比べればM&Aをやりやすい。同事務所では、1年ほど前から日本企業からの相談件数が増えており、これまでにも、いくつかのM&A案件にかかわっている。
 ただ、06年は目立った英国企業も露払いにすぎないようだ。M&A実務に詳しい一橋大学大学院の服部暢達・客員助教授は「景気回復とともにIN-OUT(日本企業が海外企業を買収)が増えていくのは自然な流れ。これまではたまたま英国企業が目立ったが、今後は米国企業を株式交換でM&Aする事例が増えていく」と展望する。
 80年代末以来の盛り上がりを見せる海外M&Aブームは、まだ始まったばかりのようである。
(書き手:前田佳子、山田俊浩 撮影:尾形文繁)
<今週のキーワード>
1:ガラハー
 1857年設立の英国たばこメーカー。英国、欧州、ロシアなどに工場を持ち、従業員は1万1000人。Benson &Hedges、SilkCutなど幅広い価格帯の製品群を持つ。2005年度の世界たばこシェアは3.1%と5位。買収後のJTシェアは10.9%になる。世界トップはMarlboroの米フィリップ・モリス(17.9%)、2位はLuckyStrikeの英ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(12.2%)。JTは3位と不動ながら、4位の英インペリアル(3.2%)に大きく差をつける。
2:スキーム・オブ・アレンジメント
 株主総会で75%以上の賛成による特別決議、競争法に基づく当局判断、裁判所の承認などを受ければ買収が成立するスキーム。英国内のルールでM&Aを行う際の手順の1つ。反対する株主を25%未満に抑えることができれば買収できるため、企業買収をスピーディに行える利点がある。
3:成人識別式たばこ自販機
 日本たばこ協会など3団体が成人喫煙者に対してタスポと呼ばれる成人識別用のICカードを発行。たばこを購入する際そのカードを自販機にタッチしなければ購入できないようにすることで、未成年者の喫煙防止を図るもの。2007年12月から申込受付を開始し、08年7月には全国での導入を完了する予定。開発・運用はNTTデータ、NECトーキン、日立製作所、ベルシステム24など8社が行う。
4:英国会社法
 会社に関するマグナカルタ(大憲章)と呼ばれる「1862年会社法」を起点に、株式会社に関するルールの原点となっているのがイギリスの会社法。アングロサクソン型そのものであり、「株式会社は株主のもの」という考え方が徹底している。一方で、LLP(有限事業組合)など株式会社とは異なる企業形態も発達している。M&Aに関する法律も整備されており、多くの国で参考とされている。


2006/12/29  劇場・飲食店など禁煙に 受動喫煙対策 神奈川 (東京新聞記事

 松沢成文知事は28日までに、たばこを吸わない人の健康に影響があるとされる受動喫煙を防止するため、劇場や飲食店など人が多く集まる公共の場所で、喫煙を全面的に禁止する条例を検討する考えを明らかにした。喫煙規制について県民アンケートを実施するなどした上で、条例化の是非を決める。成立すれば全国で初めてという。
 健康増進法が2003年5月に施行され、公共施設に受動喫煙防止の努力義務を定めた。05年2月には、たばこの害から健康を守ることを目指す「たばこ規制枠組み条約」が発効。日本を含む百カ国以上が批准し、受動喫煙対策の推進が世界的な流れとなっている。
 県はがん予防の重点項目にたばこ対策を掲げていることから、努力規定の健康増進法をさらに進め、公共の場所での喫煙禁止を盛り込んだ条例制定で、受動喫煙対策を推進する考え。
 県健康増進課によると、欧州連合(EU)加盟25カ国のうち、イギリスやドイツなど14カ国が公共の場所での喫煙禁止を法律で定めている。また、川崎市や東京都千代田区などが路上喫煙の禁止を条例化しているという。
 松沢知事は「私は条例化が必要と考えているが、県民すべてにかかわることなので皆さんの意見を聞いた上で判断したい。条例化には一、二年はかかるだろう」と話している。
 アンケートでは、▽条例で、公共の場所での喫煙を規制することの是非▽条例化した場合、優先的に規制すべき場所-などについて質問している。アンケートの受け付けは、来年一月二十六日まで。県のホームページ上から参加できる。
→参考:神奈川県アンケートのページ
 アンケート集計結果


2006/12/29  葉タバコ豪雨で大幅減 06年産黄色種 (日本農業新聞記事

 全国たばこ耕作組合中央会は、主に西日本で栽培されている黄色種の葉タバコの2006年産販売実績をまとめた。販売量は2万4000トンで、前年産に比べ26%減と大きく落ち込んだ。集中豪雨被害に加え、病害が各地で多発した。中央会によると、ここ50年来で最大の落ち込みだ。
 10アール当たり収穫量は平均189キロで、平年の75%にとどまった。宮崎、熊本、鹿児島県など主産地が、天候不順の影響を受けた。販売高は448億円と前年を25%下回り、販売面積は1万2800ヘクタールで3%減少。


2006/12/28  路上禁煙悪質違反者に過料=那覇市 (時事通信記事)

 那覇市は、路上喫煙防止条例が議会で成立したのを受け、2007年4月1日から同条例を施行する。条例は市民のほか観光客らにも適用され、2年間の周知期間を経て、09年4月から悪質な違反者に過料を科す。
 条例は全13条で、歩行中の路上禁煙による通行人のやけどの防止や、観光都市にふさわしい環境の確保が目的。市長が必要に応じ路上喫煙禁止地区を指定し、喫煙禁止を示す標識などを設置する。市民は禁止地区で、歩行中や自転車、自動二輪車などを運転中に喫煙してはならない。
 違反者に対して市長は喫煙をやめるように勧告することができる。勧告に従わない悪質な場合は、罰則規定として1万円以下の過料に処することができるとした。
 市は年明けから条例施行に向け、喫煙禁止地区の選定や違反者への勧告の方法といった条例規則の制定作業に着手する。観光客でにぎわう目抜き通りの「国際通り」などが当面、禁止地区に指定される見通しだ。


2006/12/28  県庁舎禁煙問題 庁舎外に2カ所の喫煙ルームで決着へ 茨城 (産経新聞記事

 公的施設内における完全禁煙の流れが全国的に加速する中、県庁舎(水戸市笠原町)内の全面禁煙問題は27日、庁舎外に2カ所の喫煙ルームを設置する方向で最終調整が図られることになった。橋本昌知事は今年9月、県庁舎内に現在4カ所ある喫煙ルームを撤廃し、全面禁煙することを決定。しかし、県議会などからの“圧力”もあり、庁舎1階のすぐ脇に雨風をしのげる喫煙ルームを設けることで、折り合いをつけることとなった。(村上新太郎)
 マスコミの関心が県議選に向けられていた今月上旬、県庁舎を管理する管財課長と橋本知事の2人が庁舎内をくまなく歩いている姿が職員らに度々、目撃された。目的は喫煙ルーム探し。
 全面禁煙を掲げたとはいえ、県議会などからは「平成17年度決算で県税のたばこ税は約65億円に上っている。喫煙者の理解を求めるべきだ」と突き上げを受けた橋本知事は全面禁煙を求める県医師会と県議会とのはざまで「相当、悩んでいた」(県幹部)という。
 全面禁煙の旗を掲げた以上、庁舎内には喫煙ルームは設けられない。さりとて、県職員の喫煙率は約26%に上る。その上、自民党県議の重鎮が知事に再考を求めたのも知事の苦悩に拍車をかけた。
 庁舎外の敷地に喫煙ルームを設置する場合、「消防法などの法規にあてはめなくてはならず、手続きが面倒」(県幹部)ということもあった。このため、県庁舎のすぐ脇にある厚生棟と、県議会棟の脇にそれぞれ2カ所の喫煙ルームを増設する形で消防法などの法規をクリアする方針となった。
 現在、県保健予防課が音頭をとって水曜日、金曜日を禁煙デーとしているが、「全く守られていないのが現状」(同)。
 来年4月以降はたばこを吸うために、喫煙者は1階に降りなくてはならず、知事周辺は「外に出るとかえって、業務に支障をきたす恐れもある」と語る。
 ちなみに安倍晋三首相が執務を行う首相官邸(東京都千代田区)は新官邸完成後、稼働した平成14年4月以降、官邸内全面禁煙だった。しかし、敷地外周辺で吸うケースが相次ぎ、かえって周辺に煙をまき散らす結果となり、昨年11月に急遽(きゅうきょ)、官邸内に1カ所の喫煙ルームを設けた経緯がある。
 愛煙家に理解を示したきた知事のさらなる“政治決断”はあるのか、果たして…。


2006/12/28  網走総合庁舎、全面禁煙に 1日から実施 庁舎外に喫煙スペース (北海道新聞記事

【網走】網走支庁や網走保健所などが入る網走総合庁舎は来年一月一日から、庁舎内を全面禁煙にする。全面禁煙は十勝、根室、留萌支庁に続いて四カ所目。
 同庁舎では現在、二階と三階に喫煙室が設けられているが、一日から廃止する。代替の喫煙所として、来庁者用に庁舎正面入り口前に灰皿を設置するほか、職員用に庁舎北側の駐輪場の一角を囲いバケツを置く。
 同庁舎では一九九八年に時間を決めて禁煙する「禁煙タイム」を開始した。二○○○年十月から二階の執務室を、○一年からは庁舎内のすべての執務室を禁煙とし、ロビーやエレベーターホールなどに喫煙コーナーを設けて分煙を図ってきたが、昨年度からは共有スペースにある喫煙所を廃止、喫煙室を設けていた。
 同支庁総務課は「来庁者にも理解と協力をお願いしたい」と話している。


2006/12/27  食事改善・運動・禁煙が効果的 メタボリック予防 広島でフォーラム (中国新聞記事

 今年の流行語にもなった「メタボリックシンドローム」。心筋梗塞(こうそく)や脳梗塞を引き起こす動脈硬化の要因とされるだけに、不安を抱く人も多い。十六日、広島市中区の中国新聞ホールであった県民フォーラム「メタボリックシンドロームはこうすれば防げる」(広島県医師会、中国新聞社主催)から、専門家の講演要旨と質疑応答を詳報する。(編集委員・山内雅弥、上杉智己)
 ▽ニコチン製剤で治療
 <広島県医師会禁煙推進委員 勝部睦子さん> たばこを吸う人は、吸わない人より二倍、メタボリックシンドロームになりやすい―とのデータがある。また、喫煙は動脈硬化を促進し、心血管疾患発症の危険性を高める。予防と進行防止に禁煙指導は不可欠。
 喫煙者の七割は、禁煙を望んでいる。しかし、過去の禁煙失敗の経験やストレスなどを理由に、なかなかやめられないのが実情。強力な依存性を持つニコチンのせいだ。
 皮膚に張ってニコチンを体内に吸収するニコチン製剤(パッチ)が保険適用になったので、効果的な禁煙治療を受けやすくなった。一日五十本を五十年間吸っていたヘビースモーカーが、一度で楽に禁煙できたケースもあり、成功率は高い。
 禁煙により、がんのリスクも確実に低下する。食べ過ぎずによく動けば、たばこをやめても太らない。まず禁煙を。
 ▽無理せず継続が大切
 <三次地区医療センター病院長 安信祐治さん> 適正な運動は血圧や血糖を下げ、血清脂質も改善するため、高血圧症や糖尿病を予防・改善し、脳卒中や心筋梗塞を引き起こす動脈硬化も防ぐ。
 日常生活に上手に運動を取り入れ、習慣として続けることが大事。ウオーキングや、ゆっくりめのジョギング、サイクリング、水泳がお薦め。一回二十~六十分、週三~五回を目標に、十分程度の運動を何度か反復してもよい。多少息切れするが、話しながら続けられる「有酸素運動」状態で取り組む。
 無理せず楽しみながら行うのが続けるこつ。激しい運動を避け、体調の悪いときはやらない。歩行計で距離や時間を計り、記録を付けると達成感が味わえる。
 高血圧症や糖尿病などの病気があって治療が不十分な場合は、健康障害を引き起こす可能性もあるので、かかりつけ医の先生に相談してほしい。
 ▽和食中心へ見直しを
 <福山平成大客員教授 鈴木雅子さん> 食事内容の見直しは、メタボリックシンドロームの予防に大変効果的だ。和食から洋食への食生活の変化で、脂肪の多い肉類の摂取が増えている。こうした肉類中心の食事は、カロリーが多い一方、健康保持に欠かせないビタミンやミネラル、食物繊維などは少なくなりがちだ。
 食事は、和食中心に改めるべきだ。米は白米より七分づきや五分づき、できれば玄米がいい。脂肪や油を少なくし、タンパク質も主として魚類や大豆製品から取るように心掛ける。食物繊維の多い野菜、海藻、きのこ類、こんにゃくなどを増やす。糖の多い清涼飲料水は飲まない。
 食べ方も大切。よくかんでゆっくり食べると、満腹中枢を十分に刺激し、食べ過ぎを防ぐ。就寝前三時間は食べないようにし、間食をしないことも大事だ。
 ▽質疑応答 「喫煙は依存症」気付こう
 ―夫に禁煙してほしいが、どんな方法がいいですか。
 勝部さん 喫煙は「ニコチン依存症」という病気であり、ニコチンが吸わせているのだと自分で気付いてもらえるようにしたい。ニコチン製剤が有効。渋々奥さんと一緒に禁煙外来に行って、成功した人もたくさんいる。
 ―食事前にジュースを飲む習慣は肥満につながりますか。
 鈴木さん 果物は野菜ではなく、果汁100%のジュースでも果糖が非常に多く、肥満につながりやすい。野菜のみのジュースにするか、食事をきちんと食べられるようお勧めする。
 ―年齢による体格指数(BMI)の適正値はあるのですか。
 大櫛さん 六十歳ぐらいまでなら、BMIが二五を超えると糖尿病のリスクになり、三〇を超えると心筋梗塞や脳梗塞による死亡のリスクになる。逆に、高齢者はやせがリスクになる。
 ―いつ運動するのが効果的ですか。
 安信さん 脂肪を燃やすためには空腹時がいい。ただ、脂肪が燃える時にできる脂肪酸が不整脈を起こす危険も指摘されている。また、無酸素運動は有酸素運動に比べ、血圧が上がりやすいので、血圧の高い人は注意したい。
 ●クリック
 メタボリックシンドローム
 内臓に蓄積した脂肪が一因となって高脂血症、高血圧、高血糖などの軽い異常が重なった状態をいう。放置すると脳卒中、心筋梗塞、糖尿病などに進行する危険性が高まる。国内では昨年4月、日本肥満学会や日本内科学会が中心となって、診断基準が示された。ウエスト(へそ周り)が男性85センチ以上、女性90センチ以上で、(1)最高血圧130以上か最低血圧85以上(2)空腹時血糖値110以上(3)中性脂肪150以上か善玉コレステロール40未満―の二つ以上該当する場合。
【写真説明】メタボリックシンドロームの予防法について、約400人が熱心に聴講した県民フォーラム(16日、中国新聞ホール)


2006/12/27  香港、元旦からレストラン・カラオケなどで禁煙 (朝日新聞記事

 美食の街で食後の一服が御法度に――新年から香港のレストランやカラオケ店、オフィス、公園、バス停など不特定多数の市民が集まる公共スペースで喫煙が禁止される。喫煙による健康被害の軽減をめざす新条例が施行されるためだが、客足に響きかねない業界からは反発の声も。日本から観光やビジネスで訪れる喫煙者は用心が必要だ。
 1月1日から、約1万軒とされるレストラン、50万室のオフィス、1400カ所の公園のほか、カラオケやバス停なども禁煙になる。香港名物の競馬場も、馬券売り場を含め室内は禁煙だ。
 ナイトクラブやサウナ、18歳以下は入店禁止のバーなどの「大人のサービス業」は今回の対象からは外れたが、遅くとも09年7月までには禁煙になる予定だという。
 香港の人口約700万人のうち、喫煙者は約84万人。香港政府は、医療費の増加や生産力の低下など、喫煙を原因とする経済被害が「毎年少なくとも53億香港ドル」(約800億円)に上るという数字をあげ、市民に協力を呼びかけている。
 違反者には最高で5000香港ドル(約7万5000円)の罰金を科す。
 パトロールするのは「控煙督察」と呼ばれる政府職員だが、その数は当面100人足らず。取り締まりの主力は現場を管理する事業主たちだ。しかし、銅鑼湾の食堂店主は「昼休み、オフィスを離れてたばことコーヒーで生き抜きというお客さんが多い。たばこを吸えなければ客足が遠のきそうだ」という。
 98年にはゲームセンターなどの禁煙条例を施行しながら有名無実になった。事業手らの協力が得られず、マフィアの影響力を恐れて、政府の取り締まりも徹底しなかったためだ。今回、香港政府はメンツをかけ説得に全力を挙げる方針だ。


2006/12/27  外資系たばこメーカー、軍納事業への参入果たせず 韓国 (YonhapNews World Service - South Korea記事

【ソウル27日聯合】外資系たばこメーカーが韓国軍への納入事業への参入を図ったが、いずれも審査で脱落した。陸軍は27日、軍に納品される非免税たばこを選定するため、韓国のKT&Gと米フィリップモリス、日本たばこ産業、英ブリティッシュ・アメリカン・タバコの4社49製品を対象に審査を行った結果、KT&Gの製品を最終選定したと明らかにした。兵士らを対象にアンケート調査を行った結果、KT&G製品の品質が高く評価されたうえ、値段も外国産より安かったのが理由だと説明している。
 審査を通過できなかった外資系たばこメーカーは、いずれも慶尚南道地域に生産基地を置き、軍納品入札への参加を求めていた。これに対し葉たばこ生産協同組合中央会をはじめとする国内関連団体は、外資系たばこメーカーが葉たばこを国内生産せず輸入に頼っているため、自らの生存が脅かされると主張し反対していた。
 軍部隊での外国産たばこの販売問題をめぐり、陸軍は来年9月に予定されている「2008年物品選定審議委員会」で改めて審議を行うとしている。


2006/12/27  子供の誤飲事故、トップは「たばこ」 (日本経済新聞記事

 2005年度に起きた子供による誤飲事故の原因のトップはたばこで全体の3割を占めていることが27日、厚生労働省のまとめでわかった。事故が起きやすい時間帯は夕刻以降で、被害は生後6―11カ月の乳児に集中。厚労省は「保護者が注意すれば避けられたケースが多い。乳児のいる家庭はたばこや灰皿の置き場所には細心の注意を」と呼びかけている。
 調査は全国の小児科八病院から誤飲事故のモニター報告を集計した。全体の誤飲事故は725件。そのうち原因がたばこの事故は224件(30.9%)で、1979年度の調査開始以来、27年連続のトップだった。


2006/12/27  県内タクシー各社で車内禁煙進む (東奥日報記事

 「車内のたばこのにおいが気になる」という利用客の声を受けて、県内で禁煙タクシーが増えている。乗務員が待機中も車内でたばこを吸わない「準禁煙タクシー」を宣言する会社も出てきた。乗務員から「一日のたばこの本数が減った」「たばこをやめた」との声が聞かれるなど、利用客のほか、乗務員の健康にもメリットがあるという。肺がん予防に力を入れている県は「禁煙タクシーを一層周知させ、無煙の環境づくりを広げていきたい」と語っている。
 「茶道や華道を行う着物姿のお客さんから禁煙タクシーの指名があります。好評です」と語るのは、珍田タクシー(青森市)。同社は時代のニーズと利用者の声を受けてこの夏から禁煙車二台(現在四台)を導入。営業面でのマイナスも心配されたが、直接的な影響はないという。県によると、二〇〇六年三月時点で八戸市、むつ市などの八社が禁煙タクシーを導入。三月以降も県内で導入する社が増えている。
 青森市の青森タクシーは十二月から、乗務員の車内喫煙を禁止した。乗客の喫煙は禁止していないが、乗務員は、客がいない待ち時間でも喫煙は禁止。運転手には、携帯灰皿を持たせ、車外で吸ってもらっている。
 五所川原市の津鉄観光タクシーは、通院客らが利用する午前から夕方まで車内禁煙への協力を利用客に呼び掛けている。
 一方で、五、六年前から禁煙車を導入している三八五交通(八戸市)は「(喫煙客が多い)夜の場合は不利」なため、当初の二十台から現在は十二台程度に抑えた。他社でも経営的なマイナスを考えて全車禁煙に踏み切れない状況がある。


2006/12/26  首相動静(12月26日) JT社長らと面会 (時事通信記事)

 午前8時現在、公邸。朝の来客なし。 午前9時54分、公邸発。同56分、官邸着。同57分、執務室へ。同10時2分、同室を出て、同3分、閣僚応接室へ。同4分、同室を出て閣議室へ。閣議開始。 午前10時29分、閣議終了。同30分、執務室へ。同30分から同32分まで、日本たばこ産業(JT)の木村宏社長、本田勝彦前社長。丹呉泰健財務省理財局長同席。同32分、同室を出て南会議室へ。同33分、多重債務者対策本部開始。 午前10時50分、同本部終了。 午前10時51分、執務室へ。 午前10時52分から同11時46分まで、外務省の藪中三十二外務審議官、原田親仁欧州局長。鈴木政二官房副長官同席。・・・


2006/12/26  公共施設の喫煙禁止に意欲=条例化も-松沢神奈川県知事 (時事通信記事)

 神奈川県の松沢成文知事は26日の記者会見で、受動喫煙対策として公共施設での喫煙を全面的に禁じる全国初の条例制定に意欲を示した。県民を対象にインターネットを使ったアンケートなどで、どんな場所での規制が必要かなど意見を聴取した上で、条例化を進める。
 健康増進法では、学校や病院など多数の利用者が利用する施設の管理者に対して分煙などの措置を講じるよう求める努力義務がある。しかし、知事は「場所によっては努力義務では弱い。全面禁煙にしていくべきだ」と判断した。
 欧米では、法律でレストランやショッピングセンターなど公共の場所を全面禁煙にしている国もあるといい、知事は「国がやらないのなら、神奈川で先進的なルールをつくっていきたい」と強調。その上で「民間施設でも劇場や病院、学校での全面禁煙はかなりのコンセンサスを得られる可能性がある。条例化には1、2年はかかる」と語った。


2006/12/26  喫煙の数値目標また見送り 「やめたい人がやめる」に (共同通信記事)

 成人男女の喫煙率削減のための数値目標設定を検討していた厚生労働省の地域保健健康増進栄養部会(部会長・久道茂(ひさみち・しげる)宮城県病院事業管理者)は26日、具体的な数値目標は見送り、「喫煙をやめたい人がやめる」との目標を2010年度までの健康づくりの計画「健康日本21」に新たに盛り込むことを決めた。
 「たばこは個人の嗜好(しこう)品」とするたばこ業界などの根強い反対論にも配慮。幅広い国民運動として進めるためには数値を掲げず、多くの人が一致できるようにした。数値目標は2000年の計画策定時に続いて見送りとなった。
 ただ「参考数値」として04-05年度の厚労省の調査に基づく喫煙率「男性43・3%、女性12・0%」と、そのうちの禁煙希望者の割合「男性24・6%、女性32・7%」を付記。希望者が全員やめた場合は、男性は約33%、女性は約8%になると計算。厚労省は今後、禁煙希望者に対する支援策に力を入れたい、としている。
 同省はこれまで、やめたい人が全員禁煙に成功した場合を想定した男性30%・女性10%以下にするなどの3案を部会に示していた。
 日本たばこ産業(JT)は「個人の嗜好(しこう)に行政が数値を示して介入するのは行き過ぎた規制だ」と反対を表明。厚労省に寄せられた意見で数値設定に賛成が305件、反対が265件だった。


2006/12/26  喫煙率の数値目標、再び見送り=業界などの反発で厚生労働省 (時事通信記事)

 厚生労働省が検討していたたばこを吸う人の割合(喫煙率)の数値目標設定について、同省の厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会は26日、設定見送りを決めた。代わりに、「喫煙をやめたい人がやめる」とのスローガンを掲げ、禁煙希望者の割合を提示する。
 同省は2000年に国民の健康づくりの指標「健康日本21」を策定した際にも喫煙率導入を目指したが、たばこ業界などの反発で見送った経緯がある。同省が今回、喫煙率の3案を示した際にも、日本たばこ産業(JT)などが反発。これに配慮した形となった。
 同省の国民健康・栄養調査によると、日本の喫煙率は男性が43.3%、女性が12.0%(04年)。しかし、禁煙希望者が男性は24.6%、女性は32.7%(03年)いる。
 同省は、10年までに(1)男性30%、女性10%(禁煙したい人のすべてが禁煙した場合)(2)男性35%、女性10%(禁煙したい人の一部が禁煙した場合)(3)男性25%、女性5%(1997年の喫煙率の約半分)-の3案を同部会に提示していた。
 同省の調査では、国に先行して喫煙率の数値目標を設定している都道府県が、今年4月1日現在で18府県に上る一方、目標項目を全く設定していない県が16県に上っている。


2006/12/26  禁煙率目標の断念に「国民任せ」批判も 厚労省部会 (朝日新聞記事

 厚生労働省が喫煙率の数値目標設定を見送ることが26日の専門家の部会で了承された。禁煙希望者すべてが禁煙した場合の「男性30%、女性10%」を軸に設定を目指してきたが、自民党やたばこ業界の反発に配慮した格好で、委員からは「国がたばこ政策を国民任せにしたようにみえる」などの苦言が相次いだ。
 厚労省は結局、「喫煙をやめたい人がやめる」とのスローガンを、国民の健康づくりのガイドライン「健康日本21」に盛り込む方針だ。現在の喫煙率(男性43.3%、女性12.0%)とこのうちの禁煙希望者の割合(男性24.6%、女性32.7%)を添えて「目標値」が浮かぶようにする。
 部会では、数値目標断念について「塩や油など食品には数値目標を定めているのに、たばこだけないのはおかしい」「短いスローガンでは、たばこ対策の真意が国民に伝わらない」など批判が噴き出した。
 厚労省は「スローガンを設けただけでも前進だ」と話す。喫煙率の数値目標をめぐっては、00年にも業界や自民党の反対で断念した経緯があり、再び目標設定にこだわって反対派を刺激すれば、スローガンすらおぼつかないとの懸念から判断したとみられる。


2006/12/26  喫煙率削減、数値目標また見送り 「やめたい人がやめる」に (産経新聞記事

 喫煙率の引き下げに向けた数値目標の設定を検討していた厚生労働省の厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会(部会長・久道茂宮城県病院事業管理者)は26日、「喫煙をやめたい人がやめる」との目標を、平成22年度までの健康づくり計画「健康日本21」へ新たに盛り込むことを決めた。目標には禁煙希望者の割合を付記する。
 平成12年の計画策定時にも喫煙率の数値目標を盛り込もうとしたが、たばこ業界などの反対で断念。今回、現状の喫煙率と禁煙希望者の割合をもとに「男性30%以下、女性10%以下」など3つの目標値案を示し、喫煙率の数値目標設定を試みたが、「たばこは個人の嗜好(しこう)品」とする業界側の反対の声は根強く、配慮した。
 一方で、喫煙率引き下げに向けた行政としての施策の根拠を必要とする同省は「禁煙したいのに止められない」喫煙者に注目。男女別に喫煙率と、禁煙希望者の割合を参考値として付記し、たばこ施策の方針を明示すことにした。
 付記する参考値は15、16年の国民健康・栄養調査の結果で、「喫煙率は男性43.3%、女性12.0%。禁煙希望者の割合は男性24.6%、女性32.7%」。「喫煙をやめたい人がやめた」場合、喫煙率は男性が32.6%に、女性が8.1%になると試算できるという。
 厚労省生活習慣病対策室は「禁煙支援のため診療報酬制度を整え、マニュアルもできており、一定の目標を示す必要がある。多くの人が賛同でき、たばこをやめたい人を支援できる目標を示せたと思う。禁煙したい人を増やす努力もしていきたい」としている。


2006/12/26  喫煙率、数値目標断念…厚労省 (読売新聞記事

 厚生労働省は26日、喫煙率を引き下げるための数値目標の設定を見送ることを決めた。
 たばこ業界などの反発に配慮したためで、代わりに「喫煙をやめたい人がやめる」という目標を「健康日本21」の中間見直しに盛り込む。2000年の「健康日本21」策定時にも、数値目標を設定しようとして断念した経緯がある。
 喫煙率の数値目標の新設は、厚労相の諮問機関・厚生科学審議会の専門部会で検討されていた。04年の喫煙率(男性43・3%、女性12・0%)を、「男性30%、女性10%」にするという案を軸に論議が進められていたが、一部委員と、たばこ業界が猛反発。日本たばこ産業は10月、「成人の趣味嗜好(しこう)に行政が数値を示して介入するのは問題」などとする反対意見を発表していた。
 同省は26日に開かれた専門部会で、具体的な数値目標の代わりに、「喫煙をやめたい人がやめる」という目標とともに、参考数値として03年の調査当時の禁煙希望者割合(男性24・6%、女性32・7%)を掲げることを提案し、了承された。


2006/12/26  ハワイで禁煙法施行、日本人ら観光客への影響懸念も (CNN Japan記事

 ホノルル――世界有数の観光地、ハワイでこのほど、受動喫煙による影響をなくす目的で、米国で最も厳格な禁煙法が施行された。レストラン、ショッピングモール、空港などの公共の場所での喫煙が全面禁止された。違反者には最高で50ドル(約6000円)の罰金が科せられる。
 ホテルでは全客室の20%分しか喫煙室を提供できないなど、観光客への影響を懸念する声もある。
 禁煙法は11月16日にハワイ州で施行された。同州政府は、州内ではこれまでも郡単位で喫煙を制限する法律が存在し、米国の他の13州や多くの都市でも包括的な禁煙法が施行されているため、米国人には抵抗感なく受け入れられると見ている。一方、観光業界は、日本人などの外国人観光客がこの厳しい規制にどう反応するかの不安を抱えている。
 ワイキキにあるホテルのバーのバーテンダーは「観光客が来なくなったらどうしたらよいのか」と新法の影響を心配する。ホテル、レストラン、ショッピング街では法律で義務付けられた「禁煙」表示を取り付けたり、灰皿を撤去するなどと共に、喫煙可能な場所について旅行客を指導している。
 また、日本の旅行会社などに禁煙法の施行について通達し、空港では喫煙エリアを撤去すると共にアナウンスを流すなどしている。
 日本の大手旅行会社は「当初は多少影響が出るかもしれないが、長い目で見ればみな慣れていくだろう」と語っている。日本たばこ産業(JT)が2005年に実施した調査によると、日本ではここ10年、喫煙率は減少傾向にあり、男性の喫煙率は約45%だという。一方、ハワイ州の喫煙者は成人の約17%で、米国で4番目に低い。
 ハワイ州の事業者には、禁煙法に違反すると初回100ドル(約1万2000円)、2回目200ドル、回を重ねるごとに500ドルまでの罰金が科される。個人の違反者には最高50ドルの罰金が科されるほか、裁判費用を負担させる。


2006/12/26  肺がん患者でも遅くない、禁煙のメリット (nikkeibp.jp記事

 肺がんの診断の後でも、禁煙することで身体の状態が良くなるという研究が発表された。これは、米M.D. Anderson Cancer Centerのグループが行ったもので、成果はChest誌12月号に掲載された。
 研究は、非小細胞肺がんの患者を対象に行ったもの。肺がんの診断が下りた後も喫煙を続けたグループ(47人)と禁煙したグループ(46人)で、その後1年間の身体状態を比較した。その結果、喫煙により生存期間の延長は生じないものの、身体状態は有意に良くなるという結果となった。
 喫煙を続けると、放射線治療や抗がん剤治療による副作用が直りづらくなることは、医療関係者の中では知られている。今回の研究により、そのことを裏付けるエビデンスが増えたといえそうだ。


2006/12/25  那覇市で路上喫煙を広く禁止へ (日刊スポーツ記事

 那覇市議会は25日の本会議で、路上喫煙を防止する条例を全会一致で可決した。市全域で路上喫煙しないよう努力することのほか、2009年4月には罰則規定付きの禁止地区を設置することが盛り込まれた。禁止地区では歩きたばこはもちろん、立ち止まっての喫煙や自動二輪、自転車に乗車中の喫煙も禁止される。
 条例は来年4月1日に施行。09年4月1日以降は市長が指定した禁止地区では過料1万円以下の罰則が科される。多くの観光客が訪れる市中心部の「国際通り」が想定されている。
 翁長雄志那覇市長は「観光都市にふさわしい街づくりの一歩としたい」と話した。


2006/12/25  市民と一緒に喫煙ダメ!芦屋ブランド死守、隗より始めよ (産経新聞記事

 「芦屋ブランド」を守るため、公共スペースの歩きたばこなどを高額の罰金つきで禁止する条例を検討している兵庫県芦屋市は、市庁舎玄関前に設置した市民向けの喫煙所2カ所で、職員の利用を禁じる通達を出した。市民にまざり、職員が喫煙する姿が「見苦しい」とする指摘があがっていた。六麓荘で豪邸以外の建設を禁止するなど次々と条例化する同市だが、厳しい規制を市民に課す前に、まずは自らを律しようという考えだ。
庁舎玄関で一服「見苦しい」
 市は平成16年度から庁舎内の喫煙所を廃止して全面禁煙。市役所2階にある北館・南館をつなぐ屋外通路と北館の屋上、北館地下1階の健康管理室横の屋外スペースの計3カ所に限って、職員の喫煙場所に指定している。
 今回通達が出されたのは市役所北館・南館の玄関前に設置された喫煙スペース。市役所を訪れる市民のために設置されているが、昼休みなどになると、食事を終えた職員らが一服する姿が目立っていた。
 このため市議会などで「見苦しい」「喫煙のたびに席を離れては職務に支障が出るのでは」などと問題視され、指定された3カ所以外での喫煙を禁じるとともに、喫煙時間もできる限り短縮するよう全職員に通達した。
 市は、高級住宅地としての居住環境を守るため、市内全域の公園や道路などで歩行喫煙や夜間花火のほか、空き缶や吸い殻のポイ捨て、飼い犬のふんの放置を禁じる景観保護条例を検討中。素案では罰金は最大5万円というほかの自治体に見られない厳しさで、来年3月市議会の提案に向け、市民から意見を募っている。
 市人事課は「市民の理解が得られるよう、行政自らが襟を正していきたい」と話している。


2006/12/25  ハワイの禁煙法施行、日本人旅行者は9割が認知-ウインキュービック調査 (トラベルビジョン記事

 ウインキュービックはこのほど、同社が運営するウェブサイト、アロハストリートのユーザーを対象に11月中旬に施行された新禁煙法に関する調査を実施した。これによると、新禁煙法に関して「だいたい知っている」が53.1%、「よく知っている」が38.2%となり、認知度は91.3%にのぼることが分かった。その中でホテル選択への影響について、「とても影響する」が36.4%、「やや影響する」が17.4%となり、新禁煙法の施行でホテル選択に影響がおよぶ可能性が高い結果となった。
 また、「新禁煙法の施行による混乱や不便さ軽減のため、旅行会社や現地の旅行業関連ビジネスに希望することは」との問いに、吸える場所と吸えない場所の明確化を望む声が66.3%となったほか、「部屋で吸えなくてもいいから、せめてホテル内に喫煙所を設けてほしい」との声が34.5%におよんだ。また、州全体の完全禁煙を望む声が24.0%とあがった一方で、レストランやバーでの喫煙所の確保の希望が16.8%、高額でもホテルの喫煙ルームが確保できるツアー造成を望む声が16.1%などとなった。
 なお、調査は有効回答数597名、うち禁煙者54.6%。
▽ウィンキュービック「新禁煙法」調査
http://www.wincubic.com/jp/aloha/alh_survey/alh_sur_06_winter.html


2006/12/24  喫煙や飲酒による病気の治療費、年間6兆ウォン 韓国 (YonhapNews World Service - South Korea記事

【ソウル24日聯合】喫煙や飲酒が原因となる病気の治療に、年間で6兆ウォンがかかっていることがわかった。運動不足による病気にも年間1兆2000億ウォンがかかった。
 韓国保健社会研究院健康増進事業支援団が発表した国民の健康決定要因分析報告書によると、喫煙が原因となった病気の治療費は年間2兆9676億ウォンに達した。男性が2兆6058億ウォン、女性が3618億ウォンを占め、比較的喫煙率の高い男性の治療費が多かった。病気別の治療費用は、気管・肺・気管支がんが全体の17.5%に相当する5183億ウォンに達した。次いで胃がんが3580億ウォン(12.1%)、虚血性心臓疾患が2661億ウォン(9.0%)、脳血管疾患が2371億ウォン(8.0%)、肝臓がんが2159億ウォン(7.3%)、気管支炎・肺気腫(きしゅ)が1817億ウォン(6.1%)、高血圧が1657億ウォン(5.6%)の順だった。
 飲酒による疾病治療には、2兆7917億ウォンがかかった。過度なアルコール摂取による精神・行動障害に対する治療費は1兆593億ウォン(37.9%)に達した。以下、肝臓がん(6386億ウォン)、肝臓疾患(5890億ウォン)、脳血管疾患(1226億ウォン)、高血圧(868億ウォン)の順で治療費が多かった。飲酒がもたらす病気のうち、精神・行動障害や肝臓関連の疾患が治療費全体の80%を上回った。
 一方、運動不足による疾患の治療には1兆2213億ウォンがかかった。男性が6246億ウォン、女性が5967億ウォンを占めた。疾患別では、脳卒中が3039億ウォンで最も多く、心血管疾患が2735億ウォン、糖尿病が2164億ウォン、高血圧が1982億ウォン、大腸がんが1060億ウォン、うつ病が522億ウォンだった。


2006/12/24  特急禁煙、一気に加速 小田急「ロマンスカー」、東武「スペーシア」 (フジサンケイ ビジネスアイ記事

 旅行やビジネスの“足”として欠かせない新幹線や特急列車。喫煙者にとっては、長距離列車に乗車している時間、喫煙を我慢するのは辛いもの。これまでは、喫煙車両と禁煙車両とに分けることで、非喫煙者の受動喫煙を防止していたが、来年は、特急列車や新幹線の禁煙車両増設とともに、全面禁煙化が一気に加速する。
 来年3月18日から全面禁煙となるのは、小田急電鉄が運行する特急「ロマンスカー」、特急「スペーシア」など東武鉄道が運行する全特急列車。JR各社も、新幹線や特急列車の全面禁煙化や禁煙車両の拡大を進める。
 JR東日本は、これまでの長野新幹線や特急「成田エクスプレス」に加え、東北新幹線、秋田・山形新幹線、特急「スーパーひたち」「あずさ」を全面禁煙化する。JR東海・西日本が7月に東海道・山陽新幹線に投入される新型車両「N700系」では、全座席を禁煙とし一部のデッキ部に喫煙ルームを設置することで、喫煙者に対応する。
 JR西日本は、「北近畿」「文殊」、関空特急「はるか」といった、乗車時間が3時間未満の特急列車を全面禁煙化。特急「サンダーバード」や「雷鳥」などは禁煙車両を増やす。「今回は乗車時間が比較的短い特急列車で全面禁煙としたが、今後は長距離の特急列車も全面禁煙化を進める予定」(JR西日本広報部)という。
 小田急電鉄や東武鉄道は、JRの特急列車と相互乗り入れしており、JRの全面禁煙化への対応に合わせた形だ。
 しかし、車両間の仕切り扉の開閉で喫煙車両の煙が禁煙車両に流入することから、「非喫煙者の乗客から全面禁煙化を求める声が高まっていた」(小田急電鉄広報部)。乗車時間も最大で2時間と短く、喫煙者にとっても「許容範囲」と判断した。
 3月以降も特急列車の喫煙車両を維持する首都圏の私鉄は、現時点では都心と羽田空港や成田空港を結ぶ京成電鉄の「京成スカイライナー」のみということになる。
 鉄道各社は、2003年の健康増進法施行にあわせ、駅のホームの全面禁煙化も進めており、喫煙者はますます我慢が強いられることになりそう。非喫煙者にとっては、うれしい限りの禁煙拡大だが、喫煙者には辛い鉄道の旅になるかもしれない。


2006/12/24  完全禁煙タクシーは漸増──全国では3%台、大分県は一斉に (日経ネット関西版記事

 完全な禁煙タクシーは2000年、国土交通省が運送約款の変更手続きを不要としたことから、導入するケースが目立ち始めた。受動喫煙の防止などを規定した03年の健康増進法でタクシーの「努力義務」が盛り込まれたことや、運転手が健康被害を訴えた訴訟の影響などで近年、漸増している。
 06年3月の国交省などのデータによると、全国で約8400台が禁煙車で、総数の3.1%にあたる。一方、喫煙者率は年々減少しているものの、日本たばこ産業(JT)の調査では、06年8月時点で26.3%となっている。
 大分県では、今年4月から全タクシーの禁煙化に取り組んでいる。県タクシー協会の幹部は「事業者の日ごろのまとまりで一斉に導入したから実現できた。他県からも視察に来るが、他地域ではなかなか難しいようだ」と話している。


2006/12/24  たばこ臭追放、タクシー加速──「でも乗客が減っては……」換気装置、苦肉の策 (日経ネット関西版記事

 健康増進法の施行などを受け、タクシー会社で受動喫煙を防止する新たな取り組みが広がりつつある。特殊な装置を取り付け車内の空気を強力に排出する仕組み。9月からキャンペーンを始めた大阪の場合、競争激化が背景にあり、喫煙客にも配慮した“苦肉の策”といえる。乗客からは取り組みを評価する意見が寄せられる一方で、「完全禁煙にすべきだ」との厳しい声も上がっている。
 この特殊な装置は、福岡市のメーカー「アルファコーポレーション」が開発したサイドバイザーで、後部座席のドアの上部に取り付ける。同社によると換気性能試験の結果、2分で車内空気の約9割を交換、たばこの粉じんやウイルスは除去される。福岡市や名古屋市の一部タクシー事業者がすでに導入、12月末からは東京都の会社でも導入予定という。
 9月から「タバコ臭追放キャンペーン」を行っているのは、47社が加盟するタクシー事業者組合「関西ハイタク事業協同組合」(関協、大阪市北区)。「完全禁煙化しない仕組み」と銘打ち、合計約4200台にこのサイドバイザーを取り付けたほか、消臭スプレーを常備した。
 関協の城山良博事務局長は「微力ながら」と前置きした上で、「喫煙者を排除せず、皆が気持ちよく利用できるように」とキャンペーンの狙いを説明する。増車が相次ぎ過当競争状態の大阪のタクシー事情を背景に「禁煙車にして客を少なくするわけにはいかない」という経営判断がある。また乗務員が喫煙者の場合、全面禁煙は現実的でないという本音もある。


2006/12/24  喫煙率の数値目標また断念 業界・自民の抵抗なお強く (朝日新聞記事

 喫煙率に数値目標を定めて禁煙を進めようとしていた厚生労働省が、方針を転換して数値目標を断念する方向で検討に入った。「禁煙希望者がすべてやめる」といったスローガンは掲げる。同省は00年にも数値目標の設定を目指したが、たばこ業界や自民党などの反発を受けて引っ込めた経緯があり、今回も各界に配慮したとみられる。
 喫煙率の目標値はもともと、厚労省が生活習慣病予防などのため00年に作った「健康日本21」に盛り込む予定だった。このガイドラインは、食生活など約70項目について「食塩摂取量は1日10グラム未満」などと2010年までにめざす数値目標を挙げたのが特徴。喫煙率も当初案は「男女とも半減」と明記したが、その後撤回。数値目標がない数少ない項目の一つだった。
 昨年度から中間見直しを始めた厚労省は、04年調査の喫煙率(男性43.3%、女性12.0%)を踏まえ、(1)男性30%、女性10%(禁煙希望者がすべて禁煙した場合)(2)男性35%、女性10%(たばこ依存症以外の禁煙希望者が禁煙した場合)(3)男性25%、女性5%(ガイドライン作成当時の喫煙率を半減)――の3案を専門家の部会に提示。今月15日の部会では、多くが(1)案を支持していた。
 一方、自民党は10月、「行政が一方的に数値目標を設定し国民を誘導することは憲法の趣旨から問題」「たばこは財政物資として国や地方の財政に大きく貢献している」などと決議。たばこ業界への配慮を求めた。日本たばこ産業(JT)も同月、記者会見で「たばこは個人の趣味。行政が数値を示して介入するのは強制だ」と主張した。
 結局、厚労省は数値目標の代わりに、「すべての禁煙希望者が禁煙を実行する」という内容のスローガンを掲げることにした。現在の喫煙率と禁煙希望者の割合を添えて、(1)案の「目標」がイメージできるようにする。「数字ばかり躍っても、達成できなければ意味はない。わかりやすいスローガンで国民にアピールしたい」という。
 同省によると、海外では韓国が「10年までに男性30%、女性5%」との目標を掲げている。米国や英国、フランスも数値目標を定めている。


2006/12/22  私生活の喫煙が理由の解雇は合法か~マサチューセッツで元従業員が提訴 (USFL.COM - New York,NY,USA記事

 マサチューセッツ州バザーズベイに住むスコット・ロドリゲスさん(30)はこのほど、喫煙者は雇用しないという会社の規定によって解雇されたのは個人のプライバシー権の侵害にあたるとして、芝生ケア用品大手スコッツを相手取り、同州サフォーク郡高等裁判所に提訴した。
 ボストン・グローブによると、スコッツは、社員の健康改善と医療経費の削減を図るため、昨年に職場の内外にかかわらず社員の喫煙を禁じることを発表、今年10月から同規定を実施した。
 同社は現在、社員約7000人に1年間の準備期間を与えており、全ての社員に喫煙・禁煙状況を書面で証明させている。喫煙を再開した社員は解雇される。
 近年同様の規定を導入する企業は増えている。タバコ生産地など約30州では導入を禁じる州もあるが、今回訴訟があったマサチューセッツでは禁じられていない。
 1日タバコ1箱を吸うロドリゲスさんは今年初めの雇用時には、会社の規則に合意している。その後尿検査で大量のニコチン反応が出たため、社の規定が実施される前の9月に解雇された。解雇前には、車の中にタバコを発見した上司から書面で警告も受けていた。ロドリゲスさんは、禁煙努力中だったがまだ吸っていたことを認めている。
 弁護側は「雇用者は職場における社員の任務遂行や状況については懸念すべきだが、社員の私生活には立ち入るべきでない。これが高じると、運動量が足りないと言いだしたり、両親が若くして心臓病で亡くなっている人は医療費がかかりそうだから雇用しないといった差別につながりかねない。喫煙が合法である限り、それが仕事に影響しなければ、会社には関係ない」と主張している。
 これに対し会社側は「社員の私生活における会社に影響のない行動を指図するつもりはないが、健康リスクの増加と医療費の間に直接的な相関関係があることは議論の余地がないため、喫煙は別格で、会社が喫煙に伴うリスクを負担する気はないことを表明している」と反論している。


2006/12/22  JR西日本も禁煙を拡大 (スポーツ報知記事

 JR西日本は22日、来年3月のダイヤ改正に合わせ、始発駅から終着駅までの乗車時間が三時間未満のほぼすべての特急を全面禁煙とする、と発表した。
 関西と山陰地方を結ぶ特急が中心で、新大阪―城崎温泉(兵庫県)間の「北近畿」や京都―天橋立間の「はしだて」、関西空港―京都間の「はるか」など12種類の特急で、寝台特急は対象外。
 また岡山―出雲市(島根県)間の「やくも」など4つの特急では、電車内に設けた喫煙施設以外が禁煙となる。大阪―富山間の「サンダーバード」などでも禁煙車両を増やす。
 JR西日本の山崎正夫社長は新幹線の扱いについて「乗車が長時間になることや、JR東海との調整も必要になるため、今回は対象から外した」と話した。


2006/12/22  新幹線に「N700系」投入、東京―新大阪5分短縮へ (朝日新聞記事

 JR東日本は22日、07年3月18日のダイヤ改定に合わせ、東北・上越新幹線や特急など、同社内だけを走るすべての列車を全面禁煙にすると発表した。JRに乗り入れる小田急電鉄と東武鉄道も、同日から特急が全面禁煙になる。
 一方、JR東海と西日本も、07年7月1日のダイヤ改定を発表。東海道・山陽新幹線の新車両「N700系」を8本導入する。「のぞみ」として使われ、東京―新大阪駅間を最速で5分短い2時間25分で結ぶ。初めて品川駅発(午前6時)も登場する。また、デッキに喫煙ルームを設けた全席禁煙になり、列車内の禁煙が一気に進む。


2006/12/22  小田急電鉄、2007年3月18日から特急ロマンスカーを終日全面禁煙化 (日経プレスリリース記事

 小田急電鉄株式会社(本社:東京都新宿区 社長:大須賀 頼彦)では、2007年3月18日(日)から、特急ロマンスカーを終日全面禁煙化します。
 当社では、これまで健康増進法に基づき、全駅における終日全面禁煙化など、日々多くのお客さまにご利用いただく鉄道施設での受動喫煙を防止するための対策を講じてきました。
 特急ロマンスカーについても、喫煙車両や喫煙ブースを設けて分煙を図ってきましたが、禁煙志向が高まる中、喫煙車両や喫煙ブースから流れ出す臭いや煙について、多くのご意見が寄せられていました。当社では、こうしたご意見に対し、受動喫煙を防止するべく検討を重ねた結果、特急ロマンスカーの乗車時間は、主要運転区間である新宿~箱根湯本間でも約85分と比較的短いこともあり、お客さまにより快適なご利用環境を提供するため、全車両を終日禁煙化させていただくこととしました。これにより、当社の全70駅、全列車がすべて終日全面禁煙となります。
 なお、現在当社では、東海旅客鉄道株式会社(本社:愛知県名古屋市 社長:松本 正之)と、新宿~沼津間で、特急列車「あさぎり号」の相互直通運転を行っていますが、JR御殿場線に乗り入れる特急ロマンスカーおよび当社線に乗り入れるJR東海の特急列車についても終日全面禁煙とします。
 特急ロマンスカー全面禁煙化の概要は下記のとおりです。
                     記
1.期 日
 2007年3月18日(日)より
2.対象列車
 全特急列車(JR東海から乗り入れる特急列車を含む)
  平 日:103本(上り48本、下り55本)
  土休日:115本(上り55本、下り60本)
 ※全席禁煙のロマンスカー・VSEに設置の喫煙ブースも禁煙化します。
3.その他
 特急ロマンスカーは、箱根・江の島方面への旅行や、通勤の足として年間約1,300万人のお客さまにご利用いただいています。
以上
関連リンク 小田急電鉄(株)ホームページ


2006/12/22  「毎日喫煙」下げ止まる=10代半ばの生徒調査で判明-米 (時事通信記事)

【ワシントン21日時事】米国で毎日の喫煙を習慣としている生徒の比率が下げ止まったと、ミシガン大学が21日発表した。この調査は同大が毎年実施しており、今年も全米410校、4万8460人の生徒を対象に行われた。
 それによると、ほぼ毎日喫煙する子供の比率は、8年生(日本の中学2年に該当)で4.0%と昨年の調査と同じ水準。10年生(同高校1年)は7.6%で前年の7.5%よりも上昇した。
 若年層の喫煙は90年代後半をピークに減少を続けてきただけに、今回の結果に関して同大では「10代前半から半ばにかけての生徒については、日常的に喫煙する比率が下げ止まってしまった」と分析している。
 ただ、日常的に喫煙する12年生(同高校3年)の比率は12.2%で前年より1.4ポイント低下。また、「一度でも喫煙経験がある」という生徒の比率はどの学年でも低下していた。


2006/12/21  【用語解説】 財務アドバイザー (時事通信記事)

 フィナンシャル・アドバイザー(FA)。企業の合併・買収(M&A)や投資、資金調達などで財務上の助言を行う。案件ごとに投資銀行などが請け負うことが多い。近年のM&Aでは買収する企業と買収される企業がそれぞれFAを置き、FA同士が直接交渉するケースもあり、存在感を増している。
 阪神電気鉄道と村上ファンドの攻防では、阪神側FAを大和証券SMBCが担当。村上ファンドに阪神株を手放すように求め、交渉をまとめた。日本たばこ産業(JT)の英ギャラハー買収ではJTのFAを米メリルリンチグループが務め、資金調達も行う予定。


2006/12/21  葉巻たばこ人気、女性にじわり/鹿児島市 漫画「NANA」の影響も (南日本新聞記事

 アメリカ産の葉巻たばこ「ブラック・ストーン」が静かな人気となっている。若い女性を中心に売り上げを伸ばしており、背景には人気少女漫画の影響があるようだ。
 「ブラック・ストーン」は、「Cookie(クッキー)」(集英社)に矢沢あいが連載中の人気漫画「NANA」で、登場人物が吸っている銘柄。また作品中で主人公がボーカルを務めるバンド名の由来にもなっている。チェリーとバニラの2種類があり、甘い香りが特徴だ。
 「昔は全然売れていなかった。漫画の影響でしょう」と話すのは鹿児島市中央町の「たばこショップF&M」店主の山元紀雄さん(56)。同銘柄を扱いだしたのは約3年前。徐々に要望が増え、売り上げは当初に比べて約3-4倍に増えているという。購入者は若い女性が中心。「NANAに出てくるたばこをください」と言われることもあるという。
 同銘柄の輸入・卸をする秋山産業(東京)も「爆発的にとはいかないが、徐々にファンが増えている」と話す。
 過去にテレビドラマや映画などをきっかけにヒットしたたばこは、ドラマ「踊る大捜査線」で織田裕二演じる青島刑事が愛飲していた「アメリカン・スピリッツ」などの例がある。いずれにせよ芸能人や人気原作の影響は大きいようだ。「銘柄のはやりすたりはあってもいいが、喫煙マナーは守ってほしい。言うまでもなく未成年者の喫煙は厳禁です」と山元さんは話した。


2006/12/21  税収減、“たばこ離れ”が顕著 (釧路新聞記事

 たばこを吸わない人が増えているが、釧路市のたばこ税課税状況調べでも、課税ベースとなる売り渡し本数は2000年度の6億5415万2000本から04年度は5億5800万2000本と5年間で約9600万本も減少し、“たばこ離れ”が顕著となっている。これに伴い税収もこの間、8490万円ダウンしているが、これだけで済んでいるのも国の税率改正(値上げ)が下支えとなっているからで、そのつけはすべてスモーカーらに回っている。


2006/12/20  たばこやめて!児童の声を冊子に 青森 (北海道新聞記事

 「お母さんが死ぬのはいやだな… ニコチンがこわい」-。県は、県内小学生のたばこに対する意見を集めた無煙環境推進メッセージ集「届け!こどもたちの声」を初めて作成した。子どもたちが家族の健康を心配する率直な気持ちがつづられている。
 メッセージ集は県民の健康づくり運動の一環として一万九千部作成した。県内の小学六年生の保護者らに配布する予定。メッセージは、授業などでたばこの害について学んでもらった後、子どもたちに書いてもらった。
 「『ゲホン。ゲホン』すごいけむりだなあ。家族みんなが苦しいよ。お願い、お父さん。たばこはもうやめて!」(つがる市・繁田小四年)
 「ぼくは、たばこのけむりのない空気のきれいな家で、勉強や食事がしたいです」(むつ・桧川小四年)といった切実な声が寄せられた。たばこの害に驚き、「自分は吸わない」と誓う声もあった。
 「たばこの実験で、肺がたった一本で茶色に変わっていくのを見た。たばこは吸いたくない」(青森・幸畑小六年)
 「たばこは毒の缶詰です。有害物質が四千種類もあるし、毒性が高いのは二百種類もあるので、たばこは毒の缶詰なのです」(むつ・桧川小四年)
 家族を心配する声もある。
 「お母さんが死ぬのはいやだな。お母さんに聞いたら『やめる』といってくれた! ニコチンがこわい、だからお母さんお父さんにやめてほしい! がんになってほしくないから…」(青森・幸畑小四年)
 「父はとても優しく、ぼくは大好きです。そんな父だからたばこをやめてほしい」(むつ・第一川内小六年)
 青森県の成人男性の喫煙率は41.0%(二〇〇四年度老人保健事業報告)で全国ワースト三位、若い女性の喫煙率は34.3%(〇五年度、県調べ)と、高い水準にあり、県保健衛生課は「メッセージ集を通して、防煙・分煙・禁煙の取り組みを考えてほしい」と語っている。


2006/12/19  【名古屋市】市外の人にも路上禁煙を 名古屋地区の鉄道が一斉PR (中日新聞記事

 名古屋市の路上禁煙地区(名古屋駅、栄、金山、藤が丘)をもっと知ってもらおうと、名古屋地区を運行する5つの鉄道が、今月上旬から車内で中づり広告を出したり、ポスターを張ったりとあの手この手でPRを展開している。市は路面表示を大きくしてアピールしているが、市外から訪れた人への浸透度はいまひとつ。一斉にPRしようと、各事業者は無料で協力を買って出た。 
 PRを展開しているのはJR東海、名鉄、近鉄の3社と第3セクター鉄道あおなみ線、市交通局。これまで車内アナウンスはまちまちで、PRについて有料としていた会社もあった。
 市職員が今年9月、全国で初めて過料徴収を実施した東京都千代田区を訪れた際、「路上禁煙は鉄道でのPRが不可欠」とのアドバイスを受けた。市は人の往来が増える年末がPRのチャンスとばかり、鉄道会社などに協力を依頼。いずれも1週間から1カ月程度、無料での広報を引き受けた。
 市は、中づり広告用の2800枚のポスターを各鉄道に配った。JR東海、名鉄、近鉄、あおなみ線で中づり広告を展開。民鉄3社で路上禁煙の中づり広告は初めて。名鉄は、特急電車のドア付近にあるテロップも流している。市営地下鉄では全駅でポスターを掲示するとともに、車内でスポット放送を行っている。
 禁煙地区で違反をすると2000円を過料徴収される。7月から11月末までに計約2200人が過料処分を受けた。住所が判明している1155人のうち、市外在住は約7割。東京都や大阪府、岐阜、三重県などから訪れた人が目立っている。


2006/12/18  東京全日空ホテル、禁煙客室を増設-過半数の475室を禁煙に (銀座経済新聞記事

 東京全日空ホテル(港区赤坂1、TEL 03-3505-1111)は12月16日、ホテル内の禁煙客室数を大幅に増設すると発表した。
 同ホテルは現在、総客室数873室(29フロア)の35.9%にあたる313室(10フロア)を禁煙客室として営業しているが、これに162室を増やし、全体の54.4%にあたる475室(15フロア)を禁煙にする。客室全体の過半数を禁煙にするのは「国内のホテルにおいて最大規模」だという。
 禁煙室増設の背景について同ホテルは「周辺に各国大公使館、国内外の企業などが多く、特にビジネス客を中心に禁煙客室への需要が高まっている」としており、その数は2005年度と比較して約2割ほど増えているという。
 2007年の年明けから改修工事を着工、完成フロアごとに営業を始め、2007年3月末までに全フロアの改修を完了する見込み。
 東京全日空ホテルは、10月23日に発表された全日本空輸と英・ホテルチェーンのインターコンチネンタルホテルズグループとの資本提携により、2007年4月1日より「ANAインターコンチネンタルホテル東京」に改称。今月より「IHG・ANA・ホテルズグループジャパン合同会社(LLC)」が運営している。
→参考:プレスリリース 東京全日空ホテル、禁煙客室数を大幅に増設


2006/12/18  JT、露・東欧に活路 英ギャラハー買収 先進国では逆風 巨額投資でリスクも (読売新聞記事

 世界3位のたばこ会社である日本たばこ産業(JT)は15日、同5位の英ギャラハーを買収すると正式発表した。買収金額は、有利子負債分を含め約2兆2530億円(約97・5億ポンド)で、日本企業として過去最大の買収となる。JTは成長が見込めるロシアなどの新興国市場に強いギャラハーとの相乗効果で、世界市場に販路を確立する考えだが、米フィリップモリスなどのライバル社も新興国でのビジネス拡大を目指しており、競争の激化は必至だ。巨額投資に伴う財務内容の悪化懸念もあり、JTの思惑通りに、投資の果実が得られるかはまだ見通せない。(高橋徹、越前谷知子)
借入金1兆円
 JTは2007年上半期をめどに、ギャラハーの全株式を現金で取得し、完全子会社化する。両社のたばこ販売数量(05年度)を単純合計すると5870億本で、世界第2位の英ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)に約910億本差まで詰め寄る。
 JTは、5日までの過去3か月間につけたギャラハー株の平均株価を約27%上回る1株約2635円(11・4ポンド)で買い取る。買収資金は約7000億円の手元資金に加え、米大手投資銀行のメリルリンチから約1兆円を借り入れる。
健康志向
 たばこを取り巻く事業環境は、年々厳しさを増している。日本を含めて100か国以上が批准した喫煙による健康被害を防ぐための「たばこ規制枠組み条約」が05年2月に発効し、各国は増税などでたばこ消費を減らす対策を急いでいる。
 JTの主力ブランドのマイルドセブンに対しては、01年に欧州連合(EU)が、たばこの健康被害を過少に思わせかねない「マイルド」の表現を禁じる指令を出した。「先進国市場は、健康志向や増税により成熟期に入っており、たばこの数量自体が伸びることはない」(木村宏社長)のが現状だ。
新興国争奪戦
 JTは99年に米RJRナビスコの海外たばこ部門を9400億円で買収し、東欧市場に基盤を築いた。ギャラハー買収で、海外での基盤はさらに強固になる。
 本数ベースの各国の市場占有率(シェア)は、買収後、英国で約40%、アイルランドで約50%、ロシアで34%、カザフスタンで46%に達する。世界全体のシェアも10・9%(2005年度)となり、葉タバコなど原材料の調達などでコスト競争力が増す。
 みずほ証券の佐治広シニアアナリストは「ロシアや東欧などでギャラハーとブランドを共同展開すれば、無意味な競争を避けながら、コスト削減もできるので、大きな相乗効果が期待できる」と分析する。
格下げ方向
 ただ、JTは株式の50・02%を国が保有しており、純粋な民間会社とは言えない。2兆円超の巨額投資が、万が一失敗すれば、国が保有する株式の価値が大幅に下がることになり、国民の資産が目減りする。
 今回の買収決定については、15日に格付投資情報センターが「良好な財務構成は一時的に悪化する」として、JTと同社が発行した社債の格付けを、現在の「AA+」から格下げする方向で検討に入ったと発表した。今回の買収額は、RJRの倍以上にも達するだけに失敗のリスクは大きい。
 JTは92年に買収した英マンチェスター・タバコを00年に売却、96年に米外食チェーン「バーガーキング」と設立した合弁会社も01年に解散するなど、投資の失敗も目立つ。巨額投資に見合うメリットがあるのか、国民に対し、十分な説明が必要といえる。
ギャラハー
 1857年設立、本社は英サリー州ウェイブリッジ。2005年度の連結売上高は、JTの4兆6376億円に対し、ギャラハーは82億1400万ポンド(約1兆8984億円)。主なブランドに、ベンソン&ヘッジス、シルクカット、メンフィスなど。


2006/12/18  JTの格付けをネガティブの対象に=フィッチ (朝日新聞記事

[東京 18日 ロイター] フィッチ・レーティングスは、日本たばこ産業(JT)<2914.T>の長期外貨建て・円建て発行体デフォルト格付けAA─を、格付けウォッチ、ネガティブの対象にした。
 フィッチによると、今回の格付けウォッチの指定は、JTによる英国大手たばこ会社ギャラハー(BBB、格付ウォッチ、ポジティブ)の買収手続き開始に、両社が合意したとの発表を受けたもの。
 フィッチは、JTが今回の買収においてどのようにシナジー効果を達成するか、同社の今後の財務戦略を見極めたうえで、格付けウォッチを解除する。


2006/12/18  JT、2.25兆円投じ英たばこ大手ギャラハーを買収へ、海外事業を強化 (nikkeibp.jp記事

 たばこメーカー世界3位の日本たばこ産業(JT)は12月15日、同5位の英Gallaher Group(ギャラハー)の買収手続きを開始することで同社と合意したと発表した。買収総額は、純有利子負債込みで97億5000万ポンド(約2兆2530億円)となる見通し。
 買収は、JTが全額出資する現地法人JTI(UK)MANAEGEMENTを通じて行い、2007年上期をめどに完了する予定。買収資金には、JTグループの手元資金と、米国の金融大手Merrill Lynchグループからの借入れ金を充てる。JTでは資金調達が2007年3月期の通期業績に及ぼす影響について「適切な時期に通知する」としている。
 JTは中期経営計画で、海外事業をグループ成長のけん引役と位置付け、外部資源の取得に注力している。今回はギャラハー社の買収により、世界市場での販売数量を6000億本程度まで増加させ、事業規模の拡大によるスケールメリットを享受するという。
 JTは現在、日本のほか台湾、旧ソ連圏などの独立国家共同体(CIS)地域、スペイン、フランス、イタリア、イランなどに市場基盤を持つ。一方ギャラハー社は英国のほかアイルランド、オーストリア、スウェーデン、カザフスタンで高い市場占有率を誇り、相互の補完が見込めるという。「Benson & Hedges」「Silk Cut」といった幅広い価格帯のたばこブランドを取り込むことで、これらの市場での競争力強化を図る。
 これに加えバージニア・ブレンドや、かみたばこなどシガレット以外の製品に関する製造技術を獲得し、海外事業での品揃えを拡充する。このほかギャラハー社が欧州、CIS地域で保有する流通インフラを利用し、各地域における事業拡大を進めるという。


2006/12/18  たばこ用品販社の審判開始決定=景品表示法違反で公取委 (時事通信記事)

 たばこに付けて喫煙すればニコチンがビタミンに変わると表示した粉末を販売し、景品表示法違反(優良誤認)で排除命令を受けたミュー(東京都世田谷区)など3社に対し、公正取引委員会は18日、裁判の1審に当たる審判を開始することを決めたと発表した。
 3社はミューとビタクールジャパン(北区)、オーシロ(川崎市)。公取委は10月、排除命令を出したが、3社は受け入れを拒否した。第1回審判は1月29日。


2006/12/17  4人に1人禁煙挑戦、成功率25%=大阪健康科学センター (時事通信記事)

 喫煙者の4人に1人がこの1年で禁煙に挑戦したものの、成功率は約25%にとどまることが17日、大阪府立健康科学センターの調査で分かった。今年4月から禁煙治療に保険が適用されたことを知らない人は6割に上った。
 同センターは昨年、喫煙者を対象にニコチン依存症の割合などを調査。その回答者1666人に今年6月、アンケートを送り、その後の禁煙行動や意識の変化を調べた。
 回答があった1392人のうち、過去1年間に禁煙を試みた人は372人(26.7%)。しかし、実際に禁煙できたのはさらにその4分の1で、全体の9割以上が喫煙を継続している結果となった。
 ニコチン依存症と判定された人は全体の約7割。禁煙したいと答えた割合は、依存症68.4%、非依存症38.4%で、依存症の人の方が禁煙志向が高かった。
 1年間に何らかの病気で医療機関を受診した882人中、286人(32.4%)は、医師から禁煙を勧められた。しかし、このうちニコチンパッチの処方や、健康保険による禁煙治療が受けられる病院の紹介など、医師から具体的な禁煙方法まで指導された人は14.7%しかおらず、保険による治療を受けたのは2人だけだった。
 禁煙治療の保険適用を知っている人は38.8%、知らない人は61.0%だった。
 同センターの中村正和部長は「本人の禁煙の希望と結果とにギャップがあり、それを埋めるために薬や治療など有効な方法を活用してほしい」としている。


2006/12/17  禁煙の必要性訴え 左京で公開講座 京都 (京都新聞記事

 日本禁煙科学会(理事長・吉田修奈良県立医科大学長)の第1回学術総会を記念する市民公開講座が17日、京都市左京区の京都大時計台記念館で開かれ、がん予防研究の第1人者である富永祐民・愛知県がんセンター名誉総長が「喫煙の害と禁煙の効果」と題して講演した=写真。
 富永氏は、たばこががんだけでなく循環器や呼吸器、消化器などさまざまな疾患の原因となり、日本では10年間に8万人を超える人が、がんが原因で亡くなったとの研究を紹介。「喫煙者は平均余命が短くなるだけでなく、老化も5年早く進む」と指摘した。
 さらに、換気扇の下で吸っていても同居の子どもの尿中ニコチン濃度は非喫煙者同居の場合の2倍以上になるなどの研究を説明し、身近な人を守る禁煙の大切さを強調。防煙・禁煙・分煙の包括的対策や、たばこ価格の値上げ、禁煙支援や健康教育の強化などの推進を訴えた。


2006/12/16  サイトに「趣味は酒」、喫煙する画像も 愛知・瀬戸北高の男女ら悪ノリ 高校生が制作したサイトには、たばこの銘柄の記述も (中日新聞記事

 愛知県瀬戸市本郷町の県立瀬戸北高校2年生の生徒が、インターネットのサイト上に喫煙や飲酒をほのめかす内容を記載し、喫煙などの画像を掲載していたことがわかった。掲示板サイト「2ちゃんねる」を通じて情報が広まり、同校に抗議電話が殺到、15日午前にサイトは閉鎖された。瀬戸署は、生徒や学校から事情を聴く方針。
 同校の生徒男女19人が作った複数のサイトは、携帯電話で簡単に作成、閲覧できるタイプのもので、プロフィルと日記、掲示板、画像アルバムなどの内容。このうち実名入りで複数の生徒のプロフィルに「タバコ・セブンスター」「趣味・酒」などと喫煙や飲酒をほのめかす内容が書き込まれていた。
 アルバムの中には、実際に喫煙していたり線路内に侵入している画像や、警察官の傍らでヘルメットを着用せずにバイクにまたがってVサインをしている写真もあった。
 15日未明に2ちゃんねるでサイトの内容が取り上げられ、「学校に抗議の電話をかける」と書き込まれた後、同校には朝から抗議の電話が10件以上あったという。
 このため同校が生徒を呼び出して事情を聴いたところ、サイトを作ったことを認めた。喫煙については以前にも指導しており、同校は「個別に判断して厳しく指導したい」と話している。
 県教委高等学校教育課は「非行の事実とともに自ら公開していたことは大きな問題。学校には、生徒にことの重大さを認識させるなど適切に対応するよう指導した」としている。
 ◇目立ちたい欲求が勝る
<「他人を見下す若者たち」などの著書がある名古屋大教育学部の速水敏彦教授(教育心理学)の話>(この高校生は)反社会的な行為でも、一部の人には称賛される行為だと思っているのではないか。問題になるリスクよりも、目立ちたいという欲求が勝っているように感じられる。ネットと携帯電話というコミュニケーションツールが、心理的なハードルを下げている。
※ 高校生にタバコを売っているのは、他ならぬ大人であり、売った側が罪に問われていないのはおかしいのではないだろうか。高校生が自販機からタバコを買っても売った側は罪に問われない、不思議な国である。


2006/12/15  JTを格下げの可能性でクレジットウォッチに=S&P (朝日新聞記事

[東京 15日 ロイター] スタンダード&プアーズ(S&P)は、日本たばこ産業(JT)<2914.T>が世界第5位のたばこ製造販売会社、英ギャラハー・グループ社(BBB/クレジット・ウォッチ ポジティブ/A─2)を買収する意向を表明したことを受け、JTの長期格付けを格下げ方向でクレジット・ウォッチに指定した。
 S&Pによると、JTは潤沢な手元流動性を持ち実質無借金だが、総額2兆円を超える買収費用を銀行借り入れと手元流動性で賄う方針であるため、財務構成は悪化する見通し。今回の買収は中長期的には事業基盤の強化に寄与するとみられるものの、JTが財務構成を今後1年─2年の間に、現在の格付けに見合った水準に回復させるのは難しいと考えている。


2006/12/15  JT、英ギャラハーに75億ポンドで買収提示=関係筋 (朝日新聞記事

[ロンドン 14日 ロイター] 日本たばこ産業(JT)<2914.T>は14日、英たばこ大手ギャラハーに対し、75億ポンド(約147億ドル)の現金での買収を提示した。関係筋が明らかにした。
 ギャラハーは、1株当たり11.40ポンドの予備的な提示を受けた点は確認したが、買い手は明らかにしていない。
 この現金の提示額に22億ポンドの負債を加えると、最終的な買収額は97億ポンド(約2兆2300億円)になる。
 ギャラハーは12月6日、買収の打診を受けたと発表。買い手の社名を伏せていたが、複数の関係筋がJTと指摘していた。


2006/12/15  欧州の事業基盤強化=英ギャラハー、2兆2500億円で買収-JT (時事通信記事)

 日本たばこ産業(JT)は15日、英たばこメーカー、ギャラハー(サリー州)を完全子会社化すると正式発表した。両社は同日、JTが買収手続きに入ることで基本合意。ギャラハー経営陣は買収に賛同している。買収手続きは2007年上半期中をめどに完了させる。JTは、欧州を中心にロシアやロシア周辺国市場に強みを持つギャラハーを買収することで、欧州での事業基盤を固めるとともに、新興国市場への展開を図る。
 買収金額は、有利子負債を含めた合計で約97億5000万ポンド(約2兆2530億円)に上り、日本企業の合併・買収(M&A)としては過去最大。すべて現金で買収する予定で、約7000億円を手元資金で拠出。残り1兆円超をメリルリンチグループからの融資を中心に賄う予定だ。
 同日都内で記者会見した木村宏JT社長は、ギャラハー買収について、「世界一のたばこメーカーを目指すための重要なステップ」と指摘。買収の意義として、(1)規模のメリット追求(2)両社の市場の補完性(3)技術、流通インフラの強化-の3点を挙げた。
 特に市場の補完性では、ギャラハーが英国、アイルランド、オーストリアなどで市場シェアトップを維持する一方、JTは日本、台湾、マレーシアに優位性があり、「地理的バランスが取れる」(木村社長)と強調。また、たばこ需要が伸びているロシア、ウクライナなど周辺国では、両社合計シェアが3割超まで拡大し、相乗効果が大きいとみている。
 買収完了までには、ギャラハー株主のほか、英裁判所の承認が必要。JTは1年後をめどに、ギャラハーの本社機能を、スイス・ジュネーブに本社を置くJTの欧州事業統括子会社、JTインターナショナルに統合する計画だ。


2006/12/15  市民病院の敷地内を全面禁煙=大阪市 (時事通信記事)

 大阪市は2007年春から、市民病院の敷地内を全面禁煙にする。市内計4カ所の市民病院では現在、建物内禁煙を実施しているが、「市民の健康を守るため、より良い環境づくりを進める」(健康福祉局)として、受動喫煙防止策を徹底する。
 敷地内禁煙を実施するのは、総合医療センターと北、十三、住吉の各市民病院。北市民病院が来年3月1日、総合医療センターと住吉市民病院が4月1日、十三市民病院は世界禁煙デーに合わせて5月31日から開始する。
 市民病院では02年から04年にかけて順次、建物内禁煙を実施してきた。しかし、決められた喫煙スペースを守らないといったように、喫煙者のマナー違反が目立ったほか、全国の病院の動向なども総合的に判断し、敷地内禁煙の実施に踏み切った。
 各病院では、院内にポスターを掲示したり、入院案内に条項を追加したりして患者に周知する。
 病院によっては、「来年3月までに禁煙外来を設ける」(総合医療センター)など、患者の禁煙サポート策も併せて検討している。


2006/12/15  CT検診による累積10年肺がん発見率、喫煙女性は喫煙男性より高く (nikkeibp.jp記事

 これまで喫煙男性は肺がん発症の高危険群と考えられてきたが、喫煙女性もまた高危険群であることが明らかになった。CT検診を継続して受けている人を対象にした研究によると、累積10年肺がん発見率は、喫煙女性の方が喫煙男性より高いという結果だった。12月13日から京都で開かれている日本肺癌学会で、東海大学の関順彦氏らが発表した。
 研究グループは、1993~2004年にかけて低線量CT検診を受けた2120人(東京から肺癌をなくす会の会員、40歳以上)のうち、半年ごとのCT検診を少なくとも1回受けた1877人を対象に、累積10年肺がん発見率を割り出した。


2006/12/15  ステージで喫煙したロビーは“バッド・ボーイ” (BARKS記事

 オーストラリア・ツアー中にステージでタバコを吸ったロビー・ウィリアムスに対し、同国の喫煙反対団体から非難の声が上がった。ウィリアムスは、水曜日(12月13日)にブリスベンで行なわれたショウでタバコを吸い、喫煙禁止令に違反したといわれているが、オーストラリアの保健省は現在のところ、彼に罰金を科す予定はないという。
 しかしながら癌患者を支援する団体Queensland Cancer Fundは、これを見逃すつもりはないようだ。彼らは「ロビーは、バッド・ボーイだ。このこと(喫煙)について彼に厳しく言ってやりたいと思ってる。彼が法を侵すことを選んだのは残念だ。しかし“俺はロビー・ウィリアムスだ。やりたいことは何だってできる”っていう態度の表れなのだろう。彼のほかの行動と一致しているのだから、驚くにはあたらないのかもしれない」
 ブリスベンの公演では、騒音の問題もあったようだ。近所からの度重なる苦情により、スタッフは2度ほど音のボリュームを下げなくてはならなかったという。
 ウィリアムスは12月18日、メルボーンで<Close Encounters>世界ツアーを終了する。


2006/12/14  2223人に過料処分 路上禁煙5カ月間まとめ (中日新聞記事

 路上禁煙の違反者に対して7月から2000円の過料徴収をしている名古屋市は13日、11月末まで5カ月間の徴収結果を市議会総務環境委員会に報告した。過料処分者は2223人に上り、現場で徴収にあたる指導員が慣れてきたこともあって人数は毎月増加。支払いを拒否したり、逃げた人は69人おり、市は「今後も粘り強く説明をする」との方針を示した。
 処分者は7月が413人だったが、11月は490人に上った。住所の内訳は市内が32%、県外が49%、県内(市外)が19%。禁煙地区別の内訳では栄の1010人が最も多く、次いで名古屋駅、金山、藤が丘の順。
 過料処分を受けた人のうち、517人に後日振り込んでもらう納付書を渡したが、払い込んだ人の割合は7、8月が35%、9月は21%にとどまっている。
 委員からは「過料徴収を始めて喫煙率が激減している。ただ、未納者に督促をきちんとしないと、払わなくて済むという空気になる」との意見が出た。市は「最大限公平性を維持するため、文書などで督促をする」と説明した。


2006/12/13  浜松市マスコットキャラクター 名称は『ハマナちゃん』 (中日新聞記事

 浜松市が「快適で良好な生活環境を確保する条例(市民マナー条例)」をPRするために公募していたマスコットキャラクターが決まった。
 名称は「ハマナちゃん」。神戸市のデザイナー助手杜多利香さん(23)が浜松の「ハマ」とマナーの「マナ」から名付けた。市はマナー向上のための啓発に使用する。
 同条例は(1)歩きたばこ(2)ポイ捨て(3)飼い犬などのふんの放置(4)落書き(5)身体障害者用駐車場の不適切な使用-の五つの迷惑行為を禁止している。
 市は七月から八月にかけてキャラクターを募集。百十五点の応募作品の中から、杜多さんの作品を選んだ。杜多さんによると「マナーを守ることを心がけ、気持ちよく暮らす様子をハートをモチーフに表している」という。


2006/12/13  銭湯“タバコ汚染”世田谷区の全50軒“湯破”でわかった喫煙野放し42% 法的拘束力なく (ライブドア・ニュース=マイニュースジャパン記事

 東京都の入浴料金の30円値上げをきっかけに、東京都公衆浴場業生活衛生同業組合(浴場組合)は、「入浴による健康増進を売り物とする銭湯で、喫煙はふさわしくない」とし、6月1日から都内の銭湯に「全面禁煙」を要請した。ところが、これは義務ではなく法的拘束力はない。銭湯好きで、『禁煙ジャーナル』編集長の筆者が6~11月にかけて世田谷区の銭湯50軒にすべて入浴したところ、全面禁煙は25軒(50%)にとどまり、「完全分煙」が4軒(8%)、脱衣所とロビーのどちらかに灰皿がある銭湯が21軒(42%)であることがわかった。銭湯の煙害がゼロになる日はいつやってくるのか。
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【Digest】
◇風呂上りに浴びせられる不快・不健康なタバコの煙
◇空気のきれいな完全分煙の銭湯「江戸遊」
◇入浴料30円値上げを機に浴場組合「全面禁煙」を提唱
◇組合の新方針、保健所の指導も無視する銭湯
◇「タバコを吸っていただくのがサービス」と考える銭湯オーナー
◇世田谷区内50銭湯に入浴して「禁煙」調査開始
◇全銭湯「湯破」でわかった銭湯「禁煙」率50%
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 私は大の銭湯ファンです。
 自宅は数年前から24時間風呂とし、毎晩、ときには朝風呂にも入っていますが、広くそして手足を十分伸ばせる(短い手足ですが)銭湯が大好きで、週に1、2回は通っています。
◇風呂上りに浴びせられる不快・不健康なタバコの煙
 都内の多くの銭湯が、脱衣所にもロビーにも灰皿を置いて自由にタバコが吸えるようになっていたことは大きな問題でした。風呂上りのサッパリした気分のところに、タバコの煙と臭いを浴びせられるのはまったく不愉快・不健康な出来事でした。
 しかも、東京都公衆浴場業生活衛生同業組合(以下浴場組合)の機関紙『1010』(せんとう)でも、銭湯の利用は健康増進に効果的、病気の予防にもなるというような記事を毎号掲載しており、「喫煙野放し」はこれに大きく反する結果となっていたのです。
 2003年5月、厚生労働省は「健康増進法」を施行し、受動喫煙防止の方針を打ち出しました。しかし職場、ホテル、飲食店、交通機関、タクシーなど「禁煙」「分煙」が実施されていない場所がまだかなり存在している中で、銭湯の“タバコ汚染”も未解決のままでした。
◇空気のきれいな完全分煙の銭湯「江戸遊」
 私が住んでいる世田谷区や事務所(たばこ問題情報センター)の近くの新宿区、ときどき野球をした後や、審判を務めた後に利用する練馬区、中野区などの銭湯や各区の区長・保健所長にこの問題で再三申し入れを行なってきましたが、脱衣所とロビーの禁煙(無煙)化には皆消極的で、納得できる回答をもらったことがありませんでした。
 ところが2004年2月、千代田区淡路町に「江戸遊」という銭湯が新たにオープンしました。千代田区の施設があった場所に、1階~4階が銭湯、5階~12階は区の住宅となっているゲタ履きビルで、お風呂は3階にあります。
■江戸遊
 この「江戸遊」が完全分煙の銭湯で、脱衣所・ロビーとも灰皿をすべてなくし、2階に隔離された「喫煙所」を設け、その場所以外はまったく無煙環境となっています。
 「江戸遊」は、私の事務所から自転車で約5、6分という便利な距離でもあり、この年は1年間に90回も通ってしまいました。
 これまで度々行っていた新宿や地元世田谷区の銭湯には、ほとんど行かなくなってしまいましたが、世田谷区内には行ってみたい銭湯がたくさんあり、何とかタバコ規制対策が進まないかと、世田谷保健所長には再三申し入れを行って、区内銭湯の脱衣所・ロビーの禁煙化を訴え続けてきました。
◇入浴料30円値上げを機に浴場組合「全面禁煙」を提唱
 2006年5月11日、新聞各紙は東京都の入浴料金がこれまでの400円から30円値上げとなり、430円になることを報道しました。
 浴場組合では、この値上げを機に「入浴による健康増進を売り物とする銭湯で、喫煙はふさわしくない」と判断。都が入浴料を決めている999の銭湯を、6月1日から「全面禁煙」にすると発表したのです。
 これまで、厚生労働省や東京都、保健所、そして浴場組合に再三再四タバコ規制を要望してきましたが、ようやくその願いが叶えられると嬉しい思いでいっぱいでした。
◇組合の新方針、保健所の指導も無視する銭湯
 私の自宅は、世田谷区の真ん中あたり、馬事公苑のすぐ近くです。もっとも近くにある銭湯は、小田急線・千歳船橋駅と私の家のちょうど中間地点にある「四季の湯」というなかなか施設の整った銭湯で、「江戸遊」ができるまでは、「煙害」に腹を立てながらも、月に何回かは通っていました。
 そして、今年4月以降、それまでまったく規制がなかった脱衣所に「健康増進法」の貼り紙が貼られ、初めて「禁煙」となったのです。
 そこで、はたしてロビーの状況がどうなったか、新聞報道に間違いがないかどうか期待しながら、6月2日に訪ねてみました。
 するとどうでしょう。
 相変わらずロビーには大きな灰皿が3つも置いてあり、ぜんぜん「禁煙」とはなっていなかったではありませんか。湯上りにロビーに出ると、3人の若者がプカプカ吸っていて、煙と臭いが漂っており、早々と出ていきました。
 翌日、世田谷保健所に手紙を送り、いったい浴場組合の新しい方針はどうなっているのかを問い質しました。区は銭湯に燃料代などの補助金を出しているのです。
■世田谷保健所に送った要望書(6月3日)
■世田谷保健所から届いた回答書(6月29日)
 さらに、これまで何回か通った他の銭湯がどうなったかをこの目で確かめてみたいと、次に田園都市線・用賀駅の近くにある「栄湯」に行ってみました。この銭湯は、ぬるい天然温泉があり、ゆっくり入るにはもってこいの銭湯でした。
 ところが、一見インテリ風のオーナーは、まったくタバコ問題に理解がなく、脱衣所にもロビーにも灰皿を置き、自由に吸わせていたのです。
 昨年、このオーナーと健康増進法をめぐって論争したことがあります。私が「受動喫煙防止のために灰皿を撤去すべきでは…」と言ったのに対し、なんと「この法律は、特に禁煙を命じているわけではない」「灰皿をなくせとは言っていない」などと、私に食ってかかったのです。
 もちろんその時からまったく行っていなかったのですが、浴場組合の方針がどうなったかを確かめるため6月7日に訪ねてみました。
 すると、以前とまったく変わりがないではありませんか。ロビーにも脱衣所にも灰皿が置かれ、組合の方針も、保健所の指導も無視の状態でした。
◇「タバコを吸っていただくのがサービス」と考える銭湯オーナー
 私が数年前から地元の世田谷保健所を始め、都内のいくつかの保健所、そして都衛生局、厚生労働省などに対して何回も送ってきた「要望書」の要旨を紹介したいと思います。
 この内容は、単に銭湯だけではなく、飲食店や職場の禁煙・分煙化を要請する際の参考にしていただけると考えています。
 私は「銭湯の禁煙化」について、関係各方面に何度も要請を行ってきました。しかし、「灰皿を用意してタバコを吸っていただくのがサービス」という考えの銭湯オーナーが多く、煙と嫌な臭いは野放しとなっています。
 タバコの煙の中には約4000種類もの化学物質が含まれており、そのうち発がん物質・発がん促進物質は約200種類が確認されています。
 銭湯の脱衣所・ロビーも「公共の場所」です。妊婦、幼児、身体の弱い人、タバコの嫌いな人が受動喫煙の被害に曝されている実態を、関係者は真剣に考えていただきたい。
 しかも、最近の調査によれば、喫煙者でさえも、「他人のタバコの煙は迷惑」(実際は「健康被害」ですが)と思っている人が50%以上もいることが明らかとなっています。さらに、喫煙者の約70%は「やめられればやめたい」と思いながら吸っていることも多くの調査やアンケートで判明しているのです。
 銭湯の最大の「サービス」は、「きれいな空気環境を提供すること」ではないでしょうか。銭湯利用者の健康と安全のために、「全面禁煙」(過渡的には「分煙」もやむを得ないケースもありますが)を推進して下さるよう関係者の取り組みを期待しています。
 全国各地の「日帰り温泉」「スーパー銭湯」などでは、数年前から脱衣所・ロビーの禁煙(完全分煙)はすでに常識となっています。
 タバコ規制対策は時代の要請であり、世界の趨勢です。厚生労働省や自治体(保健所)は早急に浴場組合、銭湯に対して通達(指導)を行ない、「禁煙」(分煙)を実施するよう強く要請します。
■浴場組合から届いた「銭湯の喫煙問題」の意見(8月3日)
 何回か足を運んだ「四季の湯」「栄湯」の状況をみて、私はこの目で区内のすべての銭湯を訪ねてみようと決心しました。
■銭湯「タバコ公害」全面追放の申し入れ先
■東京都公衆浴場業生活衛生同業組合(都公衆浴場組合)
〒101-0031
東京都千代田区東神田1-10-2
TEL03-5687-2641
FAX03-3866-9921
■世田谷保健所
〒154-8504 東京都世田谷区世田谷4-22-35
TEL03-5432-1111
FAX03-5432-3022
■東京都生活文化局消費生活部生活安全課公衆浴場係
〒163-8001 東京都新宿区西新宿2-8-1
TEL03-5388-3058
FAX03-5388-1332
■厚生労働省保険局生活習慣病対策室
〒100-8916 東京都千代田区霞が関1-2-2
TEL03-3595-2245
FAX03-3502-3099
■禁煙推進議員連盟
会長:綿貫民輔(国民新党)
事務局長:小宮山洋子(民主党)


2006/12/13  成人識別たばこ自販機を公開 2008年から運用開始 徳島 (徳島新聞記事

 未成年者の喫煙を防ぐ機能を備えたたばこ自動販売機が十三日、徳島市住吉四の日本たばこ産業(JT)徳島営業所にお目見えし、報道陣に公開された。成人に事前発行されるICカードを自販機にかざして購入する仕組みで、徳島県内では二〇〇八年五月から運用を始める。
 自販機はカード読み取り機を搭載。顔写真入りカードをかざせば電子マネーまたは現金で購入できる。県内約二千七百の小売店には現在、約四千五百台の自販機があり、五月から順次、新機種への交換を進めている。
 ICカードを入手するには事前の申し込みが必要。〇八年二月から、JTなどで組織する日本たばこ協会(東京)のカード発行センターで受け付ける。発行料は無料。最寄りの小売店などにある申し込み用紙に必要事項を記載し、センターに郵送する。
 自販機は日本たばこ協会など業界三団体が全国四地域に分けて設置を進めていて、〇八年三月から順次、導入される。
【写真説明】顔写真入りICカードをかざして購入する新しいたばこ自販機=徳島市内のJT徳島営業所


2006/12/13  県庁地下喫煙所の撤廃を たばこ問題考える会が要望書 (秋田魁新報記事

 県庁地下1階に今月、たばこの吸える喫茶コーナーが新設されたことについて、県内の医師らでつくる「秋田・たばこ問題を考える会」が12日、同コーナーの廃止などを求める寺田知事あての要望書を提出した。
 同会の松田淳代表世話人(中通総合病院医師)ら3人が県庁を訪れ、高橋英夫総務企画部次長に要望書を手渡した。
 松田代表世話人は「喫煙を容認する県の基本姿勢に最も大きな問題がある。県はリーダーシップを発揮する立場にあり、高い見識をぜひ示してほしい」と申し入れた。
 これに対し県側は「移行期間の中の暫定措置であり、これからも庁内全面禁煙の方向で取り組んでいく」と理解を求めた。


2006/12/13  県本庁舎:波紋、喫茶喫煙コーナー 県庁職員の「隠れ家」に医師ら廃止要望 /秋田 (毎日新聞記事

 県本庁舎地下1階の喫茶室が喫煙可能な喫茶コーナーに改修され=写真、思わぬ波紋を呼んでいる。来庁者も含め誰でも利用可能だが、実態は庁舎内の禁煙化で屋外に追いやられていた喫煙派職員の「隠れ家」状態。禁煙推進派の医師らは12日、「県が喫煙を容認していることの表れで、禁煙化の時代の流れに逆行している」として喫茶コーナーの廃止を求める要望書を県に提出した。
 県人事課によると、喫茶コーナー(約30平方メートル)は今月5日オープン。食事や喫煙もできる喫茶室が7月末に閉鎖され、県が約70万円をかけ改修した。コーヒーなどの自動販売機のほか、灰皿と空気清浄機、いすなどが置かれた。職員は今年4月から庁舎内での喫煙が禁止され、屋外で「一服」していたが、寒さが厳しくなり、喫煙派の一部は喫茶コーナーに集まるようになった。
 要望書を出したのは、未成年者禁煙外来担当医らでつくる「秋田・たばこ問題を考える会」で、松田淳・代表世話人は「空気清浄機は受動喫煙防止には無効で、健康増進法の理念に反している。県は秋田のリーダーとして、喫煙者を減らす姿勢を強く打ち出すべきだ」と主張する。県民からも県に対し、喫茶コーナーを批判する電子メールが9件寄せられているという。
 県人事課は「喫茶室の利用形態を引き継いだだけで、現在は試行段階。来年度以降は室内を仕切るなど、完全分煙化を進めたい」としている。


2006/12/12  国の機関入る県内22施設 進まぬバリアフリー 18施設で不備 福井行政評価事務所が調査 (日刊県民福井記事

 国の主要行政機関が入る県内二十二施設(入居機関数二十五)のうち十八施設でバリアフリー面などの不備があることが十一日、福井行政評価事務所の調査で分かった。農水省の福井農政事務所と福井森林管理署の庁舎は、バリアフリー化に対応した修繕自体も未実施だった。福井行政評価事務所は禁煙、分煙の実態についても調査し、二十五機関のうち全面禁煙としている機関は半数以下の十二機関にとどまった。 (畑結樹)
 調査は八-十一月に実施された。バリアフリー化では未修繕だった農水省の二施設のほか、十六施設で不十分な点が指摘された。内訳は、点字ブロックを整備していないなど、視覚障害者への配慮不備が十三施設で最も多く、障害者用駐車場の未整備など駐車関係の不備が十一施設、廊下の幅や出入り口の形状などの不備が九施設などとなっている。
 また、公共施設は禁煙・分煙面については、人事院の指針で「可能な範囲で全面禁煙の方向で改善に努める」ことが基本方針とされているが、十三機関は指針で「少なくとも」とされている“最低レベル”の分煙止まり。さらに、大野労働基準監督署、福井農政事務所、福井運輸支局は、喫煙スペースと非喫煙スペースの仕切りがないなど、外部との隔離が不十分だった。喫煙室周辺の空気環境測定も、六機関が未実施だった。
 バリアフリー化の対応で指摘を受けた福井森林管理署は、未実施の理由として予算面の制約を挙げたほか、「古い建物で面積の制約がある」とコメントした。ただ、福井農政事務所は近年、一般消費者向けの取り組みを強化していることもあり、今後の対応について両機関とも「上部組織と相談して対応を検討したい」としている。
 官公庁のバリアフリー化については、一九九四年施行のハートビル法の施行令で高齢者や障害のある人たちが利用しやすい構造にすること、禁煙・分煙では二〇〇三年施行の健康増進法で受動喫煙を防止する措置が、それぞれ努力規定として定められている。


2006/12/12  ポロニウムはまずい?=たばこ被害の広告自粛-英保健省 (時事通信記事)

【ロンドン11日時事】英保健省などは11日までに、たばこの健康被害を訴えるため企画していた公共広告の放送を見合わせることを決定した。元ロシア情報機関員アレクサンドル・リトビネンコ氏の死因とみられる放射性物質ポロニウムについて言及されていることから、「不適切」(同省)と判断した。
 広告は、ジャーナリストが喫煙者にインタビューする形で、たばこにはポロニウムを含めさまざまな毒素が含まれている事実を伝える内容。保健省と民間団体「キャンサー・リサーチ」が共同で作成し、テレビやラジオのコマーシャル枠で放送される予定だった。
 しかし、リトビネンコ氏の事件で市民の間に不安が広がっており、検討の結果、5種類ある広告のうちポロニウムを扱った2種類の放映が延期されることになった。
 同事件をめぐっては、リトビネンコ氏が訪れたロンドン市内のホテルなど各地でポロニウムが検出され、関係者の検査が続けられている。
※ タバコにポロニウム210が含まれていることを知らない人は多いので、むしろ、啓発する良い機会ではないだろうか。日本でも喫煙席のある飲食店などで、ポロニウム210が検出されても当たり前だろう。
※ 無煙タバコ(噛みタバコなど)にもポロニウム210は含まれているが、日本国内でもすでに流通している 
→参考:無煙たばこは口腔ガン発生の最大の引き金 タバコ産業はタバコのポロニウムについて沈黙していた


2006/12/12  禁煙ルーム確約プランでクレーム-各地の禁煙法の施行にも配慮を (トラベルビジョン記事

 日本旅行業協会(JATA)によると、先ごろの募集型企画旅行において、禁煙ルーム確約プランで申込み、契約が成立した後に、旅行会社から禁煙ルームの手配が出来ない、と連絡されたことで消費者からクレームが数件出ているという。この契約そのものは成立しており、確約プランである場合は債務不履行となる案件だ。JATAではこうした場合の対応として、確約出来ない場合は禁煙ルームが取れない場合について参加の可否を聞くなどの確認をして、申し込みを受けて欲しいとしている。特に、安易な確約、情報提供は過失にあたる可能性もあり、消費者への金額とは別に注意を促している。
▽禁煙法の施行でデスティネーションでは
 JATAによると、上記のクレームは香港での事例だが、同様の問合せはハワイについても寄せられているという。香港では来年1月1日から、ハワイでは既に禁煙法が施行されているいわば「禁煙・デスティネーション」。
 ハワイ州観光局(HTJ)では消費者から、禁煙法に関する問合せは「ほとんどない」としている。現状について、「ホテル内の指定場所に喫煙所が設置されている」ことを周知しているところ。また、空港、ショッピングセンターについても同様の対応。法の施行により、現場での対応状況は罰金・処罰よりも、警官等が注意を促すのが現状という。
 各ホテルによると、ラナイ(いわゆるベランダ)での喫煙を認めていないところもあり、さらに客室内で喫煙が可能な部屋についても、ホテル毎に供給量が大きく異なるが、全体としてはやや不足気味。こうした観点から、ハワイで喫煙室の確約は難しいのが現状だろう。
 香港政府観光局(HKTB)でも、禁煙法の施行については周知を図っているところ。1月1日からコンベンションセンターなど室内をはじめ、法が適用される見通し。今後はレストラン、カラオケなども同様に禁煙となる見込み。だが、建築物に対して屋根の割合から「外」とみなす場合もあり、その都度、確認が必要となりそう。
 また、HKTBではこの法律に対しては「情報が十分に浸透していないのでは」とも見ており、今後、随時紹介をしていく。


2006/12/11  あちこちにポロニウムの痕跡、捜査混乱=ネットで購入可能-元情報員殺害 (時事通信記事)

 ロシア連邦保安局(FSB)元中佐リトビネンコ氏殺害事件で、同氏を死に追いやった放射性物質ポロニウム210の「痕跡」が英独ロ3国からロンドン~モスクワ間の航空機にまで広がっている。なぜ複数の場所で次々見つかるのかは謎のままだ。
 ポロニウムは他の放射性物質と違い、ベータ線やガンマ線ではなくアルファ線だけを出すのが特徴。アルファ線を検知すれば発見できるが、
たばこにも含まれ、わずかだが自然界に存在する。ロンドン各地で検出されたポロニウムは、自然界の量より多いが、致死量より少なく、英保健保護庁(HPA)は「レベルは深刻でなく、健康に影響はない」と強調した。
 リトビネンコ氏にポロニウムを盛った犯人が痕跡を残して回っているなら、衣服に付着したポロニウムやポケットに残った破片を落としているか、手に付けてあちこち触っているか、「いずれにせよ、扱いに慣れた人間のやることではない」というのが専門家の一致した見方だ。
 このため、何者かが捜査を混乱させるため、故意にまいている可能性もある。リトビネンコ氏の元同僚ルゴボイ氏が訪れた先から次々と痕跡が見つかったが、同氏は「誰かがわたしを犯人に仕立てようとしている」と訴えた。
 英紙タイムズなどは当局者の見方として、何らかの形で気化したポロニウムを吸わされた可能性があると報じた。例えば、同氏がホテルのバーで飲んだ紅茶から気体が発生する方法なら、同席者や従業員、警官からもポロニウムが検出されたことの説明が付く。


2006/12/11  岡山県禁煙問題協議会がたばこの害訴えカレンダー作製  小学生が絵、標語 コンクール優秀作掲載 (山陽新聞記事

 岡山県禁煙問題協議会は、たばこによる健康被害を訴えた2007年の喫煙防止啓発カレンダーを作製した。県の健康づくりの指針「健康おかやま21」の一環。県内の自治体や小中学校などに3500部を配布する。
 カラー刷りB2判。世界禁煙デー(5月31日)に合わせ、県内の小学4―6年生から募集したポスターコンクールの優秀作8点を掲載した。
 県知事賞の総社市立常盤小5年の仲村陸君は、「STOP! たばこ生活」との標語を添え、たばこの副流煙で周囲の人が被害を受ける実態を分かりやすく表現。県健康づくり財団理事長賞の井原市立木之子小6年の村上聖夏さんは、喫煙で肺がむしばまれていく様子を描き、「その1本があなたの肺を灰にする」と警告している。


2006/12/11  ドイツマスコミスキャン~禁煙は違憲? (JanJan記事

 ベルリン――連立与党の作業部会がまとめた非喫煙者保護に関する提案は、そのままの形では実施されない可能性が強まった。全国一律の禁煙は憲法に反するおそれがあるとの意見が内務、法務の両省から出ているためで、政府は13日に行われる閣議で、連邦官庁に限定した禁煙措置を可決する見通し。作業部会の担当者からは不満の声が上がっている。
◇   ◇   ◇
 前回の記事(タバコは18歳になってから)でお伝えしたように、与党の非喫煙者保護に関する作業部会は1日、2007年7月から原則として
・公共施設、公共交通機関、病院
・学校、幼稚園
・レストラン(飲食店のうち食事を主とする店)
 を全面禁煙にすると発表していた(ただし居酒屋、バー、ナイトクラブ等の「飲み屋」は今後も規制なし)。議会で圧倒的多数を占める与党作業部会の決定なので、法案として提出された場合、可決はまず間違いないと思われたのだが、実はそう簡単には行かないことがその後の動きで明らかになった。今回はそれについてお伝えしようと思う。
 最初に報じたのは『ハンデルスブラット』紙だが、それによると作業部会案は憲法に反するおそれがあるため、内務、法務両省が賛成しておらず、閣議では了承されないだろうとのことだった。同紙は政府消息筋から得た情報だとしている。
 不賛成の大きな理由は何かというと、内務省と法務相がタバコ業界の圧力に屈したとか、喫煙者にも吸う権利があるとかではなくて、手続き上に問題があることだったらしい。
 ご存じのようにドイツは16の州からなる連邦国家である。そしてドイツの州が有する権限は日本の都道府県や政令指定都市とは比較にならないほど大きい。その権限が何に由来するかというと、これがドイツの憲法である『ドイツ連邦共和国基本法』で、そこにはこれこれは連邦(=国)の管轄、これこれは州の管轄、というように権限のありかが明確に記されている。
 たとえば基本法の7条には「学校制度はすべて州(Staat)の監督に服する」とあり、学校制度に関しては基本的に立法も行政も州の権限である。「文化高権(Kulturhoheit)」とよばれる大きな権限だ。いわゆる文部大臣が州にはいても国にはいない――「連邦文部大臣」は存在しない――こともこれを象徴していよう。
 文化高権により学校に関する法律は州のみが制定することができる。そしてこれが「学校は禁煙とする」という法律にも当てはまってしまうのである。したがって全国一律の禁煙――つまり国が統一的に定める禁煙――は基本法の定める文化高権に反することになる。だからこの場合の禁煙は「憲法に反するおそれがある」。
 これと同様のことが飲食店にも当てはまる。飲食店法は従来、国の管轄であったのだが、今年8月の基本法改正(52回目の改正)で州の権限に移行している。だから国は飲食店についても禁煙を定める権限をもっていない。つまり「レストランは禁煙とする」も違憲となってしまう。
 州が管理する公共施設はもちろん、公共交通機関や病院にも同じ理由から国は手が出せない。手を出すとしたら違憲覚悟ということになる。
 結局、国の権限で禁煙を義務づけることができるのは、国の官庁――連邦省庁――に限られてしまう。国の官庁などたかが知れている。非喫煙者保護のための規制をまとめた作業部会としてはこれではとうてい満足できないだろう。
 けれどもよく調べてみると作業部会の発表があってから急に法務省や内務省が言いがかりをつけてきたわけではないらしく、法務省のエーファ・シュミーラー広報官によると「非喫煙者保護を実施する上での権限の問題はずっと以前から指摘してきた」そうである。そうなると作業部会は「確信犯的に」(政府消息筋)作業を進めてきたことになる。
 たしかに作業部会は「自分たちのやっていることは正しい」と思ってやってきたはずだから、その意味では「確信犯」と言えるかもしれない。ただ、最初から違憲を承知でやろうとしていたのではなく、ある程度の勝算はもっていたようである。その証拠に作業部会に参加しているカスパースメルク健康省政務次官は6日、
 「タバコがガンを引き起こすことに関しては疑いがない。ところで基本法74条によれば、国(連邦)は『公共の危険がある病気』(だれにとっても危険な病気)に対処する権限をもっている。肺ガンも『公共の危険がある病気』である。したがって国には肺ガンを防ぐための措置を講じる権限がある。われわれの論拠はたしかだ」
 と述べており、学校法や飲食店法が問題になっているのではなく、「公共の危険がある病気」を防ぐためだから、国の権限であり、したがって違憲ではないと見ていたようだ。
 もっとも最終的にこの論法は閣内で賛成を得られなかったらしく、これが『ハンデルスブラット』紙の記事へとつながっていったのであろう。
 禁煙を推進してきた与党社会民主党(SPD)の議員らは政府のこうした対応に批判的だ。SPDで健康問題が専門のカール・ラウターバッハ議員は『フランクフルター・ルントシャウ』紙に対し「これではタバコ業界に対して白旗を掲げるようなものだ」とか「ヨーロッパの多くで非喫煙者保護が行われているのに、ドイツ政府が『ドイツは違います』と宣言することなどあってはならないことだ」などと述べ、たいへんな怒りようだ。
 同じくSPDで健康問題担当の広報となっているカローラ・ライマン議員も『ブラウンシュヴァイガー・ツァイトゥング』紙に「われわれは予定通り全国的な禁煙をすることができるし、またそうすべきである。なんとかしてうまくいくように希望している」と述べている。
 野党緑の党のベアベル・ハーン議員も「輪をかけた失敗作だ」と評したうえ、
 「まず居酒屋やバーのためのばかげた例外を作り、その後でこの違憲問題だ。いっそのこと最初からやり直すほうがよかろう」と批判。
 同じく緑の党のレナーテ・キューナスト議員も一連の流れを「タバコ業界に全面降伏したようだものだ」と評し、「労働者の保護は国の任務だ。『労働者がいるところは禁煙』が原則でなければならない。深刻な健康への被害が問題になっているである。政府の仕事は『杜撰』の一言に尽きる」
 としている。
 マスコミも政府の形式第一とでも言うような態度には好意的とは言えず、たとえば『フランクフルター・ルントシャウ』は
 「作業部会の提案は文字通り煙となって消えようとしている――国と州の権限の間で、青少年保護、健康保護、飲食店法の間で。そして――健康行政とタバコ業界の間で」と述べ、バランスをとろうとしているうちに何もかもなくなってしまうと残念がっている。そして
 「たしかに政治の無能さゆえに連邦制度を叩いたりしてはいけないだろう。州には居酒屋を規制する権限があり、国には労働者保護の権限があるというのは事実だからである。しかし、喫煙がもたらす害を真剣に取り除こうというのであれば、単純にお互いの権限を尊重し合うということでいいのだろうか。ここでは共通の意志が欠けている。とくに経済的な関心から独立した意志が」
 とし、権限の分担をどうこういうよりも協調を重視すべきだと訴えている。『南ドイツ新聞』も「国民の健康が問題になっているのに政治は動きは臆病なほど鈍い」と述べ、まるでブレーキをかけているような政府の態度に批判的だ。そして
 「形式に拘泥する法的論争で我を忘れてしまう前に、タバコ業界に丸め込まれた政治家や役人たちはよく考えてみるべきだろう」として
 「憲法は第2条で『生命および身体を害されない権利』を明白にうたっている。これを真剣に受け取るならば、たとえば飲み屋のバーテンには料理店のウェイターよりもそうした権利が少ないなどということはありえないだろう。それどころか包括的な禁煙がとっくの昔に実施されていてしかるべきだということもわかるだろう」
 「連邦と州が別々に適用する規則では特定の集団だけが利益を得ることになるだろう。言うまでもなくタバコ産業である」
 の2点を挙げている。
 もちろん政府も言われっぱなしではなく、ウルリッヒ・ヴィルヘルム政府広報官によると「メルケル首相は13日に州首相らと協議し、受動喫煙の防止に関する効果的な措置を迅速にとるよう要請する予定」だという。
 たしかにすべての州が一致して速やかに行動すれば、結果的に全国一律の措置と同じ効果を生み出すことができるだろう。州側も独自の喫煙規制を検討すると発表している。ただ、『フィナンシャル・タイムズ・ドイチュラント』のように
 「かくなるうえは非喫煙者の希望は州の態度にかかっている。連邦制度改革により、飲食店法は州の管轄となっているからだ。けれども、これとならんで公共施設、学校、公共交通機関の禁煙も法的に整備しなければならない。それには何年もかかるだろう。ドイツはその間喫煙者の避難所でありつづけるのだ」
 と悲観的な見方もある。今後の動向に注目しておきたい。
《追記》
 その後の報道によると州側の態度はどうやらバラバラらしく、統一的な措置はやはりむずかしいようだ。たとえばバイエルン州のエトムント・シュトイバー首相は『ビルト』日曜版に対し、
「健康が問題になっているのだから、国にできなくても、バイエルン州は実施するつもりだ。だから公共空間やレストランは禁煙になるだろう」
 と述べ、喫煙に対して厳しくのぞむ姿勢を示しているが、ニーダーザクセン州、テューリンゲン州、ザールラント州はそうした規制には反対の意向である。その他の州はどの程度の規制にするかまだ迷っているらしい。
 なお、アンケート調査では国民の過半数(55%)が全国的な禁煙に賛成という結果が出ているとのことである。
 EUもちょっと気にしはじめたらしく、マルコス・キプリアヌ委員(保健・消費者保護担当)が『ベルリーナー・ツァイトゥング』紙に対し、「国民の健康にとっていちばんいいのは、職場や公共空間――バーやレストランも含めて――からニコチンを排除することだ」との見解を述べている。またEUの圧力が増してくるかもしれない。
◇   ◇   ◇
《参考》
連邦制度改革については以前にもお伝えしたことがある。
・連邦制度改革の行方(1)(2006/03/13)
・連邦制度改革の行方(2)(2006/03/21)
憲法(基本法)については先月発売された
・『『新解説世界憲法集』(三省堂)に所収の『ドイツ連邦共和国基本法』に今年8月の改正が反映されている。どこがどう改正されたのか示されているので参照に便利。
◇ ◇ ◇
Regierung stoppt Rauchverbot(政府、禁煙にストップ)
Rauchverbot offenbar vom Tisch(禁煙は明らかに不要)
"Bankrotterklaerung vor der Tabaklobby"(「タバコ業界に白旗」)
Koalition will Laender in die Pflicht nehmen(政府は州の義務としたい意向)
Wo kein Wille ist …(意志があるところには)
Rauchgesetz gestoppt(禁煙法ストップ)
Foederalismusreform verhindert deutschlandweiten Nichtraucherschutz(連邦制度改革が全国的な禁煙を阻止)
SPD-Politiker: Regierung ist vor der Tabaklobby eingeknickt(政府はタバコ業界に屈した)
Tut es einfach!(とにかくやれ)
Regierung stoppt bundeseinheitliches Rauchverbot(政府、全国的な禁煙にストップ)
Gesundheitspolitiker kritisieren Rueckzug beim Rauchverbot(健康問題が専門の政治家、禁煙における後退を批判)
"Kein Kniefall vor der Tabaklobby"(「タバコ業界に屈したわけではない」)
Bundeskabinett stoppt Rauchverbot(政府、禁煙にストップ)
Rauch-Kompromiss unter Feuer(妥協案に非難集中)
Kniefall vor der Tabaklobby(タバコ業界に屈する)
Regierung will Rauchverbot mit Laendern abstimmen(政府、禁煙で州と合意したい考え)
Laender uneins ueber Vorgehensweise bei Rauchverbot(州、喫煙規制で一致せず)
Rauchverbot-Chaos(禁煙で混乱)
Sind unsere Politiker denn total benebelt?(ドイツの政治家はすっかり煙に酔っているのか)
(竹森健夫)


2006/12/10  川越全域、路上禁煙に 来年度から 10月以降は罰則も (産経新聞記事

 川越市は歩きたばこを防止するため、来年4月から市内全域で路上喫煙を制限することを決め、開会中の12月議会に関係条例案を提出した。同10月以降は観光客が多い蔵造りの街並みなどを路上喫煙禁止地区に定め、違反者に過料を課す予定。
 路上喫煙の制限は、歩きたばこの火が歩行者に触れ、やけどや服などを焦がす恐れがあるほか、ポイ捨てによる吸い殻の散乱防止を防ぐ狙い。
 条例は道路、公園、その他の屋外の公共の場所で「喫煙をしないように努めなければならない」と努力義務を課した。その上で、駅周辺や人通りの多い商店街などを路上喫煙禁止地区に指定、周知期間を置いて10月から罰則を設けた。過料は2000円とする予定。
 路上喫煙禁止地区は通行量の多い川越駅周辺の半径約300メートルと本川越駅周辺の半径約200メートル、さらに本川越駅から蔵造りの街並み、菓子屋横丁まで、商店街が続く南北約2キロのメーンの道路を想定している。
 同市は4月以降、市職員がパトロールして周知を図り、罰則がつく10月以降は民間業者に業務委託し巡回を強化、注意しても止めないなど悪質なものは過料を取る方針。
 同市によると、県内で同様の罰則付き条例を施行しているのは志木、朝霞、新座、和光の4市。
 舟橋功一市長は「過料は目的ではなく、歩きたばこを止めてもらうための補助的な手段」と話している。


2006/12/10  「禁煙川柳」 (紀伊民報コラム

 今から9年先、2015年には10人に1人が、たばこが原因で死ぬという怖い予測を、世界保健機関(WHO)の研究者がまとめたそうだ。
 ▽とにかく、たばこが体に良くないことは、今では5歳の子でも知っている。たばこ愛好者には、世間の風当たりはきつい。それがやめられないというのだから、本人にとってはさぞかしつらいことだろう。
 ▽その証拠に、《聞きあきた 「母ダイエット」 父「禁煙」》という、笑っていいのか同情していいのか、迷うような川柳が、トップのニコレット賞をもらっている。
 ▽東京のファイザーと大阪の武田薬品工業が募集した、第1回「ニコレット川柳コンテスト」には、応募が9866通あったそうだ。禁煙が家族も含めてどんなに深刻な悩みかが分かる。
 ▽《喫煙所… さがしつかれて もうやめた》こうなると、たばこをやめるしかない。今ではスーパーなどでも「店内禁煙」だ。ところが、《苦労してやめたタバコを娘吸う》となると、おやじは人の世のはかなさを感じることになる。軽自動車の中で若い女性のくわえたばこ。よく見かける。
 ▽《自分吸う 人の煙は 気に触る》人間とは勝手なものです。なかには他力本願の人もいる。《値上げして! 手が出せないくらい 値上げして!》これはもう、悲痛な叫びだ。本当に1箱1000円以上にしたら、苦しむ人を救済できるのは目にみえているのだが。(香)


2006/12/ 7  選挙権年齢引き下げ検討を…自民・民主、衆院調査委で (読売新聞記事

 自民、民主両党は7日の衆院憲法調査特別委員会で、自民党が国民投票法案の投票権年齢を「18歳以上(経過期間は20歳以上)」と修正することに合わせ、選挙権年齢など年齢規定を盛り込んだ関連法の改正を検討する必要があるとの考えを表明した。
 関連法は、公職選挙法や民法、少年法、飲酒や喫煙を規制する法律などがある。委員会で、自民党の船田元氏は「国民投票権と最も密接に関連する選挙権年齢は(国民投票法案の成立後)3年以内に施行されることが望ましい」と述べ、公選法改正の検討を進める考えを表明した。同時に「関連法ごとに必要な周知期間はバラバラであり、一律に施行するのは適当ではない」と指摘した。
 民主党の枝野幸男氏は「関連法はすべて3年以内に18歳成年で施行されることが望ましい。ただ、投票権年齢や(民法の)成人年齢が18歳になるからといって、たばこやお酒(を喫煙・飲酒できる)の年齢を18歳に引き下げるという性質のものではない」と述べた。


2006/12/ 7  たばこ税引き上げが最善策 タイ (バンコク週報記事

 ジョンズホプキンス大学(米)のサメット博士は、バンコクで開かれている国際健康フォーラムで、喫煙者を減らすためにはたばこ税の引き上げが最も有効であると提言した。同博士は、1箱あたり約290バーツとなっているアメリカのたばこ税と比べ、タイのたばこ税は「なまぬるい」と指摘。たばこ税引き上げについては現在、各国の経済学者が調査・研究中で、結果は来年3月にも関係機関へ提出される見通しとのことだ。


2006/12/ 7  「JT、英たばこ大手に買収提案へ」英紙報道 (日本経済新聞記事

【ロンドン=清水泰雅】英フィナンシャル・タイムズなど英メディアは6日、日本たばこ産業(JT)が英たばこ大手のガラハーに買収を提案する見通しだと報じた。買収額は64億ポンド(約1兆4500億円)とみられる。業績悪化が続くガラハーは買収対象になっており、他のたばこ会社が対抗提案をする可能性もある。
 ガラハーは6日、正式な提案ではないが、買収に向けた非公式な申し入れがあったことは認めた。ただ、社名は明らかにしていない。ガラハーは「シルクカット」「ベンソン・アンド・ヘッジズ」などのブランドを保有する。本拠である英国など西欧で禁煙やたばこ税の引き上げが響き、売り上げは長期的に減少傾向にある。一方のJTは「キャメル」などの高いブランド力を活用し、イタリアやフランスなどで販売を伸ばしている。

 木村宏・日本たばこ産業社長は7日午前、「市場のうわさにはコメントできない」と述べた。


2006/12/ 7  禁煙するなら35歳以下 1カ月やめたら心機能回復 北大の研究グループ確認 (北海道新聞記事

 三十五歳以下の喫煙者であれば、一カ月間禁煙すると心臓の機能が正常化することを北大大学院医学研究科の玉木長良教授(核医学)と、同科の森田浩一講師(同)らの研究グループが六日までに突き止めた。若年健常者で身体機能の回復が確認されたのは「世界初」(玉木教授)という。研究成果は、米国の研究者向け専門誌「ジャーナル・オブ・ニュークリア・メディスン」十二月号に掲載された。
 玉木教授によると、二○○三年から○四年にかけ、北大医学部に在籍する二十歳から三十五歳までの学生や研究職の喫煙者十五人(平均喫煙歴六・四年、最短五年、最長十年)と、非喫煙者十二人をがんなどの検査で使用する陽電子放射断層撮影装置(PET=ペット)を使って、調査した。
 喫煙は虚血性心疾患の危険因子とされる。PETで心臓を動かす心筋血流量を調べたところ、安静時は喫煙者、非喫煙者とも値は変わらなかったが、氷水に足をつけて行う寒冷刺激時に喫煙者の方が血流量の増加が少なかった。
 その上で喫煙者に一カ月間、禁煙してもらい、同じ検査を行ったところ、非喫煙者とほぼ同じ値に回復。半年間の禁煙でも非喫煙者と同様の値を維持した。
 喫煙は身体機能のうち、最初に心臓に深刻な影響を与えるが、四十歳以上で禁煙しても、あまり回復しないとされる。
 玉木教授は「若いうちに禁煙すれば一カ月で体は元通りになることが証明されたのは、若い喫煙者には大きなメッセージになる。今後は四十歳以上の人を対象にした研究も進めたい」と話している。


2006/12/ 7  芦屋市が歩行喫煙など規制の厳格条例 (日刊スポーツ記事

 兵庫県芦屋市は6日、市内全域で歩行喫煙や夜間の花火など「5つの迷惑行為」に罰金を科す新条例を設けると明らかにした。市の罰則規定としては著しく厳しい内容となるため、芦屋市は16日から1カ月間、市の広報誌、ホームページ上で市民から意見を募る。
 規制項目は(1)歩行喫煙と指定区域内での路上喫煙(2)夜間の音が大きい花火(3)落書き(4)空き缶などの投げ捨て(5)飼い犬のふん放置。いずれも市内全域の公共スペースが対象。違反者に科す罰金額や指定区域の詳細を今後検討し、来年3月の市議会で提案、6月からの施行を目指す。
 芦屋市は97年にごみの投げ捨てなどの迷惑行為を防ぐ「空き缶等の散乱防止に関する条例」を制定したが効果が少なかったといい、今回の厳罰化の背景となった。
 芦屋市生活環境部は「高級住宅地という芦屋のイメージを高めるとともに、日本一美しく、安心して歩ける街を目指す」と話している。


2006/12/ 6  禁煙に挑戦、でも半数が断念=ネット・医療機関利用は7割成功 (時事通信記事)

 「喫煙者の4人に1人が禁煙に挑戦したものの、半数以上は既に失敗」-。ノバルティス・ファーマ(東京)は6日、2006年中に禁煙を試みた国内の喫煙者を対象とした調査結果を発表した。
 今年禁煙を試みた喫煙者は24%で、きっかけは7月のたばこ増税が60%を占めた。しかし、10月時点で52%が既に断念したと答えた。一方、インターネットを活用して、禁煙に取り組んだ人の70%、禁煙外来を受診した人の69%が、それぞれ禁煙に成功。ネットには、医師が禁煙を続けるアドバイスをしたり、禁煙成功者がコツを伝授するサイトなどが開設されているという。
 06年は禁煙治療が保険診療対象となった上、たばこ税も引き上げられるなど、禁煙のきっかけとなる動きがあった。調査は10月、20-50代の喫煙者7091人を対象に実施した。
→参考:喫煙者の【今年の禁煙事情】禁煙成功者 vs 失敗者 意識と行動の追跡調査 2006 (ノバルティス・ファーマ プレスリリース 2006/12/6)


2006/12/ 6  同居女児にわいせつ容疑=たばこの火押し付けも、男逮捕-大阪 (時事通信記事)

 同居していた5歳女児にわいせつ行為をしたなどとして、大阪府警貝塚署は6日までに、強制わいせつなどの疑いで、貝塚市脇浜、電気工事作業員峰二郎容疑者(55)=傷害罪で起訴=を再逮捕した。峰容疑者は「やっていない」などと容疑を否認しているという。
 調べでは、峰容疑者は2004年10月7日ごろ、同居女性(38)の三女で当時5歳の女児の手にたばこの火を押し付けてやけどを負わせ、同月中旬には、女児の胸を触るなどのわいせつ行為をした疑い。女児はその後、府子ども家庭センターに保護され、父親に引き取られた。
 同センターは今年8月、峰容疑者が女性との間にできた娘(4つ)にも虐待した疑いがあるとして、娘を保護。反発した峰容疑者は貝塚市職員の顔をけり、傷害容疑で逮捕、起訴されていた。


2006/12/ 6  パッケージの写真が禁煙に効果 タイ (バンコク週報記事

 マヒドン大学人口社会研究所の調査によれば、タバコの警告写真のため禁煙する人が増えている。18歳以上の喫煙経験者2000人へのアンケート調査で、210人あまりがたばこをやめたと回答したが、その大きな理由がどぎつい写真だった。しかし、タバコが健康に及ぼす害をついては、あまり理解が深まっていないという。


2006/12/ 6  ヘビースモーカーの遺伝子解明?大阪大グループ (日本経済新聞記事

 ヘビースモーカーとそうでない人では、特定の遺伝子の働き方が微妙に違うことを、大阪大学の研究グループが突き止めた。たばこに含まれるニコチンへの依存度が変わってくるという。禁煙したくてもなかなかたばこをやめられない人を対象に、将来、血液検査などで遺伝子を調べ体質にあったきめ細かな禁煙指導が可能になりそうだ。
 阪大の東純一教授らは、喫煙者と喫煙歴のある約300人に協力してもらい、遺伝子を調べた。1日の喫煙本数が多く、朝起きてすぐたばこを吸う人をニコチン依存度が高いヘビースモーカーに分類し、比較した。


2006/12/ 6  岡谷市に介護用バスタオル200本 禁煙友愛会支部贈る (中日新聞記事

 日本禁煙友愛会岡谷支部(380人)は5日、岡谷市に介護用バスタオル200本(20万円相当)を贈った。
 同支部では、社会福祉事業の一環として1993年から毎年、同市にシーツやエアマットなどを贈り続けている。
 この日は、今井英明支部長ら役員4人が市役所を訪れ、林新一郎市長にその一部を手渡した。市では在宅介護者に配って利用してもらうという。
 今井支部長は「大きいタオルなので多目的に使えます」と話していた。


2006/12/ 6  バス停で喫煙 女性に注意され 赤ちゃんも殴る 容疑の60歳男を逮捕 (東京新聞記事

 バス停で喫煙を注意されたことに腹を立て、女性と赤ちゃんを殴ったとして、伊勢佐木署は五日、傷害の現行犯で、横浜市中区扇町四、ビル清掃員岡部清容疑者(60)を逮捕した。
 調べでは、岡部容疑者は同日午後零時二十五分ごろ、同区の「長者町一丁目バス停」でバスを待ちながら喫煙をしたところ、会社員の女性(26)に「すみません、やめてもらえませんか」と注意されたことなどに腹を立て、女性と抱いていた生後八カ月の長男の二人を手で殴った疑い。女性は手に軽いけが、長男も頭に軽いけがを負った。
 岡部容疑者は注意を受け、「いいですよ」と応じたが、バス停を離れる際に女性らにたばこの煙を吹きかけた。煙を手で払った女性に対し、「ふざけるな」などと言って殴ったという。同容疑者は「申しわけない」と容疑を認めている。


2006/12/ 6  「たばこやめて」と言われ女性と乳児殴る 横浜 (産経新聞記事

 喫煙していたのを注意されたことに腹を立て女性と乳児を殴ったとして、伊勢佐木署は5日、傷害の現行犯で、横浜市中区扇町、ビル清掃員、岡部清容疑者(60)を逮捕した。岡部容疑者は容疑を認めているという。
 調べでは、岡部容疑者は同日午後0時10分ごろ、同区長者町のバス停で喫煙していたところを、同区根岸旭台の女性会社員(26)に「たばこやめてもらえますか」と注意されたことに腹を立て、女性と女性が抱きかかえていた生後8カ月の長男を殴り軽傷を負わせた。近くにいた男性会社員(27)が通報し、駆けつけた同署員が取り押さえた。


2006/12/ 5  たばこ税上げは中長期課題に=自民税調素案 (時事通信記事)

 2007年度税制改正に向けた自民党税制調査会(津島雄二会長)の素案が5日、判明した。今年税率を引き上げたばかりのたばこ税について、再増税と健康増進施策への充当は中長期的な課題とすることなどが決まった。来年度改正の焦点である減価償却制度見直しや証券優遇税制の存廃は、来週の与党税制改正大綱決定に向けて議論をさらに深める。同日午後の小委員会に諮る。
 素案ではこのほか、環境部会が要望した省エネ住宅の新築・購入や環境産業向けファンドへの投資に対する所得税軽減などの優遇制度を見送りとした。また、外航海運事業者の法人税・所得税を船舶のトン数に応じて課税するトン数税制導入(国土交通部会要望)も見送る。


2006/12/ 5  「喫煙天国」独もついに… 欧州で禁煙の流れ加速 (産経新聞記事

【ベルリン=黒沢潤】欧州連合(EU)で禁煙政策を採り入れる加盟国が相次いでいる。「喫煙パラダイス」と呼ばれたドイツが来年夏からの部分禁煙を打ちだした。英国も来年からは全国でパブやレストランを含む屋内の公共の場は全面禁煙となる。フランスも2008年からの禁煙を決めた。こうした“禁煙国”は加盟25カ国中、14カ国にのぼっている。
 ドイツの連立与党は先月末、公共の場やレストラン、ディスコでの喫煙を禁止することで合意した。ドアで仕切られた空間でしかたばこを吸えなくなる。バーでの喫煙は引き続き認められる。
 ドイツは医者や薬局の数が多く、有機食品がブームになるなど「健康に人一倍、気を使う国民」(独誌シュピーゲル)といわれるのに、たばこ関連の死者数は年間約14万人にのぼる。「健康なドイツ国民の育成を標榜(ひょうぼう)したナチスがたばこ撲滅運動を展開したことへの反動」(独公共放送ドイチェ・ウェレ)ともいわれる。
 ドイツは現在、欧州最大のたばこ消費国で、たばこ産業界の影響力は無視できない。しかし、たばこ関連の死者数が交通事故やエイズによる死者数を上回る現状から禁煙という「時代の流れ」には勝てなかったようだ。
 英国では今年3月からスコットランドが公共の場を全面禁煙としているが、来年からは順次、英国全土のパブやレストランを含む公共の場での喫煙が禁止される予定だ。
 フランスは10月、来年2月から公共の場での禁煙を開始、08年1月からはレストラン、カフェ、ホテルなども全面禁煙にすることを決めた。レストランなどでは密閉された喫煙室を設置できるが、従業員の入室は厳禁される。仏政府は禁煙ガムや禁煙シールの使用者を現在の60万人から倍に増やそうと、禁煙グッズ購入費の3分の1を公費助成するという。
 EU内では全面禁煙に踏み切った場合、飲食店の客足に影響が出るなどの懸念も指摘されるが、04年に世界初の“禁煙国”となったアイルランドのアハーン首相は「禁煙政策で閉店に追い込まれたパブは国内に1軒もない。むしろ健康産業の雇用が増大した」と強調している。
 世界保健機関(WHO)の02年統計では、成人喫煙率はドイツ男性39.0%▽女性31.0%。フランス男性38.6%▽女性30.3%。英国は両国に比べると低く、男性27.0%▽女性26.0%。EUによれば、今年の加盟国平均喫煙率は02年に比べ6ポイント減の27%だったが、オーストリアやギリシャでは逆に増加傾向がみられた。
 世界各国の病院や研究所でつくる民間組織「国際対がん連合」は、21世紀のたばこ関連の死者数が20世紀の約10倍の約10億人になると警告しており、今後は世界規模で禁煙の動きが活発化しそうだ。


2006/12/ 4  デスクの目:ハワイの禁煙に思う /福岡 (毎日新聞記事

 太平洋の楽園ハワイには縁がない。しかし、訪れてみたいと思う理由が出来た。
 先月、ハワイ全土で公共の場所が全面禁煙となった。
 喫煙に厳しい米国にあって、ハワイ州は観光業界への配慮から喫煙に比較的寛容だった。それが、他人のたばこを吸わされる「受動喫煙」を防ぐために、新たな禁煙法の施行に踏み切ったのだ。
 たばこから立ち上る副流煙には多くの発がん性物質が含まれる。日本でも、受動喫煙の防止を義務づけた健康増進法が03年に施行され、企業や官公庁などで禁煙の取り組みがなされている。
 しかし、そのスピードと内容は欧米の足元にも及ばない。
 欧米では禁煙化に厳格な罰則を伴う。一方、日本ではほとんどが努力規定に過ぎない。しかも、喫煙者に配慮した「分煙」が基本パターンだ。
 私自身、レストランで禁煙席に座ったのに、隣は喫煙席だったという悲しい経験が何度もある。分煙では受動喫煙から完全に身を守ることはできない。
 ハワイではレストランやバーでの喫煙も違法だ。違反者には最高約6000円の罰金が科せられる。公共建築物などの出入り口から約6メートルの範囲も禁煙区域となっている。
 福岡市内に目を向けてみる。
 市は、禁煙に協力する店舗や施設を登録する事業を昨年から始めた。店側が申請すれば、市の書類審査を経て「敷地内禁煙」「室内禁煙」「時間帯禁煙」などのステッカーを張ることができる。
 いわば市公認の禁煙店をアピールできるわけだが、10月までに登録した飲食店は約60店にとどまっている。
 飲食店の全面禁煙は世界的な潮流だ。片や日本では、客離れを懸念して、禁煙どころか、分煙にも踏み切れない店が多い。
 市内でも、ランチタイムを禁煙にする店はあるが、一日中禁煙の店はわずかだろう。
 これは大人だけの問題ではない。飲食店には子ども連れの客もいる。小児ぜんそくの最大の原因はたばこといわれる。さらに、妊婦の受動喫煙は死産や低体重児の原因になる。
 この時代、煙害が随分と指摘されるようになったのに、たばこに甘い日本の社会風潮は変えようもないのだろうか。
 さて、福岡市長選が終わった。そこで新市長に提案がある。カネのかからない健康増進策として、市内全域で喫煙を禁じる。
 「完全禁煙都市フクオカ」。世界に誇れる町になると思う。<運動課・坂本秀登>
〔福岡都市圏版〕


2006/12/ 4  路上喫煙禁止が浸透 罰金例ゼロ、心無い市民も 志木市 (埼玉新聞記事

 罰則規定付きの路上喫煙防止条例を十月一日から施行した志木市は、周知期間として先行実施した七月から十月までの街頭指導の報告をまとめた。指導員に対し、「いつからだ」などと反抗し、火が付いたままのたばこを路上に投げた―など一部心無い市民の報告もあるが、一日平均の指導件数は九月の二十二件から条例施行の十月が十六件、十一月も二十九日現在で十八件となっており、同市環境推進課は「徐々にだが路上喫煙禁止が浸透してきている」としている。
 同条例は、朝霞、新座、和光、志木市が一斉に十月から施行し、志木市だけは七月から先行実施していた。四市内の全七駅周辺を路上喫煙禁止地区と設定。終日禁煙とし、指導や勧告に従わない違反者に一万円以下の罰金を課す。四市とも当面は過料二千円としてパトロールを開始した。
 区域内は歩行中はもちろん、立ち止まって吸うこともできない。指導員が喫煙者を発見した場合、まず指導。従わない場合は勧告、命令と段階を踏み、最終的には過料二千円が課せられる。
 志木市では警察官OB二人が指導員として志木駅、柳瀬川駅周辺をほぼ毎日巡回したが、七月以降、勧告以上に至ったケースはないという。
 指導件数は七月が二百七十六件(男二百五十四人、女二十二人)、八月が三百十四件(男二百九十四、女二十)、九月が三百八十七件(男三百七十三、女十四)、十月が三百二十五件(男三百二、女二十三)。男性が圧倒的に多く、本格施行の十月から減少している。一日平均の指導件数は七月が十四件、八月が十七件、九月が二十二件、十月が十六件で、十一月も二十九日現在十八件。
 十月の三百二十五件のうち、全体の約三分の二の二百五人を志木市民が占め、市外は百二十五人だった。
 指導員からは「目前で周知チラシを捨て、たばこを指導員目掛けて投げ捨てる」「火を消すように求めると『灰皿があるじゃねーか』と怒鳴られた」との報告のほか、七十歳代とみられる年輩者からは「誰が決めた」「たばこは売ってるじゃないか」「ガキどもが勝手に決めやがって」などの声もあったという。
 駅前でタクシー運転手が路上にバケツを置いて喫煙していたとの報告もあり、再度、市職員らがタクシー会社に協力要請したケースもあった。半面、土、日曜の巡回では子連れ親子も多く、「頑張って」との励ましもあるという。
 同課は「指導員を見て吸うのをやめたという報告もある」としている。柳瀬川駅前で日々放置自転車指導に当たっている男性は「歩きたばこをする人は減ったと感じるが、朝の掃除で路上から回収する吸い殻の数は減っていない」と話している。


2006/12/ 4  喫煙に来る友人にイライラ (読売新聞記事

 30代女性。夫婦で自営の仕事をしています。友人についての相談です。
 友人は時々帰省して、私たちの店の近くにある実家で何日か過ごします。その際、店にたばこを吸いに来るのです。喫煙は家族に内証にしているようです。毎日2回は来ます。
 私たちが忙しくても「気にしないから」と勝手に作業場にまで入ってきます。小1時間、子どもの話などをします。私の話はあまり聞きません。お茶を出さずにいると、私の飲みかけのお茶を飲んでしまいます。
 たまに、お菓子を持ってきますが、子どもの食べ残しか、賞味期限切れです。
 彼女に悪気はないのはわかっているのですが、これでは店がただの喫煙所です。内証の喫煙に、我が家が協力しているようなのも嫌です。
 彼女とは友だちでいたいのですが、こちらの都合を考えてくれないことに、イライラしてしまいます。時々のことなので我慢すべきでしょうか。(埼玉・T子)

 この人と一緒にいて楽しい時というのは、どういう時ですか? この方の良いところは、何ですか? 是非とも見習いたい点が何かあるのですか? 失礼ながら私には、あなたがこの方を友人と紹介する根拠がわかりません。彼女と友だちでいたいとおっしゃる、友だちとしての魅力が想像できないのです。
 本当に友人同士なら、相手に直接苦情が言えるでしょう。言ってわからぬような人間なら、とうてい友だちとは申せません。
 迷惑をかけられて、文句も言えずに我慢している。そんな友人同士なんて、ありえません。注意をしたため相手が怒って絶交する。結構じゃありませんか?
 注意をしないから、相手がわからないということもあります。悪気のない人なら、よけいそうです。事情を話して、お断りしたらいかがですか?言いにくかったら、夫から告げてもらう手もあります。あくまで仕事の都合を理由にします。なりわいのためと伝えれば、相手も納得するでしょう。


2006/12/ 4  全面禁煙の県本庁舎内に“抜け道” 喫煙可能な喫茶所開設 (秋田魁新報記事

 県本庁舎地下1階にたばこの吸える喫茶コーナーが5日、オープンする。「福利厚生の一環」(県人事課)として、来庁者だけでなく、職員にも利用してもらおうと新設されたものだが、県は今年4月から、職員を対象に本庁舎や各地域振興局を全面禁煙にしたばかり。冬本番を前に、屋外に追いやられた喫煙派への配慮と取られかねない上、吸煙器を置いただけで間仕切りのない室内は「受動喫煙防止」の観点からも問題がありそう。禁煙を支持する県民からも批判の声が上がりそうだ。
 県人事課などによると、喫茶コーナーは、地下1階の売店や書籍売り場などが並ぶ一画で、広さ約30平方メートル。コーヒーなど飲料の自動販売機のほか、吸煙器や灰皿が置かれ、若干のいすも用意されている。運営は県職員の消費生活協同組合(消生協、理事長・佐賀伸和建設交通部次長)が行う。
 今年4月の禁煙化以降、職員は庁舎外に新たに設けられた簡易な喫煙スペースを利用。地下の食堂も昼食時間帯は禁煙のため、庁舎内に職員がたばこを吸える場所はなかったのが実情だ。
 庁舎内に職員も利用できる喫煙スペースが新設されることについて、三浦庄助人事課長は「以前あった喫茶室も喫煙は可能だった。いろいろと意見はあると思うが、消生協の意向を尊重した。ただ職員は寒くなったら地下へどうぞ、というわけではない」との弁。
 禁煙化後、初めて迎える冬を前に、同課には喫煙派から「冬はどうする」「外は寒い」などの声が寄せられていた。三浦課長は「消生協への許可は、外で吸う職員の冬場対策という要素も加味している」と喫煙派への配慮もにじませる。


2006/12/ 4  ドイツマスコミスキャン~タバコは18歳になってから (JanJan記事

 ベルリン――政府は1日、非喫煙者保護を一層推進することで合意した。連邦健康省のカスパースメルク政務次官によると、公共の施設、病院、公共交通機関、レストランはすべて来年の7月から原則として禁煙になる見通し。また青少年保護のため、現在16歳とされている喫煙許可年齢を18歳に引き上げることも決められた。シュミット連邦健康相はこれらの決定について「大きな前進である」と歓迎している。
 「政府は合意した」とあるが、これは閣議で決定したというわけではなく、連立与党の「非喫煙者保護のための作業部会」が一応の目安を発表したということなので、実際にはこれが正式な法案として上程されるのはもう少し先になる。そうなった場合、大連立政権の与党合意なので、議会で否決されることはまずありえない。
 もっともこの作業部会の仕事そのものが簡単だったかというと、それが実はなかなか大変だったらしい。現政権は保守のキリスト教民主・社会同盟と左派の社会民主党からなる連立政権なのだが、この両党の勢力が拮抗しているため、お互いの主張がぶつかるとどちらも簡単には譲ろうとしないからだ。
 今回のケースでは、例外のない全面的禁煙を要求する社民党に対し、同盟側が――関連業界団体の圧力がかかるためだと思われるが――できるだけ例外規定を作ろうとするという構図ができていたようである。だから
 「そこは禁煙にすべきです」
 「いや、それでは経済への影響が」
 というようなやりとりが多かったものと想像される。とはいうものの、結局は「公共の施設、病院、公共交通機関、レストラン」が原則禁煙になったわけだから、禁煙を推進する側が一応の成果を収めたと言えるだろう。特にレストランの原則禁煙に関しては日本より一歩先を行くことになるかもしれない。日本の飲食店では「健康増進法」により受動喫煙対策を講じることになってはいるものの――罰則規定がないので――ほとんど無視されているのが実情だからだ。
 ドイツの場合、今回の合意によると禁煙違反には罰金(過料)が設定されており、禁煙区域で喫煙した者には最高で200ユーロ(3万円)、禁煙を実施しない飲食店の店主には同じく5,000ユーロ(75万円)の支払いが命じられることになるらしい。タバコ1本で3万円なら抑止効果もある程度期待できるだろう。
 ただし、こうした点だけ見ると禁煙推進派の一方的に優勢な展開になったような印象を受けるが、禁煙反対派――とはいっても別に喫煙推進派ではないけれども――もただ黙っていたわけではなく、自分たちの主張を組み込むことにちゃっかり成功している。
 たとえば、禁煙区域としての「公共の施設、病院、公共交通機関、レストラン」なのだが、これらは厳密に言うと完全禁煙――いかなる形であれ喫煙は許されない――となっているわけではなく、「特別に仕切られた喫煙のための空間」が設置されていれば、そこで喫煙してもよいことになっている(ただし学校および幼稚園は完全禁煙)。
 また、レストランが禁煙区域とされているが、これは飲食店全体が禁煙という意味ではなく、バー、ナイトクラブ、居酒屋、ビアガーデン(のテント)にはこの規制は適用されない。つまりこういった場所では分煙すらしなくてもよいということだ。
 閉鎖空間での喫煙は健康への影響が大きいという事実を考えれば、喫煙スペースのような設備は本来設置すべきではないし、食事をする店舗が禁煙なのに酒場がおかまいなしというのも一貫していない。ドイツでは受動喫煙で年に3,300人が死亡しているという調査結果もあり、本来ならこのような例外は好ましくないはずなのだが、それでもこうした妥協は避けられなかったようである。
 たとえば連邦健康相のマーリオン・カスパースメルク政務次官はこうした矛盾点について
 「私個人としてはもっと広範囲に及ぶ規制のほうが望ましいのですが、あとで連邦参議院や裁判でひっくり返されたら本も子もありません」
 と述べ、法案としての実現可能性を優先したことを認めている。そして
 「それに各州には規制を独自に強化する権限があります。また将来的には店の外から喫煙か禁煙かが客にわかるようにしなければならないでしょう。ですが、全体としてみれば、政府は、非喫煙者の保護を推進し、かつ議会で賛成多数を得られるような方法を考え出したと言えます」
 とし、現状ではこれが最善であるとの見方を示している。
 こうした規制にいちばん神経をとがらせていたのは飲食店業界だが、ある程度自分たちの要求が通った形になり、満足しているようである。たとえば『ドイツホテル・飲食店業連盟』のイングリット・ヘルトゲス事務局長はニュース専門テレビ局N24のインタビューに対し、この結果は「肯定できるものだ」と述べ、「ラディカルな」禁止がなくなったことを歓迎している。
 もちろん批判の声もあり、緑の党のベアベル・ヘーン氏は非喫煙者保護に関する基本的な方針は支持しつつも
 「レストランでの喫煙が禁止になるのに居酒屋やバーがそうならないというのは理屈に合わないし、最も喫煙が盛んで、最も健康被害が心配される場所が従来のままだというのはそもそも納得できない」
 と不満そう。連邦議会健康委員会のマルティーナ・ブンゲ委員長(左派党)も
 「政府が公共空間での喫煙の自由に対して思い切った手段をとることは歓迎できるが、例外を認めているのは、同盟がタバコロビーに大きな逃げ道を用意したことになるのではないか」
 と懸念を表明している。政府の麻薬専門員ザビーネ・ベッツィング氏(社民党)も同様にN24に対し「もっとはっきりした、もっと明確な規制を期待していたのだが、『賛成多数を得られる法案』が優先されてしまった」と残念そうである。
 マスコミも論評している。
 『南ドイツ新聞』は「今回の妥協案には、一部に有効なものも含まれているものの、多くの点で見せかけだけの妥協である」と批判的で、さらに
 「中毒を起こすものは――合法的なもの、非合法なものも含めて――たくさんあるが、ニコチンは特別だ。それはアルコールと違って当人以外の健康をも害するからである。国はそのような物質を許容し、それどころかたばこ栽培の奨励までしている。そしてその一方で健康政策を進めているのだからこれはどうみても矛盾している」
 と述べ、喫煙規制以前の問題だとしている。
 『ヴェルト』はやや視点を変えて、喫煙と個人の自由との関係について論じている。同紙はまず
 「喫煙者たちは『自分自身を傷つける自由』を主張する。他人がいるときにたばこを吸ってはいけないというのはこの権利が損なわれる、とかれらは主張する。喫煙スペースがあるときはそこでの喫煙を認めるという連邦議会の決議は、この主張に一応したがったものだ」
 と例外規定の根拠を推測し、さらに
 「この決定は一応のものにすぎない。なぜなら、これが説得力を持つのは、健康が個人の資産として扱われる場合だけだからである。そうした場合――そうした場合だけである――だれでも喫煙し、飲酒し、大麻を吸引し、というように何でもできるようになる。健康を害するこのような行動を止める権利をだれももっていないからである」
 と述べ、喫煙者には「個人の自由である」と強く主張する傾向があることを指摘。そしてその上で、
 「しかし少なくともドイツではそうはいかないのだ。ドイツでは健康は公共の資産だとみなされており、好むと好まざるとに関わらず、そのための費用を負担しなければならないからである。喫煙、飲酒、大麻吸引の結果起こることは、その個人だけが負担するのではなく、連帯条項により、被保険者全体が負担するのである。喫煙者は損害を与えているのである。しかし彼はそれを認めようとしない」
 として、喫煙者は「私は自分のしたいことをする」という現代的ドグマにとらわれているのだと評している。
 『フランクフルター・ルントシャウ』は「あまりにも多くの異なる利害を守ろうとすると、そこからはさしたる成果が生まれない」として、合意は中途半端だったとの見解だ。そして
 「居酒屋はさしあたりその対象とはなっていない。これに対して議論を起こす人が出てくるだろう。客は自分の判断でどこに行くか決めることができるが、『酒場』の従業員は――『食堂』の従業員はニコチンから守られることになるのに――好むと好まざるとにかかわらず、煙を吸い込まなくてはならないからである。その店がバーになるのか料理店になるのか、今回の分類は緊張をもたらすことになるだろう」
 と述べ、飲食店の区分けに関して新たな問題が起こってくるのではないかと見ている。ただ非喫煙者保護の推進という点に関しては一応評価しており、論評の最後に
 「喫煙者はうんざりすることになるだろう。しかしそのこと自体がドイツにとって大きな前進なのだ」
 というウラ・シュミット連邦健康相の言葉を引用している。
 それから喫煙許可年齢だが、記事からわかるようにドイツでは現在――知らない方はちょっと驚くかもしれないが――16歳以上となっている。ビールもワインも16歳になったら飲める(ただし蒸留酒のような強いお酒は18歳以上)。
 選挙権が与えられるのが18歳以上だから、今回の年齢引き上げはこれに合わせたような形になる。たしかに禁煙を推進しつつ、16歳の未成年にも喫煙を認めるというのは、ちょっと妙ではある。青少年保護の観点からも、こうした変更は自然な成り行きだろう。
 なお、今回の与党合意では「酒場」が禁煙対象から外れてしまったので、若者が集う「ディスコ」が禁煙とならない可能性が出てきてしまった。そうなってはこれもまた青少年保護の観点からまずいので、「ディスコ」は「酒場」ではなく、禁煙指定がなされる「食堂」に分類されることになったそうである。「見せかけの妥協」が「見せかけの分類」を生み出したということだろう。
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《参考》
ドイツ以外のEU加盟国の禁煙状況については次の記事がよくまとまっている:
Das Rauchverbot in anderen EU-Staaten(他のEU加盟国における禁煙)
ちょっと紹介すると:
・EUにおける禁煙先進国はアイルランド。2004年の3月から公共空間での全面禁煙が施行されている。政治家の中にはこれをおもしろくないと思う人もいて、野党の統一アイルランド(Fine-Gael)党のジョン・ディージー党首は、議事堂のバーでたばこに火をつけ、党首を解任されている。
・2004年以降、イタリア、マルタ、スウェーデン、スコットランドでも同じような規制が施行されている。スコットランド以外のイギリス、ベルギー、リトアニアでは来年強力な規制が実施される見込み。
・フランスでは11月中旬に非常に厳しい規制が可決され、来年2月から施行される。政府は同時にたばこを止める意志のある人に対する財政的援助を行う予定。
・ある研究によると、フランスのレストラン、バーそれに病院の喫煙被害は世界の中でも最も危険な部類に入るらしい。フランスよりひどいのはシリア、ルーマニア、レバノン、ベルギー、シンガポールだけだという。
・オーストリアは成人の喫煙率が37%でEUでもかなり高い方だが、規制はまったく設けられてない。ギリシャでは規制は全く無視されている。スペインは例外規定が多く、カフェ、バー、レストランでの喫煙が可能になっている。ハンガリーの議会は伝統的に煙の充満した会議室で行われている。
・EUレベルでの規制は実は今のところ設けられていない。EUが規制しているのは、たばこに含まれているニコチンおよびタールの量と、パッケージに印刷されている警告文の大きさだけ。


2006/12/ 4  柴田恭兵 肺がん克服で復帰ドラマ (スポーツニッポン記事

 肺がんのため休養していた俳優の柴田恭兵(55)が3日、横浜市内で、復帰作となるNHKドラマ「ハゲタカ」(2月17日スタート、土曜後9・00)の会見に臨んだ。7月末に右肺上部の部分切除手術を受けたことを明かした。
 多少やせた印象はあるものの「今回の役はずっと胸が苦しそうな顔をしている役ですが、それはお芝居です。完治して帰って来ました。全国の隠れ柴田恭兵ファンのみなさま、ご心配かけました」と明るい表情。タバコはやめ、ゴルフに行くほど元気といい「アクションもできる」と復活宣言。休養中の心境を問われ「命に限りがあると切実に感じた」と語った。ドラマ自体も、飲酒運転で中村獅童(34)が降板したほか、柴田の休養で撮影が中断されていたが、再始動となる。


2006/12/ 3  喫煙教職員、14%に減少 滋賀県立校と県教委 敷地内禁煙が効果 (京都新聞記事

 滋賀県教委が県立学校教職員と県教委職員ら計4961人に実施した本年度の喫煙実態調査で、喫煙者が870人(全体の18・8%)から725人(同14・6%)に減ったことが分かった。
 本年度から全県立学校で敷地内全面禁煙を実施しており「その影響が大きいのではないか」としている。74人の教職員が敷地内全面禁煙を機にたばこをやめたと回答した。
 調査は、5月31日の「世界禁煙デー」に合わせ、毎年実施している。全県立学校69校の4573人と県教委事務局職員ら388人が対象となる。喫煙者の状況や敷地内禁煙の実施状況など4項目を調べた。
 「喫煙者の禁煙に対する意識」を尋ねた項目では、「すぐにしたい」「いずれしたい」を合わせると58・2%(422人)が禁煙したいと答えた。
 一方、「禁煙を考えていない」が41・8%(303人)だった。
 県教委福利課は「今後は、吸えずにいらいらする喫煙者のストレス解消やメンタルケアにも努めたい」としている。
 学校敷地内禁煙は、県教委のほか県内26市町教委のうち、十九市町教委が実施している。残る大津市など七市町教委も来年4月までに実施する予定。


2006/12/ 2  よみうり寸評 〈禁煙の日取り決まらず30年〉 (読売新聞記事

〈禁煙の日取り決まらず30年〉。製薬会社が募集した、禁煙に関する川柳コンテストの優秀作より。〈喫煙所 禁煙仲間と鉢合わせ〉など、苦笑させられる◆世界保健機関(WHO)の研究者もある予測を公表した。2015年には世界の死亡者の10人中1人、640万人がたばこが原因の病気で亡くなるという。さてそのデータが禁煙を促すかどうか。〈なんでだろう 話題は健康 喫煙室〉。これも優秀作◆たばこが値上げされてから半年近くたつ。けれど1箱300円程度では、まだ紫煙の誘惑に勝てぬという人は多い。〈値上げして! 手が出せないくらい値上げして!〉。意外に本音かも◆苦悩しているスモーカーのためにやめた喜びを詠んだものも紹介しよう。〈たばこやめ 妻の料理の味を知る〉。もう一つ。〈煙草(たばこ)やめ 孫がすり寄る ひざの上〉◆自分の健康や懐具合の心配だけでは、なかなか禁煙には踏み切れないもの。だが、家庭円満のためと思ってひとつ、取り組んでみてはいかが◆〈煙草やめ 家に居場所がやっと出来〉という作もあった。


2006/12/ 2  那覇市 路上禁煙条例制定へ 罰則適用09年4月 12月議会に提案 (沖縄タイムス記事

 那覇市議会の路上等喫煙防止条例に関する調査特別委員会(金城徹委員長)は一日、悪質な喫煙者に対し禁止区域での罰則を定めた「路上喫煙防止条例」案の制定を全会一致で合意した。六日開会の市議会十二月定例会で可決する。条例の施行は二〇〇七年四月から。罰則は〇九年四月からの適用で、周知期間を二年設けた。条例が制定されれば県内初。禁止区域は市長が定めることになっているが、これまでの議論から国際通りが想定されている。
 委員会では罰則を設けるべきか否かで見解が分かれた。与党の自民・無所属連合、公明党、大志の会の七委員はこれまで「罰則は歩きたばこへの抑止効果がある」などと主張し、条例施行から半年後の〇七年十月から罰則を適用する条例案を支持した。
 それに対して日本共産党、社社連合、民主クラブ、そうぞうの野党四会派と与党の市民の会の六委員は「罰則は設けず市民のマナーに委ねるべきだ」「意見聴取をした団体の多くは罰則には慎重で望んでいない」とし、罰則の導入に反対した。
 しかし、断続的に議論を続け、罰則を適用するまでの期間を二年間設け、市民への周知活動を徹底することを市当局に求めていくことで両者が歩み寄り、合意に達した。
 条例案は道路などでたばこを吸うこと、火の付いたたばこを持つことを「路上喫煙」と定義。対象区域は市内全域。


2006/12/ 2  濡れたたばこの吸い殻に、あなたの苦労が分かるのよ♪ (ライブドア・ニュース記事

 東京・目黒区の歩行喫煙禁止キャンペーンが、自由が丘駅と中目黒駅で行われている。目黒区環境保全課環境係のメンバーを中心に、数十人の協力を得て、中目黒駅でキャンペーン中だ。11月30日の朝、PJは中目黒駅周辺に作られた、喫煙所に行ってみた。そこでは、ちょうどキャンペーン支援のシルバーの人が2人、喫煙所の大型灰皿台を掃除していた。ステンレスでできた喫煙用の台は、縦長の箱を斜めに切ったような形で、斜めのところに、サンがあってそこに吸い殻や、灰を捨てられるようになっている。斜めになっているところの下の扉が開くようになっている。そこを開くと、中には、大きなステンレスの箱が入っていて、たばこの火が消えるように、水が張ってある。そこにたばこの吸い殻がたまる仕組みだ。
 おじさんは、ゴム手袋をして、ステンレスの水切りざるの中に、たばこの吸い殻をすくい上げながら話していた。PJが「ご苦労様」と声をかけると、「いやあ、大変ですよ。これは」という。「どうしたんですか。」「このたばこの吸い殻の本数を数えて報告することになっているんですが、無理ですね。」と言った。なぜかというと、たばこの吸い殻が水に濡れて、ぐちゃぐちゃになり、たばこの葉がバラバラになっていて、とても本数を数えることができないというのだ。
 確かに、この状態では、たばこの本数を数えることはできないだろう。「区役所の人に言って、重さとか、升で量ったかさで、報告するようにしたらどうですか」と言ってみたそうだが・・・。濡れたたばこの吸い殻は、ゴム手袋をしていても汚らしくて、おじさん達が気の毒だった。結果を評価することも、数量を把握することも大切だが、後始末の方法を一度やってみないと、頭だけで考えていては駄目だなと思った。
 好きなたばこが吸えない人もいやだろうが、こうして後始末をする人は、もっといやだろう。今度、環境係の銅金さんや千葉さんに、この様子を報告して、本数を数えないで、何とか評価するように提案しよう。


2006/12/ 1  ひとふきのポロニウム (ニューヨークタイムズ記事要約

ロバートNプロクター教授は、タバコ産業が、紙巻タバコが有意な濃度の放射性ポロニウムを含んでいることを1960年代以来知っていたが、沈黙を守っていたと述べた。タバコの煙の中には数百種類の有毒物質があり、ポロニウムの正確なリスクを知ることが難しいと言う。より多くの人々がタバコの煙の中の毒に気がつくにつれて、タバコ産業が、タバコの危険性は‘常識’であると主張することがより難しくなるであろうと述べた。

Puffing On Polonium
December 1, 2006, Friday
Prof Robert N Proctor Op-Ed says tobacco industry has been aware since 1960s that cigarettes contain significant levels of radioactive polonium but kept quiet; says there are hundreds of toxic chemicals in cigarette smoke, so it is difficult to know precise risk of polonium; says as more people become aware of poisons in tobacco smoke, it will be harder for industry to maintain that dangers of tobacco are 'common knowledge'; drawing


2006/12/ 1  【海外行政事情】公共の場、来夏から全面禁煙=英 (時事通信記事)

【ロンドン1日時事】ヒューイット英保健相は1日、イングランドの公共の場を2007年7月から全面禁煙にすると発表した。英国ではスコットランドが既に公共の場を全面禁煙にしており、ウェールズ、北アイルランドでも来春に実施する見通しとなっている。来夏には英国全体の全面禁煙が実現することになる。
 これにより、オフィスや工場などの職場、パブ(大衆酒場)、レストランなどでの喫煙が禁止となる。屋外や個人の自宅は対象外。英国以外の欧州諸国ではアイルランド、ノルウェーでも全面禁煙が実施されている。


2006/12/ 1  英イングランド、07年7月からパブなど禁煙に (日本経済新聞記事

【ロンドン=横田一成】英政府は1日、ロンドンを含むイングランド地方のパブ、レストランなど屋内にある公共の場での禁煙を定めた法律を2007年7月1日に施行すると発表した。英国内ではすでにスコットランドで今年3月から実施、ウェールズも来年4月2日から同じ措置を取る。
 屋内での禁煙はオフィスにも適用される。欧州ではすでにアイルランド、イタリアなどで実施、フランスも来年2月から施行される予定。
 ロンドンのパブでは一部で、喫煙席と禁煙席を分けるなど「禁煙パブ」に向けた準備が進んでいる。アイルランドのパブでは中庭を設置して、「屋外」として喫煙を認めるスペースを作るなど苦肉の策も取られている。


2006/12/ 1  禁煙路面表示 2倍サイズに 名古屋市が12月中旬までに (中日新聞記事

 名古屋駅、栄、金山、藤が丘の路上禁煙地区で違反者から過料徴収をしている名古屋市は30日、路面表示をより大きいサイズにして禁煙地区を知らせることにした。この日は名古屋駅、栄の順に29枚を設置、12月中旬までに計54枚を張り付ける。
 市は2000円の過料徴収を始めた今年7月に先立って、昨年6月から路面表示をしているが、市外から訪れた人へのPR度はいまひとつ。そこで、従来の約2倍の65センチ四方の表示に。市の景観アドバイザーの意見を参考にカラー舗装上でも目立つよう、下地の銀色を濃くして赤の禁止マークを太くした。
 4地区では7月から10月末までに、1733人が過料処分を受けた。住所が判明している905人のうち県内(名古屋市を除く)は172人、県外は437人で、市外の人が約7割を占めた。


2006/11/30  禁煙にてこずるメントールたばこ 喫煙再開率が2倍高い (Medical Tribune 記事)

〔サンフランシスコ〕 カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)疫学・生物統計学のMark Pletcher助教授らは、1,200例を超える喫煙者を15年以上にわたり追跡した研究から、メントールたばことメントール以外のたばこが肺と心血管に与える有害性は同等のようであるが、メントールたばこは禁煙が困難である可能性が示されたとArchives of Internal Medicine(2006; 166: 1915-1922)に発表した。メントール喫煙者は禁煙後に喫煙再開率がほぼ2倍となっており、長期間禁煙する確率が低いことが明らかになった。
根底に複数の生理学的影響
 筆頭研究者のPletcher助教授は「メントールたばこの禁煙が困難である理由として、複数の生理学的影響が根底にあると考えられる」と指摘している。メントールの清涼感と局所麻酔作用は喫煙の快楽を増強する。しかし、より重要な点として、メントールは喫煙中の深い吸い込みを増やし、ニコチン代謝を低下させることにより血中の中毒性のニコチン濃度を上昇させる。
 その他の複数の研究から、アフリカ系米国人は欧州系米国人よりも喫煙率が低い傾向があるが、癌、心疾患、その他の喫煙に関連した疾患の罹患率が不均衡に高くなっていることがわかっている。メントールたばこを好む喫煙者の割合はアフリカ系米国人の約70%に対して、欧州系米国人では約30%にすぎない。しかし、今回の新しい研究から、癌と心疾患の発生率の不均衡は、メントールたばこそのものによって説明することはできないことが明らかになった。
 同助教授は「医師と患者が忘れてならないのは、いかなる種類のたばこであろうと喫煙は健康に悪影響を与えるということである。たばこ1本あたりで見ると、メントールたばこはメントール以外のたばこと比べて、有害性は高くも低くもなかった。しかし、われわれの知見から、メントールたばこの喫煙者は禁煙にチャレンジする場合、より多くの激励と支援を必要とする可能性が示唆された」と述べている。
15年後も約70%が喫煙継続
 今回の研究はCoronary Artery Risk Development in Young Adults(CARDIA)研究の一部であった。
 被験者は研究開始時の1985年に18~30歳の男女であった。被験者は研究開始年(1985年)とその5年後、7年後、10年後、15年後に健康診断を受け、人口統計学的質問と喫煙習慣に関する質問に答えた。当初の1,535例のうち、1,200例以上が研究を完了した。
 その結果、1985年の時点でメントールたばこを吸っていた喫煙者は、その後も喫煙を継続している可能性が高いことがわかった。同年にメントールたばこを吸っていた喫煙者の約69%は2000年も喫煙を継続していたのに対し、メントール以外のたばこを吸っていた喫煙者では約54%であった。
 研究チームは10年以上にわたり、メントールたばこに対する暴露と禁煙、動脈内のカルシウム蓄積、肺機能の変化の関連性を評価した。


2006/11/30  「子育て協力店」を募集=神戸市灘区 (時事通信記事)

 神戸市灘区は、子どもに優しいまちづくりを目指し、小学校入学前の乳幼児を持つ保護者が安心して入店できる飲食店などを募集し、「子育て協力店」として認定する。
 一定の要件を満たした店舗を「子育て協力店」として登録。ステッカーを店に張り、区のホームページや広報紙などで紹介する。
 同区健康福祉課によると、対象となるのは乳幼児を持つ保護者が利用できる区内の飲食店や商店など。子連れの保護者の入店を歓迎することが必須要件で、さらに(1)子ども向けメニューがある(2)おむつを交換する場所がある(3)授乳コーナーがある(4)ベビーカーで入店できる(5)分煙・禁煙になっている―といった条件のうち2つ以上に該当することが必要となる。
 応募期間は12月1日から来年1月末まで。書類審査などを経て、来年3月末ごろまでには「子育て協力店」を決定したい考えだ。


2006/11/30  父の禁煙宣言聞き飽きた? 製薬会社が川柳を発表 (東京新聞記事

 「聞きあきた 母『ダイエット』 父『禁煙』」。禁煙をテーマに川柳を募集した製薬会社のファイザーと武田薬品工業は30日、この作品を大賞に選んだと発表した。
 選考基準は明らかにしていないが、両親が健康のために挑戦した減量や禁煙がなかなか実現できない姿を子どもの視点でユーモラスに表現したことが評価されたようだ。受賞者には現金10万円を贈呈。
 このほかの入選作では「隠れ吸う 父の姿は 未成年」や「苦労して やめたタバコを 娘吸う」などといった家族をテーマにしたものが多かったという。7月にたばこ税が引き上げられたことで、喫煙者からは「値上げして! 手が出せないくらい 値上げして!」、「二十円 やめられる程 高くない」との切実な声もあった。
 一方で「副流煙 それも立派な ポイ捨てだ」と、たばこを吸わない人にとっての悩みのたねである副流煙をやり玉にあげた作品があった。
 今回の募集は、たばこをやめたい人向けのニコチンガム製剤「ニコレット」シリーズの販売を手掛ける2社が禁煙促進を目的に実施。5月1日から8月31日までの間に、9866通の応募があった。
 武田薬品は「予想以上の反響で驚いている。最近の禁煙意識の高まりを反映しているのではないか。募集は来年以降も続けたい」(広報担当)と話している。


2006/11/30  聞きあきた 母ダイエット 父禁煙=ファイザーが禁煙川柳を発表 (時事通信記事)

 禁煙時のイライラなどを緩和するガムを手掛けるファイザーは30日、禁煙にまつわる思いを募った「川柳コンテスト」の優秀作を発表した。禁煙できないつらさや、肩身の狭くなった喫煙者の姿をユーモアたっぷりに描いた川柳が受賞作に並んだ。
 大賞に輝いたのは、何度も禁煙に挫折する父親の姿を描いた「聞きあきた 母ダイエット 父禁煙」(三重県の村山文晴さん)。優秀賞は「苦労して やめたたばこを 娘吸う」「値上げして! 手が出せないくらい 値上げして!」など、家族の姿や世相を表現した作品が多かった。
 応募総数は約1万通。ファイザーは「コンテストが、禁煙について考え、行動するきっかけになれば」としている。


2006/11/30  路上喫煙 川越市も禁止へ 違反者は罰金1万円以下 (日刊スポーツ記事

 川越市は三十日、路上喫煙禁止地区を指定し、違反者に罰金を科す「市路上喫煙の防止に関する条例案」を十二月議会に提案する。市民の身体や財産の安全を確保するとともに、たばこの吸殻の散乱防止などを図るのが狙い。
 路上喫煙防止条例を制定しているのは、県内では川口市や所沢市など計七市。このうち、志木、朝霞、和光、新座の四市が川越市同様に罰則を設けている。
 条例案によると、市内全域では、道路や公園など屋外の公共に供する場所(道路等)で喫煙しないように努めるほか、駅周辺や人通りの多い商店街などを「路上喫煙禁止地区」に指定、この地区内の道路等での喫煙を禁止する。違反者については一万円以下の罰金を科す。
 条例の施行は来年四月一日。ただ、罰則については同年十月一日から適用する。現行の喫煙禁止地区案では、川越駅と本川越駅周辺、両駅と川越市役所を結ぶ商店街などが喫煙禁止地区に指定される予定。
 同市は「条例制定は罰金を取るのが目的ではなく、注意をして辞めてもらうことが第一義。施行後は条例の周知徹底を図るため、市職員などに市内を巡回させたい」などと話している。


2006/11/30  「禁煙セラピー」のアレン・カー氏死去 (日刊スポーツ記事

 アレン・カー氏(英禁煙活動家)29日、肺がんのためスペイン南部マラガ付近の自宅で死去、72歳。
 ロンドン出身。1日に100本吸っていたヘビースモーカーの会計士だったが、83年に禁煙に成功。世界30カ国以上に、70を上回る禁煙クリニックを開設するとともに、自らの体験を基に日本でもベストセラーとなった「禁煙セラピー」など多数の本を出版、2500万人以上を禁煙に導いたとされる。今年夏、肺がんと診断された。


2006/11/29  受動喫煙「悪くない」記事で 週刊現代がポストに噛み付く (J-CASTニュース記事

 「受動喫煙は子供の発がん率下げるはウソだった!」。そんな刺激的な見出しを掲げ、「週刊現代」が「週刊ポスト」に噛み付いた。問題となったのは「週刊ポスト」2006年11月17日号の「受動喫煙は子供の発がん率を低下させる」という特集。記事の狙いは行き過ぎた禁煙・分煙ブームに一石を投じるというものだったが、日本禁煙学会が「週刊ポスト」に厳重抗議するなど騒動になっている。
 「週刊現代」が「週刊ポスト」の記事にかみついた 「週刊ポスト」の記事は「定説『健康に悪影響は嘘!?』」という見出しで始まり、世界保健機関(WHO)付属機関の国際がん研究機関(IARC)とカリフォルニア州立大学の研究チームが調査した「大規模疫学調査結果」の二つのデータを使い、岐阜大学医学部高岡健助教授の解説を基に書き進められている。それらの統計結果から、「成人同士の受動喫煙の影響はなく、肺がんの発がん率を高めない」。そればかりか、「両親がヘビースモーカーの場合でも、子供時代の受動喫煙は肺がんの発がん率を低下させる」という驚くべきことがわかったのだという。
日本禁煙学会も「週刊ポスト」に厳重抗議
 IARCの研究は1988年から1994年までの7年間をかけ、欧州7ヶ国で650人の肺がん患者と1542人の健常者を比較したものだという。また州立大学の研究はカリフォルニア在住の配偶者が喫煙者だが、自分は全く喫煙しない35,561人を抽出し、1960年から1988年の39年間にわたって追跡調査したもの。
 高岡助教授は、「(これら研究結果を)公表しなかったのはWHOにとって都合の悪いデータだったからだと思われます」「こうしたデータを議論の俎上に上げないまま、禁煙政策を推し進める風潮には反対です」と誌面でコメントしている。
 「週刊現代」は06年12月9日号で、「週刊ポストを一読して、なんだこのデタラメな記事は、と驚きました」という日本禁煙学会理事のコメントを記事の冒頭に掲載し、「とんでもない誤報」と「週刊ポスト」に噛み付いた。日本禁煙学会も「週刊ポスト」に厳重抗議し、謝罪と責任者の処分、取材過程の公表と訂正記事の掲載を求め、徹底的に戦う、とコメントしている。
 いったい「週刊ポスト」の記事のどこが「誤報」なのか。「調査は実在し、ポストが指摘するような数値は出ています」との日本禁煙学会側のコメントもある。しかし、(1)IARCの調査対象人数が650と少なく、この程度だと実態と逆の結果が出ることがあり、これがそうしたケース(2)これまでの他のデータは、受動喫煙は害がある、が大部分(3)カリフォルニアの大規模疫学調査結果は「ウサン臭い」と批判された有名なデータであり、しかも受動喫煙が起こす病気で一番多いのは肺がんではなく心筋梗塞――が「誤報」の根拠だという。
「喫煙について様々な議論があるのが当然」
 さらに、ポストに掲載されているデータは高岡助教授がコメントしたような「隠蔽」されたものではない、と説明する。
 確かに、受動喫煙は体に悪いが私達のこれまでの「常識」。ましてや子供の肺がん率を低下させるなどというのは信じられない。「週刊現代」が、「週刊ポスト」に見解を求めたところ、「客観的なデータを紹介したものであり、日本禁煙協会から『事実誤認』と指摘されるような性質のものではありません」と回答したことが誌面に載っている。
 それでは、一方の主役である高岡助教授は、何を考えこのデータを紹介したのか。高岡助教授はこれまで「週刊現代」を含め多くのマスコミに「ノーコメント」を貫いているが、J-CASTニュースにはコメントを寄せてくれた。高岡助教授の専門は児童青年精神医学、精神病理学などで、雑誌「精神医療」(批評社)の編集委員でもある。
「世の中は禁煙へと一方的に流れています。私はそんな社会風潮に疑問を持っていて、むしろ喫煙についての様々な議論がたくさんあるのが当然と考えています。だから、こうした風潮に一石を投じたいと。それでデータを紹介したわけなんです」。
 ところで、「高岡先生はタバコを吸うんですか?」とJ-CASTニュースが質問すると、
「私はタバコを吸いますが…いや、今回のことは決して私的な感情でやっているのではなく、あくまで客観的にデータを出して、客観的にまっとうな議論をしてもらおうということなんです」
と答えた。高岡助教授はタバコの害に関する自分の見解、研究をまとめた本の執筆を始める予定だ。


2006/11/29  青少年への販売業者を公表=酒、たばこ防止条例で-神奈川県 (時事通信記事)

 未成年の喫煙、飲酒を防止する条例の制定を目指す神奈川県は29日、自販機の管理者に年齢確認装置の設置や、店頭販売の際の年齢確認を義務付けるとともに、これらを怠り県の勧告に従わなかった場合、事業者の店舗名や氏名を公表する条例案をまとめた。罰則は設けないが、公表により実効性を担保する。12月議会に提案する。
 未成年の飲酒、喫煙対策で具体的な方法を定めて条例化するのは全国で初めて。店頭販売については来年7月に、自販機については業界団体による装置導入に合わせ2008年7月に施行する予定。


2006/11/29  「敷地内禁煙」広がる 県内55病院、「がん拠点」申請など背景 (徳島新聞記事

 徳島県内の病院で、敷地内なら建物外でも喫煙できない「敷地内禁煙」の動きが広まっている。
 これまで建物外なら認めていた県内最大の病床数710床を持つ徳島大学病院(徳島市)も来年1月1日から敷地内禁煙を導入する。診療報酬の改定に伴い、4月からニコチン依存症の管理料が保険対象となり、がん拠点病院の申請にも努力義務とされることなどが背景にある。
 徳島社会保険事務局によると、十月二十八日現在、敷地内禁煙を行っているのは県立中央病院(徳島市)や三好病院(三好市)など五十四病院。同事務局には届けていない徳島赤十字病院(小松島市)の例もあり、少なくとも五十五の病院で敷地内禁煙が行われている。
 徳島大学病院では二〇〇五年五月から敷地内に喫煙所を設け、分煙を行っていたが、敷地内禁煙を決定。十月上旬には病院内に四十五枚のポスターをはり、「平成十九年一月一日から敷地内禁煙を実施します。ご協力をお願いします」と呼び掛けている。
 同病院は同月中旬、地域でがん診療の中核を担う厚生労働省指定の「地域がん診療連携拠点病院」を申請。地域がん診療連携拠点病院は敷地内禁煙が努力目標とされている。
 香川征院長は「分煙では禁煙所の出入り口を通る人から苦情があった。申請はいい機会。喫煙派の方にもご協力をお願いしたい」と訴える。
 ただ、同病院の喫煙所でたばこの煙をくゆらせていた自営業、近藤信二さん(43)=藍住町奥野=は「これを機に禁煙と言われてもきつい。敷地外に吸いに行くしかなく、ストレスたまりそう」と肩を落としていた。


2006/11/29  岩村、禁煙宣言「今月でやめる」 (スポーツ報知記事

 ポスティングシステム(入札制度)でデビルレイズ入りが確実なヤクルト・岩村明憲内野手(27)が28日、禁煙を宣言した。この日、茨城・つくばみらい市内のゴルフ場で、球団のオーナー杯ゴルフコンペに参加。61人中26位に終わった後、「今月いっぱいで、たばこをやめる。向こう(米国)は吸う場所がないだろうし」と、話した。
 20歳になってから7年、1日あたり1~2箱を愛煙し続けてきただけに、やめるのは容易ではなさそうだが、「根性だよ。たばこはリラックスだとか、気分転換だとか、今思えば言い訳だった」と、決意は本物だ。「母親も、がんだったからね」母・美千代さんを昨年8月に肺がんで亡くしており、健康を気遣っての決断でもあった。
 「今月いっぱい」という期限に意味がある。来月1日から8日まで渡米し、代理人のアラン・ニーロ氏の事務所があるシカゴ、デ軍本拠地のセントピーターズバーグ、用具契約を結ぶ「ナイキ」本社があるポートランドを訪れることが決まった。「できれば契約、最低でも合意まで持って行きたい。たばこは持って行かないよ」と岩村。禁煙で“縁”もたぐり寄せる。
 ◆メジャーとたばこ かつての米大リーグは、かみたばこが全盛で、試合後のダッグアウトの床は、吐き出したかみたばこで汚かった。だが、殿堂入りの名二塁手ネリー・フォックスががんで死亡したこともあって健康に留意する選手が多くなり、今ではベンチにはひまわりの種が用意され、それを口にする選手がほとんどだ。当然、ロッカールームも禁煙で、喫煙家のある日本人選手はロッカーを出て通路で吸って、ナインから不思議がられるシーンもあった。


2006/11/28  たばこ裁判、「ライト」の表示巡る原告の上告棄却・米最高裁 (日本経済新聞記事

【ニューヨーク=米州総局】米連邦最高裁判所は27日、たばこ最大手米フィリップ・モリスの「ライト」たばこを巡る団体訴訟で、原告の上告を棄却した。原告側は「ライト」や「低タール」などの表示について、健康被害が少ないという誤解を消費者に与えると主張し、101億ドルの賠償金支払いを求めていた。連邦最高裁の上告棄却でたばこ会社の実質勝訴が固まった。
 この団体訴訟では、イリノイ州最高裁が昨年12月に原告の訴えを認めた下級審判決を覆す判断を下し、原告側が上告していた。訴訟には101万人が原告として参加。下級審は2003年、フィリップ・モリスに対し101億ドルの賠償金支払いを命じた。


2006/11/28  10人に1人たばこで死亡 2015年のWHO予測 (m3.com記事

【ワシントン27日共同】2015年にはたばこが原因で死亡する人が10人に1人に達し、30年には心筋梗塞(こうそく)と脳卒中、エイズが死因の上位3位を占めるなどとした世界の死因の将来予測を世界保健機関(WHO)の研究者がまとめ、米医学誌に27日発表した。
 WHO本部のコリン・マザーズ博士によると、WHOや世界銀行などの統計を基に、戦争や交通事故なども含めた30年までの推計で、5歳未満の子どもの死者数が02年から半減する一方、エイズによる死者が280万人から650万人と倍以上になるとした。
 たばこが原因とみられる肺がんや慢性閉塞(へいそく)性肺疾患による死者は、05年の540万人から15年には640万人、30年には830万人と増え続け、15年段階ではエイズによる死者の1.5倍、世界全体の約10%になるという。
 30年には心筋梗塞が13・4%と1位で、脳卒中(10・6%)、エイズ(8・9%)と続く。02年と比べ1、2位は変わらないが、エイズは4位から浮上。交通事故死も10位から8位へと深刻度を増す。
 平均寿命はすべての地域で5歳以上延びるが、日本人女性が88.5歳で世界最高を維持する一方、サハラ以南のアフリカ人男性は55歳に達しないなど、地域格差が大きいままだという。


2006/11/28  エイズが3位に浮上=30年の死因予測-WHO研究チーム (時事通信記事)

 2030年の世界の死因トップは心筋梗塞(こうそく)などの虚血性心疾患、2位は脳梗塞などの脳血管疾患で、02年時点と変わらないが、3位には肺炎などの下部呼吸器感染症に代わり、エイズが4位から浮上するとの予測を、世界保健機関(WHO)の研究チームがまとめた。研究論文は28日、米科学誌プロス・メディシンの電子版に発表された。
 研究チームは、30年の世界の死者数を7320万人と、国連の04年予測の7400万人より低めに予測。5歳未満の幼児の死者は02年時点からほぼ半減し、全般に平均余命が伸びるとの見通しを示した。
 高所得の先進国では、平均寿命が女性で85.0歳、男性で79.7歳となり、最長は日本人女性の88.5歳の見込み。日本の厚生労働省が今年7月に発表した05年の簡易生命表では、女性の平均寿命は85.49歳で、約3歳伸びることになる。 死因別では、30年の世界の感染症による死者数は全般に減少するが、エイズだけは02年の280万人から650万人に倍増。また、
喫煙が間接的原因の死者数は、05年の540万人から830万人に増える見込み。
 死因上位の変動をみると、世界的な経済成長と先進国の生活様式の拡大を反映し、胃がんが15位から10位、糖尿病が11位から7位、肺や気管などのがんが9位から6位、交通事故が10位から8位に上がる。一方、結核は8位から23位、下痢性疾患は7位から16位と、大幅に低下する。


2006/11/25  禁煙外来病院3倍に 治療薬保険適用半年 (神戸新聞記事

 禁煙治療薬への公的医療保険の適用が始まって半年近くが経過し、兵庫県内では治療薬を処方できる禁煙外来を持つ病院・診療所が約三倍に増えた。利用者は「気軽に治療を始められる」と歓迎する。一方で、入院患者や若者には保険が適用されないなど、新たな課題も出てきている。(広畑千春)
 喫煙が「病気」と認められ、禁煙治療薬に公的医療保険の適用が始まったのは今年六月。兵庫社会保険事務局によると、禁煙外来を設ける県内の病院・診療所は六月の八十六カ所から、十一月には二百五十四カ所と、約三倍に増えた。
 神戸市兵庫区の牛尾久仁子さん(54)は胆のうの手術を控え、禁煙外来に通い始めた。三十年前から吸い続けたたばこは多くて一日一箱。「やめようと何度も思ったが、つい吸ってしまった」。十月、保険適用を知って申し込んだ。今は治療薬を使いながら、月二回の通院を続ける。「保険適用で、気持ちも経済的にも全然違う」と話す。
 二年前から禁煙外来を設ける同市中央区の神戸大医学部付属病院では、六月以降、患者が殺到。新規患者は落ち着いたが、今も毎月十人ほど訪れるという。西村善博医師は「受け皿が増え、治療が受けやすくなったのでは」と話す。
 一方、手術などで入院中の患者には保険が適用できず自由診療になる▽未成年者は対象外▽一日の喫煙本数に喫煙年数をかけた数字が二百以上といった条件から、二十代などの若い世代は適用基準に当てはまらないケースがある-などの課題も浮上している。
 また、外来数の伸びは九月以降鈍化。規模の小さな診療所の中には、敷地内全禁煙、専任の看護師を一人以上配置する、などの施設基準がネックになって、治療を断念するケースもあるという。
 西村医師は「年齢や症状を問わず、思いついたらすぐ始められる環境をつくるため、制度の拡充が必要」と指摘している。


2006/11/25  禁煙タクシー、目標2割 都心の業界、値上げの代わりに (朝日新聞記事

 運賃の値上げが審査されることとなった東京都心(23区、武蔵野、三鷹地区)の法人タクシー業界が、値上げが認められた場合に、禁煙車の割合を2割にまで引き上げる計画を検討していることがわかった。値上げに対する「見返りサービス」としての位置付けだが、各社ともドライバーの「禁煙教育」を迫られるかもしれない。
 都内の法人タクシー業界ではこれまでも、値上げのタイミングにあわせて、空気清浄機や点字案内を全車へ設置するなどしてきた。「値上げによる割高感をサービスの向上で抑え、客足をつなぎとめる」(あるタクシー会社)というねらいからだという。
 そこで今回は、禁煙車に着目した。同地区の法人タクシーは328社で約3万2500台。禁煙車を2割以上抱える大手も数社あるが、全体でみると禁煙車は3%程度の約1000台にとどまっている。会社ごとにばらつきがあることから、各社とも禁煙車を2割導入する目標を盛り込む計画を進めている。
 すでに2割以上を禁煙車としている、大手タクシー会社の幹部は「禁煙を希望されるお客様が増えており、時代にあった対応だと思う」と話す。
 各社とも禁煙車に限らず、乗務員の車内喫煙を禁止しているが、食事などの休憩中に外で喫煙すること自体は禁止していない。だが、禁煙車では「におい」が残らないように、ドライバーに完全禁煙を指導している。
 一方、現状では禁煙車の導入率には会社ごとにばらつきがある。すでに2割を達成している会社に比べると、これから比率を引き上げなければならない会社にとっては、非喫煙ドライバーの確保や、喫煙ドライバーへの禁煙指導が急務となりそうだ。


2006/11/25  禁煙2カ月 16人達成 医師会主催のコンテスト 岩見沢 (北海道新聞記事

【岩見沢】禁煙できたら抽選で温泉旅行が当たる「禁煙チャレンジコンテスト」(岩見沢市医師会主催)が二十一日で終了した。九月の開始から二カ月余りの間、完全禁煙を達成したのは十六人だった。七十六人いた申込者の二割にとどまったが、達成者たちはそれぞれ禁煙の継続を固く誓った。
 コンテストは九月一日から同日まで、岩見沢労災病院で禁煙講習会を九回開催。このうち一カ月に一回の計三回参加し、その間、一本もたばこを吸わなかった人から、抽選で三人に道内の温泉ペア旅行券を贈る道内では珍しい取り組み。
 申込者七十六人のうち、一回目の講習会に六十一人が参加したが、二回目は四十人、三回目は二十八人と減り、禁煙の難しさも浮き彫りにした。ただ、三回目まで参加した人の中には「途中で吸ってしまったが、今後の参考に」という人もいて、禁煙のきっかけづくりにもなったようだ。
 三回目の最終日の二十一日は七人が参加し、禁煙継続のコツや禁煙後に太らないための運動法などを学んだ。この日の出席者のうち三人が完全禁煙を達成し、担当した同病院の五十嵐毅医師から禁煙の「認定証」を受け取った。
 達成した石狩管内当別町の男性会社員(51)は「検査で脳の血管に異常があって禁煙を決心した。今後も吸わないようにしたい」と話す。五十嵐医師は「達成者はもう少し多いと予想していたが、これを機に禁煙の機運が高まってくれれば」と話していた。温泉旅行の抽選会は今月末に行われる。


2006/11/25  那覇市の学校敷地内が全面禁煙に (琉球新報記事

 2007年1月から、那覇市の公立学校は敷地内全面禁煙となる。同市教育委員会(桃原致上教育長)が24日、発表した。
 同教委によると、市町村単位での公立学校敷地内の全面禁煙実施は、県内で初めて。県立高校や県立養護学校でも同年4月から、敷地内全面禁煙が実施されるが、同市の公立学校は、県立学校に先駆けた取り組みとなる。 那覇市内の小中学校の校長は「あとひと月で周知に取り組む」「子どもたちに副流煙を流さないためにもいい取り組み」などと話し、実施に向けた準備に取り掛かる姿勢だ。
 同日会見した桃原委員長は「教育効果への影響や、児童・生徒、教職員の健康保持を考慮し実施することにした。午前の校長会で各小中学校の校長に通知した。努力目標として100%に近づけるよう努力していきたい」と話した。
 同教委の調査結果によると、市内すべての小中学校や幼稚園で、受動喫煙の防止策が取られているが、敷地内全面禁煙を実施している中学校はゼロ。幼、小、中合計では51・1%となっている。
 全面禁煙実施にあたり同教委では「看板やポスターなどを作製して敷地内や出入り口に掲示し、来校者などへの周知徹底を図る」としている。
 同市公立小中学校会の新垣敏江中学校副会長(石嶺中校長)は「職員の中には禁煙を始めた人もいる。子どもたちに副流煙を流さないためにもいい取り組みだ」と話した。當山武志小学校会長(真嘉比小校長)は「あとひと月は周知期間。PTAの集いなどで保護者にも伝えていく」と話した。


2006/11/25  教師の卵、禁煙 兵教大が来春から学内全面で (神戸新聞記事

 兵庫教育大学(加東市下久米)は、来年四月からキャンパス内を全面禁煙にすることを、二十四日までに決めた。「教師の卵が自ら禁煙しないと、子どもに禁煙指導はできない」との信念からで、同大によると「県内の国公立大では初めてでは」という。喫煙者の教職員、学生には「ニコチンパッチ」を提供して禁煙をサポートするなど、実施に向けた取り組みを本格化させる。(金井恒幸)
 兵教大は学部生、大学院生を含め約千五百人の学生と、教職員二百八十人が所属する。
 受動喫煙防止の観点などから、同大は二〇〇三年十月、喫煙を指定の場所に限定。しかし、喫煙者がなくならないため、たばこの害を説いた著書のある勝野眞吾副学長が委員長を務める「キャンパス環境・安全委員会」が今年三月、全面禁煙の方針を決めた。
 四月に、教育実習施設や付属の幼小中学校がある「山国地区」を全面禁煙。十月には、嬉野台キャンパス敷地内と建物一階を禁煙し、建物二階以上の指定場所でしか喫煙ができなくなった。
 「強制ではなく、禁煙の重要性を納得してほしい」と、今月二十二日には、全国で「大学禁煙化プロジェクト」を進める奈良女子大の高橋裕子教授を招いた講演会を開催。来年一月からは喫煙者を集めて計三回、ニコチンパッチを試す「禁煙教室」を開き、たばこ愛好者を減らす方針だ。
 兵教大はキャンパスに隣接して学生や職員の宿舎があるが、「生活空間なので(禁煙しろとは)言えない」(同大)と当面は静観する意向。喫煙者のある男子学生は「宿舎では吸えるので、学内では我慢します」と話していた。


2006/11/24  SBS、喫煙しながらサッカー中継放送? 韓国 (中央日報記事

喫煙しながら中継放送をしたのか? 
 24日未明、アラブ首長国連邦(UAE)ドバイのアル・アクトゥム・スタジアムで行われた韓国-UAEのアジア競技大会サッカー代表チーム親善試合。 この試合を現地で生中継したSBS(ソウル放送)の中継席から突然、煙が上がったとクッキーニュースが報じた。
 現地中継カメラは後半31-32分ごろ、SBS中継席の方を映した。 SBS中継席が画面に出た瞬間、たばこは見えなかったが、煙が上がっていた。 この時、キム・ジョンイルキャスターとパク・ムンソン解説委員は非常に慌てた様子だった。
 この画面が出た後、SBSインターネットホームページの掲示板には視聴者からの抗議が相次いだ。 「キム・ヒョク/saint0802」というIDでコメントを書き込んだ視聴者は「大変でしたね、たばこも吸い、中継もして」と喫煙中継疑惑を提起した。
 また「ホン・ソンス/mp605」というIDのネチズンは「中継キャスター、たった今たばこを吸わなかった?中継しながら?蚊取線香か?パク・ムンソン解説委員は驚いていたが…」と皮肉った。


2006/11/23  女王、禁煙に挑戦=デンマーク (時事通信記事)

【デンマーク23日DPA=時事】デンマーク女王マルグレーテ2世(66)が禁煙に挑戦中であることが明らかになった。同国紙が23日、伝えた。王宮によると、女王は完全な禁煙に向け、まず公共の場所で吸うのを控えている。
 女王は若いころから愛煙家。しかし、この夏、ひざの手術を受け、医者からはたばこをやめるよう言われている。既に夫のヘンリク殿下、フレデリク皇太子も禁煙した。対岸のノルウェー王ハラルド5世も数年前、禁煙に成功し、王宮を全面禁煙にした。
 デンマークでは来年4月から公共の施設内を禁煙とする法律が施行されることになっている。


2006/11/22  喫煙率、男女計で26.3%に=下落傾向に歯止め掛からず-JT (時事通信記事)

 成人でたばこを吸う人の割合は今年8月現在で26.3%となったことが22日、日本たばこ産業(JT)の調査で分かった。今回から調査方法が変更されたため単純比較できないが、昨年は29.2%で10年連続で最低を更新しており、下落傾向に歯止めが掛かっていないことが明らかになった。
 内訳は男性が41.3%、女性が12.4%。喫煙率が最も高い年代は男性が30代で48.7%、女性は20代の18.8%だった。毎日吸う人の1人当たり平均喫煙本数は男性22.3本、女性16.3本となった。
 今年の調査は昨年の倍となる3万2000人を対象に実施し、回収方法を訪問から郵送に変更した。


2006/11/22  進む「たばこ離れ」喫煙者率26・3%で過去最低更新 (読売新聞記事

 日本たばこ産業(JT)が22日発表した「全国たばこ喫煙者率調査」によると、成人でたばこを吸う人の割合を示す喫煙者率は、男女の合計で前年より2・9ポイント低い26・3%となり、11年連続で過去最低を更新した。
 喫煙人口も推計2733万人と過去最低となり、「たばこ離れ」が進んでいることが裏付けられた。
 男性の喫煙者率は4・5ポイント低い41・3%と15年連続で下がり、女性も1・4ポイント低い12・4%と2年ぶりに低下した。10年前と比べると、男性で16・2ポイント、女性では1・8ポイント低くなった。
 年代別で最も喫煙者率が高いのは、男性が30歳代の48・7%、女性は20歳代の18・8%だった。1日当たりの平均喫煙本数は、男性は22・3本(前年比横ばい)、女性が16・3本(同0・3本増)だった。
 JTは、昨年までは調査票を社員が訪問して回収していたが、今年から郵送での回収に切り替えた。調査対象は、全国20歳以上の男女計3万2000人と、昨年の2倍に広げ、うち58%の人から回答を得た。


2006/11/22  青少年喫煙防止『チンチンクリーンコンサート』 韓国 (innolife.net記事

 青少年喫煙防止のための公演が開かれる。
 MBCと保健福祉部が共にする『2006 チンチンクリーンコンサート』が22日午後7時30分、ソウル稜洞子供大公園ドムアートホールで開かれる。
 MBCラジオ 『親友』の司会者であるタプローとチョ・ジョンリンが進行して、歌手ソン・ホヨン、MCモン、イ・スンギ、スーパージュニア、エピックハイ、コヨーテ、ソン・シギョン、パク・ジョンアなどが出演する。
 この日のコンサートでは青少年禁煙のための東方神起の5つの約束映像物も公開される。タプロー、チョ・ジョンリンは青少年禁煙約束を盛ったコントをお披露目する。
 公演実況は24日午後8時、MBCラジオ『親友』を通じて録音放送される。


2006/11/22  キャンパスで喫煙 「自主退学」を迫る (ライブドア・ニュース記事

 キャンパス内を全面禁煙にする大学が増えているが、新入生に「禁煙誓約書」を提出させ、それを破った場合「自主退学」を迫る女子大もある。
 中部学院大学と同短期大学部は、2006年4月から「クリーンキャンパス」の一環として、キャンパス内完全禁煙を実施。たばこの自動販機もなくし、教職員も全員禁煙とした。さらに、07年度からは入学者全員に、キャンパス内や周辺では喫煙しない「禁煙誓約書」を提出させることを決めた。敷地内や駐車場に加え、周辺100メートルの範囲も禁煙対象地区に指定するという徹底ぶりだ。
分煙では喫煙学生は減らない
 これまで「受動喫煙」の苦情や、キャンパスが汚れるなどの問題があり、分煙を行ってきたものの、喫煙学生は減らなかった。
「それならば誓約書を取って徹底させようと。そもそも当大学は福祉関係や幼稚園教育の学部が中心で、主な就職先となるところは喫煙者を採用しなかったり、喫煙場所が無かったりするのが普通です。だから、学生時代に喫煙をやめることは学生達の健康だけでなく将来のためにもなるんです」
と同大学学生課は、J-CASTニュースの取材にこう説明する。
 ここでは誓約書を取っても罰則は設けていないが、喫煙した場合は「自主退学させる」という大学もある。日本で初めて学生から禁煙の誓約書を取った名古屋女子大がそれで、今年で3年目になる。その禁煙は徹底していて、「禁煙・無煙推進プロジェクトチーム」まで設けている。保健室で禁煙活動支援を行い、ニコチンガムの無料提供や医師による禁煙相談とニコチンパッチの一部無料提供、ニコチン依存度チェック、「タバコと健康」をテーマとする講演会及び禁煙教室の開催、それに加えて、一酸化炭素測定、尿中ニコチン検査などにも取り組んでいる。
「大学に入ると、娘の喫煙やめさせられる」と評判
 もともと喫煙者の多い大学ではなかった。誓約書を取る前の喫煙率は6%ほど。それが05年は3%、06年は1%になったという。喫煙者は大学に入ってから吸い始めるのではなく、殆どが高校時代からだという。そのため「大学に入ると、娘の喫煙をやめさせられる」と親に評判が高いという。ここまで徹底した喫煙を進めるのは、食物や福祉、児童教育の学部が中心であることから喫煙はふさわしくないという理由のほか、「将来結婚して子供を生むことを考えると、学生の今から禁煙に取り組んだほうがいい」という女性としての立場の両面があるという。
 名古屋女子大の保健室はJ-CASTニュースに対し、
「喫煙をしたら自主退学、という規定です。さすがにキャンパス内で喫煙者を見かけることはないですが、もしいたとしたら強く諭し、内科医が常駐していますので、その指導のもと、喫煙がやめられるようにもっていきます」
と話した。


2006/11/22  歩きたばこ芦屋市全域ダメ 過料含む条例案提案へ (神戸新聞記事

 芦屋市は二十一日までに、市内全域で、歩きたばこや吸い殻のポイ捨てなどの迷惑行為を条例で禁止する方針を明らかにした。JR芦屋駅付近や商店街など人通りの多い場所では、区域を指定した上で過料などの罰則規定も設ける予定。来年三月市会に条例案を提案、同六月一日の施行を目指す。兵庫県内では、神戸市が区域限定の歩行喫煙禁止の条例を設けているが、それよりも厳しい内容となる。
 条例に盛り込む予定の迷惑行為は、歩きたばことポイ捨てのほか、夜間(午後十時-午前六時)の花火▽夜間(同)騒音▽公共の場所への落書き▽空き缶などの投げ捨て▽飼い犬のふんの放置-の計六種類。いずれも市内全域が対象で、違反すれば過料か罰金を科す方向で検討している。
 芦屋市は一九九七年、たばこやごみの投げ捨てを防ぐため「空き缶等の散乱防止に関する条例」を制定。しかしその後もごみの量は一向に減らず、側溝や植え込みに捨てられた吸い殻の処理に自治会などが手を焼いてきたという。
 歩きたばこについては、「火が子どもの顔などに当たる可能性もあり危険」として、以前から市会などでも厳しい対応を求める声が繰り返し上がっており、市が迷惑行為防止の観点で規制を検討していた。


2006/11/21  禁煙しても体重は増加しない (m3.com記事

禁煙しても長期的に見れば体重増加がみられないことが、20年間に及ぶ研究で示された
Charlene Laino
WebMD Medical News
Reviewed By Louise Chang, MD
【シカゴ 11月14日】体重増加のおそれがあることを喫煙継続の口実に使っているなら、驚くことになる。
 禁煙しても長期的に見れば体重への影響がみられないことを、研究者らが報告している。
「禁煙すれば、体重が4-5ポンド余分に増える可能性はある。逆に、喫煙を始めれば、体重が数ポンド減る可能性もある。しかし、そうした現象は一時的なものでしかない」と、ジェファーソン医科大学(フィラデルフィア)の小児科教授でありA.I.デュポン小児病院(デラウェア州、ウィルミントン)の福祉責任者でもあるSamuel Gidding, MDは述べている。
 長期的に見れば、人種や性別に関係なく同程度に体重増加する傾向があると、同博士はWebMDに語っている。
長期的に見れば体重は一定
 本研究で研究者らは、成人を対象に心疾患の発現の有無を検討した長期研究のデータを調査した。本研究は米国心臓協会(AHA)年次総会で発表された。
 研究には、1986年の研究登録時の年齢が18-30歳であった5,000人を超える黒人男女と白人男女が参加した。
 20年間に検査が7回実施され、体重と身長の関係を示す尺度である研究参加者の体格指数(BMI)が医師により測定された。医師は喫煙状況についても回答を求めた。
 その後、検査と検査の間の期間について、研究に参加した男女を喫煙継続者、非喫煙者、禁煙者、喫煙開始者の4群に分類した。「次の受診までの間、研究参加者は現在属する群から別の群へ移っても良いものとした」と、Gidding博士は述べている。
「我々が見出したことは、20年間にわたる本研究期間中、喫煙開始者の群と禁煙者の群が、実際には両群を行ったり来たり揺れ動いている同じ研究参加者で多数占められていることであった」とGidding博士は述べている。
「両群の研究参加者は、ピンポンのように行ったり来たりしていたため、結局は、喫煙状況が体重に影響を及ぼすことはほとんどなかった」と、同博士は述べている。
もはや言い逃れ不可能
 重要な点は、喫煙状況の変化とBMIの増加には相関がみられるものの、喫煙継続者と非喫煙者の体重が同じ割合で増えたことであると、Gidding博士は述べている。
 AHAの広報担当でありハーバード大学医学部の心疾患専門医であるElliott M. Antman, MDは、本研究で得られた情報は患者のカウンセリングに役立つだろうと述べている。
「女性や、体重を管理しようと喫煙を開始する人、ならびに余分な体重が増えると考えて禁煙することを恐れている人にとって、体重は特に関心のある事項である」と、同博士はWebMDに語っている。
「しかし、今では患者さんに『ほら、これが禁煙による体重増加が事実無根であることを示す長期的データです。喫煙状況が体重に及ぼす影響は少ないため、体重増加についての懸念を禁煙を始めない言い訳にはできませんよ』ということができる」と、Antman博士は述べている。
American Heart Association's Scientific Sessions 2006, Chicago, Nov. 12-15, 2006. Samuel Gidding, MD, professor of pediatrics, Jefferson Medical College, Philadelphia; outreach director, A.I. DuPont Hospital for Children, Wilmington, Del. Elliott M. Antman, MD, professor of medicine, Harvard Medical School, Boston.


2006/11/21  県民健康指標 目標達成わずか7% (東奥日報記事

 県民の総合的な健康づくり指針「健康あおもり21」の中間評価の概要が二十日、青森市のアラスカで開かれた県健康寿命アップ計画推進委員会で公表された。二〇一〇年度の目標値として掲げられた計百二十三指標を〇五年度実績に基づいて評価した結果、「達成」はわずか7%(八指標)だった半面、「横ばい・悪化」は21%(二十六指標)に上った。推進委では、〇七年度から新たに「成人の喫煙率の減少」を新規項目に追加設定し、対策を強化することなどを決めた。
 健康あおもり21は、全国最下位レベルの本県の平均寿命アップに向け、県が〇〇年度に策定した。栄養・食生活、糖尿病、がんなど九分野を柱に、六十二項目の計百二十三指標について、一〇年度の目標値を掲げ、〇一年度から十年間の計画期間で実施している。
 〇六年度は、中間年度である〇五年度のデータを基に、達成状況の中間評価や行動目標の評価・見直しを進めてきた。
 それによると「達成」は八指標、「順調に改善」二十指標、「やや改善」三十六指標。「横ばい・悪化」は二十六指標で、「判定不能」は三十三指標だった。悪化が際だったのは「カルシウム摂取量」「青年期以降の野菜摂取量」「運動する人の割合」など。
 〇七年度から新設する指標「成人喫煙率の減少」では目標値を男性25%以下(現状39.4%)、女性5%以下(同8.2%)と掲げた。また計五十八項目で文言整理など見直しを行う。このうち「成人の肥満者の割合(男性)」や「がん検診の受信者のカバー率」は、目標値が現状と離れ過ぎ達成困難-として指標を修正した。重点対策としてきた「肥満予防」「自殺予防」「喫煙防止」の三本柱については、〇七年度からは実施主体と行動目標を具体的に盛り込み、対策を強化する。


2006/11/21  男子高校生の2割が喫煙、動機は「好奇心」 韓国 (YonhapNews World Service - South Korea記事

【ソウル21日聯合】男子高校生の20.7%、女子高校生の5.2%が、日常的に喫煙していることが分かった。韓国禁煙運動協議会が21日、全国1万2000人の中学・高校生を対象に喫煙実態を調査した結果を発表した。男子中学生で喫煙しているのは5.3%、女子中学生は3.3%だった。
 喫煙の動機については、男子高校生の52.0%、女子高校生の57.3%が「好奇心」と答えた。男子中学生は63.9%、女子中学生は63.0%が同様の回答をした。
 たばこの購入場所は、全体の70.2%が「たばこ屋」と答えている。次いで「友達にもらう」が16.2%、「自動販売機」が4.0%などだった。
 喫煙場所は、「路地(道端)」が35.5%で最も多く、「公共施設・トイレ」が26.0%、「インターネットカフェ」が13.4%、「カラオケボックス」が10.0%、「自宅」が7.0%などと続いた。


2006/11/20  【中央官庁だより】 ◇全面禁煙の効果は=厚生労働省 (時事通信記事)

 厚労省などが入る中央合同庁舎が全面禁煙になってから半年が経過した。官房会計課管理室によると、「省内の愛煙家からは『喫煙コーナーのある1階まで下りていくのが不便だ』という意見が聞かれたものの、苦情はない」とか。館内全面禁煙は、健康増進法に基づく取り組みを率先して実行することなどが狙い。愛煙家の職員や来訪者は屋外2カ所に設けられた喫煙コーナーでしか、たばこを吸えなくなった。これまでに喫煙する職員数などの統計調査は行っていないが、「喫煙コーナーの利用状況は以前と比べ、少し減ったと思う」(会計課管理室)といい、全面禁煙はそれなりの効果を上げているもよう。担当者は「職員の禁煙実績を調査する予定はない」としつつも、「健康診断のデータを用いて把握していくことも検討したい」と前向きだ。


2006/11/20  測定値4段階に分類 喫煙原因の慢性閉塞性肺疾患 (産経新聞記事

≪診断基準新ガイドライン≫
 喫煙などが原因で肺機能が低下する慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)について、診断や治療の基準となる新たな国際的なガイドラインを専門医らがまとめ、京都市で19日、発表した。
 福地義之助順天堂大客員教授らによると、肺機能検査の測定値で最重症-軽症の4段階に分類。一般の医師にも、患者に体重減少や骨格筋の機能障害があればCOPDを疑い検査するよう呼び掛けた。
 インフルエンザを合併すると死亡率が高まるため、どの段階の患者でもワクチン接種が必要で、重い症状の場合は肺炎球菌ワクチンの接種もするよう求めた。
 COPDは肺や気管支に炎症が起き、全身に影響を及ぼして心筋梗塞(こうそく)や骨粗しょう症、糖尿病などのリスクが高まる。世界の年間死者数は約275万人で、平成17年の日本人男性の死因で第7位とされる。


2006/11/19  たばこも酒も習慣、食道がんリスク10倍 東北大調査 (朝日新聞記事

 喫煙するのに加えてほぼ毎日飲酒する男性は、どちらの習慣もない人たちと比べて食道がんになるリスクが9~11倍あることが、宮城県の約2万7000人を対象にした東北大の石川敦庸(あつのぶ)医師(公衆衛生学)らの調査でわかった。たばこの関与が特に大きく、患者の約7割は喫煙しなければ、がんにかかるのを避けられた計算になるという。
 84年に約9000人、90年に約1万8000人のいずれも40歳以上の男性に食生活などを尋ね、それぞれ9年間と7年7カ月間追跡したところ、78人が食道がんになっていた。
 そこで喫煙や飲酒、緑茶を飲む習慣が食道がんのリスクとどうかかわるかを調べた。たばこを吸う人のリスクは吸わない人と比べて5倍、ほぼ毎日飲酒する人のリスクはほとんど飲まない人と比べて2.7倍あった。
 緑茶を1日5杯以上飲む人は飲まない人と比べて1.7倍リスクがあった。理由ははっきりしないが、研究チームは「緑茶を熱い状態で飲む人が多かったのかも知れない」と推測する。熱い飲食物は、食道がんの危険を高めるとされている。
 こうした個別の解析とは別に、「たばこを吸わず、お酒も緑茶もほとんど飲まない」人たちのリスクを1として計算すると、喫煙と飲酒の習慣がある人ではリスクが9.2、さらに1日3杯以上の緑茶を飲む習慣も加わると11.1になった。
 食道がんと診断されるのは年に1万5000人ほどとされ、8割以上を男性が占める。今回の調査をまとめた栗山進一・東北大助教授は「食道がんは生活習慣で予防できる代表的ながん。禁煙が何より大事で、酒を飲みながらのたばこは最悪です」としている。


2006/11/18  たばこ不始末の可能性も=火元は1階か、4人死亡火事-静岡 (時事通信記事)

 静岡県浜松市の無職原重秋さん(75)方が全焼し4人が死亡した火事で、1階の原さんの寝室が火元の可能性があることが18日、分かった。たばこの不始末の可能性もあり、県警浜松中央署などが詳しい出火原因を調べている。
 調べでは、原さんと妻千代子さん(69)は出火当時、1階の別々の部屋で寝ていた。千代子さんが物音に気付いて原さんの部屋のふすまを開けると、原さんが寝ていた介護用ベッドの脇のテーブル付近から激しく炎が上がっていた。千代子さんは逃げ出し無事だった。
 原さんは寝たきりで、テーブルの上の空き缶を灰皿に使っていたという。
 焼け跡から見つかった遺体は男性3人、女性1人。同署は、原さんと二男清二さん(43)の妻でフィリピン人のマリカーさん(25)、マリカーさんの息子で小学2年のサントス・マイケル君(7)、マリカーさんの弟サントス・マルセロさん(22)の4人とみて確認を急いでいる。ほかにマリカーさんの兄が意識不明の重体となっている。
 マリカーさんの兄弟2人は、日本で仕事をするために今月5日に来日し、派遣社員として漬物製造会社で働き始めたばかりだった。


2006/11/18  たばこ訴訟の集団訴訟認定、覆る可能性 (日本経済新聞記事

 ニューヨーク(ダウ・ジョーンズ)米連邦地裁判事が9月、「ライト」たばこの喫煙者による訴訟を集団訴訟として認定したことに主要たばこ会社が異議を申し立てていた問題で、ニューヨーク・ブルックリンの連邦控訴裁判所は11月16日、この申し立てについて審理する決定を下した。これで、集団訴訟の認定が取り消される可能性が出てきた。
 連邦地裁のジャック・ワインスタイン判事は9月25日、この訴訟を集団訴訟として認定し、たばこ各社は2000万ドルの損害賠償支払いを求められる恐れが出ていた。だが控訴裁判所は、連邦地裁の判断について永久差し止め命令を出した。
 この訴訟の原告は、たばこ会社は「ライト」たばこを、普通のたばこに比べ安全性が高いとして販売し、消費者を欺いたと主張している。訴えられているのは、たばこ・食品大手アルトリア・グループ(NYSE:MO)のフィリップモリスUSA、レイノルズ・アメリカン(NYSE:RAI)、ロウズ(NYSE:LTR)のカロライナ・グループ(NYSE:CG)、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)(BATS.LN)。
 ゴールドマン・サックスのアナリスト、ジュディ・ホン氏は調査リポートで「(たばこ各社の申し立てについて)審理する決定が出たことで、集団訴訟認定が覆されるという私の確信は深まった」と述べた。
 多くのアナリストは、たばこ各社を取り巻く訴訟環境は改善しており、アルトリアは保有比率88.6%の食品大手クラフト・フーズ(NYSE:KFT)のスピンオフ(分離・独立)などに向けて前進できるとみていた。
 アルトリアのルイス・カミレリ最高経営責任者(CEO)16日、「クラフトのスピンオフの正確な日程を来年1月31日の取締役会で発表する」と、これまでの発言を繰り返した。
 アルトリアの17日終値は、前日比1.44ドル(1.72%)高の85.01ドル。レイノルズは0.38ドル(0.59%)高の65.26ドル。アメリカン証券取引所に上場されているBATの米国預託証券(ADR)(AMEX:BTI)は0.13ドル(0.24%)高の55.10ドル。


2006/11/18  隣家からたばこの“排ガス” (読売新聞記事

 30代男性会社員。最近、我が家の裏手の家で改築が行われました。
 長年何のトラブルもなかったのですが、改築後、その家から出るたばこの“排ガス”がひどくなりました。煙ではなく、あえて排ガスと表現します。それほどひどいのです。
 改築で、換気扇が、我が家の側に向けられたためです。
 窓を閉めても、煙はわずかなすきまから入ってきたり、我が家の換気扇を逆流してきたりします。衣類や布団にまでにおいがつき、のどの痛みも感じます。同居の両親は、せきをしながらも我慢しています。
 私も職場などでは、ある程度たばこの煙を我慢しています。我が家から、食事の支度の際に、においが出ていることも承知しています。でも、この状況にはとても迷惑しています。
 費用はこちら側で持ってもいいので、何とか道路側に換気扇を移動してほしいと考えているのですが、そういうことは可能でしょうか。(東京・T男)

 受動喫煙の被害を防止するため、公共施設や職場での喫煙場所が制限されるなど、法的規制が厳しくなりました。最近は、家庭でもベランダや外で吸う人が増え、その煙が近所迷惑になることもあるようです。
 でも、日常生活から出る煙は、近隣同士、互いにある程度は我慢し合う義務があるので、法的規制の対象となっていません。しかし、煙が隣人としての「受忍限度」を超えるほどひどいときは、法的に、被害を防ぐ対策や損害賠償を請求することができます。
 一般に、喫煙者は、吸わない人の苦痛がわからないようなので、まずは、隣家に対し、あなた方家族の被害状況をよく説明することです。その上で、換気扇の排気口をあなたの家に噴出しない方向に付け替えるよう要求したらいかがですか。その工事費は隣家が払うべきですが、円満解決のために、あなたが負担すると提案するのもよいと思います。
 もし、相手が話し合いに応じないときは、簡易裁判所の調停手続きや、弁護士会の仲裁手続きを利用する方法もあります。
 (土肥 幸代・弁護士)


2006/11/17  大阪市立521校、08年度から敷地内全面禁煙へ (朝日新聞記事

 大阪市の小中学校など市立学校521校すべてで、08年4月から敷地内が全面禁煙になることが決まった。子どもたちの受動喫煙を防ぐためで、15政令指定市の中で13番目。大阪市教委はこれまで「各校の自主性に委ねる」としてきたが、全面禁煙に踏み切る学校が1割程度にとどまっていることから、全市をあげて対応することにした。
 大阪市教委が17日、明らかにした。521校の内訳は幼稚園60、小学校299、中学校129、高校23、養護・盲・ろう学校10で、市立大は対象外。市教委は「先生の禁煙の手助けも考える」としている。
 市教委は、公共の場での喫煙を制限する健康増進法が施行された03年から、各校に受動喫煙対策を指導してきた。しかし、今年2月現在で全面禁煙は47校、建物内のみの禁煙は41校で、残る433校は分煙にとどまっていた。


2006/11/17  【海外行政事情】欧州議会、全面禁煙に=来年1月から全施設で (時事通信記事)

【ブリュッセル16日時事】欧州連合(EU)の欧州議会は来年1月から、議会のすべての建物を全面禁煙とする。欧州では公共の場を禁煙とする動きが広がっているが、愛煙家議員は一段と肩身が狭くなりそうだ。
 欧州議会は、EUの立法過程の一部を担う機関で、現時点での議席数は732。本会議が行われる仏ストラスブール、その他の会合が行われるブリュッセル、事務局があるルクセンブルクなどに主要施設が置かれている。このほか、各加盟国にも事務所がある。これらすべての施設が全面禁煙の対象となる。
 欧州議会によると、この決定は世界保健機関(WHO)の「たばこ規制枠組み条約」に沿ったものという。
日本も同条約を批准しているが、国会内はまだ全面禁煙とはなっていない。


2006/11/17  路上喫煙防止条例で骨子案=大阪市 (時事通信記事)

 大阪市は、市道や市営公園をはじめ公共の場所での喫煙を防止する条例の骨子案をまとめた。人通りが多い場所などを市長が「路上喫煙禁止地区」(仮称)と定め、同地区内では所定の場所以外での喫煙をすべて禁止し、違反者からは1000円を徴収するとしている。市は2007年の2月定例市議会に条例案を提出し、可決されれば同年3月末までに施行する。
 骨子案にはこのほか、市長直轄の路上喫煙の防止対策に関する諮問機関を設置し、市民や事業者らから広く意見を求め、改善策を講じていくことも盛り込まれている。
 市が今年4月、市民を対象に路上喫煙に関するアンケートを実施したところ、「喫煙者のマナー意識の向上に委ねるだけでは不十分」「路上喫煙を防止する何らかの規制が必要」といった回答が9割を占めた。


2006/11/17  禁煙デー実行委「禁煙対策なし」が26% (八重山毎日オンライン記事

 第2回世界禁煙デー八重山地区実行委員会が16日午後、八重山支庁で開かれ、八重山福祉保健所は、事業所を対象に行った禁煙対策実態調査の結果を報告した。事業所における禁煙対策状況を尋ねる質問では、回答のあった108カ所のうち、28カ所(26%)で特に対策を行っていなかった。
 また、受動喫煙防止を必要性が健康増進法に盛り込まれたことを知っているか尋ねたところ、「知っている」との回答は52%にとどまった。
 また、県が2001年度に策定した健康づくりのために10年計画「健康おきなわ2010」に対する中間評価報告書のうち、禁煙対策に関する部分も紹介され、20-30代をターゲットにした対策や、妊婦の禁煙対策を重視する考え方が示された。
 出席した委員からは「禁煙したい人の背中を押す(禁煙希望者に禁煙支援制度を知らせる)取り組みが必要」との意見が出たほか、禁煙補助剤の保険適用範囲を拡大するよう求める意見もあった。


2006/11/17  ベランダでも防げない受動喫煙 (読売新聞記事

 台所の換気扇の下やベランダに出てたばこを吸っても、家庭内での受動喫煙は防げないとの調査結果を、東大大学院医学系研究科(国際地域保健学)の中田ゆりさんがまとめ、日本公衆衛生学会で発表した。
 一般的なマンションで、喫煙者がいない家庭といる家庭での空気中の粉じん濃度を測定した。
 喫煙者がいない家庭では、1立方メートル当たり0・03ミリ・グラム以下。一方、台所の換気扇の下でたばこを吸った場合、換気扇では排気しきれないたばこの煙が、仕切りのない隣接のリビングに流れ込み、同0・1ミリ・グラムを超える粉じんが測定された。
 ベランダで喫煙した場合は、窓を開けた状態では風向きによって煙がリビングに逆流したほか、約1・5メートル離れた隣家のベランダでも同0・08ミリ・グラムの粉じん濃度が測定された。
 中田さんは、「子どもや家族を受動喫煙から守るためには、ベランダを含め禁煙にすべきだ」と話している。


2006/11/17  路上禁煙PR 他都市も応援 20超す自治体 広報で紹介 (中日新聞記事

 2000円の過料徴収を始めた市内の路上禁煙地区を9月中旬以降、東海地方の20を超える自治体が広報紙で紹介している。過料処分を受けた人の住所をみると、市外在住者がほぼ半数を占めるため、市環境局職員が他自治体へ出向いて説明し、広報を依頼。「地元住民に、名古屋でバツの悪い思いをさせてはならない」と受け止めた成果が、じわりと出た形だ。
 市は路面に禁煙表示をしたり、ポスターを張ったりしているが、違反者が「知らなかった」と話すケースは少なくない。
 そこで、市外の人にも路上禁煙地区を知ってもらおうと、環境局は9月から約1カ月半かけて、東海3県の市町村や東京都などの計101自治体に出向いたり、資料を送ったりしてPRを行った。
 手探りの取り組みだったが、説明すると「住民が名古屋で過料徴収されるようではいけない。協力しましょう」と、好意的にとらえる自治体が多かった。
 結果として、県内では北名古屋、愛西、常滑、岡崎、長久手など16市町、岐阜県では恵那、大垣など5市が広報紙に掲載。路上禁煙地区の名古屋駅、栄、金山、藤が丘の地図を付けたケースもあった。12月は稲沢、豊田市、三重県桑名市、岐阜県海津市が掲載を予定している。
 同地区では、7月から10月末までに計1733人が過料処分を受けた。住所が判明している905人のうち、県外在住は437人とほぼ半数。東京都や大阪府、岐阜県、三重県などから訪れた人が目立つ。
 大井治夫環境局長は「今後もPRに努め、路上禁煙を定着させたい」と話している。


2006/11/17  ハワイで新禁煙法、旅行キャンセルも (日刊スポーツ記事

 年間150万人の日本人旅行客が訪れるハワイで16日、ホテルやレストランなどでの喫煙を禁じた新禁煙法が施行された。違反者には50ドル(約5750円)の罰金が科せられる。ホテルは喫煙室を室数の20%以下に抑えるよう定められたが、「全館禁煙化」の動きが活発化。旅行代理店は喫煙可の部屋を確保できず、愛煙家がハワイ旅行自体をキャンセルする動きも出ているという。
 16日午前0時(日本時間同日午後7時)、新禁煙法が施行されたハワイで、主要ホテルを中心に「全館禁煙」の動きが拡大している。日本旅行の担当者は「ハワイのホテルの喫煙室一覧表は×だらけ。お客さまから喫煙希望があっても部屋を取るのが難しい状況」だという。
 近畿日本ツーリストによると、ワイキキ周辺のホテル20軒中10軒が全室禁煙で、それ以外の5軒も改装後、敷地内禁煙に移行する計画だという。上限の20%まで喫煙室を設けているのは3軒だけで、同社では「喫煙室の希望に供給が追いつかない。お客さまには『ハワイのホテルでは禁煙でお過ごしください』とご案内している」という。
 新禁煙法は、非喫煙者の受動喫煙による健康被害を抑えるためハワイ州が制定した。レストラン、バー、空港、バス、タクシー、ホテルなど公共の場所での喫煙を禁止した。ビーチや公園、個人の住居などでの喫煙はOKだが、ホテルの室内やテラスで落ち着いてたばこを吸いたい愛煙家にとっては、喫煙室のあるホテルを予約することが必要となる。
 法律は喫煙室をホテルの全室数の20%までと定めたが、実際は健康志向を前面に出し、全客室禁煙、敷地内全面禁煙を打ち出すホテルが相次いでいる。
 エイチ・アイ・エスでも状況は同じで「愛煙家のお客さまから、喫煙室が取れないために旅行のキャンセルをいただいたケースが数件出てきている」という。JTBでは、客の希望があれば喫煙室を用意するが「数は多くない。込み合う年末年始などは用意は厳しいと思う」としており「航空機内の禁煙化も、今ではすっかり定着した。禁煙は世界の流れで、今後、海外旅行でも禁煙が定着するのではないか」と話している。


2006/11/16  【海外行政事情】公共場所禁煙法を公布=仏政府 (時事通信記事)

【パリ16日AFP=時事】フランス政府は16日、来年2月から公共の場所での喫煙を禁止する法令を公布した。ただ、バーやレストラン、ナイトクラブは2008年1月まで猶予される。 ベルトラン保健相は15日、具体例として、病院など公共施設で喫煙ルームがなくなると説明した。学校の運動場や庭も禁煙となる。ただ、駅の屋外プラットホームでは喫煙できる。 欧州では、アイルランドやイタリアなどで公共の場所を禁煙とする法律を成立させている。


2006/11/16 「煙はさんまだけがいい。」 路上喫煙で東京・目黒区 (ライブドア・ニュース記事

 12月1日から、東京の中目黒駅と自由が丘駅が路上喫煙禁止区域に指定されることになった。そこでPJは目黒区の担当課に15日、理由と経緯を説明してもらった。担当は環境保全課環境計画係だ。係長の野口さん、このプロジェクトの担当の千葉さんと胴金さんから話をうかがった。
 これまでも折々区民から路上禁煙の話は出ていた。年に1回、環境に関するアンケートをとっているが、都内では15区ぐらいが条例で路上喫煙を禁止していることもあり、7月のアンケートの中に歩きたばこの項目を入れた。7月1日から20日まで、2000人を無作為抽出して郵送で質問し、505人から回答を得た。その中で、歩行禁煙の規制に95%程度の人が賛成した。賛成の中には禁煙区域を設けつつ、その中に喫煙区域をもうけるという意見が20%強あった。
 目黒区はほとんどが住宅街か住宅に隣接しているので、禁止も新宿のように全域でと言うものではなく、本人の自覚と、マナーの向上ということを前面に出してゆこうと言うことになった。その間には、他の区の様子を聞いたり、4月から5月にかけて町内会や自治会、商店街の人たちなど、162の団体にアンケート調査をして地域を決めた。
 東急電鉄の中目黒駅周辺と自由が丘駅周辺に決めてからは協議会を立ち上げた。目黒区のポイ捨て条例は3万円以下の罰金となっているが、行政罰ではなく刑事罰なので警察が扱うことになる。厳しいが、何回注意しても聞かないとか、それなりの段階を踏むことになっている。罰金を取るのが目的ではなく、あくまで、マナーと自覚を尊重すると言う立場で、2割程度いると思われる喫煙者にも配慮した。それが、公設喫煙所だ。2つの駅近くにそれぞれ2カ所設けた。
 中には、このやり方が生ぬるい、全区歩行禁煙にしろという意見もある。現に新宿区は全区歩行禁煙だが、かえって、ぼやけてしまうと言う話もあった。11月25日(土)から12月7日(木)まで、土・日は午後1時から2時まで、平日は8時から9時まで、区の職員とボランティアが街に出て、キャンペーンをはってPRすることにしている。そのポスターが写真だ。喫煙者の協力がなければできないことなので、是非協力をお願いしたいと言うことだった。この成果を見て、他の地域にも拡げたいと、野口係長は説明した。


2006/11/15  禁煙成功者を「普及員」に=07年度たばこ対策の推進-厚生労働省 (時事通信記事)

 厚生労働省は2007年度、たばこを吸わない人の中から都道府県が「禁煙普及員」を募り、禁煙に関する普及啓発活動を進めてもらう事業に乗り出す方針だ。同省は、普及員への講習やパンフレット、ポスターの作製などを含めた各都道府県別の事業について審査の上、妥当と認めた場合に経費の半額を補助する。 普及員としては、特に禁煙に成功した人が想定されている。県が主催する講習会に参加し、たばこの危害と禁煙支援についての知識を身に付け、ボランティアとして草の根的な禁煙活動を実施する。 同省は、普及員を何人程度採用するかなど、事業の詳細な内容は都道府県ごとの実情に合わせて自主的に決めてもらう考えだ。 同省は毎年、世界禁煙デー(5月31日)からの1週間を「禁煙週間」と定め、禁煙キャンペーンと禁煙普及啓発シンポジウムを開催している。07年度はこれらの活動を継続していくほか、禁煙普及員による活動を追加したい考え。


2006/11/15 米ファイザー、禁煙治療薬「バレニクリン」が日本人喫煙者に有効・安全など試験結果を発表 (日経プレスリリース記事

 2006年11月13日、米国イリノイ州シカゴで開催された米国心臓病協会(American Heart Association)の年次総会において、大阪府立健康科学センターの中村正和医師によって、ファイザー社の禁煙治療薬バレニクリンが日本人喫煙者において有効かつ安全であることを示す試験結果が発表されました。
 喫煙は肺癌をはじめとする多くの癌、心筋梗塞、脳卒中、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの原因であり、本邦の喫煙による超過死亡数は2000年で11.4万人と推計されており、総死亡数の12%を占めます。喫煙の本質はニコチン依存症という病気であるため、禁煙は容易に達成できるものではなく、科学的根拠に基づいた禁煙治療が必要です。
 本試験について大阪府立成人病センターの大島明医師は次のように述べました。「本試験は、日本人を対象に持続禁煙率を用いて禁煙に対するカウンセリングと薬物療法の効果を評価した初めての無作為化比較対照試験です。日本国内で使用できる禁煙治療薬は現在ニコチンパッチとニコチンガムに限られていることから、バレニクリンによって薬物療法の選択肢が拡がり、禁煙治療がさらに普及して世界の中で高いわが国の喫煙率の低下に貢献し、国民の健康に大きな効果をもたらすことが期待されます」。
 バレニクリンは、ファイザー社が禁煙治療を目的に発見および開発したニコチン性アセチルコリン受容体に対する選択的な部分作動薬です。本剤は禁煙に伴う離脱症状(禁断症状)およびたばこに対する欲求を緩和し、同時に本剤を服用中に喫煙した際のたばこから得られる満足感を抑制すると考えられています。バレニクリンはこれら2つの作用によって、禁煙の成功率を向上させることが期待されます。
 国内で実施された二重盲検プラセボ対照試験において、3つの用量のバレニクリン(0.25 mg、0.5 mg、または1 mg 1日2回)とプラセボの12週間投与を比較しました。また、投与終了後40週間にわたって経過観察を行いました。
 618名の日本人喫煙者が治験薬を服用し、このうち515名がニコチン依存症のスクリーニングテスト(TDS)によってニコチン依存症であると診断されました。ニコチン依存症の喫煙者における投与終了時の4週間持続禁煙率は、バレニクリン1 mg 1日2回投与で65.4%であり、プラセボの39.5%よりも有意に高い結果となり、バレニクリンのプラセボに対するオッズ比は2.98でした。また、服用開始から1年後における持続禁煙率も、バレニクリンはプラセボよりも有意に高い結果でした。
 バレニクリンの忍容性は良好であり、脱落率も低く、プラセボと同程度でした。主な副作用は、吐き気、頭痛、便秘と上腹部痛でした。
● 関連リンク ファイザー(株)ホームページ


2006/11/15 長寿の男性は… 喫煙せず 高学歴 伴侶あり (東京新聞記事

【ワシントン=共同】健康で長生きできるかどうかには血圧や血糖値、筋力、喫煙などの要因のほか、学歴や伴侶の有無も関係してくることが、ハワイの日系アメリカ人男性約五千八百人の四十年間にわたる追跡調査で判明した。米国の研究チームが十五日付の米医学誌に発表した。
 研究チームによると、中年男性の危険要因を探る目的で、一九六五年にハワイに住む四十五歳から六十八歳の五千八百二十人の健康な日系人を登録。二〇〇五年まで健康状態を追跡調査し、死亡時などの年齢と医学検査や生活習慣、社会状況との関係を分析した。
 その結果、八十五歳未満で亡くなる危険要因として「高血圧」「肥満」「高血糖」「高い中性脂肪値」「喫煙歴」「握力が三十九キロ未満」「一日にビール換算で一リットル以上の飲酒」「高卒未満の学歴」「伴侶なし」の九項目が浮かび上がった。
 いずれにも該当しない人は69%が八十五歳まで生きたのに対し、六項目以上が該当した人では22%だった。危険要因なしの人は主要な病気を患っていない「極めて健康な」八十五歳を迎えた割合が半数以上の55%に達したのに対し、六項目以上が該当した人では9%しかいなかった。
 研究チームは「危険要因は女性にも当てはまると考えられる」としている。


2006/11/15 タバコ投げ捨てを注意されて立腹、クルマを故意にぶつける (レスポンス記事

 佐賀県警は10日、非番中の警察官が乗るバイクに対して故意にクルマを衝突させたとして、47歳の男を傷害などの容疑で逮捕した。相手が警官という認識は無かったとみられるが、タバコの投げ捨てを注意されたことに腹を立てたと見られている。
 佐賀県警・唐津署によると、事件が起きたのは10日の午前9時ごろ。唐津市鎮西町菖蒲付近県道を走行していたバイクに対し、後ろから走ってきた軽乗用車が追突した。バイクは転倒し、運転していた同署所属の51歳男性巡査長が打撲などの軽傷を負っている。
 巡査長は事故当日が非番で、私用でバイクに乗っていた。事故が起きる直前にはクルマからタバコを投げ捨てた男に注意しており、警察ではこの男が注意されたことに腹を立て、故意に衝突させた可能性が高いと判断。傷害などの容疑で逮捕した。


2006/11/14 がん死の原因、男性たばこ4割 厚労省 (朝日新聞記事

 がんで死亡した男性の約4割、女性の5%が、たばこが原因と考えられるとする推計を厚生労働省の研究班(主任研究者=祖父江友孝・国立がんセンターがん情報・統計部長)がまとめた。年間約8万人がたばこでがん死したことになる。
 研究班は、国内で83年から03年に実施された三つの10万人規模の調査データについて詳しく調べた。対象は調査開始時40~79歳の男性13万9974人、女性15万6796人の計29万6770人。
 調査開始時の喫煙経験率(たばこを吸っている人と過去に吸っていたがやめた人の割合)は、男性79.5%、女性10.5%。平均9.6年追跡した結果、がんで死亡したのは男性6503人(うち喫煙経験者5668人)、女性3474人(同499人)。年齢を調整して解析した結果、喫煙経験がある人は、ない人に比べ、男性で1.79倍、女性で1.57倍、死亡率が高かった。
 食事や運動など喫煙以外のリスクが同じと仮定すると、がんで死亡した男性の38.6%、女性の5.2%がたばこが原因となった。人口動態統計にあてはめると、年間に男性約7万4000人、女性約7000人がたばこが原因でがん死した計算になる。
 男性では、吸ったことがない人に比べ、調査開始時に喫煙していた人の死亡率は1.97倍、過去に吸っていたがやめた人は1.5倍で、禁煙の効果もうかがえた。


2006/11/14 キャビア、たばこ…北への輸出禁止「ぜいたく品」決定 (産経新聞記事

 政府は14日午前の閣議で、北朝鮮への輸出を禁止する「ぜいたく品」として、自動車やたばこ、電化製品など33品目を規定するとともに、外国為替および外国貿易法に基づき輸出貿易管理令の改正を決定した。北朝鮮の核実験に対する国連安全保障理事会の制裁決議に基づく措置で、政府は決議の履行状況を監視する国連制裁委員会にぜいたく品リストを報告した。禁輸措置は北朝鮮の指導層に圧力をかけるのが狙いで、15日に施行する。
 政府が決定した33品目の平成17年の輸出額は約11億円で、北朝鮮への輸出総額の約16%を占める。ぜいたく品の輸出は第三国経由の輸出も禁止する一方、禁輸措置が確実に実施されるようにするため、政府は税関の監視を強化する方針だ。
 安保理決議は大量破壊兵器関連物資に加え、ぜいたく品の輸出禁止を加盟国に義務付けている。金正日総書記はぜいたく品を日本から調達し、党や軍の幹部らに配ることで人心掌握を図ってきたとみられている。
 制裁委員会は決議採択から30日後の13日(ニューヨーク時間)までに実施状況を報告するよう加盟国に求めている。政府は国際的な連携をとらなければ輸出禁止措置が効果を発揮しないとみて、米国と調整した上でリストを決定した。ただ、北朝鮮との関係が深い中国や韓国は禁輸措置に消極的とされる。また、欧州連合(EU)は加盟国全体で統一リストの作成を目指しており、作業が遅れている。
 塩崎恭久官房長官は記者会見で「関係国に安保理決議の着実な実施を呼びかけるとともに北朝鮮に核開発を放棄するよう改めて求めていく」と述べた。
 ≪北朝鮮への輸出を禁じるぜいたく品≫
 牛肉▽マグロのフィレ▽キャビア▽酒▽たばこ▽香水▽化粧品▽トランク▽ハンドバッグ▽財布▽革製衣類▽毛皮製品▽じゅうたん▽クリスタルグラス▽宝石▽携帯型情報機器▽マイク▽ビデオ▽録音機▽ビデオカメラ▽ラジオ▽テレビ▽乗用車▽オートバイ▽ヨット▽カメラ▽映写機▽投影機▽映写・投影用スクリーン▽腕時計▽楽器▽万年筆▽美術品


2006/11/14 以前この欄で「禁煙は難しくない」と書いたら (西日本新聞記事

 以前この欄で「禁煙は難しくない」と書いたら、社内外の多くの方から意見や励ましを頂いた。繰り返しになるが、30年来の愛煙歴に別れを告げた今、自信を持って言えるのは「こんな簡単なことがなぜ今までできなかったか」ということだ。
 意志の強さを自慢したいのではない。取材も執筆も、ぎりぎりまで取りかからないし、何より懸案のダイエットは遅々として進まない、そんな私だ。
 以前は禁煙を考えること自体が嫌だった。「たばこを我慢している自分」を想像しただけで憂うつになり、それこそ一服したくなった。禁煙はつらいもの、苦しいものと心の底から信じていたので「意志の弱い自分には到底無理」と決め込んでいた。要するに「初めの一歩」を踏み出す勇気がなかったのだ。
 振り返れば、本当につらい思いをしたのは1度か2度くらいか。愛煙家の皆さん、これ本当の話です。 (竹崎)


2006/11/10 歩きたばこ禁止、違反は1000円 大阪市が条例提案へ (朝日新聞記事

 大阪市は10日、路上での歩きたばこや自転車に乗りながらの喫煙を禁止し、違反すれば1千円の過料(違反金)を徴収する条例案を、来年2月の市議会に提出すると発表した。キタやミナミ、御堂筋沿いなど人通りの多い場所を「路上喫煙禁止地区」に指定する。地区指定や市民への周知期間を経て、来年秋にスタートさせたい考えだ。
 市は今年4月に市民アンケートを実施。回答者1157人中、8割を超える977人が路上喫煙を「迷惑」と答えた。服やかばんを焦がされた(焦がされそうになった)人や、やけどを負わされた(負わされそうになった)人もそれぞれ2割以上に達し、「もはや喫煙者のマナー向上を待てない」(市環境事業局)として、規制に踏み切ることにした。
 路上喫煙を過料つきで禁止する条例は、02年に東京都千代田区が全国で初めて制定。政令指定市では、福岡、広島、名古屋、札幌など7市が制定しているという。
→ 参考:歩きタバコ禁止条例がある自治体 (洲本市禁煙支援センターまとめ)


2006/11/10 タバコを吸えるエアライン登場 (アメーバニュース記事

「このフライトでは、皆様の喫煙が許可されています」
 ヨーロッパの飛行機でこの内容を耳にするのは久しぶりだ。ドイツ人のある起業家が、乗客が離陸から着陸まで自由に喫煙できるよう、航空会社を設立したのだ。
 SMINTAIR(スモーカーズ国際航空)の設立者は、元証券ブローカーのショップマン(55)。彼自身、長時間のフライトで喫煙が禁じられ、サービスも悪いのに、チケットが高額なことにうんざりしていたため、空に喫煙者の楽園を作ってしまおうと考えたのだ。「サービスは悪くなる一方なのに、航空券の価格が上昇したので頭にきたんです」1日1箱半のタバコを吸うショップマンは答えた。「乗務員も喫煙することができます」。
 2007年10月、SMINTAIRが運行開始になれば、ボーイング747の全138席で喫煙が可能になる。通常、航空会社はボーイング747に559人の乗客をも乗せる。
 このアイディアを思いついたのも、ヨーロッパで寛大とされるドイツでさえ、喫煙の厳しい規制検討していたからだ。ドイツが喫煙禁止を嫌がっていたのも、アドルフ・ヒトラーが、公共の場所での喫煙を禁じたことが記憶に新しいからとのこと。大連立政権の一つ、中道左派の社会民主党は、多くの公共の場で喫煙を禁止する法案を提案した。もっと手厳しいのは、ドイツの首都ベルリン。公共の場での全面的な喫煙禁止に踏み切る方向だ。
 SMINTAIRは、航空券が未発売にもかかわらず、既に人気を博している。「要望は強いですよ」とショップマン。「東京や上海に出張する機会でなくても、私たちのフライトで飛びたいという人々がいます」。
 デュッセルドルフ―東京・上海便では、デザイナーズの制服に身を包んだフライトアテンダントが、キューバのタバコやキャビアをサーブしてくれる。機内のエンタメシステムはデラックス級、全席にLサイズの灰皿が備え付けられている。免税店のあるラウンジも用意するつもりだという。
 贅沢なフライトだが、他社の日本行きと価格は変わらない。デュッセルドルフから東京までの往復チケットは、ファーストクラスで1万ユーロ(151万円)、ビジネスクラスで6500ユーロ(65万円)。エコノミークラスを用意していない。
 1年以内に利益を生みたいと考えるショップマン。2008年10月までに年間売上が5億ユーロ、税引き前利益は1.2億ユーロに増加すると予想する。
 しかし、航空業界の専門家は半信半疑だ。
 「デュッセルドルフから、ビジネスクラスだけの喫煙できるフライトなんて、経済的に難しいと思う」ドイツの航空理事会会長がコメントした。加えて、非喫煙者を支援する団体の会長は、人々がますます喫煙の危険性を認識している今日、ショップマンのアイディアは絶対にうまくいかないという。「今では、ほとんどの人がタバコが体に良くないと知っています」とのこと。
 SMINTAIRは、最も重要な設備である飛行機が手元にないため、まだ運行認可を受けていないという。いったん飛行機が無事に離陸すれば、ショップマンは、ホテル、レストラン、パブやリゾート地をオープンさせたいと思っている。あるいは、航空路を南半球にまで伸ばすかももしれない。


2006/11/10 未成年者の喫煙防止、CMでの呼びかけは逆効果? (nikkeibp.jp記事

 「未成年者にたばこを吸わないよう言い聞かせなさい」と親たちにうるさく訴えかけるテレビコマーシャルは、子供たちにひどく煙たがられているようだ。American Journal of Public Health誌が掲載する予定の論文が、この問題を取り上げている。それどころか、子供たちが喫煙習慣を身につけさせるきっかけになっているかもしれないという。
 論文の執筆者たちも「こうしたCMは喫煙の促進を意図してつくられた」とまでは述べていない。だが、子供への良い影響はまったくないというのがその主張だ。
 執筆者は、心理学、社会学、経済学などの博士号を持つ9人の研究チーム。論文は、喫煙防止を目的としたCMが未成年者に与える影響を調査した結果に基づいて書かれた。調査対象となったCMは、米Altria Group傘下のPhilip Morris USAと米Loews Carolina Group傘下のLorillard Tobacco(ノースカロライナ州グリーンズボロ)がつくらせたものだ。調査費用を提供したのは、米国立がん研究所、米国立薬物乱用研究所、健康問題に取り組むRobert Wood Johnson Foundation。いずれもたばこメーカーに対して批判的な姿勢であることは間違いない。
 Philip Morrisの広報担当者は、「当社で調べたところ、この論文の結論を裏づけるものは何も出てこなかった」と反論している。
 論文がAmerican Journal of Public Health誌に掲載されるのはまだ先だが、すでに米国がん協会が公表している。
 がん協会の1部門、がん対策協会(Cancer Action Society)の責任者を務めるJohn R. Seffrin氏は、「健康関連の政策をつくるのも、喫煙について子供に教えるのも、たばこ業界の役割ではない。それをはっきりさせておく必要がある」と主張する。「子供が(たばこについて)見聞きするのは歴史の本の中だけでいい」
 論文によると、Philip Morrisは1998年12月に1億ドルを投じ、10〜14歳を対象にしたCMキャンペーンを全米で展開した。伝えようとするメッセージは、「よく考えて。そして吸わないで」だった。同社は翌年になってターゲットを親に変え、喫煙の害について子供に話すよう呼びかけるCMをいくつもつくった。今度のメッセージは、「子供と話してください。きっと聞いてくれるでしょう」というものだった。
 1999年10月には、Lorillardが未成年者を対象とするキャンペーンに1300万ドルを投入し、「もしあなたが10代なら、たばこを吸うなんてばかだよ」と訴えた。
 こうしたCMは、米国では2003年にすべて打ち切りとなったが、まだ放映している国もある。
 調査は、喫煙に関する一連の広告の効果と、米国内の学校に通う生徒たちの意識が調べた。結果は特に意外なものではなく、米国の75もの放送区域でリビングルームに届けられたメッセージより、友人からのプレッシャーの方が大きな影響力を持つと分かった。
 「青少年は大人に近づくにつれ、自分のことを自立した人間と考えるようになる。そして親の手引きや助けに頼っているとは公言しなくなる」と、論文には書かれている。
 さらに論文によれば、未成年者本人を対象にしたCMは喫煙行動にまったく影響を与えなかった。一方、親をターゲットにしたCMは、それを見た子供を喫煙に駆り立てる傾向があったという。
 Philip Morrisは6月に実施した自社の調査を引き合いに出し、今回の論文に異議を唱えている。10〜17歳の子供を持つ親を対象に調べたところ、喫煙防止を目的としたCMを見たことがある人は61%で、そのうち61%が喫煙について子供と話をしたという。同社はさらに、広告を出す場合は必ず「量と質の両方で」十分な事前調査を実施し、未成年者の喫煙を促進しないこと、防止できることを確認していると主張する。
 「子供がたばこを吸うかどうかを決めるとき、親以上に大きな影響を及ぼすものはない。それは確かだ」と、Philip Morrisの広報担当者は言う。「61%の親があの広告を覚えていると言い、そのうち61%が何らかの行動を起こしたと答えた…そこに広告を出した意味がある」


2006/11/ 9 中国が選手の広告出演など禁止 (デイリースポーツ記事

 中国国家体育総局の劉鵬局長は9日付の地元紙で、2008年北京五輪に向けた強化の一環として「わが国のスポーツ選手の社会活動をすべて禁止した」と述べた。同局長は「制限しなければ練習の妨げとなり、五輪への準備に有害となる」と説明。「社会活動」とは選手の広告出演などを指すとみられている。
 中国では昨年、男子飛び込みでシドニー、アテネ両五輪を制した田亮が許可なくテレビCMに出演し、代表チームから追放された。今年5月にはアテネ五輪陸上男子百十メートル障害金メダリストの劉翔がたばこ会社と結んだ契約が非難を浴びた。


2006/11/ 9 歩行者デッキ全面禁煙に 新都心 12月から (埼玉新聞記事

 さいたま新都心の快適な歩行空間を確保しようと、新都心街づくり推進協議会と県は、歩行者デッキ、けやきひろばの全面禁煙化に乗り出す。
 新都心駅前から東はコクーン新都心通路、西は南端の郵政庁舎までの歩行者デッキ、けやきひろばを十二月一日から終日禁煙とする。ただ、けやきひろばには二カ所の喫煙所を設ける。
 禁煙区域には路上シールを張り、歩行者に周知する。禁煙区域設定に際し、条例などは作らず、「歩行者のモラルに訴える」と県担当者は話している。


2006/11/ 7 路上喫煙防止を話し合う (沖縄テレビ放送記事

 那覇市議会で審議が進んでいる路上の喫煙防止条例について今日、調査特別委員会が開かれ市内の障害者団体と意見を交わしました。
 路上等喫煙防止条例は市民の健康を維持し、観光都市としての環境を美化することを目的に路上での喫煙を禁止するもので、市議会では9月から調査特別委員会を設置し議論しています。7回目の開催となった今日は那覇市障害者福祉センターで意見交換が行われ車椅子の利用者などから「火花が飛んできて服に穴があいた」「すれ違った時にタバコの火が顔についたことがある」など、歩きタバコによる被害が報告されました。調査特別委員会では来週、喫煙禁止区域が想定されている国際通り周辺の通り会から意見を聴取し、条例制定にむけた審議を進めることにしています。


2006/11/ 7 たばこ自販機「もっと厳しく」/沖縄行政評価事務所 総事局へ改善求める (沖縄タイムス記事

 県内のたばこ自動販売機の約25%は店の従業員が利用者を確認できない場所に設置されていることが沖縄行政評価事務所(安治川博所長)の調査で分かった。また、たばこの業界団体が屋外での自販機の稼働を自粛している午後十一時―翌午前五時について、約7%の自販機が稼働していることも明らかになった。同事務所は、たばこ自販機の設置状況が未成年者の喫煙防止対策に不十分だとして、六日、販売許可権を持つ沖縄総合事務局に対し改善を求めた。(外間一先)
 調査は、青少年街頭指導ボランティアから「喫煙で補導される少年の補導が一向に減らない。自販機から買っている」との相談を受け、七月から八月までの二カ月間にわたって実施。県内の自販機約七千台から那覇、浦添、宜野湾、沖縄の四市に設置されている二百三十六台を無作為に抽出して、設置状況を調べた。
 調査の結果、従業員が商品棚で視界を遮られたりするなどして、自販機やその利用者を確認できないものが六十台(25・4%)。このうち十二台(5・1%)は自販機を設置している店舗が休・廃業しているとみられている。
 たばこ事業法や同法施行規則などには、未成年者喫煙防止の観点から、店の従業員が自販機やその利用者を視認できるように設置することを明記している。店舗が休・廃業する場合は自販機の撤去を求めている。
 また、たばこ販売協同組合や小売販売業者は一九九六年から、深夜の時間帯の屋外にある自販機稼働を自主的に停止している。しかし、今回の調査では屋内設置の六台を除く二百三十台中、十七台(7・4%)が深夜稼働していた。
 調査結果について、同事務所の榎並孝至次長は「設置状況が不十分な台数が多く、割合が高いことに驚いている」と話し、小売販売業者、関係団体に対して自販機の管理や深夜稼働の自粛を徹底するよう訴えている。


2006/11/ 7 “先輩”の支援が「禁煙」成功の決め手 シリーズ依存症<第2回>ニコチン依存症 (日経ビジネス オンライン記事

1人で禁煙を始めた人の1年後成功率は1割
 駅構内、外食産業、高速道路サービスエリア、禁煙タクシーも登場…。「健康増進法」施行以来、禁煙エリアが急拡大している。たばこ税が値上がりし、禁煙治療に健康保険が適用されるようになった今、喫煙派は決断の瞬間を迎えている。
 それにしても禁煙は難しい。3日、3カ月、半年の壁に跳ね返される挫折者が後を絶たない。なぜ禁煙に失敗してしまうのか?
 お酒を飲んだ時、ストレスがたまった時につい1本、となりがち。家族に「そんなにイライラするなら禁煙なんてやめたら」と言われたとか、「仕事の能率が下がった」など、どんなことでも理由になる。再喫煙の誘惑にかられるのは特別なことではない。1年間たばこを吸わず、「禁煙に成功した。もう大丈夫だろう」と1本吸って、1日もしないうちに元の喫煙本数に戻ってしまったケースもある。
 喫煙本数とも関係がある。朝起きて1時間以内にたばこを吸うニコチン依存度の高い人や、1日に20本以上たばこを吸うヘビースモーカーは、禁煙を決断するまでが難しい。だが、ニコチン依存度の低い人、ヘビースモーカーではない人なら、1年後も禁煙している確率が高いかというと、そうとは言い切れない。「1年後禁煙成功率」は、実はさほど変わらない。たやすく禁煙できる人は、再喫煙もたやすくしてしまう。ヘビースモーカーは覚悟を決めている分、再喫煙の誘惑に負けない人が案外多いのも事実だ。
 とはいえ、自分一人で禁煙しようという人は失敗しやすい。一人だと「まあいいや」という部分が、生活の場面のどこかで出てきてしまう。一人で禁煙を始めた人の1年後禁煙率は1割。ニコチンパッチを使用しても3割と言われている。


2006/11/ 6 酒とたばこの自動販売機 未成年対策に温度差 (フジサンケイ ビジネスアイ記事

 酒とたばこの自動販売機で未成年対策の足並みの乱れが、業界団体や販売店を巻き込み波紋を広げている。自販機改造のコスト支援策や自販機利用率の差が両社の溝の背景にあるようだ。
 たばこは、未成年喫煙防止策として2008年から順次、全国62万台の自販機にICカード方式による成人識別装置を設置する計画だ。設置済みの自販機では事前登録者しか購入できなくなる。
 たばこ自販機は設置台数の約半数が日本たばこ産業(JT)からのリース。設置はJTが行う。残り半数の自販機についても日本たばこ協会など3団体が設置費用の一部を負担するため、たばこ販売店の設置費用は数万円で済む見込み。「設置率は100%になる」(小林和之・日本たばこ協会未成年者喫煙防止対策室長)と対策の徹底に自信をのぞかせる。
 一方、酒類自販機は00年に、運転免許証または各酒店発行のIDカードを自販機に挿入しないと購入できない装置を導入している。しかし、日本自動販売機工業会の黒崎貴専務理事によると「設置率は全8万台中2万台にとどまっている」。
 設置が進まないのは、ビール業界が94年に未成年飲酒防止策として、自販機販売から撤退したことが大きい。現在は、酒店のオーナー自らが自販機メーカーから購入して設置するケースが大半だ。年齢識別装置を設置した酒店(東京都江東区)のオーナーは「業界団体から支援を受けたわけではなく、あくまでも自主的につけた」と述べる。設置には20万円程度必要なほか、利用者が減るといった理由で今後も普及が大幅に進む見込みはなさそうだ。
 両業界の姿勢が異なる大きな理由には、自販機の利用率もありそうだ。たばこは自販機経由の購入が約50%と高いのに対して、「酒類自販機は2%もない」(大手自販機メーカー幹部)からだ。しかも、現在の設置台数はたばこがほぼ横ばいなのに対し、酒類自販機は「00年から05年までに約半分に落ち込んだ」(黒崎専務理事)。販路としての重要性が両業界の温度差となっている。
 「同じ自販機なんだからカードを共有化すれば」との声もあるが、全国一律価格のたばこに対して酒類は自販機により値段が異なるため難しい。ただ、未成年の飲酒・喫煙は大きな社会問題となっており、両業界とも総論では最重要課題で一致している。垣根を超えた取り組みが必要となりそうだ。
写真=酒類自販機の年齢識別装置。免許証を入れないとお酒を買うことができない


2006/11/ 5 衛星データで山火事検知を、林野庁が通報システム開発へ (日本経済新聞記事

 林野庁は4日、人工衛星の観測データを解析することで林野火災を検知し、都道府県の消防防災部局などに通報する新システムの開発に着手した。2007年度からの本格稼働を目指している。
 林野火災は、入山者のたばこの不始末などが原因で夕方から夜間に拡大することが多く、システムによる早期の火災発見が期待されている。システム開発は独立行政法人森林総合研究所(茨城県つくば市)が担当し、年内にも試験運用を始める。


2006/11/ 5 ボビーはスイマセ~ン…マリン完全禁煙プラン披露 (スポーツ報知記事

 ボビー教授は「No Smoking!」―。ロッテのボビー・バレンタイン監督(56)が4日、客員教授を務める千葉大で公開授業を行い、千葉マリンの全面禁煙化構想を披露。秋季キャンプでは愛煙家の選手に禁煙指令を下したことも明かした。
 400人を前にスーツ姿で挑んだ初授業。質疑応答に入ると、受講者の一人が「千葉マリンの喫煙マナーが悪い。子供がいる場所でも吸う人がいる」などと指摘した。意見を求められたバレンタイン監督は、即座に「自分のやり方を通せるなら、球場と周辺から一切たばこの煙がなくなるようにしたい」と球場敷地内の完全禁煙化を提案。仰天プランに、受講生からは驚きの声が上がった。
 現在、千葉マリンは他球団の本拠地と同様、スタンドは全面禁煙。喫煙はコンコースに設置された喫煙所に限られるなど、分煙化が定められている。だが、一部でルールが守られていない事態を憂慮。健康志向の指揮官は「私は日本の礼儀正しさが好きだが、たばこを吸った時だけそれが失われている」と力説した。
 また、バレンタイン監督はファンに対してだけでなく「選手にも喫煙の習慣を改善するように伝えた」とナインに禁煙を勧めた事実を明かした。
 喫煙者の多くは分煙を守っているため、ボビーは「(完全禁煙の)実現はなかなか難しいとは思う」と話した。授業の中では再三、「時代の変化に対応することが大切」と強調。嫌煙活動が活発化する中、ボビー教授の一声で千葉マリンでは喫煙マナーの徹底が図られることになりそうだ。


2006/11/ 4 ボビー V奪回の秘策は禁煙? (スポーツニッポン記事

 ロッテのバレンタイン監督が4日、客員教授を務める千葉大で学生や一般の参加者ら約400人を前に授業を開き、シーズンオフを契機に選手に禁煙を奨励したことを明らかにした。健康面への配慮だけでなく「たばこを吸った瞬間、日本人の美徳である礼儀正しさが損なわれてしまうようだ」との持論を展開した。
 授業では毎朝の起床時に1日の目標を書き留め、周囲に敬意を払うことの重要性を強調。その際に球場のファンの喫煙マナーの悪さを指摘され、選手による禁煙の「率先垂範」に意欲を見せた。「責任を全うし、正しい方向に進めば、夢は実現する」。思いは選手に通じるか―。


2006/11/ 4 世界の観光地、全面禁煙広がる・ハワイ、香港… (日本経済新聞記事

【ロサンゼルス=猪瀬聖】日本人に人気の世界の観光地が次々と「全面禁煙」になる。今月からショッピングセンターやレストランが禁煙に移行するハワイに続き、香港やフランスでも年明け以降、飲食店や商業施設の禁煙が段階的に広がる。観光地はこれまで観光収入への影響を懸念し喫煙に比較的寛容だったが、非喫煙人口の増加で方針転換した。日本人は喫煙者も多いだけに、旅先で知らずに一服してトラブルに見舞われる可能性もあり、各旅行会社は渡航者への情報提供を急いでいる。
 昨年日本から120万人が訪れた香港では先月、禁煙場所を大幅に拡大する改正条例案を可決。2007年1月からレストランやバー、カラオケ店などが禁煙になる。屋外でも公営のビーチや一部の公園では喫煙できない。さらに09年7月までに、ナイトクラブやマージャン店、サウナといった娯楽施設にも禁煙を拡大する予定だ。


2006/11/ 3  【海外行政事情】同性婚、中絶などめぐり住民投票=中間選挙時に37州で実施-米 (時事通信記事)

 【ワシントン3日時事】今月7日投票の米中間選挙と同時に、37州で200件を超す住民投票が行われる。テーマは、同性結婚や妊娠中絶の禁止、移民規制強化など価値観が絡んで国論を2分する議論に発展している問題が目立つ。  州議会全国協議会によると、同性婚禁止の是非を問う住民投票はバージニア、テネシーなど8州で行われる。10月にニュージャージー州最高裁が同性愛カップルに男女の夫婦と同等の権利を付与する立法措置を促す判決を下し、国民の関心は高まっているが、ブッシュ大統領や共和党保守派は同性婚に強く反対している。 サウスダコタ州では、母体の生命が危険な場合を除き妊娠中絶を原則禁止する法律の是非について投票が行われる。カリフォルニアなど2州でも、10代の中絶の親への通知義務付けについて投票される。また、生命倫理関係では、受精卵を用いた胚(はい)性幹細胞(ES細胞)研究の合法化の賛否を問う投票がミズーリ州で行われる。 一方、メキシコと国境で接するアリゾナ州では、不法移民の規制強化に加え、英語を州の公用語とするかどうかもテーマとなっている。同性婚問題などと併せ、同州の投票案件は全米最多の19件に上る。 このほか、公共場所の喫煙禁止を含むタバコ規制がネバダなど9州、最低賃金の引き上げがオハイオなど6州、マリフアナの条件付き合法化がコロラドなど3州でそれぞれ投票に付される。 住民投票への訴えは、議会・知事選の候補者の選挙戦とも連動している。イラクの戦争長期化への批判の高まりから劣勢にある共和党候補は、同性婚禁止などを前面に掲げ、保守層の票を掘り起こそうと必死になっている。


2006/11/ 3 北朝鮮、偽たばこで外貨稼ぎ (中央日報 - South Korea記事

北朝鮮が偽札製造・流通と麻薬密売の代わりに、偽たばこの流通で外貨を稼いでいるという主張が提起された。
北朝鮮の不法行為問題に詳しい米議会調査局(CRS)のラファエル・ポール研究員は2日、自由アジア放送(RFA)とのインタビューで、「この6カ月間、北朝鮮のドル偽造と麻薬密売に対する証拠や摘発事例がない」と述べた。
ポール研究員はしかし「北朝鮮の偽たばこ生産は増えている」と明らかにした。麻薬・偽造紙幣の流通などの不法行為を減らす一方、偽たばこの生産・販売で外貨を稼いでいると考えられる。
米ウォールストリートジャーナルは今年初め、北朝鮮が偽たばこなど偽造商品で稼ぐ金は年間8000万ドル-1億6000万ドルにのぼると報じている。 これは、北朝鮮がミサイルなど武器輸出で年間に稼ぐと推算(韓国政府)される7000万-1億ドルよりも多い。


2006/11/ 1 1日JTが大幅高で新高値、みずほ証「1」に格上げ (ラジオNIKKEI記事

 日本たばこ産業 <2914> が大幅高となり、年初来高値を更新した。前日発表の9月中間決算の内容を評価したもの。投資判断を「3」から「1」(強気)に2段階引き上げたみずほ証券ではリポートで「従来の想定を上回るファンダメンタルズ」、「中期的な成長力に対し、株価には依然割安感がある」などとしていた。目標株価は61万円。


2006/11/ 1 米連邦控訴裁、たばこ訴訟で地裁判決の執行を停止 (朝日新聞記事

[ワシントン 31日 ロイター] 米連邦控訴裁判所は31日、たばこ会社が喫煙のもたらす健康被害の危険性を隠していたとして連邦地裁判事が下した判決および改善措置を執行停止とする判断を示した。
 コロンビア地区連邦控訴裁の判事3人は、今年8月にワシントン連邦地裁のケスラー判事が下した判決および改善措置の執行停止を求めるたばこ会社の要求を2対1で認めた。
 ケスラー判事はたばこ会社に対し、喫煙が健康に及ぼす影響や中毒性について「正しく」消費者に警告するよう命じたほか、「低タール」や「ライト」などの表示を用いることを禁じていた。


2006/10/30 分煙、そろそろ全面禁煙へ (JanJan記事

 先日、あるファミリーレストランに入った。12時を過ぎたばかりだったが、もう禁煙席は満席だった。
 「喫煙席ならすぐご案内できます」とのことだが、このごろの喫煙席は当然のことながら、喫煙者密度が高く、とても耐えられないので待つことにした。ちょうど昼時になったのであとから何組もの客が入ってきた。店員は同じことを繰り返すが、ほとんどの人が「待ちます」という。たちまち席待ちの列は外につながった。この間に何人かの客が会計をすませて出ていったので、喫煙席は空いてきたはずである。こうした現象は他の店でも経験した。鉄道でも禁煙席はすぐに満席になる。
 これは喫煙率の低下の実情に店側の対応が追いついていないためのアンマッチではないか。もっと需給バランスに敏感であるべきではないか。
 また、店側の認識にも問題があるように思う。喫煙席でも我慢してもらえるだろうぐらいの意識なのだろうが、狭い空間でたばこの匂いを嗅がされても、食事中は逃げ出せないのである。最近では鉄道でもレストランでも、喫煙者が禁煙席を望むケースが増えている。最早分煙の段階は過ぎ、全面禁煙の段階になったのではないだろうか。


2006/10/30 車中での喫煙は窓を開けても有害 (Dr.赤ひげ.com記事

 ドライブ中に窓を開けていても、受動喫煙による害を完全に避けることはできないことが明らかにされ、米医学誌「American Journal of Preventive Medicine」11月号に掲載された。そのレベルは、小児や高齢者のような感受性の高い人に有害であると米国環境保護庁(EPA)が定めた基準値を超えているという。
 米ハーバード大学(マサチューセッツ州)公衆衛生学部のVaughan Rees氏らによる今回の研究では、車中のチャイルドシートに汚染監視装置を設置し、ボランティアの喫煙者が1時間の距離を運転した。計45回の走行のうち、一部では窓をすべて全開にし、残りは運転席側の窓を2インチ(約5センチ)のみ開け、ほかの窓は閉めたままにした。
 汚染監視装置により、「PM2.5(大気中の粒子状物質で直径が2.5μm以下のもの)」の濃度を測定。EPAによる大気質指標(AQI)によれば、1立方メートル当たり40μgを超えるPM2.5に24時間曝露すると、小児、高齢者および特定の医学的条件にある人の健康にリスクが生じるという。250μgを超えると誰にとっても有害である。
 結果は、車窓を全開にした場合、車内のPM2.5レベルは平均51μgで、運転席の窓のみわずかに開けた場合は272μgであった。一般道を時速40マイル(約64km)で走った場合、車内の空気には大きな流動がみられるものの、煙は残り続け、受動喫煙を完全に避けるには十分とはいえないとRees氏は述べている。米国の一部の州では、小児を受動喫煙から保護するため、乗用車内での喫煙を禁じている。
HealthDay News 10月19日


2006/10/29 病院前の客待ちタクシー、禁煙車限定じわり進む (朝日新聞記事

 客待ちするタクシーを禁煙車に限る病院が出てきた。健康増進法が施行されて公共施設の禁煙・分煙が進むなか、たばこのにおいがこもるタクシーの規制に病院が取り組み始めた。禁煙車はまだ少ないが、ビジネスチャンスとみて増やすタクシー会社もある。
 「『禁煙タクシー』のみ許可致します」
 東京都港区の虎の門病院の正面玄関前には、こんな看板がある。
 今年1月に設置した。禁煙マークのないタクシーが入ってくると職員が注意する。
 外来患者は1日に約3200人。ポスターによる告知など理解を得るための準備に2カ月かけ、優先的に禁煙車を回す国際自動車(港区)の協力で実現した。
 「帰宅の際のことも含めて患者の方に対する医療サービスの一環と考えました。禁煙は時代の流れです」と吉村邦彦・呼吸器センター内科部長は説明する。
 「禁煙車」とは車内で一度もたばこが吸われたことがなく、屋根の上やボディーに禁煙マークが付いている車をさす。
 東京大学医学系研究科の中田ゆりさんの研究によると、車内で1人が喫煙すると粉じん濃度は通常の12倍に、2人喫煙すると31.6倍になる。「車内で吸わなくても、直前まで吸っていた人が乗ると肺に残っていた煙が吐き出され、粉じん濃度は約4倍になります」と中田さん。「車内で多くの人が受動喫煙を強いられていることを知ってほしい」と指摘する。
 国際自動車は04年12月に禁煙車を導入し始めた。現在は全体の2割強にあたる約340台が禁煙車で、今年度内に500台まで増やす計画だ。
 全国的には札幌市の札幌社会保険総合病院(秦温信(はた・よしのぶ)病院長)がいち早く禁煙車限定に踏み切った。保有する45台すべてが禁煙車という山崎自動車工業(北海道江別市)が協力している。
 東京都中央区の聖路加国際病院も禁煙車以外の乗り入れ制限に踏み切り、昨年12月、都内のタクシー会社約60社に理解を求める文書を送った。しかし、通常車の乗り入れは続き、今年8月に再度申し入れた。
 それでも時折は通常車を見かける。ある運転手は「並んでいるのが禁煙車ばかりだとためらうが、きょうはみんな通常車だった」と苦笑する。
 03年に健康増進法が施行され、病院を含め、公共施設では分煙、禁煙化が進む。今年4月の診療報酬改定で禁煙指導に保険点数がつくようになり、施設内の全面禁煙がその条件になったことも禁煙化への取り組みを後押しする。
 とはいえ国土交通省などによると、禁煙タクシーは05年度末現在で全国に5867台。前年度より2300台余増えたが、それでも全体の約3%に過ぎない。
 「たばこを吸いたい客もおり、禁煙車にすると売り上げが減る」とタクシー会社が心配するためと東京乗用旅客自動車協会はみる。
 昨年6月に禁煙車を導入し、現在は2割にあたる約150台が禁煙車の日の丸交通(文京区)も「今後増やすかどうかは社会情勢を見ながら決めたい」と慎重だ。神奈川県タクシー協会によると、加盟社が持つ約1万台のうち禁煙車はまだ約360台にすぎない。
 今年8月から「禁煙車限定」を掲げた東京都文京区の順天堂医院。
 タクシー乗り場にいた女性(42)は「禁煙車でないと、車内で窓を開けてもたばこのにおいが消えず、具合が悪くなることもあります。他の病院も禁煙車だけにしてほしい」と話す。
 呼吸器内科の瀬山邦明助教授は禁煙外来も担当する。昼休みに職員十数人と見回り、医院の外の道で吸い殻を拾う。構内で通常車を見つければ、運転手に禁煙車限定の取り組みを丁寧に伝える。そうやって地道に働きかけていくつもりだ。
 写真=禁煙車以外の客待ちを断る看板。タクシーの車体には禁煙車であることを示すステッカーがついている=東京都港区の虎の門病院で


2006/10/28 罰則規定で条例に効果 那覇市議会、路上喫煙対策 (琉球新報記事

 路上禁煙条例についての考え方などを聴く調査委の委員ら=那覇市議会 那覇市議会の路上等喫煙防止条例に関する調査特別委員会(金城徹委員長)は23、25、26の3日間、参考人の意見聴取を行った。これまでに条例を制定するよう陳情した県禁煙協議会や、調査委設置の動きを受けて条例制定する場合の要望をとりまとめて陳情したたばこの生産、販売団体などの代表を招致。条例への考え方を聴き、意見交換した。
 議員間で罰則を盛り込むかどうかで意見が分かれているが、意見聴取の中でも「罰則を設けないと実効性がない」「罰則よりもモラルとマナー向上を重点に」とそれぞれの立場で意見が割れた。今後、委員同士の意見交換を行い、条例案をまとめていく。23日は市当局の8課の担当者、25、26の両日は市内の8組織・団体の関係者を呼んだ。
 路上禁煙条例制定を市と市議会に要請している禁煙協議会の金城幸善副会長は「健康のため、たばこを進んで減らす一つの方法として条例制定を提案した」とし「罰則をつけなくて果たして効果があるのか」と、罰則はつけるべきだと訴えた。一方、県たばこ卸売事業協同組合と県たばこ耕作組合は、条例には反対しないが、喫煙可能な場所の設置や携帯灰皿携行の条文化、罰則規定ではなくマナー啓発に重点を置くよう求めた陳情をあらためて説明した。
 市身体障害者福祉協会の宮城愛子事務局長は、緊急に50人の障害者にアンケートした結果を紹介。たばこの火が当たったり、服に穴が空いたなどの実害を受けたり、怖い思いをしたと答えた人が十人いたとし「早急に条例を制定してほしい」と要望した。
 禁止区域指定が想定される国際通りについて、同通り商店街振興組合連合会の前田幸男理事長は「修学旅行生も多く、その安全を守る上から通りでは吸わないでほしいというのが通り会の思い」と条例には前向きな姿勢。一方で「一定程度の喫煙場所を設けるのがいいと思う。罰金を取ることには(トラブルなどの)懸念がある」とし、観光客が多いため、条例制定の際は十分な周知が必要と述べた。


2006/10/27 喫煙運転士を停職3カ月に=名古屋市交通局 (時事通信記事)

 名古屋市交通局は27日、市営地下鉄を運転中に喫煙していた男性地下鉄運転士(57)=運輸主事=に対し、同日付で停職3カ月の懲戒処分を行ったと発表した。 運転士は7月17日午前6時40分ごろ、地下鉄鶴舞線の荒畑―鶴舞駅間で運転中、運転室内でたばこを吸っていた。目撃した乗客から、喫煙の様子を携帯電話で撮影したとの情報が寄せられ、発覚した。


2006/10/27 ポイ捨て禁止条例提案へ 県内初「路上喫煙規制」も 宮崎市 (西日本新聞記事

 宮崎市の津村重光市長は26日、空き缶などのごみのポイ捨てを禁止する条例案を2007年3月の定例市議会に提案する考えを明らかにした。吸い殻散乱の原因となる路上喫煙を禁止するほか、違反行為者には過料などの行政処分を科す内容で、本年度内の条例化を目指す。
 廃棄物減量等推進審議会(川崎好会長)が20日、(1)人通りの多い地域などでは場所を指定して喫煙を規制すべき(2)違反者からは過料を徴収するのが妥当‐などとする条例骨子案を答申。市は、11月に実施するパブリックコメントの結果を踏まえて対象区域などを今後詰め、条例案を作成、市議会に提案する。
 宮崎市は1998年4月から、JR宮崎駅から高千穂通、橘通にかけての同市中心部を「空き缶等散乱防止モデル地区」に指定。空き缶やゴミの回収などを行っているが、改善されないため条例化に踏み切る。津村市長は会見で、「良好な景観づくりのためには条例は必要」と述べた。
 罰則付きで路上喫煙を規制する条例は、中核市では千葉県船橋市や大分市ですでに施行されており、同市で制定されれば県内初となる。


2006/10/26 ドコモなど8社、たばこ自販機の成人識別システムを構築 (AKIBA PC Hotline!記事

 NTTデータ、NECトーキン、NTTドコモ、大日本印刷、トッパン・フォームズ、トランスコスモス、日立製作所、ベルシステム24の8社は、日本たばこ協会が取り組む「たばこ自販機成人識別施策」を実現する「taspo(タスポ)システム」について、システムを構築し運用を行なっていくと発表した。2007年12月の試験導入を目指して開発されており、2008年7月には全国への導入が完了する予定としている。
 「taspo」は、日本たばこ協会、全国たばこ販売協同組合連合会、日本自動販売機工業会の3団体が成人の喫煙者に発行するICカード。たばこを購入する際に自販機にtaspoをタッチしなければ購入できないシステムで、未成年者の喫煙防止を目的としている。
 ICカードには非接触ICカードが採用されるほか、データセンターと自販機は無線通信網で接続される。同時に、ICカードにはJCBが提供するtaspo向けのプリペイド式電子マネー「Pidel」(ピデル)が導入される。これにより、taspoでは成人識別と同時にPidelでたばこが購入できる。
 NTTドコモは自販機にFOMAユビキタスモジュールを提供し、自販機とデータセンターを接続する無線のネットワークインフラを構築する。
 なお、ドコモ広報部によれば、taspoシステムのおサイフケータイへの対応などは現在予定されていないという。


2006/10/26 路上喫煙禁止条例 静岡市、禁煙区域拡大へ (中日新聞記事

 静岡市が、一日に施行した市路上喫煙被害等防止条例で指定する喫煙禁止地区の拡大を検討していることが二十五日、分かった。町内会や商店街などの関係者と協議を進め、二〇〇七年度中にも実現したい考え。主要駅前のバスターミナルも禁止地区に含める方針で、繁華街の歩行者だけでなく、バス待ち客も規制を受ける。
 現在の喫煙禁止地区は葵区のJR静岡駅北側に広がる繁華街のうち、計約一・三キロの路上。市が呉服町、紺屋町、呉六、七間町の四名店街などとの協議で禁止地区を確定した。条例施行後、市職員が三人態勢で朝夕に禁止地区を見回り、喫煙者への指導やたばこの吸い殻の回収を続けている。来年四月からは違反者に対する過料二千円の徴収が始まるのに伴い、特別指導員が六人で見回る態勢に強化する。
 新たに禁止地区化を検討しているのは、JR静岡、清水両駅のバスターミナル周辺と、JR静岡駅と県庁を結ぶ約六百メートルの「御幸通り」、その東側にある約百メートルの「けやき通り」の計五カ所。
 現在の禁止地区が各名店街側からの提案を受けた指定だったのに対し、市は「喫煙被害の防止に必要最低限の地区」(市民生活課)を模索。時間当たりの通行人数や、喫煙者の割合などを調査して絞り込んだ。
 同条例は、禁止地区の指定権限は市長にあり、事前に地区住民や事業者の意見を聴くと定めている。市民生活課は「条例は市民の喫煙マナー向上が目的。期間や時間を決めて指定することもできるので、禁止を検討する地域の市民は協議に参加してほしい」と呼び掛けている。


2006/10/26 空き缶・たばこ投げ捨て禁止条例制定へ 米子市 (日本海新聞記事

 米子市は二十五日、公共の場所での空き缶やたばこの吸い殻の投げ捨てなどを禁じる条例の制定について、市環境審議会(飯塚舜介会長)に諮問した。同審議会は条例制定を目指す市の方針を踏まえ、制定の是非を含めた検討を進める。市は来年三月の条例制定、同七月の施行を目標としている。
 近隣自治体では、松江市が歩きたばこや空き缶などの投げ捨てを禁止した「きれいなまちづくり条例」を十月一日から施行。米子市が同様の条例を制定すれば、鳥取県内では初となる。
 道路や公園など公共の場所で禁止する行為として、市は▽空き缶やたばこの吸い殻など軽微なごみの投げ捨て▽歩きたばこ▽飼い犬のふんの放置-などを想定している。
 この日の環境審で、市は「啓発活動やモラルの向上に訴えるだけでは限界がある」として条例制定の必要性を強調。条例違反には罰金を科す考えを示した。
 現在、市は市民千五百人を対象に条例制定に向けたアンケート調査を実施しており、調査結果は来月予定の次回審議会で報告する。


2006/10/26 罰金、最高8万円弱 観光都市「香港」全面禁煙へ (フジサンケイ ビジネスアイ記事

 日本から昨年、約120万人の観光客やビジネス客が訪れた香港で、来年1月1日から公共の建物やレストラン、カラオケ店、オフィスなどで全面的に「禁煙」が義務づけられる。違反者には最高で5000香港ドル(約7万6600円)の罰金が科せられる。
 アジアでは香港のライバル、シンガポールが禁煙都市として有名だが、香港はさらに踏み込んで2009年にはバーやナイトクラブなどまで禁煙にする徹底ぶり。愛煙家には厳しい国際都市になりそうだ。
 香港紙、星島日報(電子版)などによると、立法院(議会)で25日までに、段階的に香港の禁煙措置を広げる「喫煙公衆衛生改正条例」が通過した。デパートや銀行などでの全面禁煙や、レストランでの分煙義務化などを定めてきたが、今回の改正条例は「例外」の網を大幅にせばめた。自宅や空港の喫煙コーナー、ホテルの喫煙フロアなど、ごく限られた場所でしか喫煙できなくなる。
 これに加えて、09年7月1日からは、(1)バー(2)ナイトクラブ(夜総会)(3)マージャン店(4)マッサージ店(5)サウナなどの娯楽施設も全面的に禁煙が義務化される。また、屋外であっても公園などでは取り締まりが行われ、日本人を含む来訪者にも厳しい目が光ることになる。ただ、一部に「禁煙法」に強く反発する動きも出ている。
 規制はそれだけではない。販売するたばこの銘柄や説明に、英語や中国語を問わず「マイルド」「ライト」「ロータール」など、有害性を感じさせないような名称、表現も禁止された。香港では日本製タバコ「マイルドセブン」も販売されて人気だが、条例が施行される来年1月1日以降は早急に回収が必要になる。
 タバコの公共広告はすでに、1999年から禁止されていた。こうした厳しい禁煙措置の背景には、中国本土からの訪問客の存在がありそうだ。香港政府観光局によると、人口697万人の香港を域外から訪れた観光客、ビジネス客などは昨年、2336万人に達する。このうち中国本土からが1254万人と過半数だった。中国では成人の半数以上は喫煙者とされ、中国本土から香港を訪れる観光客の喫煙マナーが問題視されていた。


2006/10/25 佐賀市幹部が公用車からたばこポイ捨て (日刊スポーツ記事

 佐賀市は25日、市の条例に違反して公用車からたばこをポイ捨てしたとして、同市農業委員会事務局長の男性(54)を減給10分の1(3カ月)の懲戒処分にすると発表した。
 市によると、事務局長は今年3月と9月の計3回、公用車の助手席で吸ったたばこの灰を窓の外に落としたり、吸い殻を車外にポイ捨てしたりした。車は禁煙で「佐賀市」の表記があり、いずれも目撃した市民がナンバーを市に通報し発覚した。
 佐賀市は、たばこの吸い殻を路上などに捨てることを条例で禁止している。事務局長は「公務員としてあるまじきことをして申し訳ない」と話しているという。


2006/10/25 喫煙防止教育、低学年から 循環器学会がDVD配布へ (朝日新聞記事

 小さいころからたばこの害や禁煙の大切さを知ってほしいと、日本循環器学会が、喫煙防止教育用のDVDを制作した。全国のすべての小中高校、養護学校、大学・短大などに計約4万4000枚を無料配布する。同学会禁煙推進委員長の藤原久義・岐阜大教授(循環器内科)は「未成年で喫煙を始めるとニコチン依存症になりやすく禁煙が難しい。できるだけ早くたばこ問題の知識を身につけてほしい」と話す。
 DVDは「今から始める喫煙防止教育」(第2版)。小学校低学年(6分)、同中学年(10分)、同高学年(12分)、中学生・高校生(14分)、一般・大学生(17分)のそれぞれ向けに計5部で構成。2年前の第1版ではなかった小学校低学年用を加え、今春から始まった禁煙治療の保険適用など最新情報を盛り込んだ。喫煙率の推移などの資料編もある。
 厚生労働省研究班の調査(04年度)では、中学生で喫煙経験があるのは男子で約18%、女子で約14%。たばこの有害性や依存性を十分知らずにささいなきっかけで始める人がほとんどといわれる。
 このため、小さい子どもでもわかりやすいようにコンピューター・グラフィックスやアニメーション、病気や実験などの画像を使い、授業中に途中で止めて説明できるような時間配分にした。内容はニコチン依存症の仕組みや、がんや心臓病、美容への影響などたばこの害だけでなく、受動喫煙、規制が進む海外の状況や、禁煙治療法までを、対象のレベルに合わせて描いた。
 事業費は1500万円。一般の希望者は1995円(税込み、送料別)で購入できる。問い合わせは、少年写真新聞社(03・3261・4001)へ。


2006/10/25 受動喫煙で調停成立、示談金80万円 (日刊スポーツ記事

 職場で受動喫煙を強いられ被害を受けたとして、北海道の元会社員岡本めぐみさん(35)が札幌市内の会社に慰謝料100万円を求めた調停が、札幌簡裁で成立、会社側が女性に示談金80万円を支払っていたことが25日、分かった。
 申立書などによると、岡本さんは00年から札幌市東区の会社に勤務。10人以上の社員が自分の席で喫煙していた。02年に喫煙場所が設けられたが、密閉されておらず受動喫煙を強いられ続けた。04年、東京の病院で化学物質過敏性と診断され、休職。職場環境が改善されなかったため、昨年3月に退職し、ことし4月に調停を申し立てた。
 申立代理人の黒木俊郎弁護士は「裁判ではなく調停という柔軟な手段で解決できたのは画期的。全国の非喫煙者救済のために先例として大きな武器になる」としている。
 会社側は社名の非公表などを調停成立の条件にしており、取材に応じていない。
 受動喫煙をめぐっては、分煙措置が取られず健康被害を受けたとして、東京都江戸川区職員の男性が区に損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁が04年7月、区に5万円の支払いを命じている。


2006/10/25 たばこ税、小売価格の75%まで増税を提議 ベトナム (ベトナムニュース - Vietnam記事

 たばこによる健康被害の拡大を防ぐため、世界保健機構(WHO)と世界銀行がたばこ税の引き上げを勧告していることについて、ベトナムWHO事務局のグエン・ガン・ラム事務局長は21日、たばこ税の増税は若者や貧困層の人々の喫煙を減らすには効果的だと述べた。現在ベトナムのたばこ税は小売価格の37%、1箱の平均価格はタイの1/3で、低い水準といえる。
 ベトナム人の喫煙率は、成人男性では56%、20~50歳の男性だけを見ると、推計で70~80%に上る。また、ハノイ、ホーチミン市、ハイフォンの13~15歳の生徒1万3000人以上を対象に行った最近の調査によると、男子生徒の26.5%、女子生徒の8.5%が喫煙の経験があると答えており、そのうち現在も喫煙していると回答したのは、男子で10%、女子で1.9%だった。


2006/10/25 受動喫煙対策、ヤフードームに高い評価…産業医大教授ら調査 (読売新聞九州版記事

 野球ファンのための分煙対策でも、日本シリーズ開催の札幌、ナゴヤ両ドーム球場は優秀――。大和浩・産業医大(北九州市)教授らが、プロ野球チームが本拠地として使う球場のたばこ対策を調べたところ、こんな結果が出た。25日から富山市で始まった日本公衆衛生学会で発表する。
 野球場などの多数の客が集まる施設は、2003年に施行された健康増進法で受動喫煙防止策を取るよう定められている。大和教授らは昨年から今夏にかけ、プロ野球12球団の本拠地球場に実地調査やアンケートを行い、うち11球場の結果をまとめた。
 うち5球場では対策が不十分で、ドーム球場で最も古い東京ドームでは屋内通路に設けられた喫煙場所に仕切りがなく、約10メートル離れた観客席でも国の基準の5倍の濃度の粉じんが測定された。喫煙室を設けるなど「今年度中に改善予定」という。
 これに対し、ヤフードーム、神宮、広島市民の3球場は内部を全面禁煙として、屋外などに喫煙場所を設置。独立した喫煙室を設けているところも3球場あり、札幌とナゴヤでは、排気装置を備えた喫煙室を整備し、煙がほとんど漏れないような対策が取られていた。大和教授は「子どもも安心して野球観戦できる対策をとってほしい」と話している。


2006/10/25 分煙対策 5球場は不十分…札幌、ナゴヤドームは優秀 (読売新聞記事)

 野球ファンのための分煙対策でも、日本シリーズ開催の札幌、ナゴヤ両ドーム球場は優秀――。大和浩・産業医大教授らが、プロ野球チームが本拠地として使う球場のたばこ対策を調べたところ、こんな結果が出た。25日から富山市で始まった日本公衆衛生学会で発表する。
 野球場などの多数の客が集まる施設は、2003年に施行された健康増進法で受動喫煙防止策を取るよう定められている。大和教授らは昨年から今夏にかけ、プロ野球12球団の本拠地球場に実地調査やアンケートを行い、うち11球場の結果をまとめた。
 5球場では対策が不十分で、東京ドームでは通路に設けられた喫煙場所に仕切りがなく、約10メートル離れた観客席でも国の基準の5倍の濃度の粉じんが測定された。喫煙室を設けるなど「今年度中に改善予定」という。
 これに対し、福岡ヤフードーム、神宮、広島市民の3球場は内部を全面禁煙として、屋外などに喫煙場所を設置。独立した喫煙室を設けているところも3球場あった。札幌とナゴヤでは、排気装置を備えた喫煙室を整備し、煙がほとんど漏れないような対策が取られていた。大和教授は、「子どもファンも安心して観戦できる対策をとってほしい」と話している。


2006/10/24 タバコ10年間吸わなければ小型車1台買える (中央日報 - South Korea記事

タバコを10年間吸わなければ、小型車1台を買えるお金を貯めることができる。東亜(トンア)日報が24日報じた。
同紙によると、三星(サムスン)証券のチョン・ヨンワン投資情報パート長は、23日「禁煙の威力」という報告書で「タバコを買うお金を節約すれば、多くのことが可能になる」と助言した。例えば1日にタバコを買うために3000ウォン(約40円)を支出する喫煙者が「禁煙」を決心し、その金を貯蓄する場合、1年間(365日)で109万5000ウォンを貯めることができる。
年利4.5%で運用すれば、複利計算で10年後には1700万ウォンになる。そのお金で小型車を買うか、最高級の家電製品をいくつも購入できる。もしも禁煙で節約したお金を年利8%で運用した場合は、さらに金額が大きくなる。10年後に2100万ウォン、20年後には7000万ウォンに増える。
子女の大学入学金など学費に活用できる金額だ。昨年までのここ25年間、韓国国内の株式市場の平均収益率は年11.1%で、長期かつ分散の投資が行なわれるならば、年8%の収益は十分可能とみられる。


2006/10/23 AIU保険、“禁煙宣言”で火災保険割引に (産経新聞記事

 米AIGグループのAIU保険は、たばこによる火災を補償対象外として保険料を割り引く「ノンスモーカー割引」制度を11月から導入する。同社によると、国内損保会社では初めての試みだという。
 新たな割引制度は、同社の個人火災保険「スイートホームプロテクション」(ホームライフ総合保険)の商品改定に伴い導入。契約者が商品を契約する際、建物内での喫煙を原因とした火災を「家族にたばこを吸う人がいないから」との理由で補償対象から外せば、1年間の保険料が最大で9・6%割り引かれる。
 例えば、鉄骨造建物で保険金額2500万円の火災保険に加入した場合、通常だと年間保険料が2万2050円のところを、ノンスモーカー割引制度を適用すれば2・7%割引される。
 契約者がたばこを吸ったことで建物火災が発生した場合には、保険金は支払われない。ただし、来訪者の喫煙によって火災が発生したケースでは保険金支払い対象となる。
 AIU保険では「ノンスモーカー割引を適用することで、禁煙者増加の一助になれば」と話している。


2006/10/23 非喫煙なら保険料値引き  AIU、たばこ火災は除外 (神戸新聞記事)

 米AIGグループのAIU保険は23日、たばこによる火災を原則的に補償の対象外とし、保険料を割り引く火災保険を11月から販売すると発表した。生命保険では非喫煙者の保険料を値引きする商品があるが、損害保険でもたばこを吸わない人に有利な商品が登場する。
 火災保険「スイートホームプロテクション」は、保険加入者や家族の喫煙を原因とする火災には保険金を支払わない代わりに、保険料を最大9・6%割り引く。風水害や盗難などの補償も含めた住宅総合保険の保険料は約3%下がる。
 同社の試算では、延べ床面積150平方メートルの鉄骨一戸建て住宅の場合、1年間の住宅総合保険料が590円安くなる。訪問客らのたばこで火災になった場合は補償するという。


2006/10/23 歯周病のリスク、喫煙で増加 6千人調査 (朝日新聞記事

 たばこを吸う人は吸わない人に比べて歯周病にかかっている人が多く、失った歯の本数も多いことが6000人分のデータを分析した厚生労働省研究班の調査で分かった。喫煙が歯の健康に影響することはこれまでも指摘されてきたが、国内の大規模な実態調査で裏付けられたことになる。25日から富山市で始まる日本公衆衛生学会で発表する。
 担当したのは福岡歯科大の埴岡(はにおか)隆教授(口腔(こうくう)保健学)ら。99年に国が実施した歯科疾患実態調査と、喫煙習慣も尋ねる国民栄養調査でともに調査対象となった全国6805人分のデータを結びつけて分析した。
 成人の歯32本のうち、残っている歯の平均本数は、20~39歳の男性では非喫煙者が27.4本だったのに対し、喫煙者は27.1本。60歳以上の男性は18.5本に対し14.1本。性別、年齢を問わず、喫煙者のほうが少なかった。
 歯を1本以上失っている人の割合は20~39歳男性で非喫煙者22%、喫煙者39%。同女性でそれぞれ29%、43%。歯磨きの頻度、肥満、飲酒状況、ビタミン摂取量などほかの要素を差し引いても、歯を失う危険度は、喫煙者は非喫煙者より男性で2.2倍、女性で1.7倍に及んだ。
 40歳以上で歯が19本以下の人も同様で、喫煙本数が多く、喫煙年数が長い人ほど歯が少ない傾向もみられた。40歳以上で歯周病がある人の割合も、喫煙者は1.4倍だった。
 14歳以下の子どもへの影響も調べた。喫煙者のいる家庭では、いない家庭に比べて未処置の虫歯がある割合が1.3倍だった。
 喫煙は歯と骨をくっつけている歯根膜の細胞を傷めるほか、唾液(だえき)の分泌を減らし、虫歯の原因菌への抵抗力も弱めるという。
 埴岡さんは「毎日口で吸っているのだから影響が出るのは当たり前なのに、気付いていない人が多い。口の中を注意して見てみてほしい」と話している。


2006/10/20 禁煙の飲食店検索サイト、リニューアル 大阪の個人が管理 (朝日新聞大阪版記事)

 禁煙の飲食店を検索できるインターネットのグルメサイト「禁煙スタイル」は、全国の約2250店を紹介している。大阪市西区のウェブプログラマー岩崎拓哉さん(26)がたばこの煙のせいで外食を楽しめなかった経験から、個人で開設し、管理している。10月中旬には、最寄り駅名などでも検索できるようにするなど大幅リニューアル。日本禁煙学会のメンバーからも「使いやすい」と好評だ。
 岩崎さんはたばこの煙を吸うと呼吸が苦しくなったり、のどがはれたりする体質があり、禁煙店でしか食事ができない。店を探すサイトはほかにもあるが、情報が古いなどと感じたため、昨年5月31日の「世界禁煙デー」に自ら開設した。
 当初の登録数は関西を中心に約30店。サイト開設を知った二つの禁煙団体から計1千店分の情報が寄せられたのがきっかけになり、閲覧が急増。利用者や店側からの書き込みで毎日のように情報が更新される。また、自分で店に赴いて取材することもある。
 今回のリニューアルでは懐石、フレンチなどの店のジャンルを24から49に細分化。東京・六本木や大阪・梅田など15カ所しかなかった有名エリア別の検索は37カ所に増やした。知名度の高い大型チェーン店は省いた。また、禁煙席はあっても喫煙席との分離が不完全な店は掲載せず、「完全禁煙」「完全分煙」「時間帯禁煙」のいずれかを、各店について表示した。
 日本禁煙学会理事の薗潤(その・じゅん)・西宮市保健所長によると、民間の月刊誌や禁煙団体、行政などがつくったサイトでも禁煙の飲食店は紹介されているが、「『禁煙スタイル』は情報が新しく、紹介されている店の数が圧倒的に多い」という。
 飲食店での受動喫煙防止義務を定めた健康増進法が施行されて3年半。岩崎さんは「どの飲食店でも煙が苦手な人が苦しむことなく、快適に過ごせるようになることを望みます」と話す。
【写真】「禁煙スタイル」を管理する岩崎拓哉さん=大阪市西区で


2006/10/20 喫煙率数値目標にJT反発 厚労省、設定に“再挑戦” (秋田魁新報記事

 厚生労働省が目指す喫煙率削減の数値目標導入に、日本たばこ産業(JT)が反発している。厚労省が3つの数値案を示したことに対し、JTは20日、記者会見し「個人の嗜好に行政が数値を示して介入するのは行き過ぎた規制だ」と反対を表明した。
 数値目標は、厚労省が2000年に長期計画「健康日本21」を策定した際にも、たばこ業界などの反対で見送られた経緯がある。同省は来月にも開く厚生科学審議会の部会で専門家らの意見を聞き一案に絞り込みたい考えで、“再挑戦”は年末にかけ正念場を迎える。
 厚労省によると、04年の喫煙率は成人男性43・3%、成人女性12・0%。男性は先進国の中で最も高い部類で、女性は低いが20−30代で増加傾向にある。
 同省の示した3案は、喫煙率を10年度までに(1)1997年の喫煙率の約半分に当たる「男性25%、女性5%」(2)やめたい人が全員禁煙に成功した場合を想定した「男性30%、女性10%」(3)やめたい人の一部が禁煙に成功した場合の「男性35%、女性10%」−以下にするとの内容。
 2005年2月には「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約」が発効。国内では国に先行して18府県が既に数値目標を導入しており、厚労省は好機と判断した。
 これまでに厚労省には計570件の意見が寄せられ、賛成は305件。最も厳しい「男性25%、女性5%」が205件の支持を集めた。反対は265件で「喫煙するか、しないかは本人の自由」「分煙も進み、年々喫煙率は減少しているので目標値は必要ない」などの意見があった。
 JTは「肺がんのリスク要因はほかにもいろいろあるのに、たばこだけを厳しく規制するのはバランスを欠く」と主張。「数値を達成するために、増税もされかねない」と警戒している。


2006/10/20 受動喫煙・やけどの恐怖、全ての歩きタバコに罰則を! (ライブドア・ニュース記事

【PJニュース 10月20日】- わたしは毎朝駅まで徒歩で通勤している。駅までの歩道は狭い一本道ですれ違うこともできないくらいだ。そしてわたしは、毎朝不快な思いをする。毎朝早足で通勤する男性がいてわたしを追い越すのだが、彼はいつも歩きタバコをしているのだ。
 歩道は人一人が通れるものだから、彼の後ろに歩くことになるわたしは、いつも彼のタバコから出る煙をすうことになる。一度は、灰が口に入りかけたこともある。一度は注意してやろうとも思うのだが、いかんせんその勇気はない。しかし、全ての歩きタバコに罰則ができれば注意できる。歩きタバコが罪になれば注意する理由ができるからだ。
 歩きタバコは一部の繁華街では条例などにより規制されてはいるが、いつどこにおいても他人の健康を害するものであるし、また大人の振り下ろしたタバコを持った手は小さい子の目線にぶつかる危険もある。わたし自身小さい頃に2回ほどやけどした。そのどちらもその大人は悪びれる様子もなく立ち去っている。
 歩きタバコの被害を広げないためにも、全ての歩きタバコに法律で罰則を加えてほしいと願う今日この頃である。


2006/10/20 たばこ購入に顔写真 ICカード自販機 08年から (フジサンケイ ビジネスアイ記事

 社団法人「日本たばこ協会」などの3団体は19日、未成年者の喫煙防止対策の一環として、ICカード方式の成人識別装置が付いたたばこ自動販売機を2008年から順次導入すると発表した。導入が進めば、自販機では顔写真付きのICカードを持った登録者しかたばこを購入できなくなる。
 新型ICカードの名称は「タスポ」。たばことパスポートを組み合わせ命名した。たばこの購入方法は、識別ユニットと呼ばれる装置に、事前に登録したICカードを接触させる仕組み。
 ICカードの発行手続きは、全国のたばこ販売店の店頭に置かれた申込用紙に記入し免許証や保険証のコピーと顔写真を合わせて、日本たばこ協会に郵送。2週間程度でカードが希望する住所に届けられる。写真代と証明書類のコピー代金は自己負担だが、郵送代は協会が負担する。電子マネーサービスは、JCBが行う。
 08年3月から全国で最初に設置する鹿児島県と宮崎県では、07年12月に受け付けを開始。それ以外の地域でも08年2月から受け付ける。ICカードは電子マネー機能も備えており、あらかじめカードにお金をためておくと、識別装置にかざすだけで、購入できる。他の電子マネーとの互換性はなく、たばこ自販機以外では使用できない。
 識別装置の設置費用やカード発行などのコストは約800億円で、維持費には年約100億円かかる見通し。そのうち日本たばこ産業(JT)が約650億円を負担する。
 顔写真以外に本人認証機能がないため、カードを借りて未成年が購入することもできるが、「未成年の購入が発覚すれば、カードを使用不能とする」(日本たばこ協会未成年者喫煙防止対策室の小林和之室長)などで、貸与を防止していきたい考えだ。
 現在のたばこ自販機の設置台数は約62万台。喫煙者の自販機でのたばこ購入比率は約50%にも上っている。
 このため、同協会では、ICカード登録者は国内喫煙者3000万人のうちの7割程度にのぼるとみている。JCBでも、「電子マネーのついたカードとしては国内最大規模の発行枚数となる」(企画部渉外グループ)としており、他の電子マネーとの互換性が整備されれば、電子マネーの“一大勢力”となる可能性もある。


2006/10/20 たばこ用の粉末剤 3社に表示中止命令 「ニコチンをビタミンに変える」根拠なし (読売新聞記事

 たばこの先に付けて吸うと「ニコチンをビタミンに変える」などと表示して販売されている粉末剤「ビタクール」「タバクール」について、公正取引委員会は19日、効果を裏付ける根拠がないとして、販売などをしている3社に対し、表示をやめるよう、景品表示法(優良誤認)に基づく排除命令を出した。
 命令を受けたのは、販売会社「ビタクールジャパン」(東京都北区)と「ミュー」(同世田谷区)、製造・販売会社「オーシロ」(川崎市麻生区)。
 公取委によると、3社は包装紙やホームページなどに「ニコチン・タールを減少させ、周囲への煙害も少なくする」などと表示、粉末剤0・7~5グラムを500~3000円程度で販売していた。
 3社は、粉末剤を使うとビタミンの一種であるニコチン酸が増えることを示す数値データなどを根拠にしていたが、公取委は「商品に含まれていたビタミン成分が燃え、数値が増えた可能性もある」とした。


2006/10/19 「ニコチンをビタミンに変える」表示に根拠無し・公取委 (日本経済新聞記事

 「ニコチンをビタミンに変える」などと効果を表示し、タバコの先端に付着させて使う粉末状の商品「ビタクール」と「タバクール」を販売したとして、公正取引委員会は19日、景品表示法違反(優良誤認)で日用雑貨品販売会社3社に排除命令を出した。各社は実験資料などを公取委に提出したが、表示の裏付けとなる合理的な根拠とは認められなかった。
 公取委によると、排除命令を受けたのは「ビタクールジャパン」(東京)、「ミュー」(同)、「オーシロ」(川崎市)。
 3社は2003年12月ごろから、ビタクールなどの商品を少量付けて喫煙すれば、煙に含まれるニコチンの約8割がビタミンに変化し、副流煙も減少するなどと包装紙やホームページで表示していた。
 3社は昨年度、この商品で約2億6000万円を売り上げていた。ビタクールジャパンは「排除命令に速やかに従い、早期に表示を改善したい」とコメントしている。


2006/10/18 禁煙補助薬 市場活況 保険対象、国の健康施策が追い風 承認申請や開発続々 (読売新聞記事

 たばこをやめようとする人向けの禁煙補助薬をめぐり、製薬会社の動きが激しくなってきた。
 市場をリードする外資が医療用での国内承認を目指す一方、国内製薬会社は外資と共同で新薬投入を計画している。医療機関での禁煙指導が公的医療保険の適用の対象になったことや、国の健康づくり施策「健康日本21」に喫煙率引き下げの数値目標が盛り込まれる方針となったことなどが追い風になり、市場規模の拡大が見込めるためだ。
売り上げ急増
 世界4位の医薬品メーカー、ノバルティス(スイス)の日本法人「ノバルティス ファーマ」が製造、販売するはり薬タイプの禁煙補助薬「ニコチネルTTS」は、今年6~7月の売上高が前年同期比で約2・5倍に急増した。
 ニコチネルは、医療用の禁煙補助薬として国内で唯一使用が認められている。4月の診療報酬改定で、禁煙指導の受診に保険がきくようになったことを受け、ニコチネルも6月から保険の対象になったことが、販売増の主因だ。
 製薬世界最大手の米ファイザーも6月、医療用の飲む禁煙治療薬「バレニクリン」の日本での製造、販売に関し、厚生労働省に承認申請した。米国内ではすでに8月に発売済みで、近く欧州連合(EU)でも発売する予定だ。
 国内勢では大正製薬が、英グラクソ・スミスクラインとともに、はり薬タイプの禁煙補助薬の共同開発を進めている。
条件緩和
 厚労省は従来、禁煙は個人の意思の問題と位置づけ禁煙指導にかかる費用は、全額自己負担だった。しかし、禁煙によってがんや心臓病などの病気が減れば、医療費削減につながるとして、保険適用で禁煙指導の受診を促すことにした。
 現状、禁煙指導へ保険を適用するには、対象患者が「1日の喫煙本数に喫煙年数を掛けた数が200以上になる」などの基準があるほか、医療機関にも「敷地内すべてを禁煙にする」などの条件がある。
 厚労省は、保険適用で受診状況や禁煙成功率が上がったかどうかを見極め、2008年にも保険適用の条件緩和が必要かどうか判断する方針だ。条件が緩和されれば、禁煙補助薬に対する需要はさらに高まるとみられている。
大衆薬でも
 ドラッグストアや薬局などで買える一般用医薬品(大衆薬)でも禁煙補助薬を巡る各社の動きは活発だ。
 「ノバルティス ファーマ」は9月、製薬大手の第一三共と続けてきたニコチネルの大衆薬版の共同開発を年内に終了し、その後は単独開発に切り替えると発表した。日本の大衆薬市場を本格開拓する主力商品とする狙いとみられる。
 米ジョンソン・エンド・ジョンソンは、ファイザーから大衆薬部門を年内に買収するのに伴い、同社が製造していたガムタイプの禁煙補助薬「ニコレット」も手中にする。「ニコレット」は05年に70億円を売り上げ、「年間10億円売ればヒット商品」とされる日本の大衆薬市場では大ヒットとなっており、今後の販売戦略が注目される。


2006/10/18 禁煙減収、ゲーム機で稼げ 仏英でカフェ・パブに恩典 (フジサンケイ ビジネスアイ記事

 来年、欧州で相次いで公共スペースが禁煙となることに伴い、仏パリのカフェ、英ロンドンのパブなど市民の憩いの店にゲーム機やスロットマシンが増えそうだ。喫煙者の客足が遠のき、関係業界の売り上げが減少することに配慮し政府が特別措置を導入するためだ。
 2007年2月に公共スペースの禁煙をスタートするフランスでは、レストラン、ホテル、カフェに限り09年1月に禁煙となるが、カフェの禁煙に先がけ来年から店内に設置したゲーム機の税金を大幅に引き下げる。ピンボールやビリヤード、テーブルサッカーなどの年間課税額を、現行の1台当たり16~92ユーロ(約2380~1万3700円)から最高5ユーロ(約745円)とする。現地メディアなどによると、これらのゲーム機は、1999~2004年の間に税負担のため14万台が減少しており、ゲーム機からの税収を引き上げる狙いも込められているという。
 一方、来夏からすべてのパブと職場が全面禁煙となる英国では、パブに設置するスロットマシンの賞金額の上限が、来春までに現在の25ポンド(約5525円)から35ポンド(約7735円)に引き上げられる。禁煙によるパブ業界への売り上げ減少に配慮した措置で、これによりスロットマシンによる売り上げは約1割増えるとみられている。


2006/10/17 成人男性、29%が肥満=目標の倍-「健康日本21」中間実績・厚労省 (時事通信記事)

 厚生労働省は17日、厚生科学審議会の部会で、国民の健康づくりの指標である「健康日本21」の中間実績値を公表した。成人男性の肥満者は29%で、目標値の倍近くになっており、厚労省は「中高年男性は、食事と健康にもっと気を配ってほしい」としている。 健康日本21は2000年に策定。10年までの健康づくりの数値目標を掲げており、厚労省は、中間年に当たる昨年から中間実績値をまとめていた。今回の数値は、04年国民健康・栄養調査などで判明した調査結果から算出した。 栄養と食生活では、体重を身長の二乗で割った体格指数(BMI)が25以上の肥満者の割合は、20~60代男性で29.0%。2000年の基準値24.3%より逆に増え、10年の目標値(15%以下)の倍近くに達した。 一方、40~60代女性の肥満者の割合は24.6%で、2000年の25.2%より減り、目標値(20%以下)に近づいている。 成人の野菜摂取量(目標値1日当たり350グラム以上)は同267グラムで、2000年の同292グラムより減少
。牛乳や豆類の摂取量も同様に基準値より減った。 朝食欠食者の割合は、中学生、高校生、20代男性、30代男性とも増えている。特に30代男性の増加が目立った。 心の健康面では、ストレスを感じた人の割合は62.2%で、2000年の54.6%より増加。睡眠のため補助品やアルコールを使う人も17.6%いる。 運動面では、成人の一日の歩数は男性が7532歩、女性が6446歩で、いずれも減少。たばこについては、分煙実施率が公共の場でおおむね100%だったのに対し、職場では55.9%と、分煙が進んでいない実態がうかがえる。


2006/10/17 たばこ業界、無害たばこ開発進む (フジサンケイ ビジネスアイ記事

 たばこの有害性に対する意識が世界的に広がるなか、たばこメーカーが有害物資の削減や無害たばこの研究開発を進めている。
 英公共放送BBC(電子版)によると、世界2位の英ブリティッシュ・アメリカン・タバコが、ケンブリッジとサウスハンプトンにある拠点で150人の科学者を投入したばこの有害物質を取り除く研究を行っている。
 BBCによると、同社のデビット・オライリー事業部長は「たばこの煙には約100種の毒物を含め3000~4000種類の物質があり、この中から毒物の数を減らすことが目標」と話す。
 大手各社は数百万ドルを投じ、まったく人体に悪影響を与えない“無害たばこ”の開発も進めている。実現すれば、世界で広がっている禁煙政策が解禁される可能性もあるが、当面は、現状のたばこ製品の中から有害物質を極力除去することで市場のニーズに応える。
 一方、AP通信によると、米大手RJレイノルズは、未成年者の喫煙を防ぐため、キャンデーやフルーツ、デザート、アルコール飲料などの言葉が商品名に使われている風味付きたばこの販売を中止する。
 2005年に実施した米調査によると、1カ月の調査で風味付きたばこを喫煙した人は、25歳以上で6%に過ぎなかったのに対し、17~19歳の喫煙者では20%に達しているという。
 風味付きたばこは若者の喫煙を誘発させる原因として社会問題になっており、同社も問題改善に向けて企業責任を果たすことにした。


2006/10/17 がん死亡者減り続ける 米国、喫煙率低下 (東京新聞記事

 米国でがん死亡者が減り続けていることを、北米がん中央登録所協会などが専門誌「キャンサー」に発表した。
 一九九三年から二〇〇三年までの米国のがん死亡率は、平均して男性は年1・6%ずつ減少。女性は0・8%ずつ減少していた。原因は、早期発見や医療の進歩のほか、喫煙率の低下が大きく寄与しているとみられる。米国男性の喫煙率は〇三年には23%と、ピーク時に比べ半減している。しかし女性の喫煙率の減少は男性ほどでなく、がん死亡も男性ほど減っていない。
 日本のがん死亡者は増加に歯止めがかかっていない状況。〇三年の喫煙率は男性48%、女性14%で、一層の禁煙推進が望まれるところだ。


2006/10/16 イタリアGP、タバコ広告禁止を無視 欧州委員会が裁判所に提訴 (F1-Live.com記事

 F1グランプリのホスト国であるイタリアが、欧州全土に課せられているタバコ広告禁止を無視したとして、欧州委員会はこの問題を欧州裁判所に提訴した。
 イタリアに対し、欧州委員会は“理由書付き意見書(法律の順守を求める公的な警告書)”を送付し、法的措置をとったのだ。同様の意見書は、以前、同じくグランプリホスト国であるハンガリーとスペインにも送られていた。
 また同じ問題で、すでにドイツは裁判所に結論が委ねられている。
 同委員会の保健・消費者保護担当委員、マルコス・キプリアヌは次のようにコメントした。
「今回の決定は、タバコ広告を決して許さないという委員会の姿勢を強調するものであり、それがF1であろうと他のイベントであろうと問題ではない」


2006/10/16 未成年はタバコを買えません! (西日本放送記事

 未成年者の喫煙を減らそうとある取り組みが始まります。
 これからはお金だけではタバコを購入できなくなります。
 日本たばこ協会等が2年後の全国導入を目指しているのがICカードで成人であるかを識別するシステムが備わった自動販売機です。
 今日、販売者対して説明会が開かれました。
 再来年の5月からは香川県内にある全てのタバコの自動販売機に導入されますが大人でもこのICカードがないとタバコの購入ができなくなるためタバコの販売量はさらに減少することが予想されています。
 タバコ業界が自らの身を切ってまで導入せざるを得なかった背景には未成年者も簡単に購入できるとの批判が強まっていることがあります。
 しかし、カードの貸し借りなどの抜け道はあり、実効性については不透明な部分も残っています。


2006/10/16 公共スペース全面禁煙化、来年2月に前倒し 仏首相 (産経新聞記事

【パリ支局】フランスのドビルパン首相はこのほど、民間ラジオ・テレビの番組で2007年2月から公共の場での全面的禁煙を実施すると述べた。例外的にレストラン、カフェ、ホテルなどには約1年間の猶予期間を与え、08年1月から実施する。違反者は75ユーロ(約1万1250円)、違反した場合は、その施設の責任者に150ユーロ(約2万2500円)の罰金が科せられる。 
 首相は年間6万人が直接、間接的にたばこで死亡している事実を重視。国民議会(下院)が3日に採択した来年9月からの公共の場での「全面的禁煙」を前倒しすることを決めたという。禁煙に関する政令は近く発布される。
 フランスでは1974年に学校など一部公共施設での禁煙を規定した法律が制定され、91年の飲酒に関する法律とともに、レストランなどで「禁煙席」と「喫煙席」の設置などが規定された。
 欧州では英国が来年下期からの公共の場での全面的禁煙を決めているほか、北欧やイタリア、スペインは現在、全面禁煙となっている。【2006/10/16 大阪夕刊から】


2006/10/16 喫煙率の引き下げの数値目標を新設…厚労省3案諮問 (読売新聞記事

 厚生労働省は16日、たばこを吸う成人を減らすため、2010年度までに達成すべき喫煙率の引き下げの数値目標を新設する方針を固めた。
 04年現在で男性43・3%、女性12・0%の喫煙率を、〈1〉男性30%・女性10%〈2〉男性35%・女性10%〈3〉男性25%・女性5%――以下に引き下げる3案を検討している。近く3案を厚労相の諮問機関・厚生科学審議会に示し、年内にも目標値を一つに絞って公表する。
 3案の目標値はそれぞれ、〈1〉「たばこをやめたい」と考える喫煙者がすべて禁煙できた場合〈2〉禁煙に自信のない人を除き、禁煙したい人がすべて禁煙できた場合〈3〉1997年調査の喫煙率を半減させた場合――から導き出した。
 喫煙率の目標は、適正体重や運動習慣、飲酒量などの目標を定めた00年度からの10年計画「健康日本21」の中間見直しを06年度中にも行う際に追加する。
 厚労省は、目標達成に向け、喫煙率が上昇傾向にある20~30歳代の女性の禁煙や、民間企業と連携した建物内の禁煙を促進する。たばこ価格の値上げの機運を高めることも検討する。
 男性の喫煙率は下落傾向が続く一方、女性は01年以降、やや上昇傾向にある。欧米主要国と比べると、日本は男性の喫煙率が最も高く、女性は最低だ。
 健康日本21は、計画策定時にも数値目標が検討されたが、「個人の嗜好(しこう)品にまで国が関与すべきではない」との反対意見が業界などから相次ぎ、断念した。たばこ広告の制限などを盛り込んだ多国間条約が05年2月に発効したことなどから、厚労省は「数値目標に理解が得られる状況が整った」と判断した。


2006/10/16 「サンキュー・スモーキング」(アメリカ) この時代に超過激「タバコ大作戦」 (読売新聞記事

 タバコの害毒について今さらとやかく言うのもはばかれるほど、嫌煙ムードが高まっている。15年ほど前、ロサンゼルスの新聞社を訪れたとき、全館が禁煙で、わずかに正面玄関の脇にポツンと円筒状の灰皿が置かれていたのを覚えている。それほど毛嫌いされているタバコなのに、売る側は利潤追求の姿勢を崩そうとはしない。いったいそこにはどんな思惑が隠されているのか、タバコ産業を代弁する敏腕広報マンによる型破りな宣伝作戦と周囲を巻き込んでの大騒動のてんまつを追う。
 この広報マン(アーロン・エッカート)、生まれつきの口達者で、嫌煙派退治の急先鋒。相手が上院議員(ウィリアム・H・メイシー)でもガン患者でも、タバコと病気の因果関係がいまだにはっきりしないことを逆手に取り、相手を言葉巧みに丸め込む。そのうえ、業界の黒幕(ロバート・デュバル)の指示でハリウッドの映画スターにタバコを吸わせ、タバコ漬けだったガン患者をも買収する強硬作戦に出る始末。どこまでも強気なのだ。
 ただし、嫌煙派にパンチを食らわせる弁舌は、さわやかというにはほど遠く、急場しのぎのかなり苦しい言い訳のように聞こえる。そんな詭弁を弄する筋金入りのペテン師の右往左往ぶりは、まさにタバコに振り回される現代人の空騒ぎといったらいいか。過激な嫌煙団体に拉致されたり、女性記者との不適切な関係を暴露されたり。とにかく常軌を逸した毎日で、心を休める暇もないのだから。
 そんな中で終始笑いに包まれるのは、「タバコ」に加えて「アルコール」に「銃器」というアメリカの3大「死の産業」の広報担当3人の飲み会。週1回、愚痴をこぼし合う席だけに、本音の中に皮肉を込めたせりふが光る。
 脚本・監督は「ゴーストバスターズ」のアイバン・ライトマンの息子のジェイソン。父親譲りのコメディーの才能は認めるものの、頂門の一針といかないところは残念至極。軽い笑いでお茶を濁すのではなく、もっと突っ込めば風刺の利いたブラック・コメディーになったのに。なんだかタバコの毒に侵されたようであり、煙に巻かれたようでもあり。
 ――東京・日比谷のシャンテ・シネほかで公開中。(映画評論家 土屋好生/読売ウイークリー2006年10月29日号より)


2006/10/15 喫煙率、男子高生減少、女子高生は変わらず  韓国 (innolife.net記事

 男子高校生の喫煙率が、減少傾向にある一方, 女子高校生の喫煙率はほとんど減っていないことが明らかになった。国会保健福祉委員会所属、開かれたウリ党のキム・チュンジン議員は今日、韓国禁煙運動協議会などの実態調査資料で男子高校生の喫煙率は去る1991年32.2%から去年歴代最低である15.7%と半分近く減ったと明らかにした。
 1990年代初盤だけでも 30%台を維持した男子高校生の喫煙率は1995年に26%に落ちたのに相次ぎ、2004年には10%代の15.9%まで下落した。しかし女子高校生は去年6.5%の喫煙率を記録して1991年の2.4%に比べ3倍ほど増加し、最近3年間平均7.2%に比べ小幅減少するなど足踏み状態を見せている。
 キム議員は禁煙教育の影響で、男子高校生たちの喫煙が減る傾向だが、女子高校生の場合、むしろ深刻になっていると説明した。


2006/10/14 東京競馬場のパドックが禁煙に (netkeiba.com記事

 11月4日(土)から始まる第5回東京競馬開催より、東京競馬場のパドック周辺が禁煙化されることが明らかになった。
 禁煙範囲はパドック周辺。パドックの周りにオレンジ線が引かれ、その線より内側が禁煙となる。加えて、パドックビジョン前通路および、パドックビジョン下も禁煙化される。


2006/10/13 路上喫煙ゼロに向けて 武蔵小杉駅周辺でも対応一層強化へ (タウンニュース記事

 川崎市は2006年4月に施行した「川崎市路上喫煙防止条例」に基づき、10月1日から武蔵小杉駅周辺を含む市内5ヶ所で、悪質な路上喫煙者に対して、過料徴収を開始した。
 この条例は多数の歩行者が行き交う駅前で、たばこの火によるやけど事故などを防ぐことを目的に制定された。これまで市は、条例を施行した4月から9月までの半年間を周知期間と位置づけて、重点区域の各駅周辺に計10ヶ所の指定喫煙場所を設けた他、指導員による巡回活動などを実施。これにより、路上喫煙者数と全通行量に対する路上喫煙者の割合は、4月178人で1・8%、5月122人で1・1%、9月は72人で0・8%となっており減少傾向を示した。そして、この10月から、指導員の注意や指導に従わない場合や、路上喫煙を繰り返す悪質な違反者などに対しては2千円の過料徴収を予定通り開始した。しかし、10月10日現在では、まだ市内での適用者はいないという。
武蔵小杉駅周辺では…
 区内の武蔵小杉駅周辺での路上喫煙者は4月37人、5月36人、6月30人と減少。しかし8月は11 人、9月は17人とやや増加傾向なだけに区役所の担当者は「条例は徐々に浸透してきているが、悪質な違反者には今後、ますます厳しい対応をしていく必要がある」と話す。また、「マナーを守り、モラルを持って、路上喫煙は絶対にやめてほしい」とも呼びかけている。
 路上喫煙防止の事業には5900万円の予算が投入されているが本来、路上喫煙は個人のマナーに委ねられるところが多いため、税金を投入しなくてもよいのではという声もある。だからこそ、市では路上喫煙ゼロを目指し、徹底して取り組んでいくとしている。


2006/10/12 喫煙する3歳児の報道に非難の声殺到 (エクスプロア中国記事

 数日前に報道された、喫煙をする3歳男児に関するニュースが市民の間で大きな波紋を呼んでいる。
 この男児は、数日前から天津市内の工場で働き始めた湖北省出身の若い夫婦の子供。何がきっかけでたばこを吸い始めたのかは分からないが、たばこを持つ手つきや、鼻から煙を気持ちよさそうに吐き出す様子は相当熟練しており、今では一日に1箱近く吸っているという。時にはそばにいる大人にたばこをせがみ、両親もさほど意に介す様子はない。
 この報道に対する市民の反応は大きく、両親をはじめ、この男児の周りにいる大人を激しく責める抗議の電話が相次いでいる。
 専門家によると、男児に禁煙指導を行い完全にたばこをやめられるまでには2ヶ月くらいかかると見ている。まずは男児を喫煙環境から完全に離し、せがまれても絶対に与えない必要がある。そして我慢できた場合には男児の好きな食べ物やおもちゃなどを与えて十分にほめてあげるようにする。我慢できずに吸ってしまった場合は根気強く諭し、断固ご褒美を与えないようにするなど、きっちりとメリハリを付けて善悪の指導をしていくことなど、専門家はアドバイスしている。


2006/10/12 ベニト・マルチネスさん死去=126歳、世界最高齢とされる男性-キューバ (時事通信記事)

 ベニト・マルチネス・アボガンさん(世界最高齢とされる男性)11日、キューバ中部の病院で死去、126歳。関係者によると、肺炎と心臓疾患で先週から入院していた。 1880年、ハイチ南西部生まれ。1925年キューバに移住し、サトウキビやコーヒーの農園で働いたり、道路建設に従事したりした。 関係者によれば、田舎暮らしで野菜を多く食べ、タバコは吸わなかった。コーヒーは毎日欠かさず飲み、時にラム酒もたしなんだ。晩年は生まれ故郷のハイチに帰るのを夢見ていた。(ハバナAFP時事)


2006/10/12 教職員の喫煙率、校長吸うと高め 栃木県医師会が調査 (朝日新聞記事

 学校でタバコを吸わない先生たちが増えていることが、栃木県医師会の調査で明らかになった。一方で、校長が喫煙者の学校は非喫煙者の学校よりも職員の喫煙率が高く、敷地内禁煙の徹底ぶりが低い傾向にある。県医師会では「子どもたちにとって先生たちは身近な大人。新たな喫煙者を増やさないためにも、更に禁煙を進めて欲しい」と呼びかけている。
 調査は06年5月に県医師会が県内全域の小・中・高校、養・聾(ろう)・盲学校に対して行ったアンケートをまとめたもの。計680校のうち、約88%にあたる595校から回答を得た。回答した職員の合計は1万6917人だった。県医師会は03年にも同様の調査を696校に行い、約86%の597校の回答を得ている。
 調査の結果、学校職員全体の喫煙率は03年の14.3%から06年には12.7%まで減少。小学校、中学校、高校と養・聾・盲学校の四つの区分すべてで喫煙率が下がっていた。「喫煙者への社会の目が厳しくなったことで、禁煙への一定の理解が得られ始めている」と県医師会では見ている。
 今回の調査では、校長が喫煙者かどうかが学校全体の禁煙の進み具合にどう影響を与えているのかを調べた。校長が喫煙者の学校では職員の喫煙率は15.9%、非喫煙者の場合に比べて4ポイント高い。小・中・高などの区分別に見ても、程度の差こそあれ、すべて高い喫煙率を示している。「先生は異動も多いので極端な数字は出にくいはずだが、それでもこういった差が出た。校長が喫煙者の場合は学校全体が禁煙に消極的になる傾向がある」(栃木県医師会)
 さらに、校長が喫煙者の小学校では学校敷地内の全面禁煙が実施されている割合が76.4%。非喫煙者の場合より5ポイントほど低かった。
 敷地内禁煙を実施していない学校で理由を聞いた設問では、喫煙者の校長は「特に必要性を認めないから」「喫煙は個人の自由で、他人に迷惑をかけなければ強制はできないから」と答えた割合が高く、逆に非喫煙者の場合は「非喫煙者や保護者から特に要望がないから」などの割合が高くなる傾向にあったという。
 校長の喫煙率自体が03年の23.5%から06年には18.1%まで下がっていることからも禁煙は進んでいると見られるが、最近では若い女性職員の喫煙率が上がるなどの新たな問題も起きているという。県医師会では各市町教委を通じて、禁煙の推進を呼びかけている。
 一方、県医師会の調べでは、医師の喫煙率は03年度の20.2%から06年度に12.4%と、学校職員と同様の減少を示している。県健康増進課が03年にまとめた県民の喫煙率に関するデータでは、成人男性は47.7%、成人女性は11.7%。学校や病院の禁煙率は非常に高いようだ。
 ○全面禁煙には戸惑い 一服は体育館裏 宇都宮東高
 「すいがら収集缶」。体育館の裏手、白抜きでそう書かれた真っ赤な缶の周辺が、宇都宮東高校(宇都宮市石井町)では喫煙者の最後の砦(とりで)だ。授業の合間に、たばこを吹かしていた男性教諭2人は「吸える場所があるだけでもありがたい」と苦笑いした。
 かつては教職員室内でたばこを吸う姿がよく見られたが、時代は変わった。同校も含め、分煙を実施している学校の多くは、屋内は全面禁煙とし、人目につきにくい屋外にスペースを設けているようだ。
 健康上の理由で最近禁煙したという古沢利通校長は「においもあるし、室内の禁煙は致し方ない」と話す。しかし敷地内の全面禁煙については「吸う吸わないのは本人の嗜好(しこう)の問題。他人に迷惑をかけないなら『やめなさい』とは言えない」としている。
 先生たちの喫煙が子どもに悪影響を及ぼす懸念については「子どもに吸うなと指導する立場だから教員も吸うなというのは違うと思う」と懐疑的だ。「責任を背負っている大人と、子どもは違う。それはきちんと示した方が良い。『大人になったら出来ること』というものがはっきりしなくなって、責任だけ増えるかたちになるから『大人になりたくない』という若者も増えているのでは」と話す。
 その一方で、県医師会のデータについては「吸わない校長先生の方が、禁煙を徹底しようとすることはあるかもしれない」と話し、小学校での喫煙率の差には「だいぶ違いますね」と驚いた。
◆学校長の喫煙と教職員の喫煙状況の関係
                03年度  06年度
全体
 校長が喫煙者の場合  17.4% 15.9
 校長が非喫煙者の場合 13.2  11.9
小学校
 校長が喫煙者の場合  14.3  13.2
 校長が非喫煙者の場合  8.9   7.6
中学校
 校長が喫煙者の場合  20.6  17.6
 校長が非喫煙者の場合 17.4  14.5
高校
 校長が喫煙者の場合  19.5  19.4
 校長が非喫煙者の場合 19.9  19.1
養・聾・盲学校
 校長が喫煙者の場合  15.1  13.3
 校長が非喫煙者の場合 12.4  12.0


2006/10/10 家族の肺がん歴でリスク2倍=過度に心配せず禁煙を-厚労省研究班 (時事通信記事)

 家族が肺がんになったことのある人は、そうでない人に比べ肺がんのリスクが約2倍であることが、厚生労働省研究班(主任研究者・津金昌一郎国立がんセンター部長)の大規模疫学調査で分かった。 研究班は1990年から93年にかけ、全国10地域の40-69歳の男女約10万2000人を調査。両親か兄弟姉妹に肺がんになった人がいるのは約2%だった。 その後、2003年まで追跡したところ、791人(男性584人、女性207人)が肺がんを発症。家族に肺がん歴のある人が発症する危険性は、ない人の約2倍に上った。男性では1.7倍、女性は2.7倍で、女性の方がこの傾向が強かった。 また、肺がんの種類では、喫煙と関連の強い扁平(へんぺい)上皮がんで2.8倍と顕著だった。  研究班は「遺伝的要因だけでなく、同じような生活習慣を共有するためなど、さまざまな可能性が考えられる。家族歴で過度に心配する必要はなく、現時点で予防に最も有効なのは禁煙」としている。


2006/10/10 仏、07年2月から公共の場で禁煙に (日本経済新聞記事

 フランスで2007年2月から駅や学校、役所、店舗など公共の場での喫煙が全面禁止となる。ドビルパン首相がラジオ番組で政令改正などの方針を明らかにした。個人が違反した場合は75ユーロ(約1万1250円)の罰金を科す。レストランなどには猶予期間を設けて全面禁煙は08年からとした。
 禁煙法自体は1990年代初めに施行されたがあまり実効を上げなかった経緯がある。(パリ支局)


2006/10/10 JTが東京・秋葉原に喫煙スペース (産経新聞記事

 日本たばこ産業(JT)と東京都千代田区は10日、東京・秋葉原に共同で設置する無料喫煙所を報道陣に公開した。全国に先駆けて路上喫煙を禁じた千代田区とたばこを販売するJTだが「歩きたばこをしない環境づくりの重要性」で一致した。
 喫煙所は約40平方メートルで、区が新たに設置する有料トイレに併設される。秋葉原では、駅周辺の再開発やつくばエクスプレスの開通で乗降客が増えた。路上での喫煙が禁止されているため、喫煙所の設置を望む声が多かったという。
 16日正午にオープンし、毎日午前7時から午後10時まで開放される。JTの分煙技術により、同時に20人が快適に喫煙できる。


2006/10/ 8 善良な喫煙者のかたへ=居酒屋、昼間レストランの喫煙 (ライブドア・ニュース記事

【PJニュース 10月08日】- PJ藤原氏のオピニオン公共マナーの問題。悪徳スモーカーは許せない。で、マナーの悪いスモーカーを糾弾していた。悪徳と言うくらい、意識的に喫煙マナーの悪い人は論外として、PJが気になって、結構多いのは、レストランでのことだ。それも、夜は洋風居酒屋に早変わりするような、比較的小じゃれた小レストランだ。
 夜の居酒屋で、分煙になっていなくて、灰皿があれば、店が喫煙を許しているサインなのだろう。しかも、酒が入って、ガヤガヤやっていれば、まあ仕方がない。しかし昼時にそういう店に入って、1日のささやかな楽しみである昼飯を食おうとしたとき、隣に、サラリーマン風の4人がきて、きたとたんに、何人かがたばこに火をつけたとき。他に席が空いていれば移れるが、あいにく満席の時は、どうしようもない。席を立とうにも、料理がきている。仕方なく食べ始めると、そういうときは運悪くというか、煙がこちらに来るものだ。
 そうなると、料理の味が、たばこの煙の味に変わって、気分が悪いまま、ささやかな楽しみをうばわれることになる。やめてくれと言うのもちょっと勇気がいるし、第一、そのあとの気まずい気分を考えると、仕方なくそこで早々に食べて出て行くしかない。その人達は悪徳スモーカーと言うほどではない、普通のサラリーマンだ。ただ、自分勝手なと言うのが付く。
 何とかたばこを吸い終わったかと思うと、すぐ次のをつけて煙のとぎれることがない。そのうち、自分たちの料理がきて、食べるときは当然たばこを消す。自分が食べるときはたばこは消しているのだから、自分の煙が人に迷惑をかけることは、まったく感じていない。自分の会社は禁煙になって、たばこを吸えないのかも知れない、ほうぼうで禁煙となり、吸うところがなく、リラックスして、座ったとたんに吸いたくなるのかも知れない。
 しかし、リラックスしたいのは、自分だけではないのだ。食事をしたあとの一服がうまいだろうことは、たとえ肺ガンリスクと引き替えにしても、吸っている様子で想像が付く。それは、仕方がないだろう。せめて、自分の煙が、他人の食事をじゃましている、という意識を持ってもらいたいものだ。それが、マナー、エチケットだ。
 夜は居酒屋かも知れない店も、せめて、昼飯時ぐらいは灰皿をなくし、料理の味で勝負してもらいたい。禁煙にすると、客が来なくなると言うなら、昼飯時は禁煙という張り紙でもして、意思表示をしてもらいたい。たばこを吸う人は来なくなるかも知れないが、味が良くて禁煙なら、たばこに弱い人たちがきてくれるはずだ。
 誰だって、昼飯時に、煙で味の変わった料理を食いたくはないだろう。善良な喫煙者の皆さんにお願いしたい。


2006/10/ 5 米ファイザー、「チャンピックス」を禁煙治療薬として欧州委員会が承認 (日経プレスリリース記事

ファイザー社の「チャンピックス(R)(一般名:バレニクリン)」 禁煙治療薬として欧州委員会が承認
ニューヨーク、9月29日付 -ファイザー社は、本日、欧州委員会(EC)がチャンピックス(一般名:バレニクリン)を承認したと発表しました。バレニクリンは禁煙のための新規の医薬品です。さらに、喫煙者が禁煙に成功するためには十分な禁煙支援の提供が必要なことから、バレニクリンは患者さんを支援するためのプランと併せて発売されます。このプランは喫煙者が禁煙を試みる際,喫煙の誘惑に打ち勝てるよう、患者さん各々がカスタマイズして使用することが可能です。
 喫煙は慢性・再発性の病気であり、身体的・心理学的なニコチン依存を伴います。欧州だけでも、毎年120万人以上が喫煙関連疾患で死亡しています。健康への悪影響のみならず、喫煙には有意な社会的・経済的コストが関与します。世界保健機関(WHO)は、タバコ関連疾病の年間のグローバルコストは2010年までに約5,000億ドルに達し、うち欧州が少なくとも1,650億ドルを占めるものと予想しています。大半の喫煙者は喫煙に重大な健康リスクが関与するということを認識していますが、研究によれば、適切な行動療法と周囲の支援がなければ、大半の喫煙者は禁煙を試み始めてから数日で喫煙を再開し、禁煙を維持できるのは少数に過ぎません。
 ファイザー社メディカル部門のマイケル・ベレロウィッツ博士(Dr. Michael Berelowitz, Pfizer Worldwide Medical)は次のように述べています。「バレニクリンは、禁煙治療を目的に創薬された、ユニークで新しい治療薬です。喫煙者は簡単にはタバコを止められませんが、それはタバコに含まれているニコチンへの依存症となっているからなのです。これまでの研究では、行動についてのカウンセリングと薬物療法を組み合わせれば、支援なしに禁煙を試みるよりも、より効果的で費用対効果も大きいということが示されています。こうしたニーズに応えるため、ファイザー社では、新しい治療薬の提供に加えて、カスタマイズされた行動的支援を提供することとしました。それが今回の行動療法プログラムであり、禁煙のプロセスにおいて喫煙者を支援するよう設計されています」。
 バレニクリンはファイザー社が発見・開発した禁煙治療のための医薬品です。この薬は喫煙者のタバコへの欲求やニコチンからの離脱症状(禁断症状)を緩和し,さらに、服薬中の患者さんがタバコを吸っても、バレニクリンが喫煙から得られる満足感を抑制します。バレニクリンの持つこの2つの作用により,ニコチン依存症に打ち勝つことを支持するのです。
 欧州の多くの国々では、政府のタバコ規制政策を変更して、禁煙を望む喫煙者を支援する環境作りを目指しています。こうした政策には、タバコの広告やスポンサーシップの禁止、公衆衛生に対する警告の表示の強化、レストラン、バー、パブを含むあらゆる公共の場での喫煙禁止などが盛り込まれています。職場での全面的な禁煙はすでにアイルランド、イタリア、マルタ、ノルウエー、イングランド、スコットランド、ベルギー、リトアニアで承認されており、同様の政策がフランスやドイツなどの国々で検討されています。
 パリにあるピチエ・サルペトリエール病院の集中治療部門のベルトラン・ダウツェンベルグ教授(Professor Bertrand Dautzenberg, Service of Intensive Care, Hospital Pitie-Salpetriere, Paris)は次のように述べています。「公衆衛生キャンペーンによって喫煙が健康に及ぼす弊害が広く理解されるようになり、喫煙者に対する教育的効果から禁煙への志向が高まっています。さらに、欧州で禁煙政策が普及した結果、禁煙を試みる喫煙者が増え、禁煙治療を必要としています。革新的な治療薬バレニクリンの承認により、ヘルスケア専門家と喫煙者は困難であるが克服すべきニコチン依存症と優勢に戦うことができるようになります」。
 バレニクリン承認の根拠となったのは、およそ4,000名の喫煙者を対象に実施された4つの主要臨床試験を含む包括的な臨床試験です。対象となった喫煙者は,平均1日21本のタバコを平均25年間吸っていました。ほぼ同一のプロトコール下に実施された2つの臨床試験において、バレニクリン12週間、1日2回各1mgの投薬を受けた被験者は、12週間の投薬の最後の持続禁煙率がプラセボ群のほぼ4倍で、対象薬として用いたブプロピオンSR群の2倍近くになりました。   これらの臨床試験に参加した患者さんには、禁煙のための教育用資料が配布され、受診毎に簡単な禁煙カウンセリングを受けました。12週間の投薬終了後も40週間にわたって禁煙状況をフォローアップされました。1年後の時点で、バレニクリンの12週間投与を受けた患者さんのうち,5名に1名が禁煙を維持していました。また、バレニクリンの12週間投与を終えた時点で禁煙した患者さんは、さらに12週間バレニクリンの延長投与を受けると長期的に禁煙に成功する確率が高まりました。
 全試験を通じて、バレニクリンの忍容性は良好であり、脱落率はプラセボ群と同等でした(バレニクリン群11.4%,プラセボ群9.7%)。最も多かった副作用は吐き気、夢の変調、頭痛、不眠、便秘、腹部膨満感、嘔吐でした。
 バレニクリンは禁煙治療薬として米国食品医薬品局(FDA)2006年5月に承認されており,現在, チャンティックス(TM)(Chantix(TM))の製品名で発売されています。日本では本年6月に製造販売承認申請を行いました。
以上
ブプロピオンSR(bupropion):製品名 ザイバン(Zyban)、日本国内では未承認。データが示すところによると、バレニクリン(1日2回各1mg)による治療を受けた患者さんの約44%が12週間の治療期間が終わるまでに禁煙しました。これに対し、ブプロピオンSR(1日2回各150mg)群では30%、プラセボ群では18%でした。


2006/10/ 5 仏、来年9月から公共の場全面禁煙 (テレビユー福島記事

 フランスは、これまでヨーロッパの中でも喫煙に寛容な国として知られていましたが、来年9月からは、カフェなど人の集まる場所での全面禁煙が実施されることになりそうです。
 フランスの国会調査委員会は、カフェや駅など公の場所での喫煙を全面禁止にする勧告をまとめました。
 このカフェでは、禁煙席を設けるなどタバコ対策を進めてきましたが、全面禁煙には不安を抱いています。
「客が減りそうで心配です」(カフェのマネージャー)
 しかし、客のタバコの煙の中で仕事をせざるを得ない接客担当の従業員は、全面禁煙を歓迎しています。
「喫煙しないのに、健康診断で医師に禁煙するよう注意される仲間がいます。」(カフェの接客担当)
 国会の調査委員会が重視したのは、こうした受動喫煙の被害です。フランス厚生省では、本人が吸わなくても他人の吸うタバコによる受動喫煙で、年間5千人が死亡していると見積もっています。


2006/10/ 4 飲食店禁煙化は「例外なし」 仏下院調査委が結論 (朝日新聞記事

 飲食店の全面禁煙化を検討してきた仏国民議会(下院)の調査委員会は4日、最終報告書を公表した。(1)遅くとも07年9月1日までに政令で全面禁煙を実施(2)業種による例外は認めない(3)店が密閉された喫煙室を任意に残すことは認める、が柱。これを受け、仏政府は全面禁煙化の段取りを近く発表する。
 全面禁煙化は、非喫煙者と飲食店員の健康を守るのが狙い。このため「密閉された喫煙室」には従業員は立ち入らず、お客は一切のサービスを受けられない。
 たばこ店兼業の飲食店(バータバ)業界は禁煙化の先延ばしを求めていたが、報告書は特別扱いを認めない代わりに、禁煙化が業界に与える経済的打撃を追跡調査することを盛り込んだ。
 一方、ドブレ下院議長は3日、127年の歴史を持つ院内のたばこ店を07年初めに撤去すると発表した。


2006/10/ 4 ルノーに新タイトルスポンサー オランダの大手銀行に決定 (F1-Live.com記事

 ルノーは、マイルドセブンに代わる新たなタイトルスポンサーを見つけたようだ。
 タバコ広告禁止を受けて、日本のマイルドセブンは今季限りでF1から撤退するため、ルノーはタイトルスポンサーを失うことになっていた。
 しかし、今回、マーケティングマネジャーのジェイソン・キャンベルが、新契約を取り付けたのだ。
 来季から数年にわたって、ルノーのタイトルスポンサーを務めるのは、オランダの大手銀行『ABN AMRO』。今週にも正式な発表があるとのこと。
 マクラーレンも同銀行の資金に関心があったとされるが、来季のタイトルスポンサーにボーダフォンが決定しているため、広告掲示という物質的保証ができなかったのだ。
 来季から、イエローではなくダークグリーンのシートがブルーの車体に取り付けられることになる。
 マイルドセブンの年間契約料は、500万ドル(約5億9,000万円)と推定されている。


2006/10/ 4 11月16日からハワイが全面禁煙に (スポーツニッポン記事

 米ハワイ州が今年11月16日から、公共の場所を全面禁煙とする“新禁煙法”を施行する。喫煙可能な場所は個人の住居内やホテルの喫煙室など、ごくわずか。05年にハワイを訪れた日本人は約152万人。愛煙家は開放的なリゾート地で肩身の狭い思いを強いられることになりそうだ。
 ハワイ全域で喫煙を禁じる「新禁煙法」の施行に伴い、11月からは“常夏の空間でちょっと一服”とはいかなくなりそうだ。
 禁煙区域は、ショッピングセンター、公共交通機関、ホテルのロビーなど。公共建築物などの出入り口から20フィート(約6メートル)の範囲も禁煙場所に指定されるなど、屋内外問わず、厳しく制限される。ハワイ州観光局は「原則としてビーチでの喫煙もできなくなるだろう」と説明した。
 喫煙が認められるのは個人の住居とホテルの喫煙室、民間もしくは半官半民の老人ホームなど限られた場所だけだ。
 違反者は個人で最大50ドル(約5900円)、法人は最大500ドル(約5万9000円)の罰金が科せられるとあって、国内の旅行代理店は、渡航者向けの案内を開始。JTBではパンフレットとホームページ(HP)で注意を呼びかけている。
 一方、近畿日本ツーリストは年末年始用パンフレットに同法の説明の記載が間に合わず、口頭などで案内。個別に案内用紙を配布して注意を喚起する。施行前とあって、大手旅行代理店関係者は「今のところ、キャンセルや目立った混乱はないが、旅行者に事前案内をするように社内で周知徹底している」と話す。
 ハワイの各島では02~04年に順次“レストラン禁煙条例”を施行。適用はレストランなど食事を伴う施設のみだったため、今回の新法に対する愛煙家の反発は必至だ。
 ハワイ州観光局は「禁煙法の影響で旅行者が減るとは考えていない」としているが、今月20日ごろに決定する禁煙エリアの詳細では禁煙区域がさらに広がる可能性もある。97年に約220万人だった日本人旅行客は、米中枢同時テロの影響などで03年には132万人まで減少。05年に152万人まで増加したが、回復基調に水を差す恐れもある。同観光局は「厳しくはなるが、全く吸えなくなるわけではないので、旅行中は少し我慢をしてほしい」と話している。
 ≪ホテルの喫煙室数は20%≫新禁煙法では、ホテルなどの宿泊施設における喫煙室数の上限を客室数全体の20%までと定めている。観光局によると、ヒルトンは20%の喫煙室を設けることを予定。一方、マリオット系列は全館禁煙にすることを検討しているという。今後の動向を見た上で判断するホテルも少なくない。


2006/10/ 3 幼稚園から禁煙教育 県と市民団体、協力し授業 千葉 (朝日新聞記事

 幼稚園や小中学校などで喫煙による健康被害を教える千葉県の「防煙出前教室」が9月27日、始まった。未成年の喫煙は禁じられているが、「中学で喫煙している生徒がいる」(県健康づくり支援課)のが実態。市民団体の協力で、希望する園や学校で45分授業をする。小さいうちから、たばこの害を知ってもらい、将来の喫煙人口を減らすのが狙いだ。
 県によれば、就学前児や小学生を対象にした自治体主催の防煙教室は全国でも珍しい。初回は市川市の大町小学校(高瀬一男校長、児童203人)。すでに28の小中学校が希望しており、07年3月末までに順次、教室を開催する予定だ。
 講師は船橋市の市民団体「たばこ問題を考える会・千葉」のメンバー。初回の教室では、5、6年生の児童約75人に「しわができやすい」「背が伸びなくなる」「がんになりやすい」などと喫煙の弊害を解説していた。
 「たばこを1本吸うと、寿命が約5分30秒縮むという研究結果がある」。メンバーの説明に、児童らは「え~」と驚いていた。
 6年生の町田和海君は「たばこはお金もかかるし、身体にも悪い。将来は絶対吸わない」。親が喫煙する5年生の大橋佳奈さんは「親が心配。帰宅したら、たばこをやめて、と言う」と話していた。
 喫煙の低年齢化は進んでいる。06年1月に県が県内の高校生約4千人を対象にアンケートした結果、「たばこを吸っている」「吸ったことがある」が2割強。吸い始めた時期については「中学生から」が半数で、「小学生から」も2割近くいたという。


2006/10/ 2 【ファンキー通信】若者がタバコを吸わなくなった本当の理由は!? (ライブドア・ニュース記事

 個人的にはタバコは吸わないのだが、それでも喫煙者は、ここ数年でかなり肩身がせまい思いをしているのではないかと感じる。駅構内、路上、オフィス・・・。コーヒーショップなどでは、以前は入り口付近に喫煙席がでーんとあって、端っこのほうにぽつーんと禁煙席があった気がするのだが、今では喫煙席がすみっこのほうに追いやられている。
 さらに、若者、特に男性が急速にタバコを吸わなくなっているのだ。インターネットを使ったリサーチを行うディムスドライブの『タバコとマナーに関するアンケート』の調査によると、30代・40代・50代男性の喫煙率は40%~43%であるのに対し、20代男性の喫煙率は25%。約15%も低くなっている。
 「1日に吸うタバコの本数について、21本以上吸う人は40代・50代男性の喫煙者で40%前後いるのに対し、20代男性喫煙者はわずか20%にとどまっています。煙草をやめたいと思っている人も若い世代には多いようです。若者の間に健康志向が広まったといえるのではないでしょうか」(インターワイヤード株式会社 ディムスドライブ事務局 三浦さん)
 30代以上の世代に比べて、今の20代はタバコの健康被害が社会問題になっている時代に育ったことが原因のひとつなのかもしれない。その原因なのかもしれない。また、流行・風俗に詳しいルポライターのIさん(32)は男性の喫煙者が減ったことに関してこう語ってくれた。
 「乱暴な言い方をしてしまえば、喫煙行為が女性にモテなくなったからじゃないでしょうか。昔はドラマや映画の主人公がかっこよくタバコを吸っていたシーンが流れていて、喫煙行為にはどこかダンディなイメージがありました。今のドラマにはタバコをかっこよく吸う主人公なんていないですよ」(Iさん)
 Iさんの説も一理あるかもしれない。ちなみに男性の喫煙率が大きく変化しているのに対し、女性の喫煙率は世代間であまり変わっていないのも面白い。
 同調査では喫煙者の約半数の52%がタバコをやめたいと思っていることも明らかになった。今後も喫煙者は減少の一途をたどりそうだ。


2006/10/ 2 オーストラリアもタバコ広告禁止 F1を含むすべてのスポーツ (F1-Live.com記事

 1日(日)、オーストラリアにおけるF1を含むすべてのスポーツで、タバコ広告を禁止することが決定した。
 1992年以降、同国内ではタバコ企業のスポンサーシップを禁止するという法律が施行されたが、連邦厚生省はF1レースなどを特例として扱ってきていたのだ。
 それゆえ、オーストラリアGPではタバコ広告を掲載できていたのだが、メルボルンが開幕戦の座を取り戻した2007年から、アルバートパークにおけるすべてのタバコ広告が禁止されることになった。
 厚生省政務次官のクリストファー・パインは、「この先、オーストラリアではどのスポーツでもタバコ広告が目に付くことはないだろう」とコメントしている。


2006/10/ 1 静岡路上禁煙スタート、中2男子街頭活動 (日刊スポーツ記事

 「歴史ある通りをみんなが楽しく歩けるようになれば」-。指定区域での歩きたばこを禁止する静岡市の条例が1日施行され、条例制定のきっかけとなる請願をした同市の中学2年大石悠太君(13)が、街頭で路上禁煙を呼び掛けた。
 ぜんそくの持病がある大石君は、たばこの煙で発作を起こした経験から昨年、路上禁煙条例の制定を求める請願を市議会に提出。全会一致で採択され、条例化が実現した。
 同市葵区の啓発イベントに参加した大石君は「大好きな静岡の街が、美しい国のシンボルになってほしい」と話し、街頭で歩行者にパンフレットを配った。
 条例は、人通りが多い中心商店街での路上喫煙を終日、禁止する内容。来年4月からは、違反者から2000円の過料を徴収する。


2006/10/ 1 東工高生、禁煙看板を製作 高知・春野中学に2日設置 (徳島新聞記事

 県立徳島東工業高校(徳島市大和町二)インテリア科の生徒が、高知県春野町教委の依頼で、禁煙を呼び掛ける看板を製作した。発光ダイオード(LED)を組み込んで夜間でも光るようにするなど工夫、三カ月がかりで仕上げた。二日に春野中学校を訪れ、設置する。生徒たちは「自分たちの作った作品が役立つのはうれしい」と喜んでいる。
 作ったのは、三年生山富有城君(17)、松本裕紀君(17)、二年生三木健君(16)、一年生桑原昂志君(16)の四人。同科の日下信也教諭(54)の指導を受け、六月中旬に取りかかった。授業や放課後のほか、夏休みを利用して、デザインから組み立て、防腐加工まで、すべて手作業で完成させたという。
 看板は、スギの丸太を組み合わせた大型(高さ一・三メートル、幅一メートル)と小型(高さ一・二メートル、幅八十センチ)の二種類。それぞれ中央に赤い文字で「敷地内禁煙」と記した白いアクリル板を固定、裏面にLED約三十個を配置した。暗くなるとセンサーが働き、禁煙マークと文字が夜通し光る。太陽光発電で省エネルギーも図っている。
 日下教諭は、三月まで勤務していた貞光工業高校で同様の看板を製作。これを知った春野町の井澤武大教育長(66)が、中学校武道館を利用する町民に呼び掛けようと、製作を依頼した。
 山富君らは「初めは丸太を扱うのが難しく感じたが、次第に授業より面白くなった」と満足そう。
 経費は予定の三倍ほどかかったものの、日下教諭は「物作りの楽しさや社会に貢献する喜びを分かってもらえてよかった。今後も製作の要望があれば対応したい」と話している。


2006/10/ 1 過料は1万円以下、路上喫煙防止条例を施行=埼玉・新座 (ライブドア・ニュース記事

きょう、10月1日から埼玉県新座市でも路上喫煙防止条例が施行される。これにより、東武東上線の志木駅やJR武蔵野線の新座駅周辺など、人通りの多い場所を中心に、喫煙ができない特定区域が指定され、その区域内における路上での喫煙は終日禁止されることになった。
 もしも「路上喫煙禁止地区」の道路上でたばこを吸った場合であるが、巡回中の指導員が注意をして、たばこの煙を消すように注意するそうだ。気になる過料のほうはどうかというと、条例では、1万円以下の過料に処するとなっているようだが、注意することで、たばこのマナーが守れるならば、過料を科すことはないようだ。
 東京都内では、路上喫煙禁止の条例により、街中での禁煙対策が盛んであるが、埼玉県内でも、川口市が平成17年12月1日から「路上喫煙禁止地区」における路上喫煙そのものを禁止し、禁止地区内のパトロールを行い指導している。新座市もそれに続くことになるが、新座市の他に、朝霞市、志木市、和光市も路上喫煙防止条例が同時スタートとなる。
 タバコを吸わない方々は、いかなる状況でも、タバコの煙など絶対に吸いたくない、という意見をお持ちの方も多いのではないだろうか。とは言っても、バス停などで、たまたまタバコを吸う人と居合わせた場合、その人に向かって「やめてくれ」とは正直言いづらいものである。だからこそ、市や区などの路上喫煙禁止に関する条例は、大歓迎ではなかろうか。今回の新座市、朝霞市、志木市、和光市の同時取り組みのように、東京都内ばかりではなく、地域の路上喫煙禁止の取り組みに今後も大いに期待したい。


2006/ 9/30 スイスも全面禁煙まであと少し (swissinfo記事

 ジュネーブで提出された「全国の公の場で全面禁煙を求めるイニシアチブ」が、連邦レベルの討議に入った。
 このイニシアチブが通れば、職場、レストラン、バー、映画館、ショッピング・センターなどが全国レベルで禁煙になる。
 禁煙法は、今後ローザンヌにある連邦法廷での承認を待って、国民投票にかけられる見込みだ。具体的な日程はまだ明らかではないが、世論調査を見ると禁煙に賛成の人が多く、スイスでも隣国のイタリアに続き、全面禁煙は時間の問題となりそうだ。
受動的な喫煙も健康に害
 国民投票にかけられれば、法案が通る可能性は高い。各州政府は、公の場所で全面禁煙となった場合、喫煙ゾーンをどこに設けるかなど、法案可決後の対策について準備を始めなくてはいけないようだ。9月8日、連邦議会の健康諮問委員会はこのイニシアチブをよりさらに検討するために関係機関に送った。
 タバコは喫煙者だけが健康を害するわけではない。周りに喫煙者がいれば、受動的にタバコの煙を吸わされる人も間接的に喫煙することになる。この間接喫煙が問題となり、今回の法律改正の動きにつながった。諮問委員会が目指しているのは、一般的に間接喫煙から人々を守ることと、特に職場での喫煙を禁止することである。   
 このイニシアチブは、医者でもあるフェリックス・グツヴィラー議員によって議会に提出された。グツヴィラー議員によると喫煙者でない人も、長期にわたってタバコの煙を吸い込むことで、身体を壊す人が大勢いる。スイスではこのために毎日1人が亡くなっているほか、何千人もの人が病気になっている。
 この状況を改善するため、同議員は間接喫煙を予防する方法を雇用法に盛り込むことを要求している。
 政府によると、間接喫煙による経済的損失は推定で年間5億フラン ( 465億円 )。間接喫煙に反対する団体、「プロ・アエラ ( Pro aera )」が最近行った調査によると、10人のうち8人がグツヴィラー議員が提出した法案を支持している。
すでに全面禁煙に踏み切っている州も
 全国に先駆け、スイス南部のイタリア語圏ティチーノ州ではすでに州内の公共の場所を禁煙にしている。隣国イタリアではすでに全面禁煙に踏み切っているという事情もあり、ティチーノ州の住民投票では79.1%と大きな差をつけて禁煙を支持した。
 ティチーノ州では、レストラン、バー、ディスコやナイトクラブでも喫煙が禁止されている。このような施設のオーナーは、喫煙ゾーンを設けることはできるが、その際には換気を完璧にしなければならない。この禁煙法は今年3月に発効したが、オーナーが法律に合うよう施設を改築するまで1年の猶予期間が与えられている。
 全面禁煙に踏み切ったティチーノ州住民投票の結果は、事前に行われた世論調査で充分予測できた。世論調査では80%以上が禁煙を支持していた。
 禁煙についてこのように厳しい態度を取る州は今後も増えると見られている。フリブール/フリブルク、ヌーシャテル、ジュラ、チューリヒ、アールガウ、ザンクトガレン、ソロトゥルンなどでこの動きがある。
 18歳以下の若者にタバコを売ることを禁止する法律を、最初に設けたのはヴォー州である。現在、バーゼル、ベルン、グラウビュンデン、ルツェルン、ツーク、チューリヒなどが法律改正の手続きを行っている。
 スイス連邦鉄道は、去年12月12日から全面禁煙となっている。


2006/ 9/30 四国初「禁煙館」1日オープン-ホテル川六 (四国新聞記事

 香川県高松市百間町のホテル川六は、四国で初めて全館を禁煙にしたホテル「エルステージ禁煙館」を、一日オープンする。敷地内に鉄筋コンクリート十二階建ての建物を新設。館内に女性専用フロアも設けた。「禁煙ブーム」や「健康志向」を追い風に、新たな顧客獲得を目指す。
 禁煙館は、延べ床面積約二千百平方メートル。すべてシングルの百十二室で、宿泊料金は六千二百円。同ホテルは、常連客からの要望が多いことや隣接する新館「エルステージ」の禁煙フロアが高い稼働率を残していることから、需要は高いと判断した。
 禁煙館のオープンで、現在の本館、新館を合わせた同ホテル全体の客室数は計二百九十一室に増える。このうち禁煙ルームは新館の四フロアと合わせ、計百六十八室となる。
 また、禁煙館オープンに併せて、本館もリニューアル。新たに露天風呂を整備するなど、「ぐっすりをごゆっくり」をコンセプトに快適な空間づくりを追求した。本館、新館、禁煙館はフロントや大浴場などがある一階の共用スペースでつながっている。
 宝田圭一社長は「チェーン店とは違うこだわりが必要だと考えた。さまざまな方面にアピールしていきたい」と話している。


2006/ 9/27 「配送車襲われ金庫強奪」実は狂言 運転手を逮捕 福岡 (朝日新聞記事

 福岡市博多区の路上で13日、日本たばこ産業の関連会社の配送トラックから金庫が奪われたとされる事件は狂言だったことがわかり、福岡県警は27日、金庫を盗んだとして、トラックを運転していた関連社員の古沢要容疑者(30)=福岡市南区向新町2丁目=を窃盗の疑いで逮捕した。
 調べでは、古沢容疑者は13日午後2時すぎ、同市博多区上牟田1丁目の路上で、たばこ配送中のトラックが襲われたように装い、現金と小切手計230万円入りの金庫を盗んだ疑い。古沢容疑者は「1人でやった」と供述しているが、トラックの助手席の窓ガラスが外から割られていることなどから、県警は共犯者がいるとみている。


2006/ 9/27 赤字のNHSトラスト、禁煙成功者に、抽選で海外旅行を無料進呈! (ジャーニー - London,UK記事

 ケント州のNHSトラスト(英国国民医療機関の地域別管轄団体)「Medway Primary Care Trust」が、昨年には200万ポンド(約4億円)もの赤字を記録したにもかかわらず、禁煙促進運動の一環として提供している禁煙プログラムに参加し、禁煙に成功した者に抽選で2,000ポンド(約40万円)相当の海外旅行を無料進呈するという制度を実施し、批判を浴びていることが伝えられた。
 この抽選制度は今年4月から、地元の禁煙サービス団体「Medway and Swale Stop Smoking Service」によって実施され、12週間にわたって毎週行なわれる禁煙のための集会に参加してコースを終了した後、喫煙テストでもうタバコを吸っていないことが証明された者にのみ、抽選への参加権が与えられたという。
 イタリアへのペア旅行を当てた最初の当選者は、ギリンガムの25歳女性で、10年間の喫煙歴を持っていたが、2月から12週間の禁煙コースに参加し、4月には完全にタバコをやめることができたとされる。
 赤字にあえぐNHSトラストがこのような無料海外旅行を進呈することに対して、批判の声が聞かれているものの、同トラストでは、無料旅行という「賞品」に使われる予算は、喫煙関連の病気を治療するための年間費用600万ポンド(約12億円)に比べればわずかな割合にすぎず、またこのための予算は、地元紙に喫煙キャンペーンの宣伝を掲載するための予算のごく一部を使用しているだけと説明。
 さらに、禁煙に努める者にとって、このような褒美は大きな励みになるとし、同地域内で喫煙が原因の病気で亡くなる人が年間480人にも及ぶ中、この制度開始以来、禁煙に成功した人はこれまで3,000人を記録したとし、同制度が大きな効果を発揮している点を強調しているという。


2006/ 9/27 受動喫煙防止のためのガイドライン作成へ (四国新聞記事

 健やか香川21県民会議(会長・高原二郎香川大医学部名誉教授)は二十七日、香川県庁で禁煙・分煙認定小委員会を開催。たばこを吸わない人の受動喫煙防止のためのガイドラインを、来年三月末までにまとめることを決めた。
 ガイドラインは、病院や学校などの施設管理者向け。各施設で禁煙・分煙対策を取る際の参考にしてもらう。この日示した案では、施設に応じた敷地内禁煙や建物内禁煙対策のあり方を明記しているほか、完全分煙に向けた喫煙室の設置ポイントなどを分かりやすく示している。
 同会議ではガイドラインがまとまり次第、県のホームページなどで紹介。普及啓発を図る。
 また、二〇〇五年度にスタートした禁煙・分煙施設認定制度の〇六年度の該当施設として、申請のあった六十八カ所すべてを認定。うち、公共施設は五十六カ所で、高松市を中心とした幼稚園や小中学校などの教育機関が四十一カ所と大半を占めた。
 民間は十二カ所。病院や社会福祉施設のほか、飲食店で初めて高松市内の製めん所が認定を受けた。


2006/ 9/27 公共施設での禁煙に賛成多数 (ベトナムニュース記事

 ベトナム消費者保護協会は、約1000人を対象に公共の場所での禁煙条例に関する意識調査を実施した。この結果、約400人が同条例の違反者に対し、厳重な罰則を適用することを提議し、約600人からは同条例の強化を推進することを求める意見が出された。
 公共の場所における喫煙を防止することは国民の多くが支持しており、調査対象者のうち、約60%がバスターミナルや空港、約80%が交通機関、70%が劇場、映画館における禁煙に賛成している。


2006/ 9/27 来年カレンダー用ポスター18点選ぶ 禁煙友愛会が審査会 (長野日報記事

 日本禁煙友愛会(小島義雄会長)は26日、県内外の小中学生から募集した禁煙ポスターの今年度審査会を伊那市中央区の伊那商工会館で開いた。役員約40人で審査し、来年の禁煙カレンダー用に使用する18枚の作品を選んだ。
 子どものころから禁煙意識を持ってもらう目的で、小学4年生と中学3年生から募っている。今年度も南信地区を中心に、県内外の162校から5749点(前年度比170点減)の応募があった。内訳は小学校116校4090点、中学校46校1659点。
 審査は、橋爪渡副会長を委員長に▽絵画がきれいで禁煙を訴えているもの▽山火事防止やがい骨を描いた作品は除く▽1点ずつ丁寧に目を通す―などを基準に、丸1日かけて作品を選定した。
 小島会長は「今年もいい作品が多かった。カレンダーを通じて、子どもからお年寄りまで幅広い世代に禁煙をアピールできれば」と話していた。
 入選作は次の通り。
 ▽南信版=伊東晴香(伊那小)藤森美帆(城南小)塩沢侑奈(宮田小)工藤綾乃(落合小)松枝弘道(伊那東部中)武田絵理香(飯田東中)大蔵佑月(鼎中)横田栞(辰野中)中山美和(伊那東部中)
 ▽中、東、北信、県外版=古屋由(三郷小)山田雄也(片丘小)下条由貴(広丘小)山本慈美(豊玉中)半場千晴(王滝中)太田和俊(堀金中)河原花子(豊科北中)宮坂裕貴(明科中)宮原彩(楢川中)


2006/ 9/26 たばこの「ライト」表示裁判、集団訴訟に  (USFL.COM記事

 ニューヨーク連邦地裁は25日、「ライト」という表現を使うことで普通のたばこより安全という間違った印象を与え、消費者を欺いたとしてたばこ会社に損害賠償を求めた訴えを、集団代表訴訟として扱うとの判断を下した。
 AP通信によると、訴えられているのはアルトリア・グループのフィリップ・モリスUSA、レイノルズ・アメリカンのR.J.レイノルズ、ロウズのロリラード、ベクター・グループのリゲット・グループ、そしてブリティッシュ・アメリカン・タバコ。
 喫煙者らは2004年、たばこ会社は利益を得るために喫煙者をだまし、健康への懸念を打ち消すような宣伝をしたとして提訴していた。
 原告代理人は、集団訴訟認定を申請した先週、「たばこ会社は、ライトたばこの健康被害が普通のたばこと同程度という社内調査結果を知りながら、普通たばこより健康被害の少ないたばことしてライトを宣伝し、売り上げを得ようとした」と訴えた。
 集団訴訟には、1970年初期以降売り出された「ライト」表示のたばこを購入した喫煙者なら誰でも参加できる。
 原告側は、1200億ドルから2000億ドルの賠償金を請求する。ただし訴訟は威力脅迫および腐敗組織に関する連邦法(RICO法)に基づいているため、賠償金額は自動的に3倍の6000億ドルにまで跳ね上がる可能性があると説明している。
 一方、被告のたばこ会社側代理人は、訴訟に参加する喫煙者全員を調査しない限り、ライトを購入した動機を明確にはできないと反論している。


2006/ 9/26 「市民に危険容認できず」/那覇市議会撲滅宣言 (沖縄タイムス記事

 那覇市議会(久高将光議長、四十四人)は二十六日午前、九月定例会最終本会議で「飲酒運転撲滅に関する宣言決議」を全会一致で可決した。同市議会の飲酒運転撲滅の決議は初めて。
 宣言決議は、県内の飲酒運転による交通事故死の割合が全国の約二・七倍と高い比率を占め、交通死亡事故に占める飲酒運転の割合も十一年連続で全国最悪の現状を問題視。「市街地を飲酒運転の車が徘徊し、市民に危険を及ぼす現状を容認することはできない」と強調した。
 その上で、「飲酒運転を撲滅し、安全で安心して暮らせる社会を確立するために市議会をはじめ、関係機関・団体、家庭、職場、地域で『運転するなら酒を飲ませない』『酒を飲んだら運転しない』『運転する人に酒をすすめない』『酒を飲んだ人には運転をさせない』などの諸施策を強力に実践することを誓う」と宣言した。
 最終本会議では、路上での喫煙を禁止する「路上等喫煙防止条例」の制定に向けた調査特別委員会の設置決議も全会一致で可決。委員長に金城徹氏(自民・無所属連合)。委員は十四人。


2006/ 9/26 ギリシャ、北朝鮮の船から密輸タバコを摘発 (中央日報記事

AFP通信が26日伝えたところによると、ギリシャ警察当局は24日、ギリシャ南部の海域で150万カートンの密輸タバコを積んだ北朝鮮の船舶を摘発し、乗組員ら7人を逮捕した。同通信は、ギリシャ海上当局者の話として「密輸したタバコの脱税規模が350万ユーロ(約5億円)にのぼる」と伝えた。ギリシャ当局は今年だけでも北朝鮮の船舶から300万カートンの密輸タバコを摘発している。


2006/ 9/23 「少年に酒」徹底摘発 業者・店員、相次ぎ書類送検 (琉球新報記事

 夏休み期間中などに少年に酒類を販売したとして小売店の店員や経営者の摘発が相次いでいる。県内では昨年まで、少年の飲酒による補導が5年連続して全国ワーストという状況が続いているが、背景には、少年の飲酒を許容している大人の側の問題も見えてくる。
 ことし5月、那覇市内の小学校で酒盛りをしていた少年が屋上から転落し大けがを負った事故で、那覇署は22日、少年らに酒やたばこを販売したスーパー店員の男(20)と経営者の男(67)を未成年者飲酒禁止法違反と同喫煙禁止法違反の容疑で書類送検したと発表した。
 調べでは店員の男はことし5月、深夜に来店した本島南部の無職の少年(15)が飲むことを知りながら、泡盛とたばこを販売した疑い。
 さらにこの店では8月にも、高校1年の男子生徒(16)に泡盛や缶酎ハイを販売していたことが判明。少年は購入した泡盛と缶酎ハイ27缶をかばんに隠して、カラオケ店に入り、同級生ら7人と飲酒しているところを補導された。
 那覇署は男子生徒に酒を売った同店の別の店員の男(23)についても、未成年者飲酒禁止法違反の容疑で書類送検した。
 また、八重瀬町では8月末、酒を飲んでいた高校1年の15歳の男女が補導され、2人がビールや泡盛を町内の雑貨店で購入したことが発覚。糸満署は経営者の女(75)を同法違反容疑で書類送検した。
 八重山署も無職の少年(15)に泡盛を販売したとして、市内の店員の男(39)を書類送検している。
 県警少年課の東筋秀哲指導官は「注意しなければならない大人が、子どもたちが飲むと知っていて売っている状況だ。大人のモラルの問題がある」と話している。
 県警は9月を福祉犯の被害に遭っている少年の発見保護月間に位置付けており、今後も摘発が続くとみられる。


2006/ 9/22 サッカー=監督がベンチでのタバコ喫煙で出場停止処分 (世界日報記事

【カイロ 21日 ロイター】 中東のカタールでサッカーの試合中にベンチでタバコを喫煙したとして、アルアリのスイス人監督が同国サッカー協会に1試合の出場停止処分を受けたと、アラブ・メディアが21日に報道した。
 7月に同クラブの新監督に就任したばかりのデカステル監督は15日のアルサド戦にベンチでタバコを吸い、試合途中で退場処分を受けた。罰金処分も受けた。


2006/ 9/22 マタニティーマークが浸透中、カバンにつけて「妊婦です」 鉄道各社が配布 自治体も採用 (読売新聞記事

 妊娠していることをさりげなく示すマタニティーマークが、街中に広がり始めた。
 鉄道会社がチェーン付きのマークを配布したほか、妊婦であることを知らせるための独自の取り組みをしていた出版社や自治体の中にも、このマークを採用するところが出てきた。
 「まず1万個を用意しましたが、在庫がなくなりそうなので、5000個を追加発注しました」と話すのは、東京メトロの担当者。同社やJR東日本(東京)など、首都圏の16鉄道事業者はチェーン付きの「マタニティマーク」の無料配布を8月から始めており、反響は上々だという。
 マークは直径約5センチの円形で、ハートに包まれた母子のイラストに「おなかに赤ちゃんがいます」と表記されている。16事業者合計で6万5000個作製したという。JRは主要駅のお客さま相談室、JR以外の各社は駅事務室で、無料で配布している。
 これを女性が身につけたり、持ち物に取り付けたりすることで、妊娠していることを周囲に知らせる。妊婦にやさしい環境作りを進めることを目的に、厚生労働省が3月に発表した。
 一方、妊婦や乳児のいる家庭向けの雑誌を刊行しているベネッセコーポレーション(岡山市)は、季刊誌「初めてのたまごクラブ」の今年6月発売分から、マタニティーマークのデザインの入った合皮製ストラップを付録につけた。
 同誌では2001年から、同社独自のキャラクター入りストラップを付録にしていたが、「キャラクターが一般的には広まっておらず、かばんなどに取り付けても理解してもらえない」との声が寄せられていた。担当者は「キャラクターとマタニティーマークの両方を入れることで、周囲に妊婦であることをより伝えやすくなる」と話す。
 神奈川県逗子市は、母子手帳を受け取りにきた妊婦に、市が独自にデザインした缶バッジを配っていたが、そのデザインを7月から、より認知度の高いマタニティーマークに変更した。
 埼玉県は恩賜財団母子愛育会埼玉県支部と共同で、マタニティーマーク入りのキーホルダーを、県内71市町村を通じて配っている。実はこのマークをデザインしたのは同支部だ。2004、05年度で計1万3000個作製した。厚労省がデザインを採用したことから、今年度は3万6000個に増やした。
 高松市でもマーク入りビニール製バッジを5000個作り、5月から配布している。
 厚労省母子保健課は、「電車やバスで座席を譲る以外にも、妊婦の受動喫煙防止のため、そばではたばこを吸わなかったり、エレベーターや段差のある場所で妊婦に手を貸してあげたり、といった対応が望まれる。マークの意義を理解し、ぜひやさしい心遣いを」と呼びかけている。
 このマークをつけた女性に出会ったら、座席を譲ったり、喫煙を遠慮したりと、いたわりの態度を示したい。


2006/ 9/21 禁煙普及員に「成功者」・厚労省が対策強化 (日本経済新聞記事

 厚生労働省は諸外国よりも高い喫煙率を引き下げようと、来年度から「禁煙普及員」の養成を始める。禁煙の成功者を中心に認定し、実体験を交えた説得力のある助言をしてもらう。また化粧品会社と組んで、喫煙率が上昇傾向にある若い女性をターゲットにした禁煙の啓発活動に乗り出す。
 日本人の喫煙率は2004年の調査で26.4%。男性は43.3%、女性は12.0%。男性は前年から3.5ポイント下落したが、女性は0.7ポイント上昇した。


2006/ 9/20 価格30円増はタバコ会社の利益? (JanJan記事

 1本あたり1円値上げ―。
 平成18年7月1日、愛煙家にとっては憂鬱な出来事が起きた。たばこ税の増税によりタバコ価格が一斉に値上がりしたのだ。彼ら愛煙家は、たばこ価格改定表を見て一様に嫌な顔をしたはずだが、その中でも特に不機嫌にならざるを得ない者達がいる。一部の商品は、増税分以上の値上げとなっているからだ。
 1本あたり1円値上げだと、一箱あたり20円(一箱20本入り)の値上げとなるはずだが、商品のなかには30円増というものが存在する。これについて「税金による値上げは20円分だが、残りの10円分についてはタバコ会社の利益になっている」という噂を聞いた。今回はこの噂の真相について調べてみた。
 日本の紙巻たばこ販売上位20銘柄を占める日本たばこ産業(JT)、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン(BAT)、フィリップ・モリス・ジャパン(PM)の大手3社の製品についてみてみると、その多くが増税分を加算した一箱20円増の価格となっている。しかし、JTの紙巻たばこ13銘柄(全116銘柄)、BATの紙巻たばこ9銘柄(全46銘柄)、葉巻・パイプ4銘柄(全18銘柄)、PMの紙巻たばこ18銘柄(全62銘柄)については、一本あたり1.5円の値上げ、もしくは増税分に加えて0.5円の値上げ幅(1.5円→2円)となっている。これらの余分な“0.5円”は何のためであろうか。
 その答えは各社のホームページ上にあった。
 「未成年者喫煙防止を目的とした成人識別自動販売機の全国導入などの、たばこ業界の取り組み推進には相当のコスト上昇が見込まれることから、増税分以上の価格改定を行った」(JT:「たばこ税増税に伴うたばこの小売定価改定の認可申請について」
 「未成年者喫煙防止活動や節度あるマーケティング活動、年齢識別機能付自動販売機の2008年全国稼動開始に向けた取り組みによるコスト増が見込まれることから、増税分以上の価格改定を行った」(BAT:「たばこ税増税に伴う製造たばこの小売定価改定の許可申請について」)
 成人識別自動販売機とは、社団法人日本たばこ協会(TIOJ)、全国たばこ販売協同組合連合会、日本自動販売機工業会(JVMA)が未成年者喫煙防止対策強化のために開発したもので、たばこ購入の際に、成人のみに発行するICカードを必要とする機能を搭載した自動販売機である。この新型自動販売機の導入コストを穴埋めするために“0.5円”の値上げを行ったというのだ。
 また、JTに問い合わせてみたところ、上記の理由に加えて「原価の見直しを行った結果、増税によって売り上げの減少が見込まれ、通常の価格設定では利益を上げることが困難であると見込まれた」という理由も挙げられた。
 日本たばこ協会(TIOJ)の統計によると、国内紙巻たばこ販売実績は、平成10年―15年度で約11%減少している。この上でさらに、社会的義務として分煙や未成年者喫煙防止に対する取り組みをして、そのようなビジネス環境のなかで利益を確保しようというのだ。今回の増税で喫煙者はさらに減少する可能性がある。小売価格の値上げは、たばこ各社にとって苦渋の決断といえるだろう。
 「残りの10円分」はたばこ会社の収益であったが、それが利益になるかどうか、これからの各社の舵取りに掛かっている。


2006/ 9/19 路上喫煙に過料=条例の罰則規定、予定通り適用-川崎市 (時事通信記事)

 川崎市は19日、4月から施行している、「路上喫煙の防止に関する条例」の罰則規定を、当初の予定通り10月1日から適用すると発表した。同日以降、路上喫煙防止重点区域において注意・指導に応ぜず、路上喫煙を続ける場合は2000円の過料を徴収する。 同市では、条例が施行される直前の3月以降、毎月1度、通行者の喫煙率調査を行ってきた。その結果、施行前の3月は4.29%だったのが、施行された4月には1.77%、6月には0.93%と減少傾向にあり、十分に市民の理解が得られたと判断、罰則規定適用に踏み切ることにした。 JRなどの川崎駅、武蔵小杉駅、武蔵溝ノ口駅、鷺沼駅、新百合ヶ丘駅それぞれの周辺を重点区域とし、路上喫煙防止指導員30人を配置。注意に従わなかったり、何度も繰り返したりなど悪質なケースの場合、罰則を適用する。 同市の阿部孝夫市長は同日の記者会見で、路上喫煙防止条例について「(路上喫煙を見かけた場合)、市民それぞれが注意をしやすい環境整備として制定したもの。ただ、市民には浸透しても、駅を利用する他自治体の人たちにも理解してもらう必要がある」と、運用上の課題を挙げた。


2006/ 9/19 JT、喫煙率引き下げ数値目標で厚労省に反論 (産経新聞記事

 厚生労働省が生活習慣病対策の一環として導入を目指す喫煙率の引き下げの数値目標設定など一連の禁煙対策に対して、日本たばこ産業(JT)が9月に入って反論書を提出、反撃に出ている。
 禁煙対策は、厚労省の審議会で見直し作業が進む「健康日本21」に盛り込む予定になっている。
 審議会では平成16年に男性43.3%、女性12.0%だった成人喫煙率を22年までに男性38.4%、女性10.2%にするなど数値目標3案を提示。さらに、たばこ価格引き上げや、税率引き上げによる財源を健康づくりの特定財源とする意見も出されている。
 こうした考え方は、「健康日本21」の見直しに向けた中間評価報告書案に盛り込まれ、厚労省では現在、パブリックコメント(一般の意見聴取)を実施中。
 JTは「嗜好(しこう)品への判断に国家権力が介入すべきでない」と、数値目標設定に反対。さらに、たばこ増税による特定財源化についても「財政の硬直化を招く」と批判する。
 JTの志水雅一執行役員は「過去50年間に喫煙率が減少する中、肺がんは10~15倍に増えた」と病気との因果関係に疑問を示したうえで、「世界保健機関(WHO)が示す健康への影響は、喫煙が4.1%でアルコールは4.0%。なぜ、たばこだけを狙い撃ちにするのか」と反発する。
 JTとしては、7月からのたばこ増税を4.7%の減収要因とするなど、“たばこ包囲網”に危機感を募らせている。 だが、厚労省は「数値目標は韓国のほか、米国、英国、フランスでも導入されている」(健康局)として、数値目標導入の姿勢を崩しておらず、JTとしては、厳しい状況が続きそうだ。


2006/ 9/17 三次中央病院が全面禁煙に (中国新聞記事

 三次市の市立三次中央病院が10月から、屋外の敷地を含めて全面禁煙にする。県北部の主な総合病院では初めてで、2004年から取り組んでいる館内禁煙を前進させた。全面禁煙を高く評価する日本医療機能評価機構の新しい機能評価に対応し、地域の禁煙推進の先導役を目指す。保険対象となった禁煙治療でも、「敷地内の完全禁煙」が医療機関の必須の基準の一つ。全面禁煙は社会の流れとなっている。
【写真説明】全面禁煙を知らせる病院玄関の張り紙


2006/ 9/17 マナー悪い中国人は出国制限?=旅券法改正を準備-香港紙 (時事通信記事)

【北京17日時事】中国系香港紙・文匯報(電子版)は17日、中国政府がマナーの悪い市民の海外旅行を制限するため「旅券法」の改正準備を進めていると報じた。北京五輪を2008年に控え、国際イメージを気にする政府は、旅行者のマナー向上運動を展開している。 同紙によれば、法改正によって「海外で中国人観光客のイメージを損なった者」に対して、旅券を再発行しないか、出国を制限する措置が取られるという。  「礼儀の国」の印象を傷つける行為として、同紙は(1)所構わずたんを吐く(2)街で立ち小便をする(3)禁煙場所で喫煙する(4)大声で騒ぎ、けんかをする-などを列挙。ビュッフェ式レストランで「腹いっぱい食べた後も料理を取って持ち帰る」といった多くの具体例も挙げている。


2006/ 9/16 県立校全面禁煙へ/教育庁 来年度から実施 (沖縄タイムス記事

 仲宗根用英県教育長は十五日、二〇〇七年度から県立学校の敷地内を全面禁煙にすると発表した。県教育庁はすでに県立高校、特殊教育諸学校に通知。幼・小・中学校に関しては各市町村教育委員会に「協力依頼」として文書を送付した。各市町村が応じれば、県内の幼稚園から高校まですべての学校で禁煙となる。
 仲宗根教育長は受動喫煙による児童・生徒の健康被害を防ぐことなど、全面禁煙に踏み切った理由を説明。今後、公立図書館などの教育施設でも敷地内の禁煙を進めていく考えを示した。
 県立高校教職員の喫煙率は10・2%(二〇〇五年十月)。「教職員が吸っている姿を見て子どもたちはどう思うだろうか。範を示すためにも、これを機に教職員の間で禁煙の動きが広がってほしい」と期待を寄せた。
 八月末現在、敷地内全面禁煙は全体で26・2%。内訳は小学校33・8%、中学校16・0%、高校21・8%、特殊教育諸学校12・5%。


2006/ 9/15 07年4月から県庁舎内全面禁煙化=茨城県 (時事通信記事)

 茨城県は、2007年4月から県庁舎建物内の全面禁煙化に踏み切る。これまでは喫煙を庁舎内4カ所の喫煙室に制限する完全分煙体制だったが、4月からは喫煙室を撤去し、新たに庁舎外に喫煙所を設ける。 全面禁煙化に先立ち、9月中は毎週水曜日を「禁煙デー」とし、喫煙者に禁煙を呼び掛けている。10月以降は、金曜日を加えた週二日を禁煙デーとし、4月からの全面禁煙化に向け取り組みを強化する。 県保健福祉部によると、脳血管疾患による都道府県別死亡率で、茨城県は男性が全国5位、女性が10位と高いほか、心疾患による死亡率も高水準にある。このため、06年度から9月を「循環器疾患予防月間」として、各種キャンペーン活動などに取り組み始めた。 県庁舎の禁煙強化も循環器疾患などの予防対策の一環で、県が禁煙に率先的に取り組むことで、県民のキャンペーンへの理解と協力を求める考え。


2006/ 9/15 俳優S・ペンに喫煙を許したホテルに罰金 (goo 映画記事

 ペンは、開催中のトロント国際映画祭で訪れていた当地の「トロント・サットン・プレイス・ホテル」で行われた最新主演映画「All the King's Men」の記者会見の席で喫煙。これが公共の室内空間での喫煙を禁止するホテルのあるオンタリオ州の法律に抵触した。
 同ホテルのスポークスマンは15日、ペンに喫煙を許したことでホテルが罰金を科されたことを認めた。
 通常、同様の罪の罰金は605カナダドル(約6万4000円)。
 同スポークスマンは、ホテルスタッフがペンに喫煙禁止法について説明しなかった理由について「あれはプライベートなイベントだった。スタッフは部屋にいなかったため、注意できなかった」と述べた。
 一方、ペンはトロントの衛生当局から書面で厳重注意されただけだった。


2006/ 9/15 日本たばこ産業 IR広報部長 馬場済士氏 世界中でJTファン増やしたい (フジサンケイ ビジネスアイ記事

 日本たばこ産業(JT)が日本専売公社から民営化されて21年。この間、たばこ、医薬、食品を中核とした多角化の道を歩み、1999年には、米食品大手のRJRナビスコ社から米国外のたばこ事業を取得。グローバル企業へと変身した。いまでは流動株の株主の半分以上は、海外の投資家だ。「世界中でJTが好きだという人を増やしていきたい」とIR広報部長の馬場済士氏は意欲的だ。
 海外たばこ部門は現在、約120カ国で事業を展開。今年、台湾で「マイルドセブン」がナンバーワン銘柄となった。JTが保有する世界有数のブランド「キャメル」「ウィンストン」「セーラム」の3ブランドも順調に伸びている。食品部門では、缶コーヒー「ROOTS」や冷凍食品「お弁当大人気」「いまどき和膳」などが“JTの商品”として話題を集め、ブランド力は着実に浸透している。
 一方で、国内では喫煙環境が厳しさを増し、喫煙者率は30%を下回り、7月には、たばこ税が増税された。逆風の事業環境だからこそ、「一人でも多くのJTファンをつくっていきたい。そのためにも一つ一つの広報活動を大切にしていく」と力説する。
 IR広報部は国内外のメディア対応、IR、決算発表を担うチームから成り、メンバーは23人。CSR(企業の社会的責任)の推進にも積極的で、2005年から和歌山県田辺市の中辺路(なかへち)で約50ヘクタールの植林活動に取り組んでいる。昨年の2回の植林と下草刈りには、地元住民はじめ、JT社員とその家族約350人が参加。今年、山梨県小菅村でも13ヘクタールの植林に着手した。
 プロ公式戦の「JT将棋日本シリーズ」と併せ、01年からは「JT将棋日本シリーズこども大会」も開くなど運営範囲を広げた。これもJTの営業とは直接関係しない事業だ。「地道だが、こうした活動を通じてJTの姿勢を理解してもらえたら」と広報の責務を大きくとらえている。(エフシージー総合研究所・山本ヒロ子)
           ◇
【プロフィル】馬場済士  ばば・せいし 79年東大経卒。日本専売公社(現日本たばこ産業)入社。葉タバコ調達、材料品調達、物流、経営企画部などを経て、02年副飲料事業部長。05年から現職。
【趣味】読書
【健康法】通勤時に降車駅の1駅前で降りて歩くこと


2006/ 9/15 たばこ支出、1年で2割減 タイ (newsclip.be記事

【タイ】国家経済社会開発委員会(NESDB)がまとめた第2四半期のタイ社会概況によると、同期のたばこ購入支出は前年同期の68.3億バーツから54.2億バーツに、21%減少した。たばこの陳列販売禁止、値上げなどが影響したもよう
 アルコール飲料は逆に、前年同期の320億バーツから360億バーツに増えた。


2006/ 9/14 路上禁煙、県外で啓発活動=東京と神奈川で-名古屋市 (時事通信記事)

 名古屋市は、市内4地区で実施している路上禁煙を愛知県外の人にも広く知ってもらおうと、15日に東京都と神奈川県で啓発活動を行う。東京では千代田区の路上禁煙キャンペーンに市職員が参加するほか、都庁の記者クラブに禁煙違反者数などのデータやパンフレットなどの資料を配布。神奈川でも、県庁記者クラブに資料配布し、名古屋の路上禁煙への協力を呼び掛ける。 市は栄、名古屋駅、金山、藤が丘の4カ所を路上禁煙地区に指定し、7月1日から違反者に対し2000円の過料を徴収している。市がまとめた7月1日から8月31日まで2カ月間の集計結果では、過料処分者のうち市内が131人、市内を除く愛知県内が83人に対し、県外は205人と多い。県外では東京、神奈川がともに40人で最多、次いで岐阜(24人)、三重(17人)、神奈川(13人)などの順。市内や県内向けにはキャンペーンやポスター掲出などで路上禁煙が浸透してきているが、県外から訪れる人への啓発が課題となっている。 千代田区で15日に行われる秋葉原地区のキャンペーンには、名古屋市の環境局と東京事務所の職員がそれぞれ3人参加。「禁煙ロード(路上禁煙地区)でたばこを吸うと過料2000円、名古屋市」などと書かれた市の啓発のぼりを掲げ、啓発用ティッシュペーパーを配布する。


2006/ 9/14 高校生の5割、飲酒容認=電車内携帯も抵抗少なく-モラル・人生観調査 (時事通信記事)

 高校生向けの月刊紙「高校生新聞」(東京)が行ったモラルや人生観に関するアンケート調査で、高校生の5割は友人との飲酒や、電車内での携帯電話使用を容認していることが14日、分かった。同紙編集部は「教師や親など身近な大人の行動の影響が大きいと推測される。手本となるしっかりした大人が減っている表れでは」と分析している。 調査は7月、全国の高校1~3年の6168人(うち女子3311人)を対象に実施した。  モラルに関する項目では、「やってはいけないと思うこと」を質問。「たばこを吸う」では全体の80%が「いけない」と回答。しかし、「友人とお酒を飲む」では52%、「電車の中で携帯電話で話す」でも54%が否定的な回答をしたものの、残り約半数は容認していた。 飲酒は、1年生では60%が否定的だが、3年生では45%に低下。また、女子が休み時間に教室で化粧をすることについて質問したところ、否定的だったのは全体の36%にとどまり、6割以上が容認した。 「目上に敬語」は9割、「近所の人にあいさつ」は7割が「する」と回答。一方で、「電車やバスで席を譲る」は4割未満。2割以上は「これまでに譲ったことはない」とした。 人生観では、「仕事選びで重視すること」という質問に対し、男女とも「やりたい仕事、個性が生かせる仕事であること」が「給料がいい」「長く働ける」を上回った。 「大変でもやりがいのある仕事がしたい」は、女子(70%)が男子(58%)よりも多かった。「将来は共働きがいい」と答えた割合も女子(39%)が男子(28%)を上回った。
やってはいけないと思う割合=高校生調査
質問項目             全体    男子    女子
たばこを吸う           80%   77%   84%
路上や電車の床に座り込む 64%   58%   69%
電車の中で携帯で話す    54%   53%   54%
友達とお酒を飲む        52%   48%   56%
教室で休み時間に化粧する  36%   39%   33%   


2006/ 9/14 海外で韓国たばこのコピー製品が登場 (中央日報記事

国内たばこの中で最もよく売れている「Esse」のコピー製品が海外で見つかっている。
KT&G(旧たばこ人参公社)によると、最近インドネシアで「Esse」のデザインを模倣した「Live」というたばこが発売された。 このたばこはジャガラ・ケバシハンイラという現地会社が作っている。
中国では「Esse」という名前を使用した偽造たばこが登場した。 この製品はデザインのほか、ブランド名やKT&Gという会社名まで盗用している。たばこの長さは84ミリで、本物にEsse(100ミリ)より短い。
本物のEsseは世界におよそ50台しかない超スリム型たばこ製造機械で作られるが、中国のたばこ会社にはこの機械がないようだと、KT&G側は説明した。
KT&Gの関係者は「04年にEsseが東南アジアに輸出され、人気が高まったことで、コピー製品が登場し始めた」と語った。


2006/ 9/14 全館禁煙、脂肪解消に挑戦 区民挙げて健康づくり 読谷村渡慶次 (琉球新報記事

【読谷】読谷村渡慶次区が、区を挙げての健康づくりに取り組んでいる。4月に渡慶次区民健康増進推進委員会(通称・渡慶次区民健康守り隊、山内悦子委員長)を発足させ、公民館の全館禁煙や、メタボリック症候群の要因の一つの内臓脂肪を解消するコンテストに取り組んだり、高血圧症予防の食事を学ぶ勉強会、健康ウオーキングなどを催している。山内委員長は「区民の健康への意識がだいぶ変わってきた」と活動の効果を話す。
 同区は村のデータで住民健診受診率が低く、血圧とコレステロール、中性脂肪が村内ワースト10に入っている実態が判明。危機感を強めた区民有志らが立ち上がり、健康守り隊を結成した。保健師や看護師、栄養士らのほか、婦人会や青年会など各団体代表ら約20人が委員を務める。
 1カ月に1回程度、「渡慶次区民守り隊便り」を発行して全戸に配布し意識を啓発。また毎月第1日曜日を「区民健康ウオーキングの日」と定めて早朝に多くの区民が3、5キロの各コースで汗を流している。ほかにも「ウエストサイズ物語」と題し、7月の区民運動会で腹囲や体脂肪率などを測り、運動会の3カ月後の区民祭りまでに、これらの数値を改善させた人を表彰する取り組みも始めている。
 8月には高血圧症予防として、1食500―600キロカロリーの食事を作る勉強会を開き、枝豆ご飯や「ごぼうハンバーグ」「なすの中華風」などを参加者が実際に作り食べた。
 山内委員長は「村では医療費が高騰しており、渡慶次区でとにかく楽しく、面白く、長続きする健康への取り組みができないかと考えた」と経緯を説明。「公民館で各種団体の集まりがあるが、油分の多い天ぷらなどが出ることが多い。改善を呼び掛けており、みんなの意識が変わってきた」と手応えを話した。
 健康ウオーキングに参加している区民の大城光枝さん(58)は「生まれ育った自分の字が悪いと言われるのは嫌。一番健康である字にしたい」と意気込みを語った。


2006/ 9/14 未成年の喫煙防止 たばこ販売機ICカード方式へ (日本海新聞記事

 全国で導入が計画されているICカード方式の「成人識別たばこ自動販売機」について、日本たばこ産業岡山支店(藤井芳弘支店長)は十三日、鳥取、島根両県内では二〇〇八年五月から一斉に導入することを明らかにした。
 同自動販売機は、ICカードを持つ成人だけが利用できる仕組み。未成年者の喫煙防止などを目的に、日本たばこ協会(TIOJ)と全国たばこ販売協同組合連合会などが共同で、〇一年から開発に取り組んでいた。
 鳥取県内には、約三千台の自販機があると推測され、〇八年五月から一斉に切り替える計画で、同年二月からICカード発行の申し込みを各小売店などで受け付ける。一人一枚の発行で、申し込み時には免許証などの添付が必要なほか、カードに顔写真を張る予定。紛失などで無効となったカード情報を自販機に配信して不正防止する。
 この方式は、すでに千葉県八日市場市や鹿児島県種子島などで試験導入されており、成果を挙げているという。
 この日は、鳥取市行徳一丁目の同社鳥取営業所で新自販機のデモンストレーションを実施。藤井支店長は「業界の未成年者喫煙防止施策であり、カードが普及することで販売に影響は出ないと思う」と話している。


2006/ 9/13 患者急増の慢性閉塞性肺疾患、ビタミンC不足と喫煙で発症 (日本経済新聞記事

 東京都老人総合研究所と順天堂大学の研究チームは13日、高齢者に多い肺の病気「慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)」が、ビタミンC不足と喫煙で起こると、発表した。これまでもたばこの吸い過ぎが原因の一つと考えられていたが、ネズミの実験で確認したのは初めて。
 COPDは初期のころは息苦しさが目立ち、進行すると呼吸困難となって死に至る。最近患者が急増しており、今回の実験結果は予防法の確立に役立ちそうだ。
 老人研の石神昭人主任研究員と順大医学部の瀬山邦明助教授らのチームの成果で、米国胸部疾患学会雑誌に報告した。
 ネズミは本来ビタミンCを体内でつくれるが、研究チームはビタミンCを作れないようにしたネズミに、たばこの煙を吸わせた。肺を調べたところ、約2カ月でCOPDを発症した。煙を吸わせなかったネズミは6カ月で発症した。


2006/ 9/12 「健康づくり支援」飲食店を登録=茨城県 (時事通信記事)

 茨城県は、栄養成分の表示や受動喫煙の防止など健康づくりに取り組む県内の飲食店や弁当・総菜店を「いばらき健康づくり支援店」として登録し、県のホームページなどで情報提供を行う。2006年度の登録目標数は50店で、9月1日から県内各保健所で申請受け付けを開始した。 外食や弁当・総菜といった中食(なかしょく)が普及する中、登録制度を推進することで食生活の改善を図り、県民の生活習慣病予防に役立てるのが狙い。 登録には、「県や市町村が配布する健康関連のポスター掲示やパンフレット配布への協力」「分煙など受動喫煙防止対策の実施」―の2点を満たすことが必須条件。さらに(1)栄養成分表示(2)塩分控えめなど「ヘルシーメニューの提供」(3)量の調節や減塩しょうゆ・ノンオイルドレッシングの選択など「ヘルシーオーダーの実施」―といった任意の5コースから1コース以上を選択して実施する必要がある。 登録後は、県から配布されたステッカーを店頭に表示できるほか、広告などに登録マークが使用できる。 登録対象には、弁当や総菜を取り扱うスーパーやコンビニのほか、事業所の職員食堂、大学の学生食堂といったところも含む。将来的には、旅館などにも対象を拡大する方針。


2006/ 9/12 禁煙車、中央タクシーが導入 県内法人初、12日から5台 (徳島新聞記事

 徳島市津田海岸町一の中央タクシー(和田敏敬社長)が十二日、運転手はもちろん、客の喫煙も断る「禁煙タクシー」を導入した。県内の法人では初めて。禁煙、分煙が広がる中、受動喫煙やたばこのにおいを嫌う顧客サービスの一環で、需要が多ければ増車する。
 同社は五十二台ある小、中型車のうち、中型車一台、小型車四台を車内禁煙にした。禁煙のマークが入った屋根灯を取り付け、「禁煙車」のステッカーを後部ドアの窓ガラスと乗客用の灰皿の上に張っている。運転手も喫煙しない人を選んだ。
 導入初日の午前中は五台のうち三台が稼働。早速利用した石井町内の女性会社員(26)は「普段からたばこのにおいが気になるので、禁煙タクシーはありがたい」と、歓迎していた。
 多数の人が利用する施設での受動喫煙防止を盛り込んだ健康増進法が二〇〇三年に施行されて以来、タクシーでも禁煙を求める利用客の増加や運転手の健康面への配慮から、禁煙車は全国的に浸透しつつある。しかし一方で、売り上げ減少を懸念して導入に二の足を踏む事業者も多く、県内では一部の個人タクシーが取り入れている程度にとどまっている。
 同社では、病院の患者や医師をはじめ、県外客が禁煙車を希望してくるケースが増えていることを受け、需要が見込めると判断した。和田社長は「たばこを吸わない人に快適にタクシーに乗ってもらうための措置。どんどん利用してもらいたい」と話している。
【写真説明】12日に導入された禁煙タクシーに乗り込む女性客=徳島市内


2006/ 9/11 JT、たばこの高価格品を拡充・外資ブランドに攻勢 (日本経済新聞記事

 日本たばこ産業(JT)は、縮小するたばこ市場の中で販売が増えている1箱320円以上の高価格品の拡充に乗り出す。低タール、メンソール製品やにおいを抑えた高機能品などを相次いで投入し、米フィリップ・モリス(PM)など外資のシェアを切り崩す。たばこ市場全体に占めるJTの高価格品の比率を現在の約5%から2008年度をメドに20%に高める目標。
 JTは11日、来月2日に発売する新製品を発表した。最大の特徴は高価格帯の強化。5銘柄のうち4銘柄が320円以上。そのうち「さくら」「ピース」の2銘柄は現在の最高価格の350円とした。さらに「キャビン」を除く4銘柄はにおいを抑える「低臭気」のD―spec技術を採用し、「キャビン」は1本当たりのタール値を1ミリグラムと同社製品で最も軽くした。


2006/ 9/11 地域限定5銘柄を10月発売  JT、高価格化にシフト (岩手日報記事

 日本たばこ産業(JT)は11日、タール1ミリグラムの「キャビン・ワン・テイスティ・100’s・ボックス」など5銘柄を地域限定、1銘柄を地域拡大で、10月2日から発売すると発表した。販売が好調な銘柄は順次販売地域を拡大していく計画。
 同社は8月に紙巻きたばこ12銘柄を廃止。今回の発売で銘柄数は107となる。新製品は1箱320円から国産最高の350円の高価格商品が中心。喫煙人口が減少する中で、収益性の改善も狙っている。
 「キャビン・ワン」(300円)は宮城、神奈川、京都、福岡、愛知の5府県を除く42都道府県で発売。5府県では、たばこの嫌なにおいを抑える技術を採用した高価格商品を販売する。


2006/ 9/ 8 酒、たばこ自販機に年齢識別装置=神奈川県 (時事通信記事)

 神奈川県は、青少年の飲酒や喫煙を防止するため、酒、たばこの自動販売機に年齢識別装置の設置を義務付ける「青少年喫煙飲酒防止条例」案の骨子をまとめた。飲酒、喫煙対策で具体的な方法を定めて条例化するのは都道府県では初めて。県民からの意見を募集した上で、12月県議会に提出する方針。 自販機の年齢識別装置は、購入者が事前に取得したカードからデータを読み取り、生年月日を識別して未成年者の酒、たばこ購入を防ぐ仕組み。 骨子案では、自販機の管理者に年齢識別装置の設置を義務付け、青少年が酒、たばこを買えないようにするほか、店頭での販売の場合は、運転免許証、保険証など身分証明書で年齢を確認することを義務付ける。実効性を担保するため、店頭で年齢確認がされているかどうか、自販機に識別装置が付けられているかどうかを県が調査し、指導、勧告できるようにする。 年齢識別装置の設置は、自販機業界の協力が不可欠となるが、日本たばこ協会からは「全面協力」の同意を取り付けているという。ただ、施行時期については、同協会が2008年5~7月に全国の自販機に識別機能を導入する方向であるのに対し、県は前倒しを要請している。酒類の自販機は識別機能付きに順次切り替えが進んでいる。 青少年の飲酒、喫煙防止策に関しては、青森県深浦町が自販機の屋外設置を禁じる条例を作っている。


2006/ 9/ 8 新禁煙法施行のお知らせ ハワイ州 (旅コム記事

 ハワイ州では、2006年11月16日より非喫煙者の健康を間接喫煙の害から守ることを目的に、州やカウンティが定める公共の場所が全面禁煙となる新禁煙法が施行され、以下の施設とその出入口から20フィート(約6メートル)圏内が禁煙の対象場所となる。
一方、喫煙が許可される場所は、個人の住居、ホテルやモーテルなど宿泊施設の喫煙室、民間もしくは半官半民の老人ホームや長期施設等となる。
 同法律に違反した個人には最大50ドル、また企業には最大500ドルの罰金が課せられる。詳細は、ハワイ州政府議会のサイトを参照。
★ 禁煙となる場所
レストラン、バー、ナイトクラブ
ショッピングセンター
空港、公共交通機関(バス・タクシー等)
ホテルのロビーや通路
スポーツ・アリーナ、屋外アリーナ、スタジアム、円形競技場等の座席部分
チャイルドケアや介護施設に使用している個人の住居等


2006/ 9/ 7 国際通りを禁煙に 月内にも条例提案 那覇市議会 (琉球新報記事

 那覇市議会で、路上喫煙防止条例を議員提案で制定する動きが出ている。条例化すれば県内初となる。国際通りを禁止地区に指定することが想定されており、今後各会派が議論に入る。歩きたばこの副流煙を防ぎ、子どもたちの目にたばこの火が入る、他人の衣類を傷つける―といった事故を避けるなど、歩行者の健康と安全を守ることを目的に条例制定を目指す。 与党の最大会派、自民・無所属連合がたたき台となる案をまとめ、他会派に賛同を呼び掛けており、今後各会派間で調整する。同会派は「じっくり協議して条例をつくりたい」としているが、早ければ開会中の9月定例会に提案される見通し。実効性を疑問視する会派もあるが、野党も同調し、全会一致を目指して協議していく方向性だ。
 条例制定には観光都市那覇市にとってイメージダウンとなる、目抜き通りでのたばこのポイ捨てを防ぐ狙いもある。たたき台の条例案では「禁止地区を設けることができる」としているが、トランジットマイル事業と連動した国際通りでの実施を想定している。また罰金を設けているが、議員の中には「罰則はない方が良い」との意見もあり、今後の議論次第となる。
 「路上喫煙等の防止に関する条例」は東京都千代田区で始まり、政令市などに広まっている。那覇市と市議会は医師会などから条例制定の要請を受けており、前向きな姿勢を見せていた。


2006/ 9/ 5 「吸っていたたばこが爆発」VS「ありえない」 (中央日報記事

嶺南(ヨンナム)日報は、吸っていたたばこが喫煙中に爆発したとする消費者と該当たばこを販売した会社が「真実ゲーム」を繰り広げていると報じた。
 大邱市寿城区(テグシ・スソング)で会社に通っているA氏(29、大邱市鳳徳洞)は4日「今月1日午後、同僚と昼食を取った後たばこを吸う途中、突然爆音と共にたばこが爆発した」と主張した。A氏によると同午前、寿城区のコンビニエンスストアーでKT&G社のたばこ「エッセ ライト」1箱を購入しており、爆発した後、たばこは黒く燃え、火薬のにおいもしたとのこと。
 A氏は「3~4回くらい吸っている途中、こうしたことが起きた」とし「3秒でも遅れていたら大きな事故にあうところだった」と当時の状況を伝えた。A氏は週内に消費者保護院に被害の内容を申告する計画だ。KT&Gは「技術的に不可能」と釘をさした。同社の大邱本部営業部は「製造過程から考えて完成品のたばこが爆発したり、火薬のにおいがすることなどはあり得ない」とした。
 会社側によると、時々作物の幹の太い部分が入る場合はあり、その部分が非正常に燃えることはあるものの、たばこが爆発することはあり得ないとのこと。営業部関係者は「単なる事故は1対1の補償が原則であり、多額の補償は困る」とし「吸い殻の正確な鑑識や明確な分析ができれば、偽造かどうかを判別できる」との立場を示している。


2006/ 9/ 5 禁煙エリア、大幅拡大へ=がん患者の写真もたばこに表示-タイ (時事通信記事)

【バンコク5日時事】タイ保健省は5日までに、11月から禁煙区域を大幅に拡大し、ホテルやアパートのロビー、エアコンなしのバスの車内などでの喫煙を禁止することを決めた。来年2月からは、のどに穴が開いた喉頭(こうとう)がん患者のカラー写真などをたばこのパッケージに表示し、健康被害を訴える。  タイでは、空調設備があるレストランやエアコンバスなどで喫煙が禁止されている。新たに禁煙区域となるのはトイレやバス停、電話ボックス、理容院・美容院、薬局など。違反者には最高2000バーツ(約6200円)の罰金が科せられる。 同省は「『マイルド』や『ライト』といった言葉をパッケージに表示することも認めない」としているが、こうした言葉が商品名に入っているたばこの扱いについては言及していない。 同省によると、タイの2004年現在の喫煙者は約960万人。年間5万2000人が喫煙に関連した病気で死亡しているという。


2006/ 9/ 4 ピロリ菌で胃がんリスク5倍=予防には除菌より生活改善-厚労省研究班の調査 (時事通信記事)

 慢性胃炎や胃かいようの原因になるヘリコバクター・ピロリ菌に感染している人は、胃がんを発症するリスクが感染していない人の5倍であることが4日、厚生労働省研究班(主任研究者・津金昌一郎国立がんセンター部長)の大規模疫学調査で分かった。 陰性でも感染歴がある人を感染者に含めると、リスクは倍加した。ただし、調査対象者の年代のピロリ菌感染率はもともと高く、それだけでは胃がんの決定的な要因にはならない。研究班は「予防には除菌よりもまず喫煙、高塩分などの生活習慣の改善」としている。  研究班は1990年から95年にかけて、全国10地域で40-69歳の約4万2000人の血液を採取。2004年末まで追跡したところ、512人が胃がんを発症した。 発症しなかった人の中から年齢や性別などの条件が合う人を同人数抽出。保存血液中のピロリ菌抗体検査の結果と発がんの関連を調べたところ、陽性の人の発症リスクは陰性の人の5.1倍だった。 研究班はさらに、菌が胃の粘膜から消えた後も残る毒性の高いたんぱく質を検査。抗体検査が陰性でもたんぱく質検査は陽性という人を感染者に含めると、リスクは10.2倍となった。 研究班は「ピロリ菌が胃がんの重要なリスク要因であることは確認できたが、発症する人は一部にすぎない」としている。


2006/ 9/ 4 禁煙 ソフトが味方 (読売新聞記事

 たばこはなかなかやめられない 何度、挑戦しても挫折するのが禁煙。最初は「禁煙なんて大したことはない」と構えていても、数日が経過するとイライラが募り、結局、再び吸い始めてしまう。先日、禁煙支援ソフトがあることを知り、わらにもすがる思いで試してみた。(高田真之)
STEP1 検索サイトでソフト選び
 ヤフーやグーグルなどの検索サイトで、試しに「禁煙支援ソフト」と打ち込んでみると、無数の無償ソフトにヒットする。その多くは、禁煙期間に吸わなかった本数や、支払わずに済んだ代金の総額を試算してくれる自動計算ソフトだ。
 こうした支援ソフトのうち、名前の面白さから「卒煙(そつえん)式」というソフトを選んでみた。まず初期設定画面で、自分が1日に吸う本数や値段、愛煙する銘柄の1本当たりの長さなどのデータを打ち込む。
 続く画面で「卒煙を開始する」「もう少し考える」「また次の機会にする」の三つのボタンのいずれかを選ばせ、利用者の“本気度”を確認したうえで、ようやく計算が始まる。
STEP2 「延命時間」計算、効果実感
 ソフトは計算結果として、節約できた金額のほか、禁煙効果を別の数量に換算して表示してくれる。
 例えば「禁煙で延びた寿命」。喫煙と寿命の関係は諸説あるものの、このソフトは、1本吸うと寿命が約5分縮まると仮定し、「延命時間」を計算する。数字の信頼性はともかく、1本を吸うのに5分かかると考えれば、「禁煙のお陰で節約できた時間」ととらえることもできる。
 さらに、このソフトは、吸わなかった本数の総延長を、有名な建築物などの高さや長さに例える。禁煙を始めて20日目だと「395本、33・62メートル、薬師寺東塔」と表示するので、禁煙の結果をイメージしやすい。
STEP3 別ソフト利用 「やる気」継続
 ただ、1週間も経過すると、ソフトの試算表示にも飽きてしまう。こうした時期は、気を引き締めるために、別のソフトを利用するのも良いだろう。
 同じ検索サイトで調べると、「禁煙ソフト…?」という別の無料支援ソフトが出てきた。このソフトは現在の喫煙本数と現在吸っている銘柄の値段を打ち込めば、今後、何本吸ってお金をいくら消費するかを計算してくれる。
 例えば「1日20本、1箱当たり320円」のペースで10年間吸い続けると、「7万3040本、117万円弱」との試算結果が出た。パソコン画面いっぱいに煙に消えた金額が表示されると、禁煙に対する「やる気」が再度よみがえった。
ソフト 頻繁に確認を過去にたばこに慣れ親しんできたのだから、いきなり無理をしない。
頻繁にソフトを確認して更新されたデータを見る。
飽きないような工夫が肝心。一つのソフトに固執しない。
記者の感想
 禁煙を始めて1か月が経過した。今まで挑戦しては挫折していたが、今回は、何とか続いている。ただし、このソフトも禁煙効果の数字を頻繁に確認していなければ意味がない。結局は、ソフトを活用する自分の意志次第だ、と思った。
毎日アドバイス届く有料サイトも
禁煙Webクリニック
 禁煙を手助けする有料サイト。東京女子医大付属病院の阿部眞弓医師が監修するプログラムに基づいて禁煙にチャレンジする。個人の生活パターンに応じたプランを立てられる。毎日届く「まゆみ先生からのお手紙」は、豊富な情報を蓄積したデータベースからきめ細かなアドバイスをもらえる。@ニフティ 月額525円。URLは、http://www.nifty.com/kinen/index.html
禁煙支援シート
 禁煙した時間や本数などをエクセルの表で自動計算できる。我慢したニコチンやタールの重さを1円玉の枚数に換算した結果が出るので、自然にやめたくなる。URLは、http://masa.moto84.com/freecgi/


2006/ 9/ 4 のどに穴… たばこの新パッケージ タイ (newsclip.be記事

【タイ】タイ保健省はたばこに関する規制を強化する。ほぼすべての公共スペースを禁煙とするほか、目を背けたくなるような写真を使った新バージョンのたばこパッケージを投入する。新パッケージの写真は、のどに穴の開いた病人などで、気の弱い喫煙者にとっては心臓に悪そうだ。
 禁煙区域の拡大は11月施行の予定で、喫煙可能な場所は、自室、自宅、指定された喫煙エリア、路上などに制限される。罰金はこれまでと同じで、違反者2000バーツ、場所のオーナー2万バーツ。
 パッケージに関する新規則は来年2月に施行される見通し。「ライト」「マイルド」といった言葉の新規使用を禁止するほか、たばこに含まれる有毒物、発がん性物質の名称のパッケージへの記載を義務付ける。
 新たに投入されるパッケージは、「たばこの煙で脳の血管が壊れる」「たばこの煙で心臓病で死ぬ」「喫煙すると喉頭がんになる」という警告文と病人の写真を載せた3種類で、現在販売されている6種類に比べ、インパクトが強い写真が使用される。
 タイではたばこの広告やテレビでの喫煙シーンの放送が禁止されている。昨年3月には、たばこのパッケージの表裏の面積の半分以上にたばこの害が明確に伝わる写真と警告文を掲載することが義務付けられ、同9月にはたばこの陳列販売が禁止された。こうした対策の成果か、喫煙者の数は2001年の1055万人から04年は963万人に減少した。


2006/ 9/ 4 喫煙対策へ本腰 自販機撤去に敷地内禁煙 宜野湾市 (琉球新報記事

 【宜野湾】市民の健康増進を図ろうと、宜野湾市が喫煙対策に本腰を入れている。7月にはたばこの自動販売機を市役所から撤去。8月31日には市保健相談センターが県内の行政施設で初めて、建物内だけでなく駐車場を含めた敷地すべてを禁煙とする「敷地内禁煙」に認定された。疾病予防に肥満対策を行う市町村は多いが、喫煙対策は宜野湾市が先進地。市は公共施設の完全禁煙・分煙を目標にするなど受動喫煙防止を進める予定で、愛煙家には値上げとともに肩身の狭い環境になっている。 背景には肺がんや虚血性心疾患など喫煙の影響による疾患が多いことが挙げられる。肺がんは全国的にもがんの死因のトップだが、宜野湾市はその割合が高い。厚生労働省の2002年の調査では肺がん死亡率は全国を100とすると、沖縄県は男性119.1、女性117.7。宜野湾市はさらに高く男性130.5、女性140.9だった。市の調査でも過去3年間、肺がんと狭心症・心筋梗塞(こうそく)が死因の1―2位を争っている。
 市は2004年度に策定した「健康ぎのわん21」10カ年計画でたばこ対策を重点課題に据え、市職員の喫煙調査や禁煙チャレンジャー募集などを行ってきた。県が認定する「敷地内禁煙」は門に禁煙の看板を掲げ、庭や駐車場でも吸えない厳しさ。県内ではこれまでに3病院しか認定されていない。
 市は7月にも1度、県に敷地内禁煙を申請したが、「隣の施設の喫煙所から10数メートルの距離に執務室があり風向きによっては煙が入る」などの理由で却下され、改善を図ってようやく認められた。
 今後の取り組みは、子どもたちへの禁煙教育だという。伊波洋一市長は「高校生の3割がたばこを吸っているという調査結果もあり、健康への悪影響が心配される。早い時期からの教育が課題だ」と話した。


2006/ 9/ 2 ニコチン含有量増で禁煙難? 米マサチューセッツ州調査 (フジサンケイ ビジネスアイ記事

 米国でたばこのニコチン含有量が数年間で平均10%も増えているとの調査がまとまり、禁煙団体などから法規制を求める声が上がっている。米紙ワシントン・ポスト(電子版)などが報じた。
 それによると、マサチューセッツ州保健局が116銘柄を対象に1998~2004年の7年間の変化を調べたところ、92銘柄のニコチン量が増えていた。
 1本当たりでは平均1・72グラムから1・89グラムへと9・9%増加。銘柄別で最も増加率が高かったのはレイノルズ・タバコの低タール製品「ドーラルライト」の36%増だった。喫煙高校生の3分の2が吸うというマルボロは12%、アフリカ系米国人が好むメンソールタイプのクールライトは30%と、若年層やマイノリティー(少数民族)層に支持される銘柄で増加傾向が目立つという。
 同州の保健局は同紙の取材に「ニコチン含有量の増加が禁煙を難しくしている」と指摘。「青少年を喫煙から守る運動」事務局は、たばこ会社が勝手にニコチン量を増やすことを禁じる措置が必要としている。
 日本たばこ産業(JT)は「日本では2000年ごろから低タールたばこの需要が拡大しており、これらの製品には原料の葉のうち、低ニコチンの部分を使っている。同様の問題は日本では起こりえない」(広報部)と話している。


2006/ 9/ 1 肺がんと乳がんの対策に着手=青森県 (時事通信官庁速報)

 青森県は、県民の死亡原因1位であるがんの対策の一環として、肺がん・乳がんの予防、早期発見のための施策に本格的に取り組むことを決めた。平均寿命の改善や県民の健康づくり推進が目的。 県によると、2002年から04年の青森県における部位別の悪性新生物による死亡数の推移は、肺がんが3年連続トップ。また、30歳から69歳までの女性の間では、乳がん死亡者が増加している。県はこうした状況を深刻に受け止め、まずは肺がんと乳がん対策を強化することにした。 肺がん対策は当面、啓発事業が中心。県内6保健所が、県内全小学校のPTA、保護者を対象に「受動喫煙防止学集会」を開き、児童の喫煙や受動喫煙を防止し、健康に及ぼす影響をめぐる知識の普及に努め、たばこによる健康被害への意識を高めてもらう。小学生を対象に「たばこと健康」などと題したメッセージを募集して冊子を作成し、市町村などに配布する計画もある。 乳がん対策は、乳房をX線で撮影して乳がんを早期発見する機器であるマンモグラフィー(乳房X線撮影装置)の撮影技師養成のための研修会を今年度中に開催する予定。対象者は主に県内の診療放射線技師で、マンモグラフィーを扱える技師を50人程度育成したい考え。


2006/ 9/ 1 12県が「建物内禁煙」に=本庁舎の受動喫煙対策-健康増進法施行3年で (時事通信官庁速報)

 健康被害だけでなく、においなどで周囲に不快感を与えるたばこの受動喫煙対策を定めた健康増進法が、2003年5月に施行されてから3年が経過した。官公庁施設は受動喫煙対策に取り組む努力義務が課されているが、時事通信社が各都道府県の本庁舎(知事部局)を対象に現状の対策を聞いたところ、建物内を禁煙にしているのは12県と、全体の4分の1にまで増加。このほかの都道府県は喫煙場所を指定し、分煙に取り組んでいる。
◇来庁者への対応分かれる
 調査は8月中下旬に、受動喫煙対策を所管する各都道府県の担当課に電話で照会した。 それによると、本庁舎(知事部局)内を禁煙にしているのは、秋田、山形、栃木、埼玉、神奈川、山梨、長野、山口、高知、福岡、佐賀、鹿児島の12県。健康増進法の施行と同時に導入した佐賀県を第1号に、職員の健康や受動喫煙防止を徹底する観点から、実施団体数は年々増えている。このうち長野県は、県有施設は「敷地内禁煙」とさらに踏み込んだ対策を取っている。 ただ、禁煙の徹底度は県によって異なる。栃木県は建物内禁煙を基本としながら、屋外に出るのに時間がかかる高層階など一部については当分の間、喫煙室の利用を容認している。このほかの県は、屋上やバルコニー、敷地内に設置した喫煙場所でのみ喫煙できる。喫煙場所については、県民の目を意識し、「外から見えない場所に設けている」(神奈川県)などの配慮をしている自治体もある。 来庁者に関しては、9県が職員と同様の対応を求めている一方、「お客にそこまで強要できない」と語る秋田をはじめ、福岡、鹿児島の3県は来庁者向けの喫煙室を庁内に設置している。 また、12県の中で唯一、「敷地内禁煙」に取り組む長野県は、04年12月のスタート以降、近くの路上で喫煙する職員が増え、吸い殻も散乱して、近所からクレームが寄せられていた。このため、05年12月から本庁舎の敷地内に屋外喫煙所を試行的に設け、職員はそこで吸えるようにしており、実質的には本庁舎は建物内禁煙の状況となっている。 試行的な設置から約9カ月が経過したが、「喫煙所を設けてからは近所のクレームも減った」(県経営戦略局)こともあり、当面は喫煙室を継続する見通しという。
◇分煙基準達成は6割弱
 一方、分煙については、厚生労働省の検討会が02年6月に対策の実効性を確保するための分煙効果判定基準をまとめている。具体的には、▽非喫煙場所から喫煙場所に向かって毎秒0.2メートル以上の空気の流れがある▽喫煙所の粉じん濃度が1立方メートル当たり0.15ミリグラム以下である―などの条件を示し、同省はこの基準を参考に適切な受動喫煙防止措置を講じるよう求めている。 建物内禁煙に取り組む12県以外の都道府県は、分煙を実施しているが、このうち、各自の喫煙室・コーナーが分煙効果判定基準に合致していると回答したのは全体の6割弱程度。残りの団体の中では、測定していないために基準に合致しているのかどうか分からないとの回答も目立ち、基準に沿った実効性のある分煙は必ずしも徹底されていない。 基準をクリアしていないケースでは、「今年度中に対応予定」(愛知県)など、対策のめどがおおむね付いている団体がある一方、厳しい財政事情が影響し、対策が遅れているところもある。北海道は「基準をクリアするための工事は金が掛かりなかなかできないので、将来的にはできるだけ早期に庁舎内禁煙にせざるを得ない」と語る。 また、財政面ではないが、既に建物内禁煙に移行した神奈川県は健康への配慮に加え、「建物が古い上にスペースもなく、(基準に合致した)完全分煙の場所をつくれない」という物理的な制約も移行の一因となった。


2006/ 9/ 1 たばこ税、駆け込み需要で44%増 (日本経済新聞記事

 財務省が1日発表した7月の税収実績によると、たばこ税の税収が前年同月と比べ44.4%増の1108億円となった。単月では1998年12月以来の高水準。7月の税収は6月の国産たばこ出荷分が反映される。7月からたばこ税が販売価格一本あたり1円引き上げられたのを前に駆け込み購入が膨らんだためだ。
 国税収入全体では、一般会計ベースで15%減の3兆4827億円。個別税目では、消費税収が3%減の8861億円。消費税が免除される輸出が好調なため。予算額に対する年度当初からの進ちょく割合は13.8%で、前年同月の14.4%をやや下回って推移している。


2006/ 8/31 気づかず進行…恐怖「たばこ病」 (サンケイスポーツ記事

 かぜでもないのにしつこくせきやたんがでる、階段や坂道を上ると息切れがして、同年代の人についていけない。こうしたことに心当たりがあり、喫煙の習慣があれば、「COPD(慢性閉塞性肺疾患)」かもしれない。別名「たばこ病」とも呼ばれる「COPD」は、40歳以上の日本人の約12人に1人が罹患しているにもかかわらず、多くの人が重症に陥るまで気づかない怖~い病気。ゆっくり確実に進行する「肺の生活習慣病」だ。その実態と対策は。

 「COPD(慢性閉塞性肺疾患)」は、息の通り道となる「気道(気管支)」に障害が起こり、ゆっくりと呼吸機能が低下する病気。従来、「慢性気管支炎」「肺気腫」などと呼ばれてきた病変が含まれる(別項)。他の生活習慣病同様、ゆっくり確実に進行するため、久留米大学医学部(福岡県久留米市)内科学講座の相澤久道教授は、「一番の問題は、罹患していても気がつかず、放置されていること」と警鐘を鳴らす。
 「初期症状はせきやたん。ありふれた症状なので見過ごされることが多いが、日本の潜在患者数は約530万人と多い。40歳以上の8・5%に『COPD』の疑いがあります」。ところが、厚生労働省の調査によると、「COPD」の治療を受けているのは、わずか21万人。今後20~30年で、有病率・死亡率とも高まると予想されている。
 「COPD」の主な原因は、「たばこ病」の異名どおり、たばこに含まれるニコチンやタールをはじめとする有害物質。これらを吸い込み続けることで、肺にいつも炎症が起こった状態が続き、その結果、加齢とともに進む呼吸機能の低下が、さらに著しくなる。
 肺は風船のように伸び縮みすることで空気を出し入れし、体に酸素を取り入れ、気管支は、ブドウの房のような形をした周囲の肺胞から引っ張られることで広さを保っている。ところが、肺の炎症が長く続くと、「肺胞のひとつひとつの壁が壊れて、弾力がなくなってしまう。引っ張る力が弱まるため、気管支の内腔が狭くなり、肺への空気の流れが慢性的に悪くなってしまうのです」。
 また、肺が縮みにくくなると、「呼吸するのに余計な力が必要になって効率が悪くなり、息切れを起こしてしまう」。治療せずに放置すると肺胞の破壊はさらに進行し、自力で呼吸ができなくなる呼吸不全に陥る。
 「肺だけでなく、全身の筋力の低下が見られる人も多い」。心臓や消化器など全身に障害が現れることもあり、最後には呼吸不全や心不全、重い肺炎を起こし死に至る。
 予防し、進行を防ぐには、「たばこをやめること」だが、肺機能検査を定期的に受け、早期発見することが特に重要。
 「一度、破壊されてしまった肺は元に戻すことはできませんが、進行を食い止めたり、遅くしたりすることは可能。一番大切なのは、治療によってよくなることを認識してもらうこと」と相澤教授。まずは、「COPD」に罹患している可能性があるかどうかをチェック(表)。気になる症状がある場合は、1日も早く受診しよう。
【「COPD」の2つのタイプ】
 「COPD」には、従来「慢性気管支炎」とされてきた気管支・細気管支に病変がある「気道病変タイプ」と、「肺気腫」とされてきた肺胞の病変がみられる「気腫タイプ」がある。相澤教授は、「日本人には、『気腫タイプ』の病変が強い患者が多いが、ほとんどの患者の場合、2つの病変が重なってみられる」という。
★気道病変タイプ=気道の表面が炎症を起こし、粘液の分泌が増加。気道の壁が厚くなって気道が狭くなり、空気の通りが悪くなる。せきやたんを伴う場合が多い
★気腫タイプ=慢性の炎症によって肺胞がつぶれてくっつきあい、肺に空気がたまって膨れ上がった状態になる。肺の弾力がなくなって空気の出し入がれしにくくなるうえに、膨れ上がった肺組織が気道を押しつぶすため、息切れや、息苦しさが続く
【「COPD」の治療】
 今のところ根治療法はないが、早期に診断を受けて治療を開始すると、呼吸機能の低下が食い止められ、健康な人と変わらない生活を送ることができる。治療の第一歩は、喫煙という生活習慣を断つこと。ただし、「発症してしまうと、禁煙しても1年間に健康な人の約6倍、60ccずつ呼吸量が減ってしまうので、禁煙に加え、チオトロピウムなどの気管支を広げる作用がある抗コリン薬(吸入薬)を使う必要がある。それにより、健康な人の老化と同様の呼吸量の減少に抑えることが期待でき、最大呼吸量や息切れせずに運動できる時間も増えます」(相澤教授)。下肢の運動と呼吸訓練といったリハビリテーションを併用することで、さらに効果があがる。「呼吸訓練では、肺の中の空気を出し切ることをします。下肢の筋力をつけると運動効率がよくなり、体力の低下も防げる。呼吸困難→運動しない→筋力がなくなる→体力低下→呼吸困難がさらに悪化、という悪循環を断ち切ることができるんです」。
あなたは大丈夫? COPD(慢性閉塞性肺疾患)チェックリスト
★40歳以上である
★痩せている
★毎日たばこを吸っている、または過去に10年間以上たばこを吸っていた
★身近にヘビースモーカーがいる
★かぜをひいていないのにせきがでる
★せきは、天気が悪いほどひどくなる
★かぜをひいていないのにたんがからむ
★同年代の人に比べて息切れしやすく、同じペースで歩くとつらい
★駅の階段を周りの人と同じペースで上れない
★ゴルフや山歩きなどのスポーツで、息切れが原因で、ほかの人についてい くのがつらくなった
※「はい」の数が多いほどCOPDの可能性が高い


2006/ 8/31 忠誠誓う禁煙…巨人コーチ陣のクビに秋風 原にゴマすり…来季入閣かけアピール (ZAKZAK記事

 秋風が吹き始めた巨人コーチ陣。原監督(中)は全員残留を要求するというが…
 巨人コーチ陣のクビに秋風が吹き始めた。球団関係者が苦笑しながら、「突然禁煙し始めたコーチがいる。〇〇や××がそうだ。少なくとも原監督の視界に入る所では吸わない。原監督に対する、一種の“これ”なんだろう」と、ゴマをするジェスチャーをしてみせる。
 確かに、原監督は最近、ナインやチームスタッフに「タバコは害毒だぞ」と声をかける。実は原監督自身、もともとは愛煙家だったが、前回監督を辞めた03年オフに禁煙。一部コーチはこんな所でも“忠誠”をアピールしているワケだ。
 一方、原監督に近い関係者は「監督は来季も采配(さいはい)を振るう条件として、コーチ陣全員の残留を要求するのではないか」とみる。「ゴルフ仲間内閣」とも揶揄(やゆ)される原監督だが、03年にはコーチ人事をめぐって当時の三山球団代表と衝突し、3年契約の2年目で辞任した経緯がある。今回は、球団側が1年で監督のクビを切るわけにいかない状況だけに、原監督は「今回はある程度思い通りにやらせてもらえるはず」と漏らしているという。
 球界OBでも就職難の昨今。このオフの組閣に向け、水面下でさまざまな駆け引きが行われることになりそうだ。


2006/ 8/30 たばこの煙が気になる秋~8州で規制強化の住民投票 (USFL.COM記事

 喫煙者を閉め出そうとする動きが、全米で強まっている。今秋の中間選挙に合わせ、税引き上げや職場での禁煙などたばこ関連規制強化の住民投票が、過去最高の8州で予定されている。
 クリスチャン・サイエンス・モニターによると、喫煙に反対する各種の団体は、州単位の禁煙規制が各地で承認されれば連邦議会に全米的な規制の検討を促すことになると、期待を込めて投票に注目している。米国肺協会(ALA)の政策担当者ポール・ビリングス氏は「2008年か09年には、全州のレストラン・職場を禁煙にできるだろう」と鼻息が荒い。
 司法省が大手たばこ会社各社を相手取って起こしたたばこの健康被害周知をめぐる訴訟で、ワシントンの連邦地裁は今月17日、たばこ会社が消費者を欺き、連邦法に違反したとする判決を下している。判決はたばこ会社に対し、喫煙の健康への影響や中毒性に関する字句の修正とともに、「ライト」や「低タール」などの表現禁止も命じた。
 業界は宣伝攻撃にもさらされている。ニューヨークのブルームバーグ市長はこのほど、世界的な禁煙運動に私財1億2500万ドルを寄付したと発表した。
 禁煙強化の一環として、すでに複数の州がたばこ税を引き上げている。全米平均課税額は04年1月の1箱当たり72セントから今年1月には91.6セントに上昇し、現在は93.7セントとなっている。
 特に1990年後半から課税額が変わっていないカリフォルニアでは、禁煙促進団体が全米でも最高額となる1箱2.60セントを目標に増税を呼びかけている。同州では毎日200人の未成年がたばこを吸い始め、未成年喫煙者は現在20万人と推定されている。
 一方、愛煙家団体や業界団体は、規制反対の運動に乗り出している。業界大手RJレイノルズは、たばこ税引き上げは「小売店へのしわ寄せとなり、密輸を推進する」と主張。規制反対運動に4000万ドルを投じる予定で、アリゾナとオハイオでは、一部で禁煙は認めながらバーなどでは喫煙を許す妥協案を提示。同案が州民投票にかけられる。


2006/ 8/30 喫煙の危険度をデジタル測定する「Smokerlyzer」 カスタマイズ対応モデルも (MYCOMジャーナル記事

 英Bedfont Scientificは、呼気中一酸化炭素濃度測定器(Breath CO Monitor)「Smokerlyzer」シリーズに、思春期の若者や妊婦など特定の喫煙者層を対象に、警告レベルをアップすることができる最新カスタマイズ対応モデルを追加して、販売を開始している。
 同社は、これまで約20年間に渡って、Breath CO Monitorを用いた禁煙サポートプログラムを提供。主に医療機関などで利用する「Micro+ Smokerlyzer」や「Mini2 Smokerlyzer」に加え、個人で利用できるコンパクトサイズの「COmpact Smokerlyzer」などがSmokerlyzerの製品にラインナップされている。
 Smokerlyzerは、大きく息を吸い込み、15秒間ほど止めてから、Smokerlyzerのマウスピースに息を吹き込んでいくと、リアルタイムに呼気中の一酸化炭素濃度を測定することができる。タバコの煙に含まれる代表的な有害物質とされる一酸化炭素は、酸素より200倍以上もヘモグロビンと結合しやすく、酸素運搬能力を著しく低下させて、酸素欠乏などの危険な状態を招くとされている。Smokerlyzerの測定値は、一般的にノンスモーカーであれば6ppmCO以下になるが、喫煙者の喫煙の度合が増すほど、高い数値や警告シグナルがデジタル表示される。そのため、禁煙の強い動機付けにもなるという。
 新製品の「piCO+ Smokerlyzer」は、成人喫煙者に比べて、一酸化炭素の含有濃度が低くても身体に悪影響が及びやすい思春期の若者の喫煙者や、胎児に深刻な被害をもたらす危険性が高い妊婦の喫煙者の場合に、警告のレベルを上げるといったカスタマイズに対応。Windows XP/2000で動作するユーティリティソフトウェア「COdata+」を用いて、piCO+ Smokerlyzerのカスタマイズが行えるほか、測定データをPCに取り込み、詳細な分析データを表示、保存、印刷することも可能とされている。


2006/ 8/30 禁煙・分煙施設拡大 県、完全実施を呼び掛け (琉球新報記事

 分煙認定施設のステッカーが張られたレストラン=宜野湾市のカルチャーリゾートフェストーネ 県が認定する「禁煙・分煙施設」は8月16日現在で107施設あり、5月末の67施設から2カ月半で40施設増えていることが分かった。県歯科医師会の加藤進作理事によると、歯科医師会会員83施設が新たに認定を申請中。禁煙・分煙施設の取り組みが広がりを見せている 県禁煙・分煙施設認定制度は受動喫煙防止対策を推進し、禁煙・分煙施設の拡大を図ることが目的。施設が各保健所に申請し、すべての出入り口への禁煙表示や敷地内の吸い殻の有無、たばこの自動販売機設置状況などでランク付けし、基準を満たした事業者に保健所長が認定証を交付する。
 8月16日現在の認定施設は、敷地内完全禁煙が22施設、施設内完全認定が81施設、分煙認定が4施設。認定施設の内訳はホテル1、官公庁30、学校12、病院51、レストラン10、その他3となっている。
 認定された学校は敷地内完全禁煙9校、施設内完全禁煙3校。しかし、県教育委員会保健体育課が05年に実施した調査では小、中、高、特殊教育諸学校の全517校が禁煙、分煙のいずれかの対策を取っている。敷地内全面禁煙は21.7%(112校)、建物内全面禁煙が39.6%(205校)、分煙は38.7%(200校)となっており、申請して認められれば、認定施設はさらに増えることが予想される。
 県健康増進課成人保健班の前田光幸班長は「5月から全県で始めたため広がった」と認定施設増加の理由を説明。「滑り出しとしてはまずまず。医療機関や学校には敷地内完全禁煙を目指してほしい」と呼び掛けた。


2006/ 8/29 キース・リチャーズ、喫煙による罰金を免れる (バークス記事

 スコットランドのスタジアムで公演中、ステージ上でタバコを吸ったため罰金を科せられる恐れがあるといわれていたキース・リチャーズだが、罪に問われなくなったそうだ。ローリング・ストーンズは先週金曜日(8月25日)、公共の場での喫煙が禁止されているグラスゴーでパフォーマンスしていた。
 当初、スコットランドの市議会はリチャーズが喫煙したという報告を調査しており、事実であればリチャーズに50ポンド(約10,500円)、会場のハンプデン・コートに250ポンド(約5万2,500円)の罰金が科せられると伝えられていた。しかしながらBBCの最新ニュースによると、スタジアムのステージは喫煙禁止条例の適用外にあたるとし、リチャーズが摘発されることはなくなったという。市議会のスポークスマンはこう話している。「調査する予定はありません。コンサート会場のステージは、スコットランドの禁煙条例に含まれていません」
 しかしながら、客席は禁煙なので、スコットランドでコンサートを見る際はくれぐれも気をつけて。


2006/ 8/28 キース、スコットランドのステージで喫煙し罰金 (バークス記事

 ローリング・ストーンズのキース・リチャーズが、先週金曜日(8月25日)に行なわれたグラスゴー公演のステージでタバコを吸ったため罰金を科せられるかもしれない。スコットランドでは今年3月から公共の場での喫煙が禁止されている。
 BBCによると、市議会はリチャーズがステージで喫煙したとの報告を調査中、事実が認められればリチャーズに50ポンド(約10,500円)、彼の行為を止めなかった会場のハンプデン・パークに250ポンド(約5万2,500円)の罰金を請求するという。
 同じくスコットランドのエジンバラでは今月初め、愛煙家だったチャーチル元首相を演じた俳優メル・スミスが上演中にタバコを吸わないよう警告されたばかり。喫煙の権利を求める団体Freedom Organisation for the Right To Enjoy Smoking Tobaccoのメンバーは「喫煙禁止令のために、スコットランドは馬鹿げて見える」とのコメントしている。


2006/ 8/27 母譲り?女子中高生の喫煙、吸わぬ親と1・8倍の差 (読売新聞記事)

 両親に喫煙・飲酒習慣があると、その子供が中高生になって喫煙・飲酒する割合が、両親に習慣がない場合に比べていずれも大きく、父親よりも母親の影響を受けていることが、厚生労働省の研究班(主任研究者・林謙治国立保健医療科学院次長)の調査でわかった。
 林次長は「子供を指導する前に親を指導することが必要」と指摘している。
 この調査は、厚生労働省研究班が全国の中高生、のべ約32万4500人にアンケートし、1996年度から4年ごとに2004年度まで実施。今年度になって、林次長が再分析を加えた。
 04年度の調査によると、喫煙する母親を持つ女子の喫煙率は、喫煙しない母親を持つ場合の1・81倍で、飲酒する母親を持つ女子の飲酒率はそうでない場合の1・66倍。父親が喫煙や飲酒をする場合は、それぞれ、しない場合の約1・3倍だ。


2006/ 8/26 【TrendDoor】苦しめているのは身体だけでなかった“たばこ” (ライブドアニュース記事

 最近は街のどこにでも「歩行喫煙禁止!」「ポイ捨てNO!」と書かれた看板やポスター、地面に埋め込まれたレリーフを見ることができる。屋内禁煙の施設や店舗が増え続けているだけでなく、今年7月からたばこの値段が上がったこともあり、愛煙家にとって辛く厳しい時代はまだまだ続くようだ。
ひるがえって家庭の“大蔵省”にとっては歓迎すべきいい傾向なのだろう。たばこの値段が上がってもおこづかいの金額を変えなければ旦那様は自然と吸う量を控えるようになり結果的に家計が落ち着く。このような流れがすべての家庭に当てはまるとは思えないが、たばこ増税のニュースが発表されるたびに台所でほくそ笑んでいる奥様方は、実はかなり多いのかもしれない。
 「たばこ税」とは国たばこ税、地方たばこ税、たばこ特別税と消費税をあわせたもののこと。現在、喫煙者は国や自治体に対して年間2兆円もの貢献をしていることになる。たばこ1箱300円とした場合、税負担の合計は189.17円(63.1%)にもなり、この数字は高負担税物品といわれるものの中で最高水準だ。ちなみにレギュラーガソリン(1リットル)で44.4%、缶ビール(350ml)は43%というから、たばこにかかる税金の割合が非常に高いことがわかる。(数値はJTサイト内より/2006年7月1日現在)
 それでも欧米諸国に比べると日本のタバコはまだ安い。デンマークやポルトガルなどはたばこ税率が8割を超えているし、イギリス、フランス、イタリアなども軒並み7割強の税金をとっている。
ということは景気回復の兆しが見えている日本経済といえど、まだまだたばこ税を重要な収入源として考えているのか? 答えは否。その実態は想像と異なる。
先にも述べたとおり、たばこによる税収は約2兆円。しかし喫煙によるコスト(医療費、喫煙を原因とした労働力損失など)は約7兆円超と考えられている。つまりたばこが売れれば税収が増え、国が潤うのかと思いきや実際はまったくその逆で、喫煙者がたばこをやめることで売り上げが減るにもかかわらず、財政面をトータルで考えるとそれは国家への大きな貢献活動になりそうだ。
今回の【TrendDoor】のテーマに「たばこ」を選んだのは、けっして喫煙を奨励したり禁煙を推進する目的ではない。ちなみに筆者はスモーカーであり愛煙家を自負している。テーブルに座って吸い始める前には必ず周囲に確認をするし、風向き(煙の行方)には相当な注意を払っているつもりだ。
 しかし、そんなに遠くない将来に、ライターとたばこ分だけポケットが軽くなるだろう。そのときは「自分は国に貢献しているのだ」と、精一杯強がってみることとする。


2006/ 8/26 校内全面禁煙2割/県教育庁まとめ (AFP通信記事

 当局の統計によると、ドイツでは年間11万人から14万人がたばこが原因となる疾患で死亡する。写真はドイツ南部のニュルンベルク(Nuremberg)で煙草を吸う女性。(8月23日撮影)


2006/ 8/26 校内全面禁煙2割/県教育庁まとめ (沖縄タイムス記事

 県内の学校で敷地内全面禁煙を実施しているのは、二割にとどまっていることが県教育庁のまとめで分かった。那覇市内で二十五日開かれた県禁煙協議会(呉屋秀信会長)の総会で報告された。建物内全面禁煙が四割で、残り四割は喫煙場所を設けるなどの分煙対策のみ。専門家は「学校でたばこを吸う教員が、生徒に害毒を教えても説得力がない」と厳しく指摘している。
 調査は二〇〇五年五月、県内の小中高校など五百十七校を対象に実施。敷地内全面禁煙は21・7%(百十二校)、建物内だけ全面禁煙は39・6%(二百五校)、分煙は38・7%(二百校)だった。
 敷地内全面禁煙は、小学校では29・1%(八十校)だが、中学校は14・7%(二十三校)、高校は11・6%(八校)と取り組みが遅れている。中高とも約半数は分煙のみの対策にとどまっている。
 県禁煙協議会副会長の金城幸善県総合保健協会理事長は「全面禁煙と回答している学校でも、徹底されているかどうかは疑問だ。分煙では受動喫煙防止にはまったく意味がない」と指摘。「学校は率先して禁煙に取り組むべき立場だが、対策の遅れが目立つ。今後、学校の全面禁煙を軸に、地域の禁煙支援に取り組みたい」と話している。
 那覇市内で同日開かれた協議会の総会には、行政や企業、医療関係者らが出席。石垣市・大浜中の禁煙教育の先進事例などが報告され、学校現場での取り組みの重要性が強調された。「学校周辺のたばこ自動販売機を撤去できないか」などの提案も出された。


2006/ 8/26 禁煙治療、ここで受けられます=学会がHPにリスト掲載 (時事通信記事)

 4月から禁煙治療に保険が使えるようになったが、「いったいどこで受けられるの?」との声も多い。敷地内全面禁煙など、治療施設の要件が厳しいためだ。受診の手助けにと、特定非営利活動法人(NPO法人)日本禁煙学会(理事長・作田学杏林大教授)は、禁煙治療に保険が使える医療機関リストをホームページに掲載した。
 施設要件はこのほか、禁煙治療の経験のある医師1人以上、専任の看護師1人以上、呼気の一酸化炭素濃度測定器を備えていること-など。
 作田教授によると、大規模病院では敷地内全面禁煙、小規模のクリニックでは高価な濃度測定器がネックとなり、禁煙外来があっても要件を満たせない場合が多い。「『どこで受けられるのか』と毎日のように電話がかかってくる」と同教授。
 禁煙治療を行う医療機関は各都道府県の社会保険事務局に問い合わせれば教えてもらえるが、一覧できるようにはなっていない。このため、同学会は各事務局に問い合わせ、全国約2500カ所の施設名や連絡先を都道府県ごとに一覧表にした。
 県によってはホームページにリストを掲載している所もあり、その場合はそのページへのリンクを掲載した。同学会のホームページはhttp://www.nosmoke55.jp/


2006/ 8/25 たばこ税上げ、再び議論に=07年度税制改正で要望-厚労省 (時事通信記事)

 厚生労働省が25日にまとめた2007年度税制改正要望には、たばこ税率と価格の引き上げも盛り込まれた。たばこ税は06年度改正を受け、7月から販売価格で1本当たり1円アップ。2年連続の増税をめぐり、年末の税制改正作業で再び論議を呼びそうだ。


2006/ 8/24 禁煙するならこの病院へ 2000施設をネットで紹介 (中国新聞記事)

 たばこをやめたい人はこの医療機関へどうぞ-。日本禁煙学会(理事長・作田学杏林大教授)は24日までに、公的医療保険を使って禁煙治療を受けられる全国の約2000カ所の医療機関をデータベース化し、インターネットで公開した。
 禁煙治療は今年4月の診療報酬改定で保険適用となり、治療経験のある医師がいるなど一定の基準を満たし、全国の社会保険事務局に届け出た医療機関で保険が使えるようになった。しかし、患者が対象施設を知るには地元の社会保険事務局や各医療機関に問い合わせるしかなかった。
 このため、同学会が6-7月、各社会保険事務局に照会。回答をもとに、医療機関名と住所、電話番号が一目でわかる都道府県ごとのリストを作成、7月末から学会のホームページ(HP)上に掲載した。
 保険の対象患者は何年もたばこを吸い続け、ニコチン依存症と診断された人。同学会によると、自費負担なら約2-3カ月で3万円程度かかる治療費が半分以下の負担で済む。厚生労働省は、保険適用によって禁煙する人が増えればがんや脳卒中が減り、10年目に年500億円以上の医療費削減効果があると試算する。
 作田理事長は「7月からたばこが値上げされたこの夏が禁煙のチャンス」として「たばこをやめたいがどこに行けばいいか分からず、二の足を踏んでいる人は多いはず。HPを活用し、禁煙治療に足を運んでほしい」と呼び掛けている。
 医療機関データベースのHPアドレスはhttp://www.nosmoke55.jp/nicotine/clinic.html


2006/ 8/24 フランスも07年から飲食店禁煙に フィガロ紙報道 (朝日新聞記事)

 フランス政府は、飲食店を07年1月から禁煙とする政令を出す、と23日付フィガロ紙が報じた。業界ぐるみで反対しているたばこ屋兼業の喫茶店(バータバ)とディスコ、カジノは当面、対象外とする。ベルトラン保健相が10月に正式発表するという。
 同紙によると、与党の一部に慎重論があるため議会審議が不要な政令とする。反たばこ団体からは「空気が最も汚いバータバを除いては従業員を受動喫煙の危険から守れない」「若者が集まるディスコこそ全面禁煙がふさわしい」と異論も出ている。
 仏政府は相次ぐたばこ増税で喫煙者減らしに努めてきたが、たばこ販売は06年に入って再び増える傾向にある。


2006/ 8/23 消えゆくキオスク、タバコや雑誌不振 (日経ネット記事

 キオスクが売り上げ不振で姿を消しつつある。コンビニエンスストア型店舗への改装が進み、JR東日本の駅ではキオスクの店舗数はピーク時から約4割減少。背景にあるのは駅の禁煙化や携帯電話などの普及による電車内での過ごし方の多様化。利用者からは消えゆくキオスクを惜しむ声も上がっている。
 JR東日本管内では、同社のキオスク型売店「キヨスク」は、ピークだった1996年の約1400店から年々減少し、今年3月末には約830店に。一方、同社が98年に導入したコンビニ型売店は約400店に達した。私鉄もほぼ同様の傾向で、京王電鉄は85店舗あった売店のうち、これまでに9店舗をコンビニ型に改装した。


2006/ 8/23 2007年1月、マルボロ・ライトが消える!? - 米国 (AFP通信記事

【ワシントンD.C./米国 23日 AFP】数百万人の喫煙者に親しまれ、世界で最も売れているたばこの銘柄のひとつであるマルボロ・ライト(Marlboro Lights)が、法律制度の改正により米国内から消える可能性が出てきている。すでに欧州諸国では禁止されている、「ライト」、「低タール」、「マイルド」といったいわゆる記述用語をたばこのパッケージに記載することが裁判所の判決により、2007年1月より非合法化される。もし実効となれば、フィリップ・モリス(Philip Morris)USAなどの大手たばこ会社は、自社製品に含みの少ない用語の使用を強いられることになる。これにより、マーケティングにおいて新たな戦略が必要となってくるとも見られているが、欧州での現状が導くところ、売り上げに対する影響は制限されるとの業界内部の見解がある。写真はバーのテーブルに見られるマルボロ・ライトのパッケージ。(22日撮影)


2006/ 8/23 「人生好転」「仕事効率アップ」=禁煙作文コンテスト、2人1位-学会 (時事通信記事)

 特定非営利活動法人(NPO法人)日本禁煙学会(理事長・作田学杏林大学教授)は23日、禁煙体験談を競う「私はこうしてタバコをやめられた」作文コンテストの入賞者を発表した。全国から688通の応募があり、1位に非常勤職員の大塚幸絵さん(秋田市)と放送作家の土屋幸喜さん(35)=大阪市=の2人が選ばれた。
 20代の大塚さんは、会社が倒産し、生活のために禁煙。味覚が変わりシンプルな食べ物がおいしくなった。成功の喜びは「心の中の柱のように」自信となり、その後の人生は好転したという。
 土屋さんは、「喫煙はアイデアの素」という「伝説」を信じていたが、妻の勧めで試してみた禁煙ガムであっけなく禁煙。台本の執筆時間がスピードアップし、たばことアイデアに何の関係もないことが分かったとしている。


2006/ 8/22 喫煙への逆風、「トムとジェリー」にも - 英国 (AFP通信記事

 当局への苦情を受けて21日、テレビアニメ「トムとジェリー」(Tom and Jerry)の喫煙シーンの放映が国内で禁止された。
 「トムとジェリー」のある回では、メスの気を引こうとしたトムが紙巻タバコを吸い、別の回では、トムのテニスの相手が大きな葉巻を吸うシーンがある。
 子ども向けのテレビチャンネル「ブーメラン(Boomerang)」は、喫煙を容認したり魅力的に見せていると思われる場面を編集でカットすることに合意した。匿名の視聴者が実施した調査を受けたもので、通信規制団体オフコム(Ofcom)が21日、発表した。
 オフコムの担当者は、「トムとジェリー」では通常、喫煙は様式化された習慣として描かれており、常に許容されていたとまでは言えないとして、喫煙がさほど論争の的となっていなかった1940年代から1960年代にかけてのアニメ製作の背景を考慮するよう求めた。
 同時にこの担当者は、「アニメーションの歴史的価値の重要性を認識してはいるが、子ども向けのアニメに喫煙シーンが含まれていることに対して編集が要求されることには、一定の正当性がある」とも述べている。
 写真はアニメ「トムとジェリー」のタイトル画面。


2006/ 8/21 英放映の「トムとジェリー」、一部喫煙シーンカットへ (ロイター通信記事)

 英国で放映されている人気アニメ「トムとジェリー」の一部喫煙シーンが、視聴者からの苦情を受け、カットされることが分かった。
 英通信規制当局によると、抗議の対象となったのは2つのエピソードで、1つ目には、トムがメス猫の気を引こうと、片手だけで巻きタバコを巻いて、火をつけて吸う、というシーンが入っている。もう1つのエピソードには、トムのテニスの試合相手が大きな葉巻を吸っているシーンが挿入されている。
 同当局はウェブサイトで「喫煙シーンをテレビで放映すると、喫煙が当たり前の行為のようになってしまう懸念がある」と指摘している。また、同番組を放映している「ブーメラン」側は、一部喫煙シーンのカットに同意しているという。


2006/ 8/21 節酒、まず医師から 禁煙も「宣言」 頭頸部癌学会 (毎日新聞記事

頭頸部癌学会:節酒、まず医師から 禁煙も「宣言」、患者に奨励
 日本頭頸部癌(とうけいぶがん)学会(岸本誠司理事長、約3000人)は、会員の医師自ら節酒を心がけることを盛り込んだ「禁煙・節酒宣言」を公表した。過度の飲酒はたばこ同様、特定のがんを発生させやすくすることが確かめられており、社会へも広く呼びかける。
 口腔(こうくう)がん、咽(いん)頭(とう)・喉(こう)頭(とう)がん、甲状腺がんなど、首から上の器官(脳と目を除く)にできるがんを「頭頸部がん」と呼ぶ。世界保健機関(WHO)は、過度の飲酒が誘因となる頭頸部がんとして、咽頭がん、口腔がん、食道がんを挙げている。
 アルコールが体内で分解される過程でできる化学物質、アセトアルデヒドが発がんにかかわっているとみられる。日本人はアセトアルデヒドを分解する酵素の働きが弱い人が多いという。
 ◇学会場は全面禁煙
 宣言では、多くのがんの誘因となる喫煙を減らすため、学会の会場を全面禁煙とするほか、会員自らが禁煙・節酒を心がけ、患者らにも奨励することなどを盛り込んだ。
 同学会は「頭頸部がんは肺がんや胃がんと同時発症することが多く、治療できても呼吸や発声の機能を損なう。予防に向けて宣言の内容をアピールしたい」としている。


2006/ 8/21 禁煙タクシーなかなか増えません 東海3県1%弱136台 (読売新聞記事

会社、売り上げ考え消極的 民間団体は「全車」要望へ
 交通機関の禁煙が進むなか、禁煙タクシーの普及が伸び悩んでいる。全国の法人の導入台数は今年3月現在、2・8%の5867台にとどまり、東海3県は0・9%の136台と低迷している。公共施設で受動喫煙の防止措置を定めた健康増進法が2003年5月に施行され、各施設で禁煙化の流れが加速しているが、タクシーは取り残された形だ。民間団体からは、全面禁煙化を求める要望書を提出する動きも出ている。
 法人タクシーの事業者団体「全国乗用自動車連合会」(東京都)によると、東海地方の禁煙タクシーは今年3月現在、愛知県97台、岐阜県31台、三重県8台。名古屋で最大手の名鉄グループは昨年3月、愛・地球博(愛知万博)に来場する外国人らの需要を見込み、約1270台のうち38台を完全禁煙にした。屋根に禁煙マークのあんどんを設置し、ドアにはステッカーを張った。しかし、一般のタクシーに比べて売り上げは不振で、増やす計画はないという。
 名鉄交通の大屋隆昭・事業企画部長は「知名度が低いせいか、期待していたほどの需要がない。飲食店から帰宅する時に一服したいというお客さんからは、乗車を拒否されるケースもある」と打ち明ける。
 岐阜市の日の丸タクシーは03年1月に10台、津市の三交タクシー中部は昨年2台導入したが、ともに増車の予定はない。
 これに対し、大分県タクシー協会では、全国最多の約2100台の禁煙車を導入している。大分市と別府市などでは、個人タクシーも含めて全車禁煙化し、県内全体で8割が禁煙車となった。乗客とのトラブルもないという。「地域全体で取り組まないと知名度は上がらないし、お客さんの理解も得にくい」と協会幹部は指摘する。
 タクシー運転手が、国や会社を相手に受動喫煙の健康被害を訴える裁判も相次いでおり、昨年12月の東京地裁と今年5月の横浜地裁小田原支部は、判決でともに棄却としたものの、「車内は分煙不可能で、全面禁煙が望ましい」と指摘した。
 名古屋市の医師らで結成する「子どもをタバコから守る会・愛知」は、全面禁煙を求め、タクシー会社などに要望書を10月にも提出予定だ。世話人の家田重晴・中京大教授(健康教育学)は、「タクシーは狭い空間にたばこの煙がこもるので、全面禁煙にすべきだ。同乗した子どもの健康にも悪影響がある」と指摘している。


2006/ 8/21 7月のコンビニ売上高、2カ月ぶり減 (日本経済新聞記事

 日本フランチャイズチェーン協会が21日発表した7月のコンビニエンスストア売上高(11社、既存店ベース)は、前年同月比5.2%減の5876億円となり、2カ月ぶりに前年を下回った。6月にたばこ税値上げ前の駆け込み需要があった反動で、7月はたばこを買い控える動きが見られ、再び前年割れに落ち込んだ。雨天が多いなど天候不順の影響で、来店客数が4.1%減と5カ月連続で減少したことも響いた。客単価は2.2%減だった。
 全店の売上高は前年同月比2.4%減の6397億円となり、3カ月ぶりに前年実績を下回った。店舗数は2.2%増の4万337店だった。


2006/ 8/20 受動喫煙者が10億人、若年層の喫煙も深刻 - 中国 (中国AFP記事

 中国は、世界の喫煙人口の3分の1にあたる3億5000万人の喫煙者がいる。そのため、非喫煙者のおよそ10億人は、受動喫煙の恐れがあると考えられている。衛生省によると、同国の喫煙者1億人は18歳未満で、喫煙の若年化傾向を色濃く反映していると言う。写真は19日、北京国際空港(Beijing Capital International Airport)の喫煙室でたばこを吸う女性。


2006/ 8/20 校内で酒・タバコ、高校生が不良理事告発 /タイ (newsclip.be - Bangkok,Thailand記事

【タイ】バンコク都内の高校生30人が18日、高校理事の不適切な行いを告発する陳情書を教育省に提出、当該地区の教育委員会が調査に乗り出す事態となった。
 陳情書によると、同校のテパリット・シーパンヤー理事(58)は校内で頻繁に飲酒や喫煙を行い、学校予算を不当に流用した疑いが持たれている。同校では80人いた教師の約半数が辞表を提出するなど教師間の派閥争いが激化。同理事は「教育者同士のトラブルが生徒に誤解を与える結果になった」として告発の内容を否定している。


2006/ 8/19 コンビニに駆け込み5300件=酒・たばこの年齢確認は定着-協会が調査 (時事通信記事)

 昨年10月から今年3月末までの半年間に、女性や子供が危険を感じてコンビニエンスストアに駆け込んだケースが、全国で5300件余りに上ったことが19日、日本フランチャイズチェーン協会(東京)が実施したコンビニの防犯活動に関する調査で分かった。 同協会は昨年10月から、加盟コンビニ4万1677店舗で地域防犯に協力する「セーフティステーション(SS)活動」を開始。「駆け込み」への対応や、未成年への酒類販売制限など、活動開始から半年の取り組み状況を調査し、3万6622店舗から回答を得た。 それによると、駆け込んできた人に店側が対応した件数は、全国で計5325件。店舗数が多い東京が704件で最も多く、以下神奈川県445件、大阪府412件、北海道397件、愛知県358件の順だった。駆け込みの理由では、痴漢やストーカーなど不審者からの緊急避難が最も多かった。 コンビニからの110番通報は、全国で3万426件。内訳は「万引き・窃盗」28.0%、「たむろ」14.2%、「不法駐車」12.7%、「因縁
・恐喝」11.8%などだった。 酒、たばこ購入者への年齢確認実施率は、それぞれ95.4%、90.6%でほぼ定着していたが、成人向け雑誌の販売では68.0%。実施率が最も高かったのは、酒は鹿児島県、たばこは愛媛県だった。  同協会は「子供を狙った事件の増加で、地域貢献への意識が高まっている。コンビニが町の安全拠点となるよう取り組みを進めたい」としている。


2006/ 8/19 「狐」の山村修氏死去 (日刊スポーツ記事

 「日刊ゲンダイ」に「狐」の署名で長年にわたり書評を執筆した山村修氏(やまむら・おさむ=元青山学院本部広報室長)が14日午後2時35分、肺がんのため東京都内の病院で死去した。56歳。葬儀は近親者で済ませた。
 主な著書にエッセー「禁煙の愉しみ」「気晴らしの発見」など。7月に「<狐>が選んだ入門書」を出したばかりだった。


2006/ 8/19 東横イン:喫煙棟と禁煙棟を分離 JR高崎駅近く、22日オープン /群馬 (毎日新聞記事)

 ホテルチェーン「東横イン」がグループ最大の客室数のビジネスホテルを22日、JR高崎駅西口近くにオープンする。隣り合った14階建ての2棟を喫煙棟と禁煙棟に分けたのが特徴で、喫煙スペースを一切設けていない禁煙棟は全国でも珍しいという。
 客室数は禁煙棟が219、喫煙棟が323の計542室。禁煙棟は最近の喫煙者減少を踏まえ、顧客需要を見込んでの初の試みという。県内での同社ホテルの開業は2月の前橋店以来となる。
 同社は今年1月、完了検査後の身障者駐車スペースなどの不正改造が問題となったが、指摘された全国約100店舗の工事を6月に完了した。今回の新店舗は「すべての人に優しいホテル造り」を強調。2棟に身障者や老人向けバリアフリーのツインルームを各2室設けた。
 高崎ホテル・旅館ガイドによると、高崎駅東西口のビジネスホテルや旅館は計24店舗。今後も進出計画があり、ビジネス客らの争奪戦の激化が予想される。【深谷徹夫】


2006/ 8/19 たばこは美容の敵 若い女性に国が禁煙キャンペーン (朝日新聞記事

 「たばこは美容の敵」を合言葉に、厚生労働省が来年度から、20~30歳代の女性をターゲットにした新たな禁煙キャンペーンに乗り出す。全体の喫煙率が下がる傾向にあるのに、若い女性は一向に減らないためで、美容院や化粧品業界も巻き込んで禁煙指導を展開する。成人式でたばこをやめさせる「20歳の禁煙宣言(仮称)」など未成年者向け対策にも力を入れる。
 来年度予算の概算要求に関連費を盛り込む。
 04年の厚労省の調査によると、成人全体の喫煙率は26.4%(男性43.3%、女性12.0%)。男性は前年より3.5ポイント下がるなど下がる傾向が続いているのに対し、女性は0.7ポイント上昇した。中でも20~30歳代の女性は2割近く、対策の必要性が指摘されていた。
 そこで厚労省はこの世代の関心が高い美容に着目。女性向けの「禁煙指導書」を新たに作り、美容院やエステサロンなどに配る。雑誌と同じ場所など目に触れやすいところに置いてもらう。
 喫煙が美容に与える影響については、化粧品会社の調査で、たばこを吸わない人より吸う人の方が、シミやくすみの原因となる色素「メラニン」が約5歳分早く増えることが報告されている。また、歯が黄色っぽくなったり歯茎が黒ずんだりするといわれる。
 厚労省は、指導書にこうしたデータを盛り込み「喫煙が美容の大敵であることを訴えて女性の禁煙意識を高めたい」という。化粧品業界にも、宣伝ポスターなどで喫煙の与える悪影響を取り上げるよう協力を求める。
 一方、未成年者の喫煙も、04年調査で高校3年生の喫煙率が男子2割、女子で1割にのぼるなど大きな課題だ。各地の成人式などに禁煙指導の専門家を派遣し、未成年で喫煙している若者に20歳での禁煙を呼びかける。
 このほか、禁煙に成功した人を各都道府県がボランティアの「禁煙普及員(仮称)」に任命し、イベントなどで禁煙の体験談やコツを語ってもらう事業も計画。こうした事業費の半分を国が補助する考えだ。


2006/ 8/19 たばこは美容の敵 若い女性に国が禁煙キャンペーン (人民日報記事

04年の厚労省の調査によると、成人全体の喫煙率は26.4%(男性43.3%、女性12.0%)。男性は前年より3.5ポイント下がるなど下がる傾向が続いているのに対し、女性は0.7ポイント上昇した。中でも20~30歳代の女性は2割近く、対策の必要性が指摘されていた。
そこで厚労省はこの世代の関心が高い美容に着目。女性向けの「禁煙指導書」を新たに作り、美容院やエステサロンなどに配る。雑誌と同じ場所など目に触れやすいところに置いてもらう。
喫煙が美容に与える影響については、化粧品会社の調査で、たばこを吸わない人より吸う人の方が、シミやくすみの原因となる色素「メラニン」が約5歳分早く増えることが報告されている。また、歯が黄色っぽくなったり歯茎が黒ずんだりするといわれる。
厚労省は、指導書にこうしたデータを盛り込み「喫煙が美容の大敵であることを訴えて女性の禁煙意識を高めたい」という。化粧品業界にも、宣伝ポスターなどで喫煙の与える悪影響を取り上げるよう協力を求める。
一方、未成年者の喫煙も、04年調査で高校3年生の喫煙率が男子2割、女子で1割にのぼるなど大きな課題だ。各地の成人式などに禁煙指導の専門家を派遣し、未成年で喫煙している若者に20歳での禁煙を呼びかける。
このほか、禁煙に成功した人を各都道府県がボランティアの「禁煙普及員(仮称)」に任命し、イベントなどで禁煙の体験談やコツを語ってもらう事業も計画。こうした事業費の半分を国が補助する考えだ。


2006/ 8/18 空気もおいしい店を認定=神奈川県 (時事通信記事)

 神奈川県鎌倉市、逗子市、葉山町の3市町を管轄する県鎌倉保健福祉事務所は、3市町にある飲食店を対象に、店舗内の受動喫煙防止対策を認定する「空気もおいしいお店」認定制度を始めた。飲食店への啓発に加え、3市町が観光地であることから、認定されれば店のPRにつながるとしている。 認定制度は、飲食店からの申請に基づき、(1)店内すべてが禁煙である「禁煙店」(2)フロア別や、壁などで喫煙席が完全に仕切られている「完全分煙店」(3)営業時間内に2時間以上店内が全面禁煙となる「時間禁煙店」―の3区分に分けて、事務所が認定。目に付きやすい入り口などに事務所が配布するステッカーを張ってもらうほか、事務所のホームページに店舗情報を掲載する。 3市町には約1700の飲食店があるが、これまでに認定したのは12店舗。同事務所では今後、制度のPRに努めるとともに、全県に広がることも期待している。


2006/ 8/18 喫煙率、18府県が数値目標 厚労省も設定を再検討 有識者チームで3案用意 (共同通信記事

 たばこを吸う人の割合(喫煙率)をどの程度減らすかについて、国に先行して具体的な数値目標を設定している都道府県が、4月1日現在で18府県あることが18日、厚生労働省の調査で分かった。
 同省は2000年策定の長期計画「健康日本21」に、成人の喫煙率半減の目標を盛り込もうとしたが業界などの反対で見送った経緯がある。自治体を参考に今後数値目標を導入したい考えで、現在有識者による作業チームを設置。「やめたい人が全員禁煙に成功した場合」など3案を同日、公表、検討を進める。
 同省が都道府県の数値目標導入状況を調べたのは初めて。18府県のほか13都道府県は、数値を掲げずに「減少」などを目標としていた。全く設定していないのは16県だった。
 新潟県は、成人の喫煙率について、2010年までの実行計画で「男性39%、女性5%」を目標としている。2004年調査では男性43・4%、女性8・2%で、禁煙希望者のうち指導で禁煙に成功した人の割合(約2割)から目標値を算出したという。
 茨城県は、2012年までの目標を定めた「総合がん対策推進計画」で「本数を減らしたい、やめたいという人全員が禁煙に成功した場合」を仮定し、男性を03年度の53・8%から20%へ、女性は10・6%から3%にする、としている。
 一方、北海道は「男女とも全国平均以下」、福島は「半減をスローガンに大幅減少」など、具体的数値を掲げず喫煙率の目標を設定している。
 04年国民健康・栄養調査によると、日本の喫煙率は男性43・3%、女性12・0%。厚労省が有識者チームの検討を基に公表した3案は、最も高めの「男性35%以下、女性10%以下」のほか、やめたい人が全員禁煙に成功した場合を想定した「男性30%以下、女性10%以下」や、1997年の喫煙率のおよそ半分に当たる「男性25%以下、女性5%以下」がある。
健康日本21
 がんや脳卒中、心臓病など日本人の死因の約6割を占める生活習慣病を予防するため、厚生労働省が策定した2010年までの国民的な健康づくり運動の計画。抽象的なスローガンを掲げる従来の手法を改め「塩分は1日10グラム未満」「純アルコールで1日60グラムを超え多量に飲酒する人を2割以上減らす」といった具体的な数値目標を9分野70項目にわたって設定し、成果を検証できるようにした。たばこについては当初「成人喫煙率とたばこ消費量を半減させる」との案があったが、業界団体などの反対で「未成年者の喫煙をなくす」「公共の場や職場での分煙の徹底」などが設定された。


2006/ 8/18 喫煙率の抑止へ 18府県数値目標 厚労省も設定再検討へ (西日本新聞記事

 たばこを吸う人の割合(喫煙率)をどの程度減らすかについて、国に先行して具体的な数値目標を設定している都道府県が、4月1日現在で佐賀県など18府県あることが18日、厚生労働省の調査で分かった。
 同省は2000年策定の長期計画「健康日本21」に、成人の喫煙率半減の目標を盛り込もうとしたが業界などの反対で見送った経緯がある。自治体を参考に今後数値目標を導入したい考えで、現在有識者による作業チームを設置し、「やめたい人が全員やめた場合」など3案を中心に検討を進めている。
 同省が都道府県の数値目標導入状況を調べたのは初めて。18府県のほか13都道府県は、数値を掲げずに「減少」などを目標としていた。全く設定していないのは16県だった。
 新潟県は、成人の喫煙率について、2010年までの実行計画で「男性39%、女性5%」を目標としている。禁煙希望者のうち指導で禁煙に成功した人の割合(約2割)から目標値を算出したという。
 茨城県は、2012年までの目標を定めた「総合がん対策推進計画」で「本数を減らしたい、やめたいという人全員が禁煙に成功した場合」を仮定し、男性を03年度の53・8%から20%へ、女性は10・6%から3%にする、としている。
 一方、北海道は「男女とも全国平均以下」、福島は「半減をスローガンに大幅減少」など、具体的数値を掲げず喫煙率の目標を設定している。
 04年国民健康・栄養調査によると、日本の喫煙率は男性43・3%、女性12・0%。


2006/ 8/18 喫煙率減少へ18府県数値目標 兵庫など16県設定なし (神戸新聞記事

 たばこを吸う人の割合(喫煙率)をどの程度減らすかについて、国に先行して具体的な数値目標を設定している都道府県が、四月一日現在で十八府県あることが十八日、厚生労働省の調査で分かった。
 同省は二〇〇〇年策定の長期計画「健康日本21」に、成人の喫煙率半減の目標を盛り込もうとしたが業界などの反対で見送った経緯がある。自治体を参考に今後数値目標を導入したい考えで、現在作業チームを設置し、「やめたい人が全員やめた場合」など三案を中心に検討を進めている。
 同省が都道府県の数値目標導入状況を調べたのは初めて。十八府県のほか十三都道府県は、数値を掲げずに「減少」などを目標としていた。全く設定していないのは兵庫など十六県だった。
 新潟県は、成人の喫煙率について、二〇一〇年までの実行計画で「男性39%、女性5%」を目標としている。二〇〇四年調査では男性43・4%、女性8・2%で、禁煙希望者のうち指導で禁煙に成功した人の割合(約二割)から目標値を算出したという。
 茨城県は、二〇一二年までの目標を定めた「総合がん対策推進計画」で「本数を減らしたい、やめたいという人全員が禁煙に成功した場合」を仮定し、男性を〇三年度の53・8%から20%へ、女性は10・6%から3%にする、としている。
 兵庫県は喫煙率の目標を掲げておらず、周囲の人が煙を吸い込んでしまう受動喫煙の防止に力点を置いている。敷地全体を禁煙にしているか、建物内が禁煙かなどの基準を設け、学校や事業所、飲食店など施設の種類ごとに達成度の数値目標を掲げた二〇一〇年度までの計画を策定。「禁煙は個人の取り組みが先決」とし、生活習慣病対策の一環として指導するにとどめている。
 〇四年国民健康・栄養調査によると、日本の喫煙率は男性43・3%、女性12・0%。厚労省は十八日、有識者チームの検討を基に、数値目標の三案を公表。最も高めの「男性35%以下、女性10%以下」のほか、やめたい人が全員禁煙に成功した場合を想定した「男性30%以下、女性10%以下」などがある。
 健康日本21 がんや脳卒中、心臓病など日本人の死因の約6割を占める生活習慣病を予防するため、厚生労働省が策定した2010年までの国民的な健康づくり運動の計画。抽象的なスローガンを掲げる従来の手法を改め「純アルコールで1日60グラムを超え多量に飲酒する人を2割以上減らす」といった数値目標を9分野70項目にわたって設定し、成果を検証できるようにした。


2006/ 8/18 米国株、小動きで始まる――経済指標を見極め、デルは急落 (日本経済新聞記事

 18日の米国株式相場は小動きで始まった。ダウ工業株30種平均は午前9時36分現在、前日比23ドル53セント高の1万1358ドル49セント、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は同3.44ポイント安の2154.17で推移している。新規手掛かりに乏しく、個別に材料の出た銘柄を中心に売り買いが交錯している。前日決算を発表したデルが大幅安となるなどハイテク株の一角が軟調で、ナスダック指数の重しになっている。午前9時45分ごろ明らかになる8月の米消費者態度指数(速報値、ミシガン大学調べ)を見極めたいとの雰囲気も強いようだ。
 中国人民銀行(中央銀行)が18日、銀行融資と預金の基準金利を引き上げると発表した。ただ、商品相場がしっかりとした動きになるなど、今のところ中国景気を大きく押し下げるとの思惑にはつながっていないもようで、株式市場への影響は特にみられない。
 喫煙の有害性などを消費者に隠していたとして米司法省がたばこ会社を相手に起こした訴訟で、ワシントン連邦地裁は17日、たばこ各社の不正を認める一方、原告が求めていた反たばこキャンペーンなどへの資金拠出については退けた。これを受け、アルトリア・グループやレイノルズ・アメリカンが上昇。アルトリアはアナリストが目標株価を引き上げたことも支援材料。早朝に自社株買い増額を発表したマイクロソフトも高い。朝方発表した決算が市場予想を上回ったほか、通期見通しを引き上げた婦人服小売り大手アン・テーラーが上昇した。
 半面、前日夕に大幅減益決算と米証券取引委員会(SEC)が会計問題で非公式調査を行っていると発表したデルが急落。アナリストが投資判断を引き下げたことも株価の重しになっている。前日夕に発表した決算で売上高が市場予想を下回ったマーベル・テクノロジー・グループも大幅安。前日夕の決算が減益となったほか、通期見通しを下方修正したギャップも売られた。北米市場での自動車生産を縮小すると発表したフォード・モーターは軟調。


2006/ 8/18 たばこ9社の不正認める 米連邦地裁判決 (朝日新聞記事

 米司法省が大手たばこ会社9社を相手取り、健康被害の情報を意図的に隠したり操作したりして消費者を欺いたとして、反たばこキャンペーンに計140億ドル(約1兆6000億円)の拠出を求めた訴訟で、ワシントンの連邦地裁は17日、たばこ各社側の不正を認める判決を言い渡した。
 しかし、法的救済としての金銭的な支払いは認めず、正確な健康被害について新聞広告を出すことと、10年間にわたり各社のウェブサイトに同様の記述を掲げることを求めるにとどめた。
 ロイター通信などが伝えた。地裁判事は「たばこが病気、苦痛、死を招くことを社内で認めながら、被告は公的にはこれを否定、ゆがめ、何十年もの間、健康の危険を最小限にみせた」と認定した。研究結果を隠し、書類を破棄し、ニコチン値を操作したとも述べた。
 反たばこキャンペーンなどへの資金拠出を認めなかったことについて、市民団体などは「たばこ会社にとっては大勝利でもある」と批判した。


2006/ 8/18 米たばこ会社、多額の制裁金支払いを免れる (ダウ・ジョーンズ・ニュース記事

 ニューヨーク(ウォール・ストリート・ジャーナル)米政府がたばこ会社に、不正に獲得した利益の返還を求めていた訴訟で、連邦地裁のグラディス・ケスラー判事は17日、「たばこ会社がたばこによる健康被害の危険性について消費者を欺いていたのは違法だ」とした一方、「自分には金銭的な改善措置を命じる権限がない」とする判断を示した。
 審理は9カ月にわたり、1年以上前に結審していた。今回の1653ページに及ぶ判決文は、たばこ業界にとっては複雑なものとなった。ほとんどのたばこ会社にとって、消費者を欺いたのは違法とされたことは打撃となる。ただ、各社が喫煙のリスクを隠そうとしていたことはよく知られている。
 この判決の影響力は、ケスラー判事が多額の制裁金支払いを科すかどうかが一部の鍵を握っていた。政府側は1999年に提訴した当初、2800億ドルの制裁金支払いを求めていたが、政府の要求はその後、禁煙キャンペーンのための140億ドルを支出させることに後退していた。
 ケスラー判事が制裁金支払いを命じなかったのは、これまでに連邦高裁が、制裁金は将来の問題に対するものでなければならないとの判断を示したことが一因だった。
 これで、訴訟の全体像大きく変わった。数年前は、たばこ各社が存続できるかどうかが懸念されていた。だが、大手たばこ会社に対して総額1450億ドルの懲罰的賠償金支払いを命じた陪審評決をフロリダ州高裁が無効とした判断について、フロリダ州最高裁が7月6日、この巨額の懲罰的賠償金は「法律上、度を超えている」とし、高裁の判断を支持した。
 ケスラー判事は今回、大手たばこ各社に、「ライト」や「低タール」などの言葉を使わないよう命じたほか、喫煙の危険性についてごまかしていたことを認め、消費者に広告や包装でたばこには中毒性があると警告するよう命じた。米国の主要新聞約35紙の週末版に全面広告を出すよう義務づけている。だが、たばこ業界が基金を設立し、数十億ドル規模とみられる、禁煙や喫煙に関する教育のプログラムを始めることは、義務づけなかった。
 この判決を受け、たばこ・食品大手の米アルトリア・グループ(NYSE:MO)は、同社が保有している食品大手クラフト・フーズ(NYSE:KFT)の株式88.1%のスピンオフ(分離・独立)に道が開けた。アルトリアは30日に取締役会を開き、その後間もなくスピンオフの決断を下すとみられる。
 たばこ銘柄の株価は、一連の裁判での勝利などで大幅に上昇しており、17日の時間外取引でも値上がりした。過去2年で70%上昇したアルトリアの同日終値は、前日比0.01ドル(0.01%)高の80.75ドル。その後の時間外取引では83.49ドルで取引されている。
 司法省のたばこ訴訟チームのメンバーだったポール・ホニッグバーグ氏は「この日の判決は、提訴した当時のクリントン政権が求めたような、たばこ会社からの不当利益の返還とはならなかったものの、政府の主張の正当性が認められた」と語った。
 米政府の不正に目を光らせる首都ワシントンの非営利団体CREWの幹部、メラニー・スローン氏は、「今回の判決の価値は、個人によるたばこ訴訟で判例として使われることにあるかもしれない」とした。
 一方、ジョージワシントン大学法律大学院のジョナサン・ターリー教授は、「政府が投じた多額の訴訟費用が実を結ばなかったわけで、政府側弁護士はもはや、たばこ会社が格好の標的とは考えていないだろう」との見方を示したうえで、「例外は、ライトと称したたばこの販売を詐欺だと主張している集団訴訟だ」とした。
 司法省は17日夜、声明で「裁判所がたばこ会社の責任を認めたことは歓迎できる。ただ、政府側が求めた改善策をたばこ会社に義務づけなかったのは残念だ。だが、今回裁判所が命じた改善策が、米国民の健康維持に大きな効果をもたらすと期待している」とした。


2006/ 8/18 呉服町名店街、路上禁煙地区指定を要望/静岡 (静岡新聞記事)

 静岡市内の中学生の誓願をきっかに、市議会6月定例会で可決された「市路上喫煙による被害等の防止に関する条例(歩きたばこ禁止条例)」の施行(10月)に向けて、同市葵区の静岡呉服町名店街(永田正明理事長)は17日、小嶋善吉市長に要望書を提出し、同名店街がある呉服町通りの路上喫煙禁止地区指定などを求めた。
 要望書には青葉シンボルロードに「喫煙ルーム」を設置することなども盛り込まれている。永田理事長は「子どもたちに危険を及ぼすこともある歩きたばこを呉服町通りから無くし、安全安心の街づくりを進めたい」と要望の趣旨を説明し、「喫煙を否定するのではなく、マナーを守ってほしいという思いが強い」と話した。周辺の商店街にも協力を求め、「中央商店街全体を禁止地区にしていきたい」という。小嶋市長は「屋外の喫煙ルームについては今後、検討していきたい」と話した。
 禁止地区は市が人通りなどの状況を判断し、随時指定していくという。禁止地区では路上喫煙や火の付いたたばこを持つ行為を禁止し、違反者には来年4月から過料を科す。


2006/ 8/17 「ライト」などの表現禁止=米たばこ会社に命令-地裁判決 (時事通信記事)

 【ワシントン17日時事】米司法省が大手たばこ会社各社を相手取って起こしたたばこの健康被害周知をめぐる訴訟で、ワシントンの連邦地裁は17日、たばこ会社が消費者を欺き、連邦法に違反したとする判決を下した。判決はたばこ会社に対し、喫煙の健康への影響や中毒性に関する文言の修正とともに、「ライト」や「低タール」などの表現禁止も命じた。 ただ、国がたばこ会社に求めていた禁煙プログラム基金への拠出については退けた。原告、被告双方とも控訴する見通し。米メディアが一斉に報じた。  同省はクリントン前政権下の1999年、たばこ会社が共謀して健康被害のリスクを隠し、消費者を欺いてきたとして、たばこ・食品大手アルトリア・グループやRJレイノルズ・タバコなどを提訴。過去50年間の利益総額約2800億ドル(約32兆円)の損害賠償を請求した。 同省がマフィアなど組織犯罪の取り締まりに使われる法律を適用したことに、たばこ会社側が猛反発。賠償請求権をめぐっては分離して裁判が進み、昨年2月に連邦高裁が国は過去の損害について賠償を求められないとする判決を下した。 これを受け、同省側は将来設立する基金への140億ドル(約1兆6000億円)拠出という形で事実上の賠償を求める戦術に変更して争っていた。


2006/ 8/17 路上喫煙許さぬ 広がる禁止条例 川口に続き6市施行へ (埼玉新聞記事

 「健康増進法」の施行を背景に、「路上喫煙防止条例」を制定して実施する自治体が増えている。県内では川口市が昨年五月にトップを切って実施したのをはじめ、今年になって所沢市や朝霞四市、熊谷市の計六市が施行する方針で、来年は川越市が施行する方向で、広がりを見せている。
 駅周辺など人込みの中での歩行喫煙は煙の害はもちろんのこと、他人の服を焦がしたり、やけどを負わされるなど非常に危険な行為。しかも吸い殻のポイ捨ても後を絶たない。 
 そのため路上喫煙防止条例は東京・千代田区が全国に先駆けて実施したことで知られているが、県内では川口市が最初に条例を制定後、昨年五月一日、JR川口駅の東西口周辺二カ所を指定して実施した。
 同市廃棄物対策課の話では「罰則はなく、もっぱら指導・勧告でパトロールを実施しているが、指定地区での喫煙者は減っており、効果は上がっている」という。
 これに刺激されて所沢市が七月一日に条例を施行し、九月一日から西武線所沢駅前や新所沢駅前など駅前や商店街など人通りの多い六地域を「路上喫煙禁止地区」に指定して、路上での喫煙を禁止する。しかし、指導・勧告が中心で、特に罰則を設けてはいない。
 同市生活環境課は「たばこをやめろというのではなく、節度をもって吸ってもらうのが狙い」と共存を目指している。
 朝霞、新座、志木、和光市は「四市まちづくり協議会」を通じて、三月に歩調を合わせて条例を制定し、十月一日から駅周辺を指定して実施するが、四市(志木市は罰則なしで七月に先行実施)とも悪質な違反者に対しては過料(二千円)を科すことにしている。
 熊谷市も十月一日からJR熊谷駅や籠原駅周辺で実施するが、マナーを重視し、罰則規定は特に設けてはいない。
 川越市は十二月定例議会に路上喫煙防止条例案を提案し、来年度から実施する方向で準備を進めている。
 このほか、秩父市や桶川市でも条例制定の検討を進めている。所沢市の花園や商店街振興組合の関係者は「ポイ捨てたばこの多さに驚いている。市民の喫煙マナーが向上し、美しいまちづくりのきっかけになればよい」と路上喫煙禁止の効果に期待している。条例制定の動きはさらに他の自治体に広がりそうだ。


2006/ 8/16 市内全駅周辺を分煙化=東京都多摩市 (時事通信記事)

 多摩市(14万4100人)は、8月から京王線聖蹟桜ケ丘、京王相模原線・小田急多摩線永山両駅周辺を「路上喫煙禁止区域」に指定、喫煙スポットを設置した。これにより、既に実施済みの多摩センター、唐木田両駅と合わせ、市内にある4駅周辺すべてで分煙化が実現した。 市は3月、駅周辺での歩きたばこや吸い殻のポイ捨てを防止するため、「路上喫煙の防止に関する要綱」を制定。罰則は設けていないが、各駅周辺で受動喫煙の恐れがない1、2カ所に大型灰皿を設置、喫煙スポットとした。喫煙スポットの管理・清掃は駅周辺施設を管理する企業に無料で行ってもらう。 当面、路上喫煙者に対する呼び掛けはポスターや看板などによる啓発にとどめるが、今後の状況によっては職員らによるパトロールも検討する。


2006/ 8/16 【サッカー】日本代表を襲った「間接喫煙地獄」 (朝鮮日報 - South Korea記事

 日本にあって韓国にないものがある。それは列車の喫煙車両だ。新幹線で移動する間、終始タバコの煙が霧のように立ち籠めている。非喫煙者にとってはかなりの苦痛だ。
 そして、この喫煙車両にサッカー日本代表選手らが2時間の間、閉じ込められていた。ゴールキーパー川口能活を含む12人の選手がその犠牲者だ。
 サッカー日本代表チームの司令塔に新たに就任したイビチャ・オシム監督はAFCアジアカップ2007予選、オマーン戦を控えて代表を急きょ召集した。選手らは13日午後1時までに新潟に集合しなければならなかったが、選手らが知らせを受けたのは12日午後10時だった。
 新潟は東京から新幹線で2時間、飛行機で1時間の距離。日本サッカー協会は早速新幹線のチケットを予約した。しかし、お盆休みと重なり、チケットを手に入れるのが容易ではなかった。そして、何とか手に入れたのが新幹線の喫煙席だった。
 浦和レッズ、横浜F・マリノス、ジュビロ磐田所属の12人ははやる気持ちで乗車したものの、彼らを待ち受けていたのは「間接喫煙地獄」だった。
 ゴールキーパー川口は「隣の人がひっきりなしにタバコを吸うので本当に辛かった。間接喫煙がどれだけ体に悪いことか」と不満を吐露した。日本サッカー協会の関係者は「3日ほど前からチケットを手配していたが、残っていたのは喫煙車両だけだった。選手たちには申し訳ないことをした」とコメントした。
クォン・ヨンハン記者
『スポーツ朝鮮』


2006/ 8/16 ニューヨーク市長、たばこのない世界目指し145億円寄付へ (ロイター通信記事)

 [ニューヨーク 15日 ロイター] ブルームバーグ・ニューヨーク市長は15日、世界中で喫煙をなくしたいとして、1億2500万ドル(約145億円)を寄付する計画を明らかにした。市長は元喫煙者。
 フォーブス誌によると、市長の資産は推定50億ドル以上で、米国人として40番目の富裕者。03年にはニューヨークのバーとレストランでの喫煙を禁止、今回は反喫煙を世界規模で推し進めようとしている。
 市長は「たばこは世界の第1のキラー(殺人者)だ。喫煙はスモーカー本人の害になるだけではなく、周囲の人の害にもなる」と強調した。
 市長によると、今回の寄付金は、喫煙者の禁煙の支援や、子供の喫煙阻止を目指すプログラムに充て、たばこのない世界を目指す、という。
【写真】8月15日、喫煙をなくそうと、ニューヨーク市長が1億2500万ドルの寄付を計画。写真は7月、「MTVビデオミュージック・アワード」の候補者発表会に出席した市長(2006年 ロイター/Brendan McDermid)


2006/ 8/16 喫煙率、下落続き..1.3%の下落 /韓国 (innolife.net記事

 韓国内の大人の喫煙率が落ち続けていると調査された。韓国禁煙運動協議会の調査結果、6月基準、韓国の満20歳以上の成人人口の喫煙率は24.6%で、3月の25.9%より1.3%下落した。これは2004年9月以後、最も低い数値だ。性別喫煙率では、男性は47.5%、女性は2.4%で、3月の調査に比べ、それぞれ1.7%と0.9%下がった。


2006/ 8/15 NY市長、禁煙促進へ145億円=たばこ嫌いで私財投入 (時事通信記事)

【ニューヨーク15日時事】ニューヨークのブルームバーグ市長は15日、世界的な禁煙活動促進のため、1億2500万ドル(約145億円)を寄付することを明らかにした。米メディアが一斉に報じた。同市長は「たばこ嫌い」として知られ、2003年には市内のレストランやバーを原則全面禁煙とする条例を施行したほか、高額のたばこ税も導入した。巨額の私財を投じることで、自らの嫌煙活動をより徹底させる。  報道によると、寄付金は今後2年をかけて複数の禁煙活動団体に贈られ、たばこの健康被害に関する啓蒙(けいもう)や子どもの喫煙予防教育などに活用される見通し。同市長は、次期米大統領選への出馬もうわさされているが、市長退任後は慈善活動に取り組む姿勢を示している。


2006/ 8/15 ビールや喫煙だめ (八重山毎日オンライン記事

 八重山商工高校体育館で毎回行われている甲子園のテレビ観戦。生徒が中心だが、2回戦には観光客や市民をはじめ約500人が集まった。これだけ集まると、中には、ビールを片手に観戦する人もおり、同校では体育館内での飲食は禁止されているため注意を呼びかけている。また、校内での喫煙も厳禁。
 14日、甲子園を訪れた夏川りみさん。大会関係者専用の食堂でみかけ、取材をしようとしたところ、主催者側から「大変申し訳ございません。勘弁してください」と待ったが入った。他社の取材も制限しており、1社だけ認めるわけにはいかないというのが理由。本人も取材に乗り気だったように見受けられたが、主催者との関係上そうもいかず、残念無念。


2006/ 8/15 南米チリで禁煙法発効、公共施設や飲食店が全面禁煙に (CNN記事

サンティアゴ──南米チリで14日、全国の役所や病院、学校、飲食店など、ほぼすべての公共の場所を禁煙とする禁煙法が発効した。多くの場所が全面禁煙となる厳しい対策は、南米ではウルグアイに続いて、2カ国目と見られる。
チリ保健省によると、同国の喫煙者は国民の約42%に達すると推定。毎年、たばこに関連する疾病で1万4000人が死亡しているとして、公共場所の全面禁煙に踏み切った。
同国の人口は約1550万人。
新たに発効された禁煙法により、大規模な飲食店では、来年5月までに禁煙スペースを設ける分煙化が求められる。中小規模の飲食店では、完全禁煙か、喫煙可能スペースを設けるか選択できる。喫煙可能スペースには、当局の基準を満たした排煙設備の設置が求められる。
禁煙場所でたばこに火をつけた場合は、30─60ドル(約3500─7000円)の罰金が科せられる。
南米では喫煙習慣に寛容な地域が多く、全面禁煙を定める厳しい規則が導入されるのは珍しい。しかし、たばこに関する疾病が増加していることから、禁煙化を推し進める流れが強くなっており、今年3月にはウルグアイが、公共施設の屋内すべてを全面禁煙とした。
ウルグアイの隣国アルゼンチンの首都ブエノスアイレスでも、今年3月から、市役所や市行政庁舎が禁煙となった。同市は今後、レストランやバー、商店街など、禁煙場所を段階的に広げていくほか、公共場所のたばこ広告も規制する予定。
ラテンアメリカ諸国としては、米国の隣国メキシコで、一部地域のレストランが禁煙席を設けている。
カリブ海諸国では、葉巻の主要生産国であるキューバで昨年、公共施設の屋内が禁煙となり、話題になった。ジャマイカやバーミューダでも、禁煙法の導入を検討。米自治領プエルトリコは今年2月、公共施設や13歳以下の子どもが乗車する車内を禁煙とする法案を可決した。


2006/ 8/15 「子どもの近く、外でも禁煙を」3学会がロゴマーク作成 (日経新聞記事

 子どもに受動喫煙させないために大人はもっと気を配るべきだと、日本小児科学会など3学会は、合同で注意を促すロゴマークを作製した。近くに子どもがいるときは屋外でもたばこを吸わないよう求め、子ども連れの家族はレストランや鉄道の喫煙席を利用しないよう警告に乗り出す。受動喫煙で子どもは、ぜんそく、アトピー性皮膚炎などになりやすいほか、発育に支障が出たり、成人後に肺がんの危険が高まるとしている。
 ロゴマークを作製したのは日本小児科学会のほか、日本小児科医会、日本小児保健協会でつくる「子どもをタバコの害から守る」合同委員会。
 あわせて「子どもは歩く禁煙マーク」という標語も考案。ロゴマークと標語の入ったポスターやステッカーを作製し、全国で配布する計画だ。
【図】小児科学会などが作成した禁煙ロゴマーク


2006/ 8/15 市立病院が敷地内全面禁煙へ/小田原 (神奈川新聞記事

 小田原市立病院(同市久野、中島麓院長)は九月一日から、駐車場など屋外を含む敷地内(約二万千平方メートル)をすべて禁煙にする。院内各所への掲示や同病院のホームページで周知し、喫煙者に理解を求めている。
 健康増進法の施行(二〇〇三年五月)を受け、同病院では〇四年四月から、館内を禁煙にするとともに、たばこをやめたい人に耳鼻科や呼吸器科の医師がアドバイスする禁煙外来を設置。〇五年三月からは、本館脇の屋外と駐車場近くの二カ所に喫煙場所を限り、敷地内分煙を図ってきた。
 しかし、県立病院のほか、藤沢や平塚など県内五カ所の市立・市民病院が敷地内禁煙を導入する中、小田原市立病院も「公立病院が率先して健康増進に取り組む必要がある」と判断した。患者や見舞いに訪れる人、職員はもちろん、タクシー運転手や納入業者などにも徹底を求める。


2006/ 8/14 偽「マイルドセブン」の撲滅目指す=北朝鮮の外貨収益減-拉致幹事会 (時事通信記事)

 政府の拉致問題専門幹事会(議長・鈴木政二官房副長官)は14日夕、首相官邸で法執行班の会合を開き、北朝鮮による日本製たばこの偽ブランド品製造を防止するため、具体策の検討に入ることを決めた。 政府は、北朝鮮国内で日本たばこ産業(JT)の「マイルドセブン」などの偽物が大量に製造されて中国や東南アジア諸国で流通し、北朝鮮にとって覚せい剤などに次ぐ外貨収益源となっていると見ている。法執行班では今後、偽ブランド品製造の実態や流通ルートなどの把握に全力を挙げるとともに、どういう法律が適用できるかなどについて検討を進める方針だ。


2006/ 8/14 政府、北朝鮮の偽たばこ製造疑惑で対策検討へ (日本経済新聞記事

 政府の拉致問題特命チーム(議長・鈴木政二官房副長官)の法執行班は14日、首相官邸で会合を開き、北朝鮮が日本たばこ産業(JT)のブランドである「マイルドセブン」を含む「偽たばこ」を製造している疑惑に関して、具体的な対策の検討に着手することを決めた。現在進めている実態調査の結果を見たうえで、農林水産、警察など関係省庁による総合的な対策をまとめる。
 日米の主要ブランドの「偽たばこ」は東南アジアなどで大量に流通しており、北朝鮮製が少なくないとされる。北朝鮮は偽ドル製造や麻薬密輸などで外貨を稼いでいるとされるが、「偽たばこ」も主要な資金源との観測もある。同班は7月末の会合で、東南アジア地域などの「偽たばこ」の流通実態の調査に乗り出すことを決めていた。


2006/ 8/14 喫煙車移動でGK川口「つらかった」 (日刊スポーツ記事

 過去に例のないメンバー発表と同日招集だったが、全員が招集時間の30分前の午後0時半には宿舎入りした。代表メンバーはこの日の午前中に発表されたが、選手には前日12日のリーグ戦後に通達があったため、スムーズに移動できた。ただ、集合場所が新潟市内、さらに日程がお盆と重なったため、一部の選手が帰省ラッシュの影響を受けた。
 最大勢力の浦和、横浜、川崎F、磐田所属の計12人は新幹線で移動したが、日本協会が用意したチケットは喫煙車のグリーン席。GK川口は「隣の人がずっとたばこを吸っていたのでつらかった。間接喫煙の方が体に悪いですからね」。代表関係者は「3日前からチケットの手配を始めたが、どうしても禁煙車両が取れなかった。選手には申し訳ない」と説明した。


2006/ 8/13 非行の低年齢化 (沖縄タイムス社説

 私たち大人は地域の子どもたちの行動にきちんと目を向けていると言えるだろうか。ややもすると「君子危うきに近寄らず」を装い、喫煙や飲酒などの不良行為にも見て見ぬふりを決め込んではいまいか。
 一月から六月までに県内で摘発された刑法犯二千百十九人のうち、十四歳から十九歳までの少年の割合は35%で、全国平均28%を6ポイントも上回っていることが分かった。
 全刑法犯に占める割合では熊本、福井、高知県に次ぐ高さだ。しかも十四歳未満の少年を含めると44%にまで跳ね上がるという。
 少年非行の低年齢化については大平修県警本部長も本紙論壇(一日付)で警鐘を鳴らしている。
 摘発され、補導された少年たちの実態は家庭の教育力の弱さだけでなく、私たち大人の、そして地域社会の責任をも告発していると言っていいのではないか。
 昨年上半期の少年の割合(40%)に比べると確かに刑法犯の数字は低い。
 しかし「触法少年」だけを見ると、統計を取り始めた一九七二年以降で最も多かった二〇〇五年(七百八人)の同時期に比べ四十九人も増えている。
 下半期にこのまま増えるかどうか明確ではないにしても、厳しい状況下にあることだけは間違いない。
 刑法犯で摘発、補導された触法少年を含む十九歳以下の少年は千九十七人だ。うち七百六十三人が窃盗犯で、「万引」が三百六十一人を占めた。
 不良行為で補導されたのは一万七千二百三十七人。前年同期より三千百九十九人も増えている。うちわけは「深夜はいかい」七千九百九十二人、「喫煙」五千三百八十九人、「飲酒」二千七十九人など。
 県警によると、刑法犯少年の再犯者率は全国第二位で、不良少年の深夜はいかいは全国四番目の高さ。飲酒少年に至っては全国平均の約九倍もあり、ワーストワンになっている。
 この実態は、私たち大人がどう少年たちの行動を受け止め、どう対応していくかを問うているといっても過言ではないはずだ。
 夏休みも中盤に入った。子どもたちの行動を優しく見守るのは当然として、おかしな行為には毅然とした態度で声を掛け、注意しなければならない。
 大人の温かい眼差しが子どもたちの“居場所”確保につながり、ひいては地域社会のきずなを強めることにもなるのではないか。自分の子と同じように周りの子どもに接していく。地域の子どもたちを叱ることは私たち大人の責任だということを自覚したい。


2006/ 8/13 禁煙指導 異例の追跡調査 効果なければ保険適用取り消しも (読売新聞記事

 厚生労働省は年内に、2006年度から保険適用が認められた医師による禁煙指導の効果を検証する調査に乗り出す。
 効果が乏しいと判明した場合は、08年の次回の診療報酬改定で保険適用の取り消しなども検討する。
 保険適用をめぐる診療効果の追跡調査は異例で、高齢化社会で膨張を続ける医療費を抑制する必要性に迫られたものだ。
 標準的な禁煙指導は、12週間で5回程度、医師の指導が行われる。医療機関は1回の指導で230~180点(1点10円)の保険点数を診察料や処方せん料に加えることができる。
 医療機関には現在も、指導が終了した1か月後に患者の禁煙が続いているかどうかを調べ、社会保険事務所に報告することが義務付けられている。ただ、「1か月後だけでは、禁煙指導の効果がわからない」との指摘があり、今回の調査では、厚労省が主体となり、「3か月後」と「6か月後」の禁煙成功率も追跡調査することとした。
 禁煙指導の保険適用にはもともと賛否両論があったため、調査の結果次第では、保険適用の取り消しや保険点数の引き下げなどを検討する。禁煙の禁断症状を和らげる禁煙補助剤のニコチンパッチの保険適用も、見直しの対象となる可能性があるという。厚労省は近く、中央社会保険医療協議会の委員や有識者らで構成する「調査検討委員会」(仮称)を設置し、調査対象の医療機関の選定に着手する。調査の実務は民間調査機関に委託し、来春にも調査結果をまとめる予定だ。


2006/ 8/12 欧州の求人広告 「喫煙者お断り」登場 (フジサンケイ ビジネスアイ記事

 【パリ=山口昌子】職場などでの禁煙が進む欧州に「喫煙者お断り」の求人広告が登場し、喫煙者に対する差別に当たるのではないかと物議をかもしている。
 求人広告を出したのはアイルランドの企業。この広告に対し、欧州連合(EU)欧州委員会はこのほど「企業は完全に差別の非難を受けることなく喫煙者を拒否できる」(シュピドラ雇用・社会問題・機会均等委員)と言明。差別には当たらないとの見解を示した。
 しかし、労組などは欧州委員会の見解を「行きすぎ」などと非難した。というのも、EU条約で差別を禁じているのは(1)年齢(2)身体的障害(3)性別(4)信仰(5)人種(6)民族-の6項目だけで、喫煙や飲酒は含まれていないからだ。
 フランスでは、面接試験などで雇用主が仕事に直接関係のない問題に関する情報を求職者に求めるのは「労働の権利の原則」に反し、差別と判断される。喫煙を含む「習慣」に関する差別も同様で、「喫煙者が差別されることはない」と雇用専門の弁護士は断言する。
 一方、昨年12月以降、喫煙者を採用しないことを決めた世界保健機関(WHO)の対応を「差別」として非難する声は今のところ出ていない。


2006/ 8/12 たばこ自販機規制全国に拡大、成人識別機能も準備進む (読売新聞記事

 未成年者の喫煙防止対策を強化するため、財務省はたばこの自動販売機の設置規制の対象地域を県庁所在地から全国に拡大する方針を固め、各地の販売店への指導を開始した。
 店員の目が届きにくい自動販売機の撤去や場所の変更などを求めている。
 一方、たばこメーカー3社で作る日本たばこ協会も今月から、たばこ店を対象に、2008年3~7月にかけて全国で導入される「成人識別機能付きたばこ自動販売機」の登録手続きを始めており、官民挙げて未成年者の喫煙防止に乗り出す。
 財務省が規制を強化するのは、たばこ自販機の店舗への併設が義務づけられた1989年6月以前に設置された約29万台が対象だ。昨年から、主に県庁所在地にある約7900台を対象に、店員が目で買い手を確認できる位置に置くように文書指導してきたが、この夏からは、指導エリアを全国に広げた。


2006/ 8/12 福大病院、来年1月から敷地内全面禁煙へ…患者も喫煙ノー! (読売新聞九州版記事)

 患者も見舞客も、たばこはダメ――。福岡市城南区の福岡大学病院は来年1月から、病院敷地内を全面禁煙にする。医療スタッフや事務職員だけでなく、患者も喫煙できなくなる。職員に「就業時間内は自ら禁煙する」と誓う病院長あての「禁煙宣言書」を書かせているほか、副院長を隊長とする「禁煙パトロール隊」も発足させ、喫煙者に目を光らせる予定だ。
 福岡大学病院は1973年の開院。当初は病棟や診察室に灰皿があり、喫煙しながら診察する医師もいたが、82年に分煙となり、喫煙コーナーが設けられた。健康増進法で、学校や病院に受動喫煙防止が義務づけられた2003年から病院内を全館禁煙とした。
 しかし、病院の出入り口付近に設けた喫煙所周辺は愛煙家のたばこの煙が充満、患者や見舞客から受動喫煙を懸念する声が相次ぎ、全面禁煙に踏み切ることにした。
 病院は6月から、5か所あった喫煙所を3か所に減らし、職員や納品業者の敷地内での喫煙を禁止した。「禁煙宣言書」はこれまで、約1680人の全職員の3分の1が提出。たばこの自動販売機も12月中に撤去するほか、職員や患者向けの禁煙教室も予定している。
 敷地内禁煙は、10月から開設する禁煙外来治療を保険適用対象にする狙いもある。今春の診療報酬改定で、禁煙外来のカウンセリングや検査、禁煙補助剤「ニコチンパッチ」の使用に保険が適用されるようになったが、敷地内全面禁煙が保険適用の条件になっているからだ。同病院は「敷地内禁煙は九州の大学病院で初めて」としている。
 愛煙家の職員や患者からは、「喫煙場所がほしい」という声も寄せられているが、同病院は「患者の健康増進は医療機関の使命。将来は病院にとどまらず、地域にも禁煙の輪を広げていきたい」と意欲的だ。
【写真】病院内に張られた全面禁煙に理解を求める「禁煙宣言」のポスター(12日、福岡市の福岡大学病院で)


2006/ 8/11 住宅火災、熟年男性の死者急増=「無職」「一人暮らし」が背景?-総務省消防庁 (時事通信記事)

 住宅火災による熟年男性の死者数が、2005年までの10年間で急増していることが11日、総務省消防庁の調査で分かった。同庁は「これまで危ないとは考えられなかった世代。社会的背景も影響しているかもしれない」としている。 同庁によると、05年の住宅火災による死者は前年比18%増の1220人(放火自殺者を除く)と過去最悪を記録。半数以上は65歳以上の高齢者が占めているが、過去10年間を分析した結果、男性熟年層(45-64歳)は156人から247人に、1.6倍増えていることが分かった。 特に「団塊の世代」とも重なる55-59歳は倍増。「無職」(約6割)や「一人暮らし」(約5割)の割合が多いのが特徴で、たばこによる出火が目立つ。


2006/ 8/11 レーザー光線で禁煙できる?~科学的根拠なしと専門家 (U.S.FrontLine記事

 刺激の弱いレーザー光線を使って禁煙治療を行う医院が増えている。レーザーで体のツボを刺激し、「快感ホルモン」と呼ばれるエンドルフィンの分泌を促してたばこを忘れさせるというふれ込みだが、禁煙治療の専門家は、レーザー治療に科学的根拠はないと話している。
 健康への害が立証されているにもかかわらず、米国には4450万人の喫煙者がいる。疾病対策センター(CDC)によると、喫煙は喫煙者のほぼ半数の死因または障害の原因となっており、喫煙が原因の死者は年間44万人に上っている。
 ウォールストリート・ジャーナルによると、レーザー治療は、概念がはり治療と似ていることから「レーザーはり」とも呼ばれ、痛みはなく、通常20分から40分で完了する。治療に用いられるレーザーは赤外線で、熱さや痛みは感じない。これまでのところ副作用の報告はない。
 1回の治療で禁煙できる患者もいれば、数回必要になる場合もある。料金にはばらつきがあるが、1~3回の治療で約300ドルというのが一般的だ。ただし保険は適用されない。
 しかし、レーザー禁煙治療の効能は医学的には証明されていない。シンガポールで2000年に報告された研究によると、若者330人にレーザー禁煙治療を行ったところ、禁煙できた期間でプラシーボ(偽薬)治療と1カ月以上の差は見られなかった。
 米公衆衛生局は、食品医薬品局(FDA)認可のニコチンパッチや抗うつ剤、ファイザーが開発した新薬「チャンティクス(Chantix)」(脳内のニコチン受容体に働きかける)などを、禁煙治療として推奨している。同時にカウンセリングも効果が高いとし、政府支援のホットライン1-800-QUIT-NOWの利用を勧めている。


2006/ 8/11 「氷が役立つ」「有害物質は見えない」…「禁煙トリビア」の入賞作 (読売新聞記事

 大学禁煙化プロジェクト(事務局・奈良女子大学保健管理センター)は、アジア医学生連絡協議会(AMSA)と共催で、全国の大学生らに募集した「禁煙トリビア」の入賞作品を発表した。
 トリビアは、人気テレビ番組でも知られる「ちょっとした雑学的な知識」という意味。
 最優秀賞は、〈1〉氷を食べて脳内の情報伝達物質の分泌を刺激し、ニコチンの禁断症状を和らげる裏技「手軽な氷が禁煙に役立つ」〈2〉たばこの有害物質の90%は、実は見えないことを表した「タバコの煙は見えているようで、ほとんど見えていない」――の2作品。
 このほか、「DEATH(死)という銘柄のタバコがある」、「ニコチンの主な工業用の用途は、農業用殺虫剤である」など5作品が優秀賞に選ばれた。
 作品はAMSAの国際会議で報告されたほか、大学禁煙化プロジェクトのホームページ(http://www.nara-wu.ac.jp/hoken/tribia/tribia.htm)でも紹介している。


2006/ 8/11 「歩きたばこ」に過料 環境美化条例改正へ骨子案 岡山市総合政策審議会 (岡山日日新聞記事)

 岡山市総合政策審議会環境・安全部会(部会長・奥田節夫京都大名誉教授)で10日、規制区域内での歩きたばこ、灰皿のない公共の場所での喫煙、吸い殻のポイ捨てにその場で過料を徴収する規制強化を盛り込んだ市環境美化条例改正の骨子案が示された。 同骨子案では、吸い殻や空き缶、飼い犬のふんの放置に過料を課す「美化推進重点区域」(仮称)を設置。さらに歩行中や自転車乗車中の喫煙や灰皿がない場所での喫煙にも過料を課す「喫煙制限区域」(仮称)を設ける。 歩きたばこやポイ捨てなどに対する過料は岡山県内で初めて。地方自治法で過料の上限は5万円と定められているが、改正案での金額は決まっていない。 同市では1996年度に同条例を施行。ポイ捨てや空き缶回収用ごみ箱が設置されていない自動販売機に2万円以下の「罰金」を課す条文が盛り込まれているが、告発と検挙が必要。また起訴、判決で賦課することになっているため、立証が困難で実効性に乏しかった。 過料は罰金と異なり、市長が賦課を決定でき、権限を持つ市職員がその場で徴収できる。 同市は区域内を巡回し、過料を現場で徴収する4人程度の美化推進巡視員(仮称)を置く方針。また、喫煙制限区域内の灰皿数も限定し、これまで設置していた灰皿も一部撤去する方向で検討している。 9、10月に同部会を開催し、条例改正案を作成。11月定例市議会に上程し、来年4月1日の施行を目指している。


2006/ 8/11 来月から路上喫煙禁止 商店協力、ポスターでPR 所沢市 (埼玉新聞記事)

 路上喫煙禁止条例を施行した所沢市は九月一日から、西武線七駅前と周辺商店会などを禁止地区に指定する。
 市は七月一日の条例施行後二カ月間を告知期間とし、歩きたばこや吸い殻のポイ捨てをしないようPRしてきた。罰則のない条例だが、市は理解と協力を呼び掛けている。
 条例の正式名は「所沢市歩きたばこ等の防止に関する条例」。道路や公園など屋外の公共施設で、歩行中や自転車に乗っての喫煙を禁じている。
 市内の商店街や住宅街では、ポイ捨ての吸い殻が後を断たないという。歩きたばこは子どもの目の高さに近く危険だとの指摘もある。
 条例には西武線所沢、新所沢、西所沢、航空公園、小手指、狭山ヶ丘、下山口の七駅前などの三十三商店会が協力を表明。駅前などに、女の子の目と同じ高さにある歩きたばこのイラストを描いた「路上喫煙禁止!」のポスター=写真=を張り、行き交う人にアピール。九月からの禁止地区指定に協力を求めている。
 路上喫煙禁止地区は六駅前周辺のほか、北野地区、椿峰ニュータウン東地区。禁止地区には表示を設置する。
 条例は喫煙者へのマナーを訴え、喫煙者と非喫煙者が互いを尊重し、共存する地域社会を目指している。市は「ぜひ協力していただきたい」と話している。
 禁止地区などの問い合わせは同市環境課(電話04・2998・9370)へ。


2006/ 8/11 たばこ吸い殻の投げ合いで不仲の隣家、ついに乱闘に (CNN Japan記事

 アラバマ州ディケーター――ディケーター市の警察当局によると、敷地内にたばこの吸い殻を投げたとの理由で隣人同士で殴り合いが発生、4人が逮捕された。少なくとも3人が負傷した。地元署は、「吸い殻が原因で、大人の乱闘が起きるのは悲しい」と嘆いている。
 近所の住民の証言によると、けんかした両家は日ごろから、吸い殻の投げ合いでいがみ合っていたという。
 調べによると、42歳男性宅を訪れた友人が、吸い殻を友達宅の敷地内へ投げた。しかし、吸い殻は24歳男性の隣家のフェンス際へこぼれ落ち、これを見ていた家主が怒鳴り声を挙げた。
 通りを隔てた家に住む、42歳男性の妹がこれを目撃して興奮、24歳男性の妻と口論を始め、その後に男性連中が加わり、殴り合いに発展したという。
 4人は暴行、迷惑行為などで起訴される見込み。


2006/ 8/10 灰皿「当たり前」は古い (読売新聞記事

 ちょっと前までクルマに灰皿が装備されているのは当たり前でした。メーカーはたばこを吸わないドライバーもいる、という当たり前の視点を欠いていたと思います。「灰皿なんかいらない」と営業マンに言うと、「コイン入れとか小物入れにもなりますし」と言っていました。
 今、日本人全体での喫煙率は男性だけでも半数を切っています。灰皿は付けたい人だけが付ければすむことです。灰皿のないクルマに3年前やっと巡り合いましたが、遅すぎると思います。(大阪府 山本由美子さん 55)


2006/ 8/10 JTが中皮腫死亡の元従業員に遺族年金 (読売新聞記事

◆徳島の旧工場石綿被害
 徳島県三好市池田町の旧日本専売公社(現日本たばこ産業、JT)の旧池田工場(1990年9月に閉鎖)で配管保全業務を担当し、悪性中皮腫(ちゅうひしゅ)で死亡した元従業員の男性(当時58歳)の遺族がJTにアスベスト(石綿)被害が原因の業務災害の認定を求め、JTがアスベスト救済新法に準じた同社独自の特別遺族年金(年間240万円)の給付を決めたことがわかった。JTが同年金の給付を決めたのは初めて。
 JTによると、男性は1941年に入社し、工場の配管保全業務などを担当、86年に死亡した。遺族側の申し出を受け、JTが当時の上司らに聞き取り調査するなどした結果、死亡時の医学所見などから、アスベストを吸った可能性が否定できず、総合的に判断して給付を決めたとしている。
 男性の勤務当時は専売公社だったが、JTが独自に救済新法に準じて、5年の業務災害申請の時効を過ぎた遺族についても給付制度を設けている。


2006/ 8/10 EUで「喫煙者お断りの」求人条件 「差別でない」欧州判断に労組反発 (産経新聞記事)

【パリ=山口昌子】職場などでの禁煙が進む欧州で、「喫煙者お断り」の求人条件を出した企業が出現した。欧州連合(EU)欧州委員会がこれを「差別でない」と判断したことから、労組などが反発している。
 求人条件で「喫煙者お断り」を明記したのはアイルランドの企業。これに対し、欧州委員会はこのほど、「差別に当たらない」と判断。「企業は完全に差別の非難を受けることなく、喫煙者を拒否できる」(シュピドラ雇用・社会問題・機会均等委員)と言明した。
 これに対し、労組はもとより、禁煙を促進している各種の反タバコ団体も、「常軌を逸している」「極端」などと反発している。
 EU条約では「年齢、身体的障害、性別、信仰、人種、民族」の6項目についての差別を禁止しているが、喫煙や飲酒などは含まれていない。
 各国で違いはあるが、フランスでは、面接試験などで雇用主が仕事に直接関係のない問題に関する情報を、求職者に要求することは「労働の権利の原則」に反し、差別と判断される。
 また、習慣に関する差別も禁止されている。喫煙の場合は、習慣にかかわるものとされるため、フランスでは「喫煙者が差別されることはない」と雇用専門の弁護士は断言している。ただ、喫煙者を雇用しないことと、職場での禁煙は別の問題で、職場での禁煙を求めることは「(喫煙者への)差別には当たらない」とされる。
 一方、世界保健機関(WHO)は昨年12月以降、喫煙者を採用しないことを決めているが、これを「差別」として非難する声は今のところ皆無だ。


2006/ 8/10 ハンガリーGP、タバコ広告はルノーだけ (F1-Live.com記事

 タバコメーカーのスポンサーを受けるチームのうち、先週末のハンガリーGPで唯一ブランドロゴをつけていたのが、ルノーだ。
 フィリップ・モリスをメインスポンサーに持つフェラーリと、BAT(ブリティッシュ・アメリカン・タバコ)から資金援助を受けるHonda Racing F1は、どちらもタバコ広告を控えたが、ルノーだけはエンジンカバーにJT(日本たばこ産業)のマイルドセブンのロゴをつけていた。
 ハンガリーの法律では、今年もF1チームのタバコ広告が認められたものの、欧州委員会(EC)から先月、他のEC加盟国と横並びで広告を禁止するよう求められたばかり。
 それにより、ECの禁止措置を守らないドイツが欧州裁判所に名指しされる一方、ハンガリーは2007年以降、タバコ広告を一切排除することになったのだ。
 ルノーがハンガリーGPでロゴをつけたことについて、チームのスポークスマンは、フェラーリとHonda Racing F1は意図的にノーブランドでマシンを走らせただけだと、説明している。
 「私たちは、常にグランプリホスト国の法律順守をチームのポリシーとしている。5月のスペインGPでも他チームはノーブランドを選択し、私たちはロゴをつけた。それだけの話だ」
 また、同スポークスマンによると、興味深いことに、フィリップ・モリスとBATはスペインで開かれた2輪MotoGPのレースでは、タバコ広告を出していたとのことだ。


2006/ 8/ 9 客室の9割を禁煙に 万座ビーチホテル&リゾート (琉球新報記事

 沖縄全日空リゾート(柴田光彦社長)が経営する恩納村のホテル、万座ビーチホテル&リゾートは来年4月から客室の約9割を禁煙とする。
 広報担当者は「せっかくのリゾートなのに部屋にたばこのにおいが残っているといった声が多く寄せられた」と話している。
 現在は3割強の127室が禁煙だが、来年4月1日からは全399室の87.7%に当たる350室を禁煙とする。スイートルームは全室禁煙。
 宿泊予約は原則すべて禁煙室への案内とする。喫煙希望の宿泊客には3階の一部喫煙室を案内するほか、1階の常設喫煙スペースを拡充するとしている。
 同ホテルは昨年7月に館内レストランを全面禁煙としていた。


2006/ 8/ 8 社員の顔にたばこの火、消費者金融に賠償命令 (朝日新聞記事

 消費者金融「レタスカード」(本社・京都市中京区)の元取締役の男性(45)が、同社社長にたばこの火を押しつけられたり不当に叱責(しっせき)されたりしたとして、同社に約6200万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が8日、京都地裁であった。田中義則裁判官は「叱責などの精神的な苦痛で、男性のうつ病が慢性化した」として同社に慰謝料など670万円の賠償を命じた。
 判決によると、男性は同社の取締役だった03年10月ごろから、社長に「なめとんのか」「ぼけ」などと言われるようになった。同12月の同社役員の食事会では、社長から左ほおにたばこを押しつけられて水ぶくれができるやけどを負った。
 また、男性は04年2月、部下の休暇を認めた理由を答えられなかったことから、社長に叱責され2階級下の管理部次長に降格になった。同6月に慢性的なうつ病を理由に休職。昨年4月に退職した。
 同社社長は証人尋問で「たばこは偶然当たった」と証言。しかし判決で田中裁判官は、医師の証言などから「やけどは偶然とは考えられず、男性をよく思っていなかった社長が故意に押しつけた」とし、300万円の賠償を認定した。叱責については、相手の人格を傷つける言葉遣いで頻繁に叱責すれば、上司であっても不法行為に当たるとした。
 原告の男性は休職中の04年12月、やけどを負わされたとして社長を傷害容疑で告訴し、京都府警が今年7月、京都地検に書類送検している。
 レタスカードは昨年3月末現在の従業員約150人。京都、大阪、兵庫各府県や四国などに計44店舗(今年3月現在)がある。同社総務部は「判決内容は不本意なので、控訴を検討したい」としている。


2006/ 8/ 8 禁煙のお値段、さぁいくら?【後編】 (日経ビジネス オンライン記事

 32歳ビジネスマンBさんは、学生時代にタバコを吸い始め、今は1日に30本以上を吸うヘビースモーカーだ。しかし最近、あちこちで分煙が進み、タバコを吸う不自由さを感じることが多くなってきた。
 秋には子どもも生まれる。7月からタバコが値上がりしたこともあり、思い切って禁煙しようと考えた。折りしも、この4月から健康保険で、医師の禁煙指導が受けられるようになったと聞いている。禁煙補助剤なる薬もあるらしい。「よし、禁煙だっ!」 そんなBさんの一念発起、さて、いくらぐらいかかるのだろうか。
 実はBさんは、過去に何度か禁煙に失敗している。このようにヘビースモーカーで、失敗経験があり禁煙への自信がない人には、医師による禁煙指導がお勧めだ。せっかく保険適用になったのだから、それを利用しない手はない。
 ただし、どんな人も保険で禁煙指導が受けられるわけではない。保険が適用されるのは、ニコチン依存症と診断された人のみ。
 具体的には、
(1)自分が吸うつもりより、ずっと多くのタバコを吸ってしまうことがある
(2)禁煙や本数を減らそうと試みて、できなかったことがある
(3)タバコが吸えないような仕事やつきあいを避けることがある
――など、ニコチン依存度のスクリーニングテスト「TDS」によって、ニコチン依存症と診断症と診断された人で、かつブリスクマン指数(1日の喫煙本数×喫煙年数)が200以上の人が対象となる。現在、どんなにヘビーにタバコを吸っていても、喫煙歴が短いと保険適用とならない場合がある。
 保険での禁煙指導は、専門家が作成した標準治療プログラムに沿って行われ、初回、禁煙開始2週間後、4週間後、8週間後、12週間後の計5回の通院が必要となる。5回の通院で、初・再診料、禁煙指導の費用であるニコチン依存症管理料、薬剤料などを合わせて、医療機関に支払われる金額は約4万円(図2)。3割負担の場合、1万2000円程度の自己負担となる。
 再診料や処方料などは、医療機関の規模によって若干、差がある。また薬剤料も、その人のニコチン依存度によって禁煙補助剤の使用量は違ってくる。どの禁煙補助剤を使うかによっても差が出る。
 試算(図2)は、6月から健康保険の対象となったニコチネルTTS(ノバルティスファーマ)を使用した場合だ。ニコチネルTTSは絆創膏のように皮膚に貼ることで、ニコチンを皮膚から体内に吸収するパッチタイプ。1日1回貼り替えるだけで済むので手軽だが、皮膚が弱い人では貼った部分が痒くなるなど、適さない場合がある。そんなときは、ニコチンガムを薬局で買って利用する。その場合は、薬剤料が自費となる。
 「噛むことですぐに効果が実感できるため、費用は高くなるがガムを希望する人もいる」と阿部氏。値段ではなく、自分に合った方法をうまく見つけるのが禁煙への近道であり、それを先導してくれるのが医師の指導というわけだ。
 ところで、先ほどから「保険で禁煙指導が受けられる」と散々、書いてきたが、医療機関によっては「禁煙外来」を行っていても、保険が適用とならないところがある。
 保険で禁煙指導を行なうには、治療経験のある医師がいることに加え、敷地内が禁煙であることなどの厳しい条件が設けられているからだ。敷地内禁煙では、中庭やスタッフの休憩室などに喫煙スペースがあってもいけないため、大規模な施設では条件がクリアしにくい。
 保険が適用されない場合は、自由診療となり、医療機関が自由に金額を設定することができる。施設によって違うが、前述の保険診療と同じ標準治療を受けた場合、薬剤料を含め3万円程度の費用となることが多い。
 だが、「この先、ずっとタバコを買い続ける費用や、タバコ関連疾患にかかって治療する費用を思えば、全額自己負担でも禁煙を選ぶほうが経済的」と阿部氏。保険では5回以上の通院は認められていないが、自由診療の場合、希望すれば12週を超えて指導を受けられるなど自由度が高い。
 阿部氏のこれまでの経験では、12週間あればほとんどの人が禁煙に成功するが、中には「不安なのでもう少し通いたい」と半年ほど通院を続ける患者もいるという。「目先の出費にとらわれず、確実な方法を選ぶことが大切」と阿部氏は話している。


2006/ 8/ 7 妊婦の喫煙、子供の異常行動に関連 (大紀元 - New York,NY,USA記事

【大紀元日本8月7日】妊婦の喫煙は流産、早産、死産および新生児の低体重などを引き起こしやすいことは知られているが、最近の研究によると、子供の異常行動――多動症候群(注意欠陥多動性障害、ADHA)も、お母さんの妊娠中の喫煙に関連性があると指摘されている。
 BBCの報道によると、英国精神病学研究院の研究者は、1896症例の多動症候群についての調査の結果、妊娠中の喫煙量が増加するとともに、生まれた子供がこの病気になる確率が高くなることが分かった。
 研究者は、煙草の中のニコチンが胎児の大脳の発育に影響し、神経障害を与えることによよって発症すると考えている。
 多動症候群は、学齢期の子供の3~9%に有症率があり、男の子が多い。主な症状としては、注意欠陥(話を最後まで聞くことができない、やるべきことに最後まで集中できない)、多動性(じっと座っていられない、雰囲気を無視する言動)、衝動性(ルールを守らず、勝手に行動を起す)などである。
 多動症候群の主な要因は、遺伝とも、脳の障害ともいわれているが、いまだ研究段階の途中である。しかし、多動の傾向や行動の活発さなどの素因は家族的に現れる傾向があるという研究結果もある。
[中国語版又は英語版]:http://www.dajiyuan.com/b5/5/8/2/n1005244.htm


2006/ 8/ 7 タバコ、金曜日に売れる理由は? (中央日報 - South Korea記事

  たばこが飛ぶように売れる曜日は金曜日であることが分かった。韓国のタバコメーカー・KT&G社(コリア・トゥモロー&グローバル)が今年6~7月、全国にあるコンビニエンスストアー9404店でたばこの売り上げを調べてまとめた。
  2カ月間売れたたばこは総1億3256万箱。金曜日が1956万箱で1位、日曜日は1793万箱で最下位だった。たばこの売り上げは、月曜日(1866万箱)を皮切りに水曜日まで小幅に増えつづけ金曜日にピークを迎えた後、土・日には1800万箱台に減った。
  こうした現象について、KT&Gの関係者は「面倒くさがるため」と説明した。同関係者は「週休二日制が定着し、出かけたり自宅で休む人は、金曜日にたばこを事前に買っておく傾向にある」とした。外出先ではたばこを売る店を探すのが面倒くさく、一度帰宅すると出かけたくなくなるために、金曜日に「買いだめ」するとのこと。
  「都心の空洞化」も原因に指摘された。大型コンビニエンスストアーの多くが市内中心部やオフィス街に集まっており、人が少ない週末にはたばこの売上げが落ちるとのこと。会社員のキム某氏(37)は「週末に一緒にいる家族のことを気にし、たばこを控えようとする愛煙家らが、金曜日にたばこをたくさん買って、吸っている」と語った。


2006/ 8/ 5 加速?禁煙タクシー 大分・半数以上で導入 福岡、長崎・売り上げ減懸念 (西日本新聞記事

 タクシー禁煙化の流れが九州各県で加速している。大分県では、半数以上のタクシーが「禁煙車」。宮崎や佐賀県などでも、乗客に自発的な禁煙を求める「禁煙協力車」の導入が進む。一方で、福岡や長崎県の禁煙化は「極めて低調」(九州運輸局)。競争激化に伴う“タクシー不況”の中で、「禁煙が売り上げ減につながる」と懸念する事業者も少なくない。
 同運輸局によると、6月末時点の各県の「禁煙車」導入状況は、県タクシー協会を挙げて取り組む大分が57.0%と断トツ。ほかは熊本4.9%▽佐賀4.0%▽宮崎3.8%▽長崎2.7%▽福岡0.7%▽鹿児島0.3%―と低調。
 「協力に感謝します」などと記したステッカーを車内に張り、乗客にやんわりと禁煙を呼び掛ける「禁煙協力車」は、宮崎(60.0%)、佐賀(56.7%)、鹿児島(36.3%)で広がる一方、福岡(ほぼ0%)や長崎(1.5%)ではほとんど普及していない。
 車内の喫煙は、乗務員の健康被害が指摘されており、たばこを吸わない乗客にとっても車内に残るにおいが不快。「禁煙は時代の流れ」(同運輸局旅客二課)だが、対応は十分に進んでいない。
 2002年の道路運送法改正で、業界への新規参入や増車は原則自由化され、九州のタクシーは改正前から約2000台増え約2万9000台(今年3月末現在)、特に福岡県では約1000台増え九州全体の約4割に当たる約1万1000台(同)になった。福岡市のタクシー会社幹部は「規制緩和で競争が激化した。禁煙化すれば喫煙者の利用が減りかねず、したくてもできない」とこぼす。
 同市内の乗務員の意見はさまざま。「このままだと副流煙で体を壊す。禁煙化すべきだ」という声もあるが、「半数以上の客がたばこを吸う。禁煙なんてとんでもない」との意見が目立つ。「自分も吸うから困る」と言う乗務員もいる。
 とはいえ、福岡県タクシー協会は5日の「タクシーの日」を機に、乗務員の車内禁煙に乗り出した。「乗務中車内では禁煙します」というステッカーを車内に張り、乗客に自発的な禁煙を促す効果も期待する。タクシーで“ちょっと一服”できなくなる日も、そう遠くなさそうだ。


2006/ 8/ 5 たばこ:一本でダイオキシン摂取基準200倍相当の物質も (毎日新聞記事

 たばこの煙に含まれる物質が、細胞内でダイオキシンと似た働きをし、1本分の煙が、1日の摂取基準を約200倍上回るダイオキシンに相当することを、山梨大大学院生の河西あゆみさんや、北村正敬教授(分子情報伝達学)らが突き止めた。
 米国のがん専門誌「キャンサーリサーチ」に論文が掲載された。
 ダイオキシン類は、細胞内の「ダイオキシン受容体」と結合し、活性化させて毒性を発揮する。たばこの煙は微量のダイオキシンを含むと分かっていたが、他に約5000種類の化学物質も含むため、総合的にどれだけ同受容体を活性化するかは不明だった。
 研究チームは市販のさまざまなたばこ1本分の主流煙を、溶液に溶かして抽出液を作った。一方で、同受容体が活性化すると特殊なたんぱく質を分泌する細胞を、遺伝子操作で作成。この細胞に抽出液を加え、活性化の程度を調べた。
 タール10ミリグラムを含む平均的なたばこの場合、活性化の程度は、ダイオキシン3万9300ピコグラム(ピコは1兆分の1)が受容体と結びついたのに相当した。体重60キロの人なら、国が定めるダイオキシンの1日耐容摂取量(体重1キロ当たり4ピコグラム)の164倍に当たる。タールの多いたばこでは200倍以上に達した。
 さらに、同受容体の活性化で特殊なたんぱく質を作るマウスを作成。主流煙を直接吸わせる実験や、周囲に流して受動喫煙と同じ状態にする実験をした。いずれもマウスの血中でたんぱく質が増え活性化が確認された。
 北村教授は「受容体は今回、主にダイオキシン以外の物質で活性化したとみられ、大量のダイオキシンを浴びたのと同じ害が出るわけではない。だが、遺伝子操作でこの受容体を常に活性化させたマウスは、がんや免疫異常を起こす。喫煙者も同様の心配がある。喫煙させたマウスでは、活性化が4日続いた」と警告している。


2006/ 8/ 5 なぜ、たばこは安売りできないのか? (日刊ゲンダイ記事

 7月に値上げされたばかりのたばこだが、ディスカウント販売されないのはなぜなのか?
 日本たばこ産業株式会社(JT)に聞いた。
「たばこの価格は国の定める『たばこ事業法』で決められているため、割引などはできません。たばこを販売する場合、国産品も輸入品も、製造元が小売価格を財務省に届け出る義務があります。小売店がその価格以外で販売した場合、30万円以下の罰金や販売許可の取り消し、営業停止などの罰則があります。こうした規制があるのはかつてたばこが国の専売品であり、勝手に安く売られると国の予算に影響を与えたからでしょう。現在、300円、20本入りのたばこ1箱のうち、税金は189円17銭。これに生産・流通コストや銘柄ごとのイメージを考慮した価格を届け出ています」(同社広報)
 旧専売公社が民営化した今でも、定価制度が残っているのはどういうわけか。財務省の説明はこうだ。
「もちろん民営化するにあたって、定価制度についての議論はされました。同制度を維持したのは、専売公社が民営化した当時、たばこの小売店は零細企業が多く、自由価格で競争が起きるとほとんどの店が潰れてしまうおそれがあったからです。小売店の保護のためと、世界的、社会的なたばこ規制の強化という風潮に合わせた体制です。最近発効されたWHO(世界保健機関)のたばこ規制枠組み条約などもあり、まだ価格を自由化すべき状況ではないと判断しています」(同省たばこ塩事業室)
 たばこの平均価格は英国では1箱800円近く、米国では539円。日本では今後も増税による値上がりの可能性がある。ちなみに、前出の税金189円17銭の内訳は、7月に値上げされた国と地方のたばこ税が158円48銭、たばこ特別税が16円40銭、消費税が14円29銭。たばこ特別税は旧国鉄の赤字返済に充てられる目的税。喫煙者は社会貢献しているのだ。肩身は狭いが胸を張ろう。
※ 実際は、タバコ税収の2~3倍のタバコ関連医療費や吸殻清掃費用、タバコを原因とする火災関連費用がかかっており、タバコの適正価格は1400円という試算もある。受動喫煙や呼気による迷惑などの問題もあり、「胸を張れる」ようなことではない。


2006/ 8/ 4 HPにバナー広告=愛知県 (※タバコ広告は掲載を認めない) (時事通信官庁速報)

 愛知県は、県のホームページ(HP)に広告を載せることを決め、広告代理店の募集を始めた。8月28日から掲載する。自主財源の確保が目的で、HPでの状況を見て、広報誌や封筒などへの拡大を検討する。 画像をクリックすると広告主が指定したHPにつながるバナー広告とし、県HPのトップページ最下段に広告スペースを10枠設ける。トップページの閲覧件数は「自治体のものとしてはかなり多い」(情報企画課)という月70万件で、代理店から受け取る掲載料は年間数百万円を見込んでいる。年度ごとに一般競争入札を実施し、代理店1社を選ぶ。 県は広告掲載要綱などを併せて策定。風俗営業や消費者金融、たばこ、ギャンブル関連は掲載を認めない。必要に応じて総務部総務課長を委員長とする審査会を開き、掲載が適当かどうか検討する。


2006/ 8/ 4 未成年のたばこ購入防止 20年県内導入識別自販機 (静岡新聞記事

 日本たばこ産業静岡支店(杉田哲也支店長)はこのほど、未成年者のたばこ購入防止を目的に平成20年6月から県内に一斉導入される「成人識別機能付きたばこ自動販売機」を公開した。顔写真が入った非接触式ICカード「たばこカード(仮称)」が成人にのみ発行され、このカードがなければ自販機で購入できなくなる。
 自販機に料金を投入し商品ボタンを押すと「カードをタッチしてください」と音声案内があり、緑色に点灯した読み取り部にカードをかざすと商品が出る。カードにはプリペイド方式の電子マネー決済機能があり、自販機を使ってあらかじめカードに入金しておけば現金がなくてもカードだけで購入できる。
 たばこメーカーでつくる日本たばこ協会など業界3団体が平成13年から研究に取り組み、鹿児島県種子島などで識別機能や購入利便性、非行防止効果などを確かめる導入検証を実施。同20年3月から順次、全国約62万台の自販機に導入することを決めた。
 カード発行は無料で、公的身分証明書と顔写真を添えて郵送で申し込む(申し込み開始などスケジュールは未定)。カードの発行や紛失時対応のコールセンターなどが今後整備される。
 種子島の検証では、自販機に近づく未成年者の姿が減小し、たばこによる補導件数も3分の一に減って、一定の効果が確認された。しかし、補導されたケースを見ると家族など大人からカードを借りて購入していたことが分かった。「単にカードを発行するだけでは防止にならない。社会全体に今回の取り組みの趣旨が理解されることが必要」(袴田和重同支店業務部課長)として、業界を挙げてPRに力を入れていくという。

※この問題は重要な視点が抜けている。これまでとこれからあと2年、未成年者のほとんどが自販機から購入していることが明らかになっているにも関わらず放置する罪と彼らからこれまで不当に取り上げてきたタバコ税の問題。また、記事でも指摘されているように「成人識別」という名称とは裏腹に自販機が識別しているのは「ICカード」であって成人かどうかは識別していないため、平成20年6月以降も相変わらず未成年者が購入できることである。タバコ自販機の使用を即時停止することが、まっとうな企業のすることではないのか。


2006/ 8/ 3 ダイセル化学 タバコの駆け込み需要の影響や販売価格の是正で増収増益 (證券新報記事

 ダイセル化学<4202>は、2006年6月連結第一四半期業績を発表した。セルロース事業部門が、タバコの販売価格改定の駆け込み需要の影響や販売価格の是正で、増収増益となり、有機合成事業は、電子材料向けの高機能品の販売に注力した事や、販売価格の是正などで、全体としても売上が増加、増益となった。
 売上高886億円(前年同期比15.6%増)、経常利益82億円(同15%増)、四半期純利益41億円(同13%増)。


2006/ 8/ 3 バーレーンのタバコ広告問題 主催者側は自信を見せる (F1-Live.com記事

 迫り来るタバコ広告の禁止によって、将来、バーレーンでのF1開催が危機にひんしているとの報道がされているようだが、グランプリ主催者はさほど心配していない様子だ。
 ヨーロッパでは現在、タバコ広告の規制が年々厳しくなってきていることから、F1の最高権威者、バーニー・エクレストンにとってバーレーンのような国々は、まさに天国のような存在であろう。しかし、ペルシア湾に面するこの国家は、現在、世界保険機構(WHO)のタバコ規制枠組み条約(FCTC)への署名の準備を進めている。
 しかし、『Gulf Daily News(ガルフ・デイリー・ニュース)』でサーキットのジェネラルマネジャー、マーティン・ウィティカー氏は「レース自体には何ら影響しない」と語っていた。
 彼はさらに、「モータースポーツでは、タバコ広告に関してコンセンサスが欠けており、FIAがこれを奨励しているのは明らかだ」と主張している。


2006/ 8/ 3 禁煙CDで子ども守れ 盛岡市医師会  (岩手日報記事

 盛岡市医師会(臼井康雄会長)は、喫煙に伴う健康障害などの説明を通じて禁煙の啓発促進を図る指導用CD-ROMを作成し、市内の全小中高校、養護学校に無償配布した。児童生徒や保護者らを対象にした啓発ビデオや解説グラフなどを収録。喫煙による家庭での影響や健康に及ぼす害などが分かりやすく解説されており、市民の意識啓発に役立ちそうだ。
 CD-ROMには、一般用と小学生用、中高生・保護者用など5種類を収録。動画や画像、文字を表示するソフトを駆使したスライドショー、本人が吸う主流煙とたばこの先から出る副流煙の危険性を実験した検証ビデオ、解説グラフ、喫煙者がかかりやすい舌がん、バージャー病などを写真を使って紹介。禁煙を呼び掛ける世界のCMなども収めた。
 小学生用ではアニメやひらがな表記を多用。保護者用は詳しい検証データなどを提示するなど、分かりやすさを追求した。喫煙者と非喫煙者を比較したがん死亡率や家庭でたばこを吸うと、子どもが肺炎や気管支炎にかかる割合が高くなることなどを紹介している。
 同医師会は、保健体育や総合学習などの機会を通じてCD-ROMを観賞し、子どもや保護者の意識啓発に活用してもらうことを期待している。同医師会禁煙対策委員会の小西一樹委員長は「これを見て、子どもたちに喫煙の危険性を熟知してもらうとともに、保護者にも禁煙啓発に協力していただきたい」と話す。
 同医師会は、2003年の健康増進法施行を機に、昨年8月に禁煙対策委を発足させ、市民の健康増進と病気予防を組織を挙げて推進しようとCD-ROMの作成を決定。昨年秋から製作に取りかかり、7月に完成した。
 臼井会長は「子どもたちは地域の宝。町全体が協力し合い、一体となってたばこの害から子どもを守っていきたい」としている。
【写真=喫煙が子どもに与える悪影響を解説したCD-ROM小学生用の一場面】


2006/ 8/ 3 児童虐待が過去最悪=少年犯罪、4年連続減少-上半期まとめ・警察庁  (時事通信記事)

 今年1~6月に刑法犯で検挙された少年(14歳以上20歳未満)は昨年同期比14.7%減の5万96人で、4年連続で減少したことが3日、警察庁のまとめで分かった。一方、児童虐待での検挙は14.3%増の120件、被害児童は18.5%増の128人で、いずれも上半期の統計を取り始めた2001年以降、最悪となった。 刑法犯の検挙者全体に占める少年の割合は27.7%で、記録が残る1979年以降、最低となったが、岐阜県の男子高校生による女子中学生殺害など凶悪事件が相次いでおり、同庁は「非行防止と保護の両面で予断を許さない」としている。 罪種別での検挙は、脅迫が28.1%増、無銭飲食などの詐欺が9.6%増となったが、殺人は9.4%減、強盗13.6%減、暴行4.7%減、傷害6.4%減と軒並み減少した。  同庁は「地域や警察の取り組みが進んだ結果」とみており、特に万引き(22.3%減)やバイク盗(13.0%減)などの「初発型非行」や街頭犯罪が大幅に減少した。 再犯者率は2.1ポイント上昇し、89年以降最高の31.0%だった。 触法少年(14歳未満)の補導は12.9%減の8605人。不良行為での補導少年は3.2%増の約62万4000人で、喫煙と深夜はいかいが約9割を占めた。 児童虐待での検挙は12.9%増の131人。被害児童128人のうち、死者は27.3%増の28人だった。 児童買春.ポルノ処罰法違反での検挙は1087件、753人で、それぞれ20.4%、25.1%増加。このうち児童買春の被害者は750人、児童ポルノの被害者は83人だった。


2006/ 8/ 3 たばこ税  (フジサンケイ ビジネスアイ記事

 財務省が1日に発表した6月の税収実績では、7月1日からのたばこの税率引き上げによる駆け込み需要で、たばこ税が前年同月比26.4%も急増しました。
 たばこ税とは、たばこを購入したときに、購入者にかかる税金のことです。たばこ税は、購入した市町村に納められます。
 たばこは依存性のある嗜好(しこう)品で、安定した税収が見込まれることから、高い税金がかけられています。7月の税率引き上げでは、販売価格は1本あたり1円引き上げられました。1箱300 円の商品の場合、税金(国たばこ税、地方たばこ税、たばこ特別税、消費税の合計)は189 .17円になり、税金の占める割合は63.1%という状況です。
 たばこ会社はあまりに税額が高いことから、引き下げを要請していますが、健康関連団体や財務省の中には、健康の問題や嫌煙運動を意識して、さらにたばこ税を引き上げるべきだという声も上がっています。


2006/ 8/ 2 悼:政治学者、元明治大学長・岡野加穂留さん=6月7日死去・76歳  (毎日新聞記事

◇最後まで「顔に青春」--岡野加穂留(おかの・かおる)さん
 「悲しくつらく、言いようのない寂しさです」。7月20日、東京都内での「お別れの会」で、最初にあいさつに立った故三木武夫元首相夫人の睦子さんが思いを込めた。明大出身で親交が深かった三木元首相の業績を書き残すため、遺品の資料に目を通してもらっていたさなかの別れだった。
 同じ明大OBで、94~96年の首相在任中、節目ごとに官邸に招いて助言を受けた村山富市さんは「いつも背筋を伸ばし、若々しかった姿を思い出す。議会制民主主義がないがしろにされがちな今、先生を失って痛恨の極みです」と弔辞を贈った。首相経験者の森喜朗、海部俊樹両氏、「郵政民営化反対」で共に戦った綿貫民輔前衆院議長、亀井静香衆院議員も姿を見せた。
 厳しい政治倫理のもとで高度な福祉国家を実現した北欧や、米国を中心にした比較政治の研究から、独自の「臨床政治学」を提唱。ジャーナリスト顔負けの取材と分析力で、けじめのない日本の政治を「永田町症候群」と診断し、厳しい所見のカルテを書き続けた。
 生粋の江戸っ子。剣道で鍛えた通る声と歯切れのいい語り口から、示唆に富んだ名言も飛び出した。「明日の天気は変えられないが明日の政治は変えられる」「日本の政界で政治家といえるのは5%。それ以外は政治屋と政治業者」……。
 20年以上前、大学の岡野ゼミ入室の際に最初に言われたのは「禁酒、禁煙、禁ゴルフ」だった。煩悩多き学生には厳父のような存在であり、平和憲法とデモクラシーを守るための、真正面からの政治的見解は「理想主義に過ぎる」と思えることもあった。しかし「不正に立ち向かう信念と、社会正義の実現にまっしぐらに向かう勇気を持たねばならない」という一貫した教えは今も色あせない。
 「生涯青春、生涯現役」を掲げ、大学を退いた後も小泉改革に反対の論陣を張って、精力的に活動した。闘病中は「日本の民主主義のために平和憲法を守らなければ」と、仕事への強い意欲を見せていたという。
 お別れの会の祭壇の写真の笑顔は、理想とした「顔に青春のある人」そのものだった。


2006/ 8/ 2 ごみゼロ化推進員制度を発足=東京都小金井市  (時事通信官庁速報記事)

 小金井市(11万2000人)は、ごみ減量についての啓発活動や分別状況の監視といったボランティア活動を行う「ごみゼロ化推進員制度」を10月に発足させる。調布市などと運用してきた焼却場が2007年3月で廃止になるため、ごみの大幅削減が緊急課題となっている。 推進員は150~160人程度を想定。推進員の代表者で構成する「ごみゼロ化推進会議」の下に、レジ袋削減や容器包装の自主回収・処理など排出抑制策を事業所に働き掛ける「事業所部会」、路上喫煙防止などマナーアップ活動を展開する「まち美化部会」、イベントの企画と実施、情報誌の発行などを行う「ごみゼロ化啓発部会」を設置、推進員はいずれかに所属する。 また、推進員は個別に、地域内で不法投棄の監視体制づくりや自主的美化活動も行う。 昨年7月の戸別回収移行まで収集場所の管理や清掃などを委嘱していた廃棄物減量等推進員は、全員が町会・自治会からの推薦だったが、積極的な活動を期待し、今回は一部を公募する。対象は、ごみ問題や街の美化に関心がある市内在住、在勤、在学者。任期は10月から2年間。 小金井市がこれまで使用してきた焼却場は廃止が決定しているものの、その後の方針は決まっておらず、当面は国分寺市をはじめ周辺自治体に処理を依頼することになっている。


2006/ 8/ 2 日本綜合地所、全社員対象の禁煙促進キャンペーン・一律10万円を支給  (日本経済新聞記事

 マンション分譲の日本綜合地所は全社員を対象に「禁煙促進キャンペーン」を始めた。全社員292人のうち、喫煙者110人全員がキャンペーンに参加するという。非喫煙者も含め、10万円を支給する。
 キャンペーンでは喫煙者に禁煙を宣言してもらい、支援金10万円を支給する。社員に呼びかけたところ、喫煙者全員が参加を申し出た。
 参加者が喫煙した場合でも特に罰則はなく、「社員の決意を信じる」としている。非喫煙者にも協力金として10万円を支給する。


2006/ 8/ 2 禁煙関連商品・サービス  (読売新聞記事

イライラ徐々に緩和
 たばこが値上げされて、ちょうど1か月。事前に買いだめした分もそろそろ、尽きてきたころではないだろうか。値上げの痛手に加え、公共施設の多くが完全禁煙となるなど、愛煙家の肩身は狭くなる一方だ。一念発起して禁煙を始める人の支えとなる商品やサービスを紹介する。(井岡秀行)
ニコチン補給
 愛煙家は「ニコチン依存症」の状態にあり、血液中のニコチン濃度が下がるとイライラして、たばこが吸いたくなってしまう。そこで、たばこ以外のものでニコチンを補給し、その量を徐々に減らしていく禁煙補助薬が生まれた。
マルマンバイオの「禁煙パイポ」。3本入りで315円 米ファイザーが開発し、武田薬品工業が国内で発売しているガムタイプの大衆薬「ニコレット」シリーズは、ゆっくりとかむことで微量のニコチンが体内に吸収され、喫煙の欲求を和らげる。
 ノバルティスファーマのニコチンパッチ「ニコチネルTTS」は、皮膚にはってニコチン濃度を一定に保つ。使用には医師の診断が必要だが、7月から健康保険の適用対象になった。これまでは、2か月間の投与で2万5000円~3万円の自己負担が必要だったが、6500円前後に軽減された。
 「口にたばこをくわえていないと落ち着かない」という愛煙家心理に着目したのが、マルマンバイオの「禁煙パイポ」シリーズだ。たばこ代わりにくわえると、ペパーミントなどの風味がにじみ出て、気持ちを穏やかにする。約20年間で、延べ1億3000万人が利用したという。
ネットで支援
 たばこを我慢するつらさを、インターネットでサポートしてくれるサービスもある。
 「インターネット禁煙マラソン」(http://kinen-marathon.jp/)は、奈良女子大の高橋裕子教授が主宰しており、専門家や禁煙に成功した元愛煙家からのアドバイスが電子メールで随時届く。一度登録すれば一生利用でき、1年後も禁煙を継続している登録者は7~8割に達するという。医療機関などの情報も充実している。
 オムロンソフトウェアは、ゲーム感覚で禁煙を継続できる携帯電話専用の「卒煙ネット」(http://www.sotsuen.net/)を運営している。禁煙を続けると、「スワン(吸わん)ちゃん」というキャラクターが育つ趣向で、90日間継続すれば卒業となる。東京農工大の阿部眞弓助教授が監修しており、アドバイスを受けることもできる。
記者のひとこと
 「禁煙マラソン」内に、こんな一文があった。ニコチンパッチなど禁煙補助薬の効果は「登る山の高さが低くなるだけ。富士山に登るか、筑波山に登るかの違い」だという。つまり禁煙補助薬はあくまでもサポート役で、成功するかどうかは自分の意志次第。過度な期待は禁物のようだ。
【写真】ファイザーの「ニコレットクールミント」。12個入りで1260円
【写真】ノバルティスファーマの「ニコチネルTTS」。2か月分で自己負担は6500円前後
【写真】ボランティア団体が運営する「インターネット禁煙マラソン」。登録寄付金1万円
【写真】オムロンソフトウェアの「卒煙ネット」。月額273円


2006/ 8/ 1 駆け込み需要でたばこ税収増 6月税収実績  (朝日新聞記事

 財務省が1日発表した6月の税収総額は前年同月比1.1%増の1兆9997億円だった。5月出荷分のたばこ税収は、7月の増税前の駆け込み需要を見越し、輸入銘柄を中心に出荷量が大幅に伸び、同26.4%増の823億円だった。
 景気回復を反映し、所得税収は同6.1%増の9903億円、法人税収は同14.1%増の3003億円。消費税収は、税を戻す還付額が税収を上回り、879億円の還付超過。非課税の輸出品にかかった仕入れ税額は還付されるため、輸出が好調だった企業の還付申告が増えた。


2006/ 8/ 1 路上喫煙413人処分 名古屋市の過料徴収から1カ月  (中日新聞記事

 名古屋市が、名古屋駅、栄、金山、藤が丘の市内4カ所の路上禁煙地区で、2000円の過料徴収を始めて1カ月が過ぎた。市は違反者を月に100人と想定していたが、当初1カ月は413人が処分を受けた。暴力などのトラブルはなかったが、徴収の求めに応じず、逃げた人は15人に上った。市外在住者への周知徹底と逃走や徴収逃れへの対応が課題となっている。
 413人のうち、現金を徴収できたのは316人。残りは徴収できず、過料を後日振り込んでもらうための納付書を手渡した。住所が判明している違反者のうち66%は名古屋市外の在住。愛知県外も46%に上り、「知らなかった」と弁明するケースが目立った。
 7月31日には、東京都内の40代男性が地下鉄栄駅近くで徴収を受け、「路上禁煙を知らなかった。名古屋は全国的に告知しているのか。おまけに表示も分かりづらい」と不満を訴えた。
 指導員の金子栄一さん(62)は「違反者が『知らない』と声を荒らげるケースが多いが、十分説明して納得してもらうしかない」と話す。
 路面に張ってある禁煙の表示が小さくて見えにくいなどの指摘があるため、市は新たに大型の表示を張る検討を始めた。
 逃走に対しては、指導員はトラブルを避けるため、体をつかんで引き留めたりしないため、事実上の“逃げ得”になっている。市は対策として、2人1組の指導員を狭い範囲に2組配置し、時には4人で違反者を囲める体制にした。
 一方、1カ月間に納付書を受け取ったのは計97人。いずれも支払い期限は8月末だが、先月末までに払ったのは6人。他都市では期限内に支払わない“徴収逃れ”が目立っており、名古屋市も課題となりそうだ。


2006/ 8/ 1 路上禁煙4か所 過料徴収413件/名古屋市  (読売新聞中部版記事

 名古屋市内4か所の路上禁煙地区で過料(2000円)徴収が始まって1か月間に、違反して徴収されたのは、市の予測(100件)を大幅に上回る413件に上ったことが31日、同市のまとめでわかった。
 過料を徴収された中で住所がわかった220件のうち、市外在住者が146件(66%)を占めた。支払いには応じたものの、「路上禁煙だと知らなかった」と弁明する人もいた。
 地下鉄栄駅近くで31日に徴収された東京都内の40歳代男性も「全国的に告知すべきだ」と憤慨していた。
 吸い殻の定点調査では、過料徴収を公表するまで、吸い殻は4地区合計で平均501個あったが、徴収後は同100個まで減った。
 市環境局は今後、「市外から訪れる人へのアピールが必要」として、大型でより目立つ路面表示を付けたり、「自転車等放置禁止区域」などの標識に、路上禁煙地区の標識を一緒に取り付けたりする方策を検討する。


2006/ 8/ 1 日本たばこ産業(JT) 初の増税分以上の値上げがもたらす転機  (日経ビジネス オンライン記事

「初の値上げ」をどう織り込むか--日本たばこ産業(JT)の2007年3月期の収益の注目点の1つがこれだ。
 7月1日からの増税分を合わせて、国内シェア32%を誇る主力のマイルドセブンシリーズなどを1箱当たり10~30円値上げした。利益押し上げ額は単純計算で360億~400億円の見通し。会社側は「値上げによる増益効果はない」と慎重だが、株式市場の見立ては少し違う。
 今期の連結営業利益は、アナリスト予想の平均(QUICKコンセンサス)が前期比3%減の2965億円なのに対し、弱気のJT予想は同12%減の2700億円と大きな開きがある。
値上げ益は社会に“還元”
 「値上げと増益は結びつかない」と強調するJTは、業界で取り組む新しい自動販売機の導入などをその理由に挙げる。全国62万台ある自販機を2008年に、登録者のみが購入できる成人識別機能付き型に更新する計画で、その負担が約600億円。空港や駅前といった公共スペースでの分煙設備の設置に毎年100億円。「社会還元のコスト」が膨らむという。
 さらに、初めて増税分以上の値上げに踏み切ることで、「どこまでマイナスの影響が広がるか全く読めない」。「値上げを機に喫煙者30人に1人がやめれば、増収効果が文字通り“煙と消える”」との試算もあるという。
 ただ、株式市場はそこまで悲観的には見ていない。
 日興シティグループ証券の三浦信義アナリストは、ほぼ横ばいの営業利益3107億円(前期3069億円)を予想する。「似たような市場環境で、値上げによって販売本数減をカバーし、利益成長を続けてきた海外メーカーと同じ道をたどる」と指摘する。
 たばこは国の健康増進政策や税金の面などを考えると、「商品の値下げはあり得ない」とJTは言う。国産たばこの税抜き価格は111円弱と米英の200~300円に比べて割安なため、逆に値上げの余地は大きいからだ。
外国人投資家も着目
 何より、「たばこ市場の確実な縮小傾向を予測できる分、必要なコスト対策を講じやすい」(三浦氏)点も見逃せない。たばこ販売本数がこの5年で4分の3に減ったのに合わせて、JTは国内工場の閉鎖と人員減を継続的に実施している。こうした費用低減で、連結営業利益の7割を占める国内たばこ事業の営業利益は2006年3月期に前の期比2%増の2200億円を確保した。
 薬品業界などと並ぶ「ディフェンシブ銘柄」の代表格だが、株価が上場来高値圏にあった今年3月末、JTの外国人株主比率は過去最高の27.4%となった。株式の50%を国が保有しているため、浮動株で見た外国人比率は過半以上に跳ね上がったことになる。市場が大きく伸びない中で実質無借金、現預金は総資産の10%を超える水準と底堅い財務基盤を構築してきたJTに、外国人投資家が今後の可能性を感じ取ったのかもしれない。
 縮む市場の中で安定した収益性を確保していくために、JTはたばこ事業の費用低減のほか、海外たばこ事業のM&A(企業の合併・買収)、たばこ以外の事業拡大と手を打ってきた。こうした収益の多様化戦略よりも、海外メーカーと同じくたばこの国内販売単価の引き上げでそれなりの利益水準を確保できるのか。今年の値上げは、JTに新たな事業戦略の構築をもたらすかの試金石になる。
(日経ビジネス 馬場 完治)


2006/ 8/ 1 禁煙のお値段、さぁいくら?【前編】  (日経ビジネス オンライン記事

医師の指導とニコチンガムなど禁煙補助財の値段はいくら
 32歳ビジネスマンBさんは、学生時代にタバコを吸い始め、今は1日に30本以上を吸うヘビースモーカーだ。しかし最近、あちこちで分煙が進み、タバコを吸う不自由さを感じることが多くなってきた。
 秋には子どもも生まれる。7月からタバコが値上がりしたこともあり、思い切って禁煙しようと考えた。折りしも、この4月から健康保険で、医師の禁煙指導が受けられるようになったと聞いている。禁煙補助剤なる薬もあるらしい。「よし、禁煙だっ!」 そんなBさんの一念発起、さて、いくらぐらいかかるのだろうか。
 この4月、タバコをやめたい人は、健康保険を使って、医師の禁煙指導が受けられるようになった。これまで病気とはとらえられていなかった喫煙を、「ニコチン依存症」という病気とみなし、禁煙指導はその治療だと位置付けられたことが背景にある。禁煙を促すことで肺がんや心疾患などの喫煙が原因とされる疾患を減らし、医療費を抑制する狙いもある。
 東京農工大学助教授の阿部眞弓氏は、「常習喫煙は、タバコに精神をハイジャックされているような状態」と説明する。同氏は長年、禁煙外来で多くの“タバコに乗っ取られた人たち”を禁煙へと導いてきたエキスパートだ。
「独力での禁煙ももちろん可能だが、喫煙を『依存症』という病気だと認識して治療を受けることで、禁煙の成功率が高まる」と説明する。
 ニコチン依存症は、ニコチン依存と心理依存の2つの依存がからみあっている。ニコチン依存は、ニコチン自体が持つ依存性によるもの。依存状態にある喫煙者は、体内のニコチン量が一定量以下になると、イライラしたり、集中できなくなるなど、ニコチン離脱症状(禁断症状)が現れ、それらを解消するためにタバコを吸いたくなる。一方、喫煙を繰り返すことで、心理面、行動面の依存も深まり、自分の意思で行動(喫煙)をコントロールできなくなるのが、心理依存だ。
 そこから脱却するには、喫煙衝動と結びつく行動を、深呼吸する、水を飲む、飴をなめる、冷たい水で顔を洗うなどの行動におき変えていく(行動療法)。
ニコチン依存が重い人には、禁煙補助剤であるニコチンガムやニコチンパッチなどを利用して、体内にニコチンを補給して、禁煙時に表れるイライラや集中できないなどのニコチンの離脱症状(禁断症状)を緩和。そしてニコチン補助剤を徐々に使用量を減らしていくことで、体内へのニコチン補給量を減量し、ニコチン依存から離脱させていく手法が取られる。
【写真】東京農工大学助教授の阿部眞弓氏


2006/ 7/31 北朝鮮製偽たばこ調査へ 政府の特命チーム  (共同通信記事

 鈴木政二官房副長官は31日、首相官邸で開かれた政府の拉致問題特命チーム「法執行班」会合で、北朝鮮製の疑いが強い「偽たばこ」が海外で出回っているとして、実態調査に乗り出すよう指示した。偽たばこは北朝鮮当局の貴重な資金源になっている可能性が高いとみられている。
 日本たばこ産業(JT)によると、「マイルドセブン」など同社銘柄のたばこの偽物が、中国と北朝鮮の国境付近で多数出回っていることが報告されている。現時点では日本国内での流通例は確認されていないという。


2006/ 7/31 ニコチンが肺癌(がん)の成長を促進  (Dr.赤ひげ.com記事

 ニコチンは肺癌(がん)の原因となることはないが、肺癌の成長を促進するという報告が、医学誌「Journal of Clinical Investigation」8月号に掲載された。気管支細胞や肺癌細胞の受容体(レセプター)にニコチンが結合することにより、肺癌細胞の増殖が誘発されるという。
 米国癌協会(ASC)によると、肺癌は男女ともに米国人の癌による死因の第1位であり、年間新たに肺癌と診断される17万5,000人のうち85%を非小細胞肺癌(NSCLS)が占めている。肺癌の8割は喫煙が直接の原因だが、たばこに含まれるニコチンには癌を引き起こす性質はなく、肺癌に対するニコチンの役割については長い間議論を呼んでいた。
 米サウスフロリダ大学(フロリダ州)H. Lee Moffitt癌センター研究所のSrikumar P. Chellappan博士は、過去の研究で、ニコチン曝露が肺癌の化学療法の効果を低下させることを突き止め、ニコチンパッチやニコチンガムによる禁煙療法が治療の妨げになるのではないかとの見解を提起していた。
 今回の研究で、Chellappan博士らは非小細胞肺癌の患者より採取した癌細胞および隣接する気管支細胞を、試験管内で喫煙者の血液中の量に相当するニコチンに曝露。すでに知られているニコチン性アセチルコリン受容体との結合がみられたほか、ニコチンに癌細胞の成長サイクルを促すシグナル伝達経路の形成を助ける働きのあることが認められたという。研究チームはさらに、癌細胞の増殖を促す細胞内蛋白(たんぱく)も特定した。
 この結果から、Chellappan博士は、喫煙者はニコチンを含有するあらゆる製品を控える必要があり、たばこだけでなく、禁煙を補助するニコチンパッチもやめる方がよいと指摘している。
 しかし、肺癌患者にとってニコチン代替療法のリスクと便益(ベネフィット)のどちらが大きいかは、見解が分かれるところである。米国肺協会(ALA)のNorman H. Edelman氏は、試験管内での結果による理論上のリスクに基づいてニコチンを避けるよりも、禁煙に取り組む方がはるかに健康のためによいと述べている。米国立癌研究所(NCI)およびASCのウェブサイトでも、ニコチン代替療法によってたばこを止めることの利点の方がリスクに勝るというコメントが掲載されている。
(HealthDay News 7月21日)
http://www.healthday.com/view.cfm?id=533943


2006/ 7/31 喫煙率減でもたばこ売上増 韓国で珍現象 マイルド化で本数増?  (西日本新聞記事

 【ソウル31日原田正隆】喫煙者は年々減っているのに、たばこの売り上げは増加中―。韓国でこんな珍現象が起きている。
 韓国保健福祉省によると、今年6月現在の成人の喫煙率は男性47.5%、女性2.4%で、過去最低だった男性49.2%(今年3月)、女性2.7%(昨年12月)よりもそれぞれ下がった。政府の禁煙奨励策やたばこの値上げによる喫煙率低下に伴い、たばこ販売量も2001年には約989億本だったのが、昨年は約823億本と年々減少している。
 ところが販売高は昨年約8兆5500億ウオン(約1兆260億円)と、2000年の約5兆7300億ウオンと比べると約33%も増加した。
 韓国紙・京郷新聞によると、これは1箱1500ウオンだった主要銘柄が1箱2500ウオンに値上げされたことに加え、メーカーがニコチン含有量を減らしたマイルドなたばこを増やしたことで以前よりも多くの本数を吸う喫煙者が増えているからだ、と指摘されている。「多額の税金を納めている」との思いが強い愛煙家の間からは「嗜好(しこう)品であるたばこをやめさせるのは逆差別だ」と、政府に喫煙者保護を求める声も上がっているという。


2006/ 7/31 日本たばこ、銘柄を3割削減へ  (ロイター通信記事

東京(ロイター) 日本たばこ産業(JT)は31日、日本国内で販売している115銘柄のうち、約3割を削減して、計80銘柄に絞り込むと述べた。健康志向のため縮小傾向にある市場に対応するため、としている。
日本におけるJTのシェアは3分の2をしめる。しかし、高齢化社会が進んで健康に対する意識が高まり、喫煙者数は減少傾向にある。さらに、たばこ増税の結果、価格が値上がりしており、喫煙者はさらに減少する見込み。
銘柄の絞り込みにより、在庫の無駄を省くなどの合理化が見込まれるためか、JTの株価は31日、続伸し、一時44万7000円の高値をつけた。終値は前日比1.39%高の43万9000円。


2006/ 7/31 JTの06年4―6月期営業益は前年比+19.3%  (ロイター通信記事

[東京 31日 ロイター] 日本たばこ産業<2914.T>が31日発表した2006年4─6月期連結業績は、営業利益が前年比19.3%増の1020億円となった。7月から始まったたばこ税増税前にかけこみ需要が発生、売上が伸びた。
 売上高は前年同期比12.0%増の1兆2895億円、当期利益は同60.4%増の762億円だった。たばこ税増税前の駆け込み需要により、販売本数は前年同期よりも35億本増加の540億本となった。国内たばこ事業の売上高は前年同期比13.8%増の9852億円、営業利益も同36.8%増の219億円と好調だった。
、2007年3月期の連結業績について、営業利益が前年比12.0%減の2700億円とする通期予想を据え置いた。ロイターエスティメーツによる主要アナリスト8人の予測平均の2965億円を下回っている。


2006/ 7/31 禁煙社員に10万円支給、全社員が禁煙に  (共同通信記事

 マンション分譲の日本綜合地所は31日、社員の健康維持を目的に「禁煙促進キャンペーン」を実施し、禁煙を宣言した社員110人に支援金10万円を支給したと発表した。非喫煙の社員にも協力金として同じく10万円を支給した。
 客からのアンケートで「営業担当の社員がたばこ臭い」と指摘を受けたことがきっかけ。同社は社員の健康増進を図るとともに、接客マナー向上にもつなげたい考え。
 今回のキャンペーンで、全社員(292人)が禁煙したことになり、同社は本社ビル内の喫煙スペースをすべて撤去した。社員が本当に禁煙しているかどうかのチェックは特に行わないという。


2006/ 7/31 親の禁煙、小児科後押し・「煙害」から子ども守れ  (スマートウーマン記事

 受動喫煙による子どもの健康被害を減らそうと、小児科医が大人の禁煙治療に取り組んでいる。小児科医は診療を通じてタバコの子どもへの悪影響を痛感しており「自分たちこそ治療の先頭に」と意気込む。学会も検討会を立ち上げ、治療法のマニュアル作りなどタバコ対策に力を入れ始めた。
 「禁煙したら、子どものぜんそくの調子も良くなったみたい」。横浜市保土ケ谷区の会社員、川辺ゆみさん(44)は1日1箱以上吸っていたタバコを2年半前にやめた。小児ぜんそくの長男(14)の治療で訪れた神奈川県立こども医療センター(同市南区)で「禁煙外来」を受診したのがきっかけだった。
 河辺さんはニコチンパッチを処方され、約1カ月でタバコを断つことができた。「子どもの付き添いのついでに気軽に受診できた」と振り返る。
 同センターで禁煙外来を担当する萩原聡子医師は「親は自分の治療より、子どもの付き添いで病院に行くことの方が多い。子ども専門の病院に禁煙外来があれば、親が禁煙を始めるきっかけになる」と期待する。同センターは2003年8月に禁煙外来を開始した。約30人が受診、禁煙成功率は約6割という。
 国立成育医療センター(東京・世田谷)は5月に禁煙外来を始めた。小児科医、原田正平医師はタバコがぜんそくなどの呼吸器疾患を悪化させるだけでなく、免疫力を低下させて風邪や中耳炎などを頻発する原因になっていると指摘、「タバコの悪影響に日々の診療で触れている小児科医こそ、禁煙治療に取り組むべきだ」と強調する。


2006/ 7/30 「禁煙の達人」、肺がんを告白=世界に診療所展開のA・カー氏  (AFP=時事通信記事)

 【ロンドン30日AFP=時事】「禁煙セラピー」などの著書で知られる英国人のカリスマ禁煙専門家、アレン・カー氏(73)は30日、自身が肺がんと診断されたことを明らかにした。カー氏は23年前に禁煙するまで、たばこを1日100本吸うヘビースモーカーだった。 カー氏は1983年に禁煙に成功後、自身の体験を基に、意志の力に頼らずに簡単にたばこをやめられるという禁煙法を開発。30カ国に開設した70軒の診療所での指導や著書を通じ、禁煙指導に当たってきた。 カー氏のスポークスマンは、同氏が指導のため、たばこの煙の充満する室内で働いてきたことなどから、肺がんの原因がかつての喫煙経験かどうかは特定できないと説明している。 本人は「たばこをやめていなければ、20年前に死んでいた」と確信しており、肺がんと診断された後も「禁煙してから世界で一番幸せな人間だったし、今でも同じように思っている」と話しているという。


2006/ 7/28 すべての飲食店が禁煙に 新千歳空港ターミナルビル  (千歳民報記事

 新千歳空港ターミナルビルの飲食店が、すべて禁煙となった。これまで昼食時間を中心に時間帯禁煙を行ってきたが、飲食店が集中する3階に喫煙室を設け、全面禁煙とした。ビルを管理、運営する北海道空港は「国内の主な空港で初めての取り組みでは」と話している。
 ターミナルビルで禁煙、分煙化の取り組みが始まったのは2003年12月。それまでオープン形式だった喫煙所を廃止した。1階と2階ロビーに4カ所ずつ、4階には1カ所、さらに搭乗待合室に6カ所の完全に独立した喫煙室を設け、ロビー部分では、この喫煙室以外は完全禁煙とした。
 飲食店でも昨年10月から午前10時―午後2時は禁煙という時間帯禁煙を実施していたが、「電話やアンケートで空港利用者から禁煙を求める声が寄せられた」(北海道空港)といい、3階に広さ7.5平方メートルほどの喫煙室を新設。これに合わせ26日からはターミナルビルの1階から3階までの飲食店全37店が終日、禁煙となった。
 3階のある飲食店では「時代の流れですから喫煙者からの苦情は今のところありません。食事中にたばこの煙が気になるというクレームがなくなるのは助かります」と話す。
 北海道空港では、日本語のほか英語、中国語、韓国語で飲食店の禁煙を伝えるポスターを各所に掲示し、全面禁煙をPRしている。


2006/ 7/28 ニューヨーク州民の禁煙政策支持が増加  (英ASHニュース速報記事・分煙社会をめざす会訳)

 ニューヨーク州の屋内禁煙法施行後3年が経過し、レストランやバーの喫煙客もタバコを吸うには店外へ出るという習慣がすっかり身に付いた。
 そして、州健康局の最新の調査によると、禁煙法を支持する州民の割合は着実に増加している。
 屋内公共空間の大部分 ― レストラン、バー、クラブを含む ― を禁煙とする禁煙法は、3年前の7月に施行された。
 当初は、喫煙者やバー・レストラン経営者から強い反発があったものの、現在では 80 %の州民が禁煙法を支持している。喫煙者のうちの約3分の1から半数(訳注;4半期ごとの数字のばらつき)も、これを支持している。
 この調査によると、施行された2003年には支持するものは 60 %であったが、2004年には 73 %に上昇していた。
 アメリカ全体でみても、2005年のギャロップ社調査では 54 %がレストランの禁煙を支持しており、2003年の 45 %から増加している。
※米ASHのHP
http://no-smoking.org/july06/07-28-06-3.html
※AP電を引用するニュースサイトのHP(文章部分は米ASHと同じ)
http://www.capitalnews9.com/content/headlines/?ArID=187006&SecID=33
※報告書の原文(PDF378KB。22ページの報告書。レストラン・バーの経営への影響も分析してある。)
http://www.health.state.ny.us/prevention/tobacco_control/docs/ciaa_impact_report.pdf


2006/ 7/28 裁判所が職場禁煙法の厳格な適用を命じた  (英ASHニュース速報記事・分煙社会をめざす会訳)

裁判所が職場禁煙法の厳格な適用を命じた (エルサレム発、Judy Siegel-Itzkovich記者)
 イスラエルの高等裁判所が、副流煙の被害から人々を守るためにWHOが成立させた条約を、実際の事件に適用する国際的な先例を作った。
 国レベルの主要な裁判においてタバコ規制枠組み条約(FCTC)が援用された初の事例と信じられるこの裁判において、Elyakim Rubinstein裁判官は、Irit Shemesh の控訴を認容した。
 Irit Shemesh さんは、妊娠中にエルサレムのレストランで副流煙に曝される被害を受けた。
 イスラエルでは、すでに厳格な職場禁煙法が制定されているが、当局がその適用を十分に行っていない。
 Elyakim Rubinstein 裁判官は、刑事に関する禁煙法の適用が十分実行されることに加え、民事に関する適用を保障する仕組みも、意識の高い市民の行動によって確立されることが必要であるとの判断を示した。
 そのためには、被害を受けた市民が、禁煙法の適用を怠っている建物を所有しまたは管理する者に対して損害賠償を請求する必要がある。
 当初、地方小額訴訟裁判所は、レストラン所有者に対して Shemeshさんにごく小額の名目的な賠償を命じただけであった。
 エルサレム地方裁判所は、自ら判断しなかった。
 しかし、Elyakim Rubinstein 裁判官は控訴を認め、賠償額を10倍の1000 シェケル(225ドル)とし、訴訟費用と合わせて 2500 シェケル(約 563 ドル)の支払いを命じた。
 Elyakim Rubinstein 裁判官は、「イスラエルを含むFCTCを批准したすべての国は、副流煙が死亡、身体障害、疾病を引き起こすことを認めている。したがって、これらの国は、その国民を副流煙から保護する責任を負っている」 との判断を示した。
 Elyakim Rubinstein 裁判官は、これと合わせて、能動および受動喫煙の危険性に関するユダヤ法(国内法?)と宗教裁判所の判例も引用して判決を下した。
http://bmj.bmjjournals.com/cgi/content/extract/333/7561/218


2006/ 7/28 日本の喫煙者の50%を禁煙に導くタバコ価格はいくら?  (COPD News記事

星城大学リハビリテーション学部 川俣幹雄、霧が丘 つだ病院 津田徹、長崎大学医学部保健学科 千住秀明
(2006年5月19日~23日、米国胸部学会議(ATS)での発表。米カルフォルニア州サンディエゴ)
要旨
日本人喫煙者の25%、50%がそれぞれ禁煙する仮想的タバコ価格を明らかにする目的で、喫煙者1,671人を対象に、インターネットによるアンケート調査を実施した。非線形回帰分析(ロジスティック回帰分析)の結果、20歳から69歳までの各年齢層で、現在喫煙者の25%以上が禁煙するタバコ製品価格(1箱20本入り)は430円、50%以上が禁煙するタバコ製品価格は550円と、それぞれ推定された。
日本の喫煙者が半減する推定タバコ価格550円は、英国の代表的タバコ銘柄(ベンソン&ヘッジス)と比べても、なお約1/2の安さであり、COPDをはじめとする喫煙関連疾患の減少のためには、適正なタバコ価格設定が必要である。
→ 詳細はこちら


2006/ 7/28 6月小売業販売額は前年比+0.4%、タバコに駆け込み需要  (ロイター通信記事

[東京 28日 ロイター] 経済産業省が発表した6月の商業販売統計速報によると、小売業販売額(全店ベース)は前年比0.4%増の10兆5770億円で、2カ月連続のプラスとなった。
 タバコ税引き上げ前の駆け込み需要等で、コンビニエンスストアの販売額(全店ベース)が前年比3.2%増となったのが目立った。
 経済産業省は商業販売の基調について「穏やかな回復がみられるものの、このところ横ばい傾向」との判断を9カ月連続で維持した。
 小売業販売は、原油高を背景に燃料小売業が前年比3.7%増加した。その他小売業は、原油高の影響を受けて紙類価格が引き上げられる前の駆け込み需要や、タバコ税引き上げ前の駆け込み需要等で前年比2.8%増となった。
 一方、自動車小売業は、小型車や普通車販売の不振などで前年比3.0%減少、各種商品小売業および織物・衣服・身の回り品小売業は、天候不順などが下押し圧力となり、前年比でそれぞれ1.5%減少した。
 株式市場関係者からは、6月の数字は予測よりも強かったが、市場への影響は限定的との声が出ている。「4─6月は天候不順で個人消費はそれほど良くないとみていたので、6月が小幅ながらもプラスとなったのは意外だ。タバコが値上げ前に駆け込みで売れたので、コンビニが22カ月ぶりにプラスとなったことの影響などがあるのだろう。これで小売株が上がるとも思えず、株式市場にはそれほど影響はないと思う」(カブドットコム証券・マーケットアナリストの山田勉氏)との見方だ。


2006/ 7/27 ダイオキシン類似物質 たばこの煙に“たっぷり”山梨大教授米誌に発表  (読売新聞記事

 たばこの煙に、ダイオキシンに似た毒性を持つ化学物質が大量に含まれている可能性が高いことを、北村正敬・山梨大教授らが突き止め、米医学専門誌に発表した。
 喫煙者は肺がんなど健康を損ねるリスクが高いが、このダイオキシン類似物質の作用が、リスクを高める要因のひとつと考えられるという。
 ダイオキシンは、細胞内の特殊なセンサー(受容体たんぱく質)に結合してそれを活性化させることで、がんや免疫異常などを引き起こす。同じ受容体を活性化させる力があれば、ダイオキシン以外の化学物質でも似た毒性を発揮する。
 たばこにも微量のダイオキシンが含まれているが、1日20本吸ってもダイオキシンの摂取量は基準値を超えないとされる。北村教授らは、ある物質の中に、成分の種類を問わず、ダイオキシンの受容体を活性化させる力がどの程度あるか測定する方法を開発した。そして、日本のたばこ銘柄5種類を選び、煙の成分を抽出。受容体を活性化させる力をダイオキシン量に換算した。
 国が定めたダイオキシンの耐容1日摂取量は、体重60キロの人で240ピコ・グラム(ピコは1兆分の1)だが、換算値ではたばこ1本の煙で、18・5~51・2ナノ・グラム(ナノは10億分の1)と100~200倍にのぼり、ダイオキシンと類似した毒性を持つ化学物質が大量に含まれることを示した。


2006/ 7/27 憂楽帳:禁煙  (毎日新聞記事

 バンコクは愛煙家にはつらい街である。空調設備がある公共施設や商業施設は全面禁煙だし、吸い殻を道端に捨てれば罰金だ。たばこのパッケージには肺がん患者やヤニで汚れた歯の写真が刷り込まれている。昨年9月からはとうとう店頭での陳列も禁止され、たばこを買うという行為は、禁制品をこそこそ買うかのような惨めな状況にまで追い詰められた。
 二十数年来の喫煙者だが、こうした数々の圧力に屈し、先週から禁煙生活に入った。
 約5日間は、食事の後など胸をかきむしりたいような禁断症状に見舞われた。だが、それを過ぎれば、空気はうまく、頭はすっきりし、肩こりまでが和らいだ。メリットばかりである。
 一番ありがたいのは、知らぬ間に失われていたきゅう覚が取り戻せたことだ。バンコクの街はこんなに多様なにおいに満ちていたのかと新鮮に感じられる。
 愛煙家いじめとしか思えなかった各種のたばこ規制策だが、たばこをやめた身から見ればいかにも当然の策と映る。人間とは実に都合のよいものだ。【藤田悟】


2006/ 7/27 県病が10月から敷地内全面禁煙/青森  (東奥日報記事

 青森市の県立中央病院(原田征行院長)は十月から、敷地内を全面禁煙とすることを決めた。
 これに合わせて保険が適用される禁煙外来を同月から開始する方向。
 同病院は健康増進法施行を受け二〇〇四年七月から館内全面禁煙としている。しかし、館内禁煙では、玄関前で喫煙する人もあり、周辺を通行する利用者から苦情が出ていた。
 そこで一層の禁煙の推進と受動喫煙の防止を徹底することを目的に、今年十月から敷地内を全面禁煙とするとともに、禁煙外来も開始することを決定した。
 外来の診察日は現在調整中。同病院は「県民の健康を守る使命を担う病院として、敷地内全面禁煙とすることとした」と協力を呼び掛けている。
 県内の公立病院では、青森市民病院、国立八戸病院が敷地内全面禁煙としており、国立八戸病院が保険適用される禁煙外来を開設している。


2006/ 7/26 JTは小動き ロシアでたばこ5割増産と  (證券新報記事

 JT<2914>は一時6000円高の43万4000円まで買われた。販売本数が伸びているロシアでの生産を数年以内に現在の5割増しに当たる1000億本程度まで引き上げる考え、と報道されていた。ロシアでは愛煙家が多い上、国産に比べてニコチンやタールの含有量が低い外国製たばこが人気とか。「マイルドセブン」もよく売れているらしい。


2006/ 7/25 愛煙家王国ロシア狙え JTが5割増産へ  (フジサンケイ ビジネスアイ記事

 愛煙家の多いロシアで海外たばこの売れ行きが伸びている。原油高を背景に可処分所得が増えていることに加え、健康志向の高まりから有害物質の少ない海外ブランドを選ぶ傾向が強まっているためだ。これを受け、日本たばこ産業(JT)は5割近い増産に踏み切る方針を固めた。世界的な禁煙の波の中で数少ない有望市場をめぐり競争が激化しそうだ。(黒川信雄)
 ロシアのたばこ市場は1998年のデフォルト(債務不履行)以降、拡大を続け、現在年間約3100億本と、世界全体の約5・5%を占めている。中でも、国産たばこに比べ、ニコチンやタールの含有量が低く、味も良いとされる外国産たばこの人気が高く、海外メーカー各社は99年以降、ロシア国内での生産を本格化している。
 ロシア東欧貿易会によると、現在JTのほか、米フィリップモリス、英ブリティッシュ・アメリカン・タバコ、英ギャラハー・グループ子会社の製品が市場の6割を占めている。
 JTは99年に米タバコ大手RJRナビスコ(現レイノルズ・アメリカン)から米国以外の海外たばこ事業を買収し、ロシアでのたばこ事業を開始。昨年1年間に主力ブランド「ウィンストン」のほか、「マイルドセブン」「キャメル」といった日本でもなじみの深いブランドを中心に、ロシアとウクライナで海外販売全体の31%に当たる682億本を販売した。
 ロシア単体での販売本数は非公表だが、ここ数年は年率13%前後で増えているという。現在、サンクトペテルブルクで年間約700億本を現地生産し、ロシアの内外に販売しているが、数年以内に1000億本規模にまで引き上げる考えだ。
 JTは2004年以降、ロシアの税務当局からの2度にわたる追徴課税をめぐり裁判で争うなどトラブルもあるが、状況は改善しているという。JTはロシア市場を「重要市場」(広報)ととらえており、ロシア事業縮小は考えていないという。
 同社の日本国内でのたばこ販売は減少が続いており、05年度は前年比237億本減の1894億本と、海外(2235億本)に初めて抜かれた。今年7月にたばこ税の増税が始まったこともあり、海外での事業に力を入れている。


2006/ 7/25 禁煙パッチ、保険生かせず…福岡県内大病院ほとんど対象外  (読売新聞九州版記事

 禁煙補助剤「ニコチンパッチ」の保険適用が認められたのに、保険を使えない禁煙外来が多く、患者に戸惑いが広がっている。「敷地内禁煙」の基準をクリアできないためだ。病院側は「喫煙する患者もおり、全面禁煙は無理」と訴えるが、厚生労働省は「禁煙治療する施設に喫煙所があるのはおかしい」と突っぱねる。7月にたばこが値上がりし、禁煙への関心が高まる中、患者からは「何のための禁煙外来か」と不満の声が出ている。
 禁煙外来での治療は4月の診療報酬改定で、「ニコチン依存症管理料」としてカウンセリングや検査に保険が適用された。6月にはニコチンパッチも適用となった。しかし保険適用施設となるには「敷地内が全面禁煙」という条件がある。敷地が広く、入院患者が多い病院はほとんど保険適用の対象となっていない。
 福岡社会保険事務局によると、8月1日までに保険適用する福岡県内の医療機関は、医院やクリニックなど小規模施設を中心に123か所で、病院は21か所しかない。
 九州大病院(福岡市東区)では、禁煙外来を訪れる患者は増えているが、院内に喫煙所が2か所あり、保険は適用できない。久留米大病院(福岡県久留米市)も同様で、同病院は「小さな医院なら敷地外で吸うように言えるが、敷地が広いとそうはいかない」と訴える。
 鹿児島赤十字病院(鹿児島市平川町)は1月に禁煙外来を開設したが、全面禁煙の基準を満たせず、保険適用を断念。専門治療を望む患者には、保険適用の病院を紹介しており、禁煙外来は“開店休業”状態だ。
 担当の永井慎昌医師(45)は「禁煙相談にはボランティア的に応じているが、自己負担のニコチンパッチを勧めるわけにもいかない」と説明する。
 同病院は「全面禁煙にすべきという思いはあるが、簡単にはいかない。国が禁煙治療を推し進めるなら、もっと基準を緩めてもいいのでは」と漏らす。
 患者は保険適用の医療機関を探すのに苦労している。12日から保険適用となった福岡市健康づくりセンターで治療している同市城南区の会社員(30)は「4か所の医療機関で『保険適用していない』と言われ、ようやくここへたどり着いた」と話した。
 厚労省には、医療機関から「敷地内でも、建物外の喫煙所なら良いではないか」「禁煙促進の熱意をそぐ」と苦情が相次いでいる。だが、同省医療課は「まず医療機関が禁煙への厳格な姿勢を示してほしい」と譲らない。
 こうした状況を受け、小倉記念病院(北九州市小倉北区)は「全面禁煙の時期が来た」として、病棟の外に設けているプレハブ喫煙室を8月1日に撤去する。


2006/ 7/25 タバコの値段はまだまだ安い  (ライブドア・ニュース記事

 2008年4月から自動販売機でタバコを買うにはICチップ入りのタバコカードが必要になる。これが未成年の喫煙防止に役に立つのかどうか、対面販売を厳しくしなければ意味はない、偽造カードが出回るなど、その効果のほどについては疑問視する声も強いようだ。
 タバコは2003年以来3年ぶりに7月1日から値上げとなった。こちらの喫煙抑止効果はというと、近所のコンビニで聞くと「買いだめした方が多かったせいか、少し売り上げが落ちました」という程度で、わずか30円(1本1.5円)程度の値上げでは、禁煙しようという気にはならなかった人が多かったのではないか。私は10年以上前、キャスターが20円上がって200円になった時点で禁煙した。年間8万円ほどかかっていたから今までに100万円以上節約した勘定になる。
 喫煙者には痛い値上げだろうが、日本は他の先進国に比べればまだまだ安い。ニューヨーク市内ではタバコの小売値は場所によって変わる(註)がおよそ7ドル(805円)。タバコ税を10年で8倍にしたところ、未成年者の喫煙率が46%から16%へと激減したというから、タバコカードよりも値上げ、そして警告文を変えた方が効き目がありそうだ。日本の警告文は海外のそれに比べるとどうも生ぬるい。
「タバコ煙のあるところに青酸ガスがある」(カナダ)
「喫煙は死因の最大部分を占める」(オーストラリア)
「喫煙時あなたは砒素・ナフタリンなど鼠やゴキブリ用の駆除剤と同じものを吸入している」(ブラジル)
「喫煙は人を殺す」(タイ)
「喫煙者は早死にする」(EU)
 ニューヨーク州を例に取れば、公共の場での禁煙はもちろんのこと、レストランやバーでの喫煙も既に禁止となっている。翻って日本は居酒屋は言うに及ばず映画館、劇場、寿司屋のカウンター席、駅のプラットフォーム、路上喫煙禁止の道路、どこでも吸う人がいてタバコの臭いが充満している。喫煙者は大切な空気を汚すだけでなく、医療費を押し上げ、今年からは禁煙治療の一部が保険適応となるなど、税金を食う金食い虫なのだ。
 タバコの警告文に、友人の看護婦が長い体験から発したこの言葉を使って欲しい。「大酒呑みとヘビースモーカーは寝たきりになる確率が高い」


2006/ 7/25 米上院ビルの雑貨店でのたばこ販売禁止要求、議員  (CNN Japan記事

ワシントン――米上院のフランク・ローテンバーグ議員は24日、上院ビル内にある雑貨店でのたばこ販売禁止を求める書簡を、上院の食事サービス管理当局に送付した。
 同議員は、民間旅客機内での喫煙の全面禁止を実現させた法案の起草者として有名。
 上院ビル内の雑貨店では現在、たばこが割引価格で売られている。州の消費税などが適用されないのが理由で、同上院議員は、ビルを訪れる観光客や地元の人間にたばこの購入をそそのかしているようなものと指摘している。
 同議員でインターンとして働いている21歳女性がこれらの雑貨店で身分証明書を提出せずにたばこを購入出来たが、近くの路上の店で買おうとした時、証明書を求められたとの例も紹介している。
 上院ビル内でのたばこ販売禁止については、他の議員の賛同も集まり始めているという。


2006/ 7/24 ホテル内全面禁煙で予約増える=米ウェスティン〔BW〕  (時事通信記事

*【Business Wire】ホテル運営大手、米スターウッド・ホテル&リゾート・ワールドワイド傘下のウェスティン・ホテル&リゾートは、今年1月に同チェーンが運営する北米の全ホテルで全室禁煙を開始して以来、宿泊の予約が増えるなど好結果が得られていると発表した。さらに、米家庭医学会、米心臓協会、アメリカン・ホテル&ロッジング協会(AH&LA)などから支援を受けていることも明らかにした。この動きに呼応して、ホテルチェーン米大手のマリオットが今週初めに、ホテル内全面禁煙実施を発表している。間接喫煙の健康に与える危険性に関する世界保健機構(WHO)や米公衆衛生局長の最近の報告書も禁煙化を推進している。<BIZW>
 【注】この記事はビジネスワイヤ提供。英語原文はwww.businesswire.comへ。


2006/ 7/24 禁煙しようと思う金額は1箱いくら?  (薬事日報記事

◆1日からタバコが値上げされたのを受け、ファイザーが東京、大阪、名古屋など全国7都市で、喫煙者を対象に実施した「タバコ税増税によるタバコの値上げに関する喫煙者の意識調査」では、「禁煙しようと思う金額は1箱500円以上」と考えている人が多かった
◆調査では、増税によるタバコの値上げ額が「高い」との回答が86%に上ったが、値上がりをきっかけに禁煙しようと思うかとの質問に、「思う」と答えた人は35%に過ぎなかった。まだ禁煙を考えていない人に、1箱いくらなら禁煙しようと思うかを尋ねると、400~500円未満が21%、500円以上が56%、価格に関係なく禁煙しない15%という結果だった
◆増税額は1本当たり1円だが、主力銘柄のマイルドセブンは270円から300円に値上がりした。増税でタバコが値上げされるたびに、喫煙者の禁煙意識が高まる傾向が見られるが、今回の値上げではまだ効果が薄いということか
◆6月からはニコチンパッチも保険適用になったが、少なくとも禁煙意思を持つ人には、吸いたいという欲求を振り切って、ぜひとも成功してもらいたい。


2006/ 7/24 たばこ吸いながら地下鉄運転、乗客が目撃…名古屋  (読売新聞記事

 名古屋市交通局は24日、市営地下鉄の男性運転士(57)が、電車を運転中に喫煙していたと発表した。
 乗務中の喫煙を禁じる規定はないが、同局は「地下鉄車内は乗客も禁煙。あまりに常軌を逸した行為」として、21日以降、この運転士を乗務から外し、さらに処分を検討している。
 運転士は17日午前6時40分ごろ、地下鉄鶴舞線の荒畑―鶴舞駅間で普通電車を運転中、運転席でたばこ1本を吸った。目撃した男性客が通報、同局の事情聴取に、運転士は1度は否定したが、喫煙を認めた。
 運転士は「普段は点呼前に吸っているが、この日は時間がなく、運転中に吸いたくなった」と話したという。


2006/ 7/24 明日から工場も禁煙区域指定の義務化/韓国  (innolife.net記事

 明日からは、小規模事務室はもちろん工場も、禁煙区域を義務的に指定しなければならない。
 保健福祉部は、今までは延べ面積3000㎡以上の事務室と、延べ面積2000㎡以上の複合、建築物にだけ禁煙区域を指定するようにして来たが、明日からは延べ面積1200㎡以上の事務室と工場、複合用途建物まで拡大すると明らかにした。
 また、中央庁舍の場合、面積制限が廃止され、地方自治体の庁舍も面積に関係なく禁煙区域の適用を受けるようになる。禁煙区域と喫煙区域を区別しない場合、300万ウォン以下の過料が賦課される。


2006/ 7/24 同居相手の5歳長男の背にたばこ、28歳男を逮捕  (読売新聞記事

 埼玉県警大宮西署は、交際相手の女性の長男(5)にけがを負わせたとして、住所不定、アルバイト増子義雄容疑者(28)を傷害容疑で逮捕し、24日、さいたま地検に送検した。
 調べによると、増子容疑者は4月上旬、同居していたさいたま市大宮区、飲食店従業員女性(24)のアパートで、長男の背中にたばこの火を押しつけて3週間のやけどを負わせた疑い。
 託児所の職員が4月11日、長男のやけどに気付き、母親に連絡。母親は同月18日、同署に相談していた。
 調べに対し、増子容疑者は「(女性が)仕事に行っている間、長男が深夜になっても寝付かず、しつけのつもりでやった」と供述しているという。


2006/ 7/23 祭り控えた神社で火災、社務所が全焼  (TBSニュース

 23日昼すぎ、埼玉県で祭りを控えた神社の社務所が全焼する火事がありました。
 23日午後0時40分頃、上里町の七本木神社から煙が上がっていると119番通報がありました。
 消防が駆けつけ、火はおよそ40分後に消し止められましたが、木造平屋建ての社務所およそ100平方メートルが全焼しました。
 この神社では来週30日に祭りが予定されていて、準備をしていた付近の住民たちのタバコの火の不始末が原因とみられています。
 この神社では、獅子舞が町の無形文化財に指定されていますが、その獅子は別の場所に保管されていたため無事で、祭りも予定通り行なわれるということです。


2006/ 7/22 家のほこりに汚染物質 食品からの摂取上回る  (共同通信記事

 国内の家庭やオフィスのほこりの中に、臭素系のダイオキシンや有機スズ化合物などの有害化学物質を高濃度で含むものがあるとの研究結果を、京都大と愛媛大、国立環境研究所の共同研究グループが22日までにまとめた。
 詳しい健康影響の評価は今後の課題だが、ほこりからの臭素系ダイオキシンの推定摂取量は、ほこりを吸いやすい幼児で多く、現在主要な摂取ルートと考えられている食品からのダイオキシン類の摂取量を上回り、主要な汚染源の一つになっている可能性があるという。
 グループの酒井伸一京大環境保全センター教授は「発生源は分からないが、家電製品やコンピューターに使われる臭素系の難燃剤の関連が疑われる。摂取量を減らすには、掃除を小まめにしてほこりがたまらないようにすることが大切だ」と指摘した。

※ 厚労省はタバコ煙中のダイオキシン濃度が非常に高いことを指摘しており、「個人曝露においてもダイオキシン類の平均的な1日摂取量の相当部分を占める」と明記していることからも、タバコを発生源のひとつとして指摘すべきではないか。


2006/ 7/22 ハンガリーとイタリア、タバコ広告の警告受ける  (F1-Live.com記事

 現在、注目を浴びるドイツと同様、ハンガリーとイタリアが欧州委員会からタバコ広告をなくすよう警告を受けている。
 欧州全土に課せられているタバコ広告の禁止は適切に実施されていないのが現状だ。これにともない、法律の順守を求める“理由書付き意見書”が欧州委員会から送付されたという。
 その中で保健・消費者保護担当委員マルコス・キプリアヌスは、「国境を越えるF1であろうが他の競技であろうが、委員会はタバコ広告の禁止命令に特例を出すことはない」と明言。これと同様の意見書が4月にスペインにも送られている。
 一方、渦中のドイツは欧州裁判所に結論が委ねられている。


2006/ 7/22 "たばこ吸った"小学高学年児童6.8% 低年齢化進む/鳥取  (日本海新聞記事

 鳥取市内の小学校の高学年児童の6・8%に喫煙経験があり、喫煙の低年齢化が進んでいることが、二十一日鳥取市で開かれた鳥取県公衆衛生学会で報告された。
 鳥取市中央保健センターの発表では、市が二〇〇一年から今年五月までの五年間にわたり、旧市内三十一校の高学年児童千五百二十五人を対象に実施したアンケートの結果、喫煙経験のある児童が6・8%の百四人いたことが分かった。
 たばこを吸った理由は「何となく」(31・7%)、「遊び」(21・0%)と興味本位が半数以上を占めた。一方、両親や兄弟に勧められて喫煙したケースもあり、「月に数回吸っている」と答えた児童が八人。喫煙の低年齢化を問題提起した。
 学会には約七十人が参加し、県と市町村の福祉保健担当の職員らが母子・学校、成人、精神保健、食品衛生など七分野で研究結果を発表。鳥取大学の大槻公一特任教授が「高病原性鳥インフルエンザと新型インフルエンザ」について講演した。


2006/ 7/21 タクシー運転手が車内禁煙宣言 富山交通、事業の高級ブランド化推進 新車両7台導入  (北国新聞記事

 富山交通(富山市)は、タクシー事業の高級ブランド化を推進する。第一弾として二十日、デラックス中型車を七台導入し、同時に運転手全員が車内禁煙徹底を宣言した。禁煙だけでなく受動喫煙にも関心が高まる中、乗客に快適な車内空間を提供し、競争が激しい業界内で他社との差別化を図る。
 禁煙宣言は乗客の要望で実施した。小、中型車二百三十二台で、「私運転手は、車内でタバコを吸いません」と書かれたステッカーを掲示する。
乗客に協力は呼びかけない。同社によると運転手約三百人のうち喫煙者は半数以上で、富山県内のタクシー会社で運転手全員が車内禁煙を宣言することはめずらしいという。
 デラックス中型車は四人乗りで、肘掛けと足置きクッションが付き、起毛シートを施した。乗車料金は通常の中型車と同じ。品川祐一郎社長は「お客様の満足感を高めたい」と話している。


2006/ 7/21 馬当路でマンション火災、投げタバコが原因?  (エクスプロア中国記事

 7月20日午後4時ごろ、馬当路375弄の16階で火災が発生し、ベランダとリビング、さらに隣部屋のベランダを焦がした。 
 幸い、消防が比較的早く駆けつけたため、大きく延焼することは無かったが、目撃者の証言では、タバコの吸い殻ポイ捨てが原因で、24階にほしていた洗濯物にまず引火、その後洗濯物が落下して16階のベランダにあるエアコンの室外機にひっかかり、延焼したものと見られている。 
 消防では現在、目撃情報を元に原因を調査している。 
 上海では、いまだにベランダから外にゴミを捨てる住民が少なくなく、マンション1階の庭にゴミが散らばっていることがよくみられる。頭上注意ということか…。


2006/ 7/20 路上喫煙は「アカンずきん」 大阪プロレス選手と強力タッグ  (産経新聞記事

 大阪市が進める路上喫煙防止キャンペーンに協力している大阪プロレスのスペル・デルフィン社長や選手「えべっさん」らが20日、市役所を訪れ、関淳一市長を表敬訪問した。
 大阪プロレスは、JR天王寺駅周辺で行われた啓発活動にも協力。誕生したばかりの市の路上喫煙防止のキャラクター「アカンずきん」とともに、啓発グッズの配布を行っている。
 社長らは今後もキャンペーンに協力することを約束し「アカンずきんちゃんにもぜひリングに」と大阪プロレスへの参戦を要請。関市長は「生まれたてだから、鍛えとかなあかんな」。


2006/ 7/20 禁煙サポート拡大中…でも最後は意志!?  (産経新聞記事

 今月1日のたばこの値上がりを機に「たばこをやめよう」と禁煙を始めた人が増えているようだ。薬局などでは禁煙用商品の売れ行きが好調で、禁煙達成に向けたサービスや医学的指導も広がりつつある。(山口暢彦)
≪新たな依存…≫
 東京・神田にある「かねまん薬局神田南口店」では6月以降、禁煙関連商品の売り上げがそれ以前より2割アップした。同店には禁煙用商品が数種類置かれているが、ダントツの売れ筋はニコチンが不足してイライラしたときに噛(か)む禁煙ガム「ニコレット」(24個入り2205円)。同店では「テレビCMによる知名度に加え、ガムの形で服用できる手軽さが受けているのでは」という。
 ほかにも、薬草「杜仲葉」をたばこ状に巻き、口ざみしいときに吸う清栄薬品の「禁煙草」(5本入り500円)▽松葉や松ヤニ成分が配合され、口に含んだ直後にたばこを吸うと、たばこがまずく感じるケイセイの「嫌煙飴(あめ)」(15粒入り680円)-などが人気で、それぞれ売り上げも伸びている。
 このような禁煙商品の種類や人気の広がりに店長の榎本孝さんは、「“中毒”にならないように注意してほしい」と呼びかける。例えばニコレットは1日の限度が24個で、禁煙生活に慣れたら、1週間ごとに1日の使用を1、2個ずつ減らし、3カ月をめどにやめなければならない。
 だが中には用量を守れず、手放せなくなる人も。「『たばこ依存』が『禁煙商品依存』に変わってしまうのです。大切なのは、依存しない意志の強さ」と榎本さんは話す。
≪女性向け助言≫
 インターネットで手軽に利用できる“禁煙指南”サービスもある。
 東京農工大学保健管理センターの阿部真弓助教授(公衆衛生学)は今月7日、増えつつある女性喫煙者向けに「女の子のための禁煙クリニック」という無料プログラムを作成した。
 ホームページ(http://mixpot.net/kin-en/)にアクセスし、年齢や身長、体重、喫煙歴、メールアドレスなどのデータを入力すると、例えば、1週目はニコチン依存の仕組み、2週目以降は禁煙を長続きさせる食事や運動など、段階に応じた最適な“教材”を毎週メールで受け取れる。
 阿部助教授は「女性の喫煙のきっかけは、人間関係のトラブルなどが多いので根が深くやめさせにくい。1年間(という長期間をかけ)丁寧にサポートしていきたい」としている。
≪会社を挙げて≫
 1人での禁煙達成に自信がない人には、東京衛生病院(東京都杉並区)の「禁煙講座」(1万500円)が好評だ。昭和40年代から実施され、効果は実証ずみ。医師とカウンセラーが5日間集中して指導する。
 通院しなければならないため、参加者は毎回15人程度だが、「禁煙の流れが加速しているのを受け、問い合わせが急増している」(同病院)という。特に最近増えているのが女性。「以前はほとんどが男性だったが、最近は半数が女性」という。
 また、会社が社員の禁煙達成を後押ししようという動きも。事務用機械メーカー「リコーエレメックス」(名古屋市)は、会社ぐるみの禁煙をサポートするイントラネット(企業内ネットワーク)システムを開発、9月までに商品化する。
 社員は専用カードを作成し、喫煙室の入退室時にカードリーダーにかざす。すると、入退室時刻が記録され、喫煙室にいた時間をもとに何本吸ったかを推測。このデータを蓄積し、「病気にかかる可能性が非喫煙者に比べ〇倍に」といった情報を毎月、社員個人のサイトで更新する。担当者は「たばこの悪影響を実感し、禁煙意欲を高めてほしい」と話している。

≪喫煙率 男性は減少、女性は増加≫
 たばこ依存を生み出すのは、煙に含まれるニコチンだ。喫煙時、高濃度のニコチンを含んだ血液はわずか数秒で大脳中枢に達し、快感をもたらす。この快感を求めてたばこを吸い続けると、脳が変化し、喫煙していないと、イライラしたり気分が落ち込んだりする「依存症」につながる。
 問題は、ニコチン以外にも200種類以上の有害成分がタバコに含まれていること。肺がんなど呼吸器系の疾患のほか、狭心症、心筋梗塞(こうそく)といった循環器系の病気のリスクが高まると指摘されている。
 なお、日本たばこ産業(JT)によると、日本の成人男性の喫煙率は年々減少。平成17年6月の調査では45.8%で、前年比1.1ポイント減となった。一方、女性の喫煙率は、16年から17年にかけ増加(13.2%→13.8%)。とくに20、40、50代の伸びが顕著だった。


2006/ 7/19 米マリオット、9月から米とカナダでホテル全室禁煙に=WSJ  (ロイター記事)

[ニューヨーク 19日 ロイター] 米ホテルチェーンのマリオット・インターナショナル<MAR.N>は、米国とカナダにある2300軒以上のホテルについて、全室を禁煙にする。19日付の米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙電子版が報じたもので、19日にも発表されるという。
 利用客の苦情増加を受けた措置の一環という。
 米国とカナダの同社ホテルでは、すでに90%以上の客室が禁煙になっているが、今回の措置により、レストランやバー、会議室などパブリック・スペースも禁煙となる。
 実施は9月からで、客室内で喫煙した利用者には200─300ドルの清掃料金が課される。マリオットの広報担当者のコメントは得られていない。


2006/ 7/18  【中央官庁だより】 ◇マナー順守を=厚生労働省  (時事通信官庁速報)

 厚労省などが入る中央合同庁舎5号館内の喫煙所が外に閉め出されて3カ月。強風に背を向けてたばこに火を付ける姿が「肩身の狭さ度を助長している」(厚労省幹部)一方で、思わぬ効果も出ている。メーンの喫煙所は庁舎1階を出てすぐの所にあり、喫煙する来庁者の憩いの場にもなっているが、十数階から下りてくる同省職員には一苦労。喫煙者の間からは「おかげで1日に吸う量がぐんと減った」「ぎゅうぎゅう詰めの室内喫煙所では受動喫煙の量の方が多かったが緩和された」「(外への移動で)ついでに階段を使うようになり健康的になったのではないか」などの声も上がっている。しかし、用意された灰皿を使わず、地面に灰を落とす姿もちらほら。先の幹部は、同じ喫煙者の立場から「喫煙者だけが集まるスペースだと気が緩むのか、あるいは外だと開放的になるのか」と分析しつつ、「マナーが悪ければ、『肩身が狭くなった、何とかしてくれ』とは大声では言えない」とマナー順守を訴えている。


2006/ 7/17 JTが「F1日本グランプリ」記念たばこ発売  (フジサンケイ ビジネスアイ記事

■マイルドセブン・ルノーF1チーム
 JTは、成田、羽田、関西、中部、福岡の各国際空港内にある免税店限定で、10月6日~8日に鈴鹿サーキットで開催される「F1日本グランプリ」を記念した特別デザインのたばこ「マイルドセブン・スーパーライト(F1スペシャルエディション)」を発売した。
 パッケージの裏表にJTがスポンサーのマイルドセブン・ルノーF1チームのマシン「R26」の走行シーンを配したデザイン。JTは今シーズンでF1チームへの協賛をやめるため、記念たばこも、今年が最後になる。
 パッケージデザイン以外は通常の「マイルドセブン・スーパーライト」と同じ。販売は1カートン(10個)単位。
 価格は免税なので1カートンで1700円。2カートン買うともれなく、ルノーF1チーム公認グッズが景品に付く。
 「F1スペシャルエディション」は2003年から販売している。今年は昨年の6割増しの10万カートンを用意したという。
 10月中旬までは免税店で買える見通しだ。


2006/ 7/15 いま必要な喫煙対策はなにか  日本禁煙学会理事長 作田 学  (毎日新聞論点)

1.増税によるタバコの値上げは,短期的に消費を減少させる唯一の効果的な方法だ.
2.価格はどれだけ多くの青少年が喫煙を開始するかを左右するきわめて大きな役割を果たしており,結果として長期的消費傾向に重大な影響を与える.
3.紙巻きタバコの課税が10%増すごとに消費は約4%減少する.
4.未成年や低所得層の喫煙者は、他の喫煙者と比較して値上げによるタバコ離れが著明である。この結果、健康と経済の両面で、彼らを保護することができる。
 以上のことはWHOが2004年に出したハンドブックの中に明示されている.
しかるに日本は世界の中でどのような位置づけにあるだろうか.今年一月における各国の価格を比較すると,タバコ価格はおどろくほど安い.
紙巻きタバコ1箱の値段の筆頭は英国の1050円から米国(ニューヨーク)770円,オーストラリア・シンガポール・香港が500円とあって,世界各国中最低に近い300円である.聞くところによると,免税店で買うよりも日本の国内で買う方が安い場合もあるという.
 日本禁煙学会の調査では,いま若年層とくに女性の喫煙率がすごい勢いで増加している.これは3つの点で我が国の将来にとって由々しき問題である.第一の問題は胎児への影響だ.胎児発育の遅延,低出生体重児,流産,周産期死亡に関してエビデンスがある.また乳幼児突然死症候群,児の身長増加率の低下,知能の低下,問題行動,犯罪率の増加につながることが明らかにされている.第二に小児期に受動喫煙をあびることの問題である.こどもは母親が喫煙するところから逃げたくても逃げられない.
 第三に自分自身の美容あるいは健康に及ぼす影響である.タバコを吸う女性の声は低く,しゃがれている.顔はしわがより,しみが増える.それとともに歯周病になりやすく,色素が沈着していく.健康に関してはいまさら言うまでもあるまい.肺がん・咽頭がん・喉頭がん・舌がんは圧倒的に喫煙者に多いし,慢性閉塞性肺疾患の95%は喫煙者に生じる.心筋梗塞・脳梗塞・クモ膜下出血についてもエビデンスがある.
 これらが疑いもない事実として認識された結果,タバコ規制枠組み条約が締結され,2005年2月に発効した.我が国も誠実に条約を実行していかねばならない.
 5年以内にタバコの広告あるいはスポンサーシップを規制する国内法を整備することが求められているが,いまだにJTはマナー広告と称してテレビでの広告さえもやめない.またJT○○と称するプロのゴルフ大会や将棋大会も続けられている.そもそもマナーは禁煙して初めて理解できることなのだ.
 禁煙に成功した人が異口同音に言うことに,自然の香り,花の匂いに敏感になった.火の後始末を心配しないでよい,衣類のタバコ臭が気になり,すべてクリーニングに出した.自由に使えるお金ができた.タバコを吸う時間も集中して仕事に打ち込める.タバコに振り回されない自分がうれしい等がある.
 喫煙をしている人,とくに若い人たちをタバコの依存から救い,守ることが急がれる.


2006/ 7/15 広東省、女性の喫煙率が3年間で3倍に  (エクスプロア上海記事

 広東省疾病予防コントロールセンターによれば、2002年から2005年の間に、広東省の男性・女性とも喫煙率が上昇する傾向にあり、3年間で男性の喫煙率は45.5%から54.6%に、女性の喫煙率は1.1%から3.4%に急増していることが明らかにされた。女性の場合、この3年間で約3倍の増加となっており、その数は広東省で100万人に達するものと見られる。
 今回の調査で、広東省の住民の場合は、15歳から喫煙率が上昇し、35歳以降上昇率は鈍り、45歳を超えると減少傾向にあるという。さらに、収入が低いほど喫煙率が高いことも結論付けされている。
 地区別に見ると、都市部の女性のほうが農村地区の女性より喫煙率が高く、男性の場合は、都市部の喫煙率が農村部よりも低い。また、結婚している男性は喫煙率は高く、配偶者に先立たれた女性の喫煙率も高いことも分かった。
 また、20歳までにタバコをすわなければ、タバコに依存する可能性は低いものの、20歳までにタバコを吸っていた場合、タバコをやめることが非常に難しいとしている。
(『中医ドットコム』)


2006/ 7/15 甲南・神戸女学院など、大学丸ごと無煙化作戦──新入生誓約書やイエローカードも  (日経ネット関西版記事

 キャンパスの受動喫煙をなくそうと、敷地全体を禁煙とした大学が「排煙作戦」に知恵を絞っている。教職員らが巡回する地道な取り組みから、新入生に誓約書を書かせたり、喫煙者に「イエローカード」を出す奇策まで様々。ただ喫煙者の協力がいまひとつで、目立たない場所で隠れて喫煙する学生に手を焼く大学もあり、「煙追放」への道は平たんではなさそうだ。
 今年4月からキャンパスを全面禁煙とした甲南大(神戸市東灘区)。ベンチ脇など、40カ所以上に「キャンパス内禁煙」と書いた看板が立ち、それまで屋外の喫煙所にあった灰皿約30個はすべて撤去した。
●受動喫煙ゼロへ
 「受動喫煙を完全になくす」(学生部)のが主な理由。学生や教職員の評価も上々で、文学部研究生の城下奈苗さん(22)は「講義後に校舎を出た途端、煙に巻かれていたのがうそみたい」と歓迎する。
 学生部は喫煙者の理解を深めようと、体育会の学生らと週1回、落ちている吸い殻を拾う「クリーン作戦」を実施。構内で堂々とたばこを吸う姿は大幅に減った。
 ただ生協前の階段など、目立たない場所での喫煙はなくならない。理工学部1年の男子学生(20)は「その場で注意を受けるだけでペナルティーがないので、つい吸ってしまう」。
●学外マナー課題
 キャンパス内での取り組みの一方で、周辺の住宅街には思わぬ“被害”が。側溝に吸い殻がたまり、近くの主婦(60)は「校門に入る直前、たばこを投げ捨てる学生が最近増えた。大学はマナー向上にしっかり取り組んでほしい」と不満顔だ。
 学生部は「掛け声倒れにはしたくない。数年はかかる覚悟で地道に取り組む。地元との連携策も検討したい」と話す。
 今春から敷地内を全面禁煙とした神戸女学院大(兵庫県西宮市)は入学ガイダンスの際、新入生全員に「喫煙禁止の規則を順守する」との誓約書を提出させた。健康増進が第一の目的だが、「イメージアップという狙いもある」(同大)。
 隠れて喫煙する人をチェックするため、1日2回、警備員が構内を巡回する。「喫煙者を見つけたら、誓約書を書かせて自覚を促したい」(学生生活支援センター)という。
●成人でも停学に
 関西国際大学(兵庫県三木市)はユニークな取り組みが際立つ。
 背中に「禁煙マーク」をあしらった黄色いジャケット姿の教職員がキャンパスを巡回し、喫煙者には「イエローカード」を切る。数枚たまった学生は禁煙指導を受け、なおも改善しない場合は成人でも停学になる。
 ここでも学外までは監視の目が及ばず、近所の住民から、ポイ捨ての苦情が寄せられることも。大学側は「学内だけで実現しても意味がない。今後も喫煙者の意識を変える取り組みを工夫したい」と話している。
【写真】キャンパス内を禁煙にした甲南大学(神戸市東灘区)


2006/ 7/14 「たばこ吸おうとした」 熊谷農業高のスプレー爆発  (岩手日報記事

 埼玉県熊谷市の熊谷農業高校のバスケットボール部室でコールドスプレーのガスが爆発した事故で、負傷した男子生徒(16)は14日、熊谷署の調べに対し「たばこを吸おうとしてライターをつけたら爆発した」と話した。
 けがをした5人はいずれも重傷で、上半身などにやけどを負って病院に搬送された。命に別条はないという。
 同校によると、爆発の直後、生徒の1人が窓から飛び出して近くの体育教官室に助けを求め、駆けつけた教師が室内の段ボールの火を消火器で消した。
 5人はそれぞれ水道でやけどを冷やしたが、顔の皮がむけ、ワイシャツが溶けていたという。


2006/ 7/14 喫煙シーンはR指定?アメリカ禁煙運動グループが抗議  (エイガドットコム記事

 アメリカの禁煙運動グループが、映画のレイティング審査をするアメリカ映画協会(MPAA)に対し、喫煙シーンのある映画をR指定とするよう求める動きが活発化している。非営利の禁煙運動グループ、アメリカン・レガシー・ファウンデーションは、映画の中に登場する喫煙シーンが未成年者に与える悪影響を考慮し、他の団体と団結して、MPAAの本部まで抗議行進することを明らかにした。今後は、喫煙シーンも、ヌードや過激な暴力描写と同様に扱われることになるかもしれない。


2006/ 7/14 中国のタバコ製造会社、40社に減少  (CRI - China記事

 国家タバコ専売局が13日明らかにしたところによりますと、6月末現在で、中国のタバコ製造会社は40社に減ったということです。
 国家タバコ専売局の張修連報道官は13日行の記者会見で、「今年上半期、中国政府は、タバコ製造企業の総合的再編成を早め、特に県クラス企業の再編成に力を入れ、上半期には108社が法人資格を取消された.このため、県クラスのタバコ製造企業はこれまで1425社少なくなっている」と述べました。


2006/ 7/13 たばこの毒、細胞内ではダイオキシン並み 山梨大研究  (朝日新聞記事

 たばこを吸うと、猛毒ダイオキシンが大量に体内に入った時と同じ反応が細胞内で起こる――。こんな報告を、山梨大医学工学総合研究部の北村正敬教授(分子情報伝達学)らが、米学術誌「キャンサー・リサーチ」15日号に発表する。
 ダイオキシンはヒトの体内に入ると、細胞にある受容体(カギ穴)にカギが入るように結びついて細胞を活性化させ、毒性を発揮する。国は健康に影響しない1日の摂取量を、体重1キロ当たり4ピコグラム(ピコは1兆分の1)と示している。
 北村さんらは、たばこの煙とこのダイオキシンの受容体とのかかわりに着目。市販されているたばこ1本分の煙を溶かした液体を使い、マウスの細胞の反応を調べた。国の基準の164~656倍のダイオキシンが受容体に結びついた状態にあたる活性がみられ、タール量が多いと活性も高くなる傾向が出た。
 さらに、受容体に結合すると血中に特殊な酵素が出るように遺伝子を操作したマウスに、たばこの煙を吸わせると、24時間後に酵素の量が約5倍に増えた。
 北村さんは「たばことかかわっていると見られる発がんや妊娠異常などはダイオキシンの健康被害と似ており、同じメカニズムが関与している可能性がある」と話す。
   ◇
 〈キーワード:受容体〉 細胞や細胞膜に存在し、ホルモンや化学物質などと結合して細胞内に反応を起こすたんぱく質。ダイオキシンはAh受容体(芳香族炭化水素受容体)と結合し、毒性を発揮する。


2006/ 7/13 静岡市の中学2年生大石悠太君  (西日本新聞記事

静岡市の中学2年生大石悠太君(13)は、小学4年生の初夏、レストランでぜんそくの発作を起こし、ごちそうを口にすることができなかった。近くの席にいた人のたばこの煙が原因だった。
▼その年の夏休み、大石君は自由研究のテーマにたばこの害を選ぶ。新聞記事やインターネットなどで資料を集めた。お母さんにも手伝ってもらったという。研究は中学生になっても続け、集めた資料はファイル5冊分に上る。
▼いろんなことが分かってきた。受動喫煙という言葉を知った。公共の施設やレストランなどでは禁煙が進み、繁華街での路上喫煙を条例で禁止する自治体があることも知った。その自治体にアンケートもしている。
▼大石君のことは昨年12月に全国に知られる。禁止条例を、と静岡市議会に請願し、議会で直接訴えた。「火のついたたばこを手に歩くと、子どもの顔の高さになり、危険です」「大好きな静岡が住みやすい街になるよう、お願いします」。
▼請願には2万4000人分の署名を添えた。中学の同級生が一緒に街頭に立ち、商店街の人たちや病院の医師らも応援してくれた。市が提出していた「歩きたばこ禁止条例案」を、きのう市議会は全会一致で可決した。請願から半年余のスピード制定。
▼夏休みが近い。繁華街や各地の祭りに子ども連れが増える。見渡せば路上禁煙条例を持つ街はまだ少ない。だからといって辺り構わず煙を吐いていたら笑われる。


2006/ 7/12 禁煙もラクじゃない 喫煙シーン「R-18」 インド映画業界  (フジサンケイ ビジネスアイ記事

【ドバイ=佐藤健二】インドからの報道によると、“ボリウッド”の名で海外に知られるインド映画産業にも禁煙の波が押し寄せている。
 インド保健省はこのほど、葉巻をくゆらせる悪漢や、たばこの煙の似合う肉体派ヒーローとして有名なボリウッド俳優、シャー・ルク・カーンらが登場し、喫煙シーンがある映画については、18歳未満の映画館への入場を禁止する方針を明らかにした。
 規制は銀幕の喫煙シーンが青少年に悪影響を与えているとする世界保健機関(WHO)の報告書に触発されたもので、米国の人気シリーズ最新作「スパイダーマン3」もこの規制に抵触するという。
 インドの映画業界は「業界の倫理審査組織が喫煙の弊害シーンについてもきちんと対応している」として新たな18禁措置を拒絶する構えを見せている。


2006/ 7/12 中学生呼びかけの「歩きたばこ禁止条例」可決 静岡市  (朝日新聞記事

 静岡市議会は最終日の12日、市内の中学2年生大石悠太君(13)が制定を呼びかけた「歩きたばこ禁止条例案」を全会一致で可決した。
 街中の受動喫煙の被害をなくすため、大石君は昨年から、同級生たちと街頭に立って条例制定を求める請願書の署名活動を始めた。賛同の輪は広がり、2万4000の署名を集めた。大石君は昨年12月、市議会委員会で請願の趣旨を説明。請願は委員会、本会議とも全会一致で採択され、市が条例案を今議会に提出していた。
 条例の正式名称は「静岡市路上喫煙による被害等の防止に関する条例」。路上喫煙による被害が特に発生する恐れがある区域を市が「路上喫煙禁止地区」として定めることができ、禁止地区で路上喫煙をした人に5万円以下の過料を科すことを定めた。施行は10月1日から。過料は額を定めた上、来年4月1日から科せられる。


2006/ 7/11 女性の喫煙者は男性の2倍も肺癌になりやすい  (Medscape記事

米国の大規模スクリーニング研究によって、女性の喫煙者は男性の2倍も肺癌になりやすいことが示唆されたが、女性は致死的転帰に至る可能性が低いことも明らかになった
Zosia Chustecka
Medscape Medical News
Reviewed by Gary D. Vogin, MD
【7月11日】17,000名近くの喫煙者の追跡調査から、女性が男性の2倍も肺癌になりやすいことが明らかになり、女性はタバコに含まれる発癌物質に対する感受性が高いことが示唆された。しかしもう一方で、女性は肺癌が発現した後の生存率が男性より高いという、以前の報告を確認する知見も明らかになった。
International Early Lung Cancer Action Programの研究者らによって実施されたこの研究は、『Journal of the American Medical Association』7月12日号に掲載されている。
「この知見から、女性は喫煙量が男性と同じでも肺癌になるリスクが高いことを、若い女性に教えることが重要だ」と、筆頭研究者であるニューヨークプレスビテリアン病院/ワイル・コーネル医療センター(ニューヨークシティ)のClaudia Henschke, MD, PhDは述べた。「タバコの煙の害をより受けやすいことを踏まえて、女性は男性よりも早くから肺癌のスクリーニングを受けることが必要だろう」と博士は述べ、女性がスクリーニングを受けるべき閾値を男性よりも約50(箱・年)低く設定すべきだと、示唆している。
無症状でも自発的に受けたスキャン
研究者らは、北米の施設でコンピュータ断層撮影(CT)による肺癌のスクリーニング検査を受けた人々のデータを収集した。すべての被験者は、現在も、または過去に、喫煙をしており、年齢が40歳以上で、スクリーニングの時点で肺癌の症状はなかった。
スキャンによって肺癌が検出されたのは女性では7,498名中156名(2%)、男性では9427名中113名(1.2%)であった。年齢および喫煙歴の差について調整したところ、女性は肺癌のリスクが男性の約2倍であることが明らかになった(オッズ比 1.9;95%信頼区間[CI] 1.5-2.5)。
肺癌と診断された女性の年齢は男性と同様であった(67歳 対 68歳)が、喫煙量はかなり少なかった(47箱・年 対 64箱・年)と、研究者らは述べた。同じく、女性は臨床病期1期と診断される頻度が高く(89% 対 80%)、腺癌である可能性が高かった(73% 対 59%;P=0.01)。
しかし、女性は男性よりも生存率が高かった。喫煙量(箱・年)、疾患病期、腫瘍細胞の型、および切除について調整した後の、肺癌による致死的転帰のハザード比は0.48(95% CI 0.25-0.89)であった。
「これによって、性別と肺癌を取り巻く長年にわたる混乱が一部解決される」と、Henschke博士は記者に語った。「確かに、同じ曝露量であれば、女性は肺癌によって死亡する確率が男性より低いが、肺癌になるリスクは2倍高い」。
「なぜそうなるのか、よく判っていない」とHenschke博士は付け加えた。「女性の癌は悪性度が低いということなのか。それとも、治癒可能性が高いのか。われわれには全く判らないが、さらに研究を行う価値のある分野だということは確かである」。
興味をそそる知見
「女性の感受性に関するこの重要な研究の知見は興味をそそる」と、コロンビア大学(ニューヨークシティ)のAlfred Neugut, MDおよびJudith Jacobson, DrPHは、付随する論説では論評している。しかし、両博士は、研究はスクリーニングに基づいたものであるため、過剰診断のバイアスが生じた可能性がある点を指摘した。研究の参加者らは医療保険の適応外の高価で実験的要素の強いスクリーニング検査を自発的に受けていたと、両博士は言及する。
女性の方が肺癌に関係する生存率が高いという知見が以前に実証されていることに、論説委員らは言及し、さらに研究を進める価値があると提言している。「肺癌に関係する生存率が女性の方が優れていることの背景、腫瘍および宿主側の因子を理解するための研究は、男女双方の患者の治療に重大な利益をもたらす可能性を秘めているだろう」。
JAMA. 2006; 296:180-184, 218-219


2006/ 7/11 JT、においを抑えた高級たばこをプッシュ  (スマートウーマン記事

 日本たばこ産業(JT)の木村宏新社長は10日、国内たばこ事業について、においを抑えた高級製品を現在の5%から20%に高めて利益水準を維持する方針を明らかにした。1日からの増税による値上げでたばこの販売減が加速する可能性があるが、「営業など社内資源を高級製品に集中的に配分する」と述べた。
 1日の増税でJTは1箱当たり従来より価格を20―30円引き上げた。気になるにおいを抑えた低臭気商品は、通常の製品より1箱当たりさらに20円割高になるが、自動販売機でこうした高付加価値製品を優先的に陳列する。またコンビニエンスストアでも販売データ情報などを提供し、消費者の目に付きやすい場所への設置を求める。


2006/ 7/11 路上禁煙地区の過料徴収 “減煙効果”あり  (読売新聞中部版記事

 名古屋市内4か所の「路上禁煙地区」で1日から過料徴収が始まって以後、早くも“減煙効果”が出ていることが10日、市のまとめでわかった。一定時間に通行する人のうち喫煙者の割合(喫煙率)や、捨てられる吸い殻の数が、徴収前より減少し、松原武久市長は「路上喫煙や吸い殻のポイ捨てに一定の抑止効果が出ている」と手応えを語った。
 名古屋市環境局によると、毎週1回の喫煙率定点調査では、過料徴収を公表する前(昨年2月24日~今年3月2日)の4地区平均は0・75%だったが、公表後(今年3月9日~6月29日)は平均0・31%に減少した。さらに徴収スタート後の今月6日の調査では、0・07%まで減った。吸い殻数の定点調査でも、徴収公表前は4地区合計で平均501個だったのが、公表後は平均278個とほぼ半減し、6日の調査では169個と約3分の1になった。
 一方、過料徴収は月に100人程度と予想していたが、最初の1週間で100人を突破。松原市長は「市外、県外の人への広報、啓発を強化する」と話した。


2006/ 7/11 たばこ喫煙で21世紀中に10億人が死亡=米予測調査  (ライブドア・ニュース記事

【ライブドア・ニュース 07月11日】- AP通信によると、たばこの喫煙が現在のペースで続いた場合、21世紀中にたばこが原因による病気で死亡する人の数は全世界で10億人と20世紀の10倍になるとのショッキングな予測結果が10日明らかになった。これは、ACA(全米がん協会)が、首都ワシントンで開かれたUICC(国際対ガン連合)の会議で、UICCとWHO(国際保健機関)、CDCP(米疾病管理センター)との協力でまとめた「Cancer Atlas(ガン地図)」と「Tobacco Atlas (たばこ地図)」の最新版を発表し、その中で明らかにしたもの。
  それによると、現在、世界中で毎年、ガンで死亡する5人のうち、1人はたばこが原因とされ、140万人に達する。また、毎年1090万人が新たにガンと診断されるが、肺ガンが最も多数を占めている。
  今回の会議に参加した医療関係者によると、ガン発病の減少に最も効果があるのが禁煙と考えられる。また、栄養摂取の向上と発ガンウイルスやバクテリアへの感染を防ぐことも効果があるという。
  WHOの政策顧問であるジュディス・マッケイ博士は、「今、(ガン撲滅のための)行動を取れば、2020年までに200万人、2040年までには650万人の命を毎年救うことができる」と語った。一方、ジョージア州立大学の公衆保健研究所のマイケル・エリクセン所長は、「世界的に喫煙率は減少しても、人口増に伴い、喫煙者の絶対数は一定か、もしくは緩やかに増加する」と警告している。
  たばこ地図によると、現在、世界中の喫煙者は12億5000万人に達する。


2006/ 7/11 喫煙で今世紀10億人死亡も 国際対がん連合が対策訴え  (共同通信記事

【ワシントン11日共同】喫煙を減らす強力な対策が導入されなければ、21世紀のたばこによる死者数は世界で約10億人に上り、20世紀の10倍に膨らむ恐れがあるとの推計を国際対がん連合などがまとめ、ワシントンで開催中の同連合の会議で10日発表した。
 中国をはじめとする喫煙率が高い発展途上国での人口増が主な原因。発表は、成人のたばこ消費を半減できれば今後50年間に約3億人の「不必要な死亡」を防げるとして、各国政府に早急な取り組みを求めている。
 世界の喫煙人口は現在、男性約10億人、女性約2億5000万人の計約12億5000万人。平均喫煙率は男性の場合、先進国が35%、途上国は50%で途上国が多いが、女性は先進国が22%と途上国の9%を上回っている。
 現在の傾向が変わらないと、2005年に年約500万人だった喫煙による死者は20年に年1000万人に倍増、その後も増え続ける。また喫煙人口は今後途上国にさらに偏り、女性の喫煙増加も予想されるという。
 最新の統計では、男性喫煙率の上位3カ国はイエメン(77%)、ジブチ(75%)、中国、カンボジア(いずれも67%)。女性は太平洋のクック諸島(71%)、同ナウル(59%)、ギニア(47%)だった。


2006/ 7/11  ポイ捨て禁止条例を施行=大分市  (時事通信官庁速報)

 大分市は、たばこや空き缶などのポイ捨ての禁止と罰則(過料)を盛り込んだ「ポイ捨て等の防止に関する条例」を7月1日から施行した。罰則は2007年1月から適用する。 条例は、市内全域でたばこの吸い殻や空き缶、空き瓶、ペットボトル、その他の容器、ガムの食べかす、紙くず、包装紙などのポイ捨てを禁止。また、道路や公園といった公共の場で飼い犬のふんを放置することを罰則の対象とした。 また、市中心部繁華街の一部を強化区域に指定し、区域内の公共の場での喫煙も市指定の喫煙所を除き禁止。区域外でも、路上などでは喫煙しないよう努めなければならないと定めた。 強化区域内でこれらの禁止・義務行為に違反した場合、2000円の過料を徴収する。区域外でのポイ捨てや犬のふんの放置に対しては、職員が改善勧告し、従わない場合は庁舎の掲示板に氏名などを掲示して公表する。 街頭での配布活動などで散乱した印刷物については、「配布者まで罰するのは無理」として罰則対象から外し、回収を努力義務規定とした。


2006/ 7/11 禁煙訴え日本縦断 ギブンスさん、宗谷岬に  (朝日新聞記事

 ■ 豪出身・ギブンスさん宗谷岬到着
 のぼりに「禁煙は愛」の文字。オーストラリア出身の英会話講師マーク・ギブンスさん(43)=愛媛県西条市=が「日本縦断禁煙ウオーク」に成功した。九州最南端の佐多岬から日本最北端の宗谷岬まで約3千キロ。88日間かけ、列島各地でたばこの問題を訴えてきた。
 (稚内支局・小泉信一)
 ■ 踏破3000キロ 喫煙率の高さに驚き
 9日昼過ぎ。すげ笠に白装束のお遍路姿のギブンスさんが宗谷岬に到着すると、大阪、東京、札幌から集まった支援者から大きな拍手が起きた。車を運転し、鹿児島から伴走してきた妻の黒木玲子さん(35)は「なんでこんなことするのか何度も思いました。本当に大変だったと思います」と涙で声を詰まらせた。
 ギブンスさんはオーストラリアで12年間看護師をしていた。集中治療室担当が長く、ニコチン依存の患者が苦しみながら死んでいく姿を目の当たりにした。父親もヘビースモーカーだった。
 愛媛県で英語の指導助手をするため、97年に来日。国際的な禁煙運動の流れに反し、日本人の喫煙率は高い。レストランやタクシーでもたばこが吸える環境やマナーの悪さに驚いた。日本では、喫煙が原因で年間11万4千人、1日に換算すると約300人ががんや心筋梗塞(こうそく)、呼吸器障害などで亡くなっているという。
 9月に帰国する。「その前に何かしたい」と列島縦断を企画した。大学時代は陸上選手。足には自信がある。4月13日に鹿児島県佐多岬を出発。1日40~50キロのペースで歩き、5月10日に大阪、28日に東京に着いた。津軽海峡を越えて、北海道に到着したのは6月23日だった。
【写真】日本縦断に成功したマーク・ギブンスさん(右から2番目)。隣は妻の黒木玲子さん=稚内市の宗谷岬で


2006/ 7/11 ネットリサーチのDIMSDRIVE、「タバコとマナー」に関する調査結果を発表  (News2UNet (プレスリリース)

●喫煙所が無かったら…55.2%は「ガマン」するが、男性は「道端」で、女性は「お店に入って」喫煙
●マナー実行のきっかけは? 「他の喫煙者の悪いマナーを見て」
News Release Vol.114
インターワイヤード株式会社(本社:東京都品川区南大井)は、同社が運営するネットリサーチサービス『DIMSDRIVE(ディムスドライブ)』にて「タバコとマナー」に関する調査を実施、その結果を発表しました。
調査は2006年6月14日(水)~6月19日(月)に実施。弊社の保有モニター8,273名から回答を得ました。
調査結果の詳細  http://www.dims.ne.jp/timelyresearch/enq/060711
<喫煙所が無かったら・・・? 男性は「道端」で、女性は「お店に入って」>
全員(N=8273)の喫煙状況は、ふだん「吸う」人は29.0%「以前は吸っていたが、現在は吸っていない」人は17.0%、「吸わない」人は54.0%であった。現在、29.0%が喫煙者、71.0%が非喫煙者であった。
喫煙者(N=2395)に“屋外で喫煙所が無かった場合の行動”を尋ねたところ、「ガマンする」が最も多く55.2%。
次いで「公共の喫煙所を探す」47.9%、「携帯灰皿を使う」35.7%、「喫煙できる店などに入る」30.9%と続いた。
性年代別の回答を見てみると、「公共の喫煙所を探す」は年代が若いほど割合が増え、男性は年代が挙がるほど「携帯灰皿を使う」人が増えている。また、同じ『喫煙できる場所』でも、「道端で吸う」は全ての年代で男性のほうが多く、「店などに入る」は全ての年代で女性の方が多かった。
<タバコのマナー実行、きっかけは「他の喫煙者の悪いマナーを見て」>
喫煙者が“実行しているタバコのマナー”については、「吸殻をポイ捨てしない」が最も多く72.9%。次いで「歩きながら吸わない」59.4%、「喫煙所以外では吸わない」49.4%と続いた。
マナー実行者(N=2278)に“そのきっかけ”を尋ねたところ、最も多かった回答は「他の喫煙者の悪いマナーを見て」で38.3%。次いで「禁煙の場所が増えたので」33.1%、「周りの目が厳しくなったように感じたから」18.8%、「CMや広告で見て」13.2%と続いた。
「他の喫煙者の悪いマナーを見て」という回答については、40代までは男性よりも女性の方が多く回答しているが、50代以上は男性のほうが多く回答している。
その他の自由回答では、「当然のマナーとして」、「当たり前のこと」という回答が多く挙げられた。
<喫煙者の気になるマナー…「吸殻のポイ捨て」、「歩きながら吸う」>
非喫煙者(N=5878)に、“タバコを吸う人の喫煙マナーで気になる事はなんですか”と尋ねたところ、「吸殻のポイ捨て」が最も多く87.9%、次いで「歩きながら吸う」87.8%、「飲食店での喫煙」64.4%と続いた。
「吸殻のポイ捨て」と「歩きながら吸う」は0.1ポイント差と僅差で、9割近くの人が回答。
ほとんどの人が気になっていることが伺える。
<今後、喫煙できる場所の数は…?「増やす」21.9%、「減らす」26.7%、「なくす」24.4%>
全員(N=8273)に、“喫煙できる場所が少なくなっていますが、あなたはどう感じていますか”と尋ねたところ、「今の量でよい」が最も多く27.0%。また、「減らした方が良い」は26.7%、「なくした方が良い」は24.4%、「増やした方が良い」は21.9%となった。
同じ『削減』では、「なくした方が良い」よりも「減らした方が良い」の方が多かった。
喫煙・非喫煙別の回答では大きな差が見られた。非喫煙者では、「なくした方が良い」32.4%、「減らした方が良い」32.9%と、『削減』という人は65.3%であり、「増やした方が良い」は13.0%と少ない。
一方、喫煙者では「増やした方が良い」が最も多く、43.7%。「減らした方が良い」は11.5%、「なくした方が良い」は4.7%と少なく、『削減』という人は15.8%で、非喫煙者の4分の1以下と少なかった。
■調査項目■
・回答者の喫煙率
・喫煙の頻度、1日に吸う本数、ふだん喫煙する場所
・禁煙にチャレンジした人の割合
・今後、タバコをやめたいと思うか
・喫煙所が無かった場合の行動
・実行しているタバコのマナー
・いつからマナーを実行しているか
・マナー実行のきっかけ
・タバコをやめた理由
・非喫煙者から見た気になるマナー
・今後の喫煙所数の増減について
■調査概要■
調査方法 : インターネットを利用した市場調査
調査期間 : 2006年6月14日(水)~6月19日(月)
有効回答数 : 8,273人
回収方法 : DIMSDRIVEモニターページ上にアンケートアドレスを記載
■属性■
<性別>
男性 43.2%
女性 56.8%
<年齢>
20歳未満 1.2%
20代 17.5%
30代 36.2%
40代 28.1%
50代 12.7%
60歳以上 4.3%
関連URL:http://www.dims.ne.jp/timelyresearch/060711


2006/ 7/11 【ファイザー】禁煙治療薬「バレニクリン」を国内申請  (フジサンケイ ビジネスアイ記事

 病院で使用される医療用医薬品の世界最大手、米ファイザーは、同社開発の禁煙治療薬「バレニクリン(商品名チャンティックス)」による有効な治療結果が、医学界で権威のある学会誌「米国医師会雑誌(JAMA)」に掲載されたことを明らかにした。
 各段階の厳しい審査を経るJAMAに掲載されたことで、効果にお墨付きを得られた格好だ。
 掲載された臨床試験は、バレニクリン、英グラクソ・スミスクラインの「ブプロピオン(商品名ザイバン)」、「プラセボ(偽薬=有効成分を入れない形だけの薬剤)」の比較。
 バレニクリン(1ミリグラム、1日2回服用)で12週間治療した患者の禁煙率が約44%に対し、ブプロピオン(150ミリグラム、1日2回)の禁煙率は約30%、プラセボでは約18%だった。
 バレニクリンは米国で5月に販売承認され、8月に発売予定。欧州では05年11月に新薬承認申請を提出した。
 日本では、6月末に厚生労働省へ、製造販売承認申請を行った。同申請で通常のスケジュールでは、承認まで1年半程度かかることから、発売は08年になりそうだ。
 バレニクリンは、禁煙治療向け医療用医薬品として、10年ぶりの新薬。人間の脳で起きる欲求に働きかけるのが特徴だ。
 たばこを吸うと、ニコチンが数秒以内に脳に到達する。ニコチンは、脳内のたばこ依存を引き起こす神経回路を活性化する機構であるニコチン受容体と結合し、たばこを吸ったことによる満足感を生み出す。
 バレニクリンは、ニコチン受容体に弱く作用する。有効成分が、同受容体と結びつき、あたかもたばこを吸ったような感覚を与えられる。それにより、喫煙したい欲求とニコチンからの離脱症状を緩和する。また、バレニクリンを服用中にたばこを吸うと、すでに有効成分が同受容体と結合していることから、ニコチンと同受容体を遮断する作用が起こる。
 結果的に、たばこを吸っても、吸ったことによる満足感を得られない。「吸っても気分良くならない」ということになり、これらの作用によって、ニコチン依存からの脱却に成功することが期待されている。


2006/ 7/10 【ファイザー】禁煙治療薬「バレニクリン」を国内申請  (薬事日報記事

 ファイザーは、禁煙治療薬バレニクリンを国内で承認申請した。バレニクリンは米ファイザーが創製した選択的ニコチン性アセチルコリン受容体の部分作用薬。ニコチンを含有しないことが特徴で、ニコチン受容体に結合し、喫煙したい欲求とニコチンからの離脱症状を緩和する。たとえ喫煙しても、満足感を抑える作用も期待されている。
 同剤は、米ファイザーが「チャンティックス」の製品名で、8月から米国で世界に先駆けて発売が予定されている。欧州では昨年11月に申請された。
 海外の臨床試験結果では、バレニクリンを12週間服用した患者の約44%が禁煙したのに対し、プラセボ群では18%という成績が得られている。他の試験では、バレニクリンを12週間服用した患者を、バレニクリン群、プラセボ群に無作為に割り付け12週間投与したところ、バレニクリン群では約70・5%の患者が禁煙を継続していたのに対し、プラセボ群では50・0%にとどまった。
 また忍容性についても、海外で行われた臨床試験では良好との結果で、全体的な中止率はプラセボと同等であった。主な副作用としては、吐き気、頭痛、睡眠障害、便秘、腹部膨満感などが確認されている。
 6月1日にはノバルティスファーマが販売する禁煙補助剤「ニコチネルTTS」が保険適用となるなど、禁煙治療分野は拡充されてきている。ファイザー側は今後の戦略について具体的には決まっていないとしているが、「新しい作用機序と剤形が追加されることで禁煙治療の選択肢が広がり、バレニクリンの市場投入は意義がある」としている。
 国内申請は6月29日に行われた。当初、申請時期を今秋と発表していたが、「何が起こるか分からないため、当初は慎重な見通しを立てていた」と説明している。


2006/ 7/10  【中央官庁だより】 ◇愛煙家に厳しい話?=財務省  (時事通信官庁速報)

 「急に(一層の増税とは)いかない」―。1日から引き上げられたたばこ税について、政府税制調査会の石弘光会長はこんな認識を示した。愛煙家には朗報のようにも聞こえるが、同会長は「元来たばこ税は安い。将来どうするかという議論はあり得る」と増税に含みを持たせる。健康増進に使途を限る目的税化を求める意見についても、「新しい要素を組み入れて議論すべきだ」と一定の理解を示した。何かと肩身の狭い愛煙家だが、逆風はまだまだ続く?


2006/ 7/10 松山で禁煙推進の研修会  (愛媛新聞記事

 「禁煙推進の会えひめ」(大橋勝英会長、507人)が9日、松山市三番町4丁目の県医師会館で「タクシー、飲食店、ホテル等の禁煙化を目指して」をメインテーマとする研修会を開催。受動喫煙を研究している東京大学医学部大学院の中田ゆり氏の講演などがあった。
 中田氏は、喫煙による健康被害の状況や、飲食店などのサービス業界における受動喫煙のデータをスライドや映像を交えて紹介。「家庭や日常生活、職場で安全な空気を吸うことは、守られるべき人権」と訴え、サービス業で禁煙化するメリットや顧客への対応策などをアドバイスした。


2006/ 7/10 ヒルズで「アラン・カーの禁煙セラピー」-女性限定  (六本木経済新聞

 クオリティライフソリューションズ(港区西新橋2、TEL 03-3507-4020)が運営する「アレン・カー東京」は、六本木ヒルズ(港区六本木6)にあるアカデミーヒルズ49階にて8月12日、「女性のための禁煙セラピー(Easyway to stop smoking)」を開催する。
 同社が推進している「禁煙セラピー(Easyway)」は、英国人の元会計士アレン・カーさんによって開発された「やさしい禁煙法」で、書籍「禁煙セラピー」は日本で発売9年目にして100万部を突破するロングセラーとして知られ、同メソッドは世界30カ国で導入され毎年約40,000人が受講する実績を持つ。
 同社では、通常男女を対象として禁煙セラピーを開催しているが、今回女性限定でセラピーを実施。たばこが月経や妊娠のような女性特有の機能に影響しやすい事実から見られる、たばこに対する男女のスタンスの差や、同社の顧客男女比が4:6という女性の禁煙意識の高さから今回の開催となった。
 同セラピーは、通常のセラピーと同額の49,800円で、3カ月間の保証期間(金額返金保証制度)が含まれる。開催時間は、13時30分から20時ごろまで。完全予約制の先着20名限定で、インターネットか電話で予約を受け付けている。
 現在、世界30カ国、70カ所にクリニックを展開。アジアでは、アレン・カー東京の1カ所のみ。「たばこへのメリット」や「禁煙は難しいもの」といった、たばこに対する誤った認知を変換することにより、原則1回のセラピーで止められるのが特徴で、同社では「1回のセラピーでの成功率は70~75%、3回のバックアップセラピーを通しての成功率は95%以上になる」としている。


2006/ 7/ 9 ニュースワイド2006:健康増進法3年で禁煙・分煙定着 /北海道  (毎日新聞北海道版記事)

 ◆“喫煙天国”も様変わり
 受動喫煙の防止を義務づける健康増進法が施行されて丸3年が経過し、道内でも禁煙・分煙化が定着してきた。官公庁や公共施設にとどまらず、列車内や企業などで喫煙が出来ない場所が次々と拡大。喫茶店など飲食店でも禁煙タイムを設定したり、灰皿そのものを置いていない店が多くなった。今月からのたばこ税の増税に伴い、たばこが値上げされ、愛煙家にとって喫煙環境は厳しさを増す一方だ。全国で喫煙率が男女ともトップという“喫煙天国”北海道の禁煙事情を探った。【内藤陽】
 ◇学校・病院は敷地内禁止
 JR北海道は、3月から長距離の特急を含む全車禁煙に踏み切った。利用客からは「長時間吸えないのはつらい」など不満の声がある一方で、「以前から喫煙車両のにおいが気になっていた。快適でありがたい」など感謝の声も寄せられているという。同社広報室は「乗客が減ることもなく、順調に理解が進んでいるのではないか」と見ている。
 学校や病院では、建物内にとどまらず、屋外でも敷地内は一切たばこが吸えない「敷地内禁煙」が増加している。
 札幌市立の小中学校、高校(計317校)では、既に04年9月から敷地内禁煙を実施。市教委は「教育現場なので、教職員や保護者の協力も得られている」と定着ぶりを強調する。
 一方、札幌市以外の公立小中学校と高校では、2029校中840校と約40%(05年4月現在)にとどまっている。残る約60%の大半は市町村立の小中学校で、建物内禁煙や分煙などを実施しているところや、禁煙対策そのものに取り組んでいない学校が含まれる。対応が分かれるのは、設置主体となっている市町村によって喫煙制限への考え方が異なるためだ。道教委は「流れは敷地内禁煙の方向へと進んでいくだろう。引き続き市町村に協力を求めていきたい」と話す。
 北大病院は今月から病院敷地内を全面禁煙にした。2年前に病院建物内での禁煙を実施したが、玄関付近など敷地内での受動喫煙が避けられない状況にあったという。同病院総務課は「病院は患者の健康を守る施設なので、根本的な排除でなければいけない」と敷地内禁煙へと強化した理由を説明する。
 旭川医大病院は04年3月から、札幌医大付属病院も今年4月から敷地内禁煙を始めている。00年1月に道内の病院の中で先駆けて敷地内禁煙をスタートした札幌社会保険総合病院では、敷地内へ乗り入れるタクシーも禁煙タクシーに限られるという徹底ぶりだ。
 日本学校保健学会「タバコのない学校」推進プロジェクト代表の家田重晴・中京大教授(健康教育学)は「学校や病院の敷地内禁煙は全国的に増えている。病気を治療する病院や診療所で喫煙を禁止することは治療効果を上げ、病気の予防にも重要だ。学校では、喫煙防止教育の推進に大きなメッセージとなる」と、病院や学校が率先して喫煙制限を強化することの意義を評価している。
 ◇ポイ捨て防止条例に効果--制限区域内は灰皿も減り
 札幌市の「ポイ捨て防止条例(たばこの吸い殻及び空き缶等の散乱の防止等に関する条例)」の施行以降、札幌市中心部で歩行喫煙や吸い殻の投げ捨てはほとんど見られなくなった。同条例が知られることで潜在的な“違反者”の抑止につながっているようだ。
 昨年10月に施行された同条例では、制限区域内の灰皿が設置されていない場所で喫煙をしたり、吸い殻を投げ捨てると罰金1000円が徴収される。市の指導員2人と警備員1人が3人体制で、毎日3回、制限区域内を中心に巡回し、順路もその都度変更している。市環境局業務課によると、昨年10月のスタート時から先月末までの9カ月間に罰金を支払った違反者は延べ342人。1カ月当たりの違反者は施行直後の昨年10月の66人をピークに減少傾向が続き、今年5月以降は月20~30人で推移している。
 一方、施行直前に制限区域内に計129カ所あった屋外の灰皿は現在、約4割が撤去された。主にコンビニエンスストア前にあった灰皿が姿を消したもので、歩行喫煙を助長すると各店舗が自主規制したものだ。指導員の赤石新司さん(59)は「罰金を取ることが目的ではないが、罰則がある効果は大きい。路上喫煙、ポイ捨ては確実に減っている」と話している。
 ◇道民の喫煙率、全国一--職場・家庭で許容意識高く
 日本たばこ産業(JT)の「全国たばこ喫煙者率調査」(05年6月現在)によると、道民の喫煙率は男女とも全国1位。男性は全国平均を8ポイント上回る53・8%、女性も4・3ポイント高い18・1%だった。JTが81年から続けている同調査で、道民の男女別喫煙率が全国平均を下回ったことは1度もない。
 この要因の一つには、喫煙を許容する北海道特有の職場や家庭環境にあるようだ。製薬会社「ファイザー」が今年6月、全国7都市(札幌、仙台、東京23区、名古屋、大阪、広島、福岡)で喫煙者の意識調査を実施したところ、「喫煙を制限する環境は特にない」と回答した人は38%で、7都市中最も高かった。これに対して「職場が禁煙・分煙」は36%、「自宅が禁煙・分煙」は17%で、いずれも7都市中最低だった。
 ◇訴えたい「禁煙こそ愛」--オーストラリア人講師マーク・ギブンスさん、お遍路姿で行脚
 「禁煙は愛です」。徒歩で日本を縦断しながら禁煙を訴えるオーストラリア人英語講師、マーク・ギブンスさん(43)=愛媛県在住=は、6月30日、立ち寄った札幌市の受動喫煙防止シンポジウムで語りかけた。ギブンスさんは母国で12年間、看護師として喫煙による死者を看取ってきた経験がある。その後、日本で6年間英語講師をして、国際的な禁煙の流れに反して、レストランやタクシーでたばこが吸える日本の喫煙環境に大きな違和感を抱いてきたという。
 9月の帰国を前に「大好きな日本に恩返ししたい。私がお遍路姿で歩くことで喫煙被害について考えてほしかった」と話す。ギブンスさんは「日本では喫煙で年間11万4000人が死亡し、1日に換算すると約300人になる。ジャンボジェット機が毎日墜落しているようなもの」と禁煙の必要性を強調している。
 ◇依存症治療に保険適用--サポート制度、整備進む
 禁煙をサポートする制度の整備も進んでいる。ニコチン依存症患者の禁煙治療に4月から公的医療保険が適用されるようになり、6月からは禁煙治療の張り薬「ニコチンパッチ」も保険の対象となった。北海道社会保険事務局によると、禁煙外来での5回の治療を受けた場合、保険が適用されると自己負担は2886円(薬剤料除く)だが、適用がなければ9620円となる。実際に保険の適用対象となっている道内の医療機関は4月以降146機関(7月3日現在)と急増している。
 札幌医大で禁煙外来を担当している谷口治子医師は「治療を受けている人の9割が10代で喫煙を始めている。どこでも吸える、子どもでも自動販売機で買える環境を変えないといけない。喫煙をストレス解消という人がいるが、単なるニコチンの切れた禁断症状に過ぎない。禁煙はもちろん本人の努力が必要だが、周りの応援も不可欠」と指摘する。


2006/ 7/ 9 禁煙訴え日本縦断、オーストラリア人到着  (日刊スポーツ記事

 お遍路姿で禁煙を訴え日本を縦断していた愛媛県西条市のオーストラリア人英会話講師マーク・ギブンスさん(43)が9日、北海道稚内市の宗谷岬に到着、ゴールした。
 東京などから駆けつけた友人らに迎えられた元看護師のギブンスさんは「(道中)信じられないほど、多くの人に支援してもらった」と感謝。少し疲れた様子で「ゴールしても、たばこが原因で、(日本では)多くの人が亡くなることは変わらない」などと話した。
 ギブンスさんは、4月13日に鹿児島県の佐多岬を出発。四国霊場八十八カ所にちなんで88日間をかけ、各地でたばこ問題のイベントなどに参加しながら約3000キロを歩いた。


2006/ 7/ 8 米たばこ被害訴訟、巨額の懲罰的賠償を却下  (朝日新聞記事

 肺がんなど喫煙被害への賠償を米たばこ大手5社に求めた集団訴訟で、米フロリダ州最高裁は6日、一審の同州地裁による巨額の賠償命令を却下した03年の同州高裁判断を、支持する決定を言い渡した。今回の判決でたばこ会社側の逆転勝訴が確定した。
 一審の州地裁陪審団は00年、賠償額として過去最大の1450億ドル(約17兆円)の懲罰的な賠償を命じた。州最高裁の決定は、この賠償額が過剰だと指摘し、被害に個人差があることから集団訴訟に適さない、と却下支持の理由を説明した。原告のうち2人に対する計687万ドル(約8億円)の損害賠償は認めた。
 たばこによる健康被害を巡っては、「ライト(軽い)」という表現でだまされたとして喫煙者がニューヨーク連邦地裁に訴えた裁判や、米司法省による訴訟なども続いている。
 今回の決定を受け、ニューヨーク株式市場では、たばこ各社の株価が軒並み上昇。被告の1社フィリップ・モリスUSAの親会社アルトリアの株価は前日比6%上昇し、同社を構成銘柄とするダウ工業株平均を押し上げた。


2006/ 7/ 8 全面禁煙は厳しすぎ?禁煙外来 保険適用条件 県立中央病院 8月開始/石川  (中日新聞記事

 石川県立中央病院(金沢市)は八月一日から、敷地内の全面禁煙に踏み切る。禁煙外来の治療に医療保険を適用する際、病院の施設条件に敷地内禁煙が挙げられているためだ。しかし、末期がん患者の緩和ケアや精神科の患者には、※心のよりどころとして喫煙が必要な場合もある。医療現場からは、国が定める施設条件を「厳しすぎる」と指摘する声も上がっている。
(報道部・小室亜希子)
 従来は自由診療だった禁煙治療は、今年四月から保険が適用されるようになった。ただし、医療機関が保険診療を行うには、治療経験のある医師がいることなどとともに、敷地内禁煙の条件を満たす必要がある。
 県立中央病院は今年初めから、現在の建物内禁煙を敷地内禁煙に拡大するかの議論を開始。拡大を求める意見の一方、余命が限られた喫煙患者を尊重する観点や、入院患者が敷地外まで喫煙で出る際の管理上の問題を指摘する意見もあった。
 結論が出ないまま、四月以降も自由診療を続け、保険診療を求める患者には別の病院を紹介してきた。だが「県内でもいち早く一九九九年から禁煙外来に取り組んだ努力が無になる」との声が上がり、八月からの敷地内禁煙を決断。中庭に設置されている喫煙所は同時に撤去する。
 入院患者には、禁煙を守れない場合は転院を考えてもらうよう周知している。式部隆介管理局長は「防火管理上の危険もあり、全面禁煙を打ち出す以上は厳しく臨む必要がある。議論を重ねた結果で、理解してほしい」と説明する。
 精神科と禁煙外来の両方を設ける病院も対応に苦慮している。精神センターがある公立能登総合病院(七尾市)でも検討したが、医療サイドから「治療上、禁煙は難しい」との指摘が上がり、自由診療のままだ。
 厚生労働省保険局医療課によると、保険内容を検討する有識者会議では「嗜好(しこう)品であるたばこの治療に、保険を適用するのか」「治療効果がわかりにくい」などと議論になり、導入に際し厳しく臨むことになった。敷地内禁煙も病院の禁煙に対する熱意を判断する材料だという。
 緩和ケアや精神科の患者を考慮する議論もあったが、担当者は「施設条件は、診療側と保険者側がギリギリのところで合意した結果。導入の第一歩として様子を見たい」と説明する。
 県立中央病院で禁煙外来を担当する西耕一医師は「禁煙はもちろんいいことだが、喫煙は犯罪ではない。受動喫煙を防ぐためなら喫煙所を設けて分煙すればよく、保険診療のためにそこまで厳しい条件が必要なのか」と話す。
 石川社会保険事務局などによると、県内の禁煙外来を設ける五十八医療機関のうち、六月末現在で三十三機関で保険診療を認められている。
【写真】正面玄関に張り出された、敷地内全面禁煙を知らせるポスター=金沢市の石川県立中央病院で

※ 喫煙が精神疾患発症のリスクとなったり、抗癌薬の副作用を誘導することなどが明らかになっている。また、喫煙は依存症という病気であり、喫煙自身が死亡率50%の致死性の疾患であることからも、あらゆる喫煙者は治療を受ける必要があり、「喫煙が必要な場合」はあり得ない。喫煙による年間犠牲者数は日本で11万3千人にのぼる。


2006/ 7/ 7 キャリアに禁煙…女性諸氏へ、セレブ婚への早道です  (読売新聞記事

 夜空の星に“セレブ婚”の夢を託した貴女(あなた)、「キャリア」「禁煙」が大きなカギですよ――。日本人女性と欧米人との出会い、結婚のマッチングサービスで知られる「デスティナ・ジャパン」(東京)が、平均年収2000万円の欧米人男性会員(いずれも30歳―50歳代前半、有効回答数200)を対象に調べたところ、こんな結果が出た。
 それによると、相手の職業の項目では、「仕事や趣味に打ち込んでいる」が43%と一番高く、次いで「プロフェッショナル」が32%と、自立した女性を求める男性側の根強い意識が浮き彫りになった。
 その一方で「専業主婦」志向は、わずか6%に過ぎなかった。
 また、
女性の喫煙については、92%が拒否感を示し、「気にしない」も合わせた容認派は8%だった。
 男性から見た女性像については(自由回答)、
〈1〉社交的
〈2〉知的
〈3〉自分の考えを持っている
〈4〉マナーを守れる
〈5〉ユーモアのセンス
――など、内面、身なりともに磨いているかという内容が目立った。
 同社では「欧米ではホームパーティーに夫婦で訪れる機会も多く、女性側にしっかりしたマナーを求めていることが、回答の背景にあるだろう」としている。


2006/ 7/ 7 タクシー運転手が車内で喫煙→料金支払い拒否可能  (エクスプロア上海記事

 上海市交通局は交通機関のサービス向上のために、市民に運賃支払いを拒否できるケースを公表している。
 タクシーの場合は、乗客が要求してもエアコンをつけなかったり、領収書の発行拒否、運転中の喫煙、メーターの不使用などの場合で支払いを拒否ができる。
 また、地下鉄の場合、乗車券を買って当日使用しなかった場合には、払い戻しが行われる。また、15分以上の遅れが発生した場合も、払い戻しが可能。
 タクシーなどのトラブルでは、ホットライン962000があるので、そちらで訴えるのも効果的だ。


2006/ 7/ 7 米高校生の4人に1人が喫煙と CDC報告  (CNN記事

 ジョージア州アトランタ──米疾病対策センター(CDC)は6日、若者の健康リスクに関する調査報告書の2005年度版を発表、高校生のうち4人1人にあたる約23%に、喫煙の習慣があると述べた。
 CDCの調査によると、高校生の喫煙率は1991年から97年にかけ、27.5%から36.4%に上昇。その後、減少傾向に転じたが、2003年からは23%前後で変化がないという。
 03年から昨年にかけ、喫煙率が低下しない理由について、たばこ価格が上昇しておらず、各州における反たばこ運動プログラムの予算が減少したこと、たばこ会社の宣伝費が97年の57億ドルから03年には152億ドルに増大したことなどを挙げている。
 さらに、映画の中でたばこが吸われる場面が増えたと指摘。若者が真似するようなたばこを吸うシーンが90年代初めから増え、50年代の水準に達したとしている。


2006/ 7/ 5 低タール低ニコチン含有タバコの喫煙者は禁煙が困難 これらの喫煙者では禁煙成功率が50%低い  (m3.com記事)

Jennifer Warner
WebMD Medical News
Reviewed by Louise Chang, MD
【6月29日】低タールかつ低ニコチンタバコ(「軽い」タバコ)を喫煙すると、実際には禁煙がより困難となる可能性がある。
 新規の研究によると、「軽い」タバコの喫煙者は、標準タバコの喫煙者に比べ、禁煙成功率が50%以上低いという。
 「喫煙者は低タール低ニコチン含有タバコを吸うことで健康リスクの低減を期待しているが、この研究結果では、この行為により禁煙率が有意に低下するため、まったく逆効果であることが示唆されている。さらに、年齢を重ねるほど、禁煙の可能性は一層減少していく」と研究者のピッツバーグ大学医学部内科助教授Hilary D. Tindle, MD, MPHはニュースリリースで述べている。Tindle博士はハーバード大学公衆衛生大学院(ボストン)在籍中に本研究を実施した。
「軽い」タバコが喫煙者を誤った方向に導く可能性
 本研究は『American Journal of Public Health』オンライン版に掲載されている。研究者らは、2000年に米国で実施された現喫煙者および禁煙者(喫煙歴のある人)12,000例以上を対象とする調査結果を分析した。
 3分の1以上の被験者は、喫煙に伴う心疾患および肺癌のリスク上昇等の健康リスクを低減するために「軽い」タバコを吸った、と回答した。「軽い」タバコを喫煙する人の大半は女性、高学歴、白人であった。
 また、「軽い」タバコの喫煙歴のある喫煙者は、こうしたタバコの喫煙歴がまったくない喫煙者に比べて、禁煙成功率が54%低かったことも示された。
 こうした効果は年齢とともに大きくなり、健康リスクを抑えるために「軽い」タバコを吸っていた65歳以上の成人では、標準タバコのみを喫煙していた人に比べて、禁煙率が76%低かった。
 「軽い」タバコを吸っている3000万名以上の米国人は、健康リスクが軽減されるという誤った印象をもっているため、今回の知見は特に気がかりなものである、と研究者らは述べている。こういった喫煙者では、実際のところ、禁煙よりもむしろ喫煙の継続によって健康リスクが高められているのである。
 「米国をはじめ世界各国において喫煙は死亡および身体障害の非常に大きな原因であるため、『軽い』タバコの喫煙が健康リスクの軽減に不利に作用する可能性およびその後の禁煙への潜在的な影響について、正確な情報を喫煙者に提供することが非常に重要と考えている」とTindle博士は述べている。


2006/ 7/ 5 神戸市中央区医師会 街頭で禁煙啓発活動  (日医ニュース記事

 神戸市中央区医師会(置塩隆会長)は,五月二十七日,世界禁煙デー(五月三十一日)に合わせて禁煙推進キャンペーンを実施し,禁煙を呼び掛けて神戸三宮センター街から元町通商店街をデモ行進した.(写真)
 同医師会ではかねてより,神戸市中央区三師会(医師会・歯科医師会・薬剤師会)のワーキンググループを設置して,ポスター,ロゴマーク,禁煙サポートマップなどを作成し,禁煙推進運動を積極的に展開.毎年,兵庫県喫煙問題研究会等と共催で,街頭禁煙啓発活動を行っている.
 この日は,たばこ型の着ぐるみや白衣姿の医療関係者ら約七十名が,拡声器を手に,たばこによる健康被害を訴え,「禁煙は愛」「吸わないでください」などのスローガンを唱和しながら行進した.
 また,禁煙応援のメッセージを込めたティッシュに,健康増進法の受動喫煙防止義務に反する施設に対策を求める「健康増進法イエローカード」(兵庫県喫煙問題研究会作成)を同封し,約一万個配布した.(図)
 神戸市中央区医師会では,「今年度は禁煙治療が保険適用になったことを受けて,市民の関心が高まっている」としており,来年度も引き続き禁煙推進運動に取り組んでいく方針だという.


2006/ 7/ 4 歩きたばこ、1カ月で半減=高松市  (時事通信記事)

 高松市は、臨海再開発地区サンポート高松や市中心部で6月1日から実施している歩きたばこ禁止についての実態調査結果を公表した。6月末までの1カ月で、歩きたばこをしている人数は半減する効果が出ているという。 調査では、禁止前の4月下旬および5月中下旬と、禁止後の6月上中下旬について、それぞれ午後0時半~1時半と午後5時~6時の1時間ずつを比較。商店街や目抜き通りで歩きたばこをしていた人数は50~54%減った。 市は環境美化条例に基づき、「歩きたばこ禁止区域」を指定。備え付けの灰皿がある場所以外では、携帯灰皿を用いての喫煙も認めない。ただ、同条例では歩きたばこに関する罰則規定がないため、市は今後も喫煙者向けの意識啓発活動などを展開し、規制の実効性を確保していく考え。


2006/ 7/ 4 イージス艦でぼや起こす 海自、男性乗組員を処分  (産経新聞記事

 海上自衛隊のイージス艦こんごう(7250トン)内で、たばこの不始末からぼやを発生させたとして、海自佐世保地方総監部(長崎県佐世保市)は4日、同艦乗組員の男性海士長(31)を戒告処分にした。
 調べでは、海士長は1月24日早朝、佐世保基地に停泊していたこんごう艦内の事務室でたばこを吸いながら執務し、ごみ入れにしていた段ボール箱に灰皿の吸い殻を捨て、寝室に戻った。約20分後、箱から火が出て、火災報知機が作動。別の乗組員がすぐに消火器で消したが、床や引き出しの一部が焦げた。
 艦の規則では事務室内は禁煙。海士長は「火はきちんと消したつもりだった」と話しているという。


2006/ 7/ 4 青少年相手にオンラインでタバコを販売した運営者検挙/韓国  (innolife.net記事

 慶北浦項南部警察署は、インターネットカフェを通じて、青少年にタバコを販売して来た疑いで、ユン某(34)など2人を書類送検した。ユンなどは5月4日、インターネットポータルサイトにタバコ販売カフェを開設した後、大邱にある某中学校3年イ某君にタバコ4箱を販売するなど、1ヶ月の間青少年36人を相手に、100万ウォン相当の免税タバコを販売した疑いを受けている。彼らはインターネットカフェ会員加入資格を、18歳以下の青少年たちに制限した後、宅配でタバコを販売して来たことが明らかにされた。


2006/ 7/ 4 「タバコ代用品」も医薬品当局が管理/韓国  (innolife.net記事

 タバコをやめるためにタバコの代わりに吸う、タバコ代用品も、医薬品当局の管理を受けるようになる。今までタバコ代用品は、タバコ事業法によってタバコとともに財政経済部が管理して来た。食品医薬品安全庁は、形態や目的などが似ているタバコ代用品と、禁煙補助剤が互いに違う政府部処の管理を受けており、不必要な浪費があったという消費者団体たちの指摘によって、タバコ代用品に対しても薬事法を適用して、管理を一員化する事にしたと明らかにした。食品医薬品安全庁はこのため、タバコ代用品の安全性を確保するために、早いうちにタールと一酸化炭素の表示基準を用意する事にした。


2006/ 7/ 3 学生スポーツマンの高い喫煙率に苦言  (ライブドアニュース記事

【PJニュース 07月03日】- スポーツとたばこ。この二つは無関係だという幻想はもはや通用しない。とくに気になるのは大学の体育会選手の喫煙だ。学生スポーツマンの喫煙率は高い。「吸ってないのは水泳、陸上、スピードスケートぐらい」(某大学の学生新聞記者)。心肺機能を重視する以外の部活は、ほとんど喫煙者がいるといっても間違いはない。それは大学でも看板となるような野球部やラグビー部にも喫煙者がいるというから驚きだ。
 選手によっては高校から吸っていた人もいるが、ほとんどは大学から。それも親元を離れ寮に入ると同じ部屋の先輩に勧められるということもあるそう。大学構内でも体格のいい体育会の選手が喫煙所でたばこをふかしている姿を見ると本当にがっかりしてならない。そのスポーツを認められ大学に来ているというのに、スポーツの向上の弊害となることをやっているのだ。しかも大学の看板を背負って。
 たばこがどれほどスポーツをする上で影響が出るかはわからない。実際、高校から吸っていてもオリンピック強化指定選手に選ばれる選手はいる。しかし体育会の喫煙者は同じ大学に通う学生から、冷ややかな視線を浴びていることに気づいたほうがいい。さらに結果を出せていない選手の場合はもっと悲惨だ。
パブリック・ジャーナリスト 安田モモコ【東京都】


2006/ 7/ 3 青海ーチベット鉄道、ゴルムドからラサまでは禁煙  (CRI記事

 2日午後6時48分、北京発ラサに向かった初めての列車「T27次」旅客列車は青海ーチベット鉄道の起点である西寧駅に到着しました。「T27次」旅客列車は3日朝6時頃ゴルムドに、午後9時頃ラサに着く予定です。
 北京鉄道局旅客輸送事務所の李氷久所長は記者のインタビューに答えた際、「高原の上で酸欠する場合があるため、列車がゴルムド駅から酸素供給システムを稼働させ、全ての窓を閉めるので、タバコを吸うことは禁止する」述べました。


2006/ 7/ 2 すべての飲食店、屋外で全面的に禁煙/シンガポール  (AFP通信記事

【シンガポール 2日 AFP】非常に清潔なイメージとゴミ投棄への厳格な規制法で知られるシンガポールでは、以前からレストランや職場など空調設備のある建物内での喫煙が禁止されていたが、1日からは屋外の飲食店、コーヒーショップ、食堂、カフェなどでの喫煙も禁止された。写真は2日、シンガポール市内の屋台市場の柱に張られた禁煙の表示。


2006/ 7/ 2 【南信】たばこ断ち、絵筆握る 米寿の窪田さん初個展  (北陸中日新聞記事

 たばこの代わりに絵筆を手にして40年余、伊那市東春近、窪田千秋さん(88)が、健康で米寿を迎えられたことに感謝して中部電力伊那営業所ギャラリーで初の個展を開いている。5日まで。
 展示しているのは、ここ数年の間に描いた油絵3点と、緑と水色の透明感がすがすがしい水彩画約20点。市内を流れる天竜川や高遠町の町並みを題材にした「天竜河畔」や「高遠」など、伊那谷の風景を描いている。
 窪田さんはかつて、1日に3箱を吸うヘビースモーカー。1964年に禁煙を決意し、気を紛らわせるため油絵を描き始めたという。好きな風景画を描くことで禁煙に成功できたうえ、描くこと自体も楽しくなり、県展で入選を重ねるまでに力をつけた。
 今は油絵より体力のいらない水彩画を中心に創作。窪田さんは「水彩画教室に通い、異世代と触れ合うのもいい刺激。絵のおかげで長生きができている」と喜び、初の個展を励みにしている。


2006/ 7/ 2 たばこ値上げ 思いさまざま 駆け込み一転『きょうは さっぱり』  (東京新聞記事

 たばこの価格が上がった1日、たばこ販売店では前日までの“駆け込み需要”の反動が出始めた。値上げに泣く販売店や愛煙家の間からは不満の声が相次いだ。一方で、たばこ嫌いの市民からは値上げを歓迎する声も聞かれた。 (武田雄介)
 値上げ直前の六月三十日夜、千葉市中央区のコンビニ店前に、たばこ特別ブースが出現。山積みのカートンボックスが次々と売れた。しかし、一日午前零時と同時にブースはたたまれた。「税金の問題が絡むので、日付が変わった時点で従来価格で売ることはできません」と販売員の男性は申し訳なさそうにしていた。
 京成電鉄千葉駅近くの売店の販売員女性(60)は「昨日は普段の約五倍カートンボックスが売れたが今日はさっぱり」とあきらめ顔。「『一日のたばこを二本減らせば値上げの影響はない』と話す客もおり、今後の売り上げは激減だ」と嘆く。「代わりに今日はガムやミント系タブレットがよく売れる。皆さん我慢を強いられているのでしょうね」
 自販機で値上げしたたばこを買っていた千葉市中央区の介護ヘルパーの女性(53)は「一日二箱吸うので、月の負担は約二千円増える。値上げ分の税金の使い道も分からないので納得できない」と不満な様子。同区の主婦(31)は値上げを機に禁煙したいと話すが「簡単にはやめられないでしょうね」と苦笑いを浮かべた。
 一方、嫌煙家からはもっと値上げをするべきだとの声も。千葉市内の会社員男性(27)は「たばこのにおいをかぐと気分が悪くなる。一本一円程度の値上げでは効果が薄い」とし、「マナーの問題と言っても、守らない人は守らない。一箱千円程度に値上げしてもらって強制的にたばこをやめる人を増やしてほしい」と話していた。


2006/ 7/ 2 名古屋路上たばこに過料 初日課題浮き彫り  (中日新聞記事

 名古屋市内4カ所の路上禁煙地区で違反者への過料徴収が始まった1日、計19人が2000円の“罰金”処分になった。警官OBの指導員が暴力を受けるトラブルはなかったが、指導員が過料の支払いを求めると「知らなかった」との声が相次ぎ、声を荒らげて拒否する人も。言葉の通じない外国人喫煙者からは徴収できないケースもあり、さまざまな課題が浮き彫りになった。(社会部・原一文)
 午後1時すぎ、中区栄の栄交差点近く。指導員が、たばこを持った50歳前後の男性外国人を見つけた。
 指導員が「ノースモーキングエリア」と話し掛けると、外国人は差し出された携帯灰皿でたばこをもみ消した。続けて、日本語で「ここでたばこを吸うと2000円。お国はどちら」と言うと「トルコ。日本語あまり分からない」。そんなやりとりが続き、結局、指導員は徴収をあきらめた。
 市は、公平性の観点から、人種に差別せず過料徴収する方針を掲げている。指導員は英語など5カ国語のガイドを持ち歩いているが「言葉が通じないと徴収は難しい」のが実情だ。
 午後2時半ごろ。中区栄の百貨店前で、若者がたばこを吸っていた。指導員は「路上禁煙地区に“隣接”しています。ご協力を」と話し掛けた。
 若者がいたのは、歩道から1-2メートルの百貨店敷地内。公道の禁煙地区内ではないため、徴収の対象外となり指導にとどまった。市側はトラブルを避けるため、「確実に歩道にいた人だけを対象に徴収する」という。だが、わずかな距離の差で徴収する場所と、しない場所に分かれることには市の担当者も「問題意識を持っている」という。
 約10分後。旅行かばんを持ち、たばこを吸っていた男性が指導員に呼び止められた。男性は「忙しい」と言い残し、所定の用紙への住所、氏名の記入を拒み、2000円だけ渡して立ち去った。
 禁煙地区の4カ所は栄、名古屋駅、金山、藤が丘。19人のうち、5人は名古屋市民だったが、10人は市外在住、4人は氏名、住所を名乗らなかった。市外からの来訪者や外国人にどう周知徹底し、拒否する場合はどう徴収するのか。
 「過料徴収を始めたのなら、不公平感のないよう徹底してやってほしい」。市民からは、そんな声も出ていた。


2006/ 7/ 2 「たばこの煙の無いお店」阿児のレストランを認定/三重  (中日新聞記事

 受動喫煙の防止のため県が募集している「たばこの煙の無いお店」に、志摩市阿児町鵜方の「プティレストラン宮本」が認定された。志摩地域の店舗では初めて。
 同制度は店内を終日禁煙としている飲食店などを対象に本年度から実施。県食品衛生協会の審査後に野呂昭彦知事名の認定証が交付される。
 県のホームページで店の情報が紹介されるなどのメリットがあり、現在47カ所が認定されている。
 同レストランは昨年6月にオープン。伊勢志摩の食材などを生かした手作り料理で人気。宮本滋シェフ(55)の「たばこの煙に邪魔されず、おいしく料理を味わってほしい」という方針で、30席の屋内は終日禁煙。屋外に8席の喫煙席がある。
 宮本シェフは「全面禁煙の飲食店はまだ少ないと思う。今後も続けていきたいし、他のお店にも広がればうれしい」と話している。 (小柳津心介)
【写真】「たばこの煙の無いお店」認定証を受けた宮本滋シェフ=志摩市阿児町鵜方で


2006/ 7/ 1 ぜんそくはダニと無関係?=子供600人を追跡調査-豪  (時事通信記事)

 【シドニー1日時事】家の中を掃除してダニを取り除いても、子供のぜんそくの発症率は変わらない-。ぜんそくの予防策として、ダニやちりの除去が効果的といわれるが、オーストラリアの研究グループはこのような調査結果をまとめた。 シドニーの医療研究所や大学、小児病院の研究者が600人を対象に、新生児からぜんそくになりやすい5歳までの追跡調査を実施。ダニやちりのない環境で生活した家庭とそうでない家庭で、子供のぜんそくとの関連性を調べた。 その結果、ダニをきちんと除去してもぜんそくやアトピーの発症率は低下しなかった。また、ぜんそくの発症を抑制するとみられている魚やマーガリンの摂取量を増やしても、著しい効果は見られなかったという。 豪州では、ぜんそくの子供は全体の15%に上り、年々増加している。研究に携わったウールコック研究所のマークス医師は「予防策としては現在のところ、たばこの煙から子供を遠ざけること以外にない」と話している。


2006/ 7/ 1 タバコ値上げ、広がる禁煙場所  (ライブドアニュース記事

【PJニュース 07月01日】- 7月1日からのたばこ税引き上げに合わせ、タバコが値上げになった。コンビニでは駆け込み需要を当て込んで、6月中、カートン売りセールを行っていた。
 肺がんなど、健康への悪影響が指摘される中でも、日本は依然、喫煙率が高い。海外に比しても、なぜこんなに吸う人が多いのだろうと疑問に思うくらいだ。喫煙できる場所が年々狭められている。先日も、JR東日本が07年春から東北、上越新幹線と在来線の特急車内を原則として全面禁煙にすると発表した。
 禁煙になるのは何も列車や航空機などの公共交通機関ばかりではない。最近、自分の車を車検に出したとき、借りた代車にあったのが写真の「誠に恐れ入ります。禁煙にご協力をお願いいたします」というメッセージだ。タクシーも禁煙になるご時勢、代車も例外ではないようだ。
 「煙やにおいは7メートル届く」。「路上は全面禁煙に=「発がん物質7メートル先まで」-学会が自治体に提言」という論文もあるくらいだから、公共施設はもちろん、路上も徐々にでも禁煙にしていくべきだろう。人通りの多い場所は、煙だけでなく、タバコの火も危険だ。タバコの先の火がすれ違った人にあたってやけどさせることもある。背の低い子供の場合は、大人が持っているタバコがちょうど顔の辺りを通り、顔にやけどする危険性もある。
 こうしてあちこち禁煙になると、喫煙者は面白くないだろうが、非喫煙者のことも思って喫煙するようでないと、ますます肩身が狭くなるだろう。
 健康被害との関係も取りざたされるのに、「私の祖父はヘビースモーカーだったが、90歳の天寿を全うしたから、私も大丈夫だ」と吸い続けるのは当人の勝手だ。しかし、その勝手を非喫煙者に押し付けないようにすべきだ。受動喫煙にならないように、隔離した空間で吸うのは当然のマナーだろう。
 また、ポイ捨ても厳禁だ。地域や会社の清掃活動をすると、いつも吸い殻が大量に集まる。これでは歩きタバコ禁止の動きが広がらざるを得ないだろう。吸うのは当人の自由としても、周りに迷惑をかけないように気を配っていただきたいと切に願う。
パブリック・ジャーナリスト 小菅 俊幸【岩手県】


2006/ 7/ 1 喫煙で性機能低下のリスク大=男性8400人調査-豪州  (時事通信記事)

 たばこを吸う男性は非喫煙者よりも性機能低下のリスクが高いことが、1日までのオーストラリア保健当局の大規模疫学調査で分かった。1日に吸う本数が多いほど顕著だった。たばこ規制に関する国際専門誌に発表した。


2006/ 6/30 禁煙に挑戦、3人に1人=健康に「大幅値上げを」と学会-1日からたばこ税増税  (時事通信記事)

 7月1日からの1本当たり1円のたばこ税増税を機に、喫煙者の3人に1人が禁煙を考えていることが、製薬会社ファイザーが30日までにまとめたアンケートで分かった。多くの人が禁煙を考えるという値段は「500円以上」だった。 調査は6月、7大都市の喫煙者計700人にインターネットで実施した。 3年前の値上げの際、禁煙に挑戦した人は11.9%。今回挑戦しようと思う人は34.7%で前回より増えた。 禁煙しようと思った理由は「健康のため」が45.7%で最も多く、次いで「お金のため」が37.0%だった。 今回禁煙しようと思わない人に、いくらになれば禁煙するか尋ねたところ、「500円以上600円未満」が36.1%で最も多く、次いで「400円以上500円未満」が20.8%。「価格に関係なく禁煙しない」も14.7%いた。  日本禁煙学会は「増税は喫煙率低下に極めて有効。国民の健康福祉にとって効果と見返りの大きい優れた施策だ」と指摘。さらに大幅な増税を求める声明を、同日までに財務相や厚生労働相に送った。


2006/ 6/30 たばこ自販機大手のグローリー工業が急騰、明日からたばこの値上げを受けて思惑買い  (テクノバーン記事

【テクノバーン】(6/30 14:35)たばこ自販機大手のグローリー工業 (6457) が一時、前日比155円(7.69%)高の2170 円まで上昇して大幅高。
 明日7月1日からたばこの料金が値上げとなることを受けて、自販機の買い替え需要などを目当てにした思惑買いが膨らんでいるという。
 前引け段階の出来高は27万2900株にも及び、半日だけで昨日1日の出来高(13万9200株)の2倍近くに達している。


2006/ 6/30 タバコの値上げは、二年後の闇社会の資金源ためか  (ライブドアニュース記事

【PJニュース 06月30日】- 7月1日からのタバコ値上げの裏には、将来に恨みを残す社会的な大きな問題点が含まれている。たばこ税は1本1円の引き上げである。単純に考えれば、20本入りタバコ1箱が一律20円の値上げのはず。しかし、国産タバコ、外国産タバコとも最も人気銘柄が、おしなべて30円の値上げとなっているのだ。国産タバコでいえば、マイルドセブンが30円の値上がり。この裏には由々しき事実が隠されている。
 タバコ関係者から「なぜ人気銘柄が30円の値上げなのか」と根拠を聞いてみた。ひとつは姑息な便乗値上げだった。3年前(2003年の7月1日)の値上げのときに、値上率の低かった銘柄を今回の値上げで10円上乗せしているという。
 前回の値上げ前は、各社とも銘柄により上げ幅のバラツキがあるが、それは戦略的なもので、トータルでは値上率の帳尻を合わせだという説明だった。それがいまとなれば、積み残し分だという。奇弁にしか思えない。
 もうひとつは2年後に、『成人識別機能付き自動販売機』が全面的に切り換わるから、コストの先取りの便乗値上げだとはっきり言い切った。このシステムはだれが決めたのか。国民には十分に説明されていないし、討議も不十分だ。『法務省かな? 警察庁かな?』と思いきや、財政制度等審議会だという。
 厚生労働省のデータによると、高校3年男子の喫煙率が36.9%、女子が15.6%である。4人に1人は毎日吸っている。タバコの入手は約75%が自動販売機だ。だから、業界としては『未成年者のたばこ購入防止』を目的とした、プリペイドカード式による『成人識別機能付き自動販売機』を、2008年度には全国いっせいに導入するという。あまりにも短絡的な発想だ。
 『成人識別機能付き自動販売機』を設置すれば、中高校生が禁煙すると思っているのだろうか。そんな単純なことで、止めるはずがない。中高校生は好奇心が強い世代だ。大人の真似事でタバコを吸いたがる。この心理は不滅だ。タバコを買い求めたい高校生がいる。他方で、プリペイドカードの名義を売って金に代えたい大人がいる。仲介するのは闇組織だ。社会悪のシンジケートが生まれる可能性は大だ。
 喫煙する高校生はいまや全体の4分の1だ。都内だけでも数万人の高校生が、タバコのプリペイドカードを求めて池袋、新宿、渋谷など繁華街で、闇の人物と接触を図るようになる。
 『成人識別機能付き自動販売機』を設置に関して、千葉県・八日市場と、鹿児島県・種子島の二カ所の実験した。よい評価を得たから、全国一律に実施するという。日本たばこ協会、全国たばこ販売共同組合連合会、日本自動販売機工業会の3者で決定されているのだ。
 過疎とはいわないが、八日市場と種子島で、中高校生は全体で何名いるのか。東京や大阪で、高校生が通学途上で自転車に乗りながら平気で喫煙する。駅ホームでも喫煙する。これら大都会の中高校生にも、八日市場と種子島の中高校生の良いマナーが通用すると信じ込んでいるのか。あまりにもお粗末だ。
 高校生のタバコ需要が多くなるほど、プリペイドカードの闇価格が上昇する。となると、麻薬とおなじで、若者は悪事に手を染めてでも、金をつくる結果になってしまう。物品をまったく買えなくしてしまえば、悪人がはびこると、内外の歴史が証明している。この社会的リスクは計り知れない。
 社会構造の重大なリスクと変化が予測される。それなのに、財務省の審議会の諮問で決まってしまう。『決定するところが場違いも、いいところだ』。タバコ税だから財務省。こんな算数の図式的な頭脳で、複雑な社会構造を取り仕切ってもらいたくない。
 客観的に見れば、若いときにタバコを吸った日本人でも、いまや長寿で八十歳代まで生きている時代だ。タバコの健康を害ばかり誇張すると、精神の害がもっと深刻になる可能性がある。16歳から喫煙できる先進国すらあるのだ。若者の体躯から、再検討をしたほうがいい。社会悪のシンジケートを生み出すくらいならば。
パブリック・ジャーナリスト 穂高健一【東京都】


2006/ 6/30 [たばこ値上げ]「日本の価格はまだ安すぎる」  (読売新聞社説

 日本のたばこはまだ安い。さらに大きく、値段を上げてもいいのではないか。
 7月から、たばこの価格が値上げされる。今年度の税制改正で、たばこ税が1本当たり約1円、引き上げられたためだ。
 20本入りなら増税の影響は20円だが、マイルドセブンなど人気銘柄は1箱30円の値上げが認可された。差額は、未成年者がたばこを自動販売機で買えないように改良する費用などに充てられる。
 日本たばこ産業の製品は、多くが1箱300円になる。しかし、それでも欧米に比べると格段に安い。
 各国の代表的な銘柄1箱の小売価格は、今年1月現在、イギリスが1045円、米国(ニューヨーク市)が774円、フランスが630円、ドイツは506円となっている。
 欧米が高いのは、各国とも、たばこに超高率の税を課しているからだ。
 イギリスは、価格のうち797円が税金だ。比較的安いドイツも税が390円を占める。これに対して日本は、増税後でも、300円の銘柄でたばこ税と消費税の合計が189円にしかならない。
 増税をこれで終わらせず、ドイツ並みの1箱500円を目指してはどうか。
 仮に、たばこの消費量が現状のままなら、国と地方を合わせて年間2兆円以上もの増収となる。
 一方で、禁煙運動団体のアンケートに喫煙者のほぼ半数が「1箱500円まで上がれば禁煙する」と答えている。そうなった場合、税収は増えないものの、たばこが原因の肺気腫(きしゅ)や心筋梗塞(こうそく)などが減り、医療費の節減につながる。いずれにせよ悪くない話だ。
 たばこ増税は、この10年間で3回目だが、いずれも1本1円程度の小幅な引き上げにとどまってきた。この間、税収はほぼ横ばいで推移し、たばこ消費量もさほど減ってはいない。
 大幅な値上げは、未成年者の喫煙防止にもつながる。
 たばこ業界は、未成年者が買えない自販機システムの開発に約800億円を投じる、という。成人には識別カードを発行し、全国の自販機を2008年までにカードが無いと動かないものにする。さらに1箱500円なら、未成年者は今より手を出しにくくなるだろう。
 歳出・歳入一体改革では、医療など社会保障費をどう抑制するか、それでも伸びる分の財源をどう確保するか、という点が難問として横たわっている。
 たばこ税の大胆な引き上げは、医療費抑制の面からも、財源確保の面からも、得るものが大きい。


2006/ 6/30 たばこ値上げ、1日から…禁煙外来が盛況/大阪  (読売新聞関西版記事

 ◆補助パッチの健保適用が後押し
 7月1日からのたばこの値上げを前に、病院の禁煙外来に、受診予約や問い合わせが殺到している。禁煙外来で処方される禁煙補助剤の健康保険適用が6月から始まったことが、「愛煙家」の決断を後押しする形だ。一般薬局も禁煙治療の受診を勧めるなどサポート業務に乗り出しており、全国的に進む分煙・禁煙化で喫煙者が減少するなか、〈脱・たばこ〉の動きがさらに加速しそうだ。
 ■初診予約は満杯
 禁煙治療は医療行為で、専門医による診察に加え、禁煙補助剤「ニコチンパッチ」を体に張ることで、たばこを吸う習慣をなくす。
 これまで5、6万円の費用が必要だったが、今年4月から専門医の診療が、6月からは禁煙補助剤も保険適用となり、費用は3割負担(70歳未満)となった。
 大阪府立健康科学センター(大阪市東成区)の禁煙外来には6月に入り、会社員や妊娠中の女性からの問い合わせが相次ぎ、初診は9月中旬まで予約でいっぱい。増居志津子禁煙カウンセラーは「値上げと保険適用が重なったことが、喫煙者の重い腰を上げさせた。費用も1万数千円で済むのでこの機会に健康を取り戻して」と呼びかける。
 関西医科大健康科学センター(大阪府枚方市)でも1日1、2件だった問い合わせが、3倍近くに増加、受診も7月末までは予約で埋まっているという。
 ■サポート薬局
 兵庫、和歌山、鹿児島、宮城など、全国で少なくとも8県の薬剤師会が、「禁煙サポート薬局」を指定。喫煙者の客に、禁煙外来を設けている医療機関を紹介したり、保険適用の開始を周知したりしている。
 和歌山県薬剤師会の原隆亮常務理事は「保険適用が、たばこをなかなか辞められない人にとって、絶好の動機付けになるはず。私が経営する薬局では禁煙補助剤の売り上げが2割アップした」と話す。
 ■肩身狭く
 一方、愛煙家にとって、たばこ1箱当たり20~30円増の値上げは痛手。他人のたばこの煙を吸い込む受動喫煙の防止を定めた「健康増進法」の施行(2003年5月)以降、公共の建物などでの「分煙・禁煙化」が進むなど、ますます肩身が狭くなりそうだ。
 日本たばこ産業(JT)によると、全国の喫煙者率は年々下がり続け、昨年6月現在では男性が45・8%(前年比1・1ポイント減)、女性が13・8%(同0・6ポイント増)だったという。
 約4年前に禁煙外来を受診したが1か月で挫折した大阪府岸和田市の男性会社員(51)は「もう1回同僚と一緒に禁煙外来を受診しようと思う。3割負担ですむので、今度ダメでもまた受診しますわ」と話している。


2006/ 6/30 たばこ、あすから値上げ ニコチンパッチ保険適用は一部病院のみ /大阪  (産経通信記事

 あす1日から最大で一箱30円値上げされるたばこ。愛煙家には冷たい仕打ちだが、これを機に禁煙を考える人も少なくないはず。6月からは、無理なくたばこがやめられるという「ニコチンパッチ」に医療保険が適用されるようになったが、実はこの"朗報"は、一部の医療機関だけの話。背景には「喫煙者への保険適用に国民のコンセンサスが得られていない」などの理由があるという。どこまでいっても邪魔者扱いの喫煙者。あすからどうしたらいいの?
≪禁煙、険しい道のり≫
 「ニコチンパッチ」は円形のテープの内側にニコチンを塗り込んだ湿布薬。禁煙外来の専門医の処方箋(せん)が必要で、腕などに張り付けて禁断症状を抑えながら、2~3カ月かけて徐々に使用枚数を減らして患者をたばこから遠ざける。従来は保険の適用外だったが、今月から患者の全額負担だった診療費が3割負担に軽減された。
 このため、1日からのたばこ値上げも手伝って、禁煙外来への通院患者が急増。国立病院機構大阪医療センター(大阪市中央区)では、これまで1カ月の新規患者が5人前後だったのに対し、今月は一気に3倍近く跳ね上がったといい、急遽(きゅうきょ)、専門医を1人から3人に増やしたという。
 だが、こうした負担軽減は、ぬか喜びになるケースも少なくない。厚生労働省によると、保険が適用されている医療機関は全国で約1300施設だけで、半数以上は不適格の"烙(らく)印"を押され、現在も保険の適用外となっているという。
 原因は、厚労省が示した禁煙に関する厳格な「認定基準」。専門医の常勤や一酸化炭素濃度測定器の器材設置などのほか、敷地内全域での完全禁煙も求めているからだ。入院者向けの喫煙室や、駐車場など敷地のどこか1カ所でも灰皿があれば不適格になる。
 このため、敷地が広い総合病院などはほとんどが「アウト」の判定。保険が適用されれば3カ月間で約1万円で済むはずの自己負担も3万~4万円かかってしまう。
 この基準には、医療関係者からも批判がでている。不適格とされた大阪厚生年金病院(大阪市福島区)は「病院には禁煙外来の患者だけが来るわけではない。一般患者や見舞客にはたばこを吸う人もいる」。また、基準をクリアしたのざと診療所(同市西淀川区)も、「通院先の都合で患者が平等に保険を受けられないのはおかしい。患者の健康を考えた保険適用とは思えない」と話す。
 これに対し、厚労省保健局医療課は「患者にたばこや灰皿などを身の回りから遠ざけるよう指導するのに、肝心の施設に喫煙所があるのは矛盾している」と反論。今後、検証して不平等な負担状況を改める必要性を認めつつも、「喫煙者のために保険が適用されることに抵抗感を持つ意見も根強い。慎重に運用されなければならない」としている。
≪愛煙家、買いだめ≫
 たばこ税増税を受け、ドラッグストアなどの禁煙関連商品の売り上げは前年同期と比べてほぼ横ばいか微増を示す一方で、たばこの売り上げは倍増しており、値上げ前に大量に買いだめする駆け込み現象が起きている。製薬会社のアンケートでは喫煙者の3人に1人が禁煙を考えているというが、今回の値上げで果たしてどれくらいの喫煙者が禁煙できるのか。
 全国774店を展開する大手ドラッグストアチェーンのマツモトキヨシ(千葉県松戸市)では禁煙関連商品とたばこの両方を販売。今月末時点で売り上げを集計した結果、禁煙関連商品は前年とほぼ変わらなかったが、たばこは200%の伸びを記録した。
 同社広報室によると、一部の店舗では、増税を知らせるポスターを張るなどして案内しており、それに呼応するように6月から売り上げが伸び始めたという。
 一方、大阪を中心に312店舗を展開する「セガミメディクス」(大阪市中央区)では、禁煙関連商品の売り上げは前年同期比で約10%の微増。6月から特別コーナーを設置し、キャンペーンを展開しており、「禁煙に関心を寄せているお客さんが多く訪れている」(同社経営企画室)という。
 アンケートは、製薬会社ファイザーが6月、7大都市の喫煙者計700人にインターネットで実施。3年前の値上げの際、禁煙に挑戦した人は11.9%。今回挑戦しようと思う人は34.7%で前回より増えた。
 禁煙しようと思った理由は「健康のため」が45.7%で最も多く、次いで「お金のため」が37.0%だった。
【写真】増税を前に、カートンで買いだめする人が増えている=午前11時半、大阪市中央区西心斎橋のたばこ店


2006/ 6/29 たばこ増税は今後も議論=細川財務次官  (時事通信記事)

 財務省の細川興一事務次官は29日の記者会見で、増税に伴い7月1日に実施されるたばこの値上げを前に、「今後の価格をどう考えていくかはさまざまな要因がある。(政府や与党の)税制調査会などでも、よくその要因を押さえながら議論していただくのが適切だ」と述べ、健康対策などの観点から、引き続き増税が検討される可能性があるとの認識を示した。


2006/ 6/29 選手が禁煙呼び掛け〔W杯〕  (時事通信記事)

 競技場の大型スクリーンに、観戦中の禁煙を呼び掛ける映像が流されている。主演はドイツのバラック。ピッチに忍び寄る煙を吹き払うと、共演のルシオ(ブラジル)、ハーグリーブズ(イングランド)らがにっこり。 ドイツは喫煙大国だ。成人の喫煙率は他国に比べてそう高くないが、法規制がなく、公共の場などでの分煙率が低い。W杯組織委員会は競技場の禁煙化を検討したが、強制まではできなかった。 列車の中で、こんな場面に遭遇した。6人用個室でドイツ人男性がたばこに火を付けようとすると、他の男性が猛烈な勢いでやめさせようとした。ドイツ人が「ここは喫煙車両だ」と言い張っても頑として認めない。結局ドイツ人はあきらめ、ふて寝してしまった。 注意した男性は禁煙大国として有名なカナダからの旅行者。「カナダでは自宅以外では吸えないに等しいよ」。観客席でもこんな光景が繰り広げられているのだろうか。 観客席は個人の分別にゆだねられているが、メキシコのラボルペ監督は、国際サッカー連盟からベンチでの喫煙を控えるようお達しを受けた。ただでさえ募るイライラが、いっそう増幅したに違いない。(ドルトムント時事)


2006/ 6/29 【薬価収載】「ニコチネルTTS」 「ニコチン依存症管理料」で普及に弾み  (日経メディカル記事

 2006年4月の診療報酬改訂で「ニコチン依存症管理料」が新設されたことに伴い、6月1日、禁煙補助薬「ニコチネルTTS」(ニコチンパッチ製剤)が薬価収載された。薬価は、ニコチネルTTS30(薬剤放出有効面積:30cm2、ニコチン含有量:52.5mg)が1枚401.80円、ニコチネルTTS20(20cm2、35mg)が374.30円、ニコチネルTTS10(10cm2、17.5mg)が355.80円である。
 ニコチネルTTSは、医師の処方せんが必要な医療用医薬品として、1999年5月から日本で発売され、これまでは自由診療のみで使われてきたが、今回、薬価収載されたことで、保険診療での使用が可能になった。ただし、保険適用は「ニコチン依存症管理料の算定に伴う処方」に限定されており、薬剤料の算定は厚生労働省が定めた「施設基準」に合致する医療機関だけにしか許されていない点に注意したい。
 薬価収載に伴う添付文書の変更は、右上に示した「保険給付上の注意」が追記されたのみで、適応や使用上の注意については特段変更されていないが、以下に主な使用上の注意をまとめておく。
 まず用法・用量としては、1日1回1枚を24時間貼付することと定められている。通常は、最初の4週間にTTS30を、次の2週間にTTS20を、最後の2週間にTTS10を貼付する。10週間を超えた継続使用は避ける。TTS30貼付時の血中ニコチン濃度推移は、1時間に1本タバコを喫煙した時の各喫煙直前濃度推移と同等だったと報告されている。
 副作用として最も多いのは、貼付部位の皮膚症状である。皮膚刺激を避けるために、同じ部位には貼付を続けず、毎回部位を変更するように指導する。貼付部位は、上腕部、腹部、腰背部が推奨されている。貼付部位以外に皮膚症状が出現した場合(アレルギー性接触皮膚炎)や、水疱を形成するなど皮膚症状が強い場合には、使用を中止する。
 また貼付開始後に、不眠や悪夢などの睡眠障害が現れることがある。本来、夜間就寝中にニコチンが体内に摂取されることはないが、本薬を使用すると24時間持続的にニコチンが取り込まれることになるため、その影響で睡眠障害が起こるものと推測されている。睡眠障害が生じた場合には、張り替えるタイミングを変更する(就寝前から起床後など)か、投与を中止する。なお、本薬の「禁忌」は、表1の通りである。
  ニコチン製剤には、ほかにニコチンガム(商品名:ニコレット、OTC製剤)が販売されているが、ニコチンパッチ製剤は、1日1回の張り替えで安定した血中ニコチン濃度を実現できる点が最大の特徴である。また、ガム製剤に比べ、(1)投与前の患者指導が容易である、(2)義歯装着者など歯の悪い人、営業マンなどの接客関係の人にも使用しやすい--といった利点も有している。今回、限定的ながらも保険適用されたことで、ニコチンパッチ製剤は禁煙指導に広く使用されていくものと考えられる。

表1
ニコチネルTTSの「禁忌」
非喫煙者
妊婦、授乳婦
不安定狭心症、急性期の心筋梗塞(発症後3カ月以内)、重篤な不整脈がある患者または経皮的冠動脈形成術直後、冠動脈バイパス術直後の患者
脳血管障害回復初期の患者
本剤の成分に過敏症の既往歴のある患者
(北村 正樹=慈恵医大病院薬剤部)


2006/ 6/29 ドイツGPのタバコ広告問題 欧州委員会がプレッシャーをかける  (F1-LIVE記事

 2006年F1世界選手権12戦ドイツGPは、タバコ広告のある最後のグランプリとなりそうだ。
 ドイツに対し、欧州全土に科せられているタバコ広告に関する法律を守るよう、欧州司法裁判所へ通告した問題で、水曜日、欧州委員会は裁判所に問題解決を委ねることを示唆した。
 『AFX』通信社によれば、F1に関連する法律の一部は“国境を越えた”ものだとのこと。
 ドイツは国内のタバコ広告に関する法律は自国で定めることができるが、ホッケンハイムでF1カーにタバコ広告が掲載されることにより、報道やテレビ中継を通して、ヨーロッパ中のタバコ広告を禁止している国々に、その映像が配信されることを欧州委員会は懸念しているのだ。
 また、欧州委員会は2005年10月と2006年2月に、ドイツに対して書面で警告を発している。
 そして、健康および消費者保護団体の理事であるマルコス・キプリアヌは、次のようにコメントした。
 「私はこの法律の制定を、すべての加盟国で推進していくことを決断した。この問題の結論を裁判所に委ねることになれば、それはそれでかまわない」
【写真】ドイツGPでタバコ広告禁止になれば禁煙する人が増えるのか?


2006/ 6/29 機内で全席喫煙OK 世界初、日独間で来年3月計画  (共同通信記事)

 【ベルリン=共同】機内全面禁煙が常識になる中、「世界初の喫煙者専用」をうたう航空会社が来春、ドイツ西部デュッセルドルフ-成田間で「吸い放題」のジャンボ機を運航する計画を練っている。
 12時間程度かかる長距離フライトで、たばこが吸えないスモーカーには朗報となりそうだが、すぐに認可が下りるかどうかは不透明という。
 この会社はロンドンに本社を置くスモーカーズ・インターナショナル・エアウェイズ。1日1箱半のたばこを吸うというドイツ人投資家が社長だ。
 ボーイング747をリースし、ファーストクラス30席とビジネスクラス108席を配置、エコノミーはない。「大金を払ってでも吸いたい」日本人乗客を狙い、来年3月26日に就航させる予定。日本人ビジネスマンが多いデュッセルドルフと日本の間の直行便は現在ない。
 たばこ会社などのスポンサーを募っているが、南ドイツ新聞によると、航空管制当局は3月までの認可は時間的に困難との見方を示した。


2006/ 6/29 タバコ値上げは、賞味期間で、生活防衛か?  (ライブドアニュース記事

【PJニュース 06月29日】- 7月1日(土)からタバコ税の引き上げに伴う、販売価格が改定される。全銘柄である。手元からタバコを手放せない喫煙者にとって、約一割の値上がりはかなり負担のようだ。
 東京・豊島区にある大手スーパーでは、先週末から店内の特設コーナーで、タバコのカートン販売がおこなわれていた。タバコをワゴンに大量陳列し、従業員による対面販売だった。担当者から売り上げ状況などを聞くことができた。
 既設の2台の自販機は一日平均で約9万円の売り上げ。喫煙者はふだん買う場所はほぼ決まっているから、大幅な売り上げ変動はないという。特設コーナーの販売額は24日(土)から2日間で52万円強だった。他方で、自販機の売り上げも微増している。喫煙者の生活防衛がもはやはじまっているようだ。
 担当者の説明では、タバコに賞味期間があると認識しているひとは5カートン、10カートンもまとめ買いをするという。すべての国産銘柄において一箱ごとに年月の表示がなされている。それを知らない人は、『タバコが湿ける』といって値上げの前日、前々日に1、2カートン程度の買い求めだという。3年前(2003年の7月1日)の値上げの経験からも語ってくれた。
 同スーパーで、賞味期間の知識を得た50代の女性が「10カ月先でも味がだいじょうぶなら、生活防衛で5カートン買っておこうかしら。1カ月分は旧価格で吸える勘定になるわ」と求める数を増やしていた。
 JT(日本たばこ産業)には賞味期間について確認してみた。国産タバコの賞味期間は工場出荷から10カ月だという。タバコが湿けたり、味の劣化をおこしたりしないのかと聞いてみた。『1箱ごとにフィルムを張っていますから、だいじょうぶです』と明瞭に言い切った。消費者側で、直射日光の下に長く放置したり、湿気の多い環境に置いたり、極度の劣悪な環境でなければ、品質の劣化はないようだ。
 「この際は、夫にタバコをやめさせたい。いいチャンスだから」と30代後半の主婦が語ってくれた。前回は夫の健康を気遣って禁煙の誓いをさせた。三日坊主だったことから、値上がり後の高いタバコを買うはめになってしまったという。「もう一度、禁煙の誓いをさせてみます。でも、無理かもね」と小声でつけ加えていた。
 20代の男性が外国産タバコのカートンを買い求めた。「タバコ税はどんなところに使われるんですかね。肺がんの治療研究費なら納得ができるけど。社会保険庁のように、でたらめな使い方をされると思うと、税金による値上がりも頭にくる」という怒りの声が強く印象に残った。
パブリック・ジャーナリスト 穂高健一【東京都】


2006/ 6/29 禁煙意向34.7%、自信に地域差 ファイザーが喫煙者調査  (フジサンケイビジネス記事

 禁煙補助剤の「ニコレット」を販売するファイザーが行ったたばこの値上げに関する喫煙者の意識調査で、値上げにより34・7%の人が禁煙しようとしていることが分かった。
 禁煙意向は、大都市圏の方がより低い傾向にある。今回のたばこ税増税によるたばこの値上げをきっかけに、「禁煙しようと思いますか?」との問いに対して、広島は42%、仙台は41%と、ともに4割以上が「思う」と回答しているのに対し、東京23区と名古屋はそれぞれ29%、大阪も32%が禁煙する意向を示している。
 ただ、「禁煙しようと思う」と回答した人で、禁煙に自信があると回答したのは28・4%。
 禁煙に成功する自信も地域で異なり、最も高いのは仙台で43・9%だった。
 最も自信がないと回答したのは広島で14・3%。今回、「禁煙しようと思う」と回答した喫煙者が最も多く、禁煙意向のある2都市でも、禁煙成功に対する自信には大分差があるようだ。
 禁煙をしようと思う理由は「健康のため」が45・7%、「お金のため」が37%。実際、「今回のたばこの値上げ額は高いと思いますか?」という質問に85・7%が「高い」と回答している。
 「思わない」と回答した人に、「たばこの価格がいくらぐらいになれば、禁煙しようと思いますか?」と質問すると、55・7%が「500円以上」という回答。「価格に関係なく禁煙しない」という人は14・7%だった。
 3年前のたばこ税増税によるたばこの値上げ時に「禁煙に挑戦した人」は11・9%。同社では、増税によるたばこの値上げが行われるたびに、喫煙者の禁煙意向は高まっているとしている。


2006/ 6/28 タバコ値上げは“受益者”負担拡大のチャンス  (janjan記事

値上げ理由に初めて受益者負担を宣言
 日本たばこ産業(JT)は7月1日からのタバコ増税に伴い、主力のマイルドセブンなどに増税分を上回る30円の値上げをする、と発表した。増税分を超えた値上げは初めてのことで、「空港での喫煙場所の確保や自販機に成人識別機能を設置するために、費用が掛かるから喫煙者に負担してもらう」としている。
 増税分以上の値上げに明快な理由を示していること自体、JTも変わったのだろう。そして、この変化は今後のタバコ問題、特に禁煙運動を進める上では朗報となるのは、間違いない。過去の値上げ理由は全て、増税の範疇内で済ませていた。喫煙が原因の社会に与えている損失について、もっと喫煙者が負担すべきという声は年々高まっているが、ずっと無視され続けていた。
 その理由として、「喫煙は個人の嗜好であり、それについて国がとやかく干渉すべきことでない」とか「喫煙が健康を害するということも科学的な裏づけに欠ける」を挙げてきた。また喫煙者自身も「タバコを買って吸うことは、非喫煙者よりも税金を多く払っているのだから、非難はおかしい」という論理が正論であるかのように主張し、実際、いま現在も根強く喫煙者の間で支持されている。
 これら喫煙者の主張は、今回、JTが発表した増税分以上の値上げについての理由付けによって、今後は通用しなくなるように見える。
 従来、私が主張してきた「喫煙者は非喫煙者よりも疾病率が高いのだから、健康保険料を割高にすべきである」とか「公共施設の喫煙コーナーは税金で作られているのだから、喫煙者が利用する時は入室料を徴収すべき」という論が正しかったことを、JTは明らかにしてくれた。
受益者負担がどんどん増えるのが公平な社会だ!
 喫煙によって、喫煙者は気分が安らぐという。科学的根拠は全く正反対で、安らげると思っているのは麻薬効果であるというのが、世界的な見解だ。そのギャップに目をつむっていては、時代の流れとともに喫煙者の肩身がますます狭くなっていくことは、明らかだ。禁煙や喫煙を断念できないならそれで仕方ない。法律的には20歳になると喫煙しても良いことになっているのだから、とやかく言うまい。ただ喫煙行為によって利益を得ているなら相応の負担をしてください、と丁重に言うまでである。
 先日、聖路加国際病院副院長・細谷亮太氏が日本経済新聞の「明日への話題」というコラムに次のようなことを書いていた。
 「(略)最近、新幹線の指定は禁煙席から先になくなる。吸わない人が禁煙席を確保するのだと思ったら、『タバコは吸うが他人の煙は嫌だ』という人の中で、禁煙席を取り、吸う時だけ喫煙車に移動するのがはやっているらしい。タバコが嫌な人を禁煙車に座らせてあげたいと思う。JRはいっそ全部禁煙車にして利用のたびにお金を取る有料の喫煙車でも最後尾につけたらどうだろう」
 まさに受益者負担の考えである。と同時にJRにもう一つ真剣に考えてもらいたいことがある。首都圏の私鉄は終日禁煙だが、JRは未だに喫煙コーナーを設けている。私鉄のホームなどの清潔さはJRのそれと比べ、一目瞭然である。JRに問い合わせると、「私鉄に比べJRは乗車距離・乗車時間が長いので、喫煙者の便宜を図ってのコーナー設置」と苦しい言い訳をしていた。都内のJR各線の駅間距離は極めて短いし、国内線の航空機の飛距離はJRのどの路線よりも長いが、禁煙なのをJR担当者は知らないのだろうか。
 そんなことは仮に、どちらでも良い、としておこう。問題は喫煙者が捨てた吸殻がホームだけでなく駅施設のあらゆるところで目立つことだ。もちろん掃除をしているのだろうが、私鉄よりも清掃費がかかっているだろうことは、容易に分かる。この件についても尋ねたことがある。「JRは一切タッチしていません。全て清掃業者に頼んでいます」だと……。そんなことを聞いているのではない。
 清掃業者には利用客の収益から費用を支払っているのだろう。だとすれば、この清掃費は喫煙者が負担すべきで、それができぬなら全面禁煙しか、非喫煙者を納得させる術はない。それとも非喫煙者の定期券の割り増し延長を認めるか、割り引き切符を発行するかだ。JRとJTがグルでないなら可能である。
(上原道康)


2006/ 6/28 インタビュー:JT、たばこ値上げでも販売計画は維持  (ロイター通信記事)

[東京 28日 ロイター] 日本たばこ産業(JT)<2914.T>の木村宏社長は28日、ロイターのインタビューで、7月からの増税に伴う値上げの影響について、期初の販売計画を維持する意向を示し、業績予想の上ぶれにつなげる考えを示した。
 3年ぶりとなる7月1日からのたばこ増税は1箱あたり20円だが、JTは「マイルドセブン」を30円引き上げるなど、増税分を上回る値上げを実施する。期初に予想した2007年3月期の連結業績は、増税分のみの価格転嫁を前提として、営業利益が前年比12%減の2700億円になるとしている。
 2007年3月期の国内たばこの販売計画は、前年比114億本減の1780億本。木村社長は「この本数は過去のモデルで、増税分だけを転嫁したもの」とした。それでも、「(この計画は)極力、維持したい。そうでなければ値上げをした意味がない」との認識を示した。さらに「前回(2003年7月)の増税による値上げでは、『セブンスター』はシェアを落とさなかった。今回は、規模の大きいトップブランドだ。少なくとも落ち込みをどれだけとめるか、パッケージを変えるなど商品の価値を高めることを含めて、検討している」という。
 値上げによる業績の押し上げ効果について、アナリストは300億円前後を予想しているが、木村社長は「少しでも今期の(12%の)減益を緩和する方向にいくよう努力する」とだけ語った。さらに「現実には、影響は数カ月かけて見極めることになる」としたうえで、中間期決算をめどに、値上げを織り込んだ業績予想を明らかにする意向を示した。


2006/ 6/28 たばこ泥棒の高校生ら7人を逮捕  (日刊スポーツ記事

 都立公園内の売店に侵入し、たばこ約400箱を盗んだとして警視庁少年事件課は28日までに、窃盗と建造物侵入の疑いで、東京都板橋区の都立高校2年の男子生徒(16)ら少年7人を逮捕した。
 「自分たちで山分けした」と容疑を認め、反省している様子だという。
 調べでは、生徒らは昨年10月9日未明、東京都板橋区桜川の都立城北中央公園内で、財団法人東京都公園協会が管理する売店にシャッターを壊して侵入し、たばこ435箱(約12万円相当)を盗むなどした疑い。
 4人が5月中旬に逮捕され、残る3人は「盗んだものは弁償するので被害届を取り下げてほしい」と訴えたが、約1カ月後に逮捕された。


2006/ 6/28 駆け込み需要で出荷量1.5倍=たばこ、来月1日値上げ  (時事通信記事)

 たばこが7月1日から1箱20円増税されるのを受け、日本たばこ産業(JT)など各社が一斉に値上げする。増税幅を上回って30円引き上げられる人気銘柄もあり、駆け込み需要でJTの今月の出荷量は例年の1.5倍を超えるのは確実な見通しだ。 30円値上げされるのは、JTのマイルドセブンやフィリップ・モリス・ジャパン(東京)のラーク、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン(同)のケントの一部など。増税幅を超える値上げは、成人しか購入できない自動販売機の投資負担が理由だが、販売数量の減少を補う狙いもあるとみられる。 一方、小売業界では値上げ前の今月を商機ととらえ、販促活動を展開している。イオンは食品売り場の特設コーナーで販売。この1週間のたばこの売上高は前年同期比で約2倍に達し、月末にはさらに伸びると見る。セブン-イレブン・ジャパンでは、店頭にたばこを積み上げて「買いだめ」を促している店舗もある。


2006/ 6/27 下校途中の男児、たばこの火近づけられる  (日刊スポーツ記事

 27日午後2時20分ごろ、静岡県富士市の路上で、男が同級生と2人で下校途中だった小学校2年の男児(7)のランドセルを引っ張り、火のついたたばこを頭に近づけるなどして逃げた。
 2人の男子児童にけがはなく、自分たちで交番に届けた。富士署は暴行事件として男の行方を追っている。
 調べでは、男は身長165~170センチ、65~70歳ぐらいで、黒い帽子をかぶり茶色の半袖シャツに黒っぽいズボン姿だった。現場は男児らの通う小学校から約50メートルの地点で、男は後方から「おーい」と声を掛けていきなりランドセルを引っ張ったという。


2006/ 6/27 ドイツマスコミスキャン~マイクロセンサス(3)ドイツ人の2人に1人が太りすぎ  (janjan記事

 ベルリン――連邦統計庁は6日、2005年のマイクロセンサス(小規模国勢調査)の結果を発表した。それによると国民のほぼ半数が太りすぎで、男性の58%,女性の42%が標準より体重の多すぎることが明らかになった。また喫煙率は男性が32%、女性が22%で、ほぼ4人に1人の割合で喫煙者がいることも判明した。
(略)
《喫煙習慣》
 喫煙習慣に関しては「喫煙による健康被害に対する度重なる警告にもかかわらず」(ヨハン・ハーレン連邦統計庁長官)、全体の喫煙率(15歳以上)は27%であり、2003年からほとんど変化していないという結果が出ている。男女別では上の記事にあるように男性が32%、女性が22%。「ほとんど変化していない」とハーレン長官は述べているが、もう少し長い目で見ると喫煙率は低下してきており、たとえば男性喫煙率は1995年(36%)と比べると4ポイントの減少となっている。【3】
 この数値には「日常的に吸う」と答えた人と「時々吸う」と答えた人の両方が含まれている。「日常的に吸う」に限るとそれぞれ喫煙率は28%と19%。日本と比べるとかなり低いように思われるのだが、この数値でもEUの水準からみるとまだまだ高いらしく、この調査の後も公共空間を全面禁煙にしようとする動きが活発である。【4】
 世代別では、20~24歳が38%(男性)と30%(女性)となっていて、煙草を日常的に吸う人の割合がもっとも高い。しかし、この年代以降は減少に転じて、特に50歳を越えると男女ともそれぞれ3割、2割以下にまで低下する。
 喫煙についてはマイクロセンサスほどの規模ではないが、日本にも統計がある。その中でよく取り上げられるのは厚生労働省の『国民栄養の現状』調査(平成16年度)と、JTの『全国喫煙者率調査』(平成17年)だが、これによると日本の喫煙率は男性がぞれぞれ43%、46%、女性が12%、14%となっている。女性はドイツと比べるとずっと低いが、逆に男性はかなり高い(途上国によく見られるタイプ)。【5】
 世代別でみても男性は20代が51%(52%)、30代が57%(55%)、40代が51%(54%)となっていて、ちょうど働き盛りの頃の喫煙率が常に50%を越えていることがわかる(かっこ内はJT調査の数値)。ドイツの喫煙率でさえEUから「好ましくない」と言われているくらいだから、日本がこのまま向こうへ行ったら大目玉を食らいそうな数値である。

【3】女性に関してはほとんど変化はなく、22%で推移している。
【4】たとえば以下の記事は調査結果発表後に書かれている。
Rauchverbot in oeffentlichen Gebaeuden?:(公共施設は全面禁煙か)
Deutschland soll Nichtraucher-freundlich werden:(「ドイツは非喫煙者にやさしい国になるべきだ」)
Deutschland beim Nichtraucherschutz "ganz hinten":(ドイツは非喫煙者保護に関しては最下位だ)
【5】日本の統計情報は以下の資料による。
成人喫煙率(厚生労働省国民栄養調査)
成人喫煙率(JT全国喫煙者率調査)


2006/ 6/27 禁煙・分煙推進へ認定制度普及策検討/香川  (四国新聞記事

 健やか香川21県民会議(会長・高原二郎香川大医学部名誉教授)はこのほど、香川県庁で禁煙・分煙認定小委員会を開き、二〇〇五年度に始まった県の禁煙・分煙施設認定制度の普及を図る方策を検討した。
 認定制度は、たばこを吸わない人の受動喫煙防止対策の一環。禁煙か完全分煙を講じている官民の施設に認定証を交付し、県のホームページで紹介する。
 会合では、制度初年度の認定状況について、認定した百八十五施設の多くが教育機関で、医療や福祉関連は十七施設にとどまったことなどを報告。県有施設のうち、二割以上で対策が認定基準に達していないという指摘もあった。
 現状を踏まえ、委員は「県が率先して対策を講じるべきだ」「医療機関に積極的な取り組みを促してはどうか」などと発言。県市町や医療機関に対して禁煙・分煙対策を進めるよう働きかけ、認定施設数の増加を目指すことを申し合わせた。
 このほか、本年度は施設からの認定申請を七―八月と十一―十二月の二回、受け付けることを決めた。


2006/ 6/26  心筋梗塞で若死にしない7ヵ条  (ゲンダイネット記事

「絶対やめろ」と「もっとやれ」を実行

 ラグビー元日本代表監督の宿沢広朗氏が急死した。三井住友銀行取締役専務執行役員としてバリバリ働いていた、55歳の屈強な元ラガーメンの命を奪ったのは心筋梗塞。改めてこの病気の怖さを思い知らされた人も多いはず。そこで、働き盛りのサラリーマンが心筋梗塞で若死にしないためには何をやっちゃダメで、何を積極的にやるべきなのか。榊原記念病院の伊東春樹副院長に聞いた。

 動脈硬化で冠動脈が詰まり、心臓に血液が届かなくなって心筋が壊死を起こすのが心筋梗塞だが、想像を超える厄介な病気なのだ。
「心筋梗塞が怖いのは、血管がまだ半分も詰まっていない状態から一気に完全閉塞して起こる発作が、全体の6割以上を占めること。その段階では、階段を上ると胸が苦しいなど事前の自覚症状はありません。患者の6割以上は、何の前触れもなく突然発作に襲われているのです」
 心筋梗塞の主な危険因子は、心臓病の家族歴、高血圧、肥満、高コレステロール血症、糖尿病、たばこ、運動不足の7つ。サラリーマンにとっては、身に覚えがあるものが多いはず。
「危険因子を取り除くための節制はもちろん必要ですが、発作の直接的な引き金となる行動を避けたり、発作を招かない予防行動を取ることも重要です」
 それは何かを、具体的に紹介しよう。
【×】…喫煙
 たばこは動脈内壁を傷つけて動脈硬化を促進するだけでなく、発作の引き金にもなる。
「たばこを吸うと交感神経が活発になり、血管が収縮して血圧が上昇します。また、血液の粘度も高まり血栓ができやすくなって、血管がつまってしまうのです」
 喫煙者の心筋梗塞の発症リスクは、非喫煙者の2倍。発作が心配なら即刻やめるべきだ。宿沢氏もヘビースモーカーだったという。
【×】…激務や過度の疲労・ストレス
「徹夜明けや睡眠不足が続く、仕事のストレスがたまる、といった状態の後に発作が起こるケースが多いのです」
【×】…脱水状態になる
 体の水分が不足すると、血液の粘度が高まり、血管が詰まりやすくなる。夜遅くまで仕事をし、翌日に炎天下でロクに水分も取らずゴルフをするなんてことは論外である。
「長時間のフライト中に酒を飲んで発作を起こすケースも多い。機内は湿度が十数%と低いうえ、飲酒による利尿作用で知らず知らずに脱水症状を起こしているのです」
【×】…軽い運動でムリをする
「発作を起こしやすいスポーツは、ゴルフが2位で、1位はハイキングです。ともに軽い運動ですが、少し苦しさを覚えても途中で引き返せず、連れもいるため、ついムリをしてしまうのです」
 宿沢さんも、家族連れも歩くような登山の途中で倒れた。「この程度の運動で……」と甘くみるのは厳禁だ。
【○】…定期的に有酸素運動をする
「1日30分~1時間の早歩きなど有酸素運動を行うと、血管の詰まりが進みにくくなり、改善するケースも見られます」
 危険因子の肥満や生活習慣病も改善できるので、一石二鳥だ。
【○】…少量のアスピリンを服用する
「アスピリンには、血小板の働きを抑え、血栓ができるのを防ぐ効果があります。市販品でも大丈夫ですが、常用することのリスクも伴うので、必ず医師に相談を」
【○】…歯周病を治療する
 意外だが、歯肉炎などの歯周病が動脈硬化の原因になるというのだ。
「歯周病があると、人間ドックの検査項目にもある炎症マーカー“CRP”が高くなります。この数値が高い状態が続くと、動脈硬化や心筋梗塞を起こしやすいことがわかっています。慢性的な歯周病があったら、早めに治療してください」


2006/ 6/26  しわの多い喫煙者は肺疾患のリスク大  (Dr赤ひげ.COM記事

 顔にしわの多い中高年喫煙者は、しわの少ない喫煙者に比べ、慢性閉塞性肺疾患(COPD)にかかる可能性が5倍であることがわかったという。英王立Devon & Exeter病院のBipen Patel博士によるこの研究は、医学誌「Thorax」オンライン版6月14日号に掲載された。
 COPDは、肺気腫や気管支炎を含む進行性の慢性肺疾患で、米国では約1,350万人が罹患し、世界保健機関(WHO)は2020年までにこの疾患が世界の死亡原因第3位になると予測している。喫煙がCOPDの主な危険因子であることがわかっており、喫煙者は皮膚の老化が早いことも知られていることから、Patel氏らは、COPDと皮膚のしわに対する共通の感受性が存在するとの仮説を立てた。
 研究グループは、COPD患者68例(45.6%)を含む中高年の喫煙者および元喫煙者149例のデータを分析。被験者の83%には顔のしわが全くないか、少ししかみられなかったが、17%には多くのしわがみられた。しわが少ない人に比べ、しわの多い人は、肺の強度および機能が有意に低かったという。また、しわの多い人は、COPDリスクがしわのない人の5倍で、さらに重度の肺気腫のリスクは3倍であった。
 米国肺協会(ALA)のNorman Edelman博士は、この結果について「生物学的に説得力がある」としつつも、「患者の教育には有用かもしれないが、肺疾患を検知するには簡単な呼吸検査をすれば十分で、しわを見る必要はない」と述べ、この研究から何らかの臨床的意義を導くことについては懐疑的な姿勢を示している。
 COPDとしわの関連性についての機序はわかっていないが、Patel氏らは遺伝的なものではないかと考えている。「肺および皮膚の弾性組織(コラーゲン、エラスチンなど)の損失によるものである可能性もあるが、裏付けは得られていない」とPatel氏はいう。Edelman氏は、この知見が患者に直接利益をもたらすというよりも、今後の研究を重ねる上で、肺でなく皮膚をモデルとして用いることができるなどの点で有用性が大きいだろうと述べている。


2006/ 6/26  米フィリップ・モリス、訴訟件数が過去10年で最低に  (日経ネット記事

 米たばこ大手のフィリップ・モリスUSAが健康被害などで訴えられている訴訟の件数が減少し、過去およそ10年間で最低になった。業績不透明感が弱まり、親会社の米食品・たばこ大手アルトリア・グループが計画する事業再編が進む可能性がある。
 米たばこ業界は1998年、喫煙の影響をどのように隠そうとしたかを示す膨大な企業内部文書の開示を義務づける基本和解合意(MSA)を46州と締結。その後の数年間に数多くの訴訟が起こされた。しかし、2003年に509件あった係争中の訴訟は05年末に268件まで減少した。97年には437件の新たな訴訟を起こされたが、今年これまでに起こされたのはわずか7件と激減した。
 訴訟の減少は、MSAでたばこの販売や広告に制限が課され、消費者側の弁護士が提訴を控えたことが一因だ。ブルックリン・ロースクールのアンソニー・セボック教授は「個人が健康被害を訴えることは法律的には有効だが、かつてなく魅力が薄い」と話す。フィリップ・モリスUSAはこれまで合計1549件の訴えを起こされたが、裁判まで進んだのは51%にすぎない。数十億ドルの賠償を求める訴訟もあったが、同社が支払った金額は敗訴した4件で合計1億300万ドルだった。
 傘下に同社のほか食品大手クラフトフーズなども抱えるアルトリアは、事業を2-3部門に減らすリストラを計画している。昨年12月には「ライト」の表示を巡るたばこ訴訟で勝訴したが、残る大型訴訟の行方がグループ全体の再編を大きく左右するとみられる。


2006/ 6/26  30日に札幌で受動喫煙シンポ 全国行脚のマークさんを迎え  (北海道新聞記事

 喫煙の悪影響を訴えながら全国を縦断中のオーストラリア人看護師、マーク・ギブンスさんを迎えての受動喫煙防止シンポジウムが三十日午後六時から、札学院大社会連携センター(札幌市中央区大通西六)で開かれる。
 ギブンスさんは愛知県在住。「禁煙は愛」ののぼりを掲げ、お遍路姿で四月十三日に鹿児島県佐多岬を出発。各地で講演しながら、徒歩で宗谷岬を目指している。
 札幌入りに合わせ、道内の喫煙対策実施飲食店の調査を行った札学院大の北田雅子助教授と、全国に先駆けて敷地内完全禁煙を実施している札幌社会保険総合病院が、シンポジウムを企画した。
 市内の小児科医や禁煙外来担当医、市民団体「非喫煙者を守る会」などが、札幌の受動喫煙防止対策の現状を話し合い、観光都市の魅力を高めるためにどんな取り組みが必要か考える。また、ギブンスさんが日本の受動喫煙対策について話す。
 無料。定員百人。希望者は当日会場へ。問い合わせは同大(電)011・386・8111内線3412へ。(寺町志保)


2006/ 6/25  遅ればせながら、公的場所等での喫煙非合法化への動き - ドイツ  (AFP通信記事

【ベルリン/ドイツ 25日 AFP】バーやレストランでの喫煙規制法案を成立させていなかったドイツは、エストニア、ポーランド、オーストリア、ギリシャとともに、欧州連合(EU)諸国の中で孤立していた。消費者保護・食品・農業相(Germany&apos;s Minister of Food, Agriculture and Consumer Protection)のホルスト・ ゼーホーファー(Horst Seehofer)氏は6月、公的建物、駅、空港並びに病院における喫煙非合法化を呼びかけた。写真はベルリンでカフェの禁煙席を知らせる「禁煙忠告」マークの前でタバコを吸う人の手(2004年2月25日撮影)。


2006/ 6/25  路上喫煙 過料2000円 名古屋4地区来月スタート  (読売新聞中部版記事

ソフトに説得 もれなく徴収 事前PR開始
繁華街では過料徴収のキャンペーンも始まった(24日、中村区で) 名古屋市内4か所の「路上禁煙地区」で7月1日、路上でたばこを吸った人に対し、過料2000円の徴収が始まる。市の指導員が喫煙を見つけたら、その場で徴収する方式で、市は「例外は認めない」と厳しい姿勢で臨む。警察官のような強制力はないが、違反者には粘り強く説明して、路上喫煙の根絶を目指す方針だ。スタートまで1週間と迫った24日、事前の街頭PRも始めた。
■例外はなし
 「知らなかったでは済まされない」。市は、路上喫煙を見つければ、市外の人や外国人も、もれなく過料を徴収する方針だ。
 相手が声を荒らげたり、無視したり、逃げ出そうとする事態も予想されるが、できる限り引き留めて説得し、逃げようとする人も危険がない限り、追いかける。違反者への説明は、「ソフトな態度で丁寧に」が合言葉。指導員は、すでに徴収手順や悪質違反者への対応について講習を受け、「なぜ自分だけ」という言い分には「見つけた人全員から徴収する」と答えるといった想定問答も確認済みだ。
■最初が肝心
 2人一組になって巡回する16人の指導員は全員が愛知県警OB。このほか、7月14日までは一般の市職員も連日約30人を動員し、監視や指導を集中させる。
 交通違反などとは違って、過料は原則、その場で支払ってもらうが、市職員をかたって過料をだまし取ろうとする偽指導員も現れかねないため、市では、写真付きの身分証明を身に付け、過料を支払った人には領収書を渡すことも徹底させる。
■事前周知に不安も
 市ではトラブルを減らすため、路上禁煙地区を知らせる看板(4か所で34枚)や路面表示(同974枚)のほか、街路灯に旗を掲げたり、企業を訪問したりと事前周知に奔走している。
 それでも、市外から初めて訪れた人など、気が付かないこともある。24日に名古屋へ旅行に来た神奈川県の男性(58)は、パトロール中の市職員に喫煙を注意され、「看板が少なすぎる」と不満を見せた。
 名古屋市環境局事業部の渡辺克彦主幹は「目的は金を徴収することではなく、二度と路上で吸わないようにしてもらうこと。できる限りの手段でアピールし、理解と協力を得たい」と話す。
 路上禁煙地区 名古屋市は2004年11月施行の「安心・安全で快適なまちづくりなごや条例」で名古屋、栄、金山、藤が丘の4駅周辺を指定し、路上喫煙を禁止した。しかし、施行後も地区内での吸い殻は多く、過料徴収に踏み切った。路上喫煙を条例などで禁止している自治体で、過料を徴収しているのは東京都千代田区、千葉県市川市、広島市など。


2006/ 6/23  外務省、タイへのたばこ持ち込みに再び注意喚起、スポット情報発出後も罰金者増える  (TRAVEL VISION 記事

 外務省は海外安全情報において、タイへの免税タバコの「持ち込み」、「所持」についての注意喚起を再度行っている。この中で免税規定量である1カートンを超えるタバコはタイに持ち込まない、空港施設内では、仮に一時的であっても、友人の免税タバコを含み、2カートンを預かるなど規定量以上のタバコを所持しないよう呼びかけている。
 海外法人安全課によると、1月19日付けスポット情報で注意喚起した後も多量の持ち込みが「増えている」という。これまで、同課が把握している限り、「持ち込んだカートン数により罰金額は異なるが、7万円から8万円の罰金を科された」事例も報告されている。外務省では日本旅行業協会(JATA)などを通じて、引き続き旅行会社から旅行者に広く伝えるよう申しいれている。
 なお、タイへの入国の際、規定量を超えるタバコを所持している場合、1カートンあたり約3555バーツ(約1万円)の罰金が科される。税関での検査のほか、空港施設内において抜き打ちに検査もする。この際は、必ず制服を着用し、必要があれば身分証明書を提示する。


2006/ 6/23  禁煙する値段は1箱500円 意識調査で過半数が回答  (共同通信記事)

 「禁煙しようと思うたばこ1箱の値段は500円以上」-。7月1日のたばこ値上げを前に、製薬会社ファイザーが実施した喫煙者の意識調査で、値上げ後も喫煙を続けると答えた人の過半数がこのように回答した。一方、今回の値上げ(20本当たり10-30円)で禁煙を考えている人も約35%に上った。
 調査は6月9、10両日、札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡の7都市に住む喫煙者各100人、計700人を対象にインターネットで実施した。
 「今回の値上げで禁煙しようと思う」と答えた人は243人(34・7%)。仙台、広島では40%を超えたが、東京、名古屋は29%で、大都市より地方都市の方が禁煙志向が強かった。


2006/ 6/23  「禁煙は愛」訴え、日本列島歩いて縦断  (北海道新聞記事

 【函館】「喫煙の危険性を多くの人に」と、遍路姿で日本列島を徒歩で縦断しているオーストラリア出身のマーク・ギブンスさん(43)=愛媛県在住=が二十二日、青森から函館に着いた。
 四月中旬に鹿児島県を出発。妻の黒木玲子さん(35)が車で伴走し、一日に四、五十キロも歩き続けている。七月上旬をめどにゴールの稚内・宗谷岬を目指す。
 母国で看護師として、喫煙の健康被害を見てきたギブンスさん。道内でも手に持つのぼりには、「禁煙は愛」の文字。


2006/ 6/23  禁煙治療の保険適用 一部病院で適用されず/石川  (朝日新聞石川県版記事)

 ◆「敷地内禁煙」条件重く◆
 たばこをやめたい喫煙者を、医師が支援する禁煙治療。4月から保険が適用されることになったが、禁煙外来を開く県内の一部の病院では、保険が使えない状態が続いている。保険適用の条件として、医療機関の敷地内禁煙が挙げられているからだ。(平松ゆう子)
 県立中央病院(金沢市鞍月東2丁目)は県内の病院ではいち早く、99年に禁煙外来を開設した。だが敷地内には、04年に「屋内禁煙」とした際に設けられた喫煙所があり、今も利用者が絶えない。保険診療を実施する条件を満たせないため、4月以降も、保険を使わない自由診療で患者を診ている。
 担当医師の西耕一さん(45)によると、「保険診療は受けられるか」との問い合わせは多く、保険診療を望む患者には、他の病院を紹介している。知らずに予約した患者の中には、保険診療ができないと告げると、帰る人もいるという。
 同病院総務課は「敷地内禁煙は他の病院の状況をみて検討する」と説明しているが、西さんは「国が敷地内禁煙を保険診療の条件にするのはおかしい。禁煙治療に携わる医師を増やさないためではないか」と憤る。
 保険適用を巡っては、厚生労働省の中央社会保険医療協議会で、賛否が分かれた経緯がある。同省保険局は、敷地内禁煙が条件となった経緯について、「議論がまとまらなかったので、条件を厳しく設定して、まずやってみることになった」と説明。そのうえで「敷地内禁煙に踏み切っているかどうかで禁煙に対する医療機関の姿勢が分かる」と付け加える。
 同じく敷地内禁煙となっていない志賀町立富来病院では保険診療の問い合わせがあった場合は「未定と知らせる」、同じく公立能登総合病院(七尾市)も「まだ適用になっていない」とそれぞれ説明することにしている。
 一方で、この条件がきっかけとなって、敷地内禁煙に踏み切る病院も出ている。4月からの加賀市民病院に続き、能美市立病院も今夏から敷地内禁煙を始める方向で検討している。
 <<禁煙治療の保険適用>>
 ニコチン依存症の患者を対象に、この4月から開始。6月からは治療薬のニコチンパッチにも適用されている。喫煙の指数が一定以上であること、3カ月に5回通院することなどが条件で、医療機関は禁煙が成功したかどうか、社会保険事務所に報告する義務がある。県や石川社会保険事務局によると、県内の57医療機関が禁煙外来を開いており、33機関がこれまでに保険診療が認められた。


2006/ 6/23  路上喫煙禁止条例案を提出=静岡市  (時事通信官庁速報)

 静岡市は、路上喫煙を禁止する区域を設け、違反者には過料を科す市路上喫煙による被害等の防止に関する条例案を6月定例市議会に提出した。可決されれば10月1日施行される。過料については市民に周知を図り、来年4月1日から実施する。 条例案は、目的について「快適な道路等の公共の空間の確保を図ることにより、健康的で安全・安心な生活環境を保持する」と規定。市民は「路上喫煙による被害等の防止について配慮しなければならない」とした。 禁止区域は、条例制定後、対象となる地域の市民や商店街関係者らから意見を聞いた上で決定する。条例案で5万円以下とされている過料については、当面、2000円程度にする方針。 路上喫煙の禁止をめぐっては、昨年の11月定例市議会で、たばこの煙によるぜんそく発作の経験がある当時中学1年の男子生徒が、歩きたばこ禁止条例制定に関する請願を行い、本会議で採択された経緯がある。


2006/ 6/22  女性の喫煙、男性よりも悪影響大、その対策は?  (ライブドアニュース記事

【PJニュース 06月22日】- 最近、女性の喫煙者が増えている。今や喫茶店の喫煙席で紫煙をくゆらす2~3割は女性だ。ひとり雑誌を読みながら、煙を吐き出す姿はまるで働く独身女性を象徴しているように見える。
 女性の喫煙者は20代を中心に増加傾向にある。厚生労働省の調べでは、男性の喫煙率が1965年の80%から2005年には約50%にまで下がっているのに対して、女性は15%前後の横ばい。しかし年代別に見てみると女性の20代・30代の喫煙率は最近では20%を越え、右肩上がりとなっている。それには女性の社会進出による自立の象徴だとか、ストレス解消のためだとか様々なことがささやかれている。だが、そんなことよりも女性の喫煙は多くの危険をはらむ。
 女性喫煙者は男性喫煙者よりも肺がんになりやすい。男女が同じ本数を吸った場合に女性の方が発がんの危険性が高いというのだ。また、ご承知の通り、喫煙は母体への影響だけでなく、胎児の発育にも影響を与える。喫煙者の赤ちゃんは、そうでない母親の赤ちゃんに比べ、低出生体重児となる頻度が約2倍となる。喫煙者は早産、自然流産、周産期死亡(妊娠28週以降の死産と、生後1週間以内の早期新生児死亡)の危険性が高くなってしまう傾向にある。さらに、妊婦だけでなく一般女性も子宮がんの危険もあり、男性よりも女性のほうに喫煙の悪影響が大きいのだ。
 そこで、健康被害が大きいにもかかわらず、女性の喫煙者が増えている現状に対して、厚生労働省の健康局総務課生活習慣病対策室に問い合わせてみた。「女性喫煙者が減っていないことは把握しています。現在は病院に来る妊婦や予防接種に来る親子などには、たばこに関する資料を渡して注意を呼びかけています。ただ今、増加傾向にある若い女性に対する予防対策は検討中であり、まだ具体的な対策はありません」。
 昨年11月から実施されたタバコ警告文の中にも、妊娠中の女性を警告するものばかりで、一般の女性に対するものはない。たばこの健康被害を考えるのならば、早急に働く女性に対する警告や予防策を考える必要がある。【了】
パブリック・ジャーナリスト 安田モモコ【東京都】


2006/ 6/22  禁煙反対 スイスのレストラン業界  (swissinfo記事

バーゼルのレストランが行ったアンケート調査の結果から、レストラン内での禁煙を顧客は望んでいないとスイス・ガストロ(GastroSuisse)協会は主張している。スイス・ガストロ協会はスイスのホテルおよびレストランの協会。連邦政府の全国的な禁止措置以外、協会が自主的に全面禁煙を敷くことはないという。
スイスと禁煙
 フランス語圏の日曜新聞ル・マタン・ディマンシュのインタビューに答えたスイス・ガストロ協会のフロリアン・ヒュウ会長は「レストラン内での喫煙を大変迷惑だと思うスイス人は、世間で言われているほど多くはない」と語った。
喫煙、禁煙ゾーンが望ましい
 バーゼルのレストランの要請でレストランでの禁煙についてドイツ語圏のスイスで聞いたところ、アンケートに答えた500人のうち41.2%が禁煙に賛成、42.5%が反対、16%が意見がないという結果が出た。4分の3の人が喫煙と禁煙のゾーンを設けることに賛成した。「分煙がよい」とヒュウ氏は言う。しかし、今回のアンケート調査と、連邦政府の発表は大きく異なる。連邦政府によれば、4分の3の人がレストラン内での喫煙を全面禁止にすることを望んでいるという結果が出ている。
 ヒュウ会長は禁煙に法的な措置が取られるようであれば、連邦全体を取り締まるものでなければ認めないと強気だ。現在提案されている法律をタバコに限った内容にして、猶予期間の延長、例外を認めず徹底するといったことであれば認めると言う。連邦議会では現在、全国的に取り締まる法律の設定が提案されている。
レストランに政府の座る場所は少ない
 5月29日に開催されたガストロ・スイスの州代表者会議でも、レストラン内での全面的な禁煙措置については反対が表明された。法的措置がなんとしてでも必要ということであれば、全国的な解決法を認めるが、喫煙者を相手に営業するレストランも認められるべきだという。
 ただしヒュウ会長は、法的措置がとられた場合、規則や禁止事項の「洪水」にレストランが悪い影響を受けるだろうと見る。「洪水」とヒュウ会長が指すのは、近年導入された飲酒運転禁止法、食材の原産地表示の義務など「経営者の自由を奪うもの」で、レストランの負担が大きくなっているためだ。「可能な限りレストラン内では、小さな政府が望ましい」とヒュウ氏はレストランの自主性を尊重したい姿勢だ。
禁煙レストランは増えている
 スイスの百貨店マノールは、世界保健機関(WHO)が1988年から定めている世界禁煙デーの5月31日以来、レストランを全面禁煙にした。顧客とも直接相談して決めたという。また、大手スーパーマーケットのミグロが経営する207カ所のレストランも同時期に禁煙となった。
 一方、大手スーパーのコープはこれまでどおり喫煙、禁煙ゾーンを分ける様式を続ける予定だ。現在のところ禁煙ゾーンは喫煙より2倍の広さを設けている。カール・ヴィスコップ広報担当は「禁煙か喫煙かはコープでも常に検討されている問題だ。換気扇の能力を上げるなどして対応する」と言う。
swissinfo、外電 佐藤夕美(さとうゆうみ)
【写真】スイスは喫煙者天国。レストランのたった12%しか禁煙ゾーンを設けていない (Keystone Archive)


2006/ 6/22  2007年よりバス停は禁煙に?  (カーセンサーラボ記事

 イギリスでは2007年より禁煙法が施行される。これは、オフィスやパブ、レストランなどの閉鎖された公共空間での喫煙が禁止されるものだ。
 しかしイギリス政府は現在、この禁煙法の適用範囲を閉鎖された空間だけでなく、バス停など人が多く集まるところにも拡大することを検討している。
 閉鎖されていなくても、人が集まるところならば喫煙の影響を被るということが適用範囲拡大の理由で、もしこれが施行されれば、イギリスはヨーロッパでもっとも禁煙法の適用が厳しい国になるという。
 この新しい規制の範囲は、バス停以外にもスポーツのスタジアム、オフィスビルの玄関なども含まれる。


2006/ 6/22  全車両 消える煙/新潟  (朝日新聞新潟県版記事)

 JR東日本はこのほど、来年3月のダイヤ改定で新幹線と在来線特急の全車両を禁煙にする方針を明らかにした。上越新幹線も対象で、同社新潟支社は、愛煙家への配慮として、来春までに長岡、越後湯沢両駅のホームに喫煙所を新設する計画を示している。
          ◇◆
 「困るよね」
 禁煙方針が発表された翌日の7日朝、新潟駅のホームで喫煙車の列に並んでいた会社員の男性(50)は苦笑いした。並ぶ列の長さは禁煙車の倍以上だった。
 ホームの喫煙所で一服していた会社員(33)は「途中駅で一時下車し、たばこを吸える喫煙タイムを設けてくれればいいのに」。新潟―東京の約2時間は「お菓子やジュースでごまかす」。
 同僚と一緒に並んでいた別の会社員(59)は「この機会にたばこをやめようかな」。
 一方、月2、3回、東京をはじめ、大阪や名古屋に出張するという会社員(51)は「今までは喫煙車があったから吸っていただけ。飛行機は以前から禁煙だし、全車禁煙は社会全体の流れ」と理解を示した。
 吸わない人にとっては大歓迎のこの方針。今後の愛煙家への対応を同支社に尋ねたところ、長岡、越後湯沢両駅のホームにも来春までに喫煙所を新設する計画だと説明した。「喫煙所で思う存分たばこを吸い、十分ため込んでから乗車してほしい」。担当者はそう話し、理解を求めている。


2006/ 6/22  たばこは大人になってから 高校生らが駅で呼び掛け 大宮区/埼玉  (埼玉新聞記事)

 県たばこ商業協同組合連合会(川口一三会長)はこのほど、大宮区の大宮駅周辺で未成年者喫煙防止キャンペーンを行った=写真。
 未成年者の喫煙が非行の入り口になっており、少年犯罪から未成年者を防ごうという思いから大規模なキャンペーンを実施。
 近隣の高校生三十五人と日本たばこ産業埼玉支店の社員など約百二十人が参加し、大宮駅を利用する人たちにメッセージ付きのティッシュを配布した。
 川口会長は「未成年者には絶対、たばこを売らない。未成年者と思われる場合、必ず年齢確認を行っていることを県民の皆さんに知ってもらいたい」と話していた。
 また、参加した高校生らは「頑張って配った。メッセージは確実につながったと思う」と充実した様子だった。


2006/ 6/21  タバコと税と…。値上げはとめられない!?  (ライブドアニュース記事

【PJニュース 06月21日】- 7月1日からタバコが値上がりする。JT、フィリップ・モリス・ジャパン、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパンの三社は、タバコ一箱あたり10円から30円の値上げを実施する。愛煙家の中には今のうちにカートン買いをして備えている人もいるのではないだろうか。今回の値上がりは増税分に加えて、未成年者対策としての成人識別ができる販売機への投資分が含まれるが、世のお父さんらにはつらい負担だ。
 タバコといえば税金。タバコを吸うこと、イコール、税金を吸うといっても過言ではないくらいだ。日本たばこ協会によると、昨年度の日本国内のタバコ販売数は2852億本、売上高は3兆9700億円だった。それに伴う税収は2兆4300億円に達した。改めてタバコ税の規模の大きさがわかる。今現在の価格で考えると、タバコ一箱270円にかかる税金はおよそ170円と、売値の6割分が国と地方に納められているのだ。一箱20本入りであるから、そのうち12本分が税金。そう考えると、残りの8本が愛おしく思える…。
 しかし、世界的に見ると、日本はまだまだ愛煙家にとっては優しい国なのだ。イギリスのTobacco Manufacturers' Association(TMA)によるヨーロッパ各国と米国でのタバコ一箱の値段は以下の通りである。1ユーロ=140円、1ドル=115円で計算、人気銘柄20種の平均とした。
 イギリスで707円、アイルランドで610円、フランスで480円、ドイツで430円、スウェーデンで409円、デンマークで400円、フィンランドで385円、米国で496円。
 先進国や社会保障が進んだ国では、軒並み日本より高い値段である。なかでもイギリスとフランスは最近、急激な値上げをしている。また、税率はおおよそ7~8割と、これまた日本よりも高い割合となっている。欧米での現状に引きずられるように、日本のタバコも更なる値上げは必至で、フィリップ社も「イギリスやフランスのように、急激な値上げはないにしろ、日本政府がこれから徐々に価格を上昇させ、それに伴い喫煙者数が減少していくのも仕方ない」と、タバコ需要の減少やタバコ業界の縮小を予想している。
 タバコ事業法には「・・・我が国たばこ産業の健全な発展を図り、もつて財政収入の安定的確保・・・」と一文がある。つまりタバコを吸って、たくさん税金を納めてくださいということだ。喫煙者の方は今回の値上げ、将来の負担増を考えて“節税”してみてはいかがだろうか。
パブリック・ジャーナリスト 織原 博【千葉県】


2006/ 6/21  静岡市議会 路上喫煙防止で条例案10月1日施行見通し  (中日新聞記事

 静岡市議会六月定例会が二十日開会し、「市路上喫煙による被害等の防止に関する条例案」、同条例の啓発費を含む二〇〇六年度一般会計六月補正予算案(約八億四千七百七十万円)など、計三十一議案が提案された。
 路上喫煙防止条例案は、喫煙による被害が予想される市街地など、指定地区での喫煙を禁止する条例。違反者には五万円以下の過料を科す罰則規定も設けている。禁止地区の指定は、条例制定後、市民団体や商店街などと協議して決める。
 七月十二日の本会議最終日に可決され、十月一日施行となる見通し。周知期間を置き、過料は来年四月一日に施行となる。
 同条例案をめぐっては、安東中二年の大石悠太君(13)が昨年の十一月定例会に「歩きたばこ禁止条例」の制定を求めて請願、市議会はこれを採択していた。
 六月定例会の会期は七月十二日までの二十三日間。総括質問は二十九、三十日と七月三日の三日間が予定されている。


2006/ 6/21  JR四国、特急列車を全席禁煙化へ  (四国新聞記事

 JR四国は二〇一一年度までに特急列車を全席禁煙にする。喫煙ルームをデッキに設置し、禁煙や分煙の徹底を望む利用者の声にこたえる。まず土讃線の「南風」のうち、子どもの乗客が多い「アンパンマン列車」の客室を八月までに禁煙にする。
 現在、四国管内では一日約百九十本の特急のうち、約二割が禁煙となっている。予讃線の「いしづち」には喫煙ルーム付きの車両を導入しているが、今後、南風や予讃線の「しおかぜ」などに使用する車両も順次改造し、客室の禁煙化を進めていく。
 185系の車両を使用する高徳線「うずしお」などは、デッキが狭く乗車時間も短いため、喫煙ルームを設けず、〇八年三月をめどに車内を完全禁煙化する。
 同社は「喫煙ルームを設置し、分煙を徹底することで、たばこを吸う乗客、吸わない乗客の双方に理解をいただきたい」としている。
 普通列車は一九九四年までに禁煙化した。JR各社では、JR北海道が今年三月から特急を全面禁煙化。JR東日本は東北・上越新幹線と在来特急を来春から禁煙にする。


2006/ 6/20  「生協の白石さん」に中止要請?  (JINビジネスニュース記事

 日本禁煙学会は、東京農工大の「生協の白石さん」を日本たばこ産業(JT)の「喫煙マナー向上キャンペーン」に協力させるのは国際条約違反だとして、同大学と同大学生協に広告への協力中止を要請した。こんな記事を2006年6月20日付けの毎日新聞が掲載した。
 JINビジネスニュースの取材に対してJTは、「事実は確認できない。新聞のレベルしか知らない」とコメント。毎日新聞によれば、日本禁煙学会の意見書は、JTの広告は「イメージアップを通じて、販売促進する営業活動」と指摘し、「たばこ規制枠組条約」に違反すると指摘しているという。JTは、仮にこのような事実があったとしても、「もともと喫煙マナー向上のためのもので販売促進のための広告ではない。(中止要請に)対応することはない」と答えた。
 今回の「生協の白石さん」が登場する広告では、大学生協を利用する学生ではなく、各界で活躍する有名人5人が、普段感じている「マナー」についての質問を生協の職員である白石さんにぶつけ、白石さんが答えるというもの。06年6月20日から22日まで首都圏、京阪神圏の交通広告に集中的に露出している。


2006/ 6/20  富士経済、一般用医薬品市場調査結果を発表 催眠鎮静剤、禁煙補助剤などが潜在需要を顕在化し市場を拡大  (日経プレスリリース記事

 総合マーケティングビジネスの(株)富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 代表取締役 阿部英雄03-3664-5811)は、このほど感冒関連用薬、泌尿器官用薬、歯科口腔用薬など一般用医薬品市場5分野22薬効の調査を実施した。その結果を調査報告書「一般用医薬品データブック 2006 No.2」にまとめた。
<調査結果の概要>
 感冒関連用薬は、総合感冒薬、解熱鎮痛剤を中心に1千3百億円を超える大きな市場を形成している。PPA配合製品の販売中止や暖冬により風邪やインフルエンザがあまり流行しなかったこと、鳥インフルエンザ報道により医療機関の利用が増えたことなどから、市場は減少推移となっている。2006年は、規模の大きい総合感冒薬、解熱鎮痛剤はやや持ち直しているものの、花粉飛散量の減少により鼻炎治療剤が大きく落ち込み、市場全体では微減とみられる。
(中略)
禁煙補助剤  2005年 46億円  2006年見込 47億円
 禁煙する人がイライラする/集中力が散漫になるなどの症状が起き、禁煙が中断することを防ぐために、ニコチン置換療法により禁煙の持続を補助する薬剤である。ニコチン置換療法は、喫煙習慣をニコチン依存と捉え、禁煙補助剤を使用してニコチンへの依存を段階的に改善し禁煙へ導く方法である。喫煙を巡る環境は、健康増進法施行やたばこの増税など厳しく、禁煙を決意する人が増えており、禁煙補助剤を利用する機会も多くなっている。一般用医薬品の禁煙補助剤市場は、武田薬品工業の「ニコレット」により市場が形成された。現在は、発売時の爆発的な売れ行きはないものの、堅調な推移となっている。
 禁煙を補助するものとしては、医療用医薬品の禁煙補助剤と、ガムや飴に食用の松葉や松ヤニ等を配合することで結果として喫煙の不快感を増幅させる食品もある。禁煙補助促進市場を構成する一般用医薬品、医療用医薬品、食品(ガム/飴)では、禁煙補助剤自体の認知が「ニコレット」の登場によって進んだこともあり、一般用医薬品がメインとなっている。「ニコレット」は、2004年の「ミントタイプ」、2005年の「12個タイプ(既存品)」「クールミントタイプ」の追加により、製品ラインナップを強化し、服用しやすく(噛みやすく)するなどの改善を図り、新規ユーザー獲得に注力している。
 現在、一般用医薬品の禁煙補助剤として認可されているのはガム製剤の「ニコレット」のみであるが、近い将来にはパッチ剤タイプの登場が期待され、医療用で「ニコチネルTTS」を販売しているノバルティスファーマや、商品化を表明した大正製薬とグラクソ・スミスクラインの参入が予想される。たばこ増税や各種の喫煙規制強化などもあり、今後も禁煙は拡大するとみられ、禁煙をサポートする一般用医薬品である禁煙補助剤は、将来的には200~300億円規模の市場に成長する可能性を秘めている。
(中略)
<調査方法>
 富士経済専門調査員による対象企業及び関連企業・団体などへの面接取材及び公的統計等による補完
<調査期間>
 2006年3月~2006年5月
以上
資料タイトル:「一般用医薬品データブック 2006 No.2」
体   裁 :A4判   209頁
価   格 :90,000円(税込み94,500円)
調査・編集 :富士経済 東京マーケティング本部 第二事業部
        TEL:03-3664-5831 (代) FAX:03-3661-9778
発 行 所 :株式会社 富士経済
        〒103-0001東京都中央区日本橋小伝馬町2-5 F・Kビル
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2006/ 6/20  34歳母が息子2人の喫煙黙認で書類送検…横須賀市  (サンスポ記事

 未成年の息子の喫煙は止めましょう-。神奈川県警横須賀署は19日、中学3年の長男(14)と中学1年の二男(13)の喫煙を放任していた同県三浦市の女性会社員(34)を、未成年者喫煙禁止法違反(親権者の喫煙不制止)の疑いで書類送検した。
 息子2人は中1、小6のころから日常的に自宅で喫煙。女性は「火を出さないように」と注意したものの、喫煙自体は黙認していた。
 同署は先月末、路上で高校生男子(15)らから現金を脅し取ろうとしたとして、長男を強要未遂の疑いで逮捕。自宅を調べると兄弟の部屋がたばこの吸い殻だらけだったため、女性から事情を聴いていた。
 「とても中学生の部屋とは思えない荒れ方だった。母親の監督能力不足が明らかなため立件した」と同署。女性は二男を産んでしばらく後に夫と離婚し、1人で育てていた。「最初は注意したが、直らなかった」と供述しているという。


2006/ 6/20  「禁煙は愛」─禁煙訴え徒歩で日本縦断 マーク・ギブンスさんが日医を表敬訪問  (日医ニュース記事

 お遍路姿で禁煙を訴え,徒歩で日本を縦断しているオーストラリア人のマーク・キブンスさん(四三歳)が五月二十九日,日医を表敬訪問した.
 母国では看護師として十二年間働き,一九九七年に愛媛県今治市の県立高校の英語補助教師として来日.九九年に再来日し同県小松町で英会話の個人塾を開いた.“防煙教育”の進んだオーストラリアに比べ,喫煙,受動喫煙の危険性があまり認識されていない日本の実態に驚いたという.
 たばこの害について一人でも多くの人に考えてもらいたいと,「禁煙は愛」と書いたのぼりを掲げ(写真),四月十三日に鹿児島県の佐多岬を出発.北海道の宗谷岬まで約三千キロメートルの道のりを八十八日間かけて歩く.これまでに,鹿児島,熊本,福岡,山口,広島,兵庫,大阪,神奈川などの各府県医師会を表敬訪問した.
 ギブンスさんは,「一般の人に喫煙の害に気付いてもらうきっかけとなることを望んでいる」と禁煙遍路の趣旨を説明.医師のひと言の重さを強調し,患者さんに積極的に禁煙指導してもらいたいと要請した.
 同席した内田健夫常任理事は,「日医としては,喫煙が及ぼす健康の害について啓発し,今後も禁煙推進活動に取り組んでいきたい」との姿勢を示した.


2006/ 6/19  禁煙学会:JTキャンペーン、白石さん登場に「待った!」  (毎日新聞記事

 東京農工大の「生協の白石さん」を日本たばこ産業(JT)の「喫煙マナー向上キャンペーン」に登場させるのは国際条約違反だとして、日本禁煙学会(作田学理事長)は19日、同大と同大生協にJTへの協力中止を求める意見書を送った。
 「白石さん」は同生協職員。利用者の「ひとことカード」へのユーモアあふれる回答が人気を呼び、昨年11月発売された単行本はベストセラーになった。キャンペーンは20~22日、首都圏や京阪神のJRや大手私鉄の中づり広告として実施。たばこやごみをめぐる質問に、「白石さん」が独特の表現で答えるスタイルになっている。
 意見書は「JTのイメージアップを通じて販売を促進する営業活動に他ならない」とし、たばこの広告・販売促進行為の禁止を締約国に求める「たばこ規制枠組み条約」に違反すると指摘した。
 作田理事長は「本当のマナーは禁煙して初めて分かるもの。たばこの広告に大学が利用されるのは情けない」と話す。
 同大生協によると、昨年10~11月、学内の喫煙マナーの悪さを指摘する「ひとことカード」が相次いで届いた。この話を聞きつけたJT側から協力要請があり、「啓発につながるなら」と快諾したという。


2006/ 6/19  中学生兄弟の喫煙放任、母親を書類送検 神奈川県警 ≪部屋はたばこの吸い殻だらけ…≫  (産経新聞記事

 神奈川県警横須賀署は19日、中学3年の長男(14)と中学1年の二男(13)の喫煙を放任していたとして、未成年者喫煙禁止法違反(親権者の喫煙不制止)の疑いで同県三浦市の母親(34)を書類送検した。
 調べでは、母親は昨年6月から今年5月までの間、長男と二男が自宅で常習的に喫煙しているのを知りながら、制止しなかった疑い。
 同署が5月末、高校1年男子(15)らから現金を脅し取ろうとしたなどとして、長男を強要未遂の疑いで逮捕。自宅を調べると、兄弟の部屋がたばこの吸い殻だらけだったため、母親から事情を聴いていた。母親は「注意したが直らなかった」と話しているという。


2006/ 6/19  八戸で50人が禁煙ウオーク  (東奥日報記事

 県タバコ問題懇談会は十八日、八戸市で禁煙ウオークを実施した。たばこの害をPRするとともに、路上喫煙禁止条例の制定を呼び掛けるのが目的。禁煙の重要性を訴えて日本縦断ウオークをしているオーストラリア人の看護師・英語教師マーク・ギブンズさん(愛媛県在住)も参加、禁煙を呼び掛けながら中心街を練り歩いた。
 ウオークは市公会堂前から出発。お遍路さんの白装束姿に身を包んだギブンズさんと、たばこの着ぐるみを着た懇談会事務局員や市民ら約五十人が「禁煙は愛。吸わないでください」と連呼しながら、路上喫煙禁止条例制定に向けた署名用紙の入ったティッシュを通行人に配ったり、吸い殻を拾ったりしていた。
 ウオークに先立って行われた世界禁煙デー記念講演会では、県内の喫煙活動と課題についてのシンポジウムを開いたほか、ギブンズさんが特別講演を行った。


2006/ 6/18  禁煙ラポルペ監督イライラドロー/D組  (日刊スポーツ記事

<1次リーグ:メキシコ0-0アンゴラ>◇16日◇D組◇ハノーバー
 禁煙のストレスに、勝負師のひらめきも半減? メキシコは決定力を欠き、アンゴラと0-0で引き分けた。名将ラポルペ監督も、FIFAの指示でベンチで大好きなたばこが吸えないからか、いらいらした表情を見せることが多かった。
 後半43分、ラポルペ監督のフラストレーションは、頂点に達した。主将のDFマルケスの強烈なミドルシュートを、アンゴラGKジョアン・リカルドが横っ跳びではじき出した。人知を超えた、神懸かり的なセーブ。名将も思わず両手で髪をかきむしった。
 「ゴールネットを揺らすのに必要な運を欠いていたようだ」。試合後、指揮官は残念そうに振り返った。イラン戦では、交代選手がことごとく点に絡んだ。だが今回は、試合の流れを変える采配は振るえず。初戦後、FIFAから「ベンチでの喫煙をやめるように」との書面を受け取った。禁煙のストレスもあってか、シュートを防がれるたびにベンチ内を歩き回った。明らかに集中を欠いた様子では、名案も浮かぶわけもない。0-0の引き分けで、1次リーグ突破は最終戦に持ち越された。だがその相手は、同組最強のポルトガル。いつも指揮官の周囲にたゆたっていた紫煙が、いつしか暗雲に変わろうとしている。


2006/ 6/18  広がる路上禁煙条例 6市が制定、熊谷市は議会提案  (中日新聞記事

 県内の自治体で、路上喫煙を禁じる条例を制定する動きが広がっている。これまでに川口市をはじめとして六市が条例を制定し、熊谷市も六月市議会で条例案を提案した。喫煙マナーの向上が目的の努力規定が多いが、志木市などでは罰則付きの厳しい条例。七月一日にたばこ税が増税されることもあり、愛煙家はますます肩身が狭くなりそうだ。 (高橋恒夫)
 電車や駅のホーム、学校や病院の官公庁など公共の場での禁煙が広がる中、東京都千代田区で二〇〇二年十月、全国で初めて路上禁煙条例が施行された。県内では川口市が昨年五月に初めて路上喫煙防止条例を施行した。所沢市は今年七月からの施行だ。
 県南の朝霞、志木、新座、和光の隣接四市では、広域で路上禁煙を進めようと、そろって三月議会で路上禁煙条例を可決。志木市で七月から施行する条例では、十月から違反者に一万円以下の罰金を科す。新座、朝霞、和光の三市でも十月から罰則付きの条例が施行される。
 県北では熊谷市が六月議会に路上喫煙・吸い殻散乱防止条例案を提出。罰則はなく、十月施行を目指している。条例案ではJR熊谷、篭原両駅周辺を禁煙地区に指定して路上喫煙を禁じるほかに、祭りなどのイベントの主催者に参加者の禁煙協力を求める条項が盛り込まれている。
 罰則規定はないが、条例の実効性を高めるため、今月熊谷駅北口の商店街に開所した駅前防犯センターの職員が巡回して指定場所での喫煙を訴える。
 同市の調査では両駅周辺の朝の通勤時間帯では、通行人九千五百二十五人のうち路上喫煙者は4・4%の四百十九人だったという。


2006/ 6/17  冷房ない飲食店でも禁煙=シンガポール  (newsclip.be記事

 シンガポール政府は、7月1日から冷房がない飲食店を対象に、事前に許可を受けた喫煙席以外における禁煙を実施する。ただし、環境局は禁煙実施に先立ち、喫煙席の設置申請を受け付け、これまでに1600件の申請があった。
 シンガポールでは1989年に冷房設備がある飲食店での禁煙が実施されている。今回の措置は冷房がないホーカーセンター(従来型のフードコート)、喫茶店などに対象を広げたものだ。禁煙規定に違反した場合は、200シンガポールドルの罰金が科される。


2006/ 6/17  喫煙率引き下げへ数値目標提案・厚労省が6年ぶり  (日経新聞記事

 厚生労働省は喫煙規制を強化するため、生活習慣病対策などを検討する専門部会に対し喫煙率を下げる数値目標を提案した。2000年に作成した国民の健康づくり計画「健康日本21」に10年後の目標喫煙率をいったん盛り込んだが、たばこ業界などからの反発で目標値設定を断念していた。目標の設定で、日本人の喫煙率低下を目指す。
 同省は「厚生科学審議会地域保険健康増進栄養部会」に対して、10年までの目標達成を目指した喫煙率として、実現性の高いものから低いものまで3案を提案した。


2006/ 6/16  JT工場跡地でPCB流出=熊本  (時事通信記事)

 日本たばこ産業(JT)は16日、同社熊本工場跡地(熊本市大江3丁目)の変電設備から、人体に有害な恐れのある化学物質ポリ塩化ビフェニール(PCB)が含まれる絶縁油650リットルが流出したと発表した。油の中のPCB濃度は約12ppm(ppmは百万分の1、体積比)、量は約9.4グラムという。  JTによると、PCBは慢性的に摂取すると人体に悪影響を及ぼす危険性があり、1974年に特定化学物質として製造、輸入が禁止された。工場は1993年に閉鎖されたが、7万4000平方メートルの跡地の一部はレストランや総合展示場として利用されている。JTはマットをかぶせるなどの緊急措置を実施、流出の原因を調べている。

※JTは2003年にもPCBを違法廃棄して、「二度とこのような事態が起きないよう万全を尽くしたい」とコメントしていた。 →2003/12/10  JT苫小牧営業所 PCBを違法廃棄(NHKニュース)


2006/ 6/15  <JT>生協の白石さんと連携、喫煙マナー向上キャンペーン  (毎日新聞記事)

 日本たばこ産業は15日、学生の質問に答える「ひとことカード」の「生協の白石さん」と連携した喫煙マナー向上キャンペーンをすると発表した。首都圏JRなどの中づりで、白石さんが喫煙マナーについて回答する。白石さんは東京農工大学生協の職員。「ひとことカード」のやり取りはベストセラー「生協の白石さん」にも。


2006/ 6/15  【海外行政事情】禁煙に国家戦略必要=米国立衛生研・諮問委  (時事通信記事)

 米国立衛生研究所(NIH)の諮問委員会「たばこ利用に関する最新科学会議」は14日、喫煙の抑制に向けた国家戦略を策定すべきだとの提言をまとめた。報告は効果的な対策として、増税によるたばこ価格の引き上げやマスメディアを使った禁煙啓蒙(けいもう)の強化を挙げている。 報告は、全米の喫煙人口4450万人のうち約70%が禁煙を望んでいるものの、成功するのは年5%に満たないと説明。このままでは2010年までに大人の喫煙率を12%以下にする目標は達成できないと警告し、「深刻な国家的問題」として取り組むよう求めた。 具体策としては、人種や性差を問わずたばこ単価の上昇が禁煙抑制に効果があることが証明されているとして、価格引き上げを提唱。さらに禁煙に関する電話相談やCMキャンペーン、ニコチン代用品治療や未成年への教育の重要性を訴えた。


2006/ 6/15 タバコは毒物の缶詰/健康教育で害を説明 喫煙教諭の体内測定も  (八重山毎日新聞記事

 黒島小中学校(鳩間真英校長)はこのほど、毎週木曜日に黒島診療所で診察に当たっている石垣市健康福祉センター所長で学校医の城所望医師を招き、健康講演会「スモークバスターズ21」を実施した。
 講演で城所医師は「タバコは毒物の缶詰」とし、人体に与える影響などを写真や図でわかりやすく説明した。
 また、今回は八重山地区の学校では初めての試みとして、南西医療器株式会社の協力で、教頭と島仲直教諭の体内の一酸化炭素濃度の測定を行った。その結果、喫煙者である島仲教諭の一酸化炭素濃度が高く、非喫煙者に比べて酸欠状態にあることがわかった上、その数値からヘビースモーカーの手前のミドルスモーカーと判定された。
 タバコの害や問題点を理解した児童・生徒には城所医師から一人ひとりにスモークバスターズ証が手渡された。小学5年生の前嵩西恒宜(まえたけにしつねのり)君は「タバコが原因で、足を切断したりした写真を見て、すいたくないと思った」とタバコを吸わないことを誓った。
 この講演会は島の住民にも公開で開催されたが、喫煙者はほとんど顔を出さなかった。


2006/ 6/15 ドイツ国内グランプリ、タバコ広告禁止へ 避けて通れない法律の壁  (F1-LIVE.com記事

 間もなく、ドイツは欧州内のタバコ広告禁止と歩調を合わせることになりそうだという。だが、この動きは、ドイツのホッケンハイムとニュルブルクリンクで毎年行われる恒例イベント、F1グランプリに影響を与えるだろう。
 欧州司法裁判所の顧問は、ドイツの抗議にもかかわらず、同国に法律から逃れる権利はないと発言した。
 ドイツ側は、メディアやテレビでタバコ銘柄のロゴの使用を禁じる法律を無効にすることを提案。だが、法務官のフィリップ・レジェーは欧州司法裁判所に対し、この提案を却下するよう進言している。
 通常の日程で進めば、法務官の助言が反映される欧州司法裁判所の判決は、2006年後半に下される予定だ。


2006/ 6/14 日高管内の女性、喫煙率アップ 保健福祉事務所「原因わからない」  (北海道新聞記事

 日高管内の成人女性の喫煙率が五年間で4・8ポイント上昇し、15・6%になったことが、日高保健福祉事務所が作成した「日高地域健康づくり行動指針」(ひだか健康21)の改訂版で明らかになった。全国的に禁煙が進んでいるだけに、「原因がわからない」と同事務所は首をかしげている。
 同指針は二○○一年三月に策定され、向こう十年間の健康目標を具体的な数値で定めている。改訂版は中間段階の達成度を評価し、必要に応じて計画を見直すためにつくられた。
 計画のもとになった一九九九年の成人男性の喫煙率は54・5%、女性は10・8%だった。この数値を引き下げるため、二○一○年の目標値を男性は46・8%以下、女性は10・0%以下と定めた。
 ○四年の中間数値は男性が51・3%に低下したが、女性は逆に15・6%にアップした。
 禁煙社会が定着しつつある中で、女性の上昇は謎。「若い女性が多いなど統計に偏りがあったわけでもない」と同事務所は理由を解明できないでいる。
 喫煙率が下がらなかったため、今回の改訂版では、女性の一○年の目標値を11・3%以下に上方修正した。
 今後は《1》子どもを中心とした健康教育を推進する《2》禁煙を望む人に禁煙プログラムを受けられるようにする-など、取り組みを強化する方針だ。


2006/ 6/13 「男38%、女10%以下に」 厚労省、喫煙率下げ目標  (朝日新聞記事

 喫煙率引き下げに向けて厚生労働省は13日、健康政策などを話し合う厚生科学審議会の専門部会に、2010年までに喫煙率を高くても男性38.4%、女性10.2%に抑えるなど3通りの数値目標を提案した。たばこと関係が深い生活習慣病などを予防し、医療費を減らすのが狙いで、見直し作業をしている国民の健康作り計画「健康日本21」に何らかの目標を盛り込みたい考え。ただ、数値目標は過去にもたばこ業界などの反発で見送られた経緯があり、議論の行方は不透明だ。
 04年の国民健康・栄養調査では、成人喫煙率は男性43.3%、女性12.0%。同省は、たばこ依存症の人の実態調査なども参考に、実現性の高いものから低いものまで3段階の目標を提案した。
 実現性が高いのは、たばこ依存症の人を除くすべての禁煙希望者が禁煙したケースで、男性38.4%、女性10.2%に抑えられるという。また、たばこ依存症の人も含めて禁煙ができれば、男性32.6%、女性8.1%まで下がるとしている。
 最も厳しいのは男性26.4%、女性5.8%。この目標は、97年の成人喫煙率を半減させようと、00年に健康日本21を作成した際にも提案され、見送りになった。この数値について厚労省は「たばこの価格引き上げなど徹底した見直しが必要で、実現は極めて難しい」という。
 同省は、実現可能性も加味した3段階の提案をすることで、数値目標の設定に理解を求めたい考えだ。
 ただ、たばこ業界や自民党内には「たばこは大人の嗜好(しこう)品だ」として、喫煙者を減らすための数値目標そのものに反対する意見が根強くあり、調整のめどは立っていない。
 同省によると、喫煙率をめぐっては韓国が10年までに男性30%、女性5%とする目標を掲げているほか、米国や英国、フランスも数値目標を設定。日本は成人男性の喫煙率が先進国の中では最も高いとしている。


2006/ 6/13 メキシコ監督の試合での喫煙調査と、W杯でFIFA  (CNN記事

ベルリン――国際サッカー連盟(FIFA)は12日、ワールドカップ(W杯)ドイツ大会でメキシコのリカルド・ラボルペ監督が、イランを3─1で下した11日の試合で、ベンチ内で「喫煙」していた疑いがあるとして、調べていることを明らかにした。
 FIFAは、ピッチ上やベンチ内での禁煙を推進している。事実と判明した場合、文書を同監督に送り、注意を促すとしている。「選手や監督は(禁煙の)モデルであるべきだ」と主張している。
 メキシコ・チームの関係者は、喫煙は個人的な問題としながら、過去に同監督と喫煙について話し合ったことがあると指摘。試合でのたばこは止めた方が良いが、「彼の判断次第」との考えも示した。


2006/ 6/13 8割「禁煙にしてよかった」 「空気もおいしいお店」調査 札学院大助教授  (北海道新聞記事

 飲食店での禁煙・分煙を進める道の認定事業「空気もおいしいお店」で、喫煙対策を実施する店を対象に今年2月に行ったアンケート調査の結果がこのほどまとまり、「禁煙・分煙にしてよかった」と答えた店主が8割に上ることが分かった。
 道は2002年末から、完全分煙・全面禁煙の飲食店を「空気もおいしいお店」として登録。現在、独自の認定制度がある札幌を除く全道397店をサイトで公開している。今回のアンケートは札幌学院大総合教育センターの北田雅子助教授(健康教育)らが行い、256店から回答を得た。
 これによると全面禁煙は213店、完全分煙は29店で、内訳は宿泊施設(18.4%)、喫茶店(15.2%)、レストラン・食堂(各12.3%)など。
 対策に踏み切った理由(複数回答)は、半数が「料理の味や香りを大事にしたい」。自由回答では「店主が病気になった」などが目立ち、繁盛店ほど受動喫煙に苦しむ姿が浮き彫りになった。
 禁煙店拡大の壁となる「客離れ」については、3割が禁煙による影響を認めた。「時間分煙、喫煙席の設定、灰皿の撤去と、段階を踏んで禁煙に踏み切るべき」とする店主もいた。
 「店の評判アップにつながった」とする回答も5割を占めた。3割が「子連れや女性客が増えた」と答え、「客の回転が速くなった」とするラーメン店や、「禁煙の進む本州の客が増えた」とするペンションも。総合的に「対策をとってよかった」とする回答は83%に上った。
 一方で、制度のPR不足を指摘する声も7割を超えた。北田助教授は「飲食店の分煙・禁煙は北海道の魅力アップになる。PRを進め、情報を発信すべき」と話している。
 札幌は独自の認定制度に基づき、道とは別に飲食店や病院、薬局など174施設について公表している。北田助教授は民間団体のまとめたガイドなどを参考に、札幌分についてもアンケートを行いたい考えだ。


2006/ 6/13 大分市ポイ捨て禁止条例  (テレビ大分ニュース

 大分市は平成18年7月の施行目指してたばこや空き缶のポイ捨て歩きたばこなどを規制する条例を制定する方針です。これについて市民からの意見募集を6日から始めました。
 日本一きれいなまちづくりを目指している大分市では、平成17年8月に行われた全市いっせいゴミ拾い大作戦で参加人数がギネス記録を更新するなど市民の環境美化に対する関心も高まっています。しかし、たばこの吸殻や空き缶のポイ捨ては後を絶たず市民からも意見が寄せられるようになり、市では、条例を制定することにしました。条例はゴミのポイ捨てや道路などでの歩きたばこを禁じ、ペットの糞などの回収を義務付けるものになっています。違反した場合2000円程度徴収されるようになり市では大分駅前中心部を禁止強化区域としてパトロールを行うことにしています。こうした罰則つきの条例は東京都の千代田区や、北海道の札幌市などですでに施行されています。このうち平成17年8月に施行された札幌市では罰則が設けられた10月以降歩きたばこが9割近く路上に捨てられたゴミの数も8割近く減少したということです。大分市では、3月7日まで条例に関する市民の意見をメールや郵送などで募集しています。そしてその意見を考慮して条例案をまとめ6月議会に提案し可決されれば7月から施行されることになっています。なお罰則については周知期間後の平成19年1月からの適用となっています。


2006/ 6/13 喫煙:マナー守ってネ 高知女子大や高知学芸高生ら、商店街でパレード /高知  (毎日新聞高知県版記事)

 高知市中心部の商店街で、毎週日曜日に清掃を続けている高知女子大のボランティアグループ「エスコーターズ」の18人が11日、歩きたばこやポイ捨て防止を呼びかけるパレードをした。
 エスコーターズは、同市の「初夏のまちを美しくする運動」に合わせ、毎年この時期にパレードを開催。今年は「歩きたばこ防止」に重点を置いた。
 パレードに先立ちメンバーらは、帯屋町パラソーレ(同市帯屋町1)前でセレモニーを開き、手作り紙芝居を上演。歩きたばこをする際、たばこの位置は地上から1メートル前後で、子どもの顔の近くになると説明し、「700度の火を持って、人とすれ違うことの危険性を考えて」と訴えた。
 その後、高知学芸高(同市槙山町)のマーチングバンドや子育てサークルのメンバーらも加わり、総勢約60人で出発。軽快な行進曲が演奏される中、参加者らはエスコーターズオリジナルの携帯灰皿や、同市中心部の灰皿が設置されている場所を示す地図などを配布しながら、同市の中心商店街を練り歩いた。


2006/ 6/12 FIFAがメキシコ監督の喫煙に待った!  (日刊スポーツ記事

 国際サッカー連盟(FIFA)は12日、メキシコのラボルペ監督に対し、試合中の喫煙を控えるように書面で注意することを明らかにした。
 11日のイラン戦の試合中に、ラボルペ監督がピッチ横で喫煙している場面がテレビ映像に映った。規則には抵触していないが、FIFAは試合中には、たばこを吸わないように全チームの監督に要請している。


2006/ 6/12 北京五輪開催中、公共の場所は禁煙 中国衛生省  (朝日新聞記事

 08年の北京五輪をたばこの煙のない「無煙オリンピック」にしようと、中国衛生省は、同市内の公共の場所での喫煙を五輪開催中禁じる方針を決めた。
 同省によると、市民の禁煙意識を高めようと、子どもが出入りする施設や医療機関での禁煙も07年末までに徹底されるという。
 同省がまとめた喫煙状況の報告書によると、中国の02年の喫煙者は約3億5000万人で、世界の喫煙人口の3分の1を占める「喫煙大国」。喫煙に関係した疾病で亡くなる人は年間約100万人で、2050年には300万人に増える見通しだ。喫煙の若年化も深刻。喫煙を始める平均年齢は84年に22.4歳だったが、02年には19.7歳に低下した。


2006/ 6/12 糖尿病や喫煙が下肢動脈疾患の危険因子  (Dr赤ひげ.COM記事

 米国で推定800万~1200万人いるという末梢動脈疾患(PAD)は、末梢動脈が閉塞する疾患で、同じことが心血管で起これば心臓発作などの原因となる。PADでは、閉塞が脚(下肢)の大血管に生じる場合と、小血管に生じる場合があるが、この2種類には決定的な違いがあり、それぞれ異なる危険因子(リスクファクター)があるということが医学誌「Circulation」5月30日号で報告された。
 2種類のPADはそれぞれ症状が異なり、大血管に生じた場合、股関節部、大腿部、ふくらはぎに数分で治まる有痛性のけいれんが起こることが多い。小血管の場合は、冷感があり、創傷の回復が遅くなるほか、重篤な症例では切断を要することもある。
 米カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)医学部教授Michael H. Criqui博士およびフランス、Dupuytren大学病院のVictor Aboyans博士らは、大血管PADの男女403人と小血管PAD患者290人について、研究開始時とその4.6年後に、腕、足首、足の指の血圧をそれぞれ測定し比較した。PADの指標は、足首の血圧が腕の血圧の90%以下、足の指の血圧が腕の70%以下であること。この低下率と、糖尿病、高血圧、喫煙、コレステロール値などこれまでに知られているPADのさまざまな危険因子とが合わせて検討された。
 その結果、小血管PADについては、有意な危険因子は糖尿病のみであることがわかった。大血管PADの最も有意な危険因子は喫煙で、喫煙者は非喫煙者に比べ大幅に悪化する率が3.2倍高かった。高コレステロールも重要な指標となるという。大量の飲酒(週21杯以上)および高血圧については明確な指標とはならなかった。
 Aboyans氏によると、「最も意外だったのは、大血管PADの進行に糖尿病が無関係であったこと」だという。Criqui氏は、特に糖尿病のある患者については足首と足の指の両方の血圧を測定することが重要だと指摘している。また、今回の結果は、抗凝固薬およびコレステロール低下薬スタチンによる治療を推奨する現行のPAD治療ガイドラインを支持するものであり、このほかアスピリンのような抗血小板薬も有効だとCriqui氏は述べている。
HealthDay News 5月30日


2006/ 6/12 おおいた評論:本日から禁煙 /大分  (毎日新聞大分県版記事)

 前々回の当欄「『禁煙車』異論」に抗議のメールがどっと来た。お医者さんが多い。タバコの害に余りにも無知――と。何でもかんでもルールで規制するのはいかがかと言いたかったのだが。以下はお叱(しか)りの内容と弁明。
 「窓を開けたくらいでタクシーのタバコのにおいは消えない。染みついた有害物質が揮発して非喫煙者をむしばむ」。認識不足でした。喫煙車と禁煙車に分け客に選ばせたらとも思いましたが、4年前にできた健康増進法は公共の場での禁煙を明記、よって記事は「法律違反」とのご指摘も。犯罪者にはなりたくない。ご教示ありがとうございました。
 「紫煙は7メートル届く」。勉強不足でした。ご迷惑をかけぬよう本日から禁煙。巻き尺を携行し我慢できなくなったら半径7メートルの円を描き中に誰もいないことを確かめます。ありがとうございました。
 「子供にタバコのない世界を」。私も子供のいる場では吸いません。忌野清志郎さんに「タバコと絵の具のにおいの」「ボクの好きなセンセー」という歌がありますが、教育者ともあろう者が揮発した有害物質を子供にかがせるなど言語道断。もう歌いません。ありがとうございました。
 「知的なのはエド・マローの紫煙ではなく知性」。マローの死因は肺がんでしたね。マローには禁煙アメをなめて百年も二百年も生きてほしかった。しかし映画「グッドナイト&グッドラック」の役者たちの吸いっぷりの粋なこと。子供がまねたらどうする。非喫煙者の役者の健康は。ジョージ・クルーニー監督に抗議します。ありがとうございました。
 「1分1秒でも他人の吸う空気を汚す権利はない」。同感です。同様に車の排ガスや子孫に放射性廃棄物を残す原発にも反対しませんか。私はマイカーをやめ自転車を愛用、クーラーは使わず、うちわでしのいでます。
 「こんなモラルも常識もない人が支局長とは」。慎みます。今後もご愛読、ご指導下さい。抗議の大半は県外から。ネットで目にとめて頂いたらしい。ありがたいことですができればご購読を。健全な記事も満載して朝夕刊で月3925円です。
 「支局ではさぞ周囲の嫌煙家に嫌われているのでは」。ご明察。ヘビースモーカーの同僚までが「あんな事書いたら、そら抗議きまっせ。自業自得。2ちゃんねるものぞいてみなはれ。罵詈(ばり)雑言や」
 あー、健康に悪い。<大分支局長・藤井和人>


2006/ 6/12 たばこの害 知ろう 日本縦断中 マークさん 養護学校で講演 久喜/埼玉  (埼玉新聞記事

 タバコの害を訴え、日本を縦断中の禁煙運動家、マーク・ギブンスさん(イギリス出身)がこのほど、久喜市の県立久喜養護学校(北村晃三校長)に立ち寄り、生徒たちにタバコの怖さについて語った。
 看護師をしていたマークさんは、多くの喫煙患者と出会い、また喫煙者だった父親が病に倒れ、身をもってタバコの怖さに触れた。
 一九九七年に外国語指導助手として来日。その後、日本の喫煙マナーの悪さを知り、禁煙運動を始めるようになった。
 マークさんは四月に鹿児島県佐多岬を発ち、北海道宗谷岬まで歩いて目指している。白装束のお遍路姿で、手には「禁煙は愛」ののぼり旗。
 久喜養護学校の高等部二年生が、健康について学習中だったことなどから、道中、講師を務めることとなった。
 生徒や教員を前に、マークさんは「日本は食べ物もおいしく、人は親切だ。でも、隣に妊婦がいても平気でタバコを吸う人がいる。タバコの害について知らない人があまりに多すぎる」などと熱心に語った。
【写真】禁煙への思いを語るマークさん=久喜市上清久の県立久喜養護学校


2006/ 6/11 禁煙指導は吸う人の身になって 厚労省、映像で指導例  (朝日新聞記事

 たばこを吸う人の身になって、禁煙の一方的な押しつけはダメ――。禁煙指導をする保健師、栄養士らのために、厚生労働省が実践的な「禁煙支援マニュアル」(CD―ROM付き)を作った。映像で具体的な指導例を解説し、クイズ形式で基礎知識も学べる。今月中に各都道府県に5000部を配布し、家庭でも参考にしてもらおうと、ダイジェスト版を同省のホームページに掲載する。
 厚労省の03年の調査によると、日本の成人男性の喫煙率は46.8%で、先進国で最も高い。国は今年4月から禁煙治療を保険適用にするなど対策に力を入れているが、禁煙指導は指導者の力量によっても効果に差が出るため、統一したマニュアルを製作した。
 教材本とCD―ROMのセットで、パソコンで自己学習できるのが特徴。禁煙する気がまったくない「無関心期」、いつか禁煙したいと思っている「関心期」、今すぐしたい「準備期」の3パターンに分け、それぞれ指導の良い例と悪い例を映像で比較している。
 「禁煙を前面に出すとかえって反発を招く」「健康に悪影響を及ぼすデータを並べても逆効果」など、実践的なアドバイスを盛り込んだほか、喫煙と健康の関係などについての講義やクイズ集も収録している。
 監修した大阪府立健康科学センターの中村正和・健康生活推進部長は「禁煙指導は知識の押しつけになりがちで、相談者を怒らせてしまうケースも少なくない。マニュアルで練習すれば、カウンセリングの技術は向上するはず」と期待している。


2006/ 6/10 歩きたばこ禁止 岡山市が条例検討 その場で過料 07年度施行目指す  (山陽新聞記事

 岡山市の高谷茂男市長は9日、路上喫煙や吸い殻のポイ捨てにその場で過料を科す「歩きたばこ禁止条例」を導入する意向を明らかにした。現行の市環境美化条例を改正して対応、早ければ2007年度の施行を目指す。同種の条例は中四国地方では広島市が施行している。
 高谷市長は、同日開会した6月定例市議会の提案理由説明で「より実効性の高まる罰則の厳格化を含めた見直しも必要」と述べた。
 市は1996年に市環境美化条例を施行。たばこの吸い殻や空き缶などごみのポイ捨てを禁じ、違反者には2万円以下の罰則規定を盛り込んでいる。しかし、刑事罰のため徴収には告訴・告発が必要。適用例は1件もなく、中心部などの道路や公園にはポイ捨てが絶えない状況が続いている。
 市が目指す罰則付きの「歩きたばこ禁止条例」は、環境美化面だけでなく、火災や通りすがりのやけど被害を防ぐ観点から制定する自治体が増え、東京都千代田区、広島市、札幌市など20を超える。違反者には1000―2000円程度の過料を徴収しており、千代田区(条例施行02年10月)はこれまでに約2万1000件、広島市(同03年10月)は677件の過料を科し、吸い殻の定点調査ではそれぞれ97%、76%減ったという。


2006/ 6/ 9 口臭に効く?娘の一言=歯科にかかるお父さん急増-111組アンケート  (時事通信記事)

 「お父さん、口臭い」。娘に指摘されると、虫歯や歯周病の治療をする人が急増し、歯磨きなど口内ケアにも積極的になることが、「お父さんのオーラルケア」をテーマにライオンが実施したアンケート調査で分かった。娘の一言の力はやはり偉大なようだ。 調査は、首都圏の15-25歳の娘を持つ父親とその娘を対象に郵送で実施、111組から有効回答を得た。 父親の口臭が気になる娘は約4割。父親自身は約6割が気にしていた。 娘が考える主な原因は「お酒」(68%)「たばこ」(60%)。父親は「年齢のせい」(63%)が多かった。 父親の対応策は「ガムをかむ」(49%)「食後歯を磨く」(35%)「食後つまようじできれいにする」「ミント系の菓子を食べる」(各20%)が多く、「虫歯や歯周病の治療」は1.5%だけ。 しかし、半数以上の父親が娘から口臭を指摘されたことがあり、その結果、「よく歯を磨くようになった」(37%)「食後つまようじできれいに」(26%)などと行動に変化も。「虫歯や歯周病の治療」も22%に上った。
「失礼な」と娘をしかった強気のお父さんも7.4%いた。 東京医科歯科大の真木吉信教授は「この年代は80%以上が歯周病というデータがあり、『病的な口臭』の疑いがある。指摘されなくても積極的に歯科医院に行ってほしい」としている。


2006/ 6/ 9 洛書き帳:4月1日、禁煙治療が保険適用された… /京都  (毎日新聞京都府版記事)

 4月1日、禁煙治療が保険適用された。対して喫煙者からの反論を聞いた。「我々は病人じゃない」「医療費の無駄遣い」等々。そこには根深い誤解と見当違いがある▼たばこの怖さは強い中毒性と病原性(病気を起こす性質)を併せ持つことだ。母親の吸い殻を興味本位で手にし、3本目で止まらなくなった8歳の女の子の話を聞いた。何度叱(しか)られても、泣きながら吸う。ニコチンが脳を中毒に陥れているから。「好きだから」ではない▼車の排ガスにこんな作用はない。「健康なぞいらん」と吸う自由はある。しかし健康でいたいのに、意図せず病気になろうとしている人には、救いが必要だ。それは医療の最低限の責任でもある。


2006/ 6/ 8 【意見募集】喫煙者と非喫煙者 共存は可能? シングルイシューの意見募集  (ライブドアニュース記事

 きょう8日のシングルイシューのテーマは、“JR東日本は2007年春から、新幹線と在来線特急の車内を全面禁煙にすると発表しました。一方、これを受けて、日本たばこ産業(JT)は「たばこを吸う人と吸わない人が共存できる社会の実現」を訴えるコメントを発表しました。あなたは、「たばこを吸う人と吸わない人が共存できる社会の実現」は可能だと思いますか?”です。「思う」「思わない」の投票と、ご意見を投稿してください。(投票・投稿はこちらから! 締切は9日午後3時です)


2006/ 6/ 8 「アカンずきんちゃん」で路上喫煙防止を啓発=今秋にも条例で規制-大阪市  (時事通信記事)

 路上喫煙防止条例の制定を目指す大阪市は8日、市民への啓発用キャラクターを決定したと発表した。披露されたキャラクターは「アカンずきん」ちゃん。今後は繁華街での街頭キャンペーンなどで活躍する。
 同市は今秋にも路上喫煙防止条例を市議会に提出する方針。同日会見した関淳一市長は「(喫煙マナー向上には)市民の協力と理解が必要。アカンずきんちゃんでキャンペーンをして、市民の意見を聞きながら、条例の制定に向けて取り組みたい」と意欲を示した。


2006/ 6/ 8 【書評】『現代たばこ戦争』、伊佐山芳郎著  (ライブドアニュース記事

【PJニュース 06月08日】- 5月11日、大人の嗜好品に大きな波が押し寄せた。タバコ税の引き上げで、JTの紙巻タバコと刻みタバコの合計116種類の値上げが、7月1日から開始されることになったからだ。スコットランドでは今年の3月26日から公共の場での全面禁煙が決定、来年からヨーロッパを中心に禁煙法が広がっていく気配である。
 日本では市区町村単位で、路上禁煙条例が施行されているが、その条例のあるなしにかかわらず、路上を見ればまだまだ吸い殻がたくさん落ちている。しかも、吸い殻ポイ捨ての科料は2000円ほどで、罪の意識も生まれないのかもしれない。イギリスでは約1万円の罰金が科せられるそうだ。
 さて、この著書は99年に出版されたもので、中にある情報こそすこし古びてしまったが、現在の日本でまだまだ主張されるべきことが書かれている。はんらんするたばこの自動販売機問題、たばこ広告の問題、たばこのパッケージにある健康に関する表記問題。どれをとってもうなずける。
 たばこの害毒への不正確な知識、若年化する喫煙者層、喫煙者数の増加。タバコに関する深刻な問題を著者は一つ一つ取り上げる。また、日本のタバコ価格にも疑問を呈する。今回の税引き上げでも、諸外国のタバコの値段と比べれば、まだまだ安い。たとえばマルボロ一箱の値段を見てもイギリスで673円、オーストラリアで596円(1988年時点)と相当高価だという。タバコの値段が高くなれば、未成年の喫煙は減少することも考えられる。
 「全面禁煙」の波が日本に届く前に、禁煙の波に乗ってみるのはどうだろうか。
■関連情報
ライブドア・ブックス:伊佐山芳郎著『現代たばこ戦争』岩波新書


2006/ 6/ 8 今晩の話題 「たばこの煙」  (沖縄タイムス記事

 六月の花嫁は幸せになれるという。だからでもないだろうがこの時期、会合などでホテルに行くと宴会場はどこも結婚披露宴で盛況だ。幸せそうなカップルに廊下で出会うと、見ているこっちもうれしくなる。ただ宴会場でいただけないのは、宴もたけなわのころ廊下を歩くと、喫煙者であふれ返っていることだ。目も開けられないほどの煙が滞留していることもある。
 世界禁煙デーの五月三十一日夕刊・ダーヴァ掲示板に、「結婚式場内は禁煙にできるか」という質問があった。「それは無理でしょう」。とっさにそう思ったのは、これまで結婚披露宴の席が禁煙になっているのを見たことがなかったからだ。
 案の定、問い合わせた県内十カ所すべてが喫煙可。打ち合わせ次第で禁煙にできる所は八カ所だった。禁煙の場合でも、しばりは会場内だけ。我慢できない人は廊下やロビーでスパスパと相成る。
 県が受動喫煙を防ごうと、認定制度を全県で実施するという。朗報だ。これを機に、人の集まる施設の多くが「敷地内完全」とは言わないまでも、「施設内完全」禁煙になってくれるといい。そうなると、ドアの開け閉めで煙が入ってくるから階段の踊り場ももちろんダメである。
 中学校や高校は特に「敷地内完全」を目指すべきだろう。十代のころは、たばこを吸う大人がかっこよく見えたりするものだ。映画やテレビのヒーローのことを今でも思い出せるほどである。尊敬する先生がたばこを吸っていたら、なおさらだ。(上間昭一)


2006/ 6/ 8 四国のたばこ小売販売店数4年連続減  (四国新聞記事

 四国財務局が発表した二〇〇五年度末の四国四県のたばこ小売販売店数は、一万二千四百八十九店で前年度を0・4%下回り、四年連続の減少となった。小売販売業の許可件数は四年ぶりに増加したものの、禁煙や分煙の動きに伴う需要減、個人店の高齢化などを受けて、廃業件数も依然高水準だった。
 〇五年度の許可件数は前年度比23・2%増の三百七十二件。合併で人口五十万人を超えた松山市で許可基準が緩和されたほか、スーパーやドラッグストアへの許可が増えた。業種別にはコンビニエンスストアが百四十九件(前年度百三十一件)と最多で、スーパー五十八件(二十件)、レストラン・飲食二十七件(二十四件)、ドラッグストア二十二件(十一件)などの順だった。
 廃業件数は同3・8%減の四百二十五件で、五年ぶりに減少したが、許可件数を上回った。うち高齢化と後継者不足が続く個人事業者が約七割を占めている。
 自動販売機などの出張販売先数は、二年連続で増加し、前年度を0・2%上回る九千四百一件となった。
 県内も四年連続の減少で、同1・2%減の二千八百九十七店。許可は七十七件、廃業は百十三件だった。出張販売先数は三千四百九十七件で同0・4%減少した。


2006/ 6/ 8 偽たばこ輸出の北朝鮮で… 喫煙者大学進学認めず 金総書記も禁煙「統制法」施行  (西日本新聞記事

 偽たばこ輸出を非難されている北朝鮮が、国内では「たばこ統制法」を施行し、喫煙者の大学入学資格をはく奪するなどの措置に乗り出している。平壌発の朝鮮中央通信は、公共機関の建物内での喫煙を禁止したほか、禁煙パイプや禁煙薬「禁煙栄養薬」などを奨励しているとする北朝鮮保健省の崔昌植(チェチャンシク)次官の話を紹介している。
 北朝鮮ではこのところ、同法に基づく禁煙策によって、喫煙率が2000年に比べ約15ポイント減少。それでも15―64歳の男性喫煙率は依然55%台とされ、欧州の平均の約35%、アジアの平均の約45%に比べて高い水準という。このため、北朝鮮当局は女性や子どもたちの間接喫煙被害を懸念し、2010年までに喫煙率を30%に下げることを目標にしているとされる。
 愛煙家として知られていた金正日(キムジョンイル)総書記自身もたばこをやめ、「たばこは心臓を狙う銃のようなもの」と必要性を強調したという。


2006/ 6/ 7 禁煙治療薬「バレニクリン」を今秋にも申請‐ファイザー  (薬事日報記事

 ファイザーは、禁煙治療薬の「バレニクリン」を今秋にも日本で承認申請する。「バレニクリン」は、ニコチンを含有しないことが特徴。ニコチン受容体に結合し、喫煙したい欲求とニコチンからの離脱症状を緩和するという。また、喫煙によって得られる満足感を抑えるとされている。
 海外の臨床試験では、バレニクリンの忍容性良好で、全体的な中止率はプラセボと同等であったとしている。
 主な副作用として、吐き気、便秘、腹部膨満感、嘔吐などが確認されている。
 米国では既に承認されている。


2006/ 6/ 7 「はやて」「つがる」来春から全面禁煙/JR東日本  (東奥日報記事

 JR東日本は六日、二〇〇七年春から、東北新幹線「はやて」や特急「つがる」などを全面禁煙にすると発表した。社会的な禁煙志向の高まりと利用者の要望を受けた措置。同社は「たばこを吸う人も三、四時間の車内は禁煙でご理解いただきたい」と協力を求めている。
 全面禁煙となるのは東北、上越、山形、秋田の各新幹線。中央線、常磐線、東北線、高崎線、奥羽線、羽越線の在来線特急。個室主体の「カシオペア」「北斗星」など寝台列車には、喫煙できる車両が残る。
 本県関係では「はやて」(東京-八戸)、「つがる」(八戸-青森・弘前)のほか、奥羽線「かもしか」(青森-秋田)、羽越線「いなほ」(青森-新潟)が全面禁煙となる。北海道と本州を結ぶ特急「白鳥」(八戸-青森・函館)は今後、JR北海道と協議して決める。
 JRは禁煙化に伴い、八戸、秋田、山形、長岡(新潟県)など新幹線、在来線計十四駅のホームに喫煙ルームを新たに設置。既に設置済みの東京、長野などと合わせ計二十一駅三十二カ所になる。
 記者会見した清野智社長は「喫煙車から流れる煙で苦情があり、列車内は完全な分煙にはならない。喫煙者も大切なお客さまだが、三、四時間の車内は禁煙でご理解いただきたい」と話した。
 喫煙と脳卒中発症の関係などを研究している青森県立保健大大学院の嵯峨井勝教授は「禁煙によって、将来の健康被害を低減させることができる。公共機関が率先して禁煙措置を講じることは、禁煙へ向けた良い見本となる」と評価。県タバコ問題懇談会も「JRに限らず、人の多い公共の場では禁煙にすべき」と語っている。


2006/ 6/ 7 静かな車内・喫煙ルーム…新型新幹線「N700系」公開  (朝日新聞記事

 東海道・山陽新幹線の次世代車両「N700系」の試験走行が7日、東京―岡山間であり、シートの快適性を高めたグリーン車や喫煙ルームなどが報道関係者に公開された。JR東海・西日本は来年夏から、主に東京・名古屋から新大阪以西へ直通する「のぞみ」として営業運転を始める。
 試験車は午前10時過ぎに東京駅を出発した。最高時速300キロ。現在の700系と比べ車内の騒音を10%程度抑え、デッキで700系の客室並みという。実際、携帯電話をかけても周囲の雑音は気にならなかった。
 走行途中、車体傾斜システムが作動した。遠心力を打ち消すよう、車体を内側に1度傾ける。これによって700系より20キロ速い時速270キロでカーブを通過でき、東京―新大阪間の所要時間が5分短縮される。
 N700系は東海道・山陽新幹線で初めて客車が全面禁煙になる。製造費は1編成約48億円。07~09年度に54編成を造る計画だ。


2006/ 6/ 7 SE7EN-キム・ジウ「みなさん、禁煙しましょう」  (朝鮮日報記事

 人気歌手SE7ENとタレントのキム・ジウが「禁煙守護天使」に委嘱された。
 保健福祉部は7日、第19回世界禁煙の日を迎え、午前10時、全国経済人連合会・国際会議場で禁煙関連の従事者約300人が参加する中、記念式を行う。
 この行事でSE7ENとキム・ジウは「禁煙守護天使」委嘱式を行った後、柳時敏(ユ・シミン)保健福祉部長官と共に、地下鉄2号線の乙支路入口駅から明洞まで歩きながら禁煙キャンペーンを行う予定だ。
 キム・ジウは「たばこを吸わない人にとって、その煙だけでも迷惑なのに、間接喫煙によって大きな被害まで被っている」とし、「何より女性の喫煙は美しさにつながることはない。女性の方々は喫煙の誘惑に惑わされてはならない」と話した。
 SE7ENは「愛するファンの方々と青少年たちがたばこの誘惑を振り切ることができるよう、積極的に広報していく」と抱負を語った。


2006/ 6/ 7 雷鳴抄 オーストラリア人の看護師マーク・ギブンスさん 「禁煙は愛」  (下野新聞記事)   

 菅笠、白装束に「禁煙は愛」と書き込んだ幟旗。喫煙が健康に与える影響を訴え、徒歩で日本縦断に挑んでいるオーストラリア人の看護師マーク・ギブンスさんが二日から六日まで本県に滞在した。
 ギブンスさんがこのスローガンを掲げたのは「自分の健康、家族の健康、友達、国を大事に考える気持ちが一人一人の禁煙につながる」という思いから。小山市で禁煙活動に取り組む農業者と親交を深めたほか、仲間を募って独自に禁煙キャンペーンを行った。 世界的にみてもたばこ規制の勢いは止まりそうもない。県内では宇都宮市が小中学校の敷地内禁煙に踏み切ってから後に続く自治体は多い。県庁舎も建物内が禁煙。「公的な場は禁煙」が定着し、次は民間だが、あんずるよりも生むがやすしだろう。
 だが、紀元前から続くたばこ文化を根絶やしにするのも難しそう。時間は要しても、たばこを吸いたいと思わないような状況をつくり出すことこそ肝要だ。「もっときれいな空気を吸いたい」とたばこを吸わない人が主張することと並んで、禁煙サポートに力を入れるのもいい。
 一日からニコチンパッチに保険が適用された。サラリーマンなら従来二万円かかった費用が三割の六千円で済む。本人やたばこを吸わない家族をがんなどから守るには、ギブンスさんの言う通り、自分や家族を大事に考えることが基本にある。まさに禁煙は愛だ。


2006/ 6/ 7  「豪人お遍路さん 市長に禁煙PR」 那須塩原市訪問  (下野新聞記事)

 喫煙による被害を訴え徒歩で日本縦断中のオーストラリア人マーク・ギブンスさん(43)は六日、市役所を訪れ栗川仁市長らに禁煙を呼びかけた。遍路姿で「禁煙は愛」ののぼりを掲げたギブンスさん。父親が心筋梗塞を患い、影響の深刻さを知ったという。
 市長らと対面すると「特に若者に害を知ってほしい。予防につながるようがんばる」。市長ら喫煙者には「この機に意識してほしい」とお願いした。
 ギブンスさんは「栃木県民の反応が一番積極的だった」と感謝し、福島県須賀川市を目指して行った。鹿児島県の佐多岬から始まった約三千キロの旅は七月九日、北海道宗谷岬でゴールを迎える。


2006/ 6/ 6 <列車内全面禁煙>来春からすべての特急に拡大 JR東日本  (毎日新聞記事)

 JR東日本は6日、乗車2時間未満の特急列車内で実施してきた車内禁煙を、来年春から新幹線を含むすべての特急列車に拡大すると発表した。愛煙家対策として、特急列車が発着する14駅に喫煙ルームを増設する。特急列車の全面禁煙はJR北海道に続き2社目。92年夏、山手線各駅で分煙を実施して14年を経て、東日本管内の列車内が寝台特急などを除き、全面禁煙となる。
 新たに全面禁煙となるのは東北、上越、山形、秋田の4新幹線11列車と在来線の中央線、常磐線、東北線、高崎線、奥羽線、羽越線の計15列車。乗車時間は、新幹線が東京―秋田間の「こまち」の平均約4時間、在来線は青森―新潟間の特急「いなほ」の6時間50分が最長となる。
 JR東海や西日本、北海道管内を結ぶ在来線の特急4列車と、伊豆急行、東武鉄道と相互乗り入れしている特急列車については、全面禁煙の方向で調整するが、個室主体の寝台特急や団体客向けのジョイフルトレインは除く。
 一方、東京や大宮、仙台など8駅13カ所に設置している喫煙ルームを来年春までに、21駅32カ所に増やす。一部では喫煙できるホームもある。
 現在の列車内禁煙は、長野新幹線「あさま」のほか、在来線では「成田エクスプレス」と房総特急「わかしお」などで、昨年12月から全面禁煙になった。その後も乗客から「喫煙車を通過するたびに受動喫煙が心配になる」と拡大を望む声が強く寄せられていた。
 JR東日本は「喫煙客には不便をおかけすることになるが、急速な禁煙志向の高まりを無視するわけにはいかなくなった。3~4時間は我慢して喫煙ルームを利用してほしい」と説明している。


2006/ 6/ 6 JR東日本の新幹線、全面禁煙に・来春から  (共同通信記事)

 JR東日本は6日、2007年春から東北、上越新幹線と在来線の特急車内を原則として全面禁煙にすると発表した。新幹線では、長野新幹線と九州新幹線が既に全面禁煙を実施。在来線ではJR北海道の全線とJR東日本の成田エクスプレスなど一部特急が禁煙になっている。
 JR東日本の新幹線で乗車時間が長い路線は、東京から八戸(青森県)が約3時間、秋田が約4時間―など。
 記者会見した清野智社長は「喫煙車から流れる煙で苦情があり、列車内は完全な分煙にはならない。喫煙者も大切なお客さまだが、3、4時間の車内は禁煙でご理解いただきたい」と話した。
 同社は禁煙化に伴い、八戸、秋田、山形、長岡(新潟県)など新幹線、在来線計14駅のホームに喫煙ルームを新たに設置。既に設置済みの東京、長野などと合わせ計21駅32カ所になる。


2006/ 6/ 6 タクシー全面禁煙『政府が措置を』禁煙学会が声明  (東京新聞記事

 日本禁煙学会(理事長・作田学杏林大教授)は、五月三十一日の世界禁煙デーに合わせ、「政府がタクシーでの全面禁煙を実現すべきだ」という声明を出した。タクシー運転手が受動喫煙被害に対して、勤務先に慰謝料を求めた訴訟で、横浜地裁小田原支部判決は五月、訴えを退けたものの「早急な全面禁煙が望ましい」と指摘した。こうした司法判断に加え、たばこ規制枠組み条約で、受動喫煙防止対策の責務が指摘されていることから、政府がタクシーの全面禁煙措置を講じるべきだとしている。
 また屋外での受動喫煙防止のため、公共施設敷地内の全面禁煙を求めた。屋外に喫煙所を設けることは「健康面からも財政面からも賢明ではない」としている。


2006/ 6/ 6 たばこ屋「救済」にコンドーム? 仏保健省が検討  (朝日新聞記事

 禁煙ルールの強化で収入減となるたばこ屋の救済策として、店でコンドームの販売を認めることをフランス保健省が検討している。たばこ屋の6割はカフェバー兼業で若者が集まるため、エイズ予防効果も期待する。仏公共ラジオが報じた。
 仏政府は、飲食店を含む公共スペースを全面禁煙とする法案か政令を準備中。全国に3万店あるたばこ屋は生き残り策として、店頭で扱う品の多様化を考えている。
 一方、フランスでのコンドーム販売は薬局と大型スーパー、自動販売機のみ。日本のように深夜営業のコンビニが普及していないため、深夜まで開いているカフェやバーは最適の販売ポイントになりうる。ベルトラン保健相の側近は「買える場所は多いほどいい」とAFP通信に語った。
 9月の新学期からは、高校や大学の構内にもコンドームの自販機(1個0.2ユーロ=約30円)が設置される予定だ。


2006/ 6/ 6 SE7EN&キム・ジス、「禁煙守護天使」に  (ライブドアニュース記事

 歌手SE7EN(セブン)とタレントのキム・ジスが、韓国保健福祉部が選ぶ「禁煙守護天使」に任命された。
 保健福祉部は7日の「第19回世界禁煙の日」に、午前10時から全経連国際会議場で記念式典を行う。
 SE7ENとキム・ジスは「禁煙守護天使」任命式に参加後、保健福祉部長官とともに、地下鉄2号線の乙支路(ウルジロ)入口駅から明洞(ミョンドン)までを歩く「禁煙キャンペーン」を展開する予定だ。
 キム・ジスは、「普段からタバコの煙が大嫌いで、間接喫煙は周りの人間に大きな被害を与える」、「何よりも女性の喫煙はあらゆる美容の敵で、すべての女性が喫煙の誘惑から脱しなければならない」とコメント。
 SE7ENも「愛するファンや青少年たちがタバコの誘惑を振り切れるよう積極的に広報していく」と意気込みを見せた。
 彼らはこれから禁煙関連行事や禁煙コンサートに参加するなど、青少年の喫煙の予防を呼びかけ禁煙ムードを盛り上げていく計画だ。
 昨年の禁煙守護天使は、歌手Tei(テイ)とタレントのホン・スヒョンが務めた。


2006/ 6/ 6 北朝鮮男性の喫煙率55.8%、朝鮮新報が伝える  (WOW!Koreaニュース記事

 15~64歳の北朝鮮男性の喫煙率は昨年11月現在55.8%だった。在日本朝鮮人総連合会の機関紙「朝鮮新報」が5日に北朝鮮の非伝染性疾病対象計画の責任者の話として伝えた。朝鮮新報によると、北朝鮮男性の喫煙率は欧州の35%、アジアの45%に比べて高水準となっているが、女性や子どもたちの間接喫煙の被害を防ぐため、禁煙運動に対する社会的な認識を高める対策が推進されているという。
 北朝鮮当局は具体的な禁煙対策として昨年「たばこ統制法」を採択したのをはじめ、各保健医療機関などが社会的に禁煙を促す環境と条件を構築している。また禁煙運動の一環として昨年、咸鏡南道や黄海南道で喫煙率を調査したのに続き、今年も3月と4月に平壌市内の2カ所で禁煙率を調査している。今後もさらに調査地域を拡大していく方針だ。


2006/ 6/ 3 タバコ吸い殻投げ捨てで罰金制度を開始、シドニー  (CNN-ロイター記事

 シドニー――オーストラリアの最大都市、シドニー市当局がタバコ吸い殻の路上への投げ捨て防止キャンペーンで、「現行犯」を捕まえた時は、罰金60豪州ドル(約5040円)を科すことを開始した。私服の担当員30人を市内に配置、監視させているもので、1週間で45人に罰金を命じたという。
 吸い殻が最終的にシドニー湾などに流れ、水質汚染につながることを防ぐのも狙っている。同湾は観光名所にもなっている。
 市の統計によると、シドニーで捨てられる吸い殻は2005年で毎日、1万5000個以上と推定。豪州全土では昨年1年間で約320億個と計算している。


2006/ 6/ 3 栃木県立がんセンター、敷地内全面禁煙に  (下野新聞記事

 もう屋外でも吸えません-。禁煙治療に力を入れている宇都宮市陽南四丁目の県立がんセンターは世界禁煙デーの三十一日から、駐車場や屋上を含む敷地内を全面禁煙にした。一日から公的医療保険の適用となる禁煙治療のための「ニコチンパッチ」を処方する場合、医療機関は敷地内を禁煙にすることが条件となる。栃木社会保険事務局によると、この条件を満たしているのは、五月一日現在で県内に十五カ所あり、同様の取り組みはさらに広がりそうだ。
 児玉哲郎所長によると、肺がんに限らず、がん発生の30%はタバコが原因とされる。禁煙はがん治療中・治療後の合併症の危険性を減らす効果があるという。
 ニコチン依存症患者の禁煙治療は四月から保険適用となった。これまで患者が全額負担していた同センターの禁煙外来にも保険が適用される。


2006/ 6/ 3 遍路姿で禁煙訴え 豪州人男性が本県入り  (下野新聞記事

 喫煙が健康に与える影響を訴え徒歩での日本縦断に挑むオーストラリア人の看護師マーク・ギブンスさん(43)が二日、本県入りした。すげがさ、白装束にのぼり旗。書き込まれたキーワードは「禁煙は愛」だ。
 一九九七年、愛媛県内の英語指導助手(ALT)として来日したギブンスさんは現在、同県で個人塾を開業している。
 来日後、公共の場でもタバコをふかす人が多い日本の「喫煙事情」を目の当たりにし、ショックを受けた。集中治療室の看護師だった経験も手伝って「禁煙を幅広く訴えよう」と思い立った。
 日本タバコ産業によると、二〇〇五年の日本の喫煙率は男性約46%、女性約14%で、欧米の多くの国より高いのが現状。
 今回の日本縦断は、四月十三日に鹿児島県の佐多岬を出発し、七月九日に北海道宗谷岬に到着する計画。八十八日間かけて約三千キロを踏破する。
 ギブンスさんは「自分の健康、家族、友だち、国を大事に考える気持ちが一人一人の禁煙につながる」との思いを込め「禁煙は愛」とのスローガンを掲げている。


2006/ 6/ 2 <喫煙者>やはり「死亡率高い」北海道の医師分析  (毎日新聞記事)

 高血圧、高血糖、高コレステロールより、死につながりやすいのはタバコで、受動喫煙でもアスベストやディーゼル排ガスを上回る被害が出ている――。北海道・深川市立病院の松崎道幸医師(呼吸器内科)が、6日までの世界禁煙週間に東京都内で開かれている日本呼吸器学会で、こう訴える。国内外の各種調査を分析した結果で「禁煙こそが最も重要な病気予防策だ」という。
 松崎医師は、茨城県などが実施した調査に着目した。40歳から79歳までの健診受診者約9万8000人を、93年から03年まで追跡し、検査値や生活習慣と死因を調べた結果、喫煙者の死亡率は、吸わない人に比べて男性で1.6倍、女性で1.9倍だった。これに対し、高血圧や高血糖患者の死亡率は、正常な人と比べてそれぞれ、1.3倍から1.5倍だった。肥満や高コレステロールでは、死亡率は正常な人と変わらなかった。
 特に「現役世代」ともいえる64歳以下の男性では、喫煙者の死亡率は吸わない人の2.1倍に達した。松崎医師は「男性全体の死亡の24%は禁煙していれば防げたと考えられる。タバコが男性の早死にの最大の原因だ」と指摘する。
 一方、喫煙者と同居し受動喫煙を受ける人の年間死亡率は、受けない人に比べ、1.15から1.34倍に高まるとの調査結果が、ニュージーランドと香港で出ている。松崎医師によると、日本に当てはめると、10万人あたり170人から300人程度が、毎年、受動喫煙の影響で死亡することになるという。
 これに比べ、アスベスト(石綿)にさらされる職場で働いた人では、死亡増は年間10万人あたり約100人、東京都心でディーゼル排ガスを吸って暮らす人は同約6人と推定されるという。
 松崎医師は「血圧や血糖が高いと健診で“要治療”とされるが、もっと死亡率が高い喫煙は放置されている。健診で喫煙の有無を調べて、禁煙を強く勧めるシステムが必要だ」と話している。


2006/ 6/ 2 8週間で6500円 禁煙パッチ、保険適用で  (共同通信記事)

 スイス製薬大手の日本法人ノバルティスファーマ(東京)は1日、皮膚に張る禁煙補助薬のニコチンパッチについて、公的保険適用後の自己負担額が8週間分で約6500円になることを明らかにした。
 パッチはニコチンを皮膚から吸収させることにより、禁煙時の禁断症状を和らげる薬。これまでは保険対象外で、患者が2万5000-3万円を負担していたが、日本循環器学会などが作成した標準手順書に基づく治療をするなど一定の条件を満たした場合に限り、1日から保険適用が認められるようになった。
 医師の処方があれば、患者本人の自己負担は3割となる。


2006/ 6/ 2 30歳以上の成人3人に1人が脳卒中、心臓病…喫煙減、飲酒増  (中央日報記事

30歳以上男性は食事の次に焼酎からエネルギーを摂取していることがわかった。飲酒が増えているということだ。またタバコを吸う男性(65.4%→52.3%)は減った一方、女性の喫煙(3.9%→5.8%)は増加した--。
これは保健福祉部が1日に明らかにした「国民健康栄養調査」の結果だ。
今回の調査は2005年4~6月1万2000世帯を対象に実施した。福祉部は30歳以上3人に1人は脳卒中のような心・脳血管疾患の危険性があると分析した。
◆喫煙減少、飲酒増加=2001年31.7%だった喫煙率は28.9%に減った。20代喫煙男性の70%は禁煙を試みていた。一方、40代は禁煙率が58.8%にとどまった。若いほど喫煙に対する警戒心が高く、長く吸うほど禁煙の意志は減るという意味だ。
一方、1カ月に1回以上酒を飲む人は4年前50.6%から59.2%に増えた。食生活で酒の占める割合は食事の次だった。
焼酎とビールは20~64歳が最も多く口にする飲食物5位圏に入った。20代の場合は白米が1位、ビールが2位だった。30代以上の男性の場合、エネルギーを摂る主要食品が白米、焼酎、三枚肉だった。三枚肉に焼酎1杯飲む習慣による。
1週間に焼酎1本以上飲む「高危険飲酒者」の割合は40代(47.4%)が最も高かった。女性の飲酒率も32%から41%に大きく増え、20代女性の15.5%は高危険飲酒者だった。
◆肥満管理も非常事態=国民健康の最大の敵は肥満だった。30歳以上34.9%は肥満だった。4年前には32.7%だった。肥満と関連が深い高血圧出現率も28%に達した。潜在的な重症疾患者がそれだけ多いということだ。
これにより食べ物に気を使う家庭が多かった。白米の1日の摂取量は4年前より10.2グラム減った。一方、玄米、大豆の摂取量は2~3グラムずつ増えた。母乳だけ飲ませたという女性は4年前9.8%から37.4%に増えた。
回答者の半分はピザ、ハンバーガーをほとんど食べないと答えた。また19歳以上の成人の3分の1(33%)はダイエットするために努力していると答えた。4年前には24.3%だった。しかし10代、20代女性のダイエットは度を超していた。13~19歳女性の16%、20~29歳女性の19%は栄養素摂取不足状態だった。


2006/ 6/ 1 『たばこの煙の無いお店』PR 県HPに認定店掲載 /三重 (中日新聞記事

 県は本年度、終日禁煙とする県内の飲食店などを「たばこの煙の無いお店」と認定する制度を導入。「世界禁煙デー」の31日、県内各地でPRした。認定店を県のホームページ(HP)に掲示し、受動喫煙の防止を進める。(矢野修平)
 県民を対象とした県の調査では、周囲の喫煙で困っているという声は年々増加。間接喫煙の経験がある場所は飲食店が最も多かった。
 認定制度は桑名保健福祉事務所が先駆けて3年前から実施しており、現在、桑名市といなべ市の23店舗が認定されている。この取り組みを広く普及させ、受動喫煙の防止を推進しようと県内全域を対象とした制度を設けた。
 店内を終日完全禁煙とし、入り口などから煙の流入がない店舗が対象。認定申請書を受けた県食品衛生協会が審査し、県知事名の認定証を交付する。
 県健康づくり室は「健康に配慮した店づくりを目指す飲食店などにぜひ申請してもらいたい」と呼び掛けている。問い合わせは同室=電059(224)2294=へ。


2006/ 6/ 1 弘大内でタバコの販売中止 生協、10月から自販機を撤去 アンケートで禁煙派多数  (陸奥新報記事

 弘前大学生活協同組合は、10月から弘大構内や学生寮にあるタバコの自動販売機5台を撤去し、タバコの販売をやめる。弘大生協が実施したアンケートで撤去に賛成する意見が多数を占めたことを勘案し、5月26日に弘大大学会館で開かれた通常総代会で承認された。弘大生協は「タバコは健康を害すると分かっているのに、販売するのはどうか。(販売中止で)組合員の健康を増進できる」と話している。
 弘大生協は昨年度、健康増進法施行などにより、組合員の健康を増進する立場に反すると、販売中止を提案。しかし、非喫煙者からも同情的な意見が多く、実施は見送られた経緯がある。
 弘大構内の自販機は、文京食堂店二台と医学部店一台、学生寮にある二台の合わせて五台。弘大生協内では販売しておらず、年間のタバコ売り上げは1200万円程度で、年間総売り上げの1%に満たないという。
 弘大生協は販売中止に向け、4月24日から5月22日までの期間、学生と教職員を対象にアンケートを実施。結果を通常総代会で公開した。
 アンケートは喫煙者、非喫煙者、過去に吸っていた人で分け、自販機撤去の賛否とその理由などを記すもの。タバコに関する回答数は605人で、撤去賛成が多数を占めた。
 喫煙者は64人で、うち56%が反対。理由は「よく利用しているから不便」など。「自動販売機をなくしても、タバコを吸う人は減らない」「マナーさえ守ればいい」「吸う人の権利を奪っている」という意見もあった。
 非喫煙者は全体の87%を占める528人で、うち61%が撤去に賛成。意見は「他人に迷惑」と受動喫煙への拒否反応が多い。また「未成年でもタバコを買う人がいる」「歩きタバコをやめてほしいから」などルールや喫煙者のマナー違反を指摘する声もある。
 その一方で「肩身が狭くなってかわいそう」「買うのは良い。吸う場所が問題。喫煙所を特定したらどうか」など反対意見もあった。
 成人に達した学生や教職員が多くいる大学で、タバコの販売中止を決めたことは、健康増進や受動喫煙防止を図る禁煙・分煙化など、全国の動きにも一石を投じることになりそうだ。


2006/ 6/ 1 観客の禁煙、強制せず=W杯組織委〔W杯関連〕  (時事通信記事)

【ベルリン31日AFP=時事】サッカー・ワールドカップ(W杯)ドイツ大会組織委員会は31日、試合会場で観客に禁煙を強制することはできないとの認識を示した。 組織委では、ドイツ代表MFバラックを起用した広告で来場者に禁煙を呼び掛けるが、ドイツの国内法は公共スペースでの喫煙を認めており、組織委のベッケンバウアー会長は「法律が認めている以上、われわれは観客の良識に訴えるしかない」と語った。前回日韓大会ではスタジアム内を禁煙としていた。 出場チームの監督、コーチらがピッチサイドで喫煙することは国際サッカー連盟が禁じている。


2006/ 6/ 1 JR四国特急全席禁煙へ デッキに「喫煙ルーム」  (高知新聞記事

 JR四国はこのほど、平成23年度末までに特急列車を全席禁煙にすることを決めた。大半の車両のデッキ部分に「喫煙ルーム」を設け、分煙の徹底を図る。土讃線では6月末から特急南風の「アンパンマン列車」で開始する。普通列車は平成6年末までに車両全体が全面禁煙になっている。
 同社は約190本の特急のうち、既に予讃線の特急約20本に喫煙ルームを設置。乗客からの要望を受け、ほかの特急にも座席での禁煙を拡大することにした。
 土讃線関連は、21年度末までに上下計39本(南風28本、しまんと10本、あしずり1本)の全特急を座席禁煙に。まず、6月30日から「アンパンマン列車」で運行している南風6、7、22、23の各号、8月1日から同2、3、24、25の各号で実施する。
 これらの車両では、デッキの洗面台を縮小し、公衆電話ボックスのような形の喫煙ルーム(幅約80センチ、奥行き約65センチ)を設置。ただ、徳島線の「剣山」などデッキが狭い一部車両には喫煙ルームをつくらない。
 同社は「特急は普通列車と違い長旅を楽しむ愛煙家もいるので、車両全体の完全禁煙でなく分煙を徹底することにした」とし、「喫煙ルームには吸気口を備え、デッキにあまり煙が漏れないようにしているが、なお設置後の状況を見ながら対処したい」としている。
 高知市の鉄道愛好家で愛煙家の男性(58)は「座席で吸えなくなるのは残念だが、これも時代の流れ。喫煙ルームがあれば問題ない」と話している。


2006/ 6/ 1 「路上で喫煙 全面禁止」 禁煙学会が自治体に提言  (フジサンケイビジネスアイ記事

■「受動被害7メートル先まで」
 屋外での受動喫煙を防ぐため、日本禁煙学会(理事長・作田学杏林大教授)は31日の世界禁煙デーに合わせ、路上や公共施設の敷地内を全面禁煙にすべきだとの提言をまとめ、自治体などに送付した。「歩きタバコの禁止」が広がる一方で、屋外に灰皿を設置する動きもあるのを問題視。「煙やにおいは7メートル届く。直径14メートル以上の空間を確保できなければ灰皿を置くべきではない」としている。
 送付先は、東京都中央区長や佐賀県知事、静岡市長ら。銀座歩行者天国を抱える中央区など「受動喫煙の問題がある所」からピックアップした。
 提言で同学会は、屋外の受動喫煙に関する米国の専門家の論文を引用。
 タバコのにおいや発がん物質は無風の条件下、1人の喫煙者の周囲7メートルまで到達し、4メートル以内では目の痛みやせきなど急性の健康被害が起きるレベルに達すると指摘した。
 複数が同時に喫煙すれば、この距離は2、3倍以上になるという。
 歩行・路上禁煙に関する条例制定の動きは、2002年の東京都千代田区以降、全国に広がっている。しかし、歩行禁煙とする代わりに路上に灰皿を置く自治体もあり、その周囲で受動喫煙の被害が起きているという。
 同学会は「屋外でも『非喫煙場所にタバコ煙成分が漏れ出ないこと』など厚生労働省が定めた分煙の条件に従うべきだ」としている。
            ◇
 ≪JT タバコ増税控え、曇る需要≫
 国内タバコメーカーのJTによると、日本の紙巻きタバコ需要はこの3、4年間、年率3~4%のマイナスで推移。それまでは、同1~2%だったマイナス幅が、大きくなっているという。同社IR広報部課長の松沢善史(よしふみ)さん(40)は、「条例の制定や健康増進法などの規制の動きが影響している」と分析している。
 今後の需要見通しについては、「7月1日からのタバコ増税を控え、どう変化していくのか見極めがつかない状況」だ。
 今回、日本禁煙学会がまとめた提言に対して同部の坂元真樹さんは「(世界的な禁煙の流れで)厳しい環境下にあることは、認識している。当社は、吸う人と吸わない人との共存を目指しています」と話す。
 JTでは、これまで空港などの公共施設内で喫煙スペース整備を支援してきたほか、屋外でも渋谷区と共同で喫煙スペースを設置するなど、公共施設に喫煙スペースを設ける際のアドバイスなどにも取り組んできた。
            ◇
【用語解説】世界禁煙デー
 毎年5月31日を世界保健機関(WHO)が「世界禁煙デー」として定めている。1988年から始まり今年で19回目。日本では、1992年から5月31日から6月6日までの1週間を「禁煙週間」としている。世界禁煙デーでは、WHOが喫煙者に対して24時間の禁煙を呼びかけるとともに、各国の政府や自治体などに対して喫煙と健康問題の認識を深めて適切な対策の実践を求めている。


2006/ 5/31 タクシー運転手 煙害で心臓病  (デイリースポーツ記事

 乗客が喫煙中に窓を開け、処分された個人タクシー運転手安井幸一さん(72)=東京都杉並区=が30日、乗務中の「煙害」で心臓病を患ったとして、処分した財団法人東京タクシーセンターに約1000万円の損害賠償を求める訴訟を30日、東京地裁に起こした。
 訴状によると、安井さんは1986年2月、乗客が喫煙中、換気のため運転席の窓を5センチ程度開けた。乗客の苦情を受けた同センターは「いかなる場合でも禁煙を願い出ることはできない。乗客の気分を害しただけで、指導・処分対象」として「接客態度違反処分」としたため、受動喫煙を余儀なくされ、94年に心臓病と診断された。
 安井さんは04年に国を提訴し、昨年12月の東京地裁判決は「タクシー事業者は乗務員に対し、受動喫煙の危険性から健康を守るよう配慮すべき義務を負う」と指摘したが、国の責任を否定して請求を棄却した。
 記者会見で安井さんは「1日30-40本の煙を吸い続け、狭心症になった。国に責任がないなら受動喫煙を強要したセンターが悪い。31日の世界禁煙デーに合わせて提訴した」と話した。
 東京タクシーセンターは「まだ内容を具体的に聞いていないのでコメントできない。現在は運転手が希望すれば、簡単な手続きで禁煙タクシーにできる」としている。


2006/ 5/31 禁煙タクシー 台数加速 世界禁煙デー 広がる『健康守れ』の動き  (東京新聞記事

 肺がんなどの生活習慣病につながる喫煙。そうした健康被害を防ごうと禁煙タクシーを導入したり、路上喫煙を禁じたりする動きが、各地で広がってきた。一方で、新幹線の喫煙車を巡回する車掌や車内販売員が、深刻な受動喫煙の被害を受けているという指摘も。31日は、世界保健機関(WHO)が定める「世界禁煙デー」。WHOのスローガンは「どんな形でも装いでも命取り」だ。
 運転手はもちろん、客の喫煙も断る「禁煙タクシー」を一台でも導入した全国のタクシー事業者は、五年間で約八・八倍に増え、台数も約六倍になったことが、全国乗用自動車連合会の調査で分かった。好評の一方、運転手からは「降りる客もいる」との声も。台数は全タクシーの2・8%にとどまっており、同会は「一層の増加を期待したい」としている。
 調査によると、二〇〇五年度末(〇六年四月一日導入分を含む)の禁煙タクシーは、四十四都道府県で計五千八百六十七台(前年度比約一・七倍)。都道府県別では、四月一日に大分市などで全面禁煙を始めた大分県(千五百二十七台)が群を抜き、京都府(七百五十七台)、東京都(六百三十八台)と続いている。北海道・旭川や高知、熊本など地域や協会単位で取り組む例も増えた。
 事業者は五百三十九社で前年度の約一・八倍。また乗務員の喫煙を禁止している車両は、千百七社で計三万四千二百七十二台に上り、全車両の16・4%を占めた。
 導入が進んだのは、受動喫煙の防止を盛り込んだ健康増進法が〇三年に施行されたほか、昨年十二月に東京地裁で「タクシー事業者は、受動喫煙から乗務員を守る安全配慮義務を負う」とする判決が出るなど、タバコ対策の流れが追い風。
 都内で一年前から禁煙タクシーに乗っている男性運転手(66)は「全車禁煙が公共交通機関の役割」とする一方「少数だが文句を言う人や、吸いたいからと長距離の途中で降りる人もいる」と難しさものぞかせた。
■新幹線車掌ら受動喫煙 乗務時間の8割に
 新幹線の車掌や車内販売員は、乗務時間の八割以上で受動喫煙をしていることが、東京大の中田ゆり客員研究員や産業医大の大和浩教授らの調査で明らかになった。
 調査は、昨年十月から先月までの間に実施。東海道・山陽新幹線に乗車して、車掌や販売員の後ろを歩いて、タバコの粉じん濃度を計測した。
 その結果、喫煙車を移動中には厚生労働省が一立方メートル当たり〇・一五ミリグラム以下と定めている室内基準値の三-十一倍もの粉じん濃度が計測された。ホコリなどではないと推定できる〇・〇五ミリグラム以上の濃度で受動喫煙するとしたところ、禁煙車での移動を含めた乗務時間の八割以上になった。
 販売員らが禁煙車でも受動喫煙していることについて、中田研究員らは、扉の開閉やエアコンを通じて喫煙車から隣接した禁煙車に煙が流れるためと推定。以前の調査では喫煙車と隣り合う禁煙車などで、基準値の二-三倍の粉じんが検出された例もあったという。
 中田研究員らは、新幹線は子どもや妊婦も利用する公共機関で販売員には未成年もいると指摘。「法律による喫煙規制が必要だ」としている。


2006/ 5/31 <禁煙学会>テーマパークなどに、路上の全面禁煙を提言  (毎日新聞記事)

 日本禁煙学会(理事長・作田学杏林大教授)は31日の世界禁煙デーに合わせ、東京都中央区や佐賀県、テーマパークの運営会社などに、路上や公共施設内を全面禁煙にすべきだとの提言を送った。タバコの発がん物質とにおいにさらされないためには、喫煙者から7メートル以上離れる必要があると指摘している。
 歩行喫煙を禁止する条例を制定する自治体が増える一方で、歩道に灰皿を設置する動きも出ているため。中央区は銀座の歩行者天国があるなど、屋外での受動喫煙の可能性がある自治体などを選んで送付した。
 提言が引用した米国の研究によると、屋外での受動喫煙をなくすためには、無風状態で喫煙者から最低でも7メートル以上離れる必要がある。風があり、喫煙者が数人かたまっている場合は、その2~3倍の距離がいるという。
 このため、「屋外の受動喫煙防止のための最上の対策は、路上および公共施設敷地内の全面禁煙」だと指摘した。
 作田さんは「屋外での喫煙は、タバコの火で子どもが顔にやけどを負うなどの危険もある。人込みで受動喫煙を避ける方法はほとんどなく、対策が必要だ」と話す。


2006/ 5/31 路上は全面禁煙に=「発がん物質7メートル先まで」-学会が自治体に提言  (時事通信記事)

 屋外での受動喫煙を防ぐため、日本禁煙学会(理事長・作田学杏林大教授)は31日の世界禁煙デーに合わせ、路上や公共施設の敷地内を全面禁煙にすべきだとの提言をまとめ、自治体などに送付した。「歩きタバコの禁止」が広がる一方で、屋外に灰皿を設置する動きもあるのを問題視。「煙やにおいは7メートル届く。直径14メートル以上の空間を確保できなければ灰皿を置くべきではない」としている。
 送付先は、東京都中央区長や佐賀県知事、静岡市長ら。銀座歩行者天国を抱える中央区など「受動喫煙の問題がある所」からピックアップした。
 提言で同学会は、屋外の受動喫煙に関する米国の専門家の論文を引用。タバコのにおいや発がん物質は無風の条件下、1人の喫煙者の周囲7メートルまで到達し、4メートル以内では目の痛みやせきなど急性の健康被害が起きるレベルに達すると指摘した。 
 複数が同時に喫煙すれば、この距離は2、3倍以上になるという。
 歩行・路上禁煙に関する条例制定の動きは、2002年の東京都千代田区以降、全国に広がっている。しかし、歩行禁煙とする代わりに路上に灰皿を置く自治体もあり、その周囲で受動喫煙の被害が起きているという。
 同学会は「屋外でも『非喫煙場所にタバコ煙成分が漏れ出ないこと』など厚生労働省が定めた分煙の条件に従うべきだ」としている。(了)
写真:路上喫煙する人と歩行者=31日午前、東京・銀座


2006/ 5/31 中国のタバコ事情:男性医師の喫煙率50%超  (新華通信記事

【北京30日新華社】 衛生部が29日に発表した「2006年中国『喫煙と健康』報告」によると、男性喫煙者では高学歴の割合が高く、医師と教員の喫煙率は50%を超えているという。中国は男性医師の喫煙率が最も高い国の1つとなっている。
 世界保健機関(WHO)や多くの専門家の指摘にもあるように、タバコは中国人の健康を害する一番の脅威となっている。02年に実施されたサンプリング調査では、15歳以上の喫煙率は35.8%で、男性は66.0%、女性は3.1%だった。一方、1996年に実施された別の検査では、15歳以上の喫煙率は37.6%、男性は66.9%、女性は4.2%だった。02年の喫煙率は96年に比べ1.8%減少し、男性は3.1%、女性は1.0%それぞれ減少している。ところが、人口の増加や高齢化により、喫煙人口は3000万人も増加している。
 一番の不安要素は、喫煙の低年齢化だ。15~24歳の喫煙率は上昇しており、喫煙の平均開始年齢も1984年の22.4歳から19.7歳と低下している。


2006/ 5/31 広がる敷地内禁煙/兵庫  (朝日新聞兵庫県版記事

■学校・病院続々■
 分煙や建物内禁煙から一歩踏み込み、敷地全体を禁煙にする動きが教育現場や医療機関で広がっている。姫路市でも市立学校が今春から敷地内禁煙を始めたほか、病院でも導入が進む。一方、大学では学生のマナーの問題もあり、実現はなかなか難しいようだ。31日は世界禁煙デー。
(渡 義人)
 敷地内禁煙が広がったのは、03年5月の健康増進法の施行がきっかけ。罰則はないが、多数の人が使う施設の管理者に、受動喫煙の防止策をとるよう求めている。
 姫路市教委では、4月1日から市内すべての市立学校を敷地内禁煙にした。県は3月末までに県内の全学校で敷地内禁煙を達成する目標をたて、各市町教委に要望していた。市教委による04年度の調査では、1校あたり教職員4・4人が喫煙者だったが、市教委教職員課は「現在のところトラブルや苦情はない。学校を訪れる地域の人にも、理解してもらっているようだ」としている。
 市保健所は、今年1月に入り口付近にあった灰皿を撤去し、敷地内禁煙にした。姫路赤十字病院でも31日から、まず職員限定で敷地内禁煙を始める。10月1日からは、一般利用者にも適用するという。担当者は「今春からニコチン依存症の保険診療が認められたが、保険が適用されるのが敷地内禁煙をしている病院での受診に限られることが追い風になっている」と話す。
 一方、市内の大学では建物内禁煙どまりで、敷地内禁煙には至っていない。県立大は、04年度に定めた中期計画で敷地内禁煙を目標に掲げるが、「隠れてタバコを吸ったり、ポイ捨てが増えたりするのでは、という不安が大きい」との理由で、市内に二つあるキャンパスは建物内禁煙にとどまっているという。
 同じく建物内禁煙にしている姫路独協大学では、敷地内禁煙を目指し、2年前にキャンパス内に十数カ所あった灰皿の数を半分にした。ところが、吸い殻のポイ捨てが増加し、結局灰皿の数を元に戻したという。担当者は「学生のマナーが悪い。裏山に行ってタバコを吸われて、山火事が起きても困る」と話している。


2006/ 5/31 禁煙ステッカー 協力施設に交付/愛媛  (愛媛新聞記事

◇31日から松山市
 松山市は、世界禁煙デーの31日から受動喫煙防止対策を取る施設やタクシーを対象に登録証とステッカーを交付する。 ステッカーを表示してもらうことで利用者が施設やタクシーに入る前に禁煙に取り組んでいるか一目で分かるという。 県は04年から始めているが、市町レベルでは県内初めての試みとなる。
 登録できるのは、学校、病院や集会場など公共施設のほか、百貨店や飲食店など多数の人が利用する施設とタクシー。
 登録を希望する施設は、敷地内、建物内、屋内、車内の4分類からどこに区分されるかを選び、それぞれに設けられた条件を満たしているかを書類に記入し、市保健所(松山市萱町6丁目) に提出する。 保健所の審査を通れば、ステッカーが交付される。
【写真】「禁煙ぞなもし松山協力施設」と書かれたステッカー(松山市保健所提供)


2006/ 5/31 [解説]ニコチンパッチに保険適用 禁煙促進に期待 効果の検証必要  (読売新聞記事

 禁煙補助剤のニコチンパッチが、6月から保険適用されることが決まった。禁煙の促進が期待されるが、課題もある。(医療情報部 田村良彦)
 東京・広尾の日赤医療センターの禁煙外来には、4月の診療報酬改定で禁煙治療が保険に盛り込まれて以来、2か月間で、30人近い禁煙希望者から受診の申し込みがあった。「以前なら月平均8人ほど。保険のことを知って問い合わせる方も多い」と同センター。保険適用の動きが、タバコをやめたい人の背中を後押しする効果が、早くも表れているようだという。
 禁煙治療は、ニコチンの禁断症状への対処法といったカウンセリングと、皮膚に張ったパッチからニコチンをゆっくり吸収させて禁断症状を和らげる薬物治療の組み合わせが標準的な方法だ。ニコチンパッチは1998年に認可されたが、保険は適用されなかったため、パッチを用いた禁煙治療も保険のきかない自費診療で行われてきた。
 それが、4月の診療報酬改定で、「ニコチン依存症管理料」という名目で、禁煙に伴うカウンセリングや検査が保険で認められた。日本循環器学会など9学会合同の禁煙指針を昨年まとめた藤原久義・岐阜大教授(循環器内科)は、「喫煙は、ニコチン依存や肺がん、心臓病などを引き起こす病気であり、治療の対象であると位置づけられた意味は大きい」と話す。
 4月時点では治療薬のパッチが保険外のままだったため、保険診療の際に使えないという矛盾が、この2か月間生じた。混乱を招いた原因は厚生労働省側の基本的なミスと言うしかないが、パッチの保険適用を特例的に急ぎ収拾が図られた。禁煙の保険治療の体制がこれでようやく整った。
 診療報酬について話し合う国の中央社会保険医療協議会(中医協)の審議過程では、保険適用に反対する意見も複数の委員から出された。「喫煙は個人の嗜好(しこう)である」、「禁煙は個人の責任で、公的保険の給付にはなじまない」といったもので、議論は最後までかみ合わなかった。
 結局、実施医療機関や対象者を限定した試行的な色合いの強いものとなった。
 保険適用の条件として、医療機関には「敷地内が禁煙であること」といった基準が設けられた。建物内は禁煙でもこうした病院はまだ極めて限られている。
 また、対象者には、一定の喫煙歴(1日の喫煙本数×喫煙年数の数値が200以上)があることなどが保険適用の条件とされた。このため、喫煙率の増加が問題になっている若年者は事実上、対象から外れた。
 さらに、2年後に改めて結果を検証することとし、治療で禁煙できたかどうかを全例報告することが、医療機関に義務づけられた。
 外国では、イギリスやカナダのように、国や州の助成によって禁煙推進に効果をあげているケースもある。
 厚労省研究班(班長・大島明大阪府立成人病センター調査部長)の試算では、3600万人の喫煙者のうち15年間で124万人が禁煙に成功した場合、パッチ代などの費用が1077億円かかるが、逆に禁煙によってがんや心臓病といった病気を減らせるため、少なく見ても1402億円の医療費が減り、差し引きでは削減効果の方が上回る。保険点数や薬価決定前の試算だが、禁煙の効果は長期的な視点で検証する必要がある。
 医療者への禁煙指導の研修や人材養成も重要だ。
 2005年には、わが国も批准して「タバコ規制枠組み条約」が発効した。大島部長は、「タバコの値上げや喫煙防止教育など、社会全体で総合的にタバコ対策に取り組むことが、喫煙率の低下につながる」と話す。
 きょう31日は、世界禁煙デー。保険適用の動きと合わせて、禁煙に取り組むまたとないきっかけだ。
禁煙治療の費用
 ニコチンパッチは3種類の大きさがあり、1日1枚、腕などに張って使う。保険価格は大きさによって1枚約350~400円。必要な量は人によって異なるが、限度いっぱいの8週間(56枚)使うと約2万円かかる計算になる。診察料などを含めた治療費は、自費だと2万~3万円前後のところが多いが、保険だと自己負担は1万円前後で済むことになる。


2006/ 5/31 世界の男性喫煙率、減少へ 中国は「タバコ超大国」 世界禁煙デー  (共同通信記事)

 31日は世界禁煙デー。日本タバコ産業(JT)によると、昨年の日本の喫煙率は男性約46%、女性約14%。全世界では10億人以上が喫煙する。世界保健機関(WHO)は2002年の全世界の男性の喫煙率を約39%、女性を約16%と推計、「男性喫煙率は今がピークで、ゆっくり減っていく」としている。分煙先進国・米国、美食と個人主義のフランス、世界のタバコの3分の1を消費する喫煙超大国・中国で、タバコ事情を追った。
 ▽嫌煙最先端
 「レストランに喫煙コーナーがあるのは、プールに小便コーナーがあるようなもの」。
 米国で嫌煙運動の先端を走るカリフォルニア州カラバサス市。屋外でも喫煙エリア以外や、他人に煙が及ぶ恐れのある場所での喫煙を禁じる市条例が発表された3月15日、記者会見で行政当局者が紹介した「タバコ嫌いの市民の声」だ。
 同州ではサンタモニカやサンフランシスコなども、海岸や市施設などを禁煙に。日本人居住者が集中するロサンゼルス郊外トーランスでも海岸禁煙条例を審議中だ。
 ロサンゼルス周辺は大気汚染が全米最悪。排ガスを大量に出すスポーツタイプ多目的車(SUV)などの横行を放置し、紫煙ばかりを目の敵にする矛盾も指摘される。
 喫煙権を求める団体のノーマン・ショーノ氏は「海岸の次は車内、その後は家の中が禁止される。個人の自由束縛には際限がない」と「喫煙者たたき」に反発している。
 ▽美食と一服
 フランスは飲食店を含む屋内の公共の場所を禁煙とする法律を1992年に施行した。しかし、実施状況は心もとなく、カフェやレストランで堂々とタバコを楽しむ市民が少なくない。美食を尊ぶ国民性とあいまって、愛煙家は食後の一服をあきらめきれずにいる。
 WHOは2002年、フランスの男性約39%、女性30%が喫煙すると発表したが、喫煙者は減少傾向で、同国メディアによると04年は男性33%、女性27%。今年4月の世論調査では、あらゆる公共の場所の禁煙に賛成する人が56%に達した。
 政府は禁煙徹底の好機との認識を持ったとみられ、ドビルパン首相は同月、新たな禁煙策を「準備中」と表明。愛煙家や外食業界をやきもきさせた。若者雇用をめぐる騒動で支持が急落した首相は、激論が予想される禁煙策導入をいったん見送ったが、年内に何らかの決定を行いたい意向だ。
 ▽五輪うらめし
 「中国の銀座」北京・王府井の百貨店内で、中年男性が堂々と喫煙していた。警備員に注意されると「おれの勝手だ」。
 喫煙人口3億5000万人(衛生省)、年間タバコ販売量1兆6000億本と、ともに世界の3分の1近くを占める中国だが、こんな光景は今後、少なくなりそうだ。中国当局は08年の北京夏季五輪に向け、病院や学校、公園などでの禁煙を一層強化する方針だ。
 北京では1996年、天安門広場や公園、大学などを禁煙に。愛煙家の学生や職員は寮などで吸う程度で「肩身は狭い」(大学関係者)。
 しかし、裏通りではタバコが山積みで売られ、子供でも簡単に買える。タバコを勧めるのは「あいさつ代わり」。大都市以外では吸わない男性は圧倒的に少数派だ。
 地方出身の愛煙家(34)は「タバコは最も安い娯楽。禁煙政策強化は(五輪で外国に対する)体面を気にする政府による貧乏人いじめだ」と批判した。(ロサンゼルス、パリ、北京、共同=半沢隆実、金子大、松岡誠)


2006/ 5/31 「困っている人たちの助けになれば」=禁煙して煙草代を〃瓶貯金〃=金森さん今年も援協に寄付  (ニッケイ新聞記事

 「困っている人たちに少しでも助けになれば」―フェイランテを生業にしている金森琢美さん(71、サンパウロ市ジャルジン・サンジョゼ区在住)は、去る十七日、サンパウロ日伯援護協会(酒井清一会長)本部を訪れ、今年も真心のこもった「瓶貯金」を寄付した。
 この「瓶貯金」。「世の中には仕事をしたくても病気で働けず、苦しい生活をして困っている人がいる」という金森さんの想いと、自身の禁煙がきっかけとなって始められた。
 「一日の煙草代二レアルをこつこつと」、今年一年で貯まった額は、六百九十レアル三十五センターボ。この中にはフェイラで買い物をした客の寄付や受け取らなかったおつりなども含まれている。困っている人を助けようとする人たちの気持ちが瓶一杯に詰まっている。
 「瓶貯金」を受け取った野村次郎副会長は「日本のように、政府の福祉政策が充実していないブラジルで、民間の福祉団体が活動を続けていけるのは、金森さんのような方々のご協力のおかげです。この浄財は、困っている人や高齢者のために有効に使わせて頂きます」と謝辞を述べた。
 「大きな寄付はできませんが」と金森さんは話す。しかし、長者の万灯より貧者の一灯。広報渉外室長の川守田一省さんは言う。「多くの福祉団体が、そのような方々の気持ちによって支えられています」。


2006/ 5/31 喫煙者は大学入学資格なし/北朝鮮でタバコ統制法  (共同通信記事

【北京31日共同】北朝鮮で喫煙率を抑制するためタバコ統制法がこのほど制定されたことが、31日の「世界禁煙デー」に際した朝鮮中央通信の報道で分かった。喫煙者に対し大学入学資格をはく奪するという社会的制裁措置も、同法に盛り込まれているという。
 同通信によると、北朝鮮では喫煙率が2000年に比べ現在は約15ポイント減少、10年までに30%にまで減らすことを目標としている。
 また、禁煙を持続させる薬や禁煙パイプも開発、喫煙者への啓発活動をテレビ、ラジオなどを通じ強化しているとしている。


2006/ 5/31 喫煙者は大学入学資格なし=タバコ統制法を制定-北朝鮮  (時事通信記事)

【ソウル31日時事】韓国の通信社・聯合ニュースは31日、北朝鮮がタバコ統制法を施行し、喫煙者の大学入学資格をはく奪するなどの措置を取っていると報じた。公共機関の建物内での喫煙を許さないことにしたほか、禁煙パイプをはじめとする禁煙策を奨励しているとする保健省高官の話を紹介している。ただ、制定・施行の時期は明らかではない。  北朝鮮では現在、同法の効果などで2000年に比べて喫煙率が15ポイント前後減少。さらに禁煙を徹底し、2010年までに喫煙率を30%に下げるのを目標としているという。 金正日労働党総書記自身もタバコをやめ、「タバコは心臓を狙った銃と同じだ」と禁煙の必要性を強調している。


2006/ 5/31 禁煙週間はじまる 6月1日から「ニコチンパッチ」も保険適用内に  (ライブドアニュース記事

【ライブドア・ニュース 05月31日】- 世界禁煙デーの31日、厚生労働省は東京都千代田区の科学技術館で記念シンポジウムを開催した。6月6日までの禁煙週間にともない、厚生労働省は、「やめたい人を手助けする禁煙支援」をテーマに掲げ、全国で講演会やパネル展示会などを開催する予定だ。
 同シンポジウムでは、政府のタバコ対策や禁煙治療について担当者や医師などが講演。06年4月から始まった、禁煙治療への保険適用の話題に注目が集まった。
 同省の調査によると、2004年時点で日本人の喫煙率は26.4%。習慣的に喫煙している人の割合は男性で約4割、女性で約1割で、男性30代では約6割が喫煙している。03年と比較すると、男性の喫煙者は減少しているが、女性は増加しているという。
 同省は、医療給付費抑制を目指す医療制度改革の一環として、06年4月から禁煙治療を公的医療保険給付の対象とした。禁煙治療導入後8年目以降には、医療費削減額が禁煙治療費を上回り、15年目には1846億円の黒字になると試算されることから、禁煙治療を保険適用内にして、医療費削減を目指す。
 6月1日からは、ニコチン依存症治療のための「ニコチンパッチ」も診療報酬の対象となり、大きな話題となっている。
 対象となる患者は◆スクリーニングテストでニコチン依存症と診断◆「1日の喫煙本数×喫煙年数」が200以上◆ただちに禁煙したいと希望し、禁煙宣誓書に同意―という3つの条件にすべて当てはまる喫煙者。大阪府立健康科学センターの増居志津子さんは「『ただちに禁煙したい』と思っているのは、大阪府の全喫煙者のうちたったの3%」と、条件の厳しさを指摘する。対象外の喫煙者は10割負担の自由診療による禁煙治療や簡単な禁煙アドバイスを受けることになる。
 日本大学医学部総合健診センターの高橋敦彦さんは同シンポジウムの席上、「もしも日本人全員が禁煙したら、計算上では、年間約8300人の虚血性心疾患患者の死亡が防げる」と話し、生活習慣病の予防につながる禁煙治療の必要性を強調した。


2006/ 5/31 【健康歳時記】タバコの「3悪」  (岡山日日新聞記事

 タバコに非難が集中するのはそれなりの理由がある。▼タバコの煙には約4千種類の化学物質が含まれているが、中でもニコチン、タール、一酸化炭素が「3悪」とされている。▼ニコチンは血管を収縮させ、心筋梗塞(こうそく)の危険因子になるほか、タバコの中毒症状はこのニコチンが原因だ。タールは発がん物質として知られ、喫煙によって肺に蓄積され、がん発生原因になる。喫煙者のがん死亡率を跳ね上げるのは、このタールだ。▼一酸化炭素は体内では、血中の酸素の運び役であるヘモグロビンと結びついて、慢性的な酸欠状態を作り出す。▼だから、禁煙しなければならないのだが、これが難事業なのだ。 まずは、タバコを身辺から遠ざけること。ライターや灰皿も同じだ。タバコの誘惑を感じたら、深呼吸したり、水を飲むのもいい。▼それでも駄目なら「禁煙外来」を受診することだ。▼きょうは「世界禁煙デー」。


2006/ 5/31 禁煙タクシー5年で6倍 全車の2.8%、地域単位で意識高まる  (産経新聞記事

 運転手はもちろん、客の喫煙も断る「禁煙タクシー」を1台でも導入した全国のタクシー事業者は、5年間で約8.8倍に増え、台数も約6倍になったことが、全国乗用自動車連合会の調査で分かった。好評の一方、運転手からは「降りる客もいる」との声も。台数は全タクシーの2.8%にとどまっており、同会は「一層の増加を期待したい」としている。31日は「世界禁煙デー」。
 調査によると、平成17年度末(18年4月1日導入分を含む)の禁煙タクシーは、44都道府県で計5867台(前年度比約1.7倍)。都道府県別では、4月1日に大分市などで全面禁煙を始めた大分県(1527台)が群を抜き、京都府(757台)、東京都(638台)と続いている。北海道・旭川や高知、熊本など地域や協会単位で取り組む例も増えた。
 事業者は539社で前年度の約1.8倍。また乗務員の喫煙を禁止している車両は、1107社で計3万4272台に上り、全車両の16.4%を占めた。
 導入が進んだのは、受動喫煙の防止を盛り込んだ健康増進法が15年に施行されたほか、昨年12月に東京地裁で「タクシー事業者は、受動喫煙から乗務員を守る安全配慮義務を負う」と指摘する判決が出るなど、タバコ対策の流れが追い風。
 大分県タクシー協会の漢2美会長(60)は「禁煙は時代の流れ。以前は(乗務員や先客の)煙で目が痛いなどの苦情があったが、今は安心して乗れると反応はいい。喫煙客も乗る前に消すなど理解が広がった」と話す。
 都内で1年前から禁煙タクシーに乗っている男性運転手(66)は「全車禁煙が公共交通機関の役割」とする一方「少数だが文句を言う人や、吸いたいからと長距離の途中で降りる人もいる」と難しさものぞかせた。


2006/ 5/31 禁煙パッチの保険適用、道内81カ所どまり 全額負担が大勢、混乱も あすスタート  (北海道新聞記事

 六月一日から禁断症状を軽くするための禁煙補助薬(ニコチンパッチ)に保険が適用されるが、実際に保険適用の対象となる医療機関は道内で八十一カ所にとどまっていることが分かった。禁煙指導をうたい文句にする医療機関が増える中、対象外の施設で受診すれば全額が患者負担となるため、混乱も招きそうだ。
 四月の診療報酬改定で、禁煙に伴う指導に保険が適用されるようになった一方、補助薬のニコチンパッチは保険対象外のままだった。六月以降は、こうした食い違いが解消され、禁煙の促進が期待されている。
 ただ、禁煙指導が保険対象となるためには《1》禁煙治療経験がある医師が勤務《2》専門の看護師を配置《3》医療機関の敷地内が全面禁煙-などの条件を満たす必要がある。
 道内で内科を掲げる医療機関は約二千カ所あるが、道社会保険事務局によると、保険適用の条件を満たしているのは三十一日現在で八十一カ所。それ以外は全額が患者負担となる。通常、初診で二週間分のニコチンパッチを処方された場合、保険適用されると自己負担は約二千七百円だが、適用されなければ全額負担で約九千円かかる。
 たとえば深川市立病院の場合、二○○三年に空知管内の公立病院で初の禁煙外来を開設、患者も多いが、保険適用とはならない。昨年の改築の際に完全禁煙を目指したが、入院患者の要望や一部市議の反発を受け、バルコニーや玄関を喫煙可能としたためだ。
 道社会保険事務局は「まだ、制度が始まったばかりで、保険適用となる医療機関は、これから増えていくだろう」(保険課)というが、保険適用の対象外でも「禁煙の指導、相談」を掲げている医療機関は多く、患者側の戸惑いを招きそうだ。
 道内で禁煙運動を進める市民団体「非喫煙者を守る会」(札幌)の代表黒木俊郎弁護士は「現状では患者に混乱が起きる。医療機関は保険適用されるかどうかの情報を積極的に開示すべきだ」と話している。


2006/ 5/31 車両の15%、200台を禁煙車両に 京都の弥栄自動車  (京都新聞記事

 「禁煙タクシー」導入のタクシー事業者は、5年間で約8・8倍に増え、台数も約6倍になったことが、全国乗用自動車連合会の調査で分かった。京都府では全国で2番目の757台となっている。
 府内最大手の弥栄自動車(京都市下京区)が、乗客や乗務員からの要望を受け、昨年8月から全車両の約15%に当たる約200台を禁煙車両に指定。北野均営業部副部長は「タバコを吸う人もいるので100%禁煙とはいかないが、今後も世の中の流れに合わせて増やす予定」という。
 また、エムケイ(北区)は1992年から全車両に禁煙ステッカーを張って運行。現在、ハイヤーやジャンボタクシーを含む約870台で実施している。京都は、観光客も多いだけに大手業者間でも対応が分かれているが、京都相互タクシー(右京区)は「年内にも全体の1割をめどに禁煙化を検討している」としている。


2006/ 5/31 広告が影響? 少女の喫煙、世界的に急増 WHO調査  (朝日新聞記事

 タバコを吸う少女が増え、若年層の男女間の喫煙率の差がなくなりつつある――。31日の世界禁煙デーにあわせ、世界保健機関(WHO)が米疾病対策センター(CDC)と協力して実施した世界若者タバコ調査の結果を公表した。タバコ産業が女性市場を開拓しようと、「タバコはおしゃれ」という広告に力を入れていることなどが背景にあると分析している。
 両機関は99年から02年にかけて、世界76カ国約120地点で約40万人の13~15歳の少年少女を調査した。
 成人の紙巻きタバコの男女喫煙率はアジア、アフリカ、中東などで男性が女性の7倍から11倍多く、欧米でも男性の喫煙者が女性の2倍近くになる。しかし、13~15歳人口でみると、アフリカや東南アジア、中東では喫煙女性1人に対する喫煙男性数は2.2人から4.3人で、成人の男女比の半分ほどだった。北米・中南米、欧州では1.2人と男女差はほとんどない。調査地点の半数で喫煙率の男女差がなかったという。チリやウルグアイ、ブルガリアの調査地点のなかには、女性の喫煙率が男性を上回るところもあった。
 米国や北欧の一部で女性喫煙者は減り始める一方、アジアなど途上国の女性がタバコの有望市場になっており、報告書は「タバコメーカーは女性誌の広告やファッションイベントの主催などを通じて女性消費者の獲得に成功している」としている。WHOは若い女性に焦点をあてたタバコ規制政策づくりを急ぐべきだと指摘している。


2006/ 5/31 妊婦対象に禁煙スクール実施へ 松山市保健所  (愛媛新聞記事

 31日は世界禁煙デー。県内でも若い女性の喫煙率が上昇する中、松山市保健所は6月から、妊婦を対象に「マタニティー禁煙スクール」を始める。胎児への配慮からタバコをやめようという思いが強くなる妊娠中に、禁煙に導くのが狙いだ。
 同スクールは10回予定で、参加無料。受講者がペアを組み、禁煙状況の報告をしながら互いに支え合う仕組みづくりを目指すほか、喫煙による影響をテーマにした講演も実施する。
 県が昨年、県内の大学や専門学校に通う18―29歳の男女5000人を対象に調査した「平成若者からだアンケート報告書」によると、喫煙している女性のうち、禁煙に関心があると答えたのは75・6%で、男性より約15ポイントも高い。
 ただ、大学など身近な場所での禁煙講座への参加希望者は約1割にとどまっている。また、受けたいサービスとしては「専門家による個別相談窓口」(21・7%)よりも「携帯やネットでの情報提供サービス」(36・7%)が多く、全体的に受け身の傾向が強い。


2006/ 5/31 禁煙デー、FIFAの禁煙対策に批判  (TBSニュース記事

 31日は世界禁煙デーですが、サッカーのワールドカップを主催するFIFA=国際サッカー連盟が、ドイツ大会での禁煙対策をめぐり批判を浴びています。
 スタジアムの観客席から漂ってくるタバコの煙。サッカー選手たちは顔をしかめ白い煙をシャットアウトします。これはドイツ大会の禁煙キャンペーン「No Smoking,please」のスポットです。
 ワールドカップのスタジアムで試合前などに流されますが、内容は「できるだけ禁煙で」という、愛煙家の観客にとって優しいキャンペーンです。
 というのも2002年の日韓大会では、スタジアム内は全面禁煙の措置がとられ、ドイツの次の南アフリカ大会でも全面禁煙が決まっているからです。
 ドイツの喫煙率は男女あわせて33%で、日本より高い数字です。飲食店などでの分煙もほとんど進んでおらず、愛煙家の権利が未だに強いヨーロッパの中でも珍しい国です。
 FIFAがドイツ大会を全面禁煙にできなかったのは、「ドイツサッカー界の愛煙家らがロビー活動を行ったからだ」という噂も飛び交っていて、今回の措置は多方面から批判を浴びています。
 「なぜドイツで時計の針が逆行し、02年の禁煙基準が破られるのか、私は主催者に問いたい」(ガン国際コンサルタント、ボルンホイザーさん)
 禁煙キャンペーンの一方で、ドイツ大会のロゴ入りライターが売り出されました。FIFAは商業主義に走りすぎだと、禁煙運動家の怒りに拍車をかけています。


2006/ 5/31 禁煙タクシー、5年で6倍に・31日「世界禁煙デー」  (日経ネット記事

 運転手はもちろん、客の喫煙も断る「禁煙タクシー」を一台でも導入した全国のタクシー事業者は、5年間で約8.8倍に増え、台数も約6倍になったことが、全国乗用自動車連合会の調査で分かった。好評の一方、運転手からは「降りる客もいる」との声も。台数は全タクシーの2.8%にとどまっており、同会は「一層の増加を期待したい」としている。31日は「世界禁煙デー」。
 調査によると、2005年度末(06年4月1日導入分を含む)の禁煙タクシーは、44都道府県で計5867台(前年度比約1.7倍)。都道府県別では、4月1日に大分市などで全面禁煙を始めた大分県(1527台)が群を抜き、京都府(757台)、東京都(638台)と続いている。北海道・旭川や高知、熊本など地域や協会単位で取り組む例も増えた。
 事業者は539社で前年度の約1.8倍。また乗務員の喫煙を禁止している車両は、1107社で計3万4272台に上り、全車両の16・4%を占めた。
 導入が進んだのは、受動喫煙の防止を盛り込んだ健康増進法が03年に施行されたほか、昨年12月に東京地裁で「タクシー事業者は、受動喫煙から乗務員を守る安全配慮義務を負う」と指摘する判決が出るなど、タバコ対策の流れが追い風。
 大分県タクシー協会の漢二美会長(60)は「禁煙は時代の流れ。以前は(乗務員や先客の)煙で目が痛いなどの苦情があったが、今は安心して乗れると反応はいい。喫煙客も乗る前に消すなど理解が広がった」と話す。
 都内で1年前から禁煙タクシーに乗っている男性運転手(66)は「全車禁煙が公共交通機関の役割」とする一方「少数だが文句を言う人や、吸いたいからと長距離の途中で降りる人もいる」と難しさものぞかせた。


2006/ 5/31 オフィスなど禁煙化、衛生部が法制化へ[社会]/中国  (NNA記事

 衛生部はこのほど、公共の場所を禁煙化する方向で立法作業に入ったことを明らかにした。毎年、世界のタバコ消費量の3分の2に当たる1兆6,000億本が消費される「タバコ大国」の現状を改め、国民の健康増進を図るのが目的。2008年の北京五輪に向けたイメージアップも狙いのようだ。
 発表によると衛生部は、新たな禁煙法案の作成に向けた検討作業に着手。「公共の場所、交通機関、室内の作業場(オフィス)でタバコとその煙に人々が触れないよう保護する」と説明。事実上、これらの場所での喫煙を法で禁止する方向性を示した。まず教育機関や病院など保健衛生施設、子供向けの場所などで優先的に喫煙規制を強めるともしている。
 衛生部は、喫煙規制を含む現行の「公共場所衛生管理条例」についても、タバコ規制枠組み条約の規定に沿って作成した改正案の審議を既に国務院(中央政府)に要請。北京五輪組織委員会と連携し、北京五輪を「タバコのない五輪」にする活動も推進していることを明らかにした。


2006/ 5/31 警部補が酒気帯び運転=標識に衝突、書類送検-広島県警  (時事通信記事)

 酒気帯び運転で物損事故を起こしたとして、広島県警は31日、広島北署生活安全課の男性警部補(38)を道交法違反(酒気帯び運転など)の疑いで広島区検に書類送検した。また、停職3カ月の懲戒処分としたが、警部補は依願退職した。 県警監察官室によると、警部補は11日午後10時50分ごろ、広島市中区住吉町で自家用車を運転中、消火栓標識に衝突。通行人の110番で、広島中央署員が駆け付けたところ、車内にいた警部補から呼気1リットル中0.25ミリグラムのアルコールが検出された。  当日、警部補は当直明けで、午後5時~7時に広島北署で催された県警柔道大会の激励会に参加。缶ビール3本と焼酎お湯割り3杯を飲み、公共交通機関で帰宅した。その後、「コンビニにタバコを買いに行く」と言って、車で外出し、自宅から約1キロの所で事故を起こしたという。 警部補は「申し訳ないことをした。深く反省している」と話しているという。 小笠原尋文監察官室長の話 あってはならないことで、指導を徹底し、再発防止に努めたい。


2006/ 5/30 味も空気次第/路上、野放し 分煙 県内は…/福井  (日刊県民福井記事

 受動喫煙の防止が定められた健康増進法の施行から約3年。県内でも公共施設や学校、病院などでは禁煙や分煙が当たり前となってきたが、飲食店やタクシー、市街地での“歩きタバコ”などへの対策はどうなっているのか。31日の「世界禁煙デー」を前に、県内各方面の対応状況を探った。 (畑結樹)
飲食店 『気持ちよく食事』に配慮
 非喫煙者にとって、おいしい料理を味わうのにおいしい空気は不可欠。全国チェーンの店では分煙や禁煙が進んでいるが、県内の飲食店の対応はまだ遅れている。
 県麺(めん)類業生活衛生同業組合によると、加盟店で分煙などの措置をとっているのは数店だけで、他の飲食関係の組合でも状況はほぼ同じ。ヘルシーなメニューやサービスを提供している県認定の「健康づくり応援の店」でも、登録されている二百九十店中、禁煙や分煙の対応をしているのは四十店にとどまっている。
 一方で、気持ちよく食事を提供しようと、禁煙化を進める店も増えてきている。特定非営利活動法人(NPO法人)タバコ環境NPOネットの「おいしい空気のお店」の認定を受けている福井市順化二丁目のカフェ・雑貨店「キルトハウス」は、二〇〇五年一月から禁煙化。オーナーの松本加代さんは「煙がなくなった店内は気分がいい」と語る。
 敦賀市中央町一丁目のラーメン店「一力」も五、六年前から飲食スペースは完全禁煙。副代表の菅井宏治さんは「家族連れや子供客にも、楽しく、うまいラーメンを食べてもらいたかった」と、その理由を話している。
大型SC 店内分煙きっちり 買い物気兼ねなし
 歩きタバコが横行する中心市街地と対照的に、ショッピングセンター内では健康増進法の施行とともに店内の禁煙化が進み、雨だけでなく煙も気にせずにショッピングが楽しめるようになった。
 福井市のエルパ、ヤスサキグループとも、同法の施行を契機に店内を禁煙とし休憩所などにあった灰皿を撤去。喫煙ができるのは、店内の一部の場所のみとなっている。ただ、テナントの飲食店内は喫煙可となっているが、エルパでは店内の分煙をするよう各店舗に協力を求めているという。
歩行者規制、動きなし 行政 『啓発によるモラル次第』
 東京・千代田区をはじめ、全国では路上での歩きタバコや吸い殻のポイ捨てを規制する条例の制定が相次いでいるが、県内各市では、今のところそうした動きはない。
 福井市では、一九九六年に制定された市中心部でタバコや空き缶のポイ捨てなどを禁止する条例はあるものの、ポイ捨ての元凶で、歩行者のやけどなどにもつながりかねない歩きタバコの規制については「積極的に導入する理由がない」(清掃整備課)ため、制定の見込みはないという。
 敦賀市では、条例について何度か検討はしたが、現在は「啓発による住民のモラルで対応していく」としている。
タクシー 喫煙者の抵抗強く
 タバコは乗客だけでなく、運転手の健康への影響が問題となっているタクシー業界だが、県内でも徐々に「禁煙タクシー」の導入が進んでいる。
 県タクシー協会によると、二〇〇四年に全車禁煙とした敦賀京阪タクシー(敦賀市)を皮切りに、越前、鯖江両市の業者も禁煙車を一部導入。京福グループのタクシー各社も、段階的に禁煙車を導入していくことにしている。個人タクシーでは県内で一台のみ禁煙となっている。
 敦賀京阪タクシーでは「女性や高齢者を中心に好評を得ている」というが、同協会によると、客層には根強い喫煙者も多いことなどが、禁煙化の拡大への支障になっているという。
【写真】【上】全席終日禁煙で「おいしい空気のお店」にも認定されているキルトハウス=福井市順化2丁目で【下】火の付いたタバコを手に街を歩く喫煙者=福井市大手3丁目で


2006/ 5/30 COPDは“タバコ病”推定患者は約530万人、10数年後に死亡原因の3位に  (日経ビジネス記事

健康 喫煙 生活習慣病
 COPDという病気を知っていますか?
 日本語では「慢性閉塞性肺疾患」と呼ばれており、これまで「慢性気管支炎」や「肺気腫」といわれてきたものが含まれます。
 COPDの3大症状はせき、たん、息切れで、これらが長期間持続、徐々に肺の細胞が壊れて、最後は呼吸不全や心不全、重い肺炎で死に至ります。
 COPDは猛烈な勢いで増えており、WHOの統計では世界の死亡原因の第4位、米国でも過去30年間で、他の病気による死亡率は減っているのに、COPDによる死亡率だけは著しく増えています。
 日本では、1996年の厚生労働省の調査では22万人とされていましたが、2001年の大規模調査で約530万にもおり、日本の喫煙率の高さからみて、今後も急増し、2020年には死亡原因の3位になるとの予測もあります。
 COPD患者の90%以上は喫煙者で、1日の喫煙本数と喫煙期間に、比例してCOPDの発症率は高まり、進行も早くなります。まさに“タバコ病”の最たるものと言えます。
 治療の第一歩は、喫煙という生活習慣を断つこと。この4月から、禁煙指導が保険診療の対象になりましたので、心配な方は医療機関に受診を。詳しくはCOPDネット(http://www.copd-info.net/treat/serious.html)を開いてください。
 今月31日からは「禁煙週間」、この機会にタバコを止めませんか?


2006/ 5/30 路上喫煙「迷惑」、愛煙家も6割=防止条例制定を検討-大阪市  (時事通信記事)

 大阪市は30日、4月に実施した「路上喫煙対策に関する市民アンケート」の結果を公表した。路上での喫煙について、回答者全体の8割、喫煙者でも約6割が「迷惑」と感じていることなどが結果から明らかとなっている。市はアンケート結果を踏まえ、路上喫煙防止条例案を今秋にも市議会に提出する方針だ。 アンケートは20歳以上の市民3000人を無作為に抽出し、4月3―16日の間に郵送で実施。計1157人から回答があった。 回答者のうち、喫煙者は約2割に当たる244人。そのおよそ6割を占める138人が、路上喫煙は「迷惑」と答えた。 また、全回答者のうち、「路上喫煙により不快な思いをしたことや被害を受けたことがある」人は1022人と約9割に達した。路上喫煙防止条例についても、「制定すべきだ」と答えた人が全体の約8割の909人、喫煙者でも5割以上の133人に上った。 市によると、全国の15政令市のうち千葉、名古屋など6市が罰則規定を含む路上喫煙防止に関する条例を制定している。市は今後、条例の適用地域、罰則規定などについて具体的な検討を進め、「秋ごろを目標に制定したい」(環境事業局)としている。


2006/ 5/30 喫煙の心理研究で学会 子どもを被害から守ろうと  (共同通信記事)

 子どもをタバコの害から守り、喫煙による健康被害を減らそうと、医療、教育関係者らが29日、日本禁煙科学会を設立、喫煙防止教育の推進や、タバコをやめられない心理状態の研究に取り組むことにした。
 京都市で記者会見した理事長の吉田修(よしだ・おさむ)奈良県立医大学長(泌尿器科学)らは「日本では年間約11万5000人が、喫煙が原因のがんなどの病気で死亡している。20代女性の喫煙率は24%に増えるなど、問題は深刻だ」と指摘した。
 厚生労働省が掲げる2010年に未成年の喫煙をゼロにするという目標実現に協力したいとしている。
 吉田理事長らによると、学校で喫煙防止教育を進めてもらうよう取り組むほか、タバコが減ることによる医療費の抑制効果などの研究を進め、「禁煙科学」という学問分野を確立させる。
 学会設立に82人が参加。今後、禁煙に取り組むさまざまな人に呼び掛ける。
 タバコに関しては、2月に日本禁煙学会が発足、専門の医師や看護師の育成や禁煙運動を進めている。吉田理事長は「禁煙学会との連携も考えたい」と話した。


2006/ 5/30 厚労省、禁煙支援マニュアルを作成・自治体に配布へ  (日経ネット記事

 31日の「世界禁煙デー」を前に、厚生労働省は30日、タバコをやめたい喫煙者を保健医療従事者がサポートする際に役立てる「禁煙支援マニュアル」(CD―ROMとテキスト)を作成したと発表した。6月中旬に全国の自治体に配布し、同省のホームページでもテキストを公開する予定。
 マニュアルは、喫煙の健康への影響やニコチン依存症、禁煙サポートの理論と方法などについて最近の科学的研究を基に分かりやすく解説。ミニテストやクイズもあり、知識レベルを確認できる内容になっている。
 厚労省の調査によると、習慣的な喫煙者(男性4割、女性1割)の7割が「禁煙したり、本数を減らしたい」と回答。同省は「各自治体はマニュアルを活用して、禁煙・節煙希望者への支援体制を充実させてほしい」(健康局)としている。


2006/ 5/30 乗客の「煙害」で心臓病 タクシー運転手が賠償提訴  (共同通信記事

 乗客が喫煙中に窓を開け、処分された個人タクシー運転手安井幸一さん(72)=東京都杉並区=が30日、乗務中の「煙害」で心臓病を患ったとして、処分した財団法人東京タクシーセンターに約1000万円の損害賠償を求める訴訟を30日、東京地裁に起こした。
 訴状によると、安井さんは1986年2月、乗客が喫煙中、換気のため運転席の窓を5センチ程度開けた。乗客の苦情を受けた同センターは「いかなる場合でも禁煙を願い出ることはできない。乗客の気分を害しただけで、指導・処分対象」として「接客態度違反処分」としたため、受動喫煙を余儀なくされ、94年に心臓病と診断された。


2006/ 5/30 禁煙条例から売春宿の除外要求、豪州性産業関連団体  (CNNニュース記事

シドニー――オーストラリアのセックス産業関連団体は29日、同国南部ビクトリア州が今年7月から実施予定のホテル、一部施設内での禁煙条例から、売春宿の除外を求める書簡を州政府当局に送付した、と述べた。ロイター通信が報じた。
 喫煙と性産業は「死活的な相互関係」にあると指摘。「人々は飲酒の時にタバコを吸う。女性と密接な関係を持つ時にも同様だ」と主張している。条例を厳格に実施した場合、売春宿の女性らが路上に大量に戻り、風紀が乱れることも懸念される、と説いている。
 オーストラリアでは既に、公共施設内での喫煙は禁じられている。ビクトリア州内には、87個所で売春宿が認可されている、という。


2006/ 5/30 禁煙バッチ来月1日から保険適用  (KNBニュース記事

 やめたいけど、やめられない、そんなタバコの喫煙者に朗報です。
 ことし4月から禁煙治療に健康保険が適用されていますが、来月1日からは、この貼り薬にも保険が適用されます。
 禁煙治療の現状についてのリポートです。
 「私もタバコを吸うんですが、この機会に、私も実際に禁煙治療を受けたいと思います。宜しくお願いします。」
 治療では、喫煙を本質的にニコチン依存症で、「繰り返し治療が必要な慢性疾患」つまり、病気としてとらえます。
 問診でニコチン依存度のテストが行なわれ、カウンセリングなどの治療が行なわれることになります。
 厚生労働省は、ことし4月の診療報酬改定で禁煙治療を保険適用としました。
 保険で禁煙治療を行なう病院でおよそ3ヶ月の期間、カウンセリングなど5回の診療が保険の適用対象となります。
 さらに、来月1日から禁煙治療の適用範囲が広がります。
 来月から保険が適用されるニコチンパッチ。このパッチは、皮膚に貼ることで禁煙の苦しい禁断症状が軽くなります」
 「ニコチンパッチ」は皮膚からニコチンを体内に摂取することで禁断症状を軽くして、禁煙を助ける貼り薬ですが現在は保険の対象外です。
 これが、来月から保険が適用されることになります。
 ニコチンパッチの値段は現在、8週間の使用で、2万円から3万円かかります。
 カウンセリング治療が5回でおよそ1万円。
 保険が適用されれば、患者負担は原則3割と、大幅に軽くなります。
 しかし、そもそも嗜好品であるタバコをやめるのに、なぜ、保険が適用されるのでしょうか?
 将来的な医療費の削減に喫煙者を減らすことでタバコによる健康被害を減少。
 厚生労働省では、10年後におよそ550億円、15年目にはおよそ1800億円の医療費削減効果があると試算しています。
 しかし、現在、県内で、保険を適用し禁煙治療を行なえるのは、公的病院2箇所を含め8箇所です。
 保険適用となるために病院敷地内を完全禁煙にするなどの条件があるためで、各病院で検討が進められています。
 国内の喫煙者の割合は、29.2パーセント、年々減少傾向にあるもののおよそ3人に1人が喫煙者です。
 禁煙治療の保険適用が喫煙者の減少につながるのか?最終的には喫煙者のタバコをやめようという意識にかかっていることは間違いありません。


2006/ 5/30 [新技術]REX、課金も可能な禁煙推進型の喫煙室、入退室管理システムを応用して  (BCNランキング記事

 リコーエレメックス(REX、橋本誠社長)は5月29日、禁煙および喫煙量の削減を推進する「禁煙推進システム」を開発したと発表した。世界禁煙デーにあたる5月31日から同社の喫煙室で試験運用を開始し、9月末頃までに商品化を目指す。
 喫煙室に専用の入退室管理システムを取り付け、在室時間を記録。滞在時間からタバコが健康に与える影響をなど推計して利用者へ情報提供し、禁煙または喫煙量の削減を促す。
 喫煙室の利用者を事前登録しカードキーを発行。これを喫煙室出入り口のカードリーダーにかざして鍵を開けて入室する。退室時も同様にカードをかざしてドアの鍵を開けて退出する。このシステムによって喫煙者ごとに喫煙室の入退出履歴を記録。滞在時間によって健康に与える影響度を算出して各喫煙者に1ヵ月に1度、情報提供していく。情報提供はイントラネットを利用し、各登録者に与えられたIDとパスワードで自分の情報だけが閲覧できる。また、その月の喫煙室での累計在室時間はいつでも知ることができる。
 滞在時間を元に推計して表示する内容は、推定喫煙本数や推定タバコ代など。さらに主流煙・副流煙の吸気量や健康影響物質の吸気量も推定し、「非喫煙者と比べて**の病気になる可能性が約**倍高い」といった、健康への影響に関するコメントも表示する。
 企業としては、会社で行う保健士などによる健康医療相談の際、喫煙状況の個別データとして利用でき、従業員の健康増進支援に役立てられる。さらに、喫煙室利用者ごとの喫煙室在室時間を管理することも可能。喫煙者全体の喫煙室利用時間削減目標を立てるなど、健康増進や業務効率の向上を数値目標で管理することもできる。
 また、喫煙室利用時間や利用回数の上限値を設定して喫煙室の利用を制限したり、喫煙室の利用状況により、利用者への課金や料金の徴収を行うこともでき、喫煙室の導入・維持経費を利用者が負担して運用する制度に利用することもできる。
 同社では、これまで空気清浄機や喫煙対策機の製造・販売や分煙スペースの提案などを通じて得たノウハウを活かし、喫煙者の健康増進のために禁煙および喫煙量の削減を推進するシステムとして販売していく方針。


2006/ 5/30 喫煙受難時代  (愛媛新聞コラム「地軸」

 タバコを吸う人にとって、禁煙するのは大変なことに違いない。健康に良くない、周りの人にも煙たがられる―とやめようと思ってもなかなかやめられない。そういう人は多いだろう▲
 かつて何度も禁煙した経験からすると、その葛藤(かっとう)というか悩みは理解できる。要するに禁煙できないのは意志が弱いからだといわれたりした。だが今や逆だ。意志が強くなければ喫煙は難しい。そんな時代環境に変わっているのではないかと思う▲
 このところ、タバコに対する社会的な規制や風当たりはますます厳しい。健康増進法により公的施設などでの禁煙・分煙化が進む。歩きタバコ禁止条例を定めた自治体もある。広告の規制、値上げが続く。こうしたなかで吸い続けるにはそれなりの意志がいりそうだ▲
 さらに、タバコを吸わない人の健康被害がクローズアップされているのが最近の特徴だ。日本禁煙学会によると、受動喫煙で年間約二万人が亡くなっているという。新たに「受動喫煙症」との病名を付け診断基準もつくられた▲
 医学界からはとうとう「喫煙は病気」という見立てが下された。四月から禁煙治療に医療保険が適用された。ニコチン依存症で、タバコをやめたいと思っている人が対象だ。効果のほどを注目したい。六月からはニコチンパッチ療法も適用になる▲
 これからも愛煙家の肩身の狭い思いは続くかもしれない。確かにタバコには社会的規制がある程度必要だ。そのうえで、吸う吸わないは最終的には大人の自己決定に委ねるほかない。


2006/ 5/29 偏った食生活、喫煙と同じくらい健康に悪影響  (ロイター記事

 [アムステルダム 29日 ロイター]オランダの国立公衆衛生・環境保護研究所(RIVM)が29日公表した報告書によると、魚、果物、野菜をほとんど食べないことは喫煙と同じくらい健康に悪いという。
 欧州食品安全機関(EFSA)が食品と食生活のリスク分析に使用するという同報告書は「現在オランダでは、深刻な病気や死亡の原因となっている食習慣のうち、最大のものが魚、果物、野菜の摂取不足だ」と指摘。
 また「何年もの闘病生活を強いられるリスクまで考慮に入れると、不健康な食生活は喫煙と同じくらい健康に大きな害を及ぼす」と強調している。
 同報告書によると、人口1600万人のオランダでは、約75%が十分に果物や野菜を摂取していない。
 また、不健康な食生活が糖尿病や心疾患、がんを引き起こすことで毎年約1万3000人が死亡。一方で肥満による心臓病やがん患者の死亡は、年間7000人となっている。


2006/ 5/29 喫煙者を対象から除外/ぜんそく患者医療費助成で川崎市が条例案  (神奈川新聞記事

 川崎市は全市内の成人気管支ぜんそく患者への医療費助成を盛り込んだ条例案を六月定例市議会に提案する。喫煙者を助成対象から除外する「全国でも珍しい条例」(川崎市)という。紫煙との縁切りで、ぜんそく患者の症状悪化を防ぐ狙いとしている。
 また、従来の、国の公害指定地域だった川崎、幸両区の医療費助成対象を市内全区に拡大する一方、「全額助成」を「自己負担額一割」へと変更する。施行は二〇〇七年一月。
 新条例の適用対象は、市内に三年以上住む満二十歳以上で、気管支ぜんそくにかかっている人。医師や学識経験者六人以内の委員からなる市成人ぜんそく患者医療費助成認定審査会が審査、市が認定する。
 認定を受けて得た医療証を提示し、市内の病院などで気管支ぜんそくにかかわる医療を受けた場合、医療費の一割を除く部分を、市が医療機関に支払う。
 喫煙は気管支ぜんそくの治療の妨げになるだけでなく、呼吸器疾患の大きな原因の一つと考えられている。助成を受ける人は、治療に向け努力することが求められることから、禁煙を助成の条件としたという。
 治療開始当時喫煙していた人も、禁煙の誓約書を出してもらえば、助成する方針。二年ごとの認定更新時に、禁煙を継続しているか確認する。
 また、公害補償制度の補完ではなく、アレルギー対策として助成するため、過去住んでいた経歴ではなく、申請時に引き続き三年以上住んでいることを要件とした。ぜんそくの検査などの費用も、同様に対象外とした。
 なお、従来制度の対象者には激変緩和として、二〇〇九年三月まで、現行の助成が継続される。従来制度の対象者は九百人弱。新制度では約二千三百人が対象となる見通しで、助成費は約七千八百万円になるという。


2006/ 5/29 【中央官庁だより】 ◇1日1箱吸うより安い=厚生労働省  (時事通信官庁速報)

 「禁煙を目指す人には朗報です」(厚労省幹部)―。先週の中央社会保険医療協議会で、喫煙者がタバコを控えたときの禁断症状を和らげる張り薬「ニコチンパッチ」が6月から保険適用されることになった。4月から禁煙治療自体は既に適用となっていたが、肝心のパッチには保険が使えなかったため、治療でパッチを使っても「混合診療」とみなされ、パッチ代、診察料を含めて全額自己負担だった。会議では一部委員から、「趣味の問題に保険適用する論理が分からない。タバコの国内販売を禁止したらよい」といった厳しい意見が飛び出す一幕もあったが、強硬な反対論はなく、適用は了承された。パッチ代は8週間分で2万円強。これまでは300円のタバコを1日1箱吸う人にとってはパッチで禁煙する方が割高だったが、今後は割安になる。「タバコは百害あって一利なし」という先の「嫌煙家」幹部は、「健康になって、さらに金も掛からなくなる。これを機に禁煙にチャレンジしてみては」と呼び掛けている。


2006/ 5/29 日本禁煙科学会を設立 京大などの研究者ら  (京都新聞記事

 禁煙や防煙に向けて研究・教育・実践に取り組む京都大などの研究者や医療、教育、行政関係者らが、日本禁煙科学会を設立し、29日発表した。禁煙社会の実現に向け、分野を横断した共同研究や、市民への啓発活動を進める。
 禁煙の必要性を科学的に明らかにする「禁煙科学」の確立が目的。医学、教育学、社会学、経済学、心理学などの研究者が、分野を超えて研究成果を共有するとともに、学会としても研究班を設けて学際的なテーマ研究を推進する。 また、禁煙推進マニュアルの出版や市民講座の開催も計画。喫煙の健康への影響や禁煙の知恵を分かりやすく伝える「禁煙トリビア」の募集などにも取り組む。
 理事長には京都大名誉教授の吉田修・奈良県立医科大学長が就任。2000人の学会参加を見込んでおり、第1回の学術総会を12月17日に京都大で開く。
 健康増進法の施行などタバコによる健康被害を防ぐ対策が広がり、喫煙者は減ってきているが、若年層や未成年の喫煙など解決すべき課題も多い。副理事長の中原俊隆・京都大医学研究科教授(公衆衛生学)は「タバコに対する社会の意識が変わってきた今だからこそ、科学的に禁煙を推進したい」と話している。


2006/ 5/29 黄砂よりも紫煙、中国の喫煙人口は世界の約3分の1  (読売新聞記事

【北京=末続哲也】中国衛生省は29日、中国の喫煙状況についての報告書を発表し、2002年の中国の喫煙者が推定約3億5000万人に上り、世界の喫煙人口(約11億人)の約3分の1を占めると明らかにした。
 報告書は、喫煙の抑制が「民族の隆盛にもかかわる」と指摘し、公共の場での禁煙を法制化するなど、対策の必要性を訴えた。
 報告書によると、中国で肺がんなど喫煙による疾病で亡くなる人は年間約100万人で、2020年には200万人に倍増する見通しだ。喫煙者の若年化も進んでいる。
 中国は、全世界の約3分の1のタバコを産出する一大生産国でもある。タバコ産業に依存する地域も多く、喫煙の危険性を啓発する活動が滞りがちとの見方もある。


2006/ 5/29 中国喫煙者、3億5000万人 世界の3分の1占める  (共同通信記事)

【北京29日共同】中国衛生省は29日、中国の喫煙状況をまとめた「2006年中国喫煙と健康報告」を発表、02年の中国の喫煙者は3億5000万人で、11億人に上るとされる世界の喫煙者の約3分の1を占めていることを明らかにした。
 肺がんなど喫煙による疾病が原因で死亡する人は年間100万人で、2020年には200万人に上ると予測。同省は喫煙に対する規制を強化するなど「大衆のタバコによる健康被害の拡大防止に努める必要がある」と指摘した。
 報告によると、中国では1990年代にタバコの消費量が増え、50年代の4倍に。現在は年間1兆6000億本を消費しているという。喫煙を始める平均年齢も80年代の22・4歳から2002年には19・7歳に下がり、喫煙者の若年化が進んでいることを示した。


2006/ 5/29 タバコ肺疾患、チェックシートで早期診断  (朝日新聞記事

 タバコでリスクが高まる慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)の早期診断チェックシートを相澤久道・久留米大教授(呼吸器・神経内科)らが作った。31日の世界禁煙デーを前に、注意を呼びかけている。
 COPDは肺に炎症が起き、酸素と二酸化炭素を交換する肺胞が壊れたり、気管支が細くなったりする病気。日本人の死因第10位で、世界保健機関(WHO)も2020年には世界の死因第3位になると予測している。
 せきやたん、息切れなどが主な症状で、静かに進行し、やがては呼吸不全になる。国内の患者は500万人以上と推定されるが、風邪や年のせいと思って見過ごし、受診した時は重症であるケースも多い。
 チェックシートは世界家庭医学会が認定したものを、相澤教授らが訳した。対象は40歳以上の喫煙者(過去喫煙者も含む)。年齢やタバコの本数、体重を身長の2乗で割った肥満度指数(BMI)など8項目38点満点。17点以上だとCOPDの可能性が高い。ぜんそくなど別の病気と区別するための質問もある。
 「早期発見できれば、運動や食事療法、薬によって進行を抑え、生活の質を改善できる。16点以下でも、気になる人は専門医に相談してほしい」と相澤教授は話している。
   ◇
■COPDの早期診断チェックシート■
(1)年齢は?
40~49歳 0点▽50~59歳 4点▽60~69歳 8点▽70歳以上 10点
(2)(1日のタバコの本数)÷20×(喫煙年数)は?
0~14 0点▽15~24 2点▽25~49 3点▽50以上 7点
(3)BMIは?
25.4未満 5点▽25.4~29.7 1点▽29.7超 0点
(4)天候でせきがひどくなることは?
ある 3点▽ない 0点
(5)風邪ではないのにたんがからむことは?
ある 3点▽ない 0点
(6)朝起きてすぐにたんがからむことは?
よくある 0点▽ない 3点
(7)ゼイゼイ、ヒューヒューすることは?
時々・よくある 4点▽ない 0点
(8)今までにアレルギー症状は?
ある 0点▽ない 3点
※合計17点以上はCOPDの可能性が高い(相澤久道・久留米大教授らによる)


2006/ 5/29 マクロミル、「タバコに関する意識調査」結果を発表  (日経プレスリリース記事

タバコに関する意識調査
禁煙治療への保険適用 賛成 71%
禁煙しようと思う時 トップは「お金の無駄だと思った時」45%
禁煙成功の心得は「3度目の正直」 成功者の平均禁煙チャレンジ回数2.3回
 株式会社マクロミル(本社:東京都港区、社長:福羽泰紀)は、全国20歳以上の男女を対象に、「タバコに関する意識調査」を実施いたしました。調査手法はインターネットリサーチ。調査期間2006年5月18日(木)~5月19日(金)。有効回答数は1032名から得られました(男女および喫煙者・非喫煙者の割合は各半数づつ)。
【調査結果概要】
【1】 禁煙治療への保険適用 賛成71%
 2006年4月から禁煙治療が公的医療保険の給付対象になったことについて、71%の人が「賛成」(賛成+どちらかといえば賛成)と回答しました。賛成側の意見として「喫煙は病気だと思うから」「今後の医療費を削減できそう」「喫煙を止めるきっかけになればいい」が多く、喫煙の歯止めとなるきっかけに保険適用が有効活用されそうです。
【2】 禁煙しようと思う時 トップは「お金の無駄だと思った時」 45%
 過去禁煙にチャレンジしたことがある人に、禁煙しようと思うのはどんな時か尋ねたところ、トップは「お金の無駄だと思った時」(45%)でした。男女別に見ると、男性のトップは「お金の無駄だと思った時」(46%)、次いで「体力の衰えを感じた時」(33%)、女性のトップは「妊娠した・子供ができた時」(53%)、次いで「お金の無駄だと思った時」(43%)となりました。コストに対する意識は男女共通ですが、特に男性は体力問題、女性は妊娠・出産が禁煙への大きなきっかけとなっているようです。
【3】 禁煙成功の心得は「3度目の正直」 成功者の平均禁煙チャレンジ回数2.3回
 禁煙成功者に、何度目のチャレンジで禁煙に成功したのか回数を尋ねたところ、平均2.3回という結果になりました。半数以上の人は「1回目」(56%)で禁煙に成功したと回答。チャレンジ3回目までで約9割の人は禁煙に成功したと回答しており、禁煙成功の心得は「3度目の正直」であることが分かりました。
【4】 タバコを吸い始めたきっかけ 2人に1人は「友達」
 喫煙者に、吸い始めたきっかけとして影響を受けた人・モノを尋ねたところ、2人に1人が「友達」(53%)からの影響を受けたと回答しました。
「タバコに関する意識調査」(*添付資料参照)
《 引用・転載時のクレジット表記のお願い 》
 本リリースの引用・転載の際は、必ずクレジットを明記していただきますようお願い申し上げます。
<例> 「インターネット調査会社のマクロミルが実施した調査結果によると・・・」


2006/ 5/28 タバコの煙のない店 三重県が認定へ  (読売新聞中部版記事

 31日の「世界禁煙デー」に合わせ、三重県は、終日禁煙の店舗を「タバコの煙のないお店」として認定する事業を始める。タバコを吸わない人が煙の害を受ける受動喫煙の防止が狙いで、認定店舗は県のホームページや地域情報誌に掲載する。
 県の調査によると、県内の男性の喫煙率は1999年に44・8%だったのが、2004年は39・6%に低下しているが、周囲の喫煙で困っている人の割合は35・5%から40・5%に増えている。
 特に、「飲食店や職場などで困っている」との声が多く、県庁には「完全禁煙の店を紹介してほしい」などの要望が相次いでいた。
 認定対象は、店内を終日禁煙とし、入り口などからタバコの煙やにおいが入ってこない店舗。知事名で認定し、認定証は目立つ場所に掲示してもらう。申し込みの受け付けや審査は、県食品衛生協会に委託する。
 県健康づくり室では「どの程度の店舗が協力してくれるか分からないが、まずは年度内に20店舗の認定を目指したい」としている。
 応募受け付けは6月1日からで、問い合わせは同室(059・224・2294)。


2006/ 5/28 海外の禁煙CM紹介 葵区でセミナー  (静岡新聞記事

 静岡大生涯学習教育研究センターは27日、31日の世界禁煙デーを前に、テレビCMから禁煙を考える公開セミナーを静岡市葵区の市産学交流センターで開いた。禁煙の動機付けに役立ててもらうのが狙い。保健センターの職員など約20人が参加した。
 同大教育学部の赤田信一助教授が講師を務め、豪州を中心に実際に海外で放映されている禁煙CMを紹介し、国内や県内での禁煙CMによる効果や活用性を検討した。
 赤田助教授によると、豪州などでは禁煙CMが盛んに放映され、その効果が実証されているという。タバコの有害性や喫煙による病気の危険性を訴えるテレビCMを、歴史をさかのぼりながら見せ、「豪州では国民の多くが有害性を理解している。CMが受け入れられるのは歴史があるから」と説明。「今の日本に合った適切なCMの形があると思う」とCM開発の必要性などを強調した。


2006/ 5/28 雑記帳 禁煙訴え徒歩で日本縦断 豪州人英会話講師  (毎日新聞記事)

 ◇禁煙を訴えて徒歩で日本を縦断中の愛媛県在住オーストラリア人英会話講師、マーク・ギブンスさん(43)が全国行脚の折り返し点となる27日、東京入りした。
 ◇9年前の来日時に喫煙者の多さに驚いたのがきっかけ。9月の帰国を前に、「日本人に最後のお礼がしたい」と、4月に鹿児島をスタート。四国霊場八十八カ所にかけて北海道までの約3000キロを88日で歩く。
 ◇妻の玲子さん(35)も車で伴走してギブンスさんをサポート。「喫煙は自殺行為」と呼びかけながら、二人三脚の「禁煙遍路」が続く。


2006/ 5/28 医療費改定のポイント 禁煙治療保険でOK ニコチン依存など条件付きで…  (読売新聞記事

 4月からの診療報酬改定では、禁煙治療が保険で受けられるようになったり、入院時の食費の計算方法が変わったりと、患者に身近な医療費の取り扱いも様々な点で変更された。(田村良彦)
 ■禁 煙
 禁煙治療が、病気の治療として初めて保険で認められた。「ニコチン依存症管理料」という名称で、1回の受診につき230点~180点(1点10円)が、初・再診料や処方せん料に加わる。3か月間に5回通院するのが原則だ。
 ただし、保険がきくには、条件がある。
 まず、医療機関に対して、「敷地内が全面禁煙であること」といった条件がついた。禁煙推進に取り組む姿勢を問うものだが、建物内は禁煙でも屋外に喫煙所があることは多い。禁煙外来の看板を掲げているがん専門病院でも、この条件を満たさないために保険がきかない病院もある。
 また、治療を受ける本人には、1日の喫煙本数×年数が200以上(1日20本なら10年以上といった計算)などの、ニコチン依存が強いことを示す条件がある。このため喫煙歴の浅い未成年者らは事実上、保険の対象外となる。
 禁煙治療には、皮膚に張ってニコチンを徐々に吸収させ禁断症状を和らげる、禁煙補助薬(ニコチンパッチ)が処方されることが多い。ニコチンパッチは従来は保険外だったが、6月から、こういった条件がそろって保険で治療を受ける場合に限り、保険が適用されることになった。
 ニコチンパッチは1日1枚使い、大きさによって1枚約400円~355円。患者によって必要な枚数は異なる。
 禁煙治療の費用は、これまでの自費診療では診察料などを含めて通常2万~3万円前後かかっていたが、保険の3割負担になると1万円前後で済む計算になる。
(中略)
 ◇禁煙治療が保険で受けられる医療機関
 基準を満たす医療機関が、都道府県の社会保険事務局に届け出るが、現状ではまだ、まとまったものはない。受診前に個別に問い合わせよう。
 民間団体の禁煙マラソンのホームページ(http://kinen-marathon.jp/info/hospital-01/)では、独自調査による保険のきく医療機関名を掲載している。


2006/ 5/28 “鉄人アニキ”阪神・金本、タバコやめたら偉人? 禁煙させたい著名人 31日世界禁煙デー  (中日スポーツ記事

 31日の世界禁煙デーを前に行われた「『タバコやめてネ』コンテスト」で、禁煙させたい著名人の1位に、プロ野球の連続フルイニング出場で世界記録を打ち立てた阪神の金本知憲選手(38)が選ばれた。首都圏の禁煙・嫌煙団体でつくる「タバコ問題首都圏協議会」が27日、発表した。
 金本選手は、904試合連続出場の新記録を達成した翌日の新聞で、あまり節制せず喫煙もしていると報じられた。コンテストでは「『鉄人』にタバコは似合わない。やめれば『偉人』だ」との評が寄せられた。
 2位は昨年、一昨年とトップだった歌手の和田アキ子(56)、3位はコンテスト「常連」の明石家さんま(50)。4位には、映画も大ヒットした若者に人気の漫画「NANA」の主人公大崎ナナが入った。
 コンテストは、禁煙したら若い人に良い影響を与える著名人が対象。協議会の渡辺文学代表は「これらの人がやめれば、未成年者や若い女性ばかりでなく、一般スモーカーもやめるきっかけになるはず」と話している。


2006/ 5/27 「タバコやめて」1位は阪神の金本選手=市民団体選出、禁煙させたい著名人  (時事通信記事)

 31日の世界禁煙デーを前に行われた「『タバコやめてネ』コンテスト」で、禁煙させたい著名人の1位に、プロ野球の連続フルイニング出場で世界記録を打ち立てた阪神の金本知憲選手(38)が選ばれた。首都圏の禁煙・嫌煙団体でつくる「タバコ問題首都圏協議会」が27日発表した。


2006/ 5/27 お遍路姿で禁煙訴え 日本縦断のギブンスさん  (共同通信記事)

 お遍路姿で禁煙を呼び掛けながら日本縦断の旅をしているオーストラリア出身で愛媛県西条市在住の英会話講師マーク・ギブンスさん(43)が27日、東京入りし、都内を歩いてタバコの害を訴えた。
 ギブンスさんは4月13日に鹿児島県の佐多岬を出発。各地でタバコ問題のイベントなどに参加、母国での看護師経験を踏まえて喫煙や受動喫煙の危険性を説きながら、北海道の宗谷岬まで約3000キロを歩く。四国霊場88カ所にちなみ、日程は7月9日までの88日間。
 「日本では公共施設や乗り物でタバコを吸う人が多いのにびっくりした」と話し、自分にできることはないかと考えて縦断を決意したという。


2006/ 5/27 屋内全面禁煙の企業が倍増  (NHKニュース)

 職場の喫煙対策として建物の中での喫煙を全面的に禁じている企業が、この1年で2倍に増えていることが厚生労働省の調査でわかりました。この調査は、ことし2月、全国の5000社を対象に行ったもので、およそ2300社が回答を寄せました。


2006/ 5/27 佐賀ひき逃げ タバコで逮捕  (スポニチ記事

 佐賀県唐津市の小5男児ひき逃げ事件で、逮捕された坂口三之治容疑者(53)が、唐津署の調べに「逃亡中は山の中の穴に隠れ、食事もしなかった。無性にタバコが吸いたくなって山から下りた」と供述していることが26日、分かった。坂口容疑者は24日夜に唐津市内の国道沿いにある自販機でタバコを買おうとしているところを勤め先の土木会社の経営者に見つかり、県警の捜査員に逮捕された。
 坂口容疑者は逮捕時に百数十円の小銭とタバコ1本だけを所持。タバコは20本入り170円の安価な銘柄「エコー」で、タバコを買い足そうとしたらしい。坂口容疑者は21日午後、事故で前部が破損したトラックを県警白バイ隊員に見つかり、職務質問を受けた後に逃亡。坂口容疑者は「白バイ隊員がトラックの周りを見ていてばれたと思い、捕まりたくない一心で逃げた」と供述した。
 同署によると、被害者の家原毅君(11)は依然として意識が戻らないが、26日午前8時ごろ、病院のベッドで体を起こし「お母さん」と声を発して看護師に抱きついたという。


2006/ 5/27 洋服ラック付近が火元か=子供部屋にライター-3児死亡火災で実況見分・大阪  (時事通信記事)

 大阪府和泉市の会社員坂口正登さん(40)方が26日夕に半焼し、長男の小学2年樹喜矢君(7)ら3兄妹が死亡した火事で、府警和泉署は27日、消防と合同で実況見分した。子供部屋の西側壁際に置かれたハンガーラックや、ラックに掛けられた洋服が跡形もないほど焼け落ちており、同署はこの付近が火元とみている。 また、子供部屋の2カ所から100円ライターの焼け残りが見つかった。  調べによると、ラックには普段、クリーニング済みの服がビニール製の袋に入ったまま掛けられていた。当時、両親は仕事のため不在で、3人が留守番をしていた。 坂口さん宅では約1年前、子供がライターで遊びカーペットが焦げたことがあった。両親はタバコを吸うという。同署は火遊びの可能性も含め、慎重に出火原因の特定を進める。 亡くなった樹喜矢君と二男亜夢瑠ちゃん(4)、長女真衣ちゃん(1)は、ベランダに面した和室で発見された。死因は一酸化炭素中毒だった。母親の朱美さんの携帯電話による指示で、煙が充満していた玄関とは逆側に逃げたものの、煙に巻かれたとみられる。


2006/ 5/27 喫煙教師、禁煙無関心=「吸っても構わない」9割-周囲気にならず・300人調査  (時事通信記事)

 喫煙を後ろめたく思う教師は3割に過ぎず、9割は吸っても構わないと考えている-。31日の世界禁煙デーを前に、製薬会社ファイザー(東京)がインターネットを通じて実施した調査で、禁煙に無関心な教師の姿が浮かび上がった。 調査は全国の小学校、中学校、高校の喫煙している教師各100人、計300人を対象に、喫煙に関する意識などを聞いた。  喫煙歴は86%が10年以上で、未成年の時から吸っている人も29%いた。児童・生徒の喫煙はほとんどの人が「良くない」「見つけたら注意する」と回答。その一方で、教師の喫煙については「教育者として吸うべきではない」は10%で、90%の人は「別に構わない」と答えた。喫煙に後ろめたさを「感じる」は31%、「感じない」は69%だった。 喫煙に対する周囲の反応では、職場、児童・生徒ともに「特に何も反応はない」が6割を超え、「禁煙するよう言われている」や「悪い印象を持たれている」を大きく上回った。 児童・生徒に与える影響では「受動喫煙」(37%)を気にするものの、「児童・生徒が喫煙に関心を持ってしまう」(20%)などは「特に気になることはない」(27%)より少なかった。


2006/ 5/27 減らない「歩きタバコ」 シールで条例周知 三島  (静岡新聞記事

 三島市は26日、市中心部に、タバコのポイ捨てや歩きタバコの禁止を呼び掛けるアルミシールを張り出した。4月から施行した市条例「快適な空間を保全するための歩行喫煙の防止等に関する条例」の周知を狙う。
 同日は30枚を全長約6キロのせせらぎルート沿いに張り出した。日ごろ清掃活動に取り組んでいるボランティアグループの意見を聞き、吸い殻がよく落ちている横断歩道沿いや、道路わきの側溝のふたに、縦30センチ、横24センチのシールを張り付けた。
 市民から条例施行後も「落ちているタバコの数が減っていないようだ」と指摘されたことから、50枚を用意した。市は「条例を周知してもらい、効果を上げていきたい」と話している。


2006/ 5/26 全県立学校で全面禁煙/宮崎  (朝日新聞宮崎県版記事

 県教委は、6月1日からすべての県立学校を全面禁煙にすると発表した。愛煙家の先生たちにはつらい措置だが、「生徒にタバコを吸うなと指導する教師が吸っていては示しがつかない」と実施に踏み切った。
 対象は県立高校44校、盲ろう養護学校14校、五ケ瀬中等教育学校の計59校。現在ある喫煙コーナーも撤去し、敷地内の喫煙を一切禁じる。
 03年施行の健康増進法が、受動喫煙防止対策を公的施設の努力義務に定めていることが背景にあり、すでに17校が全面禁煙にしている。
 喫煙者へのサポートも進んでいる。公立学校共済組合は昨年、宮崎、都城、延岡市で保健師などを招いた禁煙セミナーを開催。4月からはニコチンパッチを購入した教諭に対し、1万円を上限に全額助成している。
 都道府県立学校の全面禁煙は、昨年5月時点で24都道県が実施。県内の小中学校では、宮崎、延岡、日向各市が全域で導入済みだ。宮崎大学は4月から全建物内を禁煙にしており、10年をめどに敷地内全面禁煙にするという。


2006/ 5/26 世界の中学生 17%が喫煙…WHO調べ  (読売新聞記事

【ワシントン=増満浩志】世界の中学生の2割近くが日ごろ喫煙していることが、132か国・地域を対象にした「世界青少年喫煙調査」で分かった。世界保健機関(WHO)とともに調査を進めた米疾病対策センター(CDC)が25日発表した。
 調査は1999~2005年に実施。無作為に抽出した9900校で、13~15歳の約75万人に30日以内の喫煙経験を尋ねた。葉巻やパイプも含めたあらゆる形態の喫煙を総合すると、全体の17・3%が喫煙したと回答。WHOの地域区分では、南北アメリカが22・2%、欧州が19・8%と高く、日本を含む西太平洋(11・4%)と東南アジア(12・9%)は低かった。
 女子の喫煙率は男子より低かったが、上昇傾向にあるといわれ、CDCは「女子に重点を置いた対策を、より多くの国で推進する必要がある」と指摘している。
    ◇
 厚生労働省研究班の2004年調査では、月1回以上タバコを吸う喫煙率は、中学3年男子で7・3%、女子は4・8%。一度でも喫煙したことのある経験率は、中3男子が23・1%、同女子が16・6%だった。


2006/ 5/26 調査対象で健康影響に差 喫煙と体形、厚労省研究班  (共同通信記事)

 喫煙や体形が健康に及ぼす影響の調査は、自発的に健康診断を受けた人だけを対象にした場合と、受けていない人も含む一般住民を対象にした場合とで結果に差が生じるとの研究結果を厚生労働省研究班(主任研究者・津金昌一郎(つがね・しょういちろう)国立がんセンター予防研究部長)が26日発表した。
 一般的に生活習慣による死亡や病気発症などの危険度は、特定集団の調査結果が全体にも当てはまると考えられており、日本で実施される健康影響調査の多くは健診受診者を対象にしているという。研究班は「(特定集団の結果から)全体の動向を見積もる場合は、複数の調査を検討する必要がある」としている。
 研究班は、岩手など8県の中高年男性約4万2300人(うち受診者は約1万1400人)を7-10年間追跡調査。
 喫煙者の死亡危険度は、健診受診者を含む全住民では非喫煙者の1.5倍だったのに対し、受診者だけでは1.8倍と喫煙の影響が過大に出た。また、やせ過ぎの人の死亡危険度は、全住民で2.1倍、受診者では1.3倍と開きがあった。
 健診受診者はもともと健康的な生活習慣を持っており、全体の傾向と必ずしも合致しないことが原因とみている。


2006/ 5/25 10代の若者には1本のタバコでも喫煙のくせがついてしまうかもしれない  (m3.com記事)

わずか1本でも若者に喫煙させないことが重要
Miranda Hitti
WebMD Medical News
Reviewed by Ann Edmundson, MD
 11歳の時にわずか1本でも喫煙すると、14歳の時点までに喫煙が習慣化する可能性が高いことが新規の研究で示された。
 「試しに吸ってみる1本のタバコであっても子供が吸うのを防ぐことが重要な目標であるかもしれない。また、このような喫煙防止策は、ごく低年齢の小児を重点対象とすることで有効に実施可能と考えられる」とロンドン大学ユニバーシティ・カレッジのJennifer Fidler, PhDらは記している。
 Fidler博士らは1回の喫煙が「sleeper effect」を発揮する可能性、つまり、1本のタバコを吸った若者には喫煙が特に習慣化しやすい時期がある可能性についても言及している。
 この研究はCDC報告に続いて発表されたものであり、CDC報告では、世界各国の生徒(15-17歳)約10名中2名がタバコ製品(9%は喫煙者、11%は他のタバコ製品を使用)を現在使用中と報告していることが示されている。これらのデータは、CDCの疫学週報『Morbidity and Mortality Weekly Report』5月26日号に発表されている。
喫煙歴の浅い若年喫煙者
 Fidler博士らは、ロンドンの36校に所属する生徒5,800名以上について調査した。
 研究は、生徒の年齢が11歳の時に開始され、16歳時に終了した。研究対象集団の人種および収入はさまざまであった。
 生徒は、毎年、喫煙経験の有無、また喫煙している場合はその頻度に関する調査に回答した。また、生徒から唾液検体の提供を受け、ニコチンの化学マーカーであるコチニンについて検査した。
 生徒は、いずれの検査においても参加を拒否できた。5年の全期間にわたって完全なデータが得られたのは約3分の1であり、Fidler博士らの研究チームはこれらの生徒2,041名に注目した。
 これらの生徒が11歳の時、1本だけタバコを吸ったことがあると報告したのは、206名であった。11歳の時にまったくタバコを吸ったことがないと報告した生徒に比べ、これらの生徒では、14歳までに喫煙が習慣化する確率が2倍高かった。
「sleeper effect」
 「われわれの結果では、タバコ1本の喫煙を経験してから(1回だけタバコを吸ってみてから)、喫煙が習慣化するまでの過程には、最高3年間を要することが示された」とFidler博士らは記している。
 「しかし、われわれの研究では、最初にタバコを1本だけ試してから、喫煙が習慣化するまでの間には、長い休眠期間(喫煙が報告されない期間)がある可能性も示されている」とFidler博士らは続けている。
 この休眠状態は「『sleeper effect』と呼ぶことができるかもしれない。つまり、この期間中は、喫煙が習慣化しやすい個人的傾向または感受性が認められるが、その後のきっかけがなければ喫煙が表在化しない可能性もある」と研究者らは示唆している。
 この「sleeper effect」が生じる理由は明らかでないが、Fidler博士らは考えられる3つの説明を挙げている。
・1本のタバコを吸うことで生物学的な準備がなされ、喫煙が習慣化しやすくなる。
・最初の1本のタバコを吸うことで、喫煙に対する社会的バリアが打ち破られる。
・ある特定の状況では、性格特性によって、1回限りの喫煙が習慣的な喫煙へと進展する。
研究の限界
 研究者らはこの研究の限界をいくつか指摘している。
 研究参加者は思春期の若者だけであり、今回のデータでは、この知見が成人にもあてはまるかどうかは不明である。
 また、生徒が喫煙習慣を正確に報告しなかった可能性がある。しかしながら、Fidler博士らの研究チームは、思春期の若者による喫煙習慣の報告は概ね信頼できることが以前の研究で示されている、と指摘する。
 また、Fidler博士らの研究チームは、本対象集団の社会的および人種的な多様性が高いものの、今回の知見が他の生徒集団にも当てはまるかどうかは確かでない、としている。
 最後に、本研究では、さらに若い小児について検討していない。「sleeper effect」の期間が11歳より以前に始まっている可能性がある。
 若年小児および若年成人を対象とする研究をさらに実施すれば、一部の若者が1回限りの喫煙者から習慣的な喫煙者へと進展する過程の解明に役立つと考えられる、とFidler博士らは述べている。
Fidler, J. Tobacco Control; June 2006, vol 15: pp 205-209. CDC, Morbidity and Mortality Weekly Report, May 26, 2006; vol 55: pp 553-556. News release, BMJ Specialist Journals. News release, CDC.


2006/ 5/25 ニコチンパッチが医療保険対象に 自己負担3割…来月から  (読売新聞記事

 中央社会保険医療協議会(中医協、厚生労働相の諮問機関)は24日、タバコの禁断症状を緩和するはり薬「ニコチンパッチ」を医療保険の適用対象とすることを了承した。
 6月以降、医師の処方せんを基に購入する場合、自己負担は3割ですむ。ただ、一部の委員からは「喫煙は個人の好みの問題だ。その治療に保険を使うのはおかしい」などの指摘があり、2年後に効果などを改めて検証する。
 ニコチンパッチは禁煙治療の代表的な薬。厚生労働省によると、8週間程度の標準的な治療でかかるパッチ代は2万円程度。今年4月から禁煙治療が保険の適用対象となったが、対象外のパッチを使うと混合診療に該当し、診察を含めすべて自己負担になっていた。


2006/ 5/25 31日は世界禁煙デー、やめたい人支援シンポも開催  (ライブドアニュース記事

5月31日は、世界保健機関(WHO)の19回目の「世界禁煙デー」だ。日本でも厚生労働省が平成4年から、31日(水)から6月6日(火)までの1週間を「禁煙週間」として続けている。今年の禁煙週間のテーマは、「やめたい人を手助けする禁煙支援」だ。また、WHOのスローガンは、「タバコ:どんな形や装いでも命取り」(Tobacco : Deadly in any form or disguise)。
 どんなタバコも病気のもと。4月から、禁煙治療に保険が適用されるようになったりして、禁煙意識が高まっている今年は、タバコの危険性を啓発しながら、禁煙の手助けをするのがテーマ。
 厚労省は5月31日、サイエンスホール(東京都千代田区北の丸公園2-1)で、「やめたい人を手助けする禁煙支援」と題したシンポジウムを開く。また、禁煙週間中に、省内や自治体、民間で、受動喫煙をどうなくすかを話し合ったり、禁煙のためのポスターを地方自治体などに5万5000枚配ったりする。
 同庁内では1日1回、職員に放送で禁煙を呼びかけたり、健康相談室で禁煙相談をする。禁煙週間中は、合同庁舎5号館内で、タバコの自動販売機を止める。
 最近は、民間の企業の室内でも、禁煙のところが増えている。受動喫煙も、肺ガンの原因になることがはっきりしているのだから、1年の1.9%の期間だけといわずに、そろそろ、官庁は全面禁煙にするというほうが禁煙デーの趣旨に合致するのではないか。タバコの自販機を1週間止めるだけではなく、撤去したほうが禁煙週間の趣旨に沿う。


2006/ 5/25 <タバコ値上げ>30円を20円で再申請 財務省が圧縮指導  (毎日新聞記事)

 増税に伴う7月1日からのタバコ値上げをめぐり、フィリップモリスジャパンが41銘柄について1箱30円の値上げを申請したところ、財務省から値上げ幅を圧縮するよう指導され、23銘柄については20円で再申請することになった。同社が25日発表した。
 同省がタバコ事業法に照らし「不当な値上げの可能性がある」と判断したためで、タバコの価格改定で再申請を指導されるのは84年の同法施行以来初めて。
 タバコ税の増税幅は1本1円だが、業界団体が08年から自動販売機に客が成人かどうかを識別する機能を持たせることを決めたため、そのコストを増税分に上乗せして値上げを申請。日本タバコ(JT)とブリティッシュ・アメリカン・タバコも同じ理由で増税分を上回る値上げを申請したが、両社は同省から「適正な改正」と認められた。
 フィリップモリスジャパンは当初、41銘柄の値上げを増税額以上の1本1.5円で申請。しかし、財務省は「(成人識別機能導入の)コストと収入が見合っていない」と判断し、再申請を指導した。
 これを受け、同社は23銘柄の値上げ幅を30円から20円に圧縮。最終的には43銘柄が20円の値上げ、18銘柄が30円の値上げとなる見通し。値上げ幅を圧縮した代表的な銘柄は「マールボロ」で、現在の300円が320円になる。
 成人識別機能導入のコスト分担について、タバコ各社は公表していない。


2006/ 5/25 北大病院:7月から全面禁煙 駐車場を含め敷地内すべて /北海道  (毎日新聞北海道版記事)

 北海道大学病院(宮坂和男院長、956床)は駐車場を含めた敷地内すべてを7月1日から全面禁煙とする。病院建物内での禁煙はすでに実施しており、対象場所を拡大する。患者はもとより、家族や見舞客にも禁煙に協力してもらう。
 受動喫煙防止を図る健康増進法の施行を受け、同大病院は04年7月から建物内を全面禁煙とし、灰皿やタバコの自動販売機を撤去した。現在は救急玄関の外に灰皿が置かれているだけ。
 旭川医大は04年3月から病院と大学を含めた全敷地内を全面禁煙とし、札幌医大も病院敷地内と大学の建物内が全面禁煙となっている。


2006/ 5/25 受動喫煙 全県で防げ/禁煙施設県が認定/沖縄  (沖縄タイムス記事

 受動喫煙を防ごうと、県は「世界禁煙デー」の31日に合わせ、県内の公共施設や飲食店などを対象に「県分煙・禁煙施設認定制度」をスタートさせる。認定基準を、「施設内」「敷地内」「分煙」の禁煙状況に、「タバコの自動販売機の設置状況」を組み合わせ計9段階に設定。施設管理者からの申請を受け各保健所が調査を行い、段階別の認定証を交付する。中部と八重山の福祉保健所は2004年度から実施しており、全県に広げて禁煙に対する意識の向上を目指す。(儀間多美子)
 県健康増進課によると、認定制度の対象施設は、〇三年に施行された健康増進法第二五条に規定された官公庁や学校、病院、ホテルなどを含め、「県内に施設を有する事業所または多数が利用する施設」。県内で対象から漏れる施設や事業所はほとんどないという。
 認定基準は「敷地内完全」「施設内完全」「分煙」の三段階の禁煙状況に、タバコの自動販売機が「ない」「購入者を確認できる場所に設置」「購入者を確認できない場所に設置」などを組み合わせ計九ランクに設定した。
 認定を希望する施設の管理者は、管内の各保健所に申請、禁煙・分煙状況を調査した上で、保健所長が認定する。認定施設は県のホームページで公表される。認定後に不都合があれば、認定証の返上もできる。
 これまでに中部福祉保健所は三十件、八重山福祉保健所は三十三件を認定しており、三十一日以降、県の基準に統一する。
 同課によると、全県レベルでの認定制度を行っているのは鳥取県や山梨県など四県。


2006/ 5/25 県庁舎の喫煙室存続 医師会が抗議文/茨城  (中日新聞茨城県版記事

 県医師会(原中勝征会長)は二十四日、県が庁舎内に喫煙室の存続を決めたことに対し、「県民の健康を考える立場から看過しがたい」などとする抗議文を県に提出し、引き続き庁内の全面禁煙を求めていくことを明らかにした。県は四月、「非喫煙者の来庁者に受動喫煙の害を及ぼす可能性が高い」などとして、県庁敷地内に四カ所あった灰皿の撤去を決定。庁舎内に四カ所ある喫煙室については、職員のアンケート結果などを基に「来庁者が利用するケースもある」として存続を決めた。
 これに対し、医師会は抗議文の中で「タバコ使用について深刻な健康被害が県民に十分に周知されているとはいえない」と強く反発。「県庁が喫煙を積極的に抑制する姿勢を明らかにすることが大きな意味を持つ」と指摘し、庁内の全面禁煙を求めている。
 県医師会によると、県内の喫煙率は男性が53・8%と全国平均を7ポイント上回っており、心筋こうそくが原因の死亡は全都道府県で最も高い数値となっている。
 県庁舎の喫煙室をめぐっては、医師や有識者でつくる「循環器疾患の予防に関する検討会」が昨年十一月、県内で心筋こうそくなどの心疾患による死亡を防止するため、喫煙率低下が必要などとする提言をまとめ、県庁舎の全面禁煙を主張していた。


2006/ 5/24 6月から保険適用 禁煙ニコチンパッチ  (共同通信記事)

 4月の診療報酬改定でニコチン依存症患者の禁煙治療に公的医療保険が適用されたことに伴い、厚生労働省は24日、禁煙治療の際、禁断症状を軽くするために使うニコチンパッチを保険対象とするよう中央社会保険医療協議会に提案、了承された。6月1日から適用される。
 治療期間中に使うパッチ代の自己負担は原則3割となる。従来通り医師の処方せんが必要。現在、8週間で使うパッチ代は2万円強となっている。
 パッチが保険対象外だったため、4月から保険適用された禁煙治療にパッチを併用すると、「(保険と保険外の)混合診療」に該当し、カウンセリング部分(5回で約1万円)も含め全額が患者負担になる。
 患者がパッチ分だけ全額負担すれば、カウンセリングには保険がきくと誤解した医療機関があり、厚労省は4月28日、あらためて混合診療に当たると通知。ただ、保険適用を望む声が強く、川崎二郎厚労相が今月12日の衆院厚労委員会で早期に適用する考えを示した。
 治療費軽減により禁煙治療を受ける人が増えれば医療費も増えるが、その後は喫煙による病気が減るとされ、厚労省研究班は10年目に約550億円、15年目に約1800億円の医療費削減効果があると試算している。


2006/ 5/24 ネット上でバーチャルコーチが禁煙指導=雑誌  (ロイター記事

 [ロンドン 24日 ロイター] これまで禁煙の意志があるのに続かなかったり、他人に助けを求めるのには抵抗があったスモーカーに朗報だ。オランダの研究者グループが24時間いつでも禁煙指導をしてくれる「バーチャル」コーチを開発していることが、24日付の科学雑誌「ニュー・サイエンティスト」で明らかになった。
 喫煙者は匿名でホームページ上で質問などを書き込み、ホームページからは研究者らがデザインしたコンピューター上の架空のコーチがアドバイスを与えたり励ましたりする仕組み。
 米国ではすでにこの方法で、高齢者の運動量を向上させるのに成功している。
 今回のバーチャルコーチは女性の姿をしたキャラクターになる予定で、研究所の実際のカウンセラーから取った表情データ使って、質問に回答するようプログラミングされるという。
 研究者グループは、今回のバーチャルコーチの成果が上がれば、アルコール中毒やさまざまな恐怖症を克服する人々に役立てたいとしている。


2006/ 5/24 禁煙・分煙、飲食店で対策遅れ、県調査/栃木  (朝日新聞栃木県版記事

 31日の世界禁煙デーを前に県健康増進課は23日、県内の飲食店と公衆浴場での、タバコの禁煙・分煙状況について調査結果を発表した。禁煙や分煙を実施していると回答したのは、飲食店では25%、公衆浴場で76%にとどまった。
 昨年1月、保健医療機関や教育機関などを対象に行った同様の調査では、80%以上が実施と回答。飲食店の対策の遅れが際立っている。
 調査は今年1~2月、飲食店(喫茶店やスナックを除く)から270店を、公衆浴場は日帰り温泉など30カ所をそれぞれ無作為に抽出し、調査票を郵送した。回答率は全体で69%だった。
 結果によると、飲食店のうち「いつでもどこでも喫煙可能」と答えたのは76%。禁煙席や喫煙席を区切ったり、禁煙時間を設けたりして、分煙を実施していると答えたのは17%だった。「いつも全面禁煙」とした店は8%にとどまった。
 一方、公衆浴場では「いつでもどこでも喫煙可能」としたのは24%。分煙を実施しているのは64%。全面禁煙は12%だった。
 実施していない理由としては「場所の確保が困難」「利用者から要望がない」「売り上げが減少する」などが多く、実施してよかった理由としては「利用者に好評」「嫌なにおいがなくなった」とする回答が目立った。
 03年5月に施行された健康増進法は、官公庁をはじめ、飲食店など多数の人が使う施設の管理者に受動喫煙の防止策を講じるよう求めている。しかし、努力義務だけで違反しても罰則規定がなく、「強制はできず、あくまで指導するしかない」(県担当課)のが実情だ。
 県は02年から禁煙・分煙をアピールする店を指定し、ポスターなどを配布する活動を行っているが、現在協力店は50店のみ。県健康増進課が参加を募っている。


2006/ 5/24 禁煙できたら温泉当たる 岩見沢市医師会 コンテスト今秋実施 挑戦者を募集へ/北海道  (北海道新聞記事

 【岩見沢】「禁煙できたら抽選で温泉旅行」というユニークな取り組みを、岩見沢市医師会(竹内守会長)が初めて実施する。禁煙したい市民らを対象にした「禁煙チャレンジコンテスト」で、参加希望者を六月一日から募集する。
 参加者には「禁煙手帳」を発行。九月上旬から十一月下旬まで約二カ月半、毎日、禁煙できたら手帳のカレンダーに自分で印をつけてもらう。また、同医師会主催の禁煙講習会に月一回参加してもらい、手帳に出席印を押す。期間中、完全禁煙を達成し、講習会に三回とも参加すると、抽選で三人に道内の温泉ペア旅行券をプレゼントする。
 禁煙は参加者の自己申告だが、講習会の際に呼気検査を行い、喫煙をチェックする。発案した岩見沢労災病院の五十嵐毅医師は「禁煙できなくても、参加することで禁煙について考えてもらえれば」と話し、百人以上の参加を期待する。
 対象は同市内と近郊の人で、参加料五百円。申し込みは八月二十一日まで同市内の病院や診療所で。同医師会は世界禁煙デーの五月三十一日、同市内で記念講演会を開き、コンテストの概要を説明する。
 景品つきの禁煙コンテストは大阪や京都で行われているが、日本禁煙学会理事の秦温信・札幌社会保険総合病院長は「道内では聞いたことがない」と話す。
 問い合わせは事務局の岩見沢労災病院勤労者予防医療センター(電)0126・22・1300内線321か、411へ。


2006/ 5/24 <ニコチンパッチ>公的医療保険の給付対象を了承 中医協  (毎日新聞記事)

 厚生労働相の諮問機関「中央社会保険医療協議会」(中医協)は24日、ニコチン依存症の人の禁煙治療に使う張り薬「ニコチンパッチ」を6月1日から公的医療保険の給付対象とする厚労省方針を了承した。
 06年度診療報酬改定で、禁煙指導などの治療は4月から保険適用になったが、治療によく使われるニコチンパッチは適用外。このため、禁煙治療でニコチンパッチを使うと違法の混合診療とみなされ、ニコチンパッチ料金だけでなく、禁煙指導も含めた医療費全額が自己負担となっている。現場の医師らの批判に、川崎二郎厚労相は早期の保険適用を表明していた。
 ニコチンパッチは皮膚を通じてニコチンを身体に吸収、タバコの禁断症状を軽減する薬品。医師の処方が必要で、8週間の治療で代金は2万円強という。


2006/ 5/24 禁煙パッチ、6月から保険適用・3割負担に  (日経新聞記事

 厚生労働相の諮問機関である中央社会保険医療協議会(中医協)は24日、喫煙によるニコチン依存症と診断された人に医師が処方する禁煙補助薬(ニコチンパッチ)を健康保険の対象とすることを承認した。6月1日から適用される。医師による禁煙指導は4月から保険対象にしており、一般的な補助薬も対象とすることで保険適用の効果を高める。
 ニコチンパッチは皮膚からニコチンを少しずつ体内に浸透させる製剤。徐々に含有量の少ないパッチに替えていくことで、ニコチン切れによる症状を抑えて比較的楽に禁煙できる。
 いまは自由診療なので標準的な8週間の禁煙治療だとパッチに2万円程度の費用がかかる。保険適用になることで3割負担の一般患者で6000円程度の負担で済む。
 ただ、健康保険など医療費の支払い側からは、「個人の嗜好(しこう)品をやめるための薬をなぜ保険で支払う必要があるのか」との慎重論が根強く、2年後に保険適用の効果を検証するという条件付きの承認となった。


2006/ 5/23 歩きタバコ禁止区域を指定=高松市  (時事通信記事)

 高松市は、環境美化対策の一環として、同市の臨海再開発地区「サンポート高松」などでの歩きタバコを6月1日から禁止する。市のシンボル的な場所で吸い殻の投棄防止を重点的に推進し、市民に広くきれいなまちづくりを呼び掛ける。 市が環境美化条例に基づき「歩きタバコ禁止区域」に指定したのは、サンポート高松地区内の公道や広場のほか、同地区から観光名所の栗林公園までの目抜き通りと、アーケードがあり人通りも多い8つの商店街。いずれも備え付けの灰皿がある場所以外では、携帯灰皿を用いての喫煙も認めないこととした。 同条例には歩きタバコに関する罰則規定がないため、禁止区域に常駐の監視員を配置する予定はない。市は、ポスターやチラシなどによる自前のPRを行ったり、商店街関係者らと連携しながら喫煙者向けの意識啓発活動を実施したりして、規制の効果を高めていく考えだ。


2006/ 5/22 職場の「全館禁煙」2倍に 厚労省の調査  (産経新聞記事

 職場の「全館禁煙」を実施している企業が昨年の2倍に増え、全体の2割にのぼったことが、厚生労働省の今年2月の調査で分かった。一方で、喫煙対策に取り組んでいない職場も1割以上あった。
 全国の中小企業、大企業から業種、規模を考慮して無作為に5000事業場を選び、アンケートを送付。2280社から回答を得た。
 喫煙対策の実施状況を尋ねたところ、「全館禁煙」が20.7パーセント(前年10.2パーセント)に倍増し、「屋外排気型の喫煙室または喫煙コーナーでのみ喫煙可」も28.9パーセント(同25.4パーセント)に増えていた。
 全館禁煙を実施している事業場の77.7パーセントは「屋外に喫煙所を設けている」と喫煙者に配慮していたが、「特に喫煙者の喫煙場所に配慮していない」も17.0パーセントあった。
 一方、喫煙対策に取り組んでいない事業場は、前年の17.2パーセントから11.8パーセントに減少。取り組んでいない理由(複数回答)は、喫煙場所を設けるスペースがない48.1パーセント▽社内の合意が得られない37.3パーセント▽対策資金がない17.9パーセント-などだった。
 厚労省は、職場における喫煙対策のためのガイドラインを設け完全分煙に向けた取り組みを指導しており、昨年6月からは全面禁煙の実施を薦めている。
→ 参考:職場における喫煙対策の実施状況について(平成18年5月22日 厚生労働省発表)


2006/ 5/21 新幹線内販売員の受動喫煙、勤務時間の8割  (朝日新聞記事

 新幹線で働く販売員は勤務時間の8割以上で受動喫煙に悩まされている――。そんな実態が、東京大の客員研究員の中田ゆりさんや大和浩・産業医大教授らのグループの調査で明らかになった。
 東海道・山陽新幹線で働く販売員や車掌の後ろを同行し、タバコの煙を粉塵(ふんじん)計で測定した。その結果、喫煙車両に入るたびに、厚生労働省が定めている喫煙室内の基準値(1立方メートル当たり0.15ミリグラム)の3~11倍の濃度の浮遊煙にさらされていることが分かった。
 また、0.05ミリグラム以上あると受動喫煙になるとすると、勤務時間の8割以上が受動喫煙にさらされていた。以前の調査では、喫煙車両から煙が流入し、隣の禁煙車両内の浮遊煙が基準の約3倍になる時もあったことが分かっている。
 JR東海は東海道・山陽新幹線の3月のダイヤ改定で16両編成中の禁煙車両を11両から12両に増やし、分煙化を進めている。JR東日本の長野新幹線などでは全面禁煙化されている。
 国の健康増進法は、多数が利用する施設や鉄道などの管理者に、受動喫煙の防止を義務づけているが、罰則はない。中田さんは「販売員には未成年者もいる。受動喫煙から守るため、事業者任せでなく、法律で効果的に禁煙化することが早急に必要だ」と話す。


2006/ 5/20 済州が「健康都市」基盤造成、禁煙の街指定へ  (WOW!Korea記事

【済州20日聯合】済州道は20日、世界保健機関(WHO)に認証された「健康都市」としての基盤を造成するため、タバコを吸えない街を指定するなど健康に害を及ぼす各種要因を排除していく意向を明らかにした。
 道は、最優先事業として禁煙運動を拡大、下半期に公園や観光地など一部地域を禁煙の街に指定し、表示板や案内板を設置する方針だ。また、道民に健康情報や疾病と予防情報、自己健康診断、健康相談、都市環境情報などを提供するホームページ「WHO健康都市済州」を9月までに構築し、10月には健康都市宣言1周年を記念する健康フェスティバルを開催する。
 済州道は昨年7月にWHOの西太平洋地域健康都市連盟に加盟し、「健康都市」として認められた。


2006/ 5/19 歩きタバコ禁止条例制定へ=町の美化、子どものやけど防止で-桝本京都市長  (時事通信記事)

 京都市の桝本頼兼市長は19日の市議会本会議で、歩行者が手にしたタバコで子供がやけどしたり、吸い殻の散乱で街の美観が損なわれることがないよう、歩きタバコを禁止する条例を制定する意向を明らかにした。同市長は「町の美化、安全な町づくりのために社会全体で取り組むことが大切。条例化に向け早急に考えていく」と述べた。制定時期は未定で、今後、環境局、文化市民局などが連携して具体的な検討を進める。 市はこれまで、タバコの吸い殻や飲料容器の取り扱いについて罰則を盛り込んだ「美化推進条例」(1997年制定)や、健康づくりの観点から禁煙者・喫煙者の割合に数値目標を設置した「京都市タバコ対策行動指針」(2005年制定)など、独自の対策を推し進めてきたが、市民から寄せられた要望を受け、より強い姿勢で臨むことにした。 歩きタバコの規制を求める市民は多く、05年度は「市長への手紙」で30通、ホームページやコールセンターにも32件の意見が寄せられた。健康や安全面からの必要性だけでなく、観光都市としての景観保全や文化財が火災で燃える心配を指摘する声も目立ったという。


2006/ 5/19 “カリスマ”が徴収の秘けつ伝授 路上禁煙、7月から名古屋で過料  (中日新聞記事

 7月1日から路上禁煙の違反者に2000円の“罰金”(過料)を科す名古屋市に、心強い助っ人がやって来る。2002年、全国で初めて過料徴収に踏み切った東京都千代田区で、累計1000人以上から徴収した同区職員の小川賢太郎さん(41)。悪質な違反者による暴力や逃亡にはどう立ち向かうのか。「斜め前に立ち威圧的態度は避ける」「往来の中でさらしものにしない」。市が19日に開く講習会で“路上禁煙のカリスマ”が秘けつを伝授する。
 過料徴収は、警察官OBの指導員16人が2人1組で市中心部など4カ所に設定された路上禁煙地区を巡回して行う。元警官とはいえ交通違反切符を切るのとは違う。相手が暴れたり、納得しない場合はどうするか。指導員の不安に応えるため、小川さんが講習会に招かれた。
 小川さんは、千代田区生活環境課の主査で、指導員として1000キロ以上を歩いて巡回した。職員きっての嗅覚(きゅうかく)の持ち主で、30メートル以内ならにおいだけで喫煙の発生源が分かるという。今は、視察に訪れる全国の自治体への助言などを年間100件以上こなす。中心になってまとめた「路上喫煙にNO!」は3000冊以上が売れた。
 怒り出す人に対して、小川さんは「吸う気をなくすまで、過料の趣旨を議論することが大事」と言う。これまで、最長で1時間議論したことも。「たいていは10分も話せば気持ちが落ち着く。大人のけじめをつけようと説得する」。殴られそうになったときは「殴ったら傷害。民間人でも、現行犯なら逮捕できる」と言い切る。
 「急いでいる」と逃げる人には「あなたが仕事を大事に思うように、私にとっては大事な仕事。すぐ終わりますから」と書類を差し出す。外国人には英語や韓国語、中国語のカードを見せる。最もやりにくいのは、黙り通す場合だ。とにかくしゃべりかけて、相手との距離を近づけるという。


2006/ 5/18 喫煙室続々 子連れに好評/県内ファストフード店/沖縄  (沖縄タイムス記事

 スモーカーのために喫煙室を設置するファストフード店が増えている。店内でエリアを分ける分煙とは異なり、煙が拡散しないため、子連れ客に好評だ。喫煙客も「周囲に気を使わずに吸える」と歓迎している。(比屋根麻里乃)
 ガラスで仕切ったスモーキングルームが主流だ。マクドナルドやモスバーガーなど大手バーガーチェーンは浦添市内で最近オープンした店舗に喫煙室を設置。分煙への客の意識やニーズの高まりを受けて導入、いずれも、将来的には全店舗に設置したいとしている。
 あるバーガー店によると、ガラス張りにしたことで「未成年者の喫煙を抑止する効果もある」という。エリア分煙では死角が生じ、未成年者が店内の隅で、こっそり喫煙することもあった。
 全国チェーンで全店に喫煙室を設置するタリーズコーヒー。昨年七月に那覇市国際通りで開店した県内一号店の須藤美和ストアーマネージャーは「客だけでなく、従業員の健康保全にもつながっている」と話した。
 県庁の職員健康管理センターの伊礼壬紀夫室長は「有害物質は拡散する方が多いので、仕切りのないエリア別分煙は意味がない」と受動喫煙の危険性を指摘した。
【写真】スライド式のドアを付けた喫煙室=浦添市・モスバーガー浦添バークレーズコート店


2006/ 5/18 赤ちゃんのアレルギー性鼻炎、親の喫煙でリスク3倍  (読売新聞記事

 紫煙の漂う室内で育った赤ちゃんは、親がアレルギー体質だった場合、1歳までにアレルギー性鼻炎を発症する割合が3倍に増えることが、米シンシナティ大(オハイオ州)の研究で分かった。
 同大のG・レマスターズ教授らが、欧州の専門誌「小児アレルギー・免疫学」電子版に17日発表した。
 調査の対象としたのは、親がアレルギー体質の乳児633人。喫煙状況も含めて各家庭の室内環境などを調べ、1歳までに表れた呼吸器系症状との関連を分析した。
 その結果、室内での1日の喫煙本数が20本以上という家庭の乳児は、家族が全くタバコを吸わない家庭の乳児に比べて鼻炎の発症が倍増、特にアレルギー性鼻炎の発症は3倍に上った。
 なお、今回の調査では、兄や姉が多いほど、鼻炎の発症が減る傾向がみられたという。これまでも、細菌などに感染する機会が増えると、アレルギーを抑える免疫細胞が活発になるという説が唱えられてきたが、「兄や姉の効果を0歳児で確認したのは初めて」としている。


2006/ 5/18 空気もおいしいお店ガイド 完全禁煙・分煙1350店紹介  (読売新聞中部版記事

タバコと健康を考える会メンバー発刊
 「タバコの煙がないところでおいしい食事がしたい」――。そんな思いから、県内の飲食店を実際に歩き、禁煙・分煙対策を取っているか調べた「空気もおいしい飲食店ガイド」=写真=が発刊された。お薦めメニューや営業時間などの情報も掲載され、読み物としても楽しめる内容となっている。
 発刊したのは、「タバコと健康を考える愛知の会」のメンバー坂田仲市さん(70)。公共の場所での禁煙を実現する活動などを目指し、1994年に設立した。飲食店ガイドは2002年に初めて発刊して以来、3冊目となった。
 これまでの2冊のガイドブックは、不完全な分煙を行っている店も含んでいたが、今回は、「完全禁煙」と、喫煙はできるが煙は遮断されている「完全分煙」の店だけを取り上げたのが特徴。登場するのは1350店舗で、大半の店は坂田さんが実際に足を運び、一部は電話やインターネットも使って調査した。坂田さんが訪れた店は、二千数百店舗にのぼる。
 坂田さんによると、完全禁煙の店は2年前の721店から1227店に、完全分煙の店は64店から123店に増えた。
 また、牛丼、すし、カレーライスなどのチェーン店は完全禁煙が徹底されている一方、「意外なことに、分煙が徹底されていない大手ハンバーガーチェーン店もあった」と坂田さんは話す。
 タバコを吸わない人が煙の害を受ける受動喫煙の防止を盛り込んだ健康増進法の施行から3年たつが、受動喫煙の被害に対する理解はまだまだ低いとされる。そんな現状に、坂田さんは「ガイドブックが、タバコの害について関心を持つきっかけになれば」と話している。A5判横書き、138ページ。通信販売のみで1冊610円(送料込み)。
 問い合わせは坂田さん(0566・36・5583)まで。


2006/ 5/17 禁煙、防煙 医師が小中高で出前授業  (朝日新聞記事

 法律上は禁じられているが、タバコを吸い始めるのは20歳になる前が多いと言われる。吸わせない教育や煙のない環境づくりのほか、タバコをやめられない子どもの禁煙サポートが必要だ。医療と教育、地域が連携し、タバコから子どもを守る「防煙」の取り組みが広がっている。
 「タバコを吸ったら、1年で10万円ぐらいかかる。それだけのお金があったら、アメリカに行って松井やイチローが見られるよ」
 金沢市で4月に開かれた「子どもの防煙研究会」。京都第一赤十字病院の繁田正子医師が、中学生対象に開く「出前授業」の内容を紹介した。
 タバコを吸っている人、吸わない人の肺を比べた写真や、禁煙を勧める海外のコマーシャルを見せる。タバコの害を説明するだけでなく、やめられない背景や、禁煙の方法まで示す。
 繁田医師は京都府内や近郊の小、中、高校で、1万人近くの子どもたちに話してきた。授業前後にアンケートをすると「20歳になったときに吸っているだろう」と答える割合が減った。「とにかく楽しくないと、タバコには勝てない。年齢に応じて、子どもをひきつける工夫をしています」と繁田医師。
 防煙研究会は04年10月、小児科医らが始めた。盛岡、東京、仙台で開き、今回が4回目。世話人の原田正平医師(国立成育医療センター、東京都)は、「小児科医は学校や家庭をつなぐキープレーヤー。医師だけでなく教育、行政も含めていろいろな職種の人に働きかけたい」という。
 別のグループも活動している。04年に発足した、奈良女子大主催の「未成年喫煙防止研究会」は、医師や先生、保健所職員らが情報交換する場になっている。
 ○大人の注意より友の一言
 沖縄県石垣市の市立大浜中では、20人ほどの生徒たちが、小中学生や地域の大人に禁煙教育をしている。
 グループの名は「ノースモーキングピア ライフ」。小学校や地域のイベントで、主流煙、副流煙などのタバコの仕組みをクイズ形式で答えてもらったり、タバコの断り方をロールプレーで見せたりする。
 近くの高校生が大浜中に来て、タバコの害について話をしてくれたのがきっかけとなり、04年に始まった。毎年、下の学年に受け継がれている。
 養護教諭の東由美子さんは「大人が注意するより、仲間に言われたほうがやめようかなという気になる。『やめてつらかったら水を飲むといいよ』と友人にアドバイスした生徒もいる」という。
 インターネットのメールで禁煙を支え合うグループ「禁煙マラソン」(主宰・高橋裕子医師)は、子ども向けの「禁煙ジュニアマラソン」を03年から続ける。手続きすると、子どもの携帯電話に応援メールが届き、大人のスタッフや禁煙に成功した仲間が悩みに答える。無料で、これまでに中高生約200人が登録した。
 「応援メールを読むのが習慣になって、自分が変わった気がします。みんなも禁煙がんばろう」。スタッフの三浦秀史さんは、学校の授業や先生向けの集まりで、こうしたメールを紹介。教材の一つになっている。
 ○専門外来、相次ぎ開設
 禁煙をサポートする外来も開設され(表参照)、親や先生に連れられて来る子が多い。子どもの禁煙治療は、基本的には保険適用外の自由診療だ。
 静岡県立こども病院は02年に「卒煙外来」を開いた。加治正行医師は「しかるよりも、はり薬のニコチンパッチを使った治療を」と強調する。3年間で約30人を診療し、うち中学生は20人。喫煙のきっかけは「好奇心」「友達に誘われて」がほとんどで、おとなしい印象の子が多いという。
 じっくり話を聞き、1週間ほどパッチを使う。電話で追跡調査すると、受診1週間後は83%が禁煙に成功、1カ月後は52%、1年後は23%と下がる。加治医師は「禁煙を続けるには、学校や家庭で精神的な支えが必要です」。
 「受動喫煙」を防ごうと、学校の敷地内禁煙も進む。受動喫煙で、中耳炎や気管支ぜんそくになりやすいという。文部科学省の05年の調査によると、幼稚園や小、中、高など約5万校で「敷地内の全面禁煙」をしているのは45.4%。「建物内に限り禁煙」は23.6%だった。
 ○「毎日吸っている」高3男子の13%
 <子どもの喫煙率> 厚生労働省の研究班によると、04年の調査で一度でも喫煙経験のある中3男子は23.1%、女子は16.6%。「毎日喫煙している」割合は学年が上がるごとに増える。中1男子は0.4%、女子は0.2%だが、高3男子は13%、女子は4.3%に上った。タバコを買うのは自動販売機が多いが、コンビニやタバコ店など対面販売でも買っている。
■子どもの禁煙外来がある病院■
・静岡県立こども病院(054.247.6251)
・国立成育医療センター(03・5494・7300)
・群馬大医学部付属病院(027・220・7111)
・兵庫県立こども病院(078・732・6961)
・中通総合病院(秋田)(018・833・1122)


2006/ 5/17 核心評論 ニコチンパッチ保険適用 混乱収束、禁煙治療に弾み  (共同通信記事)

 四月から、禁煙治療が公的医療保険でできるようになった。ところが、禁煙の禁断症状を抑えるニコチンパッチを使うと「全額自己負担の自由診療となる」と厚生労働省が通知したため、医療現場が混乱。結局、五月中にパッチに保険を適用することになった。
 国が進める医療制度改革の重要施策の一つが生活習慣病の予防による医療費削減。保険による禁煙治療はその象徴ともいえる。七月にはタバコが値上げされるが、結果的にパッチの保険適用が早まったことで、禁煙治療に弾みがつきそうだ。
 禁煙治療、正確には「ニコチン依存症」の治療はカウンセリングと、パッチかガムによるニコチン置換療法が車の両輸になる。禁煙で体内のニコチン濃度が低下すると、イライラして無性にタバコが吸いたくなる禁断症状(離脱症状)が出る。パッチはおなかや腕などの見えないところに張り付け、ニコチンを皮膚からゆっくり吸収させて離脱症状を抑え、「タバコを吸う」という習慣から遠ざかる方法だ。
 パッチを大、中、小と小さくしていき、なくても平気になったときが禁煙成功のとき。一日一枚張るだけなのでガムより使いやすく、禁煙成功率が高いとされる。日本循環器学会などが作成した禁煙治療の標準手順書も、パッチ使用を前提としている。
 一方、禁煙治療で四月から保険が適用されたのは、個別の喫煙状況に応じた禁煙指導をする計五回のカウンセリング費、約一万円。このため、禁煙治療を行うほとんどの医療機関は、四月からはカウンセリングを保険で行い、パッチは医師が処方せんを書いて、患者が薬局で自費で購入する方法で治療を行うことになると理解していた。
 ところが、厚労省は四月二十八日、突然、ニコチンパッチを使うことはいわゆる「混合診療」で、治療全体が全額自己負担になると医療機関に通知した。例えばがんの治療で国内未承認の抗がん剤を使うと、検査や手術などすべてが自己負担になるのと同じ、というわけだ。
 四月までに厚労省から明確な説明がなかったために、医療現場は混乱し、「保険適用で禁煙治療を広げようとしながら、最も有効な治療法が保険でできないのは矛盾」と反発が広がった。
 確かにアクセルとブレーキを同時に踏むようなもので、川崎二郎厚労相も五月十二日の衆院厚生労働委員会で「周知が不足したことは申し訳ない」と謝罪し、早急な保険適用を表明した。
 三カ月程度の禁煙治療で使うパッチの料金は二万―三万円。結果的には厚労省の不手際による混乱がパッチへの保険適用を早め、患者の負担は大きく減って、治療が受けやすくなった。
 「分かっちゃいるけどやめられない」―。クレージーキャッツ「スーダラ節」のフレーズは名言だ。体に悪いと知りながら、飽食も酒も運動不足も、なかなかやめられない。タバコはその最たるものだろう。意思の力だけでは困難な禁煙を助ける治療で、禁煙に成功する人が増えることを期待する。


2006/ 5/15 ニコチンパッチ保険薬に 厚労省、今月中に  (共同通信記事)

 川崎二郎厚生労働相は12日の衆院厚生労働委員会で、禁煙時に体内のニコチン濃度が低下する際の禁断症状を抑える「ニコチンパッチ」を公的保険の対象とすることを明らかにした。近く医薬品の保険適用の可否を検討する中央社会保険医療協議会を開き、今月中に保険薬とする。
 禁煙治療については、4月から公的医療保険の対象となったが、パッチが保険適用外であることから、パッチを使うと違法な「混合診療」に該当。厚労省は4月28日の医療機関向け通知で「使えば禁煙指導全体が(全額自己負担の)自由診療となる」と明確にしていた。保険適用を急いだのは、医療現場の混乱や日本禁煙学会からの批判を受けたためとみられる。
 禁煙指導は従来、保険のきかない自由診療として全額が患者の自己負担で行われてきた。しかし4月の診療報酬改定で、ニコチン依存症と診断された患者に対して日本循環器学会などが作成した標準手順書に基づく治療をした場合の保険適用が認められた。
 学会の手順書がパッチ使用を前提としているため、パッチ自体は保険適用外でも、その分を患者が負担すれば、検査や問診には保険を適用できると判断して禁煙治療した医療機関が相次いだ。ところが、パッチ分だけの自己負担は認められず、地域の医師会が注意を促すなど、医療現場に混乱が起きていた。
 日本禁煙学会は「治療が手順書を前提としながら、パッチを使えば、保険の適用外となるのは自己矛盾だ」として、4月にさかのぼってパッチを保険適用することを求める要望書を厚労省に提出していた。


2006/ 5/14 新幹線の車掌らの受動喫煙濃度、基準の3-11倍  (読売新聞記事)

 東海道・山陽新幹線の車掌や車内販売員が、喫煙車で受ける粉じん濃度は、厚生労働省の定めた喫煙室の基準値の3~11倍で、勤務時間の8割以上が煙の多い環境にさらされていることが、東京大医学系研究科の中田ゆり客員研究員、産業医大の大和浩教授らの調査でわかった。
 中田研究員は「一般職場に比べ、はるかに高濃度で、従業員にとって危険。乗客にも影響があり、公共交通機関は全面禁煙にすべきだ」としている。
 昨年10月から4月にかけ、10列車で車掌や販売員に同行。デジタル粉じん計で常時、測定した。
 東京―新大阪間ののぞみ(16両編成)では、喫煙車4両の粉じん濃度は最高で1立方メートルあたり1・64ミリ・グラムで、厚労省の「喫煙室内の空気環境に関する基準」(同0・15ミリ・グラム)の約11倍に達した。新大阪―博多間のひかりレールスター(8両)でも、喫煙車2両で基準の10倍近い1・46ミリ・グラムを記録した。禁煙車では0・01~0・02ミリ・グラム程度だった。


2006/ 5/13 米ファイザー 経口型禁煙薬が認可 ニコチン含まず 4年後1332億円販売  (フジサンケイ ビジネスアイ記事)

 米製薬大手ファイザーは十一日、経口型の新禁煙薬「チャンティックス(Chantix)」が、米食品医薬品局(FDA)に認可されたと発表した。新薬はニコチンを含まず、禁煙効果が高いという。喫煙人口は世界で十三億人ともいわれるが、先進国を中心に公共スペースの禁煙や増税などによる値上げの動きが広がる中で、禁煙ビジネスの市場も急拡大しそうだ。(滝川麻衣子)
 ◆アジア市場拡大
 米民間調査会社によると、世界の禁煙補助薬の市場総額は二〇〇三年で約千億円、うち米国が五百七十億円を占める。製品別では、禁煙ガムが50%、パッチ剤が40%で、残りが経口薬など。
 ファイザーは「禁煙市場は世界的に拡大する方向にある」としており、二〇一〇年までにチャンティックスの年商十二億ドル(約千三百三十二億円)をめざす計画だ。
 チャンティックスをはじめとするニコチンなしの禁煙薬は欧米や中南米で広まりつつある。
 英グラクソ・スミスクラインの「ザイバン(Zyban)」は、ニコチンなしの禁煙薬の草分け。欧州や北米、中南米を中心に三十カ国で販売している。パッチ剤やガムなどニコチン入り禁煙薬を含めた世界市場での売り上げは、昨年で三億三千六百万ポンド(六百九十八億八千八百万円相当)に達している。
 同社は喫煙率の高いアジアでも「香港やシンガポールなどの都市部で禁煙志向が広がりつつあり、さらなる拡大は見込める」としている。
 スイスのノバルティスファーマは、ニコチン摂取のパッチ剤で知られる。日本でも禁煙外来などで使用されており、年間十五億-十六億円の売り上げがある。やはり「今は欧米中心だが、喫煙国の多いアジア市場に期待している」という。
 ◆日本向けも開発
 禁煙志向は欧米を中心に先進国で強い。ファイザーの調査によると、米国ではすべての官公庁の建物が禁煙となっているほか、タバコ一箱に対する課税額が二〇〇〇年の〇・四二ドル(約四十七円)から二〇〇五年には〇・九二ドル(約百二円)に跳ね上がるなど急進的な禁煙政策を進めている。欧州連合(EU)では68%の職場で禁煙政策をとっており、一九九二年にはタバコ税を販売価格の七割以上と定めている。
 先進国では、米英加で男性の喫煙率が20%台なのに対し、日本は46・8%と高い(二〇〇三年現在)。しかし、七月一日からタバコ税が引き上げられるのに合わせ、JTが、百十六商品で一箱あたり十-三十円の値上げを決めたため、禁煙に挑戦する愛煙家も増えそうだ。
 ニコチンを含まない禁煙薬は、日本で認可されていないが、ファイザーは「日本向けにもチャンティックスを開発中」という。
                   ◇
【用語解説】禁煙薬
 喫煙者が服用し、喫煙の習慣をなくすための薬で、日本でも薬局などで「禁煙補助薬」として販売されている。多くは皮膚に張るパッチ剤やガムはファイザーの「ニコレット」、アメなどでニコチンを摂取し、ニコチン禁断症状を抑えるタイプ。これに対し、ファイザーのチャンティックスはニコチンを含まず、脳内のニコチンに反応する組織を活性化させる仕組みだ。服用中はタバコを吸っても満足感が減退するという。


2006/ 5/13 病院のタクシー乗り場 「禁煙車に限定」加速 仙台  (河北新報記事

 仙台市内の病院で、タクシー乗り場から喫煙車両を閉め出す動きが相次ぎ、タクシー業界が対応に本腰を入れ始めた。昨年10月の仙台社会保険病院(青葉区)に続き、東北大病院(同)も4月に同様の措置を取ったことが引き金となった。各タクシー会社は「時代の流れ」と受け止め、禁煙車両を増やす努力をしているが、街を流す際には喫煙を希望する乗客もおり、ドライバーは板挟みとなっている。
 東北大病院は4月20日から、敷地内のタクシープールを利用できる車両を禁煙車に限定した。10月から病院敷地内を全面禁煙とするのを見据えた措置だ。
 禁煙車は屋根に「禁煙」を示す表示灯を付け、ドアと車内の2カ所にもシールを張らなくてはならない。タクシー会社、個人タクシーに協力を求め、約60台の禁煙車を確保した。
 同病院の小林俊光・緑化交通委員長は「タバコを吸わない運転手や乗客は、受動喫煙にさらされている。病院は健康増進をサポートする社会的責任がある」と説明する。
 タクシー業界では「東北大病院は、他の病院への影響力が大きい。今後、禁煙車限定の傾向は加速するだろう」とみる。
 東北運輸局によると昨年2月、市内のタクシーは3550台で、そのうち禁煙車は法人10台、個人15台の計25台しかなかった。その後、禁煙車は確実に増加し、現在は市内の個人タクシーだけでも既に50台を超えた。仙台個人タクシー事業協同組合の瀬川裕専務理事は「病院敷地内に入れないのでは困る。禁煙車が増えれば、サービスの選択肢も広がる」と期待する。
 ゴールデンウイーク以降、11台を投入したのは平和交通(青葉区)。市内の他の病院と提携し、今夏、同社の禁煙車専用乗り場を設けてもらう計画もある。中嶋敏有営業次長は「東北大病院の措置を機に、禁煙車を導入した。将来的には全車両を禁煙車に変えることもあり得る」と話す。
 しかし、タクシーの客の中には愛煙家もいる。東北大病院のタクシープールで客待ちしていた個人タクシー運転手は「自分はタバコを吸わないので構わないが、病院外ではお客さんを拾いづらくなる」と打ち明ける。あるタクシー会社の運転手も「国分町など夜の繁華街では、禁煙車は敬遠される。お客さんに車内でタバコを吸われても、なかなか禁煙を強制できない」と悩ましげだ。


2006/ 5/12 「禁煙パッチ」一転、月内に保険適用へ 厚労相謝罪  (朝日新聞記事

 4月から保険診療の対象になった禁煙治療が、主な治療薬とされる「ニコチンパッチ」を使うと自由診療扱いとされていた問題で、川崎厚労相は12日の衆院厚生労働委員会で、ニコチンパッチも今月中に保険の適用対象にする方針を示した。また病院現場の混乱について「周知が不足したことは誠に申し訳ない」と謝罪した。民主党の柚木(ゆのき)道義議員の質問に答えた。
 ニコチンパッチは体に張ることで禁煙後の症状を和らげるものだが、保険対象にはなっていなかった。現在の医療保険制度では保険適用外の自由診療と保険診療を組み合わせた「混合診療」を原則として認めていないため、ニコチンパッチを使った診療は自由診療として扱う運用になっていた。
 このため、病院では患者からの費用徴収額を巡って混乱が生じていたほか、「ニコチンパッチを必要とするような、より症状の重い人に保険が適用できないのは矛盾している」などの批判が出ていた。


2006/ 5/12 ニコチンパッチ保険薬に 厚労省、今月中に  (共同通信記事)

 川崎二郎厚生労働相は12日の衆院厚生労働委員会で、禁煙時に体内のニコチン濃度が低下する際の禁断症状を抑える「ニコチンパッチ」を公的保険の対象とすることを明らかにした。近く医薬品の保険適用の可否を検討する中央社会保険医療協議会を開き、今月中に保険薬とする。
 禁煙治療については、4月から公的医療保険の対象となったが、パッチが保険適用外であることから、パッチを使うと違法な「混合診療」に該当。厚労省は4月28日の医療機関向け通知で「使えば禁煙指導全体が(全額自己負担の)自由診療となる」と明確にしていた。保険適用を急いだのは、医療現場の混乱や日本禁煙学会からの批判を受けたためとみられる。


2006/ 5/12 ニコチンパッチ保険適用へ 厚労省、今月中にも  (共同通信記事)

 厚生労働省は12日、衆院厚生労働委員会の答弁で、禁煙の際に禁断症状を抑えるために使うニコチンパッチ製剤について、今月中に保険適用を認める方針を明らかにした。
 4月からの診療報酬改定で、禁煙治療が医療保険の対象になったにもかかわらず、ニコチンパッチが保険適用外だったため、パッチを使用した場合、禁煙指導を含めてすべてが患者の自己負担となってしまい、患者などから不満の声が上がっていた。
 近く医薬品の保険適用の可否を検討する中央社会保険医療協議会(中医協)を開き、保険適用の手続きを進める。


2006/ 5/12 禁煙治療で医療機関も困惑  (札幌テレビ放送動画ニュース

医療機関も困惑しています。困惑の理由は、健康保険が使えるようになった禁煙治療で治療の要となる貼り薬、ニコチンパッチを使うと保険が適用されないことがわかったからです。
禁煙外来を設けている札幌市の病院です。
(山内記者)「こちらの病院には禁煙外来があるんですが。今朝から保険適用がどうなるのか問い合わせが相次いでいる」
この病院は、厚生労働省が禁煙治療にも健康保険を使えるようにしたのを受け、先月から、保険を適用した料金、つまり3割負担で、ニコチンパッチの処方を伴う診療をしてきました。ところが、先月末、厚生労働省はニコチンパッチの処方を伴うと保険は適用にならないとの見解を明らかにしました。
(NTT東日本札幌病院・梅澤隆さん)「(4月分料金について)差額の請求はしない」
一方、小樽市のこの病院には、保険が適用にならないとの知らせすらないのだといいます。
(おたる内科呼吸器科・犬塚 学医師)「(厚生労働省の見解は)はじめて知った。保険適用外になると禁煙しようとした人のやる気がなくなる」
禁煙治療を成功させるためにはほとんどの場合、ニコチンパッチが必要とされています。健康保険での治療ができない事態に、「事実上、治療ができない」との声があがっています。


2006/ 5/12 禁煙パッチ治療は保険外 厚労省が突然通知、現場混乱  (朝日新聞記事

 4月から医療保険の適用となった禁煙治療。しかし、禁煙成功の要である貼(は)り薬ニコチンパッチを使うと、治療全体が保険が利かなくなることが11日、分かった。パッチが保険薬ではなく、処方すると、法で禁じられている「混合診療」にあたるためだ。厚生労働省は4月28日付で通知、事実上、保険での禁煙治療は先延ばしになった形だ。新制度から1カ月後の「不適用」通知に、現場は混乱している。
 「はしごを登ったら、急にはずされた気分」と東京都杉並区の会社員(34)は憤る。新聞で保険診療開始を知り、「3割負担ですむなら」と、4月下旬に病院で、保険適用となる「12週間で5回の治療」を始めたばかり。禁煙達成までにはパッチ代として2万~3万円は別にかかると覚悟していたが11日、担当医から電話で「自由診療となる」と告げられた。「パッチなしでは禁煙する自信がない。自由診療でも行かざるを得ないが、なぜこんなことに……」
 「患者に何と説明すればいいのか。スタート前に言ってほしかった」。12日に保険診療を始める予定だった茨城県阿見町の東京医科大霞ケ浦病院は11日、急きょ院内で協議、受診予定者に自由診療になるとの説明文書を渡すことにした。同病院は4月下旬に駐車場の喫煙所を撤去、病院敷地内の全面禁煙という保険適用の条件を整備したばかり。待合室でスタッフ自作のCMまで流してきた。担当の柳生久永医師は「結果的に患者さんにうそをついたことになる。早くパッチを保険薬にして」。
 やはり当面、自由診療と決めた広島市の広島共立病院。青木克明院長は「パッチを処方しなくてもよい軽症の人には保険が適用でき、重症の人には適用できない。矛盾している」。診察は保険を使い、薬局でニコチンガムを買う方法もあるが、ガムの禁煙成功率はパッチより低いという医師もいる。広島県医師会は2日、パッチを使用する場合は問診などの「ニコチン依存症管理料」を保険請求しないよう求める緊急通知を出した。だが、松村誠理事は「4月はやむなく混合診療してしまった医療機関もある」と話す。
 多くの医療機関では、4月以降、検査や問診のみを保険適用し、国が認めたガイドラインに従って処方するニコチンパッチについては患者に実費負担してもらう形で禁煙治療を進めてきた。厚労省は、これが保険診療と保険外診療を組み合わせた「混合診療」にあたるとの説明は積極的にはしてこず、診療報酬改定の目玉「保険による禁煙治療の仕組みだ」と報じられても対応しなかった。だが、4月28日付で突然、混合診療に当たるとして「パッチが薬価収載されるまではすべて自由診療となる」と通知した。
 なぜ1カ月もたっての通知なのか? 同省保険局医療課の担当官は、「
※混合診療なのは明白。わざわざ知らせるまでもない。問い合わせがあれば口頭で答えてきた」。4月中旬以降、医師会や社会保険事務局からの問い合わせが増えたため、通知を出したという。
 パッチを保険薬にすることについてはメーカー側と協議中で、収載希望が出ればすみやかに保険適用したいとしている。

※注 「療養の給付と直接関係ないサービス等の取扱いについて」(平成17年9月1日)(保医発第0901002号)において、ニコチンパッチ処方が混合診療に当たらないという通知がなされており、今般の保険適用において遵守すべき「禁煙治療のための標準手順書」においても、ニコチン依存症の保険診療時のニコチンパッチ処方が明記されていることから、ニコチンパッチが同時に処方できるのが当たり前と考えるのが自然である。本来なら、ニコチンパッチを同時に保険収載すべきであったところ、「混合診療なのは明白」とは当局の開き直りも甚だしい。


2006/ 5/12 マイルドセブン、増税20円なのに… 13銘柄で30円上げ  (産経新聞記事

便乗?JTが申請
 日本タバコ産業(JT)は十一日、タバコ小売価格の値上げを財務省に申請した。タバコ増税に伴い、七月一日から全百十六銘柄を一箱(二十本入り)当たり十-三十円値上げする。主力商品である「マイルドセブン」など十三銘柄については、一箱当たりの増税額約二十円を上回る三十円の引き上げとした。喫煙者の減少で厳しさを増しているJTの経営環境を反映した値上げとなった。
 昭和五十二年に発売された「マイルドセブン」はシリーズ全体で国内市場で約三割を占める。世界でも「マールボロ」に次ぐ二位のシェアを握る稼ぎ頭となっている。同シリーズでの増税幅を超える値上げは、発売以来初めてとなる。それ以外の銘柄は、増税相当分を価格転嫁する。
 東京都内で記者会見したJTの西沢省悟副社長は、今回の値上げに対して「品質の維持・向上のため」と強調。二年後に予定する成人識別自動販売機の設置に伴う費用負担や、街角やオフィスへの喫煙場所設置に伴うコスト増への対応も理由に挙げた。
 五月から増税された「第三のビール」では、ビール各社は増税分のみを出荷価格に転嫁。一部小売店では増税分を企業努力で吸収し、価格を据え置く動きもみられた。これに対し、タバコは定価販売に守られているうえ、今回の主力商品での値上げは増税への「便乗値上げ」との批判を浴びそうだ。
 ただ、喫煙者の減少で国内タバコ市場の縮小が続く中、増税幅以上の値上げはタバコ離れを一段と加速させる可能性もあり、JTにとっては苦渋の決断ともなった。


2006/ 5/12 タバコ13銘柄30円上げ マイルドセブンなど 増税分超えて加算 JT、7月から  (西日本新聞記事

 日本タバコ産業(本田勝彦社長、JT)は11日、タバコ税が7月1日から1本当たり85銭増税されるのに伴い、主力商品のマイルドセブンなど全116銘柄を、同日から1箱(20本)当たり10―30円値上げする価格改定を財務省に申請した。
 値上げは3年ぶり。マイルドセブンが1箱300円になるなど同シリーズ11銘柄を含む13銘柄は、1箱当たりの増税額約20円を大幅に上回る30円の値上げとなる。
 禁煙や分煙、嫌煙運動の広がりで、タバコ市場は厳しさを増しており、同社は品質向上に加え喫煙場所の確保や成人識別機能付き自動販売機の導入など、喫煙環境の整備に必要なコストも上乗せしたと説明。「愛煙家にはある程度のご負担をお願いせざるをえない」(西沢省悟副社長)としている。
 看板商品のマイルドセブンは、1977年に150円で発売して以来、税制改正ごとに値上げし今回が7回目だが、増税分を超えて値上げするのは初めて。
 30円値上げの銘柄がJT製品の販売本数に占める比率は約47.3%に達し、人気商品を狙い撃ちにした値上げとの批判も出そうだ。5月からはガソリンや第3のビールが値上げされており、タバコ値上げの追い打ちで生活の負担はさらに重くなる。
 セブンスターやキャスター・マイルドなど96銘柄は、増税分の約20円を価格転嫁するだけにとどめる。わかば、エコー、しんせいなど6銘柄は10円の値上げ。
 JTは、増税などの影響で本年度の国内タバコ販売数量が114億本減り、連結営業利益で約370億円の減益になるとの業績予想を4月に発表していたが、マイルドセブンの値上げで「さらに減益幅が広がる可能性もある」(本田社長)としている。


2006/ 5/12 米ファイザー「禁煙薬」承認、脳内でニコチン中毒“退治”  (日経新聞記事

 米医薬品最大手ファイザーは11日、ニコチンが人間の脳内で特定の受容体に直接作用し、喫煙と同様の状態を作ることで、服用者が禁煙できるようにする新薬について、米食品医薬品局(FDA)から承認を受けた。喫煙者が12週間服用した実験では1年後に5人に1人が禁煙に成功したという。
 薬品のブランド名は「チャンティックス」で、2010年までに年12億ドルの販売を見込む。服用すると喫煙による満足感も薄れ、ニコチンに依存する悪循環を断ち切る効果もあるという。
 禁煙ガム、パッチと異なる服用式の禁煙補助剤では、英大手グラクソスミスクラインが「ザイバン」という薬品を投入している。比較実験の結果によると、ファイザーの新薬はより高い禁煙率を達成したという。
 FDAは国民の健康への貢献が大きいと判断し、通常より審査期間が約4カ月短い優先審査を適用した。FDAは「喫煙は断ち切るのが難しい習慣だが、新薬は禁煙を望む数百万人に効果的な治療法になる」とみている。


2006/ 5/12 米ファイザーの禁煙薬認可 脳で作用、禁断症状を緩和  (共同通信記事)

 【ワシントン11日共同】米食品医薬品局(FDA)は11日、米医薬品大手ファイザーが申請していた禁煙薬「チャンティックス」の販売を承認したと発表した。AP通信によると、禁煙ガムやパッチとは異なる内服用の禁煙薬としては、1997年承認の「ザイバン」(英グラクソ・スミスクライン)以来となる。
 ニコチンの代替成分が、脳内でニコチンの影響を受ける部位に作用して禁断症状を和らげるとともに、タバコを吸った場合にニコチンの作用をブロックする働きもある。FDAは国民の健康への利益が大きいと判断、優先審査の対象にした。
 喫煙者に12週間服用してもらう臨床試験の結果、5人に1人が一年後も禁煙を続けられていたという。
 米国の喫煙人口は成人の5人に1人、4500万人近くに上るといわれ、うち約3200万人は禁煙を望んでいるという。


2006/ 5/12 タバコお断り 禁煙タクシー走る 女性中心に好評 田辺市の龍神ユニオン  (紀伊民報記事

 田辺地方を中心に営業している龍神ユニオンタクシー(本社・田辺市上の山、稲崎雄三社長)は4月中旬から、禁煙タクシーを走らせている。女性を中心に好評だという。県タクシー協会によると、串本町と和歌山市で各1社が禁煙タクシーを走らせている。
 車内に付いたタバコの臭いを嫌がる客は多く、運転手からの要望もあったことから開始した。現在走らせているのは小型の4台で、15日ごろ新たに1台加わる。担当する運転手は10人で、いずれもタバコを吸わない。
 禁煙タクシーは、両側の後部ドア付近と屋根の表示灯部に「禁煙車」マークを表示している。表示していることで、禁煙車と知らずに乗車した愛煙家に、禁煙の協力を求めることができるという。
 同社によると、始まって間もないが、年配の女性を中心に好評で、運転手を指名する客もいるという。62歳の男性運転手は「タバコの煙が嫌いなので、車内で吸われると、窓を少し開けていたが、今は気持ちよく運転できる」と話している。
 同社の一般のタクシー台数は24台。もっと指名が多くなれば、禁煙タクシーの台数を増やしたいという。
 稲崎社長は「禁煙は時代の流れ。さまざまな客を相手にするタクシー会社として、社会貢献するためにも取り組んだ」と話している。
 禁煙問題に取り組んでいる紀南タバコ対策推進協議会の森岡聖次会長(田辺保健所長)は「タクシーのような密室状態になるものでは受動喫煙を防ぐのは難しく、禁煙は必要だと感じていた。先駆的な取り組みで、他社にも広がってほしい」と話している。


2006/ 5/11 “湯けむり”ダメ! 都内の銭湯、全面禁煙 430円に値上げも  (産経新聞東京版記事

 湯上がりの一服はお断り-。東京都内すべての銭湯が六月一日から、全国で初めて全面禁煙になることが十日、分かった。業界団体は入浴による健康増進を売り物とする銭湯で、喫煙はふさわしくないと判断。対象は都が入浴料を決めている全九百九十九の銭湯で、愛煙家は一段と肩身が狭くなる。
 都公衆浴場業生活衛生同業組合が、都庁で十日開かれた都公衆浴場対策協議会で明らかにした。
 同組合によると、現在、全面禁煙や分煙の銭湯は全体の三割しかなく、健康志向の高まりから、全面禁煙を望む利用者が多い。この日の協議会では、最近の原油高に伴う燃料の重油高騰などを理由に、六年ぶりに入浴料の値上げを了承。利用者に負担を強いるだけに、全銭湯での全面禁煙で利用者の不満を和らげる狙いもありそうだ。
 入浴料値上げは全面禁煙と同じ六月一日からの見通しで、大人(十二歳以上)の場合、現行の四百円が三十円値上がりし、四百三十円になる。
 原油高に伴う入浴料の値上げは、平成十六年四月以降、大阪、静岡など二十四道府県で実施している。


2006/ 5/11 名市大が全面禁煙 7月から 付属病院6月先行 県内国公立大で初めて  (読売新聞中部版記事

 名古屋市立大(瑞穂、千種区)は10日、7月から大学敷地内を全面禁煙にすると発表した。建物内だけでなく、キャンパス全体を禁煙とするのは、県内の国公立大では初めて。医学部や付属病院のある川澄キャンパス(瑞穂区)は、6月から先行実施する。
 同大は、公共の場所での受動喫煙対策を義務づけた健康増進法が2003年に施行されて以降、建物内の禁煙化を進めてきた。大学法人化に伴い、中期目標にも禁煙対策を掲げ、同市が7月から、「路上禁煙地区」で喫煙者からの過料徴収を実施することにも合わせて、全面禁煙を決めた。学生や教職員だけでなく、付属病院の外来・入院患者などもタバコを吸えなくなるため、同大ではポスターなどで周知を進めている。
 東海3県の国公立大では、岐阜大(岐阜市)が、昨年4月から敷地内を全面禁煙としている。名古屋大(名古屋市)は来年4月から、医学部や付属病院のある鶴舞地区での敷地内禁煙に踏み切る。


2006/ 5/11 キャンパスタバコ追放/名市大7月から  (朝日新聞愛知県版記事

 名古屋市立大学(西野仁雄理事長、学生数約3800人)は10日、7月1日から全キャンパスの敷地内を全面禁煙にすると発表した。健康増進やキャンパスの環境保全のためで、大学敷地の全面禁煙は県内の国公立大では初めて。同市が7月1日から市内4カ所の路上禁煙地区で過料徴収を始めるため、市民の禁煙への理解を深める狙いもある。(卒田玄行)
▽市の路上禁煙に波及狙う
 同大は03年の健康増進法施行を受け、順次建物内の禁煙を進めてきた。現在、建物内は全面禁煙化されており、建物外に喫煙場所を設けていた。
 今回、さらに市民の健康増進に役立てるため、敷地内の全面禁煙に踏み切った。東海地方では岐阜大や名古屋女子大などですでに実施されているという。
 開始日は栄や金山など路上禁煙地区での過料徴収開始に合わせた。ただし、4キャンパスのうち、医学部や病院がある川澄キャンパス(同市瑞穂区瑞穂町)は6月1日から先行して始める。
 禁煙は教職員や学生のほか、大学を訪れるすべての人が対象。周知のため、病院内に「タバコは喫煙者と周囲の人の健康に悪影響を与える」と訴えるポスターを張り出したり、川澄キャンパス最寄りの地下鉄桜山駅出入り口近くに縦180センチ、横90センチの大看板を設置したりしている。
 また、禁煙への理解を深めるための講演会を5月18日午後5時半から、同大病院中央診療棟3階大ホールで開く。3人の医師らが「喫煙と生活習慣病のかかわり」や「どのようにタバコをやめるか」といったテーマで話す。無料。問い合わせは桜仁会(052・853・8746)へ。


2006/ 5/10 タクシー運転手健康被害訴訟  (朝日新聞神奈川県版記事

 タクシーの乗客からの受動喫煙により健康被害を受けたとして、運転手が雇用主の会社に損害賠償を求めた訴訟の判決が9日、横浜地裁小田原支部であった。尾崎智子裁判官は「タクシー全面禁煙は望ましい」と述べたが、「会社に安全配慮義務違反はなかった」として、運転手の請求を棄却した。運転手側は控訴する方針。
  訴えていたのは、横浜市戸塚区舞岡町、大畠英樹さん(39)。雇用主の神奈中ハイヤー(本社・厚木市飯山、栗崎康平社長)を相手取り、「受動喫煙を強要されて慢性気管支炎と診断された。目、のどなどに不快感を覚えながら働かざるを得なかった」と主張して慰謝料50万円を求めていた。
  判決はまず、「乗務員の受動喫煙の被害を減少させるためには、タクシーの全面禁煙化が望ましい」とし、「全車禁煙にするまでは喫煙車と禁煙車に分け、会社は乗務員の健康への配慮が必要」と注意義務があるとした。また、「乗務員も受動喫煙の体調の変化を雇い主に明確に告知することが必要」とした。
  その上で、(1)原告は乗務開始後1年で不調を訴えたものの、受動喫煙による被害を具体的に指摘しなかった(2)会社は定期健康診断を行っており、結果は「異常なし」とされていた(3)原告が自ら通院して「気管支炎」の診断結果だったことを会社が知ったのは裁判が起こされてから(4)原告が喫煙被害を訴えてから、会社は一時内勤にして事務所内を禁煙にするなどの措置を講じている――などと認定。会社は「安全配慮義務を尽くした」と結論づけ、大畠さんの主張を退けた。
  国の責任を問うタクシー禁煙訴訟は、昨年12月に東京地裁で判決があり、禁煙運動をする運転手らが敗訴した。この判決の中でも「タクシーは全面禁煙が望ましい」とする指摘が国に示されている。


2006/ 5/10 タクシー運転手受動喫煙賠償訴訟 「全面禁煙化望ましい」 地裁小田原支部判決 請求棄却も判断示す  (神奈川新聞記事)

 タクシー運転手が車内での受動喫煙で健康を害したのは会社が禁煙措置を怠ったためだとして、会社側に50万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が9日、横浜地裁小田原支部であった。尾崎智子裁判官は原告の請求を棄却したが、受動喫煙被害を減少させるため、タクシーの全面禁煙化を早期に実現させるのが望ましいとの判断も示した。
 訴えていたのは、神奈中ハイヤー(本社・厚木市飯山)の運転手大畠英樹さん(39)。
 大畠さんは2003年6月に入社し、約1年1カ月の間、非禁煙車に乗務。この間、禁煙車への乗務を希望し、受動喫煙により慢性気管支炎と診断されたなどと主張したが、判決では「原告が健康被害について会社側に具体的に訴えたとは認められず、安全配慮義務に違反したとは言えない」などとした。
 神奈中ハイヤーは「現時点でのコメントは差し控えたい」とのコメントを出した。
「軽視」不満あらわ 原告側控訴の意向
 「タクシー業者は乗務員の受動喫煙の被害を減少させるよう努めるべきで、全面禁煙化を早期に実現するのが望ましい」―。
 9日の地裁小田原支部判決は、タクシー乗務員の職場環境の改善に向け、ある程度踏み込んだ考えを示した。一方、当面は禁煙車と非禁煙車の併存にも理解を示し、「乗客の喫煙を一定の程度で認める」ことへの配慮も求めた。
 このため、判決後、小田原市内で記者会見した原告の大畠英樹さんは「受動喫煙を軽視した判決」と不満をあらわにし、控訴する意向を明らかにした。
 訴訟を支援してきた「タクシー全面禁煙をめざす会」の渡辺文学代表(68)も「全国に27万台あるタクシーのうち、禁煙車はわずか5,400台。密室で分煙ができないだけに、もっと踏み込んだ判決を望みたかった」と述べた。
 2003年5月施行の健康増進法で、受動喫煙の防止に必要な措置の努力義務がタクシーを含む事業者に課された。県タクシー協会によると、加盟187社の10,914台のうち、禁煙車は37社計363台。一方で、タクシー運転手に喫煙者が多いとも指摘されている。


2006/ 5/10 『タクシー全面禁煙を』 受動喫煙にまた警鐘  (東京新聞記事

 乗客が吸うタバコが原因で健康被害を受けたのは、会社側が乗務員に対する安全配慮義務を怠ったからだとして、横浜市戸塚区のタクシー運転手大畠英樹さん(39)が、勤務先の神奈中ハイヤー(本社・神奈川県厚木市)に五十万円の慰謝料を求めた訴訟の判決が九日、横浜地裁小田原支部であった。尾崎智子裁判官は原告の請求は棄却したが、「乗務員の受動喫煙の危険性に配慮するため、タクシーの全面禁煙化を早期に実現することが望ましい」と会社側の対策の必要性を指摘した。
 判決によると、大畠さんは乗務開始からほぼ一年が過ぎた二〇〇四年七月、会社側に受動喫煙の悩みを伝え、禁煙タクシー導入を要望した。尾崎裁判官は「体調不良を具体的に会社側に訴えていなかった」とした。
 また、後に会社側は大畠さんの体調に配慮して喫煙タクシーの乗務を外し、禁煙タクシーに乗務させており、会社の健康診断結果にも特に異常がなかったことから、判決は「会社側に安全配慮義務違反があったとはいえない」とした。
 神奈中ハイヤーは「会社側の主張が認められた」とコメントした。運転手らが受動喫煙の被害を訴えた訴訟をめぐっては昨年十二月、東京地裁で国への損害賠償請求を棄却したうえで、「全面禁煙化が望ましい」とした判決が確定している。


2006/ 5/10 『運転手救われない』 禁煙タクシー原告の請求棄却  (東京新聞神奈川県版記事

 「健康を害するまで待てということか」-。禁煙タクシーの原告、大畠英樹さん(39)は九日、横浜地裁小田原支部での判決後、記者会見を行い、控訴する考えを明らかにした。判決には「これでは悩み続けているドライバーは救われない。裁判官は全然考えていない」と不満をあらわにした。
 大畠さんは「会社は受動喫煙の危険性を考えて保護し、防止する義務がある」と会社側の責任を強調。さらに「全国四十万人の(タクシー)ドライバーは一本でも吸われると(車内は)安全ではないが、裁判所や会社は受動喫煙を軽視しているので納得できない。利益追求ばかりでなく思いやりのある職場にしてほしい」と訴えた。
 支援団体の「タクシー全面禁煙をめざす会」のメンバーは「健康被害を受ける前に予防しなければ安全配慮義務にならない。受動喫煙を軽視した判決」と批判。判決は全面禁煙化の必要性に言及したが、「職場として、タクシー業界が禁煙対策に最も遅れている。判決は踏み込んでいない」と手厳しかった。


2006/ 5/ 9 タクシー全面禁煙化実現を 横浜地裁小田原支部判決  (西日本新聞記事

 禁煙タクシーへの乗務が認められず受動喫煙で健康被害を受けたとして、横浜市戸塚区の運転手大畠英樹さん(39)が勤務先の神奈中ハイヤー(神奈川県厚木市)に50万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、横浜地裁小田原支部(尾崎智子裁判官)は9日「提訴前に会社側への被害申告がなかった」として請求を棄却した。
 しかし尾崎裁判官は判決理由で、会社側に受動喫煙による健康被害から乗務員を守る責務があるとし「タクシー全面禁煙化の早期実現が望ましい」と述べた。
 その上で「喫煙者、非喫煙者が互いの立場を理解することが必要」とも述べ、全車禁煙化実現までは喫煙車、禁煙車に分けて乗客の喫煙を一定限度で認め、会社側は乗務員の定期健康診断などで被害が生じないよう配慮する義務があるとした。


2006/ 5/ 9 健康問題持ち出し反論=「低出席率」批判に小沢民主代表  (時事通信記事)

 「毎日散歩、早寝早起き、食事してすぐ仕事に取り掛からない。10数年間、医者の忠告をずっと守り続けている」。民主党の小沢一郎代表は9日の記者会見で、1991年に心臓病で入院した事実に自ら言及し、「国会や党の会議などへの出席率が相変わらず悪い」とするメディアの批判に反論した。 この中で、小沢氏は「病気をきっかけに(1日)60本吸っていたタバコもやめ、酒も3分の1ぐらいにした」と強調。「(朝は)散歩から帰って来てから、ゆったりした時間を取っている。昼も同様だ」などと力説した。 政治家にとって、健康問題はできれば触れたくない話題。その問題を自ら持ち出すほど、先の代表選で「わたしは変わる」と宣言した小沢氏にとって、「変わっていない」との批判は聞き捨てならなかったようだ。


2006/ 5/ 9 男性医師の半分以上が喫煙者=全体では3.5億人-中国  (時事通信記事)

【北京9日時事】新華社電によると、中国衛生省は、北京で9日開催された世界保健機関(WHO)慢性病世界報告中国語版の発行式典で、男性医師の喫煙率は5割以上に達するとの調査結果を明らかにした。さらに全国の喫煙者は約3億5000万人に上るとのデータも示した。 同省によれば、中国では2000年に喫煙が原因で死亡した人は約100万人。エイズウイルス(HIV)感染、結核、交通事故、自殺による死者を上回り、死亡者全体の12%を占めた。衛生省は有効な措置を取らなければ、20年にはこの割合は33%に上昇し、死者数は200万人に達すると警告した。 中国男性の喫煙率は02年時点で66%、女性は3%。1996年と比べて喫煙率は低下したが、人口増加に伴い、喫煙者は3000万人増えた。


2006/ 5/ 8 飲酒・喫煙で大腸癌発症が約8歳早まる 飲酒・喫煙者には早期の検診開始を提言、米国の研究  (日経メディカル記事)

 約16万人の大腸癌患者を飲酒歴と喫煙歴で分類、大腸癌診断時の年齢との関係を調べたところ、飲酒も喫煙もしない人に比べ、飲酒者、喫煙者とも5.2歳、飲酒、喫煙の両方をたしなむ人では7.8歳若い段階で大腸癌と診断されていたことが明らかになった。飲酒と喫煙は大腸癌の危険因子であることは知られているが、これらの習慣が癌発症を早めることを示した研究はこれまでなかった。米Northwestern大学のAnna L. Zisman氏らの研究成果で、詳細は、Archives of Internal Medicine誌2006年3月27日号に報告された。
 著者らは、全米の350を超える病院のデータを集積した癌登録データベースから、1993~2003年に組織学的に大腸の腺癌と診断された患者16万1172人(50%が男性)を選び、登録されていた飲酒歴と喫煙歴で患者を分類した。現在の飲酒者、喫煙者は、それぞれ診断前の1年間に飲酒または喫煙していた人、過去の飲酒者と喫煙者は、それぞれ診断の1年以上前に禁酒または禁煙した人とした。
 大腸癌診断時の年齢の平均は、非飲酒非喫煙者の男性で69歳、女性で72.4歳、現在の飲酒・喫煙者の男性は62.1歳、女性では63.2歳だった。非飲酒非喫煙群(全体の43.6%)と比較した診断年齢は、喫煙歴なしの現在の飲酒者(10.0%)で5.2年、飲酒歴なしの現在の喫煙者(7.3%)も5.2年、現在の喫煙・飲酒者(7.5%)では7.8年(いずれも性別、人種、保険の種類で調整済み、すべてp<0.001)それぞれ早かった。その他、過去の飲酒者で現在喫煙者のグループ(1.4%)では5.6年、現在飲酒者で過去の喫煙者である人々(10.8%)で1.7年、飲酒歴はないが現在の喫煙者(7.3%)では5.2年、過去の飲酒者で現在は非喫煙者(1.0%)で2.1年、早く大腸癌と診断されていた(すべてp<0.001)。
 大腸癌が、脾湾曲部、下行結腸、S状結腸、直腸S状部、直腸に局在した場合は遠位の癌、それ以外は、近位の癌と分類し、飲酒、喫煙との関係を調べた。すると、遠位大腸癌は、非飲酒者に比べて現在の飲酒者に有意に多く(オッズ比1.192)、また、非喫煙者に比べ現在の喫煙者に有意に多かった(同1.164)(いずれもp<0.001)。
 次に、飲酒・喫煙と大腸癌診断年齢の関係を男女別に評価したところ、非飲酒非喫煙者群に比べ、現在の飲酒喫煙者では、男性で6.5年、女性では9.2年早く診断されていた。飲酒歴のない現在の喫煙者を比べても、男性は3.7年、女性では6.3年早く診断されていた。一方、現在は飲酒者だが喫煙歴のない人々については、診断年齢に男女差は認められなかった。したがって診断時年齢の男女差は飲酒とは無関係で、喫煙に起因すると考えられた。
 これまでにも、女性の方がタバコの害を受けやすいことを示した研究は複数あり、喫煙女性の肺癌、膀胱癌、口腔癌リスクは、喫煙男性に比べ、軒並み高いことが示されている。
 著者らによると、飲酒と喫煙が大腸癌発症年齢を引き下げることを示唆した研究はこれが初めてだという。得られた結果は、禁酒と禁煙の推奨を大腸癌予防プログラムに組み込む必要性があること、飲酒・喫煙者には大腸癌検診をより若い時から受けるよう推奨すべきであることを示している。検査方法としては、飲酒喫煙をしない人の場合、近位の大腸癌も検出できる結腸鏡が適しているという。
 こうしたデータが蓄積されれば、近い将来、癌検診も、各人の持つ危険因子(飲酒、喫煙、BMIなど)と遺伝的な素因を組み合わせ、テーラーメイドで計画できるようになるだろう。
 本論文の原題は「Associations Between the Age at Diagnosis and Location of Colorectal Cancer and the Use of Alcohol and Tobacco」。アブストラクトは、
http://archinte.ama-assn.org/cgi/content/abstract/166/6/629 で閲覧できる。


2006/ 5/ 8 吸わない人は歯が丈夫 タバコとの関係を初調査  (徳島新聞記事

 40歳以上の男性で喫煙しない人は、習慣的に喫煙している人と比べ、自分の歯が20本以上ある人の割合が高い-。厚生労働省が8日公表した国民健康・栄養調査では、喫煙習慣と歯の状況の関係を初めて調べた。
 それによると、喫煙者の場合、歯が20本以上の人は40代で90・7%いるが、50代は71・5%と減少。70歳以上は22・2%しかいない。
 一方、非喫煙者は40代92・6%、50代88・1%と減少幅が小さく、70歳以上も32・3%は歯が20本以上あった。
 過去に喫煙習慣があったがやめた場合は、50代、60代、70歳以上の各年代とも、歯が20本以上ある人の割合が喫煙者より高く、非喫煙者より低かった。


2006/ 5/ 8 禁煙訴え日本縦断中のオーストラリア人  (朝日新聞兵庫県版記事

 禁煙を訴えながら、徒歩で日本縦断の旅をしている愛媛県西条市在住の豪州人、マーク・ギブンスさんが6日、姫路市下手野1丁目の姫路赤十字病院を訪れ、活動を支援する同病院の職員らの出迎えを受けた。
 現在は英会話教師をしているギブンスさんのオーストラリアでの本業は看護師。集中治療室の担当が長く、タバコの害で死んでいく患者を多く見たといい、日本の禁煙や分煙があまり進んでいない現状を何とかしたいと、今回の旅を思いついたという。
 すげ笠に白装束というお遍路姿で、「禁煙は愛」と書かれたのぼり旗を手に歩く。4月13日に九州最南端の佐多岬(鹿児島県)をスタートし、5日に姫路に到着。6日は休養日で、ラジオ出演のあと同病院を訪れた。
 足の裏にまめができ、足首も少し腫れているというが、ギブンスさんは「1人でも多くの人に注目してもらい、タバコの害について少しでも考えてもらうきっかけになれば」と話した。今後、大阪や東京など各通過地で禁煙イベントに参加しながら、7月9日にゴールの宗谷岬(北海道)に到着する予定という。


2006/ 5/ 7 肥満、喫煙+運動不足=将来"保険料4割増"!?  (スポニチ大阪記事

◆ 厚生労働省研究班 ◆
 生活習慣病などのリスク要因とされる「喫煙」「肥満」「運動不足」の3つすべてにあてはまる人は、全く該当しない人に比べ医療費が4割以上も高くなる。こんな気になるデータが6日、住民約5万人を9年間追跡した厚生労働省研究班(班長・辻一郎=東北大大学院教授)の調査で明らかになった。“三重苦”の方は生活改善に取り組まないと、将来的に損をするかも…。
◆ リスクに応じた負担設定導入を提言 ◆
 年間30兆円を超える国民医療費の削減に向け、国会で審議中の医療制度改革関連法案でも生活習慣病対策が焦点の一つ。研究班は「リスクに応じて負担と給付を設定することは可能」として、喫煙の有無や肥満度などによる応分の保険料負担の導入を提言した報告書を厚労省に提出した。
 調査は宮城県北部に住む国民健康保険加入者約5万人を対象に1995年1月から実施。03年12月までの9年間のデータから、1カ月にかかる1人当たりの平均医療費を算出した。
 それによると(1)喫煙習慣あり(過去の喫煙歴を含む)(2)一定基準以上の肥満(3)1日の歩行が1時間未満の運動不足-の3つ全部に該当するグループの医療費は2万9272円で、どれにも該当しないグループの2万0376円の1・44倍だった。
 2つに該当する場合では、喫煙と運動不足の組み合わせが1・31倍と最も高く、肥満と運動不足が1・17倍、喫煙と肥満が1・12倍。
 単独の場合は、喫煙が1・10倍、肥満と運動不足はそれぞれ1・07倍だった。
 辻教授は「調査結果から推計すると、不健康な生活習慣が医療費全体に与える影響は4、5兆円規模になる。予防重視の施策とともに、民間の生命保険や医療保険が導入しているようなリスクに応じた保険料設定も検討すべき時期に来ている」と話している。
 不健康な生活を続けていると将来、人より多く保険料を払うことになるかもしれない。気になるあなた、せめて“三重苦”の生活習慣は改めた方がよさそうですよ。


2006/ 5/ 6 喫煙・肥満・運動不足 医療費4割アップ  (東京新聞記事

 生活習慣病などのリスク要因とされる「喫煙」「肥満」「運動不足」の三つ全部に該当する人は、全く該当しない人に比べ医療費が4割余り高くなることが6日、住民約5万人を9年間追跡した厚生労働省研究班(班長・辻一郎東北大大学院教授)の調査で分かった。これほどの長期調査は国内では例がないという。
 年間三十兆円を超える国民医療費の削減に向け、国会で審議中の医療制度改革関連法案でも生活習慣病対策が焦点の一つ。研究班は「リスクに応じて負担と給付を設定することは可能」として、喫煙の有無や肥満度などによる応分の保険料負担の導入を提言した報告書を厚労省に提出した。
 調査は宮城県北部に住む国民健康保険加入者約五万人を対象に一九九五年一月から実施。二〇〇三年十二月までの九年間のデータから、一カ月にかかる一人当たりの平均医療費を算出した。
 それによると、(1)喫煙習慣あり(過去の喫煙歴を含む)(2)一定基準以上の肥満(3)一日の歩行が一時間未満の運動不足-の三つ全部に該当するグループの医療費は二万九千二百七十二円で、どれにも該当しないグループの二万三百七十六円の一・四四倍だった。
 二つに該当する場合では、喫煙と運動不足の組み合わせが一・三一倍と最も高く、肥満と運動不足が一・一七倍、喫煙と肥満が一・一二倍。
 単独の場合は、喫煙が一・一〇倍、肥満と運動不足はそれぞれ一・〇七倍だった。
 辻教授は「調査結果から推計すると、不健康な生活習慣が医療費全体に与える影響は四、五兆円規模になる。予防重視の施策とともに、民間の生命保険や医療保険が導入しているようなリスクに応じた保険料設定も検討すべき時期に来ている」と話している。
<メモ>生活習慣病
 食事、運動、喫煙、飲酒といった日常の生活習慣が発症や進行に影響する病気で、糖尿病や心筋梗塞(こうそく)、脳卒中、がんなどがある。肥満、高血圧、高コレステロール、高血糖は、それぞれの診断値が深刻でなくても、複数の症状があれば「メタボリック症候群」とされ、糖尿病や心筋梗塞に進む危険性が高まる。厚生労働省は病気の早期発見、早期治療(二次予防)だけでなく、生活習慣の改善による病気の予防(一次予防)に重点を置き、患者減少を目指している。


2006/ 5/ 5 喫煙者の脳卒中危険率1.8倍に  (東奥日報記事

 喫煙者は非喫煙者よりも脳卒中になる危険率が一・五―一・八倍高く、タバコをやめれば非喫煙者と同じ程度に脳卒中になる確率が下がることが県立保健大大学院の嵯峨井勝教授が行った調査で分かった。調査では、脳卒中と血圧の関連性が最も高いことも分かり、同教授は「脳卒中になる危険性がある人とその程度を把握できれば、効果的な予防ができる」と話している。
 同教授は、黒石市と県総合健診センターの協力を得て、二千六百人の黒石市民の住民基本健診データを解析。日本人の三大死因の一つである脳卒中の危険度を計算できるコンピューターソフトに、年齢、性別、最高血圧、総コレステロール、HDL(善玉コレステロール)、喫煙の有無など九項目を入力し、今後十年間に脳卒中になる危険性を調べた。
 その結果、最高血圧が高くなるにつれて、脳卒中の発生率が高まるとともに、同じ血圧ならば喫煙者が非喫煙者よりも脳卒中になる危険性が一・五―一・八倍高いことが分かった。また以前にタバコを吸っていた「過去喫煙者」は、非喫煙者と脳卒中リスクはほとんど変わらず、タバコをやめれば脳卒中になる確率は低くなることが分かった。


2006/ 5/ 2 チリで禁煙法成立=タバコ害教育も義務付け  (時事通信記事)

【サンパウロ2日時事】チリのバチェレ大統領は2日、公共の場での禁煙などを定めた新タバコ法に署名した。南米で本格的な禁煙法が成立したのはウルグアイに次いで2国目。 官公庁やスーパーマーケット、劇場など不特定多数の人が利用する建物内では喫煙室以外でのタバコが禁じられるほか、病院では屋内全面禁煙となる。飲食店は分煙施設の整備や喫煙・禁煙の明示が求められる。 大統領府によると、同国の喫煙者は平均12歳でタバコを吸い始めるため、新法は小学校でタバコの害を教える授業実施を義務付けるほか、学校の半径100メートル以内ではタバコの販売や広告掲示も禁じている。


2006/ 5/ 2 禁煙キャンペーン いよいよ全国で開始 スイス  (swissinfo記事

スイス全国で売られるタバコの箱に、健康への害に関する大きな記載が5月1日から一斉に始まった。
 今年の3月にイタリア語圏、ティチーノ州でレストランを含めた公共の場での全面禁煙法が承認されて以来、スイスの様々な地域で禁煙運動や禁煙措置が本格化されてきた。
 義務化されたのは「喫煙は死を導く」「タバコを吸うことは寿命を短くすること」などといった、喫煙に伴う弊害の記載で、タバコ、葉巻や巻き煙草などの箱に表示される。
 それだけではない。吸う人と周囲の「パッシブスモーカー(受動喫煙者)」への害の警告ばかりでなく、タバコを止めたい人への情報も含まれる。
 こうして、連邦政府レベルで喫煙率を下げるための政策の導入が開始された。これに平行して、スイスの多くの州で様々な禁煙対策を練っているところだ。しかし、このような政策が既に実行されている欧州諸国から比べたらスイスは一歩遅れた、タバコ後進国と言うことになる。
パイオニアのイタリア語圏
 ティチーノ州はタバコに関しては一歩先を行っている。レストラン、バーやディスコなどを含む公共の場所での禁煙が昨年、州議会で可決され、今年の3月には同法が国民投票で79.1%の賛成を得て承認された。このため、2007年までに州内の全てのレストランやバーの経営者は店内全面禁煙にするか、禁煙席と喫煙席の部屋を分けなければならない。
 隣国イタリアでは同じような法律が既に施行されている。イタリアの公共衛生大臣の報告によると、禁煙法が導入された2005年始め以来、50万人がタバコを絶ち、喫煙率は5.7%も減ったという。このうえ、現在は90%のイタリア人が公共の場所での全面禁煙はもっともな(根拠のある)法律だと満足しているという。
スイス全国で進む禁煙措置
 ジュネーブ州やチューリヒ州ではティチーノ州と同等の措置を目指す国民投票が議題になっている。ベルンでは近々、州議会でこの議題が話し合われる予定だ。このように、各州が禁煙措置を行なうことになれば、連邦政府の方で全国的に喫煙に関する保健衛生上の政策を取らざるを得なくなるだろう。
 いち早くこの動きに乗ったスイス国鉄は2005年の12月から全車両禁煙になった。これらの動きを考えるとスイスでも、イタリア、ノルウェー、アイルランドやスウェーデンと同じように公共の場での全面禁煙になる日も時間の問題といえよう。
禁煙を望む人に
 禁煙を奨励するには、喫煙を禁止するだけでは足りない。ニコチン中毒に陥っている喫煙者にとって、止めることはそう簡単ではないからだ。このため、スイス癌協会は禁煙したい人のための医療電話相談サービスを3カ国語で始めた。訓練を受けた相談役が科学的に証明された幾つもの効果的な禁煙方法を教えてくれる。
 この他、5月31日の「世界禁煙デー」にも禁煙コンクールがも催しされる予定だ。一人でも多くの喫煙者にタバコを絶つことを奨励しようと連邦健康局やスイス癌協会が支援している。同コンクールが開催された2003年には参加者の40%が1年間タバコなしで生活することに成功した。


2006/ 5/ 2 路上禁煙地区指定から1年 吸い殻減らず 喫煙は減少 過料徴収へ指導強化  (読売新聞中部版記事

 名古屋市は1日、昨年3月に指定した栄、名古屋駅周辺など市内4か所の「路上禁煙地区」での1年間の指導・調査結果をまとめた。
 地区内で喫煙者に指導する件数や、喫煙率は減ったものの、吸い殻の数は改善されていない。
 7月からは、地区内の喫煙者から過料2000円を徴収することが決まっており、松原武久市長は同日の記者会見で「過料徴収に向けてさらに周知が必要。効果的なパトロールや各種団体と協力した対策を進めたい」と語った。
 市によると、昨年4月11日~今年3月31日の指導員による指導件数は、4地区で計3万8814件。1時間あたりの指導件数は、昨年4月は平均27・8件だったが、徐々に減少し、今年3月は17・1件となった。
 地区内で一定時間通行する人のうちの喫煙者の割合(喫煙率)を定点調査した結果も、指定前(昨年2月24日)は4地区平均4・74%だったのに対し、今年3月は同0・15~0・51%と改善した。
 しかし、地区内に捨てられる吸い殻数の定点調査では、指定前の4地区計553個に対し、今年3月は同265~514個と、大きな改善はなかった。
 市は、過料を科す判断基準を4地区で「喫煙率0・1%、吸い殻数計55個」とし、これらを下回るよう目指してきたが、達成できず徴収を決定。今後、ポスターや広告旗の掲示、まちづくり推進協議会と合同の啓発パトロールなどを行う。指導員の巡回も、6月から頻度を高める。


2006/ 5/ 1 競え!「こうしてやめられた」=指導者講習し認定-禁煙学会、本格始動  (時事通信記事)

 タバコ問題に取り組む医師らが日本禁煙学会(理事長・作田学杏林大学教授)を設立し、夏には民間非営利団体(NPO)として認可される見通しとなった。医師だけでなく看護師や薬剤師、一般の人を巻き込み、運動を推進。第1弾として、禁煙体験談を競う「私はこうしてタバコをやめられたコンテスト」を実施する。 作田教授らは「禁煙医師連盟」として、これまで受動喫煙と未成年者喫煙の防止に尽力。昨年2月、世界保健機関(WHO)の「タバコ規制枠組み条約」が発効し、今春から禁煙指導が公的医療保険の対象となったため、「いよいよ正面から取り組む時代になった」と意気込んでいる。 学会の特徴は「参加型」。禁煙運動を担う民間の団体と手を組み、代表者にはさまざまなプロジェクトの委員に入ってもらう。薬剤師らを対象に禁煙指導者の講習会を開き、試験で指導者を認定する。  コンテストには、既に100通ほど応募があるといい、同教授は「どれも力作ばかり」と話す。7月31日に締め切って8月に表彰し、良い作品を選び、来年には本として出版する予定だ。 教授自身もかつてかなり吸っていたが、知人のほんの一言をきっかけにやめられた経験を持つ。教授は「やめるのは大変という思い込みが難しくしている。喫煙者を敵にするのではなく、何とか気付かせて手助けしたい」と話している。


2006/ 5/ 1 国立循環器病センター、やっと敷地内禁煙に  (朝日新聞関西版記事

 国立循環器病センター(大阪府吹田市)は1日から敷地内全体を禁煙にした。受動喫煙防止を求めた03年の健康増進法施行以後、建物内以外に敷地内も禁煙にする病院が増えていたが、同センターは喫煙が悪影響を及ぼす心臓病や脳卒中を扱う日本の最先端病院であるにもかかわらず、禁煙対策では「後発組」だった。ようやく「先頭集団」に追いついた形だ。
 同センターが敷地内禁煙に踏み切ったきっかけは、4月からの診療報酬改定で禁煙治療が保険適用になったこと。これに伴い、昨年設置した禁煙外来での禁煙治療で保険請求するには「病院敷地内の全面禁煙」という施設基準を満たさなければならなくなったからだ。
 同センターは01年に院内に喫煙所を作って分煙を始めたが、「喫煙所から煙が漏れる」などの苦情が出たため、02年末からは喫煙所を駐車場の一角と病棟隣の倉庫にして建物内は禁煙とした。
 一方、03年に健康増進法が施行されると、秋田大や金沢大などの大学病院で敷地内も全面禁煙にする動きが見られ、その後地方の公立病院などにも導入例が拡大。同センターも検討を始めたが、屋外の喫煙所以外でタバコを吸っていた患者に職員が注意すると「何を根拠に禁煙を強いるのか」と詰め寄られるトラブルも多かったため、喫煙所の撤去に踏み切れないでいた。
 しかし、4月の診療報酬改定で敷地内禁煙が保険適用上の条件と主張できるようになり、「渡りに船」と導入を決めた。
 同センターの友池仁暢(ひとのぶ)病院長は「見舞いの人やタクシーの運転手にも協力を求めたい」と話している。


2006/ 5/ 1 三菱UFJがJTを2段階引き下げ  (証券新報記事

 日本タバコ産業<2914>は9時19分現在、2万2000円安の43万6000円と売られている。三菱UFJ証券が同社株のレーティングを3から5に2段階引き下げたことを嫌気した。同社が週末に発表した06年3月期決算は連結経常利益が10%増となったものの、今期に10%減益予想であることが嫌気されているようだ。


2006/ 5/ 1 広島発)記者もきっぱり、「禁煙します!」宮崎 園子  (朝日新聞広島県版記事

 タバコの健康被害などをテーマにした「タバコについて考えるセミナー」(朝日新聞広島総局など後援)が30日、広島市内で催された。タバコを吸う人、吸わない人。様々な思いを抱えた約80人の参加者とともに、喫煙歴約8年の記者も聴講した。感想は――。「私も禁煙しよう」(宮崎園子)
 「まだ、吸ってるの?」。第1部では、こんな題で津谷内科呼吸器科クリニック(広島市東区)の津谷隆史院長が講演した。「タバコを吸うのは自分の意志でなく、ニコチンへの依存」
 津谷医師は、タバコの危険性をデータで説明した。発がんリスクは、非喫煙者を1とした場合、吸い始めが16~25歳であれば15――。
 第2部は、禁煙を訴えながら佐多岬(鹿児島県)から宗谷岬(北海道)までの約3千キロを歩く「禁煙遍路」に挑んでいる、愛媛県西条市在住のオーストラリア人、マーク・ギブンスさん(43)らによるディスカッションがあった。
 「タバコは『SLOW SUICIDE』(ゆっくりとした自殺)だ」。ギブンズさんの言葉が胸に突き刺さった。
 私は、20歳の頃からタバコを吸っている。ヘビースモーカーとは思わないが、3日で2箱ペース。原稿に行き詰まると一本。これが、気分の切り替えになるような気がしていた。
 参加者からあがった、「いっそ一箱2千円にすればいい」という意見には耳が痛かった。14歳の参加者は「タバコを吸っている友達にやめさせるには、何と言ってあげたらいいのでしょうか」と質問し、会場が静まりかえった。
 広島市安佐南区の石岡順子さん(33)が「無理やり連れてきた」という喫煙者の夫久直さん(34)は、「やはり肩身が狭いですよね。周りから責められ続けながら、禁煙のきっかけを探していきたい」。
 私もセミナーに参加した今が、まさに「きっかけ」と感じた。そうだ、禁煙しよう。
 決意をギブンスさんに伝えた。「自分の体が大事なら続けて。頑張って」。禁煙にはこれまで何度も挫折しているが、ギブンスさんに激励の言葉をもらい、今回はぜひ成功させたいと思った。愛煙家の皆さんも、禁煙に向けた「小さな一歩」を踏み出してみませんか。
【写真】禁煙マークが描かれた笠などを使って自らの取り組みを紹介するマーク・ギブンスさん(中央)=広島市中区で


2006/ 4/30 禁煙治療に矛盾 混乱  (中国新聞記事

▽ニコチンパッチは保険対象外
 四月からの診療報酬改定で保険が利くようになった禁煙治療について、国が承認した治療ガイドラインで必須とされる禁煙治療薬「ニコチンパッチ」をガイドライン通り処方すると、法で認められていない「混合診療」になってしまうことが二十九日までに分かった。医療現場で混乱が起きており、広島県医師会(碓井静照会長)は近く緊急通知を会員に発送する。(藤井智康)
 厚生労働省保険局の医療課担当官は「ニコチンパッチは数カ月以内にも保険適用となる見通しだが、四月の制度改定に間に合わなかったためにこういう事態になってしまった。混乱を招いているとしたら申し訳ない。医師会などの問い合わせには説明している」と弁明している。
 厚労省は従来、禁煙治療は保険の利かない「自由診療」と位置づけ、医師の処方するパッチも患者が実費で購入してきた。今回の改定で同省は「ニコチン依存症」患者への禁煙指導に保険を適用。日本循環器学会などが作製した、パッチを使うことを前提にしたガイドラインに沿う診療を求めた。
 ところが、現時点でパッチは保険の適用外のまま。ガイドライン通りに治療でパッチを処方すると、健康保険法で認めていない「混合診療」となってしまう。このため、禁煙指導を含むすべての費用が保険外で患者の自己負担になる。
 広島社会保険事務局(広島市中区)は、中国新聞社の問い合わせで厚労省に確認するまで、パッチの処方が「混合診療」に当たるとは認識していなかったという。
 広島県医師会理事の内科医師(56)=広島市佐伯区=は保険が利くと思い込み、既に数人にパッチを処方した。「診療報酬請求もできないし、いまさら患者にどう説明すればいいのか…」と戸惑う。同医師会は週明けにも、当面、パッチの処方を含む禁煙指導は保険が適用されないことを知らせて注意を促す緊急通知を会員に郵送し、トラブルの拡大を防ぐ。
 日本禁煙学会理事長で杏林大医学部第一内科の作田学教授は「画期的な療法がせっかく保険で受けられるようになったのに、これでは意味がない。厚労省の見切り発車が原因で、一日も早くパッチを保険適用しない限り収拾は難しいのでは」と指摘している。
クリック
 禁煙治療薬 禁煙の治療中に、タバコ以外の方法でニコチンを体内に摂取し、禁断症状を抑えつつ喫煙の習慣を断つ方式の薬。シール状で腕や腹に張るニコチンパッチと、ニコチンガムの2種類がある。8-12週間かけて徐々にパッチを小さくしていき、最後は張らなくても禁煙を維持できるようにする。
【写真説明】保険適用が遅れている禁煙治療薬ニコチンパッチ


2006/ 4/28 タバコ販売量、海外が逆転=国内は縮小傾向続く-JT  (時事通信記事)

 日本タバコ産業(JT)は28日の決算発表で、2005年度における同社の海外タバコ販売数量が国内販売数量を初めて上回ったことを明らかにした。ロシアやウクライナなどの独立国家共同体(CIS)を中心に海外事業が好調に推移していることが理由という。 JTは、1999年に米タバコ大手、RJRナビスコ社(現レイノルズ・アメリカン社)から海外タバコ事業を約9400億円で買収。これを機に海外事業を大きく伸ばし、05年度の海外販売数量は2235億本に拡大した。 一方で、健康意識の高まりなどを受け国内市場は縮小傾向が続いており、同社の国内販売量は前期比237億本減の1894億本。7月にはタバコ税増税も予定されており、市場の縮小傾向には拍車が掛かるとみられる。 記者会見した本田勝彦社長は、「利益面ではまだ国内の方がかなり上回っている。名実ともに海外、という時代がしかるべき時期に来ればいいと思う」としている。


2006/ 4/28 喫煙で7秒に1人ずつ死んでいく  (東亜日報記事

 ある喫煙反対活動家が26日「7秒ごとに1人ずつタバコで死んでいく」と書いたピケットを持って、米国ニューヨークのタバコ会社フィリップ・モリス社の建物の前で抗議デモをしている。それをものともせずにタバコを吸うニューヨーク市民の姿が対照的だ。


2006/ 4/27 第70回日本循環器学会 禁煙 ~日本医師会,日本循環器学会調査~ 医師も医療機関も禁煙化進む  (メディカルトリビューン記事)

 「禁煙宣言」を日本医師会は2003年に,日本循環器学会は2002年に行った。「第 5 回禁煙推進セミナー」では,宣言が効を奏してか,ここ数年間に両団体の会員の喫煙率は低下傾向にあり,医療機関は禁煙対策を推進していることが明らかにされた。これは両団体が実施した会員対象のアンケートから得られた結果で,医師会調査を日本大学公衆衛生部門の兼板佳孝氏が,循環器学会調査を鹿児島大学循環器呼吸器代謝内科学の山口昭彦講師が発表した。
喫煙者で禁煙指導の取り組み低い
 医師会調査の対象は2003年12月時点の医師会会員のなかからランダムに抽出された男性3,000人,女性1,500人。調査時期は2004年 2 ~ 7 月。入院や死亡,留学などで住所不明だった102人を除いた4,398人に調査票を送付。解析対象は回収できた3,776人(回収率85.9%)のうち回答が不十分だった143人を除外した3,633人。その結果,喫煙率は前回の2000年調査に比べ,この 4 年間で男性医師は27.1%→21.5%と有意に減少したが(P<0.01),女性医師は6.8%→5.4%と有意な変化は認められなかった。また,前回調査に比べ,禁煙補助剤を処方するなど具体的な禁煙指導を行う医師が増え,全面禁煙をはじめなんらかの禁煙対策を講じている医療機関が増えた。
 循環器学会調査は,昨年 9 月,会員と学会認定の循環器研修施設を対象に実施された。会員調査はランダムに抽出した1,000人に調査票を送付し,二重封筒法で回収。ただし初回は前回の2003年調査の回答数(449人/1,000人,44.9%)を下回ったため,12月に1,000人を追加し,606人(30.3%)から回答を得た。施設調査は記名式で回収し,1,169件のうち1,036件(88.6%)が回答した。その結果,現在も喫煙している会員は7.1%と,前回調査の14.1%からこの 2 年間で半減していた(図)。また,前回調査に比べ,敷地内禁煙が18.5%→22.7%,施設内禁煙が34.0%→54.0%と大幅に増加し,禁煙外来(おもに呼吸器科,循環器科,一般内科で実施)が24.5%→37.2%と増加していた。
 以上から,禁煙宣言の実現も近いと思われたが,医師会調査では,現喫煙の医師は非喫煙の医師に比べて禁煙指導を行っていないことが示された。この傾向は幸いにも循環器学会調査では認められなかったが,山口講師は「施設調査で施設責任者(循環器系医師)の現喫煙者が13.9%であったことから,会員調査での現喫煙率7.1%は実態を過小評価している可能性が高い」と指摘。同講師も兼板氏も,医師のさらなる禁煙促進を訴えた。
~喫煙とメタボリックシンドローム~ 発症リスクは禁煙前の本数に依存
 喫煙者におけるメタボリックシンドローム発症のリスクは,喫煙量依存的に上昇し,禁煙し始めてからは一時上昇したのち期間依存的に低下していくことが,東京慈恵会医科大学健康医学センターの和田高士センター長らの研究から示された。禁煙を始めてからの一時的な発症リスク増大は,食欲増加に伴う体重増が影響していると考えられ,同センター長は「体重の維持管理には特に注意を促す必要がある」と指摘している。
禁煙時の体重増防止が課題
 研究では,同センターで人間ドックを受診した20~93歳の患者データ 2 万2,892人分(男性 1 万6,535人,女性6,357人)を解析。メタボリックシンドロームはわが国の基準で診断し,喫煙歴は過去吸っていた者(禁煙群),現在も吸っている者(喫煙群),一度も喫煙歴のない者(喫煙歴なし群)に分類して相関を見た。
 まず,喫煙歴なし群のメタボリックシンドローム発症リスクを 1 として,ほか 2 群のリスクを分析したところ,両群ともに発症リスクが約20%有意に増大していた(オッズ比1.2,P<0.05)。
 喫煙量と発症リスクとの関連では,1 日20本未満では有意なリスク上昇はなかったものの,20本以上ではリスクが量依存的に上昇し,1 日40本以上になると倍近く(オッズ比1.88,P<0.001,性・年齢調整後)に増大していた。
 一方の禁煙群においては,禁煙を始めたてのころに発症リスクが急増(禁煙開始から 5 年未満のオッズ比:1.4),その後期間依存的に徐々にリスクが低下して,禁煙後20年でようやく喫煙歴なし群と同等になることがわかった。多変量解析でも,1 日当たりの喫煙本数が多かった人ほどリスク低減に時間がかかり,喫煙とメタボリックシンドローム発症に相関があることが確認された。
喫煙が高齢者のADL低下リスクに
 高知大学老年病学の高田淳講師らの研究グループは,高齢者における喫煙の健康への影響について検討。10年間の追跡の結果,喫煙者では喫煙歴なしの人に比べて日常生活動作(ADL)の低下が大きく,喫煙歴がないほうが機能的・社会的自立度が高率に維持できていたと報告した。これまで後期高齢者への喫煙の影響は,若年者のようにははっきりしていなかったが,介護予防の観点から重要な意味を持つ可能性が示された。
後期高齢者でも喫煙は悪影響
 喫煙が心血管疾患や癌,呼吸器疾患などあらゆる疾患のマイナス因子になることは既に十分明らかだが,75歳以上の後期高齢者になっても若年時と同様に禁煙(非喫煙)の便益が得られるかどうかについての検討は,まだ少ない。
 高田講師らは,高知県香北町の地域コホートで,地域在住後期高齢者における日常生活動作(ADL)への喫煙の影響を前向きに検討した。対象は1992年時点で75歳以上の男性297人(平均年齢81歳)。喫煙状況を,非喫煙群(202例),過去に喫煙(禁煙)群(23例),現在も喫煙群(72例)に分類し,自記式アンケートで喫煙状況の推移や疾患の発生,歩行や食事といったADLの状況について調査した。さらに,「交通機関を使って 1 人で外出」,「預金の出し入れ」など高度ADL(AADL)13項目も測定した。
 10年後生存していた106例のうち,ADLで自立できていたのは33例,非自立は73例。ADLが低下した群で関連因子を解析したところ,脳卒中の既往がADL低下に寄与していると確認された一方で,非喫煙もリスクを低減させる因子となっていることがわかった(オッズ比0.37,P=0.048,図)。
 特に,非喫煙群でベースライン時にADL,AADLとも満点だった人では,10年後も45人中39人と 8 割以上がそのレベルを維持できていたが,喫煙群でADL,AADLを維持できていた人は43人中14人と 3 分の 1 程度にとどまり,大部分は10年の間に自立度を失っていることが判明。喫煙の継続が機能的・社会的自立度の維持に障害を及ぼすことが示された。
(メディカルトリビューン2006年4月27日 (VOL.39 NO.17) p.66)


2006/ 4/27 豊胸術は発癌リスクにならない? ~研究:喫煙とライフスタイルが女性の癌リスクに大きく影響する~  (m3.com記事)

 美容目的の人工乳腺は女性の長期癌リスクに影響しない可能性のあることが、新規の研究で示された。
 この知見は、1965-1993年に美容目的の人工乳腺を埋め込んだスウェーデン女性3,400例以上を対象とした研究から得られたものである。これらの女性が人工乳腺を留置した年齢は、平均約32歳であった。
 人工乳腺の留置後30日経過してから、死亡、スウェーデンからの出国、または2002年までのいずれかが到来するまで、これらの女性を追跡調査した。平均追跡期間は約18年であった。
 この研究期間中、スウェーデン女性の一般集団と比較して、研究参加者の乳癌の発生は予測された値よりも少なかった。しかしながら、研究参加者の肺癌の発生は、スウェーデン女性の一般集団より2倍以上多かった。その他の癌(リンパ腫、肉腫、脳腫瘍、多発性骨髄腫など)で目立ったものはないことが、この研究で示された。
 米国際疫学研究所(メリーランド州ロックウェル)のJoseph McLaughlin, PhDが研究に参加していた。
喫煙と肺癌
 この研究では、人工乳腺を埋め込んだ女性が癌を発症する理由(または発症しない理由)は示されなかった。多彩な因子(遺伝子、発癌性物質への曝露、ライフスタイルなど)が癌リスクに影響する可能性があるため、医師が癌の原因を特定することは
困難であることが多い。
 しかし、McLaughlin博士らは、今回のデータが意味している可能性のある事柄について、いくつか考えを持っている。
 例えば、今回の研究対象となった人工乳腺を埋め込んだ女性は、スウェーデン女性の一般集団と比較して喫煙率が高かった。すべての肺癌患者が喫煙者というわけではないし、すべての喫煙者が肺癌になっているわけではないが、喫煙は昔から肺癌と関連している。
 この研究参加者のサブグループを対象とした初期の研究では、「人工乳腺を埋め込んだ女性はスウェーデンの一般集団よりも現在、喫煙者である割合が2.8倍高かった」と、McLaughlin博士らは述べている。
乳癌に関する知見
 人工乳腺を埋め込んだ女性は、「乳癌リスクを低くする可能性がある」特徴をいくつか持っていた可能性がある、と研究者らは述べている。
 これらの特徴には、最初の出産時の年齢が若年であること、出産した子供の数が多いこと、BMI(肥満度指数)が低いことなどが挙げられる。しかしながら、今回の研究データでは、出産した子供の人数や出産年齢については提示されなかった。
 乳癌リスクが高い女性は人工乳腺を埋め込むことが少ないのかもしれないし、あるいは人工乳腺を埋め込む前のスクリーニングで乳癌リスクの高い女性が除外されているのかもしれない、と研究者らは述べている。
 このほかには、人工乳腺を埋め込んだ女性では乳癌の検出が遅れるという説明も成り立つ。「しかし、これまで数多くの研究によって、人工乳腺を埋め込んだ女性のほうが人工乳腺を埋め込んでいない女性よりも、より進行したステージで乳癌を診断されたり生存期間が短いわけではないことが示されてきた」と、McLaughlin博士らは述べている。
研究者らの結論
 研究者らは、今回の知見は他の観察研究と一致していると述べている。観察研究では各集団における傾向は示されるが、因果関係は証明されない。
 McLaughlin博士の研究班は、今回の知見を次のように要約している。「平均18年間、最長37年間の追跡調査を行って、人工乳腺埋め込み術を受けた女性の乳癌リスクが低いことがわかった。これは、ライフスタイルまたは出産に関する特性の差によるところが大きいと考えられる。脳腫瘍、リンパ腫、肉腫、多発性骨髄腫についてもリスク上昇は認められなかった」。
 研究参加者に埋め込まれた人工乳腺の種類については、この研究では触れられていない。
McLaughlin, J. Journal of the National Cancer Institute, April 19, 2006; vol98: pp 557-560. News release, Journal of the National Cancer Institute.


2006/ 4/26 喫煙者、昇進審査で不利益?  (Wow!Korea記事

「喫煙か、昇進か。それが問題だ」--。
 熊津(ウンジン)グループのユン・ソックム会長は25日、ソウル鍾路(チョンノ)4街熊津ビルで行われた「環境経営宣布式」で全管理職を対象に禁煙のための指針を作るなど、本格的な「禁煙キャンペーン」を始めると明らかにした。
昇進審査の際、喫煙しているかを問う強攻策も構想中だということだ。
 本来この日は太陽光エネルギー事業推進、グローバル環境企業としての跳躍など、今後の環境マネジメントに関する企業のビジョンを説明する席だった。
 禁煙関連内容を入れたことは「職員の健康を維持することも環境マネジメントの一部分」というユン会長の持論による。会長は新年の辞で「幹部たちの健康が、すなわち会社の健康だ。元気ではなければ意欲も情熱もありえない。禁煙規制を強化する」と述べている。
 現在、新韓(シンハン)銀行、錦湖(クムホ)アシアナ航空、起亜(キア)自動車などでも禁煙を人事に反映しているほか、東部(トンブ)火災、現代(ヒョンデ)商船、ハナ銀行などでは喫煙者に罰金を課している。


2006/ 4/22 県:勤務中の喫煙禁止、「屋外喫煙所行きは服務規定に抵触」--職員に通知 /長野  (毎日新聞記事)

 「勤務中は禁煙」。所有する施設の敷地内で全面禁煙を実施している県は21日、職員に対し、勤務時間中の喫煙を禁止する通知を出した。違反者への罰則はないが、愛煙家の職員からは悲鳴が上がっている。
 県庁では、04年12月から敷地内を全面禁煙にしている。しかし「タバコ難民」による、路上喫煙が問題となったため、昨年12月、駐車場脇に屋外喫煙所が設置された。通知では勤務中に喫煙所に行くことが「勤務場所をむやみに離れてはならない」とする服務規定に抵触すると指摘している。
 県人財活用チームによると、これまでにも同種の通達は数回、出された。来庁者から「勤務時間中に喫煙していいのか」といった苦情があったことや、年度始めでルールを知らない職員が増えていることなどから、改めて通知を出したという。
 愛煙家の職員からは悲鳴が挙がった。50代の男性職員は「昼休み以外にタバコが吸えず、今日一日がつらかった」とぽつり。別の職員は「時代の流れなので仕方ない」としながらも「喫煙に行くのが服務規定に違反するなら、コーヒーを買いに行くのも同じでは」と皮肉った。


2006/ 4/20 期待の「経口禁煙治療薬」が米で登場間近  (日経メディカル記事

 「この薬は、禁煙を望むスモーカーにとって、確実に福音になる」。そう断言するのは、東京都世田谷区で開業する医師の永倉俊和氏(用賀アレルギークリニック院長)。「この薬」とは、米ファイザーが開発した、経口禁煙治療薬「バレニクリン」のことで、米国での臨床試験では従来よりも高い禁煙成功率を達成できることが明らかになり、注目を集めている。永倉氏は、同薬の国内での臨床試験に参加した医師の一人だ。
 バレニクリンは、ニコチン受容体部分作動薬と呼ばれる。ニコチン依存形成には、α4β2ニコチン性アセチルコリン受容体が関与することが知られているが、バレニクリンは、このα4β2ニコチン受容体と部分的に拮抗することで、ニコチンの作用を遮断し、喫煙によって得られる満足感を抑える。一方で、部分的にこの受容体の刺激作用も発揮するため、禁煙時の離脱作用を緩和する。つまり、バレニクリンを服用すると、タバコを吸っても満足感が得られなくなると同時に、不快な離脱作用も抑えられるため、禁煙が長続きするというのだ。
2割以上が10カ月間の完全禁煙に成功
 米国で行われた臨床試験では、2000人以上の喫煙者をバレニクリン(2mg/日)群、対照薬のブプロピオン(300mg/日)群、プラセボ群の3群に割り付けて、それぞれ12週間投与した。服用開始後、第1週を禁煙開始目標とし、服用終了後も第52週まで追跡した。また、薬物治療と並行して定期的なカウンセリングも行った。
 主要評価項目は、治療期間最後の4週間(第9~12週)の持続禁煙率(タバコをひと吹かしもしなかった被験者の割合)とし、副次評価項目は、第9~52週の持続禁煙率とした。禁煙の確認は来院時の呼気中CO濃度(≦10ppm)測定で行った。なお、対照薬のブプロピオン(グラクソ・スミスクライン)は日本未発売の抗うつ薬で、欧米では経口禁煙治療薬としても使われている。
 この結果、第9~12週の持続禁煙率は、プラセボ群で17.7%、ブプロピオン群で29.7%だったのに対し、バレニクリン群では44.2%と大きく上回った(図1-1)。第9~52週の持続禁煙率も、プラセボ群9.4%、ブプロピオン群15.7%に対し、バレニクリン群は22.5%と高く、5人に1人強がおよそ10カ月間タバコをひと吹かしもしない禁煙に成功していた(図1-2)。
図1 米国での第3相試験における持続禁煙率(2005年米国心臓協会(AHA)学術集会抄録)
 さらに、7日間ごとの持続禁煙率の推移をみると、バレニクリン群が最も良好であり、治療終了時(第12週)の50.5%から徐々に低下したものの、第24週以降は30%前後を維持していた。
 一方、気になる有害事象だが、バレニクリン群で5%以上に認められ、かつプラセボよりも発現率が高かった有害事象として、嘔気や頭痛、異常な夢などが報告された(表1)。嘔気についてはプラセボとの有意差が認められたが、そのほとんどが軽度から中等度で、治験中止に至った被験者は2.5%にとどまった。
表1 米国での第3相臨床試験で見られた主な有害事象 出典は図1と同じ。いずれもバレニクリンで5%以上認められ、かつプラセボよりも発現率が高かったもの。嘔気のみプラセボとの有意差が認められた。
米国では優先審査の対象に
 バレニクリンは、「Champix(チャンピックス)」の商品名で昨年11月に米食品医薬品局(FDA)に承認申請が行われ、翌12月に6カ月間の優先審査の対象に指定されている。この6月までには審査結果が公表される見通しだ。
 一方、日本では、第2/3相臨床試験が進行している。以前から禁煙治療に積極的に取り組んでいる永倉氏は、「バレニクリン投与とカウンセリングを併用した今回の治験では、従来のニコチン置換療法よりも手応えを感じた」と話す。二重盲検法だったが、高用量の実薬を服用した被験者は「先生、全然タバコを吸いたくならないんです」とうれしそうに話すので、すぐに分かったという。
 ただし、実薬群で一過性のAST(GOT)上昇が見られた症例があったほか、治療期間中に禁煙に成功しても1年後に脱落するケースがみられた。服薬により脳内のニコチン依存は解消されても、喫煙の習慣が残っていることや、服薬期間終了後に喫煙すると、再びおいしく感じてしまうことなどが喫煙再開の原因と考えられるが、仕事上のストレスが大きく、宴席に出る機会の多い男性に、その傾向が強かったという「こうした喫煙再開例への対応としては、今後、カウンセリングに加え、ニコチン置換療法との組み合わせや、バレニクリンを反復使用するなどのアプローチが必要かもしれない」と永倉氏は話す。
 バレニクリン以外の新規経口禁煙治療薬としては、現在欧米で、肥満症治療薬でもある「リモナバン」(サノフィ・アベンティス)の開発が進んでいる。日本では現在、肥満症治療薬として第2b相臨床試験が行われている。
 この4月から保険診療下での実施が可能となった禁煙治療。現時点では投薬は保険でカバーされていないものの、もしこうした新しい禁煙治療薬が登場し、確かな臨床効果が実証されれば、禁煙治療の普及にさらに弾みがつきそうだ。
(亀甲 綾乃=日経メディカル)


2006/ 4/19 「ポイ捨て条例」罰則適用半年 252人から罰金 札幌  (北海道新聞記事

 昨年八月施行の札幌市の「ポイ捨て条例」で罰則適用が始まった昨年十月から今年三月末まで半年間の違反者数は、十八日までの市のまとめで二百五十二人に上った。このうち九割余りが歩行喫煙など喫煙行為による違反だった。違反者のうち約八割は条例について認識しており、市は「制度が浸透した一方で、確信犯的なケースも多い」とみている。
 同条例は昨年八月に道内で初めて施行した。市内全域でごみのポイ捨て禁止と、ペットのふんの回収を義務付けているほか、中心部に灰皿設置場所以外での喫煙を禁止する喫煙制限区域を設けた。
 同十月からは、罰則適用を始め、違反者から一件千円の過料(罰金)を徴収。市環境局によると、罰則適用後から今年三月末までの違反者数は二百五十二人で、このうち歩行喫煙など喫煙行為が二百三十八人(94%)、ごみのポイ捨てが十四人だった。
 男女別では違反者のうち男性が二百三十二人と92%を占めた。
 違反者のうち、79%にあたる二百人は条例について認識しており、罰金徴収の際のトラブルなどはほとんどなかった。違反金総額の二十五万二千円のうち二十万六千円分がその場で現金で支払われた。
 市によると「若い人はあっさりと支払うが、中高年ほど支払いを渋る傾向が強い」(環境局)という。
 また、施行当初は条例を知らない観光客による違反が心配されたが、違反者全体のうち札幌市民が二百七人と82%を占めた。
 市は昨年末まで、中心部の喫煙制限区域に限っていた指導員の巡回を、今年一-三月は地下鉄駅周辺の八カ所にも拡大。本年度は五月から巡回場所を市内全域に広げ、犬のふんの回収など条例の周知の徹底を図る方針だ。


2006/ 4/17 ドイツマスコミスキャン~タバコ広告の禁止を迫るEU  (janjan記事

 ブリュッセル――欧州委員会(EUの執行機関)のマルコス・キプリアヌ委員(保健・消費者保護担当)は12日、『ベルリーナー・ツァイトゥング』のインタビューでドイツにおけるタバコ規制がなかなか進まないことに触れ、「他の国と比べてドイツは禁煙区域の設置に時間がかかりすぎる」と批判した。同委員はまた「タバコ広告を全面的に禁止するEUのガイドラインに従い、そのための国内法をすぐにも制定するべきだ」とも述べ、期限までに法整備が行なわれない場合、欧州裁判所に提訴すると警告した。  → 解説や参考リンクは元記事参照


2006/ 4/16 禁煙治療に保険適用導入したが… “断煙”できぬ政府  (東京新聞記事

 健康保険を使って禁煙治療が受けられる新制度が4月から始まった。国民の保険料を治療費に充ててでも喫煙者を減らし、医療費削減を目指す。ただ、政府がタバコの消費量減らしに本腰を入れ始めたとは言い難く、新制度の効果に疑問を投げかける声もある。 (経済部・吉田通夫、池井戸聡)
 ■宣告
 「今度こそ禁煙する」
 一日二十本以上、九年の喫煙歴がある三十歳の記者は東京都内の診療所に向かった。過去に二度、禁煙に挑んだが、いずれも挫折。保険適用を機に「三度目の正直」だ。
 医師から「タバコをやめられないのはニコチン依存症だからだ」との説明を受け、口から管を通して機械へ息を吹き込む検査が始まった。
 タバコが生む有害物質の一酸化炭素(CO)が、どの程度、呼気に含まれるかを測り、COが多ければニコチンへの依存度が高いと判断する。「三ppm未満」は正常。「三-一一ppm」なら軽度の依存症で「一一ppm超」だと重度の依存症という。
 結果は一九ppm。「重症」の宣告にショックを受けた。「いつからタバコをやめますか」と問われ、「きょうから」と即答。「禁煙宣言書」に自ら日付を書き込んだ。
 治療は直径約七センチの円形の張り薬を腕などに張る。肌からニコチンを取り込み、喫煙欲を減退させる方法だ。
 保険の適用により医療費は三割負担となり、支払いは千五百十円で済んだ。ただ、薬代は保険対象外で、二週間分が五千五百七十五円。治療期間の十二週間にかかる薬代は二-三万円の計算だ。
 ■試算
 禁煙治療の保険適用実現を後押ししたのは「制度開始から十年目に、累計の医療費削減額が禁煙治療費を四十九億円上回る」との試算だ。年一兆円規模で増え続ける医療費の削減は国の最大の課題。「タバコの価格を上げれば消費が一段と抑制され、肺がんなどへの医療費が削減できる」との指摘も多い。
 昨年末、禁煙治療の保険適用に動いた自民党厚生労働部会の大村秀章部会長は「英国はタバコ一箱が約千円。タバコがこれほど安い先進国は日本だけ。一箱五百円程度が適当」との考えを示す。
 確かに英国では、タバコの価格が二・三倍に上がった一九九〇年からの九年間で、年間のタバコ販売本数が三割以上減った。日本のタバコ税収は年間二兆円強。一箱五百円なら増税で需要が減少しても一千億円規模の税収増が見込める計算だ。
 ■痛手
 ただ、今のところ、タバコ増税に向けた財務省の「動き」は鈍い。日本タバコ産業(JT)株売却、タバコ増税、タバコ事業法-という「三点セット」の政策決定権を握る財務省が自らの手足を逆に縛っているためだ。
 値上げでタバコが極端な販売不振になれば税収が減る。そうなれば業績悪化でJT株が下落、大株主である政府は痛手を受ける。タバコ事業法は、国内の農家が生産した葉タバコの買い取りをJTに義務づけており、財務省はある程度、タバコの販売量を維持しなければならない。
 だが、市民団体「タバコ問題情報センター」の渡辺文学代表は「財務省が、タバコと縁を切ればいいだけのこと」と指摘。経済同友会は先月、財政再建に向け、国がJT株の50%保有を義務づけている法律を改正、全株の売却を提言した。JT株の時価総額は四兆円超。放出すれば二兆円が国の懐に入る計算だ。
 ただ、JTの佐藤誠記執行役員は「米国では治療から二百五十日後に禁煙が続いている人の比率が、治療を受けずに自力で禁煙した割合とほほ同じとの調査結果もある」とし「禁煙治療への保険適用は疑問だ」と主張する。
 医療費の増加など、タバコによる経済損失は年間七兆円に上るとの試算もある。タバコを吸わない人からは、自らの保険料が禁煙治療費に充てられることに不満の声も上がる。治療効果を最大限に引き出す政策が求められそうだ。
 ◆メモ <医療保険が適用される禁煙治療>
 (1)1日の喫煙本数と喫煙年数をかけた数値が200以上(2)医師がニコチン依存症と診断-などの条件を満たす人が受けられる。12週間で5回の診察が行われ、治療費は計9620円(初診料などを除く)。3割負担の場合に患者が支払う医療費は2886円となる。ただ、張り薬などの薬代は自己負担のため、一般的には総額2-3万円程度が必要になる。


2006/ 4/14 県内医療機関の申請は少数 禁煙保険診療、補助薬は適用外  (徳島新聞記事

 四月から病院や診療所での禁煙治療に公的医療保険が適用されるようになったが、徳島県内で保険診療を行う医療機関は少数にとどまることが県医師会(中川利一会長)の調べで分かった。敷地内を禁煙にしなければならないなどの「施設基準」を直ちにクリアすることが難しい上、禁煙補助薬には保険が適用されないなどの矛盾があるためとみられる。全県的な広がりには、まだ時間がかかりそうだ。
 県医師会は「タバコ対策に関するアンケート」を三月下旬、県内七百七十医療機関を対象に実施。四月十三日までに三十八機関から回答があり、「(保険診療するため)四月中にニコチン依存症管理料を算定する」と答えたのは三病院・診療所だけだった。
 禁煙治療は一日の喫煙本数に喫煙年数を乗じた数が二百以上のニコチン依存症の患者が対象。医師は問診後、依存度を測定し、ニコチンパッチなどの禁煙補助薬を三カ月(診療五回)をめどに処方する。
 保険診療するには、医療機関が▽禁煙治療を行っていることを掲示する▽敷地内を禁煙にする▽呼気一酸化炭素濃度測定器を備える-などの「施設基準」を満たすことが条件。徳島社会保険事務局(徳島市)に申請し、禁煙成功率の報告義務もある。
 保険適用の申請が少ないことについて、県医師会は「院内禁煙から敷地内禁煙への移行など施設基準を満たすのに時間がかかるためではないか」と分析。「成功率の提出日が不明」(同市内の医師)などの指摘もある。
 保険が適用されるのは診療だけで、依存症が「病気」として位置づけられながら禁煙補助薬には適用されないなど制度上の矛盾もある。補助薬一枚につき約四百三十円の費用が必要で、患者の負担は大幅には軽減しない。当面、大半の医療機関が従来通り「自由診療」として禁煙治療を続けるとみられる。
 禁煙を推進するNPO法人「ほっぷ SMOPじゃんぷ・子どもたちの未来へ」の大塚明広理事長(医師)は「適切な治療を受ければ禁煙できるケースは多い。国が提出書類の細部を示し、補助薬も早期に保険を適用すべきだ」と話している。


2006/ 4/13 能動喫煙、受動喫煙はいずれも耐糖能低下につながる可能性  (Medscape記事

プロスペクティブ(前向き)研究により、能動喫煙も受動喫煙も青少年において耐糖能低下の発現リスクを上昇させることが示唆された
Laurie Barclay, MD
Medscape Medical News
Reviewed by Gary D. Vogin, MD
 能動喫煙、受動喫煙はいずれも耐糖能低下の発現リスクを上昇させるというプロスペクティブ(前向き)コホート研究の結果がBMJオンライン速報版に4月6日付けで報告された。
 「喫煙は耐糖能検査への反応性低下およびインスリン抵抗性につながると言われてきた」とバーミンガム退役軍人庁医療センター(アラバマ州)のThomas K. Houston, MD,らは記している。「喫煙を中止すると体重が多少増加する可能性があるものの、喫煙は、より不健康な上半身の体重の分布とウエスト:ヒップ比の増加に関連している。喫煙は慢性膵炎および膵癌のリスクとも関連するとされ、膵臓に直接有毒である可能性が示唆されている」。
 Coronary Artery Risk Development In young Adults(CARDIA)研究は1985年から1986年にかけて開始され、ベースライン時点で耐糖能低下のない18-30歳の黒人および白人の男女を登録した。被験者の内訳は、1,386例が現在の喫煙者、621例が過去の喫煙者、1,452例が受動喫煙への曝露を報告した(血清中コチニン濃度1-15ng/mLにより証明)喫煙経験のない者、1,113名が受動喫煙に曝露されていない喫煙経験のない者であった。主要評価項目は、15年間の追跡調査期間中における耐糖能低下(ブドウ糖≧100mg/dLまたは糖尿病治療薬服用)の発現までの時間であった。
 試験開始時で、年齢の中央値は25歳であり、被験者の55%は女性、50%はアフリカ系アメリカ人であった。追跡調査期間中に、耐糖能低下は被験者の16.7%で発生した。15年間の追跡調査期間中に、喫煙曝露と耐糖能低下の発生との間に段階的関連性が認められ、喫煙者では21.8%、受動喫煙に曝露された喫煙経験のない者では17.2%、過去の喫煙者では14.4%、受動喫煙に曝露されていない喫煙経験のない者では11.5%であった。
 試験開始時における多数の社会人口学的因子、生物学的因子、および行動学的因子を補正した後でも、リスクは、受動喫煙に曝露されていない喫煙経験のない者より、現在の喫煙者(ハザード比 [HR] 1.65、95%信頼区間 [CI] 1.27-2.13)および受動喫煙に曝露された喫煙経験のない者(HR 1.35、95% CI 1.06-1.71)の方が依然として高かった。しかし、過去の喫煙者のリスクは受動喫煙に曝露されていない喫煙経験のない者と同程度であった。
 「タバコへの曝露は、15年間にわたり、耐糖能低下の発現と関連し、しかも明らかな用量反応効果があることが認められた」と同筆者らは記している。「これらの知見は、青少年期における耐糖能低下の発現に能動喫煙、受動喫煙がいずれも関わっていることを裏付けている」
 研究の限界として、残差交絡の可能性、観察研究という性質、米国の4都市地域からアフリカ系アメリカ人と白人を募集したことがあり、結果を普遍化するには限界がある。
 「重要なことは、非喫煙者における受動的なタバコへの曝露が耐糖能低下の新たなリスク因子であると明らかになったことである」と同著者らは結論づけている。「今後の研究により確認されれば、これらの知見は喫煙の有害作用の新たな証明となり、政策立案者はこれらを受動喫煙への曝露の減少をさらに正当化するために用いることができる」。
 この研究は米国立心肺血液研究所(NHLBI)の援助を受けた。同著者らは直接的に関連する金銭的関係はないことを明らかにしている。
BMJ. Posted online April 6, 2006.


2006/ 4/13 仏禁煙法案、閣議決定先送り=雇用策の後遺症で首相及び腰  (時事通信記事)

 フランスのドビルパン首相は13日までに、保健省が求めていた「公共の場所での喫煙を禁止する法案」の閣議決定を先送りすることを決めた。政府の対応をタバコ小売業者は歓迎、反喫煙団体は失望を表明している。 ドビルパン首相は12日、ベルトラン保健相から同法案の説明を受けたが、「数カ月後に各方面から意見を聴き、協議したい」とし、閣議決定を当面延期した。新たな雇用策で国民の厳しい批判を受けた同首相は、タバコ業者らの反対運動を恐れたとみられ、与党も法制化に積極姿勢を示さなかった。 これまでの各種世論調査では、7-8割が禁煙法の制定に好意的という結果が出ている。


2006/ 4/11 喫煙で心疾患リスク増=1日2箱→4倍以上も-4万人調査・厚労省研究班  (時事通信記事)

 喫煙により心筋梗塞(こうそく)などの虚血性心疾患の発症リスクが増大し、特に本数が増えるほど危険なことが11日、厚生労働省研究班(主任研究者・津金昌一郎国立がんセンター予防研究部長)が4万人を対象に実施した調査で分かった。喫煙と発症リスクに関する大規模調査は初めてで、タバコの健康への悪影響が改めて裏付けられた格好だ。  調査したのは、大阪大大学院医学系研究科の磯博康教授(公衆衛生学)。岩手や沖縄など4県で、40-59歳の男女4万1282人(男性1万9782人、女性2万1500人)を、1990-2001年にかけて追跡調査。男性260人、女性66人の計326人が発症した。 調査では、喫煙習慣について男女別に「吸わない」「禁煙した」「吸っている」の3グループに分けて発症割合を調べた。その際、年齢や飲酒、高血圧などが影響しないよう調整を加えた。 その結果、「吸っている」グループは「吸わない」グループに比べ、虚血性心疾患のリスクが男性で2.9倍、女性で3.1倍となった。心筋梗塞に限ると、同様に3.6倍、2.9倍だった。 また、男性喫煙者を1日当たりの本数で、1-14本、15-34本、35本以上の3グループに分けて分析。非喫煙者と比べ、心疾患発症リスクはそれぞれ2.3倍、3.0倍、3.1倍と上昇、心筋梗塞に限ると3.2倍、3.6倍、4.4倍と顕著に増加し、本数に比例してリスクが高まることが示された。
 一方、禁煙した人は、吸い続けている人と比べ、心疾患の発症リスクが大幅に減少することが判明。禁煙の年数で異なるが、同リスクは半分から10分の1に減少していた。 研究班は「心疾患リスクが増えるのは、タバコのニコチンのせいで、血管が収縮しやすくなることなどが考えられる。禁煙すれば逆にリスク減になるのもそのためでは」と分析している。
 津金昌一郎(つがね・しょういちろう)、磯博康(いそ・ひろやす)。
 調査対象の4地域は、岩手県二戸保健所、秋田県横手保健所、長野県佐久保健所、沖縄県石川保健所(現中部保健所)の各管内。


2006/ 4/11 高校生7%毎日喫煙 県内5500人調査  (琉球新報記事

 喫煙頻度が高い生徒ほど食生活が偏り、家族や友人との関係に満足していないなど、生活習慣と喫煙の関係が深い―。琉球大学大学院生の宮城真理さん(看護師)がこのほど、県内高校生を対象に実施した調査でこんな結果が出た。喫煙の害を強調するだけでなく、食育や精神的ケアなど多面的な喫煙指導が必要なことが調査結果から浮き彫りになった。
 調査は2005年4月から7月にかけて、県内全域から無作為に18校(普通10校、専門8校)を選び、学年のバランスも考慮、計6162人を調査対象にし、回答があった5574人について分析した。
 毎日喫煙している生徒は7・2%、過去に喫煙経験がある生徒は13・1%、喫煙経験がない生徒は79・7%だった。
 朝食について「食べない」「ほとんど食べない」を合わせた割合は、毎日喫煙する生徒では24%で、喫煙経験がない生徒の10・4%を大きく上回った。よく喫煙する生徒には朝食欠食者が多いことが分かった。
 コンビニエンスストアなどの外食について「毎日食べる」「ときどき食べる」を合わせた割合は毎日喫煙する生徒が42・1%、喫煙したことがない生徒は28・6%で、よく喫煙する生徒ほど外食が多かった。
 「家族と夕食を取るか」について「一人で食べる」と答えた生徒は「毎日喫煙」では34・2%、「過去に喫煙」では26・4%、喫煙しない生徒が18・7%と、よく喫煙する生徒ほど一人で食べる傾向があった。
 喫煙防止講座の講師やカウンセラーも務める宮城さんは「よく喫煙する生徒ほど家族や友人との関係に満足していない結果も出た。これまでも実感していたことだが、客観的裏付けができた。食生活や精神面など多面的にアプローチするための裏付けにしたい」と話す。
 指導した與古田孝夫教授は「喫煙と生活因子の関係について包括的な調査ができている。今後、より深める必要があるが、現段階でここまで検証できたことは価値がある」と説明した。


2006/ 4/11 記者のつぶやき 喫煙弱者論にもの申す  (東京新聞記事

 「喫煙者は虐げられている弱者だ」という主張がある。本当にそうだろうか。
 隣の紳士に「吸ってもよろしいか」と尋ねられたら「吸わないでください」とはとても言えない。飲食店などで煙やにおいがどうしようもなく気になる。でも「タバコをやめてくれ」とはこわくて言えない。受動喫煙による健康被害はさておいても、食事はまずくなるし、衣服ににおいがつく。それでも逆ギレされるリスクが高すぎて言えない。
 確かに世間一般の論調は喫煙者に厳しくなってきている。だが実際の社会は、まだ非喫煙者に厳しい。


2006/ 4/10 EU、タバコ広告の禁止徹底を要請  (日経ネット記事

 欧州連合(EU)の欧州委員会はイタリアやスペインなどに対し、タバコ広告禁止を徹底するよう要請した。EU法令は国際的な自動車レースやイベントにタバコ会社が協賛するのを禁じているが、これら加盟国は「国内法で例外事項を設けた」と指摘。キプリアヌ欧州委員は「広告や協賛の禁止が喫煙者を減らすカギになる」と強調した。
 イタリアは現在、国内開催に限ってタバコ会社のイベント協賛を認めている。これに対し、欧州委は「テレビやインターネットを通じて国際的に影響を及ぼす」とし、同国に改善を求める書簡を送った。同国が対応を怠ればEU法令違反で欧州司法裁判所に提訴すると警告している。


2006/ 4/ 3 ニコチン、やはり肺がん増殖に関与? 治療薬の働き阻害  (朝日新聞記事

 タバコに含まれるニコチンは肺がん治療に使われる抗がん剤の働きを妨げることを、米南フロリダ大の研究チームががん細胞の実験で明らかにした。ニコチン自体は発がん性がないとされるが、がんの増殖に関与しているらしい。米科学アカデミー紀要(電子版)に3日発表される。
 研究チームは、肺がんの細胞にニコチンを加えたときの抗がん剤の効き目を、日本でも認可されている3種類の肺がん用抗がん剤(ゲムシタビン、シスプラチン、パクリタキセル)で調べた。その結果、ニコチンがあると、抗がん剤で死ぬがん細胞の数が明らかに減ることが分かった。
 喫煙者の血中に含まれるような少量のニコチン量でも、これらの薬効を下げるとみられ、禁煙中でもニコチンパッチやニコチンガムを使うと、薬がうまく効かない恐れがある。
 研究チームによると、ニコチンが加わると細胞内の2種類の遺伝子が活発に働くようになり、抗がん剤の作用を妨げると考えられる。これらの遺伝子の働きを抑制することで、ニコチンの作用も抑えられたという。


2006/ 4/ 2 健康保険で禁煙治療 気軽に受診を  (東京新聞記事

 タバコをやめたい人は四月から、公的な医療保険を使い医師が行う「禁煙指導」が受けられるようになった。常習喫煙を「ニコチン依存症」とみなし、治療費の一部に保険適用を認めたのだ。喫煙が原因とされる肺がんや心疾患を減らし、医療費を抑制する狙いもある。実際に指導にあたる医師に聞いた。 (草間 俊介)
 「禁煙治療はこれまでも自由診療で行ってきたが、保険適用は歓迎したい。タバコは健康に悪く、治療でやめる人が増えてくれれば」。東京都品川区の「ひめのともみクリニック」の西澤真生医師は話す。
 自由診療は保険の対象外で、治療費は全額自己負担だった。高い治療費に治療を敬遠する喫煙者もいたが、今後はより気軽に治療に向かえるようになるとみる。
 しかし、すべての喫煙者が対象になったわけではない。保険が適用されるのはニコチン依存症と診断された人で、医師の問診や一日の本数、喫煙年数などで判定する。
 「一日に四十本なら五年以上、二十本なら十年以上の喫煙歴があり、なおかつ禁煙に何度も失敗しているようなヘビースモーカーが対象です」と西澤医師は説明する。
 禁煙治療は、専門家が作成したプログラムに沿って、医療機関で行われる。プログラムは、期間が十二週で計五回通院し、カウンセリングに始まり、禁煙からくるイライラ感の相談、治療薬の使い方など医師の指導を受ける。
 では、費用はどのくらいかかるのか。
 通院五回のプログラムに保険から医療機関に支払われる報酬額は、合計九千六百二十円。患者が三十、四十代で三割負担の場合、初診料と再診料を除いて二千八百八十六円となる。自由診療で医師の指導料は医療機関で異なり三万-四万円が請求されてきた。
 ただし、禁断症状を緩和するニコチンパッチと呼ばれるはり薬など薬剤費は、保険が適用されない。八週間分で二万-三万円はかかるという。
 一方で、禁煙治療に保険を適用するのはおかしいとの意見がある。このため保険で治療をする医療機関は、禁煙治療した患者数や、成功した人数などを報告することが義務づけられた。
 保険治療ができる医療機関は、治療経験のある医師がおり、敷地内が禁煙などの条件を満たす必要がある。また、利用者に分かるよう「禁煙外来」などと明示しなければならない。
 気になる治療の成功率だが、西澤医師は「過去の経験から言って、五回の通院でプログラムをこなした人は成功しています」と話している。


2006/ 4/ 2 ホテルの禁煙ルーム、2割にとどまる 厚労省研究班  (朝日新聞記事

 都市の宿泊施設にある禁煙ルームは、全部屋の2割程度にとどまっていることが厚生労働省研究班(主任研究者=大和浩・産業医科大助教授)の実態調査で明らかになった。ホテル内の飲食店やロビーなどでの喫煙対策も不十分な場合が多かった。非喫煙者は成人男性でも5割以上を占める。タバコを吸わない客が健康的で快適に過ごすには不十分な現状が浮き彫りになった。
 昨年6月から12月にかけ、公共の宿と都市ごとに一定数以上の客室があるホテルを対象に、京都市73施設、福岡市60施設、北九州市20施設、福島市13施設に質問紙を送った上で、実際に訪ねて調べた。全客室に占める禁煙ルームの割合は福岡21%、北九州17%、京都22%、福島20%といずれも2割前後にとどまった。
 都市による傾向の差はそれほどなかった。福岡でみると、禁煙ルームが半数を占めたのはわずか2施設(3%)で、全くないのは10%あった。禁煙フロアを設けていないのも34%。空調は階で共通の場合が多いうえ、エレベーター前に灰皿を置くホテルも多く、部屋だけ禁煙でも問題は残るという。
 ロビーを全面禁煙にしていたのは25%で、不完全な分煙や飲食店から煙が流れてくる施設も多かった。受動喫煙の防止を求めた健康増進法を回答者の2割近くが知らず、内容を知っているのは5割に満たなかった。
 一方、客の要望があれば対策を強化すると答えた施設は半数を超え、あってもしないとしたのはごくわずかだった。各施設には喫煙対策の順位と1年後の再調査を伝えており、大和さんは「客が声をあげれば、なだれを打って対策が進む可能性がある。改善を期待したい」と話している。


2006/ 3/30 08年7月までに導入完了 成人識別のタバコ自販機  (共同通信記事)

 日本タバコ産業(JT)などで組織する日本タバコ協会は30日、未成年者がタバコを購入できないようにする成人識別機能付き自動販売機を、4地域に分けて2008年3月から、順次導入すると発表した。宮崎、鹿児島両県からスタートし、08年7月までに全国に導入する計画。
 同協会は昨年10月、全国に約62万台あるタバコの自販機すべてを、ICカードによる成人識別機能付き自販機に切り替えることを決めた。導入後は、自販機のセンサーに顔写真付き「タバコカード」をかざさないと買えない仕組みとなる。
 計画では宮崎、鹿児島両県に続いて08年5月には北海道や広島県など21道県で、同6月には京都府や大阪府など15府県で、同7月には東京都や沖縄県など9都県で、それぞれ導入する。


2006/ 3/30 妊婦の喫煙率が悪化/沖縄  (沖縄タイムス記事

 「健やか親子おきなわ2010」推進協議会が二十九日、那覇市内で開かれ、二〇〇一年から五カ年の中間評価や今後の取り組みなどを審議した。思春期の児童の飲酒率や妊婦の喫煙率が悪化していることから、妊婦に対する禁煙指導や学校での禁煙教育、施設の全面禁煙などの必要性などが指摘された。
 同計画は〇一―一〇年の十年計画。中間評価では、八十九指標で評価可能な四十項目中、二十八項目が改善。悪化・変化なしが十二項目だった。
 特に、県内で全国一高い低体重児出生率の原因とされる妊婦の喫煙率は一九九九年の8・4%から二〇〇三年は10・8%と悪化。十代の飲酒率も二〇〇〇年の6%から〇三年に7・8%と増加したことが報告された。
 強化が必要な取り組みとして「妊婦の自己管理能力を高め、市町村のハイリスク妊婦の支援システムの確立」「児童がお酒を入手しにくい環境づくり」などがあったほか、助産師養成の必要性、食育の強化、男性の育休取得率の向上などが指摘された。


2006/ 3/27 パブや職場、全面禁煙に 英スコットランド  (共同通信記事

 英北部スコットランド地方で26日、パブやレストラン、職場など公共の屋内空間を全面禁煙とし、違反者に50ポンド(約1万円)の罰金を科す禁煙法が英国で初めて施行された。中南部のイングランドでは来年夏から、北アイルランドでは同四月から同様の禁煙法が施行予定。
 スコットランドは英国でも喫煙率が高い地方とされ、BBC放送の世論調査では喫煙者の20%が「禁煙法を守るつもりはない」と回答。スコットランドでの禁煙政策の成否に、英国全体の注目が集まっている。
 英国の愛煙家団体は禁煙法について「スコットランド行政府は、喫煙が健康に与える影響を市民に誤解させた。禁煙法は健康増進につながらない」と反発している。
 スコットランド行政府は、同地方では喫煙により年間に1万3000人以上が、受動喫煙の影響で約1000人が死亡していると強調、愛煙家に禁煙開始を呼び掛けた。


2006/ 3/27 禁煙はいくつになっても  (読売新聞記事

 85歳以上の超高齢になっても、禁煙している人の方が、健康で活動的な老後を過ごせるとの研究結果を、高知大老年科の高田淳講師がまとめ、名古屋市で開かれた日本循環器学会で発表した。
 同県の旧香北町(現・香美市)で、1992年に75歳以上(平均81歳)だった男性297人について、タバコを吸う人、以前吸っていたがやめた人、吸わない人の3グループに分け、10年間、追跡調査した。
 10年間に心臓病で亡くなった人の割合は、3グループ間で差がなかった。しかし、2002年時点での生存者106人について、自分で服を着ることができる、買い物ができるといった日常生活の行動能力を測る指標で調べたところ、「自立して行動可能」だった割合は、非喫煙者のグループでは39%だったのに対し、以前に吸っていてやめたグループでは22%、タバコを吸っているグループでは14%にとどまった。
 高田講師は「85歳になっても、寝たきりにならずに活動的な生活を送るには、禁煙は重要。75歳で禁煙しても遅くない」と話している。


2006/ 3/23 煙吸うだけで歯茎黒く  (読売新聞中部版記事

 タバコの歯への影響について学生に説明する愛知学院大の稲垣助教授(中央)(同大歯学部付属病院で) 愛知学院大歯学部(名古屋市千種区)の稲垣幸司助教授(48)(歯周病学)が、歯並びの矯正治療などで付属病院を訪れる子供たちの中に、時々「歯茎が黒ずんでいる子」がいるのを不思議に思ったのは、1999年ごろのことだった。
 間もなく、他人のタバコの煙を吸い込む「受動喫煙」が続くと、歯周病になる危険性が高くなるという研究結果が、海外で発表された。さらに、「子供の歯茎の黒ずみは、受動喫煙によってメラニン色素が沈着して起こる」という報告が出た。
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 そこで、数年間をかけて、同学部などで5歳から26歳の53人を対象に調査
したところ、同居家族に喫煙者がいる場合、吸う人がいない子供と比べ、色素沈着が多く見られることが判明した。また、沈着が起きる割合は、受動喫煙が原因で発症するぜんそくやアレルギー疾患の割合より高かった。
 これらの結果は先月、松山市で開かれた日本禁煙学会でも報告され、注目を集めた。稲垣助教授は「タバコを吸わない子供にまで、大きな影響を及ぼすことを痛感した」と話す。
 喫煙そのものも、口腔(こうくう)内の健康を大きく損ねる。例えば、喫煙者が虫歯になる率は吸わない人の2倍、歯周病になる率は2~8倍にも上るとされる。
■ ■ ■
 理由は、喫煙直後に唾液(だえき)腺や歯茎が貧血状態になり、唾液が出なくなるためだ。カルシウムやミネラルといった歯を保護する成分を含む唾液が減れば、歯がもろくなったり、歯茎の免疫力が衰えたりし、歯周病などの危険性が増すのだ。
 こうしたことから、歯科医の間でも、患者に対する禁煙指導の動きが広がり始めている。
 愛知県歯科医師会では、会員の歯科医が一貫した禁煙指導をできるように、指針を作成中だ。禁煙支援の手順、色素沈着や歯周病などの具体的な症例説明、禁煙方法の紹介、タバコやニコチンの依存度チェック表などで構成されており、4月にも配布する予定だ。
 指針作成を担当する同会理事で加藤歯科医院(同市昭和区)の加藤友久院長(51)は「歯科医は、患者の歯を一目見ただけで喫煙の有無が分かる。『吸っているね』と言える立場だからこそ、患者の健康のためにできる限りのことをすべきと考えた」と話す。
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 タバコが原因の色素沈着や歯周病などは、禁煙することで症状は改善される。しかし、受動喫煙による色素沈着はなかなか回復しない例もあり、一度受けた打撃は深刻だ。
 稲垣助教授は「妊婦や乳幼児健診の際に、受動喫煙の状況を聞き取りし、家族全体に禁煙指導を行うといった取り組みが急務だ」と指摘する。


2006/ 3/22 「国会は全面禁煙を」 禁煙推進議連が申し入れへ  (朝日新聞記事

 超党派の国会議員でつくる「禁煙推進議員連盟」(綿貫民輔会長、77人)は22日、国会関連施設を4月から原則として全面禁煙化するよう求めていくことを決めた。近く、関係議員が衆参両院議長や議院運営委員長らに申し入れる。
 現在、本会議は衆参両院とも禁煙。委員会は衆院が96年6月の議運で全面禁煙を決めたが、参院ではいまだに一部の委員会で喫煙が許されている。また、議員会館などの関連施設は喫煙コーナーなどを設けて分煙をしているが、廊下に分煙機を置いただけで煙が漏れる場所もあり、苦情が寄せられているという。
 議連は、(1)国会関連施設の原則、全面禁煙をめざす(2)特に参院の全委員会の禁煙化(3)やむを得ず分煙機を設置する場合も必ず屋外に排気すること、などを求めている。
 自身も禁煙をした綿貫会長は「世間で禁煙ムードが高まっているのに、立法の府である国会が範をたれなくてどうするか」と訴えている。


2006/ 3/18 全米一厳しい禁煙条例 公共施設や歩道で吸ったら罰金500ドル!ロス郊外カラバサス市  (産経新聞記事)

【ロサンゼルス=岡田敏一】米カリフォルニア州ロサンゼルス郊外のカラバサス市は十七日、レストランやコンサート会場のような屋内から、公園や歩道といった屋外に至るまで、すべての公共施設を禁煙にする「受動喫煙防止条例」を施行した。同州は全米でも喫煙行為について厳しく対処することで知られており、この条例は全米で最も厳しい部類に入るという。
 条例は、受動喫煙の可能性があるすべての公共施設での喫煙を禁じた。喫煙する場合、道や出入り口などの不特定多数が多く行き交う場所から最低六メートル離れなければならない。また第三者が不快感を指摘した場合には、すぐに喫煙をやめなくてはならない。違反すると五百ドル(約五万八千円)の罰金が科せられる。
 同市では「われわれはみんな、他人のタバコの煙を顔に受けたくはない。そういう意味で喫煙者の行為はすべての人にとって有害だ。人間はきれいな空気を吸う権利を持っている」と話している。


2006/ 3/18 列車内で最後の一服 JR北海道きょうから全面禁煙  (北海道新聞記事)

 JR北海道は十八日のダイヤ改正に合わせ、全列車(本州と結ぶ列車を除く)の全面禁煙を、他のJR各社に先駆けて実施する。十七日は車内でタバコを吸える最後の日。「時代の流れ。仕方がないよ」。札幌発釧路行きの特急に乗り、あきらめにも似た愛煙家の声を聞いた。
 JR札幌駅を正午前に発車した「スーパーおおぞら5号」。喫煙車の乗客は、席に座るやいなやタバコを取り出した。「あすから吸えないのか。仕方がないけど…」と札幌市内の男性会社員(36)。ホーム上も喫煙所以外では吸えず、乗車してすぐの一服は「格別」のようだった。
 九両編成のうち喫煙車は二両。車内に時折「十八日から禁煙になります。ご協力をお願いします」との放送が流れる。
 婚約者と釧路に向かう会社員の男性(27)は「婚約者が吸わないので」禁煙車に乗ったが、発車早々、最愛の人を置いてデッキの喫煙コーナーにやって来た。「二時間なら我慢できる」が、乗車時間は四時間弱。途中駅の停車時間は一分程度で、降りて一服する時間はなく、帰りの車内は「苦行」の場になる。
 一方、「大歓迎」と話すのは札幌市内の女性(37)。「客室のドアが開くたび(喫煙コーナーから)タバコのにおいがするのが嫌だった」
 JR北海道は二○○○年に普通列車、○四年にはL特急を全面禁煙としており、今回の特急での実施で全列車が禁煙に。十八日のダイヤ改正では東海道・山陽新幹線で禁煙車が一両増えるなど、全国で禁煙化が加速している。


2006/ 3/18 「禁煙は愛」訴え全国遍路  (朝日新聞徳島県版記事)

 愛媛県内で英会話講師をするオーストラリア人のマーク・ギブンスさん(43)は喫煙の危険性を訴えるため、4月から遍路姿で全国各地を歩く。それに先立ち足慣らしをしようと17日、徳島市内の県医師会館を訪問。禁煙運動に取り組む県内の医師らから激励を受けた。
 ギブンスさんは97年に初来日する前まで、看護師としてオーストラリア国内の病院に勤務。喫煙の弊害に苦しむ数多くの患者に接した。ヘビースモーカーだった自身の父親も心筋梗塞(しんきんこうそく)で倒れ、大手術を受けたという。やってきた日本では、分煙が進まず、喫煙者のマナーの悪さが目立った。
 「日本で喫煙のリスクを正しく理解している人は少ない。大金を使って広告するのが一番だが、自分にできるのは歩きながら一人ひとりに危険性を伝えること」と今回のウオークを決意した。
 午前9時半過ぎ、支援者らが見送る中、「禁煙は愛」と書かれた旗を持ったギブンスさんが足慣らしウオークに出発。1日平均40キロを歩きながら、松山市を目指す。全国ウオークは4月、鹿児島県から北海道までの約3千キロを88日間かけて歩く。各地の医師会との協力でイベントや学校での講演会などを開く計画だ。
【写真】支援者らの応援に囲まれ、松山にむけて出発するマーク・ギブンスさん(左)=徳島市幸町3丁目で


2006/ 3/16 非喫煙者は保険料大幅安 アリコジャパンが新商品  (産経新聞記事

 アリコジャパンは16日、タバコを吸わない健康な人の保険料を大幅に安くした生命保険を20日に発売すると発表した。30代男性の保険料はほぼ半額になるという。
 過去2年間に喫煙していないことや身長と体重のバランス、血圧が同社の指定の範囲内であることなどが条件。例えば、35歳の男性では保険期間10年で死亡時などに3000万円を受け取るプランの場合は喫煙者と比べ保険料を51.5%割り引く。


2006/ 3/15 豪州出身男性、禁煙訴え徒歩で日本縦断に出発  (愛媛新聞記事)

 遍路姿で全国を歩いて縦断し、禁煙を訴える旅に挑戦するオーストラリア出身のマーク・ギブンスさん(43)=西条市小松町在住=の出発式が14日、新居浜市庄内町4丁目の市医師会館であり、医師や禁煙推進団体のメンバーなど約40人が旅の無事を祈った。
 ギブンスさんは、4月から7月の日程で、鹿児島から北海道まで約3000キロを歩きながら、喫煙の危険などを呼び掛ける旅を計画。これに先立ち、17日から21日までの5日間、徳島市から松山市の道後温泉までを歩くウオームアップウオークに挑戦する。


2006/ 3/10 マタニティーマークを公表=妊産婦に気配りを-厚労省  (時事通信記事)

 厚生労働省は10日、妊産婦に優しい環境づくりを目指す「マタニティーマーク」=イラスト=を公表した。バッジなどにして妊産婦が自ら身に着けたり、受動喫煙の防止策など妊産婦に配慮している店や交通機関が掲示したりして、周囲に理解を求める。同省のホームページから入手でき、自由に活用してもらう。
 妊娠初期は外見から妊婦と分かりにくいため、つわりがひどくても電車の席を譲ってもらえないなど、周囲の理解が得られにくいとの声を受けて作った。マークは公募で集まった1661作品の中から選ばれ、ハート型で優しさを表すといった工夫をしているという。
 ホームページのアドレスは、http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/03/h0301―1.html


2006/ 3/ 6 中国での間接喫煙による被害、6億人に達する見込み  (エクスプロア広州記事

 タバコ大国である中国も、最近公共の場所を中心に、遅れながらも禁煙運動が始まっている。中国では、6億人の人が間接喫煙の被害者であるといわれており、一般家庭の71%、公共の場所での32.5%、職場での25%でタバコによる煙がモクモク状態であるという調査結果も公表されている。特に女性・子供への間接喫煙被害が深刻であるとし、20歳から49歳までの職業女性のうち、70%が間接喫煙の被害者であるともいわれている。
 現在、北京では中国人民代表大会が開催されているが、重慶の代表は、公共の場所での喫煙に関しての条例を建議するなどの動きが出ている。この中で、『公共場所禁煙条例』の制定を急ぐように求めている。


2006/ 3/ 6 サボってません=厚生労働省  (時事通信記事)

 厚労省などが入る中央合同庁舎5号館が4月から全面禁煙に。職員や訪問者は屋外の指定位置でしか喫煙できなくなる。理由は「1階の喫煙所が混雑しており、煙が充満して環境が悪いからで、前々から話がありました」とのこと。これには愛煙家の職員の間でブーイングも起きているが、かつて屋外での喫煙計画を発案、検討した経験のある愛煙家の某幹部は「(わざわざ屋外に出るとなると)タバコの本数を減らせていいじゃない」と淡々としたもの。「以前は、屋外だと公務をサボって、タバコを吸っているように見られると心配する声もあった」と振り返りつつ、「休み時間に吸うのだから」と、後ろめたいことはないと強調。ただ、愛煙家の思いは複雑なようで、喫煙所常連の幹部は「あと1カ月あるから、吸いだめしましょう」と笑顔を見せながらも寂しげだった。


2006/ 3/ 6 <ニコチンパッチ>禁煙補助薬 歯科医処方は是か非か  (毎日新聞記事)

 禁煙を手助けする薬「ニコチンパッチ」を歯科医が処方するケースが目立っている。歯周病の治りが悪かったり歯の汚れなどで、禁煙の必要性を自覚した患者の要望を受けたものだが、本来なら医師でなければ処方できない医薬品だ。厚生労働省は「歯科医の処方は医師法違反」との見解だが、歯科診療での禁煙指導は効果的との声もある。国をあげて喫煙率低下を目指す中、処方の是非をめぐって論議を呼びそうだ。
 ニコチンパッチはシール状で、腕や腹などに張ると、体内にニコチン成分が浸透。ニコチン切れによる禁断症状が緩和され、禁煙に効果があるという。厚労省によると、副作用は04年10件、05年13件で死亡例はなく、皮膚炎やじんましん、呼吸困難などが報告されている。
 西日本のある歯科医は「歯の汚れから喫煙の影響を知らされ、禁煙を考える患者は多い」と3~4年前から処方している。このほかにも、歯科医がホームページ(HP)などで処方を宣伝しているケースもある。
 結果的に歯科医に処方を促している自治体もある。和歌山県が02年3月に作成した禁煙を呼びかける冊子では、ニコチンパッチを取り上げ、「不思議なくらい吸いたくならない」との経験者の話を掲載。「医師、歯科医師の処方せんが必要」と説明している。
 厚労省医事課は「歯科医は歯科疾患に関係する診断はできるが、ニコチンパッチのように全身に影響するような医薬品の処方はできない」とし、歯科医の処方は医師法に違反する行為との見解だ。
 これに対し、和歌山県の冊子を監修した高橋裕子・奈良女子大教授(健康医学)は「歯科診療は歯周疾患の治りが悪いなど、見た目で喫煙の悪影響が分かる。歯科医による禁煙指導は効果的で、厚労省は例外として処方を認めるなど柔軟な対応を検討してほしい」と訴える。


2006/ 3/ 3 喫煙率目標値設定、タバコ会社に両論・厚労省部会  (日経新聞記事)

 がんなどの生活習慣病対策の一環として喫煙規制を議論する厚生労働省の部会が2日開かれ、日本タバコ産業(JT)などメーカー3社が参考人として出席した。
 同省が喫煙率の目標値設定を検討していることについて、JTとブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン(BAT)は「個人のしこうに国家が介入すべきではない」「社会が受け入れる状況になっていない」と反対。一方、フィリップ・モリス・ジャパンは「政府が喫煙者の禁煙をサポートするのは適切で、特定の数値目標の設定は政府が決めるべきこと」と賛成、メーカー3社の間で意見が分かれた。


2006/ 3/ 3 歩行喫煙:静岡市に制定請願の中学生、禁止条例案に要望書 /静岡  (毎日新聞静岡県版記事)

 静岡市に歩行喫煙を禁止する条例の制定を求めている静岡市葵区の安東中1年、大石悠太君(13)が2日、静岡市役所を訪れ市の条例案について要望書を提出した。大石君は「自分が請願した内容とずれがあり、訴えたかった受動喫煙が抜けていたので要望書を提出した」と話した。
 市の考えを示した文書によると、条例の目的を「タバコの火によるやけどなどの危険を防止する」としているが、大石君は「副流煙の害の防止も目的に入れてほしい」と訴えた。また文書では「移動中は路上喫煙をしないよう努めなければならない」と抜け道が残されており大石君は、「立ち止まった状態も含め、喫煙所以外の喫煙は禁止するとの努力規定を加えてほしい」と指摘した。
 同市は「現在広く市民の声を聞いているところで、大石君の意見も踏まえ前向きに対応したい」と答えた。


2006/ 3/ 1 「スポーツ界からタバコ一掃」医師たちが要望書  (読売新聞記事)

 オリンピックを機にスポーツ界からタバコを一掃してほしいと、禁煙推進に取り組む日本禁煙推進医師歯科医師連盟(会長・大島明大阪府立成人病センター調査部長)は28日、日本体育協会(森喜朗会長)に対し、選手や指導者の禁煙、競技場の全面禁煙化や自販機の撤去などの取り組みを求める要望書を送った。
 同連盟の医師が、愛媛県新居浜市体協で30競技の役員、監督、コーチらに行った調査によると、喫煙率は男性31%、女性4%で、一般人より低いとは言え依然高かった。


2006/ 2/28 タバコ規制条約1年/数値目標掲げ喫煙対策を  (山陰中央新報論説

 健康によくないと分かっていても、なかなかやめられないのが喫煙。健康被害の低減を目指す「タバコ規制枠組み条約」が発効し、二月で一年がたった。日本でも広告の自主規制や、タバコ税引き上げ、禁煙治療への健康保険適用など、さまざまな動きがあった。
 先進工業国の中で、日本の成人喫煙率は相変わらず高い。日本タバコ産業の調査では、男性の成人喫煙率は二〇〇一年に初めて五割を下回り、〇五年は45・8%と漸減傾向だ。ただ女性は〇五年に13・8%で、ほぼ横ばいだ。
 世界保健機関(WHO)の報告書では、米国と英国は男女とも20%台、フランス、ドイツは男女とも30%台で、いずれも減少傾向だ。日本は欧米諸国と比べて男性の喫煙率が高く、女性は全体では低いが、若い世代で増えているのが特徴となっている。
 日本のタバコ規制対策は欧米より三十年は遅れていた。しかし〇三年に受動喫煙防止を定めた健康増進法が施行され、〇四年には政府のタバコ対策関係省庁連絡会議が設置された。昨年は厚労省、国立保健医療科学院に、タバコ対策の専門職も新設された。
 自治体の「ポイ捨て禁止条例」や病院、公的機関での禁煙・分煙、今年四月から禁煙治療に健康保険を適用するなど、さまざまな取り組みも進んでいる。
 山陰では、松江市が両県内で初めて喫煙制限区域を設定し、今年十月から条例を施行する予定。具体的には、条例で定めた美化推進地域の一部を喫煙制限区域とし、罰則規定を設けて喫煙制限と環境美化を進めていく考えだ。
 ひと昔前に比べて多用な対策が取られるようになったものの、国として「タバコ対策を強力に進める」というメッセージが伝わっているとは言い難い。
 例えば値段一つとっても、そうだ。国内のタバコ価格は極めて安い。昨年暮れに、タバコ税の引き上げが決まり、今年七月から一本当たり一円値上げされるが、欧米では一箱五百―千円だから、それでも半額程度だ。タバコ税引き上げも、タバコ対策というよりは、財源確保のために取りやすいところから取る、という側面が強い。
 喫煙者の二人に一人が「タバコが五百円になればやめる」と回答したという民間調査もあるが、タバコの価格は▽喫煙率への影響▽税収、危険を冒してまで密造・密輸をするほど高価ではないこと▽喫煙率低下による医療費削減効果-など、さまざまな要素を検討して決めるべきだ。ただ単なる財源確保というだけでは、いつまでたっても喫煙制限対策にはつながらない。
 さらに自動販売機の規制も、特に若者の喫煙を減らすために重要だ。比較的安い価格と、どこにでもある自販機が未成年者でも、タバコを入手しやすい環境をつくっていることは見逃せない。
 タバコ対策は教育、法制度、医療、税制など総合的な戦略が必要だが、「喫煙率を何年後には、何%までに引き下げる」という具体的な数値目標の設定も考えるべきであろう。目標値の設定は強いメッセージを示すことになり「この対策で何%下がった」という検証の指標にもなる。ぜひ考慮してもらいたい。


2006/ 2/28 抗がん剤イレッサ、非喫煙者の延命効果は喫煙者の3倍  (読売新聞記事)

 副作用が問題となっている肺がん治療薬「イレッサ」(一般名ゲフィチニブ)が効くかどうかを決める遺伝子の変異を森口尚史・東大先端科学技術研究センター助教授らがほぼ特定した。
 延命効果を期待できる患者は、この遺伝子変異がある人か、非喫煙者に絞られるという。無駄な投薬の回避につながる可能性がある。英医学誌「ランセット」に発表した。
 同センターとソウル大医学部、東京医科歯科大の共同研究で、対象患者は、韓国人、中国人、台湾人計135人。腺がんなどの非小細胞肺がんの進行期にあって、他の薬物療法で効果が得られずにイレッサを使った患者を抽出し、個々のデータを詳しく分析した。
 注目したのは、細胞の増殖などを制御するL858Rと呼ばれるたんぱく質の遺伝子の変異。この変異がある患者の平均生存期間は22か月で、変異がない患者の9・3か月と比べて1年以上の延命効果が確認された。非喫煙者の場合は平均生存期間は24・3か月で、喫煙者の7・4か月より3倍以上長かった。
 森口助教授によると、L858Rの変異は、喫煙者にはほとんどみられない。喫煙歴のある非小細胞肺がんの患者に過剰に現れるAKR1B10という分子が遺伝子変異を抑え、イレッサの効果を激減させている可能性もあるという。


2006/ 2/28 中央省庁の本省初、厚労省が4月から庁舎内全面禁煙に  (読売新聞記事)

 厚生労働省は28日、同省が入る中央合同庁舎第5号館内を4月から全面禁煙とすると発表した。
 人事院の調査によると、中央省庁の本省が入る庁舎の全面禁煙は例がないという。
 全面禁煙について、同省会計課は「生活習慣病予防など健康を訴える省庁としては当然の措置」と語る。4月から診療報酬の改定で、禁煙指導料が新たに公的医療保険の適用対象となるなど、「タバコが嗜好(しこう)品扱いではなくなる」(同課)ことも全面禁煙の決定につながった。


2006/ 2/26 禁煙訴え、日本縦断へ 西条のギブンスさん/愛媛  (愛媛新聞記事)

 白装束に禁煙マークが描かれたすげがさ、のぼり旗には「禁煙は愛」の文字―。西条市小松町在住のオーストラリア人、マーク・ギブンスさん(43)は4月、喫煙が健康に及ぼす影響を広く訴えようと、徒歩で日本縦断に挑む。遍路姿で13日に鹿児島県の佐多岬を出発し、7月9日に北海道の宗谷岬に到着予定。88日間で、約3000キロを歩く。
 ギブンスさんは1997年、今治市の英語指導助手(ALT)として来日。
「日本は犯罪が少なくて安全」のイメージを胸に抱いていた。目に飛び込んだのは、あちこちでタバコをふかす姿。「こんなに大勢いるなんて」―大きなショックを受けた。
 母国オーストラリアは禁煙教育が盛んな地。幼いころから、タバコが原因で黒く染まった肺や血管が詰まった心臓などの映像を見て、喫煙の害を学んできた。有名な歌手でも、タバコを吸っているという情報が流れれば、ファンの若者は「ダサイ」とそっぽを向く。
 「日本では、タバコを吸うことがクール(かっこいい)と思われている。テレビドラマでは俳優が喫煙するシーンが流れるし、政治家までが公然と吸っているからね」


2006/ 2/26 タバコ包囲網 増税/禁煙への保険適用/喫煙率減らす数値目標まで?  (産経新聞記事)

神経とがらせるJT
 禁煙が世界的潮流になるなか、厚生労働省が生活習慣病対策として導入を検討している喫煙率減少の数値目標に対して、日本タバコ産業(JT)が神経をとがらせている。JTにとって、タバコ税引き上げ、禁煙指導への保険適用に続く逆風になりかねず、「個人の嗜好(しこう)の問題に対して国家が介入するのはおかしい」などと、反発している。
 喫煙率減少の数値目標について、厚労省は平成十二年から国民運動として始まった「健康日本21」で酒類や塩分摂取量の数値目標とともに設定を目指したが、タバコ業界などの反発が強く見送られた経緯がある。このため、厚労省には「今度こそ」との思いが強く、今後、厚生科学審議会などの議論を通して具体的な数値目標を固めていく考えだ。
 生活習慣病対策を検討する同審議会では、これまでも「喫煙率を下げなければ病気は減らない」「タバコの大幅値上げか、具体的目標が必要」などの指摘が多い。
 タバコをめぐっては、十八年度の診療報酬改定で、ニコチン依存症と診断された喫煙者への医師の禁煙指導には「ニコチン依存症管理料」として四月から保険が適用されることが決定。「喫煙は病気ではない」とするJTの主張は受け入れなかった。
 また、七月からはタバコ増税によって、価格が引き上げられる。
 同社は平成十七年九月中間決算で過去最高益を記録したが、寄与したのはロシアや台湾など海外市場。国内市場をみれば、成人喫煙者が十年連続で過去最低を更新しており、減収傾向が続いている。


2006/ 2/24 ウォード「喫煙していればここまで来ていなかった」  (中央日報記事

「私がタバコに手を出していれば、今のこの地位まで来ることはできなかったはず」。
第20回スーパーボウル(アメリカンフットボール決勝戦)最優秀選手(MVP)に選ばれ、米国だけでなく韓国でも英雄になったハインズ・ウォード(32、ピッツバーグ・スティーラース)はタバコを吸わない。 スポーツ選手らが愛用する噛みタバコ(Chewing Tobacco)も使用しない。
ウォードは24日(日本時間)、スティーラーズの縁故地ペンシルバニア州の保健当局と学校体育協会が共同主催する禁煙キャンペーン(U MAKE THE CUT)で、学生が作った禁煙督励ビデオの審査委員に委嘱された。
ウォードは審査委員を受諾しながら「プロ選手として体の管理はどれほど大切かは切実に感じている。 青少年に禁煙を督励するのは意味があること。 個人的に映画好きなので学生が作ったビデオを審査するのは面白そう」と語った。
また「青少年の禁煙はもちろん、成人にもタバコの有害性を知らせるメッセージを伝えたい」と付け加えた。


2006/ 2/24 「非喫煙者と付きあう」...韓72.5%、日51.0%  (中央日報記事

韓国人が日本人よりも、恋人や配偶者の喫煙をさらに嫌うことが分かった。製薬大手・韓国ファイザーが24日伝えた。同社は日本のファイザーと共同で、インターネットを使って韓日男女それぞれ400人ずつを対象に「韓日両国の恋人と配偶者の喫煙についての認識調査」を行った。
「今後恋人と交際するならば非喫煙者と付きあいたい」との回答が、韓国人は72.5%、日本人は51%だった。また「結婚相手に非喫煙者を希望している」という回答は韓国人が77.8%、日本人が61.0%で、全般的に恋人・配偶者の喫煙について韓国人のほうが日本人より拒否感が強かった。「喫煙する異性をどう思うか」との質問に対し、韓国人は「好ましい」との回答が1.8%、「好ましくない」が64.3%の半面、日本人はそれぞれ6.0%と44.8%だった。
「結婚相手として選ぶなら」との問いには、韓国人の場合、「禁煙しなければ付きあわない」(13.8%)が、「構わない」(12.0%)より多かった。半面、日本人は「構わない」(35.8%)が、「禁煙しなければ付きあわない」(11.0%)よりはるかに多かった。


2006/ 2/23 タバコ製造禁止法案、立法請願へ  (朝鮮日報記事

 国立がんセンターの朴在甲(パク・ジェガプ)院長らは22日、タバコの製造・売買禁止法案の立法請願書を国会に提出した。
 この法案はタバコには69種の発がん物質と毒性物質が含まれており、がんなど各種の疾病を主な原因になるとし、タバコの製造と売買を全面的に禁止することを骨子とする。しかし、この法案はタバコの製造・販売を禁止する場合、農家が被る被害やタバコによる税収の不足など、副作用が生じることを懸念し、公表後10年後から適用されるよう付則の規定が盛り込まれている。
 法案によると、タバコの製造を禁止し、タバコを輸出入したり、輸出入する目的で原料の物質を製造・輸入・売買する行為を禁止している。一言で覚せい剤のように製造と販売、喫煙がすべて禁止されることになる。このようにタバコを製造したり、製造するために原料物質を製造、輸出入、売買、所有した場合、最大5年の懲役か5000万ウォンの罰金刑に処するとしている。
 立法請願人として金大中(キム・デジュン)前大統領と朴寛用(パク・グァンヨン)前国会議長、 朴在甲院長など各界の著名人158人が参加しており、195人の国会議員から賛成の署名があった。
 韓国タバコ消費者保護協会は声明を発表し、「この法案は現実を無視した発想で、20万人に達するタバコ関連従事者とその100万人の家族の生存権を剥奪するもの」とし、「タバコ禁止法制止に向けた共同連帯」を組織し、立法阻止に向けた闘争に乗り出すと明らかにした。
 また声明書は、「法案に対する慎重な検討もせず、禁煙という名分に惑わされて立法請願に賛成した一部の議員は、この法律が招きかねない副作用に対して責任を負うべき」と主張した。


2006/ 2/22 視点 禁煙治療 タバコ依存症は病気だ=論説委員・稲葉康生  (毎日新聞社説)

 ◇タバコ依存症は病気だ、保険適用は当たり前
 06年度の診療報酬改定で、禁煙指導を保険で行うことが決まった。「ニコチン依存症管理料」というのが正式な名称で、患者は12週間で5回にわたり専門の医師らから治療を受けることができる。
 タバコによる健康障害は科学的に証明されているが、中央社会保険医療協議会は喫煙による「ニコチン依存症」を病気であるとし、保険適用を決めた。「病気というが、社会的なコンセンサスはまだできていない」「指導の効果はあるのか」「喫煙は趣味の問題で、公的保険でみるのは時期尚早」など、さまざまな反対論もあった。
 その結果、当面は指導を行う医療機関の基準を厳しくするなどして限定的に始め、2年後にデータを検証することで決着した。
 タバコが健康に及ぼす障害や周りの人への影響などを考えれば、ニコチン依存症を早期に治療し、肺がんや気管支炎などを防ぐことが重要で、そのために医療保険を適用するのは妥当な結論である。
 喫煙による健康被害で約1・3兆円もの超過医療費がかかるという研究報告もある。早い段階の小さな医療費負担で、将来の大きな負担を削減することができれば、それに越したことはない。
 ニコチン依存症はアルコール依存症に比べて軽く、病気ではないという意見もある。喫煙家の気持ちも分からないわけではないが、その主張に説得力はない。政府が04年に批准した「タバコ規制枠組み条約」は、喫煙やタバコの煙により死亡、疾病、障害を引き起こすことは科学的証拠により証明されていると指摘している。
 さらに日本呼吸器学会、日本循環器学会、日本肺癌(はいがん)学会など9学会は04年度にまとめた報告書で、タバコを吸うことによりニコチン依存症と関連疾患からなる「喫煙病」を引き起こすとし、喫煙者には「積極的な禁煙治療が必要」と結論付けている。
 アルコール依存症の治療にはすでに保険が適用されており、ニコチン依存症もそれに合わせるのが時代の流れだ。禁煙指導が確実な効果を上げることを期待したい。
 タバコは嗜好(しこう)品であり、健康障害が心配だからといって、国が強権で禁止するものでもない。しかし、禁煙指導を受けたいというニコチン依存症患者の治療費に保険を適用する政策に反対するのもおかしな話だ。この政策が呼び水となり、「禁煙してみようか」という人が増えるのであれば、やってみる価値はある。
 喫煙による健康被害を防ぐためには、禁煙指導の保険適用に加え、タバコの値段を引き上げることも有効な手段になるだろう。欧米に比べて日本のタバコは安い。1本について5~10円値上げすれば、未成年や20代がタバコをやめたり、吸う本数を減らすようになるのではないか。値上げにより増収になれば医療費や健康づくりの施策に使えばいい。


2006/ 2/18 女性の半数「結婚は非喫煙者と」=健康気になる、口臭嫌-製薬会社、400人調査  (時事通信記事)

 禁煙治療への保険適用が4月から始まるなど慢性的な喫煙を病気と考える人が増える中、男性では4人に3人、女性では半数近くが結婚相手に非喫煙者を希望している実態が18日、製薬大手のファイザー(東京都渋谷区)の調査で分かった。 同社は今年1月、インターネットを使った調査で20~30代男女の喫煙者200人、非喫煙者200人から回答を得た。 「喫煙する異性をどう思うか」との質問に対し、「好ましい」は男性2.0%、女性11.5%で、「好ましくない」は男性57.5%、女性32.0%。「結婚相手として選ぶなら」との問いには、男性73.5%、女性48.5%が「吸わない人」を選択した。 異性の喫煙で最も気になる点としては、全体の約4割が「健康への弊害」を挙げたほか、「口臭」が約2割、「髪や衣服へのにおい」と「歯の黄ばみ」がそれぞれ約1割だった。  将来、恋人や結婚相手が喫煙者の場合については、3人に1人が「気にしない」と答える一方、過半数が吸わせないために何らかの行動を取ると回答。「禁煙してと言う」(30.5%)「禁煙させる」(10.5%)から「禁煙しないと付き合わない」(11.0%)という声まで聞かれた。 同社は「男女ともに、喫煙が体によくないと考える割合が増えてきているのではないか。今回の調査結果が、禁煙を考えるきっかけになってくれれば」(製品広報部)としている。


2006/ 2/17 タバコ工場新設せず 業界は統合再編 北京五輪も禁煙に  (フジサンケイビジネス記事

 三億五千万人という世界最大の喫煙人口を抱える中国で、政府は今後、タバコ工場の新設や外資との合弁企業創設を認めないとの方針を決定した。さらに、六十社以上も乱立しているタバコメーカーを整理・統合し、十種類程度のタバコの銘柄に統一するなど、業界再編に乗り出す。また、二〇〇八年の北京五輪を「ノースモーキング大会」にするとも宣言している。(相馬勝)
                  ◆◇◆
≪規制に力≫
 中国国家タバコ専売局の姜成康局長によると、中国は現在、世界最大のタバコ(原料)生産国で、巻きタバコの生産量は世界の総生産量の約30%を占める一兆九千四百七十億本で、タバコ関連の税収が千五百九十億元(約二兆二千二百六十億円)と中国の税収全体の10%を占めるなど、重要な財源でもある。
 しかし、中国喫煙規制協会の張義芳・名誉会長が中国新聞社電に明らかにしたところでは、「全世界の喫煙者十三億人のうち、中国の喫煙人口は三分の一に相当する三億五千万人」で、中国では毎年、肺がんや冠状動脈硬化による心臓病などの喫煙が原因とされる病気によって、百二十万人が死亡している。これは喫煙が原因の世界全体の死亡者数である五百万人の約四分の一だ。
 このため、中国政府は喫煙人口を減らすことを国家目標のひとつとして掲げており、二〇〇三年十一月に、世界保健機関(WHO)が提唱する「タバコ規制枠組み条約」に署名し、〇五年には全国人民代表大会(全人代=国会に相当)で批准するなど、タバコの規制に力を入れている。
 新華社電によると、ジュネーブ駐在の沙祖康・国連大使は今月初旬、タバコ規制の国際協約に関する国際会議の席上、中国政府は今後も一層、タバコに関する規制を強めるとして、違法なタバコ貿易の取り締まりや未成年へのタバコ販売の禁止のほか、中国領土内でのタバコの自動販売機設置の禁止など今後は新たな対策を積極的に打ち出す方針を明らかにした。
 沙大使は、中国内でのタバコの生産自体も削減する方針であることのほか、今後は新たなタバコ工場の建設を許可しないことに加え、外資との合弁企業の新設を認可しないことも合わせて明らかにした。
 昨年十二月には、世界的なタバコ大手のフィリップモリスが、中国国家タバコ専売局傘下の中国タバコ総公司との間で合資会社の設立で合意しているが、今回の方針が適用されれば、「両者の合資企業の設立は微妙になる」(ロイター電)との指摘も出ている。
≪10銘柄へ≫
 さらに、「タバコ工場の新設不許可」方針が国内のタバコ業界に与える影響は深刻だ。同専売局の姜局長は先月十四日、同局の会議で、六十社に上る国内のタバコメーカーの整理・統合を進めるとともに、現在、二百種類以上ものタバコの銘柄を十種類程度に減らす方針を明らかにした。今年から来年にかけて、タバコ業界は大幅な再編に見舞われることが予想されている。
 一方、これらの動きを加速させるために、中国政府は「〇八年の北京五輪をノースモーキング大会にする」(沙大使)ことにしており、タバコ売り場や自動販売機、喫煙所はおろか、北京市内からタバコの広告も一掃することを宣言している。


2006/ 2/17 日本が最大拠出国に タバコ規制枠組み条約  (共同通信記事

 タバコによる健康被害の低減を目指す「タバコ規制枠組み条約」の第1回締約国会議が17日まで、ジュネーブの世界保健機関(WHO)本部で開かれ、条約事務局をWHO本部に設置することなどを決めて閉幕した。2006―07年の事務局予算は801万ドル(約9億5000万円)で、日本が22%の約176万ドルを負担する最大の拠出国となった。
 締約国会議はまた(1)各国が条約の履行状況を事務局に定期的に報告する(2)複数国間のタバコ広告規制や密輸防止などに関する議定書作成のための作業部会設置(3)タバコ代替作物の研究部会発足―なども決めた。
 WHOによると、喫煙による死者は世界で年間約500万人、20年には1000万人に増えるとみられている。WHOは条約による広告規制などでタバコの使用量を現在の半分にまで減らし、50年までに2億人の命を救うことを目標にしている。
 締約国会議は昨年2月27日の条約発効から1年になるのに合わせて開かれ、日本など113の国・地域の代表が参加。批准当時の条約参加国・地域の数は57だったが、現在では124に増えた。ただ、主要タバコ生産国の米国は批准していない。


2006/ 2/17 世界の中学生世代、9%が喫煙=欧州では2割近くにも-英医学誌  (AFP=時事通信記事)

【パリ17日AFP=時事】世界の13歳から15歳の少年・少女のうち8.9%が喫煙者-。英医学誌ランセット(電子版)が17日伝えた調査結果で、未成年者による喫煙が世界各地で広がっている実態が浮き彫りになった。 それによると、特に深刻な地域は欧州で、同じ年齢層での「喫煙率」が18%近くに達した。これに米州(17.5%)、アフリカ(9.2%)が続いている。 欧州各国は公共の場所での全面禁煙など先進的な取り組みを進めているだけに、皮肉な結果となった。男女の差は縮小傾向にあり、米州では少女が少年を上回った。 タバコが健康に及ぼす害をめぐっては、2020年までに死者が倍増し、年間で1000万人に達すると推計されているが、論文の執筆責任者は「この見積もりでさえ、控えめなものかもしれない」と警告する。 調査は世界132カ国・地域にある9900の学校で、生徒74万7000人を対象に行われた。


2006/ 2/17 【書評】悪魔のマーケティング タバコ産業が語った真実 [編]ASH  (週刊朝日記事

 1月26日、タバコ訴訟で患者の敗訴が確定した。タバコ訴訟というのは、肺ガンなどを患う元喫煙者らが、JTと国に損害賠償を求めていたものだ。タバコが有害だと知っていながら売ってきた責任、規制をしていない責任があるだろう、というのが患者らの主張。東京地裁では、タバコの害は認めたけれども、原告個人の病気との因果関係は認めなかった。また、吸う吸わないは個人の意思、というのが裁判所の判断だ。高裁もこれを支持し、今回、最高裁も上告を棄却した。
 有害性を認めながら、販売は認めるというのは、なんだか変な話だ。もしBSE(狂牛病)の問題で、「牛肉を食べる、食べないは個人の意思だから、国にも輸入会社にも責任はない」といったら、大騒ぎになるだろうに。
 ASH編『悪魔のマーケティング』は、欧米のタバコ産業がこれまでどんなことを言ってきたのかを集めた本だ。ASHというのはイギリスのNGO、ActiononSmokingandHealthの頭文字だが、タバコの灰という意味にもなる。日本語版には切明義孝医師らによる解説がついている。
 タバコ業者の発言を時系列で見ていくと、早いうちから有害性や依存性に気づきながらも、消費者に向けては、それを否定するのに躍起になっているのがよくわかる。有害性を隠せなくなると、こんどは子供や女性がタバコを吸うようにイメージ操作していく。「タバコを吸う権利なんざ、ガキや貧乏人、黒人、それからその他のおバカな方々に謹んでさしあげますよ」という発言が強烈だ。タバコのCMに出演した俳優が、タバコ会社の役員に、「なぜあなたはタバコを吸わないのですか?」と質問したときの返答だそうだ。金儲けのためなら何だってやるさ、というのは、ライブドアもヒューザーも東横インもみんな同じ。
 もっとも、自動車なんて毎年何千人もの人が死ぬことがわかっていながら売られ続けている。CMもばんばん流れる。タバコ産業だけが悪いわけでもないか。


2006/ 2/16 禁煙治療に保健適用…医療費の増大防げ、喫煙疾病に先手  (サンスポ記事

 吸ってる方が珍しくなったタバコだが「やめたくてもやめられない」という人のために、新年度から健康保険を使っての“禁煙治療”が可能になった。中央社会保険医療協議会(中医協)が15日、厚労相に答申したもので、喫煙から発展する肺がんなどさまざまな病気にかかる膨大な医療費を未然に抑える狙いだ。英国ではパブも含む屋内公共空間を全面禁煙にする法案が下院で可決され、来夏にも実施される。禁煙の世界潮流はもう止められない!!

やめたくてもやめられないニコチン依存症の喫煙者のために、税金で支えられる公的健康保険から費用がまかなわれることになった。
喫煙が原因とされる肺がんなどさまざまな病気治療で膨大な医療費がかかっているため、厚労相は喫煙自体をやめさせることで病気の予防を図るのが狙いだ。
医師による禁煙指導は、すでに一部の病院で行われているが、現在は医療費が全額自己負担。一般的な8週間コースで5万7000円前後にもなる。保険が適用されれば自己負担は3割で済むため、禁煙に取り組む人が増えるとみられる。
一方、喫煙を病気とみなすことへの反論も根強い。日本タバコ産業(JT)は「喫煙者はアルコール依存症と違い、通常の日常生活を送っている」と反発。厚労省の意見公募にも「病人扱いしてほしくない」「禁煙に保険を使うのは非喫煙者に不公平」などの声があった。
そこで、当面は施設や対象者を限定して効果を実証する。対象者は質問表によってニコチン依存症と診断され、1日の喫煙本数に喫煙年数を乗じたブリンクマン指数が200を超える重症者のうち、すぐにも禁煙を希望している人。実施する医療機関は、禁煙治療の経験のある医師と、専任の看護職員がいることなどが条件。
治療は医師による面談指導や、ニコチンパッチを皮膚に張って微量のニコチンを摂取することで禁断症状を抑える方法など。12週間で5回の指導を受ける。自己負担は初回690円、2-4回各550円、最終回540円で済むが、ニコチンパッチは全額自己負担。
健康増進法による公共空間の禁煙・分煙、地方自治体条例による歩きタバコ禁止、タバコ増税などに続き、非喫煙化が一層進むことになる。


2006/ 2/16 英国のパブ・レストラン、来夏から全面禁煙に  (朝日新聞記事

 英下院は14日、パブやレストラン、職場など屋内の公共の場を全面禁煙とする健康法改正法案を圧倒的多数で可決した。上院でも可決される見通しで、07年夏から施行される。政府は喫煙を黙認したパブの経営者らに対し、2500ポンド(約51万円)を科す方向で検討に入った。
 この法案はイングランドが対象。スコットランドは来月から全面禁煙に移行する予定。北アイルランドでは来年4月から同様の措置がとられる見通しだ。ウェールズ議会も追随する方針だ。
 法案をめぐっては、食事を出さないパブや会員制クラブなどを例外とする妥協案が提出された経緯があるが、嫌煙家団体は「健康被害を減らすには不十分」、パブ経営者らは「不平等な競争」と不満が高まり、最終的に全面禁止に修正した。
【写真】屋内の公共の場を全面禁煙とする法案が可決された14日、ロンドンのパブで=AP


2006/ 2/15 受動喫煙とは  (CRI記事

 タバコを吸わない人が、いろいろな場所で、自分の意志とは関係なくタバコの煙を吸わされていることを「受動喫煙」といいます。
 受動喫煙は、タバコを吸わない人にとって不快と感じられるだけでなく、さまざまな健康障害を引き起こすことが、最近ますます問題とされるようになってきました。
 煙のなかのさまざまな成分
 タバコの煙は、喫煙者が吸い込む"主流煙"と、火のついた部分から立ち上る"副流煙"とに区別されます。
 1 主流煙と副流煙
 主流煙に含まれている有害成分は、タバコの葉やフィルターを通過してくること、また燃焼温度が高いことなどから、副流煙より少なくなっています。
 ・発がん物質が多い副流煙
 主流煙と副流煙とでは含まれる成分が異なり、主流煙は酸性なのに対して、副流煙はアルカリ性で刺激が強く、発がん物質などが多く含まれています。
 ・環境タバコ煙とは
 実際に「受動喫煙」で非喫煙者がさらされる煙のことを、一般に"環境タバコ煙"といいます。環境タバコ煙は、副流煙と喫煙者が吸ったあと吐きだした主流煙とが、混ざっしたものから成っています。
 タバコの煙による室内汚染
 ・室内の浮遊粉塵中に占めるタバコに関する物質の割合は30%ー80%も 受動喫煙は喫茶店のように、とくに大勢の人が喫煙する場所に限らず、私たちが多くの時間を過ごす家庭、職場、さらには乗り物のなかなどで起こります。
 たとえば、都市の一般的なオフィスの場合、室内の浮遊粉塵中に占めるタバコの煙による物質の割合は30ー80%に達し、会議室では73ー82%、休憩室では88ー90%にもなるという報告があります。
 ・気をつけたい換気
 タバコの煙に含まれる一酸化炭素についても同様に、タバコの煙のないところでは、その空気中の濃度は2ppmなのに対し、煙の充満した環境、たとえば会議室では8ー33ppm、住居で15ー60ppmにも達しています。
 しかし、これらの濃度は換気状態によって大きく左右されます。喫煙者のいる場合でも換気がよければ10ppm程度に抑えられることが実験によって明らかにされています。
 しかし、タバコの煙による空気の汚染中、一酸化炭素はいわゆる空調システムでは除去することができませんので、換気が不可欠です。
 さらに家庭内では、喫煙による浮遊粉塵や一酸化炭素などのほかに、室内暖房や調理用のガスや石油の燃焼による二酸化窒素による空気の汚染もあり、空気清浄にはとくに気をつける必要があります。


2006/ 2/13 受動喫煙例を報告 松山で学会  (朝日新聞愛媛県版記事

◇全国の対策紹介
 日本禁煙推進医師歯科医師連盟(約1500人) の第15回総会を兼ねた第2回日本禁煙学会が11日、松山市三番町4丁目の県医師会館に全国から約150人を集めて始まった。 12日まで、禁煙指導やタバコ規制などを推進する医師らが、地域での取り組みや調査結果などを発表する。
 同連盟愛媛支部(47人) に加え、禁煙を訴える市民ら約500人でつくるグループ「禁煙推進の会えひめ」 もある県内は、5月の世界禁煙デーに合わせて01年から毎年、デモや講演を催すなど活動が盛んで、会場に選ばれたという。
 11日は、県内の活動紹介のほか、受動喫煙問題に関する研究の報告やシンポジウムがあった。
 北九州市の産業医科大の大和浩助教授(労働衛生工学) らは、ドーム球場やJR列車内での受動喫煙対策の実態を調査。 ドームでは分煙室があっても人の出入りが多いと煙が漏れ、排気設備だけでは拡散を防げていないと改善を訴えた。
 JRの特急などでは喫煙車両の前後でも煙が感知されたと説明。 「4両編成など車両数の少ないJR四国は受動喫煙率が高い」 と指摘した。 全国の在来線で調査を進め、JR各社に改善要望書を出す方針だという。
 12日は、子どもへの禁煙教育や、医療関係者・医療機関の禁煙推進、タバコ規制などがテーマ。 「タバコ1箱550円への値上げで、現在喫煙者の約半数が禁煙する可能性が高い」 とするアンケート結果、県医師会員の喫煙率や問題意識の調査などの報告が予定されている。
 同日午前8時からは、参加者らによる市中心部の大街道商店街での吸い殻拾いも。加藤正隆・同連盟愛媛支部長(46) は「愛媛は行政や企業の禁煙環境整備が遅れている。 学会をきっかけに、全国の進んだ例を知ってもらい、改善につなげたい」と話している。


2006/ 2/12 禁煙学会:「タバコの害から守る行動を」 受動喫煙の研究を報告--松山 /愛媛  (毎日新聞愛媛県版記事)

 第15回日本禁煙推進医師歯科医師連盟総会・第2回日本禁煙学会が11日、松山市三番町4の県医師会館で始まり、全国からタバコの害の研究や禁煙運動に取り組む医師らが参加。受動喫煙問題などをテーマに12日までの2日間、シンポジウムや各種講演、発表などをする。
 大会では大島明・同連盟会長が基調講演。WHOが提案したタバコ規制枠組み条約の発効など最近1年の動きを振り返り、広告や自動販売機の規制、タバコ値上げなど禁煙策推進の必要を説いて「いまこそ医師、歯科医師の広範な連携で、国民をタバコの害から守る行動を」と訴えた。
 研究者4人が参加したシンポジウムでは、横浜市のタクシー運転手が受動喫煙に苦しみ、提訴に踏み切った事例などを発表。また各地のドーム球場の受動喫煙対策を比較して「分煙はあまり効果がない。全館禁煙を」と指摘したり、パチンコ店7店舗のタバコ煙の濃度を測定し、客や店員への受動喫煙対策の遅れを指摘して「罰則制定を」と訴えるなど、さまざまな研究成果が披露された。


2006/ 2/11 <禁煙コンテスト>成功体験を募集!日本禁煙学会  (毎日新聞記事)

 集まれ禁煙自慢――禁煙指導にかかわる医師や薬剤師、看護師らで作る日本禁煙学会(理事長・作田学杏林大教授)は10日、禁煙の成功体験を募集し、独自性や取り組みやすさを競うコンテストを実施することを決めた。全国規模の禁煙コンテストは初めて。寄せられた体験例は禁煙マニュアルとして出版する。
 コンテストのタイトルは「私はこうしてタバコをやめられた」。タバコを吸い始めた理由や禁煙のきっかけ、禁煙方法、タバコをやめて変わったことなどを1600~2000字程度にまとめて報告してもらう。
 米国では、禁煙の成功体験をまとめた本が出版され、効果を上げているという。同学会は年1回コンテストを開き、ほかの禁煙団体と連携して普及啓発を進める。
 今回の募集は3月1日から7月末まで。原稿は同学会(〒181―8611 三鷹市新川6の20の2 杏林大第1内科内)に郵送する。賞金は1位(2人)5万円、2位(5人)2万円、3位(10人)1万円。問い合わせは同学会事務局(電話0422・47・5511内線3631)へ。
 作田理事長は「スモーカーは禁煙が難しいというが、実際にやめている人がいる。成功者のノウハウを広く伝えたい」と話す。


2006/ 2/ 9 タバコ販売落ち込み、JT売上高1・3%減  (読売新聞記事

 JTが9日発表した2005年4~12月期連結決算は、喫煙者の減少などで主力の国内タバコ販売が落ち込み、売上高は前年同期比1・3%減の3兆5503億円となった。
 本業の利益を示す営業利益は、タバコ販売の落ち込みを人件費などのコスト削減で吸収し、同9・3%増の2518億円と増益を確保。税引き後利益も同24・8%増の1640億円だった。
 06年3月期連結決算の通期予想は、売上高が同1・0%減の4兆6200億円、税引き後利益はリストラ費用の減少などで、過去最高の1950億円を見込んでいる。


2006/ 2/ 8 「タバコ規制枠組み条約」第1回締約国総会で開催  (CRI記事

 「タバコ規制枠組み条約」の第1回締約国会議は2月6日から17日までジュネーブで開かれています。「タバコ規制枠組条約」は世界の最初の保健に関する条約であり、世界タバコ規制活動の一里塚と見られており、更にWHO 世界保健機関の発展に重要な意義を持っています。110カ国の代表たちは「この条約をいかに実施するかはこの会議の主要な議題となる」と指摘しました。
 「タバコ規制枠組み条約」に関する交渉は1999年10月からスタートしました。世界保健機関の192カ国の加盟国は2003年5月21日に条約の最終文書に合意しました。第40カ国がこの条約に署名した後、条約は2005年2月27日から発効しています。規定によりますと、条約が発効して1年以内に、世界保健機関は第1回締結国会議を行うとのことになっています。
 「タバコ規制枠組み条約」は原則的な内容を制定するだけでなく、具体的な措置を規定しています。条約の原則的な内容例えば、タバコの価格と税収などは各国の主権を充分に尊重し、実施する時、締約国の政策決定の主権を損なわないと強調しました。また、この条約はタバコの包装及びラベルには、タバコの使用による有害な影響を記述する健康に関する警告を記す等具体的な要求が記されました。
 会議では多くの代表はここ数年、自国のタバコ規制や禁煙の措置を紹介しました。アイルランド、スペイン、ノルウェーなどの国は密閉された公共場所で禁煙となりました。インドはタバコ広告全面禁止の法律と法規を制定しました。オーストラリア、ブラジル、カナダ、シンガポール、タイなどの国は喫煙が人体に害を与えるという警告をパッケージや広告に表示することを義務付けることを定めました。
 中国の沙祖康代表はこの会議で「タバコ規制活動は中国で実質的な進展を遂げた。中国は「タバコ専売法」、「報告法」、「未成年保護法」などの法律、法規を公布し、タバコ規制活動に法的基盤を整えた。ここ数年、政府関係部門はタバコ規制活動を進めるため、積極的に措置を講じている。中国政府は2008年北京オリンピックを禁煙オリンピックにするため尽力している」と表明しました。
 参加者は「「タバコ規制枠組み条約」は枠組み的な条約であり、その誕生は世界タバコ規制活動のスタートに過ぎず、これからより厳しい具体的な議定書を制定する必要がある」と見ています。
 世界保健機関の李鐘郁(イジョンウク)事務局長は「喫煙は大衆の健康を損なう公害であり、これはすでに広範に受け入れた。もし、「タバコ規制枠組み条約」が着実に実施されれば、2050年までに2億人の生命を救うことができる。この意義から見れば、歴史を変えることができると言えるだろう」と指摘しました。


2006/ 2/ 8 <タバコ価格>1箱519円なら半数禁煙 星城大教授ら調査  (毎日新聞記事)

 「タバコ1箱519円なら半数が禁煙」――。星城大(愛知県東海市)の川俣幹雄助教授(49)=リハビリテーション医学=らが昨年9~10月、インターネット上で実施したアンケートで7日までにこんな結果が出た。11、12日に松山市で開く日本禁煙学会と、5月の米国呼吸器学会で発表する。
 川俣助教授らは、インターネットを利用する20~60歳代の喫煙者から1671人を無作為抽出。うち1385人(約83%)から有効回答があった。設問では、現行270~300円が主流のタバコ1箱の価格を300円から1400円まで100円刻みに示し、それぞれ「禁煙するか」「喫煙するか」を聞いた。「500円で禁煙する」と答えたのは47.3%、「1000円で禁煙する」と答えたのは77.4%だった。
 これらの結果から半数が禁煙に転じる金額を計算すると、全体では519円になった。年齢別では20代が550円と最も高く、30代で505円、40代で507円、50代で499円、60代では464円まで下がった。男女の差は目立っていなかった。
 禁煙広報センター(東京都中央区)の調査(昨年12月)でも「1箱500円で51%が禁煙」との結果が出ている。川俣助教授は「米国では、タバコを値上げするのが禁煙に最も有効とされている。今回の調査を国の政策にも生かしてほしい」と話している。


2006/ 2/ 7 「タバコ条約」締約国の初会議、ジュネーブで開幕  (CRI記事

 「タバコ規制枠組み条約」締約国による始めての会議が6日ジュネーブで開幕しました。
 タバコの規制とその措置の強化を主旨とする今回の会議では、WHO・世界保健機関のこの条約実施のための常設事務局の設置が討議されます。
 「タバコ規制枠組み条約」は、2003年の5月に開かれた第56回WHO会議で採択されたもので、2005年2月に正式に効力を発しており、現在までに、113の国がこの条約を承認しました
 WHOの関係者は、「この条約の発効約1年来、条約に規定された措置は、すでに一部の国で実施されているが、すべての締約国が条約の規定に基づき、すべてタバコの箱に喫煙による危害を表示することには3年が必要であり、タバコの広告と販売の促進などを全面的に禁止するには5年かかる可能性がある」と述べました。


2006/ 2/ 7 喫煙による死者、6.5秒に1人  (日経NET記事

【ジュネーブ=市村孝二巳】タバコで6.5秒に1人が亡くなっている――喫煙に伴う健康被害削減をめざす「タバコ規制枠組み条約」の第1回締約国会議が6日開幕した。喫煙による死者を数える「死の時計」を除幕した世界保健機関(WHO)の李鍾郁事務局長は「喫煙による死者は条約交渉を始めた6年前の8秒に1人から、6.5秒に1人へと加速した」と述べ、被害拡大に歯止めをかける規制強化の必要性を訴えた。
 禁煙促進やタバコの広告規制などを盛り込んだ条約は昨年2月27日、57カ国の批准で発効。批准国はその後112カ国に欧州連合(EU)を加え、世界人口の約4分の3まで広がった。17日まで開く会議では条約を執行する常設事務局設置や途上国支援など予算問題、条約の実施状況に関する監視・報告方法について協議する。


2006/ 2/ 7 <タバコ条約会議>世界中で6.6秒に1人死亡 WHO  (毎日新聞記事)

 【ジュネーブ澤田克己】昨年2月に発効した「タバコ規制枠組み条約」の第1回締約国会議が6日、世界保健機関(WHO)本部のあるジュネーブで始まった。開会前に会見した李鍾郁(イジョンウク)WHO事務局長は「タバコが原因となって世界中で6.6秒に1人が死んでいる」と訴え、禁煙の流れを強める重要性を強調した。
 条約の署名国は現在168カ国。会期は17日までで、各国の規制を点検、独立した条約事務局の設置などを話し合う。
 WHOによると、タバコが原因とされる死者は世界で年間500万人弱。タバコ消費が現在のペースで推移した場合には、2020年の死者数は約1000万人に達することが予想されている。 欧州ではアイルランド、ノルウェー、イタリア、スペインがレストランなどでの禁煙を義務づけた禁煙法を施行。アジアでもタイやシンガポールなどが規制を強めており、インドでも広告規制が加えられるようになった。


2006/ 2/ 7 北、偽タバコで187億円 日本製も 製造能力、年20億箱  (産経新聞記事)

【ワシントン=樫山幸夫】ドル紙幣の偽造と並び、北朝鮮による偽ブランドタバコが国際的な問題になっているが、その偽銘柄の製造能力は年間二十億箱以上にのぼり、最大一億六千万ドル(約百八十七億円)が、北朝鮮のフトコロに転がり込んでいる実態が明らかにされた。米のタバコメーカーによる独自の“おとり捜査”によって摘発された例もある。アジアでは日本製を装った偽タバコも出回っているという。
 米国の総合食品会社アルタリア・グループのタバコ部門、フィリップ・モリスの資料などに基づいて、米ウォールストリート・ジャーナルが二十七日、報じたところによると、過去数年来、ニューヨーク、ロサンゼルス、シアトル、オクラホマシティーなど全米千三百カ所で、北朝鮮によるとみられる偽の「マールボロ」が発見された。
 実際の生産量などは、依然ナゾに包まれているが、昨年一年間に米カリフォルニア州で発見、押収された分だけで、十億本にのぼり、米国が大きな市場になっているという。アジアでは「マールボロ」のほか、日本の「マイルドセブン」も“主力商品”で、台湾、フィリピン、ベトナムを中心に出回っている。
 フィリップ・モリスが各国の企業と合同で取りまとめ、米当局に提出した報告書によると、偽タバコによって、北朝鮮当局は、八千万ドルから一億六千万ドルの外貨収入を得ている。この額は、北朝鮮の合法な輸出総額の8%から16%にのぼるという。偽タバコ生産、流通にあたっては、中国や台湾のマフィアからの密接な協力を得ている。
 偽マールボロによって大きな被害を受けているフィリップ・モリスは同様の被害にあっている日本タバコ産業(JT)など他のメーカーと合同で、元情報機関員、元司法機関員らを“捜査員”として採用。司法当局に任せることなく、自ら捜査に乗り出している。
 二〇〇四年には、“密偵”が偽タバコのバイヤーを装って、米国内で活動している偽造関係者のアジア人三人に接触。偽造グループは、この密偵を北朝鮮東海岸の羅清にある偽造タバコ生産プラントに招待、四十万ドルの“商談”をまとめた。その際、偽造グループは偽ドル紙幣の売却も持ちかけたという。フィリップ・モリスは米の捜査当局に通報。グループの三人は偽タバコ製造、通貨偽造の罪で起訴された。
 偽タバコの製造は、偽ドル紙幣と並んで、北朝鮮の有力な外貨獲得源とされているが、北朝鮮はこのほかにも、米国の男性性的不能治療薬の偽造も行っているといわれる。


2006/ 2/ 6 中途半端な価格設定、「美しくない」タバコ税  (日経BP記事

 タバコ税の増税の話で愛煙家の方々はやきもきしていたようだが、結局一箱20円の増税で決着がついたようだ。国全体で約2兆円の実質増税になるらしい。
タバコ税については愛煙家から見ても、嫌煙家から見ても「ひとつ意見がある」話題だ。当然、両者の論点は逆になる。愛煙家から見ればタバコ税は高すぎる。そもそも所得税も消費税も払っているのに、そこからさらにタバコ税をとる。とりやすいところから税金を取るという考え方自体が問題である。
一方で、嫌煙家から見ると日本のタバコ税は安すぎる。例えば、欧米では一箱700円といった、とても高い値段でタバコは売られている。タバコは社会全体で見れば毒だという認識がその背景にある。高くすることで、経済的にタバコが吸えなくなる。吸えないからタバコをやる人の数も減る。社会全体でよい影響がある。
現実のタバコ税の水準はどちらの見点から見ても「美しくない」。タバコ税の存在理由は、税収を増やすことに主眼があり、税の公平性という議論は大命題ではないようだ。あまり上げ過ぎるとタバコを吸わない人が増えるから、許容範囲内ぎりぎりで少しずつ値上げする。徴税の当局は消費財マーケティングの専門家ばりの計算で、需要が落ちないぎりぎりの線を狙ってあげている。
ある調査では、本当は一箱500円にまで上がってしまうと、さすがにタバコをあきらめるという人が結構な人数で出てくるそうだ。そうなれば特に効果があるのは少年少女たちへのタバコの抑制効果であろう。一箱の値段がそこまで高ければ、わざわざ格好をつけるためにタバコに手を染める子供達は減るはずだ。タバコは20歳を過ぎてから。それも金銭に余裕がなければ、わざわざ吸う必要はないという社会が実現するのは、それくらいの上げ幅で値上げをしなければ無理である。
ということで、現在のタバコ税は本当に中途半端。愛煙家から見れば搾取の手段、嫌煙家から見ればタバコの数はほとんど減らないという価格設定なのである。


2006/ 2/ 6 タバコ会社に94億円賠償 米オレゴン州最高裁が命令  (産経新聞記事

≪専門禁煙外来で“卒業”サポート≫
 ちょっとした好奇心や友人に勧められるまま、タバコに手を出し、やめたくてもやめられずに苦しむ子供が増えている。子供の場合は喫煙を始める年齢が低いほどニコチン依存になりやすく、勉強や運動などさまざまな面で大人以上に深刻な影響を受けやすい。子供向けの禁煙外来で治療を続ける専門家は、「しかるより早期の治療が大切」と呼びかける。(中曽根聖子)
 ≪普通の子ばかり≫
 「先生、タバコがないといられない体になってしまいました」
 昨年末、母親とともに静岡県立こども病院の「卒煙外来」を訪れた高校2年の男子生徒は、担当の加治正行医師(内分泌代謝)に訴えた。夏休みに友人に誘われ、なんとなく吸い始めたのに、いつのまにか喫煙量は1日1箱に。半日でもがまんできなくなった自分の症状に気づき、母親に打ち明けたのだ。
 平成14年10月にオープンした子供のための禁煙外来「卒煙外来」。これまでに30人以上を治療した加治さんは、「非行少年や問題児ではなく、ごく普通の子供ばかり。好奇心や軽い気持ちから手を出し、やめられなくなったケースがほとんど」と指摘する。
 特に問題なのは喫煙開始年齢が低いほど、短期間でニコチン依存症になりやすことだ。成人では5-10年程度かかるのに、脳が発達段階にある中学生では2、3週間であっという間に依存状態になることもある。
 ≪カウンセリング≫
 治療は、1時間以上かけた丁寧なカウンセリングから始める。喫煙のきっかけや学校や友人について話し合い、喫煙と受動喫煙の害などを説明。喫煙年齢が若いほど、肺がんなど重い病気になりやすく身長が伸びにくいこと、運動能力が落ちること、老化が早まることを教え、禁煙の必要性を理解してもらうのだ。
 そのうえで、体に張って禁断症状を和らげる禁煙補助剤「ニコチンパッチ」を処方し、その後は電話でサポートを続ける。たいていは1、2週間で禁煙に成功するという。
 「タバコをがまんしていたので修学旅行が楽しくなかった」「タバコ代が足りなくて母親の財布から小銭を盗んだ」…。
 子供たちの悲痛な悩みに耳を傾ける加治さんは、「大人と違って、子供は(生活の中で)喫煙できない時間が長く、イライラが続くと勉強も手につかない。まともな学校生活が送れなくなり、不登校や非行に走る場合もある。総合病院だけでなく全国の小児科で禁煙治療を受けられる態勢が必要」と訴える。
 ≪しかるより治療≫
 「よく来てくれたね」
 山形市の東北中央病院で「中高生のための禁煙外来」を担当する大竹修一医師(放射線科)の診察は、訪れた子供たちを褒めることから始める。
 学校で喫煙が見つかり謹慎処分を受け外来を受診する子供も多いが、処分や罰則では解決にならないのが実情だ。「喫煙はニコチン依存症という病気。インフルエンザを精神力で治せないように、学校や親は処分ではなく適切な治療を受けさせて」と呼びかける。
 また、一度はタバコをやめながら、再喫煙する子供も少なくない。家族や周囲の人の喫煙や、自動販売機で気軽に購入できる環境など、子供は常に喫煙の誘惑にさらされているからだ。
 加治さんは「中高生の喫煙率が減少したとの報告もあるが、深刻なニコチン依存の子は増えている。タバコの害から未来を担う子供を守るのは、大人の責任です」と話している。

 ≪■中高生の喫煙率 大人の低下で大幅に減少≫
 厚生労働省研究班が平成16年に実施した調査によると、中高校生の喫煙率は大幅に減少した。
 1カ月間に1日以上喫煙した中学1年の男子は前回調査(12年)の5.9%から3.2%に、高校3年生では36.9%から21.7%に低下。女子も中1で4.3%から2.4%、高3で16.2%から9.7%に。研究班は、大人の喫煙率の低下や、学校など公共の場での禁煙が進んだことが背景にあると推測する。
【写真】海外のタバコのパッケージには末期の肺がん患者の姿も。パッケージ写真を見せながら説明する加治正行医師=静岡市の静岡県立こども病院


2006/ 2/ 5 禁煙補助剤を使用中にタバコを吸うと危険/韓国  (innolife記事

禁煙のためにニコチンパッチやガム、砂糖を使用しながらタバコを吸うと、深刻な副作用が発生する可能性があることが分かり、韓国消費者保護院が消費者警報を発令した。消費者保護院はニコチン成分が入っている禁煙補助剤を利用しながら、完全に禁煙せずにタバコを吸うと、血中ニコチンが急激に上昇し、副作用が起こる可能性があることを明らかにした。
消費者保護院は体内にニコチンが多ければ、嘔吐やめまい、又は中枢神経系や心血関係に副作用が現われる場合があり、特に運転中は事故の危険性が高いと警告している。また禁煙補助剤は胎児に悪影響を与え、母乳を与えている女性が使用した場合、新生児突然死症候群を引き起こす可能性があると指摘している。


2006/ 2/ 5 喫煙率に数値目標設定へ 厚労省が“再挑戦”  (共同通信記事)

 厚生労働省は5日までに、がんや脳卒中の原因とされるタバコの喫煙率減少に向けた数値目標を新たに設定する方針を固めた。
 2000年から国民運動として始まった「健康日本21」で、厚労省は酒類や塩分摂取量の数値目標を設定、タバコも「成人喫煙率と国民1人当たりのタバコ消費量を半減させる」との具体目標を盛り込もうとしたが、タバコ業界を中心に反対が強く、見送られた。
 厚労省は、近年の禁煙・分煙化を追い風に、あらためて数値目標が必要と判断。有識者による議論で具体的な数値を決めたい考えだが、同省の“再挑戦”に反対の声が上がるのは必至だ。


2006/ 2/ 3 タバコ会社に94億円賠償 米オレゴン州最高裁が命令  (共同通信記事)

【ロサンゼルス2006年2月3日共同】米オレゴン州の男性が肺がんで死亡したのは喫煙の害を十分に知らされていなかったためだとして、遺族が米タバコ大手、フィリップ・モリスを相手に損害賠償を求めた訴訟で、同州最高裁判所は2日、会社側に総額約8000万ドル(約94億円)の支払いを命じた。
 同訴訟では、州高裁が2004年に同額の賠償を会社に命じていた。会社側は「過度の賠償額だ」として上訴、いったんは連邦最高裁で争われたが、連邦最高裁は州最高裁に賠償額が適切かどうかの検討を求めた。
 州最高裁は「喫煙の害を知りながら消費者に告知せず、タバコを販売した責任に照らし適当」と判断した。
 原告によれば、男性は1997年に67歳で死亡するまで約40年間喫煙を続け「本当に危険なものをタバコ会社が販売するはずがない」と、1日平均3箱のタバコを吸っていた。


2006/ 2/ 3 全面禁煙施設を府民へ情報提供=大阪府  (時事通信官庁速報)

 大阪府は、公共施設や民間施設での禁煙化を一層進めていくため、建物内の全面禁煙に取り組んでいる施設について府民に情報提供する。禁煙施設には府が作製した全面禁煙をPRするステッカーを渡すほか、府ホームページで2月下旬をめどに市町村別に公表する。 対象施設は学校、飲食店、スーパーマーケット、百貨店、金融機関、官公庁、美術館やスポーツジムなど。このほか、鉄道駅やタクシー、観光バスの情報も提供する。 ベランダや屋上、食堂や控え室などを含めた建物内が終日全面禁煙であることが条件。ビルのワンフロアや店舗を賃貸している施設の場合、賃貸部分の禁煙でも認めるという。 府が作製したPRステッカーは、(1)禁煙宣言(2)ここは空気がきれい(3)禁煙車―とデザインされた3種類がある。


2006/ 2/ 2 イスラム教指導者は宗教令で禁煙推進を=英医師が呼び掛け  (AFP=時事通信記事)

【パリ2日】英国のイスラム教徒の医師のグループが英医学雑誌ブリティッシュ・メディカル・ジャーナルに寄稿し、中東や東南アジアのイスラム国で喫煙率が極めて高いため、イスラム教聖職者が禁煙のファトワ(宗教令)を出し、喫煙率の低下に協力すべきだと述べた。(写真は喫煙する男性)
 これらの医師らによれば、成人男性の喫煙率はシリア、ヨルダンでは5割以上、インドネシアでは3分の2を超えている。
 イスラム教聖職者はタバコの害に注意を向けないことが多く、イスラムの教えに照らしてタバコが許容されると論じることさえある。しかし、アラブ諸国の一部で最近になってようやく、イスラム法の下で喫煙を禁じる事例が出始めたという。
 医師らは、こうした動きを歓迎しながらも、ファトワだけでは効果が薄く、タバコの広告に対する規制や年少者へのタバコの販売を禁じるなどの措置を併せて講じる必要があると指摘している。


2006/ 1/29 北朝鮮に偽外国ブランドタバコ工場…製造能力年間20億箱  (サンスポ記事)

27日付の米紙ウォールストリート・ジャーナルは、北朝鮮に政府管轄の精巧な偽外国ブランドタバコ工場やアジア系の犯罪組織の工場があり、製造能力は年間計20億箱に上ることが、タバコ企業の独自調査で分かったと報じた。
北朝鮮は世界の偽タバコの主要な供給源で、これを密輸するアジア系の犯罪組織は独自の船団を保有するなど極めて大掛かりな製造・密輸が行われているという。
同紙は日本タバコ産業(JT)などが米捜査当局に昨年、報告書を提出したとし、北朝鮮が偽タバコの密輸業者から得ている収入だけで年間8000万-1億6000万ドル(約93億-187億円)に上るとしている。


2006/ 1/28 「タバコは有毒な大気汚染物質」…米カリフォルニア州  (読売新聞記事)

【ロサンゼルス=古沢由紀子】米カリフォルニア州政府は26日、全米で初めて、タバコの煙を、自動車の排ガスに含まれる物質などと同列の「有毒な大気汚染物質」と位置づけ、健康被害を警告していくことを決めた。
 同州はすでに、飲食店や公共施設内の喫煙を禁じているが、今後は一層厳しい措置がとられることも予想されている。
 同州大気資源局によると、火を付けたタバコから出る煙は、ベンゼンやヒ素などの有害物質同様、「死や深刻な病気の原因になりうる大気中の有毒物質」と定義される。同州政府は昨秋、肺がんや胎児への影響などに加え、女性の乳がん増加と受動喫煙に関連があるとの報告をまとめている。
 同局の公聴会に出席した禁煙推進団体は、子どもが乗っている自動車内の禁煙や、禁煙マンションの建設推進などを要望しており、各自治体で検討していくことになる。


2006/ 1/27 CEO8割「タバコは吸わない」/韓国  (中央日報記事

最高経営者(CEO)はストレスをひどく受ける、というのが一般的な認識だ。04年に中央日報がCEO100人に尋ねた際、65%が「ストレスのため自殺したいという衝動にかられることがある」と答えたほどだ。またストレスは喫煙欲求を引き起こすという。 なら、CEOの多くはタバコを吸っているのか。結果はそうでなかった。
国内100大企業のCEOの8割がタバコを吸わない。 経営専門紙「月刊CEO」が100大上場企業(売上額基準)CEOの喫煙実態を調査した結果、喫煙者はわずか20人であることが分かった。韓国成人男性の平均喫煙率がおよそ5割(保健福祉部が昨年9月発表)である点に比べると、タバコを吸うCEOは一般人よりはるかに少ない。
具滋烈(ク・ジャヨル)LS電線副会長、金淳沢(キム・スンテック)三星(サムスン)SDI社長は禁煙し、申憲K(シン・ホンチョル)SK(株)社長、徐慶培(ソ・キョンベ)太平洋(テピョンヤン)社長は喫煙したことがないという。職員の禁煙を会社レベルで支援している企業は100社中6社にとどまった。


2006/ 1/27 タバコ訴訟で患者敗訴確定 最高裁が上告棄却の決定  (共同通信記事)

 長年タバコを吸ったため肺がんなどになったとして、元喫煙者ら6人が日本タバコ産業(JT)と国に計6000万円の損害賠償などを求めた訴訟で、最高裁第一小法廷(才口千晴(さいぐち・ちはる)裁判長)は26日、患者側の上告を棄却する決定をした。原告の全面敗訴が確定した。
 この訴訟は33-50年間の喫煙歴のある肺がん患者ら6人が(1)タバコが有害と知りながら違法な販売を続けた(2)必要な規制を怠った-として、JTと国に損害賠償などを求めた。1審東京地裁判決はタバコの有害性を認めたが、原告の病気との因果関係は認めず「喫煙者の自由意思で禁煙は可能」と判断。2審東京高裁判決もこの考えを支持した。
 タバコの健康被害をめぐる訴訟では、受動喫煙で被害を受けたとして、東京都江戸川区職員が賠償を求めた訴訟で、区に5万円の賠償を命じた東京地裁判決(2004年、確定)がある。


2006/ 1/26 ピックアップ 「低タールタバコ」ならいいの?  (日経BP記事

 「タバコは健康によくない」と思いつつもタバコを止められない人は多い。そこで、次善の策としてタバコを低タール低ニコチンタバコに替える。タバコを吸う人は、その方が健康への悪影響が少ないと考えているからだ。
 オランダで1975年から1994年の間に、肺がんの発症率とその組織型を年齢別に調べた研究がある(参考文献1)。それによると、特に1920年生まれ以降の男性に、肺腺がんが増加傾向にあるという。米国(同2、3)やスイス(同4)における類似の研究でも、最近、肺腺がんが増加していると報告されている。いずれの研究者もその原因として、1960年頃より広まりだした低タールタバコを挙げている。
 一般にタバコのタールが10分の1になれば体への危険性は10分の1になると思われがちである。しかし、これにはいくつかのカラクリがあるのだ。
 タバコの箱に表示されるタールの値は、人工喫煙装置を用いて測定されたものである。しかし、実際に人がタバコを吸う場合は、この機械と同じようにはいかない。その一つの理由として、タバコが止められない喫煙者、つまりニコチン依存者は、常に血液中のニコチン濃度を一定に保つように喫煙行動を変化させていることが挙げられる。
 ニコチン依存者は、強いタバコから低タール低ニコチンタバコに替えると、吸入されるニコチン量が少ない分、喫煙間隔を短くしたり、煙を深く吸い込んだり、肺に長くとどめたりなどしてニコチンの吸入量が増すように喫煙行動を変化させるのだ(同5、6)。
 しかも、タールが10分の1となっていても、必ずしもその中の発がん物質も10分の1まで減っているとは限らない。ニコチン吸収量を一定にしようと喫煙行動を変化させた結果、かえって発がん物質の吸入量が増加してしまうなどということがありうるのだ。
 また、煙を深く吸い込むと、煙の粒子が肺の奥(腺がんの発生部位)まで沈着してしまう。このことは末梢の肺腺がんが増加している理由の一つとして挙げられている。
 タバコ会社は、低タール低ニコチンタバコの方が健康への害が少ないなどとは一言もいっていない。しかし、彼らはタールやニコチンが少ないということを強調することで、間接的に健康への害が少ないかのような印象を与えている。それにつられて、低タール低ニコチンタバコに切り替えた結果、かえって喫煙本数が増えるようであれば、まさにタバコ会社の思うつぼである。
 さらに問題なのは、低タール低ニコチンタバコ、軽いタバコという印象により、タバコに対する抵抗感が減ることだ。これは喫煙開始の低年齢化を助長する恐れもある。社会への影響も考慮すると、むしろ低タール低ニコチンタバコの方が、問題は大きいかもしれない。
(小内 亨=おない内科クリニック院長)
イラストレーション/川崎のりこ(PLUM GRAFIX)
〔参考文献〕
1) Epidemiology 2001;12:256.
2) J.Natl.Cancer Inst. 1997;89:1580.
3) Cancer 1997;80:382.
4) Cancer 1997;79:906.
5) 日本醫事新報1994;No.3670:132.
6) 日本醫事新報1996;No.3790:99.


2006/ 1/26 タバコ訴訟で患者敗訴確定 最高裁が上告棄却の決定  (共同通信記事)

 長年タバコを吸ったため肺がんなどになったとして、元喫煙者ら6人が日本タバコ産業(JT)と国に計6000万円の損害賠償などを求めた訴訟で、最高裁第1小法廷(才口千晴裁判長)は26日、患者側の上告を棄却する決定をした。原告の全面敗訴が確定した。
 この訴訟は33-50年間の喫煙歴のある肺がん患者ら6人が(1)タバコが有害と知りながら違法な販売を続けた(2)必要な規制を怠った-として、JTと国に損害賠償などを求めた。1審東京地裁判決はタバコの有害性を認めたが、原告の病気との因果関係は認めず「喫煙者の自由意思で禁煙は可能」と判断。2審東京高裁判決もこの考えを支持した。
 タバコの健康被害をめぐる訴訟では、受動喫煙で被害を受けたとして、東京都江戸川区職員が賠償を求めた訴訟で、区に5万円の賠償を命じた東京地裁判決(2004年、確定)がある。


2006/ 1/26 小児の喫煙と映画の喫煙シーンに関連  (Medical Tribune記事)

〔米メリーランド州ベセズダ〕 ダートマス・ヒッチコック医療センター(ニューハンプシャー州レバノン)のJames Sargent博士は,全米の10~14歳の小児を対象に電話調査を行い,映画で喫煙シーンを見る回数の多い小児ほど喫煙を試みる頻度が高いとする結果をPediatrics(2005; 116: 1183-1191) に発表した。
最も少ない小児の2.6倍
 これは,全米の小児を代表するサンプルを用いて,映画の喫煙シーンが小児の喫煙行動に与える影響を調べた初めての調査である。
 小児の喫煙については,家族,友人の喫煙やタバコの広告などの社会的要因の影響が大きいことが以前から明らかにされており,最近ではタバコを吸う有名人の小児の喫煙に及ぼす影響が検討されている。映画の喫煙シーンへの曝露が最も多い小児は,他の因子について調整後の喫煙率が最も少ない小児の2.6倍であった。映画の喫煙シーンへの曝露に関連する喫煙開始リスクの増加は,親か兄弟が喫煙するなどの他の既知の危険因子と同等であった。
 Sargent博士らは,米国立衛生研究所(NIH)の米国立癌研究所(NCI)癌研究センターの助成を受け,小児が映画で喫煙シーンを見た回数と喫煙との関連を検討した。
 映画は1998~2002年に公開された人気映画500本と2003年 1 ~ 4 月のヒット作32本を対象とし,主役または脇
役の喫煙あるいは背景での喫煙を「喫煙シーン」と定義したところ,74%の映画に喫煙シーンがあった。ランダムに抽出した10~14歳の小児6,522人を対象に電話で聞き取り調査を行った。
 調査では,上記の532本から無作為に選択した50本について見たことがあるかどうか質問し,次に今までにタバコを少しでも吸ったことがあるかどうかの質問に対し,「はい」と答えた場合を喫煙したことがあるとみなした。調査対象の小児は平均13本の映画を見ており,そこで平均61回の喫煙シーンを見ていた。ヒスパニック系とアフリカ系の小児は白人小児に比べ,喫煙シーンを見た回数が有意に多かった。
 同博士は「われわれの知見は,米国の小児では映画の喫煙シーンの視聴回数が増えるほど喫煙を試みるリスクが上昇し,この傾向には民族差や地域差は認められなかった」と述べている。
 映画での喫煙シーンを小児が見ないようにする方策として,(1)映画業界に対して喫煙シーンやタバコの商標を自主的に減らすよう働きかける(2)映画評価システムに喫煙の項目を加え,喫煙シーンが小児に及ぼす影響を保護者に認識させる(3)喫煙シーンが多いR指定映画を小児が見ないよう保護者がよく監督するよう勧める-などを提唱している。
小児を保護する有効な方法の検討を
 NCIタバコ規制研究部のCathy Backinger部長代理は「この研究は,映画の喫煙シーンと小児の喫煙に大きな関連があることを示しており,小児の喫煙に影響を及ぼすすべての要因について取り組む必要があることをあらためて示した」と述べている。米疾病管理センター(CDC)によると,成人喫煙者の大部分は18歳未満で喫煙を開始しており,毎日平均約4,000人の若者が喫煙を開始している。
 Sargent博士は「現在,小児のうち640万人以上が小児期に喫煙を始め,死期を早めていることになる。この統計は,小児の喫煙問題への取り組みがいかに重要であるかを如実に示している」と指摘している。
 NCI癌抑制・人口科学部のRobert T. Croyle部長は「今回の全米調査は,映画の喫煙シーンの視聴回数が小児の喫煙の予測因子であることを示した既報を補完する内容で,今こそ回避可能な危険因子から小児を保護する有効な方法を検討すべきである」とコメントしている。


2006/ 1/25 肺癌のリスクは民族と人種で異なる ~大規模コホート研究によると、喫煙による肺癌は、アフリカ系米国人とネイティブハワイアンのほうが白人、日系米国人、ラテン系人よりもなりやすい~  (m3.com記事

訳語付き英語原文
提供:Medscape
Laurie Barclay, MD
Medscape Medical News
Reviewed by Gary D. Vogin, MD
【1月25日】アフリカ系米国人とネイティブハワイアンのほうが白人、日系米国人、ラテン系人よりも喫煙による肺癌になりやすいという大規模コホート研究の結果が『New England Journal of Medicine』1月26日号に発表された。
 「米国の肺癌の発生率は民族・人種群ごとに大きなばらつきがある」と、南カリフォルニア大学ケック医学部(ロサンゼルス)のChristopher A. Haiman, ScDらが記述している。「喫煙習慣についても民族・人種群ごとに大きなばらつきがある。喫煙関連の肺癌リスクは民族・人種群ごとに差があり、黒人およびネイティブハワイアンの喫煙者はその他の群に比べてリスクが大きいことは、これまでの研究である程度は支持されてきた」。
 この多民族コホート研究ではアフリカ系、日系、ラテン系米国人とネイティブハワイアンおよび白人の男女183,813名が対象になっており、試験開始(1993-1996年)から2001年までの8年間の追跡で肺癌症例が1,979例発生した。
 民族・人種群ごとに肺癌リスクは、1日あたりの喫煙本数よって変化した。1日の喫煙本数が30本以下である場合は、アフリカ系米国人とネイティブハワイアンの肺癌リスクが他の群に比べて有意に大きかった。
 1日の喫煙本数が10本以下の群および11本から20本までの群で、アフリカ系米国人と比べた場合の相対リスクの範囲は、日系米国人とラテン系が0.21から0.39(P<0.001)、白人が0.45から0.57(P<0.001)であった。しかし、喫煙レベルが1日あたり30本を超えると、有意差が無くなった。喫煙に伴うリスク差は男女ともに見られ、肺癌の組織型分類には関係がなかった。
 「喫煙者の中では、アフリカ系米国人とネイティブハワイアンのほうが白人、日系米国人、ラテン系人よりも肺癌になりやすい」と著者らは記している。「この知見は、食習慣、職業、教育水準に基づいて評価した社会経済層といった既知または疑われるリスク因子の集団間の差では説明できなかった」。
 この研究の限界としては、自己申告による喫煙レベルに一貫性がない可能性が考えられる点が挙げられる。
 「今回のデータによって、喫煙に伴う肺癌リスクには民族・人種群ごとに差があることがさらに裏付けられた」と著者らは結論で述べている。「喫煙関連肺癌の感受性における集団間差を説明するには、ニコチンおよびタバコの発癌性物質の代謝における集団間の違いを研究することが有用だろう」。
 この研究は米国立癌研究所(NCI)の支援を受けている。著者らの資産公開によれば、関連する利害関係はない。
 関連解説記事において、カリフォルニア大学(サンフランシスコ)のNeil Risch,PhDが、集団間の差における遺伝子の役割を論ずるのは困難であり、観察される人種・民族間のばらつきは依然として理由の説明がつけられないままであると述べている。
 「人種・民族間で存在する遺伝子頻度の違いの中には疾患や治療反応に影響するものもあり、そうした差の存在を否定してもマイノリティ群にとって有益であるとはとうてい思えない」とRisch博士は記している。「しかし肺癌については、公衆衛生学の立場から見れば、遺伝子解析をしても社会経済関連の大きな問題について有益な情報が得られるかどうか不明である。喫煙を止めれば、報告にあった人種・民族群の肺癌発生率は大きく減少し、群間差がなくなるであろう」。
 Risch博士の資産公開によれば、関連する利害関係はないという。
N Engl J Med. 2006;354:333-342, 408-411


2006/ 1/25 タバコの規制に関する世界保健機関枠組条約(タバコ規制枠組条約)第1回締約国会議について  (厚生労働省

※WHOのFCTCのページ http://www.who.int/gb/fctc/

I 日程等
 日程 : 平成18年2月6日(月)~17日(金)
於 : ジュネーブ(スイス)
II 議題(案)
 1. 開会
(1) 役員選出
(2) 議題採択
(3) 一般討論
(4) 暫定手続規則
(5) 参加者の委任状提出
 2. タバコ規制枠組条約暫定事務局の活動報告及びタバコ規制枠組条約の締結状

 3. タバコ規制枠組条約政府間作業部会の報告
 4. 第1回締約国会議において議論する事項
(1) 締約国会議の手続規則
(2) 事務局の指定及び設置、並びに機能
(3) 締約国会議の財政規則及び事務局の財政規定
(4) 初会計年度予算案
(5) 既存及び潜在的な援助の提供元及び制度の検討
 5. 締約国会議において検討しうる追加事項
(1) 報告制度
(2) 第7条及び第9条の実施のための指針
(3) 議定書、付随書及びその改正
 6. 今後の締約国会議の活動
 7. 第2回締約国会議の日程等
 8. 閉会


2006/ 1/24 路上喫煙で指導された人、無視ともに50代が筆頭/鎌倉市  (神奈川新聞記事

 歩きタバコや吸い殻のポイ捨てをやめてもらおうと、鎌倉市が昨年七月から配置した「路上喫煙指導員」。県内自治体初の試みは半年を過ぎた。市は二十代を中心にした若者層が対象の過半数と予想していたが、指導された人、指導を無視する人ともに五十代が筆頭という意外な結果に。市は「社会の中核をなす五十代市民へのマナー普及が、今後の大きな課題になる」と分析している。
 市はJR鎌倉・大船両駅周辺をモデル地区に選定。指導員は週三、四回、平日の午前八時から午後五時までの間の五時間活動している。専用ベストを着て二人一組で回り、歩きタバコやポイ捨てを見かけると、携帯灰皿を手渡すなどして注意を呼び掛けている。
 昨年七~十二月の半年間に、歩きタバコで指導した件数は二千六十三件(鎌倉七百二十一件、大船千三百四十二件)。年齢層別では、五十代が24%、二十代20%、三十代18%と続く。十月から集計を始めた「指導無視」は三カ月で七十二件(鎌倉五件、大船六十七件)で、五十代が28%でトップ、以下四十代21%、二、三十代とも19%となっている。
 「歩きタバコをどう減らすか、その施策の一番のターゲットは、意外にも街のリーダー層である五十代だとわかってきた」と市美化衛生課は頭を悩ます。五十代は携帯灰皿を持つ人も多く、意識が大きく分かれた。「歩きタバコはみっともない、ポイ捨ては恥ずかしいという意識をどう普及させるか、知恵の出しどころ」と語る。
 このほか、昨年五月から始めた吸い殻数の定点調査では、鎌倉は九月の平均五百三十八個、大船は七月の平均六百七十四個をピークに減少傾向にある。携帯灰皿を持つ人が増えてきたことと合わせて、「街の美化に携わる人も増えたが、指導員の効果もあると見たい」と同課は話している。
 県内自治体では、川崎市が四月から罰則を伴う禁止条例を施行するが、鎌倉は「観光地という側面もあり、罰則はそぐわない」と同課。過料徴収のためには大がかりな体制も必要で、先進的に取り組んでいる千代田区では二〇〇四年度に一億八千三百万円を支出し、六割は人件費だった。
 鎌倉市は〇五年度、指導員報酬や啓発用の路上シールなど二百三十四万円を計上。「過料は特効薬ではない」とし、効果的に歩きタバコを減らす方法を模索している。


2006/ 1/23 成人の喫煙率に目標値を検討・厚労省が生活習慣病対策  (日経ネット記事)

 厚生労働省は23日、生活習慣病対策の一環として喫煙規制を強化するため、成人の喫煙率に目標値を設定する方向で検討に入った。2010年には現在の喫煙率を半減させるなどの案が浮上している。
 同省の国民栄養調査によると、成人の喫煙率(03年)は男性が46.8%、女性が11.3%で、いずれも前年より上昇した。このため、生活習慣病対策などを検討する「厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会」で喫煙規制の強化が議論されている。
 23日に開かれた同部会では、委員から「これまでの対策では不十分」「食事規制をしても喫煙規制をしなければ効果なし」などの声が上がり、喫煙率の目標値の設定を求める意見が大勢を占めた。


2006/ 1/23 喫煙がもたらす関節リウマチの機序が明らかに  (Dr赤ひげ記事

 喫煙者に関節リウマチ(RA)発症率が高いことは以前より知られていたが、喫煙によってある種の遺伝形質をもつ人では、免疫系が自己を攻撃するきっかけとなることがスウェーデンの研究で明らかになり、英医学誌「Arthritis & Rheumatism」1月号に掲載された。
 関節リウマチは関節部の炎症に起因する疾患であり、症状が消失することはなく、時に突然増悪を来す。カロリンスカ研究所(ストックホルム)の研究チームは、スウェーデンの早期リウマチ患者930例とリウマチの発症をみていない人383例の血液を採取し比較検討した。
 その結果、ある遺伝形質が認められる喫煙者に、関節リウマチの発症をみる頻度が高いことが判明した。HLA-DRの共有エピトープ(SE)遺伝子のコピーが2個認められる喫煙者は、こうした遺伝子が認められない非喫煙者と比べて関節リウマチの発症率が21倍であった。
 米国関節炎財団最高責任者のJohn Klippel博士は「この遺伝子が認められると、喫煙によって肺の免疫反応を引き起こし、それと同じことが関節でも起こり、身体はこれを侵入者とみなして攻撃しようとして炎症を招く」と説明する。この免疫反応に関わる蛋白(たんぱく)質は、健常者に存在することはまれであるが、関節リウマチ患者は約3分の2に認められる。さらに、この炎症は「突然慢性化し、何カ月も何年も消失することがなく、場合によっては一生続く」という。
 米国の関節リウマチ患者数は推計210万例に上るといわれる。同博士は「今回の結果は新たな治療法の開発に直接寄与するものではないが、関節リウマチの原因究明にあたって洞察を与えるものであり、重要である」と指摘する。またニューヨーク大学内科学および病理学教授のPeter Gregersen博士は「関節リウマチの主な原因および発症実際の発症機序に関して洞察が得られれば、特異的な治療法の開発が有望となると考えられる」と期待を寄せている。
(HealthDay News 1月9日)


2006/ 1/19 健康プラスα 健康注意報:喫煙は治療が必要な“病気”  (日経BP記事

 2005年12月、日本呼吸器学会、日本循環器学会、日本口腔外科学会など9つの学会の共同による、日本で初めての本格的な「禁煙ガイドライン」が発表されました。先進国の中で、日本は禁煙治療に対する取り組みが遅れていましたが、医学界もようやく重い腰を上げたというわけです。
 このガイドラインには、医師や歯科医師が喫煙者に対して行う禁煙指導の方法や、非喫煙者が将来喫煙することを防ぐための“防煙”などについて書かれています。
 禁煙ガイドラインの基本精神は、喫煙を“喫煙病”という病気ととらえ、喫煙者を「患者」とし、日常の診療で診察・治療することにあります。そのため、専門の異なる9つの学会が協力しました。
 喫煙は煙が直接触れる口や喉、肺のがんだけでなく、脳梗塞や虚血性心疾患などの発症リスクを高めます。女性の場合、流産や早産、さらに心身に異常を持つ子どもを出産するリスクも高まるとみられています。
 特に若年層の喫煙は、健康障害が強く発現するとされています。わが国では喫煙開始の低年齢化が指摘されており、中学1年生男子の22%、女子の16%に喫煙経験があるといわれています。
 ガイドラインでは、医師や歯科医師が、日常診療の時間を使い「簡単な禁煙アドバイス」を行うための方針を示しています。わが国では、医療機関での検査や治療のほか、地域や職場における定期健診の機会などを含めると、喫煙者の大部分は1年に1回以上、医師または歯科医師の診察を受ける機会があると考えられます。
 ガイドラインでは、この診察の時間を使い、喫煙者に禁煙を勧めることで、禁煙に成功したり、禁煙に無関心な人に、興味を持ってもらえるチャンスだとしています。こうして、喫煙率を下げるのが狙いです。
 医師が患者に対し禁煙を簡単に指導するために、禁煙ガイドラインでは世界各国で実施されている「5Aアプローチ」という指導手順を紹介しています。診察のたびに「喫煙状況の把握」(Ask)、「タバコ検査と禁煙の勧め」(Advise)、「禁煙の意思確認」(Assess)、禁煙の意思がある患者に対しては「禁煙実行の支援」(Assist)、禁煙をする気のない人に対しては、次回の来院時に、再度禁煙を勧める「動機の強化」、そして、禁煙のフォローアップ(Arrange)を行うというものです。
 また、一般の人の模範になるように、医師や歯科医師に対しても禁煙運動を進めていく方針です。日本の医師の喫煙率は国民全体に比べると低いのですが、欧米各国に比べ、圧倒的に高いのが実情だからです。2004年に日本医師会が調べた結果では、男性医師の21.5%、女性で5.4%が喫煙者でした。
(健康サイト編集部)


2006/ 1/19 愛媛県知事が禁煙の病室でタバコ吸う  (日刊スポーツ記事

 愛媛県の加戸守行知事(71)は19日の定例会見で、松山市の県立中央病院で人間ドックを受診した際、全館禁煙なのに控室だった病室でタバコを吸ったことを明らかにし「極めて不適切だった。反省している」と述べた。県民から指摘があり、公表を決めたという。
 愛煙家の知事は「全館禁煙の認識はあったが、灰皿があったから…。気の弱さかもしれません」と釈明。「これを機にタバコをやめてはどうか」と突っ込まれ「私に禁煙しろというのは極論すれば死ねということ。人に迷惑を掛けないように吸いたい」と答えた。
 会見によると、知事は昨年11月24日朝から人間ドックを受診。午後、医師から診断結果の説明を受けた後、個室の病室で喫煙した。本数は「覚えていない」という。灰皿は病院側が用意していた。同病院は屋外に喫煙場所が2カ所あるが、病院側は「喫煙所でのトラブルを避けるため、やむを得ず灰皿を用意した」としている。


2006/ 1/19 禁煙の県立病院で一服、県民から注意=加戸愛媛県知事  (時事通信記事)

 愛媛県の加戸守行知事は19日の定例記者会見で、自身が定期健診で訪れた県立中央病院でタバコを吸い、それを見た県民から電話で注意を受けていたことを明らかにした。 同病院は2005年春から全面禁煙で灰皿はすべて撤去されているが、知事によると、検診後に食事をした控室で、事務局が準備したらしい灰皿で喫煙したという。 「灰皿があったもので…」とうっかりミスだったことを強調しつつ、「健康増進法で禁煙を勧める病院の設置者として極めて不適切だった」と述べた。 ただ、これを機に禁煙しては水を向けられると、「私に禁煙しろというのは、死ねというに等しい、150万県民は大いに禁煙していただきたいが、私はリラックスの手法として喫煙可能な場所で吸い続けたい」と話していた。


2006/ 1/18 なかなか進まぬ「受動喫煙」対策/福岡  (朝日新聞福岡県版記事

 他人のタバコの煙を吸わされる「受動喫煙」の防止を定めた健康増進法の施行から、2年半以上が過ぎた。公共の場の禁煙化は徐々に進んできたが、飲食店などへの浸透はまだ十分ではない。非喫煙者は成人の7割を占めるが、今も様々な場所で我慢を強いられている。(佐々木英輔)
 「敷地内禁煙」「建物内禁煙」「室内禁煙」「時間帯禁煙」――こんな10センチ四方のステッカーが、福岡市内の一部の店に張られている。
 市が昨年4月に始めた「禁煙協力店・施設登録事業」。店側の申請で書類や図面を審査してステッカーを交付し、ホームページに一覧も載せる。禁煙席があるだけではなく、煙が流れて来ないよう、壁で区切られた空間があることが条件だ。
 市民は事前に店を選ぶことができ、店側も「お墨付き」を得て健康への配慮をアピールできるという利点がある。
 ただ、登録した飲食店は、41店(昨年11月現在)にとどまっている。全部で730ある登録施設の多くは、市が働きかけた医療機関や学校、公民館など。「周知に努めたい」と市保健予防課。
 全面禁煙の場所でも、飲食店は「例外扱い」で残るケースがある。例えば、04年に喫煙室以外は禁煙にした福岡空港。一部の飲食店には喫煙席が残る。廊下との間に壁のない店もある。
 同空港ビルディングは「今年中に壁ができる。ゆくゆくは『完全禁煙』を目指す」と説明する。
 タクシーの禁煙化も、進んでいない。福岡市タクシー協会によると、市内の禁煙タクシーは昨年3月現在で法人、個人合わせて37台。全6千台の1%以下で、街で見つけるのは難しい。
 98年導入の福岡西鉄タクシーの禁煙車は、当時からの10台止まり。「収入に結びつかず、飲酒客とトラブルになるのも難点」と同社はこぼす。
 産業医科大(北九州市)の大和浩・助教授らの調査では、窓を閉めた車内で2人が喫煙すると、粉じん濃度は適正な喫煙室の20倍以上となり、窓を5センチ開けても数倍。吸わない運転手の労働環境上も問題があるという。
 「分煙」の飲食店も、労働事情は同じ。喫煙席に行く店員は受動喫煙を強いられているからだ。
 もちろん、効果が出てきたケースがないわけではない。福岡市の天神、博多駅周辺では、03年10月から「歩きタバコ」が市条例で禁じられた。市が委託した防止活動員10人が巡回、注意している。
 「2万円以下」の過料を適用されたケースは、ない。ただ、市の調査では、禁止前の同年5月は歩行者の3・1%が喫煙していたにもかかわらず、禁止直後の同年11月は0・7%になった。
 福岡市では05年4月から全市立学校が敷地内禁煙になった。昨年度の調査では、方針決定後、少なくとも100人以上の職員が禁煙した。
 「地域の人にもかなり理解いただけている」と市教委。それでも、県全体では公立学校の敷地内禁煙実施率は32・2%で、全国平均の46・3%より低い(05年4月、文部科学省調査)のが実情だ。
 大和助教授は「現状では福岡も喫煙対策は不十分。海外に行けばタクシーは禁煙が普通。飲食店も全席禁煙でないと、受動喫煙は防げない」と指摘した。
【健康増進法】
 03年5月施行。「多数の者が利用する施設を管理する者」に、受動喫煙防止のため「必要な措置を講ずるよう努めなければならない」と定めている。「多数の者が利用する」ならすべて対象で、学校、病院、事務所、飲食店のほか、屋外競技場やタクシーなども含まれる。
 タクシーの受動喫煙をめぐっては昨年12月、運転手らが国に健康被害などの賠償を求めた訴訟の判決があった。東京地裁は請求は棄却しつつ、「禁煙を望む利用者の立場に立つと、全面禁煙化が望ましい」と指摘した。
【写真】禁煙協力店に登録されたラーメン店。入り口に「室内禁煙」のステッカーが張られている=福岡市中央区天神1丁目で


2006/ 1/18 喫煙シーンの悪影響確認  (熊本日日新聞記事)

 映画の喫煙シーンは10代の子供たちがタバコを吸うきっかけになっているので、子供向けの映画からなくすベきだ―。米カリフォルニア大サンフランシスコ校・健康政策研究所のチームはそんな論文を米小児科学会誌12月号に発表した。
 チームは、喫煙シーンと子供の喫煙の関係を調べた42の研究結果を分析。それによると、多くの映画が喫煙を美化しており、喫煙シーンを多く見ていた子供ほど、タバコを吸う傾向が高かった。
 米国映画の喫煙シーンは1950年から90年にかけては減り統けた。その後は急増し、2002年には50年と同水準まで戻った。論文によると、映画の前に喫煙の害を説明する宣伝を上映すると、喫煙シーンの子供への影響を打ち消すことができるという。


2006/ 1/18 歩行喫煙やポイ捨て禁止の条例 4月施行=墨田区  (PJニュース記事

【PJニュース 01月18日】- 東京都墨田区は、環境美化運動の一環とタバコによる火傷の被害や吸い殻のポイ捨てなどの防止を図るために「墨田区路上喫煙等禁止条例」を4月1日から施行する。 同区内の乗降客数の多い駅周辺の3カ所を選んで推進地区とし、キャンペーンなどを通じて喫煙者に協力を求めていく。
 推進地区には啓発パトロールを配備したり、路上の吸い殻数を一定期間ごとに計測するなどして、その効果を確かめ、同条例の違反者には2万円以下の過料に処することができる重点地区を、将来的に同区の中に設ける予定。路上禁煙や美化キャンペーン、路上ステッカー、啓発パトロールなどを駆使して、数多くの人に告知し、喫煙者に理解と協力を求め、より魅力的なまちづくりを目指す。
 墨田区は昨年12月に行われた第4定例会で、墨田区路上喫煙等禁止条例などを含めた4つの条例が可決され、今年1月の「すみだ区報」で住民に告知した。同条例の制定は住民の意見を反映させるため、コミュニティ懇談会やパブリック・コメントなどを実施して、条例素案がまとめられ、同例会の議題に上げられた。
 板橋区や千代田区などでもすでに「路上喫煙等禁止条例」を施行し、路上喫煙地区を設けてパトロール員を巡回させ、路上の吸い殻数が明らかに減少するなど、きれいな街づくりの効果を上げている。
 同区自治振興・女性課林恵子課長は「路上ステッカーなどの予算の問題を詰めながら、3月下旬までに推進地域を設定します。墨田区民だけでなく数多くの人にこの運動を知ってもらい、理解と協力をお願いしたい」と話した。
パブリック・ジャーナリスト (PJ)コーディネーター 佐藤学【東京都】


2006/ 1/17 楽天「禁煙」で最下位脱出だ  (デイリースポーツ記事)

 楽天が今春の沖縄・久米島キャンプで、1、2軍全選手の“禁煙化”に乗り出すことが16日、分かった。
 「喫煙は瞬発力の神経系に影響が出て、動作が鈍くなる。喫煙者には喫煙をやめるように呼びかけたい」と金崎コンディショニングコーチ。13日には新人11選手に「タバコの害」について講義。1、2軍選手にも同様の講義を行うなどし、最終的には喫煙する選手をゼロにすることを目指す。
 昨年9月、三木谷オーナーが禁煙。そこから米田球団代表ら球団幹部にも、オーナー直々に禁煙指令が下された。フロントは既に禁煙派が主流となっている。
 フロント、チーム一丸となって楽天が禁煙活動に取り組む。


2006/ 1/14 禁煙タクシーじわり増加/長崎  (朝日新聞長崎県版記事)

 ●受動喫煙イヤ苦情多く
 禁煙タクシーを導入するタクシー会社が増えている。大村市の合同タクシー(酒井三郎社長)でも、昨年12月から1台の禁煙タクシーを走らせ始めた。同市内(5社、138台)では初の導入。03年5月に受動喫煙の防止措置が義務づけられた健康増進法が施行され、対応の遅れが指摘されてきたタクシー業界だが、県内でもようやく対策に本腰を入れ始めた。
 同社の禁煙タクシーは、車の前後と左右の扉に禁煙のマーク、屋根に禁煙表示灯をつけた。運転するのはタバコを吸わない乗務員だ。「禁煙車と知らずにタバコに火をつける客がいると、その都度ご遠慮願っています」と話す。
 ●大村の会社『時代の流れ、差別化を』
 禁煙タクシーを導入すると、乗務規約に基づき運転手は喫煙の中止を求めることができ、乗客が応じない時は、乗車を拒否することができる。
 導入のきっかけは、乗客の苦情だった。同社では7年前から、体にハンディのある人を介護する「絆(きずな)」というタクシーサービスを始めた。ホームヘルパー2級、3級の資格を持つケアドライバー23人がいるが、高齢者や病院通いの健康弱者から「車内がニコチンくさい」という意見が多く寄せられた。
 酒井辰郎専務は「利用者には子どももいる。医療関係者からも禁煙車を求められた」。
 産業医科大(北九州市)の調査で、車内でタバコを吸うと浮遊粉じん濃度は国の環境基準の12倍になり、元の状態になるのに1時間かかることが分かった。喫煙した人の後に乗る人や、乗務員の受動喫煙を明確に裏付けるデータだった。
 酒井専務は「自家用車が普及すればタクシーの需要は減る。その中で、時代の要求に応えて選ばれるタクシーを目指す。今後、口コミで評判が広がれば台数を増やしていきたい」と抱負を語る。
 国土交通省の調べでは、05年3月末現在、全国の禁煙タクシーは27万703台中5364台と2%程度。県タクシー協会によると、県内でも3289台中92台(2・8%)にとどまっているが、導入する会社は04年の6社から05年は26社に増えているという。
【写真】車の上に禁煙の表示灯がついたタクシー=大村市協和町で


2006/ 1/14 <JR九州>07年3月めどに全特急列車の喫煙席を廃止  (毎日新聞記事)

 JR九州は、07年3月をめどに全特急列車の喫煙席を廃止し、他の列車も含め全席禁煙にする方針を決めた。全列車で廃止するのはJR北海道についで2社目。同社は「乗車時間はそう長くない。愛煙家の方にもぜひ理解してほしい」と話している。
 JR九州では、「リレーつばめ」や「かもめ」など計71編成の特急に喫煙席の車両がある。一方、「有明」や「ゆふいんの森」など計21編成は座席とは別に喫煙ブースを設けており、04年3月に運行開始した九州新幹線「つばめ」や特急「はやとの風」は車両内全面禁煙としている。
 日本循環器学会など9学会でつくる委員会が昨年2月、JR各社へ車両を含めた全施設での禁煙を求める要望書を提出。利用者からも全面禁煙の要望が多く寄せられており、JR九州は全席禁煙を決めた。
 ただ、小倉、大分と宮崎を結ぶ「にちりん」など乗車時間が長い特急は、喫煙席を廃止する一方、喫煙ブースを設置することも検討している。東海道、山陽新幹線は、喫煙デッキの灰皿は一部撤去したが、喫煙車両の廃止には至っていない。


2006/ 1/14 JR九州 全席禁煙へ 来年3月 「におい不快」要望受け  (西日本新聞記事)

 JR九州は十三日、二〇〇七年三月に列車の喫煙席を全廃する方針を明らかにした。タバコの煙による不快感や健康被害を指摘する乗客の要望に応える。JRグループの全席禁煙は、北海道に次ぎ二社目。
 JR九州によると、全五百三十八車両のうち、普通列車と九州新幹線「つばめ」や特急「はやとの風」などは既に全席禁煙としているが、「かもめ」や「リレーつばめ」など大半の特急の計七十一両は今も喫煙車両。禁煙化に傾く時代の流れに加え、利用客から「喫煙車両からのにおいや煙をどうにかして」などの要望が年間二百件程度寄せられており、全廃に踏み切ることにした。
 ビジネス客など喫煙者の利用が減る可能性もあるが、都市間の特急の乗車時間が新型車両導入などで短縮されていることなどから理解を得られると判断。乗車時間が長い列車や主要駅に喫煙場所を整備するなどして配慮したいとしている。
 列車の禁煙化をめぐる動きは全国的に広がりつつあり、JR北海道が今年三月までに全席禁煙とするほか、JR東日本が昨年十二月に長野新幹線の喫煙車両を廃止した。


2006/ 1/13 日本政府 たばこ産業の大口投資家として利害対立を招く  (ColorsNews記事

 近代医学で10年以上も前に誰もが納得したことに一見矛盾するが、日本のある裁判所は、喫煙の依存性は弱く、肺ガンなどの致命的な疾患を引き起こすという決定的な証拠はないと述べた。この発言は、たばこ産業の大口投資家と公衆衛生責任者という、日本政府の信頼性を欠いた二面性を浮き彫りにしている。
 6月22日、東京高等裁判所は、患者らが日本たばこ産業(JT)とその大口投資家である国を相手取り、病気の過失責任を求めた集団訴訟の控訴審判決において、原告の訴えを棄却した。判決は被告側の主張を支持。喫煙には強い依存性があるという考えに疑問を呈し、喫煙と致命的な疾患を関連付けた膨大な医学研究は、科学的に明確ではないとの見解を示した。
 この判決は、日本のメディアにはほとんど波紋を呼ばなかった。そこでこの判決についての反応と見解を、たばこと健康問題に関連のあるカナダと日本の団体から集めることにした。インタビューに応じたのは、ブリティッシュ・コロンビア州(BC州)肺協会の代表者、カナダのたばこ利益団体の広報担当者、日本の反たばこ団体の主宰者、JTの海外事業部門子会社でカナダ現地法人の広報担当者の4人である。
<ブリティッシュ・コロンビア(BC)肺協会>
 ベーダ・ピーターズ氏は、BC肺協会のたばこ教育コーディネーター。結核の脅威に対抗するため活動を始めた肺協会は、100年以上の歴史を持つ。結核の治療や抑制が可能になった現在は、肺の健康に焦点を当て、喘息、たばこ、大気環境など、結核以外の問題にも取り組んでいる。
——喫煙が健康に及ぼす影響についてお聞かせください。
話が長くなりますよ(笑) 疑いようもなく、大抵の人は喫煙が肺ガンの原因となることを知っています。肺ガン全体の約87%、ガン全体の30%の発生原因は喫煙です。慢性閉塞性肺疾患では約90%、心疾患では約30%が喫煙に関連しています。受動喫煙は、肺ガンの原因の第2位です。そして、非喫煙者における副流煙とその他の疾患の関連を調べる新たな研究は常に行われています。受動喫煙は、肺疾患や慢性閉塞性肺疾患のリスクを高めます。
——たばこの依存性は覚せい剤やアルコールに比べて極めて弱いと、JTは言っています。
それは間違いでしょう(笑) ニコチンは、世界で最も依存性の高い物質のひとつです。ニコチンには短時間の覚醒作用があり、その後、若干長めの鎮静作用があります。イライラしているときには落ち着かせてくれ、落ち込んだときは気分を高揚させてくれます。他のどんな薬物もこうはいきません。やめるのは非常に難しく、あっという間にやめられなくなります。ヘロイン中毒者でも1日に25回は使いませんが、毎日15本吸う喫煙者は、1本当たり10〜12回ふかすので、1日あたり約150回ニコチンを吸っていることになります。1日に150回も薬物を使用するのは喫煙者以外考えられません。
——JTは、喫煙と疾病を関連付ける潜在的な生物学的メカニズムは、十分に解明されていないとしています。
医療界では、たばこが先進国における最大の死因であることに何の疑いも持っていません。
——日本の財務省は、喫煙と健康に関する適切な情報提供が大切なことは認めていますが、たばこの消費削減や禁止を求めるものではないとしています。
喫煙は蔓延しています。たばこにより年間500万人が死亡しています。私たちが何もしなければ、2030年までには年間1000万人が死亡し、たばこは世界最大の死因になります。
——カナダでのたばこ問題に関して、何がなされるべきだとお考えですか?
私たちは正しい方向に向かっていますが、やるべきことはまだあります。そして、たばこ業界がしようとすることに対し、警戒を怠らないことです。彼らは権利の問題を持ち出してくるんです。「人々には喫煙する権利がある」と。
<カナダたばこ製造業者協会(CTMT)>
 デイブ・ローンドリー氏は、カナダたばこ製造業者協会(CTMT)の広報担当者。同協会は、カナダの三大たばこ製造会社であるインペリアル・タバコ・カナダ、ロスマンズ・ベンソン&ヘッジズ、JTI-マクドナルドを代表するたばこ業界団体。CTMTは現在、喫煙健康被害に対する医療費の損害賠償請求を認めるBC州法をめぐり係争中。
——喫煙が医療費の増加につながっているとする意見があります。
喫煙すれば、多くの病気にかかる危険性は高まります。その点で異論はありません。医療費に関していえば、数字の出し方はそれほど簡単ではありません。禁煙活動家は、病気にかかった人が喫煙者なら、それが原因だと決めつけるんです。しかし、ある特定の病気とある特定の原因を結びつけるのは大変難しいことです。
——BC州政府は、カナダのたばこ会社に対する訴訟を続けていますね。
カナダのたばこは、長年政府により厳しく規制されてきました。我々から見れば、政府はたばこ業界の代表者です。第一に、政府が商品を合法と認め、定められたすべての規則の下で、たばこは栽培されて製品化され、流通により市場に出されて販売されるのです。最後に利益の大部分を得るのは政府です。たばこ会社が得る利益の8〜10倍の利益を政府が持っていくんです。政府自らが許可したことをそのとおり行っているにもかかわらず、たばこ会社を訴えるのは、まったくの筋違いだとしか言いようがありません。
——フィリップ・モリス社は最近、喫煙が肺ガンの原因となることを認めました。
喫煙と多くの疾患には、直接的な相関関係が存在します。肺ガンは、最も直接関連がある病気だと思います。
——喫煙には精神依存性があるでしょうか。
喫煙が依存行為であることに、疑いの余地はありません。
——受動喫煙が、非喫煙者における肺ガンや心臓病、その他の疾患の原因になるという考えについて、どのような見解をお持ちですか。
それはどの研究に目を向けるかという問題です。ヨーロッパとアメリカで大きな研究がいくつかなされていますが、結果は明確には出ていません。私が思うに、陪審員はまだそれを知らないようです。
——ご自身は喫煙されますか?
いいえ、吸いません。吸ったこともありません。
<たばこと健康問題NGO協議会>
 島尾忠男氏は、たばこと健康問題NGO協議会の会長。同協議会の加盟団体は、財団法人結核予防会、財団法人心臓財団、財団法人日本対ガン協会等の計8団体。協議会の目標は、国民の喫煙率を低減させ、「たばこのない社会」を実現することだ。今回のインタビューでは、島尾氏個人の見解として回答を得た。
——JTと国を訴えた喫煙者に対する東京高裁の判決には、JTおよび財務省の見解との共通点が見受けられますが、判決には外部からの影響があったとお考えになりますか。
分かりません。財務省とJTは被告として一体であると思います。
——JTは、日本の肺ガン死亡率と喫煙者率の推移について、「多くの点で一致」せず、世界のデータを見ても、喫煙率と肺ガンによる死亡率との間には「必ずしも相関関係はありません」としています。
喫煙率は低下しているのに、肺ガンが増えていても矛盾ではありません。最近の肺ガン死亡率の増加には、人口の急速な高齢化も影響しています。
——財務省は、たばこを「アルコールなどと同様の合法的な個人の嗜好品」と位置づけています。
受動喫煙の影響を考えると、分煙は絶対必要です。
——政府が世界第3位のたばこ会社の株の過半数を保有することについて、倫理的観点からどのようにお考えになりますか。
倫理的には良いこととは思っておりません。
——たばこを社会から一掃しようとする場合、実現には何が必要でしょうか。
喫煙者がいる以上、その存在は否定できませんが、宣伝活動は厳格に規制すべきだと思います。
<JTI-マクドナルド>
 ジョン・ウィルドガスト氏は、JTI-マクドナルドのアメリカ地区広報・渉外責任者。JTI-マクドナルドは、インペリアル・タバコ、ロスマンズ・ベンソン&ヘッジズに次ぐ、カナダ第3位のたばこメーカーで、JTの完全子会社。そのJTの大口株主は日本政府である。JTI-マクドナルドは、エクスポートA、キャメル、ウィンストン等の有名銘柄を販売している。1858年にモントリオールで創業したマクドナルド・ブラザーズ・タバコは、1974年、RJR-マクドナルドに社名変更した。同社が1999年にJTI-マクドナルドとなったのは、JTインターナショナル(JTI)がRJRインターナショナル(RJRI)を買収したからである。
——喫煙が肺ガンや心臓病、その他疾患の原因となることは、広く認められています。JTI-マクドナルドの見解をお聞かせください。
成人には喫煙するかどうかを選択する自由があると、我々は考えます。喫煙のリスクを理解していないのなら、誰も喫煙すべきでないとも考えています。
——喫煙の依存性について、JTI-マクドナルドはどのように考えますか。
政府の保健機関は、喫煙には依存性があるとしてきました。依存という言葉が一般的に使われ、やめられないというリスクを喫煙者が犯しているからです。
裁判所が下した判決と、JTが自社ホームページで示している見解、財務省の見解には著しい類似性が見られる。JTにおける政府の出資比率は財務省の管轄であるため、この類似性は一部に倫理的な疑問を投げかけてきた。
たばこと健康問題NGO協議会の島尾忠男氏は、日本政府によるJT株の大口保有に疑問を呈した。JTは、日本のたばこメーカーの中でも独占的な地位にあり、世界でも第3位に位置するたばこ産業の複合企業体だ。一方、BC肺協会のビーダ・ピーターズ氏は、ここカナダでも倫理的なジレンマが大きいと示した。
 「ここでも同様です」とピーターズ氏は続ける。「カナダ農業公社とカナダ輸出開発公社は、政府がたばこを輸出して、利益をすべて回収することのは必要なことだと主張します。一方、カナダ保健省は、問題に目を向けろ、政府はそんなに利益を必要としていない、と言っているんです」
 「研究によれば、12歳でたばこを2本吸うと生涯を通して喫煙する確率は85%です」とピーターズ氏は話す。
 「喫煙の代償は、どんな税収をもはるかに上回っています。政府がたばこから得るいかなる収入よりも、損失はずっと大きいのです。社会的にも、医療的にも」とピーターズ氏は続ける。「喫煙で家族を亡くした人々が、たばこを有益だと認めるなどとは考えられません」


2006/ 1/13 JR北海道が3月のダイヤ改正に合わせ、道内特急列車を全面禁煙  (BNN記事)

JR各社で初の実施。
 JR北海道は3月18日のダイヤ改正実施に伴い、道内発着特急列車の全面禁煙化を実施する。
 同社はすでに「スーパーホワイトアロー」や「すずらん」などの1部特急や普通、快速列車を禁煙としているが、全面禁煙化はJR各社で初の取り組み。
 新たに禁煙となるのは「スーパーおおぞら」「まりも」「スーパーとかち」「とかち」「スーパー北斗」「北斗」「スーパー宗谷」「サロベツ」「利尻」「オホーツク」の10列車。
 道内と本州を結ぶ直通列車は「はまなす」が禁煙となり、「スーパー白鳥」や「北斗星」などは現行通り。
 同社では約2億2,000万円を投じ、タバコのにおいが染み付いたカーテンや座席の取り換えなどを行う。
【写真】ダイヤ改正後、全面禁煙となる特急「スーパー北斗」


2006/ 1/12 50万人の禁煙手助け 法施行1年のイタリア  (共同通信記事)

【ローマ12日共同】イタリアの飲食店などを対象にした禁煙法が施行されてから10日で1年。バー、レストランでの喫煙客だけでなく、喫煙を見逃した店側にも罰金が科される厳しい法令に当初は反対の声も強かったが、保健省は同日「1年間で50万人以上がタバコをやめ、心筋梗塞(こうそく)の患者も減った」と効用をアピールした。
 同省によると、タバコの年間売り上げは1年で5・7%減少。タバコ店協同組合は同10・5%減ったと主張している。罰金を払わせられた人は112人だった。


2006/ 1/12 ナースにも「卒煙」の波…院内に支援チーム  (読売新聞記事

 喫煙率の高い看護職の職場で、ナースたちの禁煙を後押しする動きが広がっている。
 病院内に禁煙サポートチームが誕生したり、携帯電話に禁煙のアドバイスメールを送信するサービスが登場したり。「健康を守る専門職として禁煙は不可欠」と、日本看護協会(東京)も対策に本腰を入れている。(板東玲子)
 埼玉県春日部市にある「春日部中央総合病院」で看護部副部長を務める竹内由美さん(45)は2004年12月、20年以上続いた喫煙生活に終止符を打った。就職後、夜勤中に先輩ナースから勧められたのがきっかけで、1日20~30本を吸っていた。「夜勤時には15時間以上の労働になる。一休みした、という実感が欲しくてついタバコに手が伸びた。禁煙したいという思いは常にあった」と竹内さん。
 禁煙を決意したのは02年10月。病院内に看護職の禁煙を支援する「チームニコレット」が発足し、管理職の一人としてメンバーに選ばれたのがきっかけだった。
 竹内さんはまず生活を振り返り、いつ、どこで喫煙したかを記録してみた。すると、食後や自宅の“定位置”に座った時など、吸う時間や場所が自覚できるようになった。そこで、食後に一服出来ないよう用事を作るなど、「吸うスキを与えない」生活を実践し始めた。徐々にタバコの数は減り、「卒煙」できた。
 「タバコは生活習慣。だから生活を見直すことが大事」と竹内さんは話す。
 検査技師などを含む3人で運営するチームニコレットでは、看護職を対象にしたタバコの学習会を開いたり、禁煙希望者のカウンセリングを行ったりしている。禁煙補助具のガムやパッチは推奨せず、禁煙希望者の生活習慣や意識を変える手伝いをするのが特徴だ。こうした活動の効果もあって、同病院での看護職の喫煙率は02年の38%から05年には27%に下がった。
 インターネットを使い、ナースの禁煙支援に取り組む民間団体もある。「禁煙マラソン」では、昨秋から「ナース禁煙マラソン」を始めた。携帯電話やパソコンに禁煙のアドバイスや励ましのメールが約6か月間、定期的に届くサービスで、現在20~60歳代の約100人が利用中。
 先輩らの経験談や助言が得られる掲示板などもある。学生を含む医療従事者の女性が対象で料金は無料だ。
 10代から喫煙してきた女子看護学生(28)は、昨年10月からこのサービスを利用し始めた。「つらいのは私だけじゃないと実感でき、頑張れる」と話す。
 禁煙マラソンの主宰者で、奈良女子大教授の高橋裕子さんは「禁煙は孤独なマラソンと似ている。つらい時、我々のアドバイスを力にかえて、吸わずに過ごすさわやかさを手に入れて」と言う。
 看護師など57万人が会員となっている日本看護協会では、02年から禁煙支援リーダーの育成を行っている。これまでに274人が誕生し、それぞれが勤務先の病院などで禁煙支援活動を行っている。
 同協会が01年に女性看護職約6500人の喫煙率を調べたところ、一般の成人女性の約2倍にあたる24%であることがわかった。これを重く見た同協会では、06年までにこの数字を半減させることを目指している。リーダー育成もその一環だ。
 昨年、女性向けの禁煙指南書として作った小冊子「ストップスモーキング!―やめた人からキレイになれる」(168円)もこれまでに約5万冊が出るなど、タバコをやめたい女性に一役買っている。
 「看護職は人の健康を守る立場にある。そうした意識と責任感を持って禁煙対策に取り組んでいきたい」と同協会理事の漆崎育子さんは話している。
【写真】「地域での禁煙支援も積極的にやっていきたい」。「チームニコレット」のメンバーと共に意気込む竹内さん(左)(埼玉県春日部市で)携帯にアドバイスメールも


2006/ 1/10 室内禁煙の州法また可決 ニュージャージー  (U.S. FrontLine記事

 東部ニュージャージー州議会は9日、オフィスや飲食店など公共の室内空間での喫煙を原則的に禁じる法案を賛成多数で可決した。コーディ知事代行の署名から90日後に施行される。
 ロイター通信によると、国内ではニュージャージーのほか、ニューヨークやカリフォルニアなど少なくとも9つの州で同様の法案が可決されている。


2006/ 1/10 小中生に禁煙指導/静岡  (朝日新聞静岡県版記事)

 静岡市で、喫煙の低年齢化を防ぐため、小中学生向けに、タバコの害を訴える講演活動が25校で開かれた。受講した約6400人の小中学生らは真剣に耳を傾け、終了後には「大人になってもタバコは吸いません」などと感想を寄せていた。(中野渉)
 「一生タバコを吸い続けたとすると、そのお金でベンツも買えるんです。タバコで健康を害するのと、車を買うのと、どちらがいいですか」
 昨秋、静岡市葵区の市立麻機小学校で開かれた講演会。講師の花村一男さん(64)がそう尋ねると、体育館に集まっていた5、6年生約220人の中から「くるま」と大きな声が上がった。
 花村さんは、腹話術の人形「健康ケンちゃん」を右手に持って説明した。また、タバコを長年吸っていた人の黒く変色した肺と、吸っていなかった人の鮮やかなピンク色の肺の写真を並べて見せた。
 さらに、タバコで病気になった時の疑似体験を児童にさせた。のど仏を切除して会話ができなくなったり、半身不随になって体の自由が利かなくなったりした場面を再現させてみるなど、子どもでも理解しやすいように工夫していた。
 最後に、花村さんが「将来、それでもタバコを吸いたいと思いますか」と問いかけた。すると多くの児童は、「思いません」と大きな声で答えていた。
 花村さんは、市民団体「タバコと健康の会・静岡」(代表世話人・林弘文静岡大名誉教授)の世話人だ。同会は84年に発足し、約70人の会員がいる。花村さんは、タバコの害についての講演を約15年間続けてきた。
 この講演活動は、「市民主体の健康づくり」というテーマで静岡市が募った今年度の「協働パイロット事業」に選ばれた。昨年9月から12月にかけ、市内の小中学校25校で、子どもたちにタバコの害を訴えた。
 花村さんは33年間、静岡市葵区両替町のステーキハウス「ブル」を経営してきた。店は、喫煙をめぐって客が口論したことを契機に、23年前から全面禁煙にしている。
 花村さん本人も元々は喫煙者だった。しかし約25年前、たまたま禁煙していた際に小児ぜんそくを患っていた長男の症状が和らいだ。それからは一切吸うのをやめた。
 花村さんは「講演では、子どもがタバコへの関心を持つ前に、体に害があることを教えたい」と語った。
 講演の後には、いつも児童や生徒に感想文を書いてもらっている。「将来、タバコを吸わない人と結婚します」という少女の文もあった。
 協働パイロット事業を担当する市の市民生活課によると、この講演活動は好評だったので、来年度も継続される可能性が高いという。
【写真】腹話術の人形を使い、タバコの害について小学生に話をする花村一男さん=静岡市葵区の市立麻機小学校で


2006/ 1/ 9 反タバコ法の施行でレストランの喫煙者を逮捕 スペイン  (ロイター記事)

[マドリッド 9日 ロイター] スペインで反タバコ法が施行された翌週、警察はレストランの禁煙席から移ることを拒否した喫煙者を逮捕した。地方当局が月曜日に発表した。
北部ナヴァール州の地方政府が発表した声明によれば、警察は39歳の男性を逮捕し、罰金240ユーロ(およそ3万3200円)を科したとのこと。
国民一人あたりのタバコ消費量はヨーロッパで第二位のスペイン。公共空間での禁煙の実施にあたり、苦しい戦いに直面している。
1月1日に反タバコ法が施行されたが、禁煙にするかしないか選択することが許されているマドリッドの小さなバーでは、だいたい無視されている。
面積100平方メートル以上のバーおよびレストランは、禁煙席を設けなければならない決まりになっている。


2006/ 1/ 5 ワシントンでも禁煙条例可決  (時事通信ニュース速報)

【ワシントン4日時事】米ワシントン市議会は4日、レストランやバー、職場での喫煙を禁止する条例を可決した。禁煙措置の一部は今春にも施行されるが、ナイトクラブなどでの喫煙は来年1月1日まで認められる。
 ニューヨーク市が2003年3月から、飲食店を含む全面禁煙を実施。イリノイ州シカゴ市議会も昨年12月、禁煙条例を可決するなど、米国の大都市で禁煙条例の導入が相次いでいる。


2006/ 1/ 4 成人喫煙率の目標値設定、議論再び? 厚労省チーム試算  (朝日新聞記事)

 成人の喫煙率に国として目標値を定めるべきかどうか――。こんな議論が厚生労働省内で交わされている。6年前、タバコ業界や自民党内の反対で実現しなかったが、厚労省が健康政策見直しのための作業チームを立ち上げて検討を進めていく中で議論が再燃。国際的にタバコを規制する機運が高まるなか、目標値設定案が再浮上しそうだ。
 国は00年、国民の健康づくり施策として、10年後の目標値(70項目)を定めた「健康日本21」を作成。この際、「成人喫煙率の半減」を盛り込むことが検討されたが、「国が統制すべきことではない」「タバコは大人の嗜好(しこう)品」などの反対意見が出て見送られ、未成年者の喫煙率を10年までにゼロにする目標が設けられた。
 05年度は健康日本21を評価することになっており、厚労省は研究者らでつくる作業チームを立ち上げ、見直しに着手。糖尿病などの生活習慣病対策に力を入れ、中長期的に医療費を抑制する狙いもあり、成人喫煙率を加えるかどうか、どれぐらいの目標値を設定することが可能かの試算も始めている。
 03年の国民健康・栄養調査(対象は4160世帯、約1万人)をもとに、喫煙者のうち禁煙を希望している人たちをすべて禁煙させることができれば、喫煙率は男性で03年の46.8%から10年には29.6%、女性では11.3%から9.2%に下がるとみている。
 作業チームでは、今年3月までに見直し案をまとめて厚労省の部会に報告。部会が目標値の設定を決めれば、具体的な検討に入ることになる。
 タバコ規制をめぐっては昨年2月、世界保健機関(WHO)が主導した枠組み条約が発効し、日本も批准。政府は省庁連絡会議を立ち上げ取り組みを強化し始めた。厚労省の部会は昨年8月、中間とりまとめで「数値目標の設定の検討も含め、国民全体の喫煙率の低下を目指すべきだ」としている。


2006/ 1/ 4 受動喫煙は目にも悪い  (熊本日日新聞記事)

 欧米で50歳以上の失明原因の第1位である加齢黄斑変性症(AMD)の発症割合は、受動喫煙によって高まるとする研究結果を、英ケンブリッジ大の研究チームが英眼科学会誌に発表した。
 AMDは網膜の中心で細胞が壌死(えし)したり血管ができたりする病気。日本でも近年、増加傾向にある。チームはAMDの患者435人と患者でない280人について喫煙歴などを調べた。
 その結果、非喫煙者が5年間喫煙者と同居すると、AMDの発症割合は倍増することが分かった。一方、1日1箱以上、40年間吸い統けた喫煙者は発症割合が非喫煙者の3倍も高かった。喫煙者も禁煙すれば、発症割合は下がりそうだという。


2006/ 1/ 3 スペインで禁煙法施行、喫煙は寒空の下で  (ロイター記事)

[マドリード 1日 ロイター] スペインで1日、新たな禁煙法が施行され、元旦に働く喫煙者らは、いてつく路上での喫煙を強いられた。一方、タバコの煙が立ち込めるマドリードの典型的なバーではこの法律はほとんど無視されたかたちだ。
 市場調査会社のユーロモニターによると、スペインは1人当たりのタバコ消費量がギリシャに次いで欧州第2位となっている。職場での喫煙者も多い。
 1月1日施行の禁煙法で対象となったのは、職場や病院、学校、ショッピングセンターなど。敷地面積が100平方メートルを超えるバーやレストランは禁煙エリアを設けなければならない。
 一方、100平方メートル以下の小規模店では禁煙化は店舗の判断に任せられ、他の欧州諸国の類似の禁煙法より規制はかなり緩い。
 しかもスペインではこうした小規模なバーがほとんどだ。
 マドリードのクリニコ病院の事務担当者は「禁止されたからといってタバコをやめるつもりはない。禁止されると一層やめたくなくなる」と述べた。
 この禁煙法は、人口全体の3分の1という喫煙者人口の削減を狙っており、タバコ広告も禁止する。また、購入可能年齢も16歳から18歳に引き上げる。
【写真】1月1日、スペインで新たな禁煙法が施行された。写真は、法律を受けて外で喫煙する男性


2006/ 1/ 2 欧州屈指の喫煙国スペイン、公共の場の禁煙を実施  (CNN記事)

マドリード──1人当たりのタバコ消費量がギリシャに次いで欧州第2位のスペインで1月1日、禁煙法が施行され、職場や病院、学校、交通機関内など、全国の公共場所が禁煙となった。政府は、禁煙法の導入によって約3割の喫煙率を、今後2年間で5%削減したい考え。
敷地面積が100平方メートルを超えるレストランやバルなどの飲食店では、今後8カ月以内に、換気装置を備えた喫煙室の設置が義務付けられる。一方、100平方メートル以下の小規模店では、禁煙化は店舗の判断に委ねられるが、喫煙可能か禁煙かを明確に表示する必要がある。
空港や劇場では、喫煙場所の設置が義務付けられる。
また、タバコ広告も規制するほか、購入可能年齢を16歳から18歳に引き上げる。
禁煙法が成立した直後に政府が実施した調査では、回答者の77%が禁煙法を支持した一方で、69%が実効性に疑問を持っていた。
スペイン政府によると、同国内の死因のトップはタバコとなっている。
毎年、タバコに関連する疾病で約5万人が死亡し、受動喫煙による死者も700人に達しているという。
欧州ではすでに、アイルランドやスウェーデン、ノルウェーなどで禁煙化が進んでいる。しかし、スペインが導入した禁煙法は、喫煙率などを考慮し、他国よりも緩やかな規制となっている。


※赤字部分は当方の追加・注記です。