★ タバコ関連ニュース2003年 ★


2003/12/27  今度は東名高速で喫煙運転 不祥事相次ぐ京福バス (共同通信ニュース速報)  

 愛知県内の東名高速道路で十一月、乗客二十四人を乗せて東京から福井市へ向かっていた京福バス(福井市)の夜行バスの男性運転手(51)が、道路運送法に基づく規則に違反して喫煙しながら運転していたことが二十八日、分かった。
 京福バスでは、今年六月、別の運転手が携帯メールを送受信しながら運転。十一月末には路線バス運転手が酒気帯び運転をした。相次ぐ不祥事に同社は「誠に申し訳ない。再発防止を周知徹底したい」と話している。
 中部運輸局福井運輸支局から厳重注意を受け、運転手の処分を検討している。
 京福バスによると、この運転手は十一月二十二日深夜から約七時間半、バスに乗務。東名高速の豊田インターチェンジ付近を走行中の二十三日午前四時半ごろ、たばこ一本を吸った。
 十二月中旬、乗客の一人から同社に「運転手の喫煙で、気分が悪くなり眠れなかった」との苦情があり、喫煙が発覚した。交代で乗務したもう一人の運転手は仮眠していて、喫煙には気付かなかったという。
 旅客自動車運送事業運輸規則は、乗客のいるバスなどの車内で乗務員が喫煙することを禁じている。


2003/12/26  空気清浄機の表示で警告 千葉の会社に公取委 (共同通信ニュース速報)  

 空気清浄機でたばこの煙の成分を除去できると、インターネットのホームページ(HP)などで宣伝していた株式会社生活環境研究所(千葉県習志野市)に対し、公正取引委員会が景品表示法違反の恐れがあるとして警告していたことが二十六日、分かった。
 空気清浄機が除去できるのは、たばこの煙のうちの粒子状物質で、煙のほとんどを占める一酸化炭素などのガス状物質の除去は困難とされる。
 禁煙指導をしている兵庫県洲本市の山岡雅顕医師が、九月に不当表示だと申し立てていた。空気清浄機とたばこをめぐる表示で公取委が警告したのは二件目という。
 同社はスイス製の大型空気清浄機を販売。山岡医師によると、同社はHPでガス状物質も除去できるとしていた。現在は「一酸化炭素は除去できません」と表示している。
 同社は「たばこの成分すべてを検査できず、一酸化炭素が除去できるというテスト結果がないため、表示を変えた」としている。


2003/12/21  JT、全農家対象に葉たばこの残留農薬検査 (日本経済新聞朝刊記事)  

 日本たばこ産業(JT)は来年度から、国産葉たばこを購入しているすべての農家を対象に残留農薬の検査を実施する。これまでは一部農家で抜き打ち検査を実施しているだけだった。喫煙の健康リスクを拡大しかねない農薬の使用を抑制するよう農家に促してたばこの品質を安定させ、外資系たばこ会社との競争激化に備える。
 JTは全国60カ所の葉たばこ取扱所で葉たばこを買い入れている。購入先の農家は約2万戸にのぼる。今後、1つ1つの農家の出荷分についてサンプル検査を実施する。サンプルは葉たばこ研究所(栃木県小山市)に送って調べる。残留してないかチェックする農薬の種類も現在の約60種から増やしていく。
 JTは葉たばこ用として登録されていない農薬を使ったり、独自基準より残留量が多い葉たばこを廃棄。こうした葉たばこを生産している農家との購入契約を打ち切る可能性もあるという。


2003/12/21  運行中に車掌室でたばこ JR西、処分を検討 (共同通信ニュース速報)  

 JR東海道線の車掌が、乗務中に乗客に隠れてたばこを吸っていたことが二十一日、わかった。JR西日本は「乗客の信頼を損なう行為。全乗務員への指導を徹底し車掌の処分を検討する」としている。
 JR西日本によると、十九日午後二時五十分ごろ、山崎―高槻間(大阪府島本町)を通過中の、京都発西明石行き下り普通電車最後部の乗務室で、たばこ一本を吸ったという。客室との間に窓がない運転士席側で乗客の目から隠れ、吸い殻は携帯用灰皿に捨てていた。
 踏切で電車の通過を待っていた人が、報道機関を通じ「車掌がたばこを吸っている」と通報し、同社が調べていた。
 車掌は乗務経験約五年半の四十代男性で、「休憩時間に吸い忘れ、二、三服吸ってしまった。これまで乗務中に吸ったことはなく、魔が差した」と反省しているという。


2003/12/20  大学で学ぶ「禁煙の心得」 支援プロジェクト、全国で (朝日新聞ニュース速報)  

 たばこを吸わない大学生を社会へ送り出そうという「大学禁煙化プロジェクト」が動き出した。大学教授らの研究班が全国の大学に呼びかけて、学生や教職員向けにたばこの害を説く講習会を開き、禁煙のサポートをする。先月末に東京都内であった講習会には禁煙化の取り組みや準備を進める大妻女子大や女子栄養大など約30大学が参加、21日の大阪の講習会には約40大学が参加する予定だ。
 京都大では今月16日、教職員向けの禁煙講演会が開かれた。ヘビースモーカーを含む大学事務局職員約10人が、禁断症状を和らげるニコチンパッチをもらって禁煙にトライ。インターネットでアドバイスや励ましメールが届くプログラム「禁煙マラソン」にも申し込んだ。1日40本吸っていた職員の秋田憲治さん(54)は「体験を基に学生に助言できたら」。
 京大保健管理センターの川村孝所長によると、京大生男子の入学時の喫煙率は3%だが、4年生は21%に増える。「健康な学生を社会へ送るためには支援が必要。健康への意識が高い職員から始め、環境を整えたい」
 岡山大でも、学生と教職員が「マラソン」とパッチで禁煙に挑戦中だ。今年1月に1回目の講習会を開いて18人が始め、約8割が8カ月以上続いた。11月からはさらに34人が加わった。
 研究班の代表を務める奈良女子大保健管理センターの高橋裕子所長(49)は、一般向けに97年から「マラソン」を運営している。大学禁煙化プロジェクトは今年度から4年計画で、予算は文部科学省の科学研究費補助金も含めて約2500万円にのぼる。
 12月を「大学禁煙月間」として、プロジェクトへの参加を呼びかけたところ、約100大学から問い合わせがあった。21日の講習会は、約40大学の保健師らが参加。先行して取り組んでいる大学関係者によるパネルディスカッションがある。


2003/12/18  都立学校を全面禁煙 東京都教委 (共同通信ニュース速報)  

 東京都教育委員会は18日、都立の高校、高専、盲・ろう・養護学校の267校全校で来年4月から建物内を全面禁煙にすると発表した。1年後の2005年4月からは建物内だけでなく学校の敷地内をすべて禁煙にする。
 都立学校では2000年度から喫煙場所を限定する分煙を実施してきたが、5月に健康増進法が施行され、児童・生徒の喫煙防止教育や受動喫煙の問題を考慮したという。教職員だけでなく学校を訪れる保護者や教育関係者らにも理解を求める。


2003/12/17  税収偏り是正で交付金新設 地方たばこ税 (共同通信ニュース速報)  

 十七日にまとまった来年度の与党税制改正大綱には「市町村たばこ税都道府県交付金」(仮称)の新設が盛り込まれた。成人一人の平均喫煙本数(一日当たり七本)の約三倍に当たる二十本分を上回る税収が市町村にあった場合、超えた分を翌年度に都道府県に納める。交付金の配分や使い道は都道府県の判断に委ねる。
 地方たばこ税は、たばこの販売本数に応じて税収が小売店のある市町村に入る仕組み。しかし、近年、パチンコの景品供給業者がたばこを複数の市町村にあるパチンコ店に納入するケースなどが増加。こうした場合は業者のある市町村に税収が入るため、飛び抜けて税収の多い自治体もある。
 現在、本数が三倍を超える市町村は全国で七団体。多いところでは、全住民が一日百四十本吸っている計算になっているという。


2003/12/16  中学生に非行犯罪防止教室 東京・国分寺 (NHKニュース速報)  

 子どもが犯罪や非行に巻き込まれるのを防ごうと、知らない人に車に誘われたりしたときの断り方などを学ぶ教室が、東京・国分寺市の中学校で開かれました。
 この教室は、学校や地域が連携して子どもを犯罪や非行から守ろうと、東京都教育委員会と警視庁が都内の小学校で開いたのに続いて、中学校でもはじめて行いました。
 会場の国分寺市立第二中学校の体育館には全校生徒三百八十人と、保護者や都内のほかの学校の教諭なども参加しました。
 はじめに、生徒の代表が犯罪や非行についてアンケートをした結果、痴漢や恐喝などの犯罪にあったことがあると答えた生徒が十六パーセントにのぼったことなどを発表しました。
 このあと警視庁の女性警察官の指導を受けながら、生徒の代表が▽友人からたばこを勧められたときの断り方や、▽知らない人に道を尋ねられ、車に乗るよう誘われたときの対処の方法を実演しました。
 生徒たちは「たばこは体に悪いし、親にも迷惑がかかるのでやめよう」と毅然と断わったり、車に乗るようにしつこく誘われると大きな声で助けを求めたりしていました。
 実演に参加した生徒は「危なくなったら大きな声を出すのが大事だと思った。練習したので、いざという時は大丈夫だと思う」と話していました。
 東京都教育委員会では今後、都内の全ての公立の小・中学校と高校でこうした教室を開くことにしています。


2003/12/16  未成年向け広告の規制強化 財務省、たばこで指針改正 (共同通信ニュース速報)  

 財務省は十六日、未成年者向けたばこ広告の規制強化を柱とした、業界の自主規制に関する指針の改正案をまとめた。未成年者に人気があるタレントを広告に起用しないことなどが盛り込まれた。
 世界保健機関(WHO)が五月に開催した総会で「たばこ規制枠
組み条約」が採択されたことから、国内での対応を検討してきた。広告に対する法的規制が困難なことから、業界の自主規制で対応することにした。
 改正案では、未成年者の目に触れる場所でたばこの宣伝をしないことを求めた。現在は、学校から百メートル以内での広告を自主規制しているが、対象エリアを拡大することになりそうだ。
 見本たばこを配布する場合は、相手が未成年でないかを厳しく確認させる。新聞や雑誌でのたばこ広告の扱いや、電車やバスなどの車内広告の規制強化については今後、具体案を検討する。
 来年三月までに改正の手続きを進め、新しい指針を踏まえて、業界団体が自主規制を見直す。


2003/12/16  04年度 たばこ税の移譲断念 (共同通信経済ニュース速報)  

 与党の税制改革協議会は15日、国・地方財政の三位一体改革の一環として2004年度に実施を検討していた国から地方への「たばこ税」の税源移譲を断念、別の税目を移譲する方向で急きょ再検討に入った。自民党幹部が明らかにした。
 05年度以降に所得・住民税を本格移譲するまでの「つなぎ」として、一転して04年度に消費税の一部を地方に移譲する案が急浮上。臨時の措置として所得税移譲を模索する動きも残り、16日に再協議する。
 自民党税制調査会は、05年度以降に基幹税である所得・住民税移譲を実施すべきだとしながらも、04年度は暫定的にたばこ税を移譲する方向で調整。この動きを踏まえ、政府税制調査会も15日、04年度はたばこ税移譲が現実的とする答申を小泉純一郎首相に提出したばかりだった。
 しかし、地方自治体から「喫煙人口の減少などで、たばこ税は税収の伸びを見込めない」との反対意見が強まり、同日の与党税協でもたばこ税移譲に批判が噴出。土壇場で方針を転換する異例の展開になった。
 政府・与党は、たばこ税はあくまでも基幹税を移譲するまでの暫定的な時限措置として理解を求める考えだったが、調整は困難と判断した。
 消費税は税率5%のうち4%が国税分、1%が地方税分。地方の取り分を増やせば、04年度に移譲が必要な4249億円を比較的容易にひねり出すことができ、地域間で税源が偏在する懸念もない。
 ただ、消費税は全国一律の税率を設定しなければならない仕組みで、国が徴税を担うため、地方の本格的な自主財源には適さないとの問題点も指摘されている。


2003/12/13  「こまち」喫煙車1両だけに/来年3月のダイヤ改正から  (秋田魁新報記事)  

 JR秋田支社は12日、来年3月13日からのダイヤ改正を発表した。
 最も乗客が多い金曜日と日曜日に増発している臨時の秋田新幹線「こまち」の発着時刻を、分かりやすくするため統一。金曜の90号(秋田発午前8時26分)と日曜の92号(同午後1時23分)を、いずれも秋田発午後2時27分、東京着午後6時44分にする。
 在来線では、快速列車「リゾートしらかみ」の乗客に、鯵ケ沢―深浦間で夕日の観賞を楽しんでもらおうと、弘前発午後6時11分の4号を同午後5時46分に改正する。
 また観光対策として、新潟発酒田着の快速列車「きらきらうえつ」を象潟まで延長運転する。奥羽南線は、乗車機会を増やすため快速列車5本のうち3本を各駅停車とする。
 改正に合わせ、「こまち」の禁煙車両を拡大。現行では6両(338席)のうち2両(131席)が喫煙車だが、1両(67席)を減らして計5両(274席)を禁煙車とする。同社は「禁煙席が先に完売してやむを得ず喫煙席を選ぶ乗客が多い。乗客の禁煙志向の高まりに応える」としている。


2003/12/13  母親の喫煙用ライターによる火遊びが原因か 幼児4人死亡 母親外出中 (共同通信ニュース速報)  

 幼児四人が死亡した名古屋市西区の市営住宅火災で、愛知県警西署と同市消防局は十三日、出火原因を詳しく調べるため、現場の市営住宅比良荘三棟三○六号室、無職松信和子さん(36)方を合同で実況見分、出火元とみられる電気こたつ付近から簡易ライターが見つかった。
 松信さんによると、子供たちは日ごろからライターで遊ぶことがあったといい、西署は火遊びが原因の可能性が高いとみている。
 松信さんは、自分が留守の際に子供が外に出て事故などが起きるのを防ぐため、玄関に外鍵を付けており、ドアは内側から開けられない仕組みになっていたことも判明。四人は玄関からは逃げ出せない状態だった。
 調べでは、燃えていたのは玄関に近い和室。四畳半の一畳分がこげていたが、こたつが置いてあった部分は燃え方が激しく、こたつ天板の中央付近は焼けて穴が開いていた。近くにはライターが落ちていた。松信さんはたばこを吸うという。
 死亡した長男颯成ちゃん(4つ)、二男顕成ちゃん(3つ)、三男翔冴ちゃん(2つ)、長女清香ちゃん(1つ)の四人は玄関ドア付近に倒れていた。いずれも外傷がないことなどから死因は一酸化炭素中毒とみられる。煙から逃れようとした末に力尽きたとみられる。


2003/12/12  院長のタバコ不始末が原因 三重県の病院火災 (共同通信ニュース速報)  

 三重県紀伊長島町の長島回生病院で十一日夜、事務棟から出火し入院患者五十二人が避難する火災があり、尾鷲署と紀伊長島消防署などが十二日実況見分した結果、院長(48)のたばこの不始末が原因だったことが分かった。
 院長は同署などに「しっかり消したつもりだった。申し訳ない」と謝罪しているという。
 火災は十一日午後九時三十五分ごろ発生。鉄筋コンクリート二階建ての同病院事務棟の一部約四百五十平方メートルを焼いた。渡り廊下で通じる隣接の病棟に煙が充満、入院患者五十二人が一時近くの民家に避難した。患者らにけがはなかった。
 実況見分の結果、周囲に火の気や外部からの侵入の痕跡がなく、事務棟一階の院長室のごみ箱付近がもっとも激しく燃えていることが判明。院長に事情を聴いたところ、十一日夜九時ごろ、仕事を終えた院長がたばこの吸い殻をごみ箱に捨てて帰宅。約三十五分後に出火したことが分かった。


2003/12/12  首都圏の13駅を禁煙 JR東、喫煙所も大幅減 (共同通信ニュース速報)  

 JR東日本は十二日、来年三月のダイヤ改正にあわせ、浜松町駅や御茶ノ水駅など利用客が多い首都圏の十三駅を全面禁煙にすると発表した。これまで同社では地下などにある七駅を全面禁煙としていた。
 また、管内の駅ホームにある喫煙所約三千五百二十カ所のうち、約千四百カ所は撤去し、千三百三十カ所は客の出入りが少ないホームの端に移動させる。
 新幹線や在来線特急は原則として指定席、自由席の一車両ずつを喫煙車とする以外はすべて禁煙にする。現在十一駅で実施しているラッシュ時の禁煙タイムも、さらに約三百駅で実施する。


2003/12/12  間接喫煙者の肺がん発病率高い (朝鮮日報記事)  

 たばこを吸わない人でも間接喫煙にさらされると、肺がんにかかる確率が高くなるという研究結果が出た。 
 国際がん研究機関(IARC)のポール・ブレナン博士は、「米国とヨーロッパの肺がんにかかった非喫煙者1263人と、肺がんにかかっていない非喫煙者2740人を対象に、自宅や職場などで間接喫煙にさらされる程度を調べた結果、そうでない人に比べ、肺がん発病率が18〜32%も高いことが分かった」とした。 
 同博士は、国際がんジャーナルの最新号(12月10日付)に発表した研究報告書でこのように述べ、「間接喫煙に多くさらされるほど、肺がん発病率も高くなる」とした。 
チョソン・ドットコム


2003/12/11  受動喫煙が非喫煙者の生命を奪う (2003年12月11日/HealthDayNews 記事)  

 受動喫煙が癌の原因と認められて久しいが、癌関連医学誌「International Journal of Cancer」12月10日号掲載の研究では、受動喫煙に曝露した非喫煙者の肺癌リスクは曝露していない人に比べて18%から32%高く、リスクは曝露の期間に正比例して上昇するという具体的な情報が明らかになった。
 国際癌研究機関のPaul Brennan氏らは、長期曝露および食事や職業的要因など他の危険因子を調べる目的で、欧州および米国における2つの大規模な研究データを検討し、非喫煙肺癌患者1263人の肺癌リスクを2740人の対照参加者とともに配偶者、職場、社会的環境による受動喫煙への曝露について評価した。
 その結果、リスク上昇は配偶者に喫煙歴がある場合および現在の喫煙歴が30年を超える場合にはそれぞれ18%、23%で、職場での曝露およびその期間が21年を超える場合には13%、25%であった。社会的環境での曝露およびその期間が20年以上に及ぶ場合には17%、26%で、すべての原因が混在した長期曝露の非喫煙者では32%であった。しかし、他の要因による肺癌リスクへの影響は見られなかった。
 1990年代の米国を起点とした受動喫煙を公衆衛生問題視する傾向は、煙に満ちたカフェ文化の存在する欧州にも及び始めている。しかし、タバコ業界はこの動きに激しい抵抗を示し、最近オランダでは、最も受動喫煙への曝露率が高いレストランおよびサービス業界が2004年発効予定の職場における喫煙禁止法からの免除を許可された。


2003/12/11  職場での禁煙強化に向かう米国 (Medical Tribune 2003年12月11日号 / Vol.36 NO.50 / P.51 記事)  

〔ロサンゼルス〕 米国50州中約20州が人々の健康に配慮し,公共の建物のなかや職場での喫煙を,範囲を限定するなど条件付きで禁止している。これはこのような喫煙禁止法を既に可決しているか,これから可決に向けて動こうとしているオーストラリア,ニュージーランド,タイ,スウェーデン,アイルランド,香港などの諸国に追従したもの。
州全体での規制はまれ
 米国では職場での喫煙禁止はカリフォルニア州が1995年に可決,ニューヨーク州では今年から施行されたが,州全体での規制はまれで,数都市のみでの適用となっているところもある。
 一方,可決と施行は別である。ニコチン依存症者が室内でたばこを吸わずにいられるであろうか。また,酒場やレストランの経営者が禁煙法を守って商売を犠牲にするだろうか。これらの疑問に答えるため,ロサンゼルス郡保健福祉局とカリフォルニア大学サンフランシスコ校(UC SF,サンフランシスコ)たばこ管理研究・教育センターのMark D. Weber博士らは,長期の人口に基づく,酒場・レストランからのランダム化抽出サンプルを対象とした初の年間調査を実施し,詳細をTobacco Control(12: 269-273)に発表した。
 結果は,「カリフォルニア州で実施した職場禁煙法は明らかに効果を示した。また,このような法律は,市民を的確に教育し,法律を施行する努力を怠らなければ,他の地域でも実施可能である」という。
 同博士らは経営者を標的とした教育キャンペーンを実施し,“収入が減る”という彼らの先入観を払拭し,繰り返し違反する販売店には酒類販売免許を取り消すなど,厳しく取り締まる努力が必要であることを指摘した。
 筆頭研究者である同博士は「酒場やレストランを調査の対象として選んだのは,そこで働く人々は間接喫煙の有害な影響にさらされる可能性が最も高いと考えたからである」と述べている。
また,カリフォルニア州の法律は「雇用者が勤務する室内で喫煙を黙認,あるいは意図的に許可することを禁じ,また何人も喫煙することを一切禁止する」と明文化するなど,かなり具体的な内容となっている。また,店の入り口に「禁煙」の標識を掲げることも義務付けている。
 一方,この法律には例外もある。例えば,プライベートクラブ,従業員の休憩室,一定の条件を満たす小規模の商売には適用されない。法律を守らせるために,初めての違反には100ドル,3 回目で500ドル,それ以上は最大 7 万ドルの罰金を課すこともある。
上昇する禁煙遵守率
 Weber博士によると,この法律を守らせるために,監視,教育,強制などの要素が盛り込まれた米疾病管理センター(CDC)たばこ管理プログラムに基づくキャンペーンが実施された。
 毎年,調査期間中,調査官は店の入り口に「禁煙」の標識が目立つように張り出されていることを確認し,客や従業員が喫煙していないかなどを観察した。また,レストラン,スタンディングバーなどの酒場内で,喫煙行動を示すと考えられる灰皿が客の目に留まるところに置かれていないかも観察した。
 これらの調査の結果,1998〜2002年の 4 年間で禁煙法は徐々に守られるようになった。酒場やレストラン内で喫煙を控えたのは,1998年には客で92.2%,従業員で96.5%だったが,2002年にはそれぞれ98.5%,99.2%と上昇した。スタンディングバーにおける禁煙の遵守率も1998年には,客が45.7%,従業員が86.2%であったのに対し,2002年にはそれぞれ75.8%,94.7%と上昇した。
 同博士は「サンフランシスコでの未発表の知見によると,2002年 8 月のスタンディングバーの禁煙遵守率は80%と,酒場やレストラン(98.2%)に比べ低かった」と述べ,「スタンディングバーの経営者が,この法律により収益が圧迫されると主張した大々的な広報活動を行った。これは事実無根であったが,この懸念がスタンディングバーの禁煙遵守率を低くした可能性もある」と指摘している。
客の違反で従業員解雇も
 職場禁煙法は今年 7 月から施行されたばかりで,まだ遵守率に関する調査は行われていない。しかし,カリフォルニア州と同様,ニューヨーク州でも酒場の経営者は商売が成立しなくなると苦言を呈し,禁煙法に例外を設けた。それは通称「シガー・バー」と言われている場所で,ここでは喫煙が許されている。
 また,ニューヨーク州の法律はホテルの客室には適用されない。居住型医療施設や“たばこに関する会合や会議”でも,周りから遮断された喫煙コーナーを設けることが許されている。
 ニューヨーク州では,郡の衛生局が違反者に対し最高1,000ドルの罰金を課すことができる。一方,客にこの法律を守らせることができなかった従業員を解雇することもできる。ある女性従業員は客の喫煙を制止できず,執行監視官と口論になった。その結果,上司は罰金を徴収され,彼女自身も解雇されてしまったという。


2003/12/11  愛煙家の棺おけ? (AFP=時事通信記事)  

 オランダのロッテルダムにある美術館で展示準備が進められているのは、紙巻きたばこで作ったひつぎ。同館は13日から特別展「喫煙ー400年の歴史」を開催する。(10日、ロッテルダム)


2003/12/10  JT苫小牧営業所 PCBを違法廃棄 (NHKニュース)  

 JT=日本たばこ産業の北海道・苫小牧市(トマコマイシ)の営業所が、有害物質のPCB=ポリ塩化ビフェニールを含む蛍光灯の部品を、一般のゴミ処理場に誤って廃棄していたことがわかりました。
 JTによりますと、苫小牧営業所では所内で使われていたPCBを含む安定器と呼ばれる蛍光灯の部品二十七個を保管していましたが、先月二十一日に事情を知らない社員が誤って運搬業者に引き渡し、市の一般ゴミ処理場に運ばれたということです。
 これに気付いた営業所では安定器の回収に当たり、これまでに三個を回収したということです。
 また、処理場の排水や排ガスの調査も進め、近く、結果が出る見込みです。
 JTでは「二度とこのような事態が起きないよう万全を尽くしたい」と話しています。


2003/12/ 9  健康さーち 「脱たばこ」政策提言 (佐賀新聞記事)  

〈「脱たばこ」政策提言〉
たばこの健康被害は多くの研究で明らかになっているのに、日本で規制が進まないのはなぜか。こうした現状と課題を国際比較しながら分析し、日本のたばこ政策への緊急提言を日米の疫学研究者らがまとめた。たばこ規制部局の設置や増税による消費抑制などで「たばこのない日本」を目指すよう求めている。
■対策遅れた日本
研究者が政策まで提言するのは珍しい。提言は約五百nで、近く日本語と英語で同時に出版される。その記念フォーラムがこのほど東京の国立がんセンターで開かれた。
フォーラムには、提言を編集したジョナサン・サメット米ジョンズ・ホプキンズ大教授と山口直人・東京女子医大教授、望月友美子・国立保健医療科学院室長のほか、執筆を分担した研究者ら約二百人が参加した。
たばこ消費動向の日米比較と政策の重要さがまず議論された。米国では一九六四年に医務総監がまとめた報告「喫煙と健康」がもとになって規制の流れが始まった。
「対照的に、日本では根拠に基づく政策がないまま、たばこ産業を支援する政策が続いた。たばこ消費は戦後、増え続けた後、七〇年代以降は横ばいか微減で、米国を上回った」と山口教授。
男性の喫煙率は下がったとはいえ、まだ50%近くで先進国では飛び抜けて高い。望月室長は「男性喫煙率が高いと、たばこ規制策の決定が遅れがちになる」と指摘した。
提言は六十九項目あるが、優先事項として@たばこ規制事務局の設立A増税による消費抑制(日本のたばこは安価)B受動喫煙防止を強化Cたばこ事業法の抜本的見直しD禁煙推進―を掲げた。
■がん予防で最重要
たばこによる死者は推定で年間、日本で十一万人、世界で五百万人に上る。「普通の使い方をして人を殺す、合法的に入手できる唯一の製品」として規制を呼び掛けた。
「科学から政策へ」と題して講演したサメット教授は「喫煙が肺がんなど多くの病気の原因になっているのはどの国も同じ。提言には各国の対策の教訓を取り入れた」。
がんの三分の一は、たばこをなくせば予防できる。国立がんセンターの垣添忠生総長は「草の根からの運動や提言が人々の考え方を変えていく。がん予防12カ条の改定作業を現在進めているが、たばこ対策を第一に挙げることになるだろう」。
■規制条約が転機
世界保健機関(WHO)で五月にたばこ規制枠組み条約が採択された。四十カ国が批准すれば発効する。提言は条約批准を求め、規制予算を国民一人当たり現在の一円から百円に増やし、たばこ税を一箱百円以上上げるよう数値目標も示した。
討論に加わった日本医師会の坪井栄孝会長は「国民の命を守ろうとするなら、条約を早く批准すべきだ」と語った。
批准とともに、たばこ規制実施が義務付けられる。特に、「政府がたばこ産業を育成する」としている現行のたばこ事業法は条約に反するとの意見で参加者は一致した。
サメット教授は「条約の批准は日本にとって大事な転機になる」とこの提言の意義を強調した。


2003/12/ 9  喫煙の経済的損失は米国で年間15兆円  (薬事日報記事)  

 米国の保健・福祉省がこのほど発表した報告書によると、国立薬品乱用研究所(NIDA)は米国の喫煙による直接・間接的な経済的損失が毎年1380億ドル(15兆1800億円)に上ると推定している。
 2001年の文献調査では、個人の医療費支出の6〜14%が喫煙に起因し、一生涯の医療費は喫煙者の方が非喫煙者より高いことが明確に証明されているという。禁煙広報センターが明らかにしたもの。
 喫煙は、慢性的肺疾患、心臓疾患、脳出血、肺、喉頭、食道、口腔、膀胱等の癌の危険因子であり、子宮頸癌や膵臓、腎臓癌の因子になることを示す研究もある。米CDC(米国疾病管理・予防センター)の報告では、95年〜99年までに毎年44万人が、タバコに起因する疾患で死亡していると推定されている。5人に1人が、喫煙による疾患が原因で死亡している計算になるという。


2003/12/ 5  [ふくしま経済点描]禁煙席にして /福島 (毎日新聞福島県版記事)  

 今年の夏、あるゴルフ練習場での出来事。フロント係が「打席は何番にしますか」とたずねるので、私は「禁煙席にしてください」といった。すると係から「すべて禁煙席ですから、どこの打席でもどうぞ」との答え。これには驚いた。
 実は1カ月位前に、このゴルフ練習場の打席で、隣にいる方が火のついたタバコを灰皿に放置していた。さらに、天井の扇風機が、たばこの火をあおってモウモウと煙が上がっていた。とてもお金を払って他人のタバコを吸う気にはなれなかった。
 帰り際、フロントに「これだけ多くの方が集まる施設で、禁煙や分煙の対策をとらないのはいかがなものでしょうか。まして、打席のテーブルに灰皿を置くことがサービスと思っているようでは時代遅れですよ」といって帰った。
 本年5月1日に施行された健康増進法は、「室内またはこれに準ずる環境において、他人のたばこの煙を吸わされること」を受動喫煙と定義し、多数の者が利用する施設を管理する者は「受動喫煙を防止するために必要な措置を講ずるよう努めなければならない」とされた。罰則規定はないものの、施設の管理者に受動喫煙防止対策の努力義務を課している。
 つまり、この法律は受動喫煙の防止対策について、喫煙者ではなく施設の管理者に義務づけているのが特徴である。受動喫煙による健康への悪影響は、一時的に涙が出たり、鼻が詰まったり、頭痛、呼吸器系や心臓・血管系への生理学的反応等に関する知見が示されている。また、慢性影響として、肺がんや循環器疾患等のリスクの上昇を示す疫学的研究がある。とくに、非喫煙妊婦であっても受動喫煙により、低出生体重児の出産の発生率が上昇するという研究報告もある。
 21世紀は変化の時代である。特に中小企業の経営者は、時代の要請を敏感に感じ取り、変化に的確に対応することが肝要である。たった一人の利用者の声を素直に受け入れる真摯(しんし)な心がけとそれにスピーディに対応する姿勢こそ、今求められている経営者像である。しかし、灰皿撤去を一番喜んだのは、清掃していた従業員ではないだろうか。(イカロス)


2003/12/ 5  政府は喫煙を禁止すべき=英有力医学誌 (ロイター記事)  

[ロンドン 5日 ロイター] 英国の有力医学誌ランセットは、政府は喫煙を禁止すべきとの論説を掲載した。
 論説は「喫煙が違法になれば、たばこの所持は犯罪となり、喫煙者数は激減するだろう。われわれはブレア政権に対し、たばこ禁止を求める」と主張。
 英国民の多数派といえる80%は非喫煙者で、発がん性が指摘されているたばこの煙にさらされることから解放される権利を与えられるべき、としている。
 英国では先月、有力医師らが政府に対し、英国もアイルランドや米国の多くの都市の例に倣って、公共の場での喫煙を禁止するよう求めた。
 ランセットは、英国では毎年1000人が受動喫煙によって死亡している、と推定。
 保健省の発表によれば、英国では年間12万人以上が喫煙によって死亡しているほか、喫煙の習慣をもつ若年層が増えている。(ロイター)
【写真】12月5日、英有力医学誌ランセットは、政府は喫煙を禁止すべきとの論説を掲載。写真はロンドンでたばこを吸いながら会話を楽しむ女性たち。昨年撮影(2003年 ロイター/Matthew Dunham )


2003/12/ 2  手鏡 64歳の決意  (佐賀新聞記事)  

 末娘のお産看病で、四十日ほど家を空ける不安は、禁煙生活三カ月の夫のことであった。夫は重度のヘビースモーカーで喫煙歴五十年を豪語していた。ということは中学生後半から吸っていたことになる。きっと大人の世界を垣間見る思いで、興味半分に隠れて吸っていたのだろう。
 その夫が「あと二十年、お前と元気に暮らしたいからなあ」と、突然の禁煙宣言。六十四歳の誕生日直前、折しもたこ値上げの当日だった。夫は持病もあり、この禁煙によって改善されるのではと私の期待も大きかった。
 禁煙に成功した友人のアドバイスのもとに、かかりつけ医で、ニコチン貼付(ちょうふ)薬を処方してもらった。保険がきかないので高額であったが、健康を取り戻せると思えば安いものである。
 そして私は、夫の体調を禁煙ノートに書きとめた。頭痛がする。体がだるい。ふらつく。イライラするなど、ニコチン離脱症状を訴えた。
 食後の習慣で、一本吸おうとするが、貼付薬でニコチンは補充されているらしく、一服吸ってうまくないとやめてしまう。口元が寂しいという心理的依存解消のために、禁煙パイポにも助けてもらった。その間二カ月、私は夫の数限りない苦痛の訴えを「そうね、もう少しね」と、やさしく受け止め、励ました。そして四十日。寂しい独り暮らしの中でも禁煙を厳守していた。せきもたんも出なくなり、息切れも少なくなった夫。さあこれで、二人で念願の軽登山でも楽しめるぞと、胸膨らませている。
(伊万里市東山代町)


2003/12/ 2  喫煙で肺がん、女性は2倍 米で調査結果発表 (共同通信ニュース速報)  

【シカゴ1日共同】喫煙で肺がんになる危険性は、女性は男性の二倍に達するとの調査結果を米ニューヨーク病院コーネル医学センターの研究チームがまとめ、シカゴで開催中の北米放射線学会で一日、発表した。
 同チームは、喫煙歴がある四十歳以上の男女約三千人を検査。年齢、喫煙年数、喫煙量、性別によって肺がんになる危険性がどう違うか分析した。
 検査では七十七人が肺がんと判明。女性は、年齢や喫煙量にかかわらず、喫煙で肺がんになる危険性が男性の二倍と分かった。同チームは「女性の方ががんになりやすい理由は不明」としている。
 男女を合わせた分析では、喫煙量が多く、年齢が高いほど肺がんになる危険性は高かった。
 米国では、男女とも、がん死亡の中で肺がんが最も多い。二○○三年は、男性九万千人、女性八万人が新たに肺がんと診断されたという。


2003/12/ 2  たばこ政策提言 増税、自販機撤廃… (読売新聞記事)  

 たばこの健康被害問題に取り組む日米の研究者が、「日本のたばこ政策への提言」をまとめ、概要を発表した。たばこ規制枠組み条約の批准と、政策の実行に向けて、たばこ消費の削減を目指す条約の趣旨と基本的に相いれない、たばこ事業法の抜本的見直しを打ち出すなど、日本政府に対し大胆な方針転換を求めている。
 提言は、〈1〉行政府内にたばこ規制を担う独立した事務局を設立〈2〉たばこ課税を増やす〈3〉受動喫煙対策の強化〈4〉たばこ事業法の抜本的な見直し〈5〉禁煙推進のための対策、を五本柱に掲げた。なかでも優先して直ちに行うべき対策として、青少年が簡単にたばこを手に入れる手段になっている自動販売機の撤廃、他の先進国並みに少なくとも一箱当たり百円以上の価格引き上げ、たばこ対策専門部局の創設――を提言している。
 日本語、英語両方で数百ページに及ぶ提言は近く正式に刊行される予定で、ホームページ(http://www.tobaccofree.jp)で、収録したCD―ROMの申し込みを受け付ける。


2003/11/27  妊婦の喫煙量で新生児への影響に差 (Medical Tribune 記事)  

〔ウィーン〕 妊娠中にたばこを 1 日10本以上吸っていた母親から生まれた児は, 10本未満の母親から生まれた児に比べて出生後に受ける障害が著しく大きいことが,バーネット・アンド・チェイスファーム病院(ロンドン)のBulend Yuksel博士らの研究でわかり,第13回欧州呼吸器学会で報告された。
1 日10本が分かれ目
妊娠中の喫煙に安全量は存在しないが,妊婦の喫煙量が 1 日10本を超えると,出生時体重が低い,妊娠期間が短い,新生児集中治療室(NICU)での在室日数が長いなど,新生児が受ける障害の程度が直線的に増大することがわかった。Yuksel博士らは,同病院のNICUに過去 1 年間に入院したすべての新生児279例に関する記録を調査した。妊娠中も日常的に喫煙していた対象児の母親は49例で,うち14例が 1 日10本未満,35例が 1 日10本以上喫煙していた。喫煙量で分けた 2 群間で,人種や子宮内発育遅延(IUGR)の発生率に差はなかった。
喫煙量が 1 日10本以上の母親から生まれた新生児の平均体重は2,100gで, 10本未満群の平均体重と比べて400g少なかった。妊娠期間は,1 日10本以上の群で36週,10本未満の群では38週と,喫煙量の多い群で短かった。新生児が呼吸困難のためNICUに在室した期間は,10本以上の群で10日間,10本未満の群で 3 日間と有意差があった。
喫煙量の多い母親から生まれた児は,出生後10日間にかなりの苦痛と損傷を受けるだけでなく,医療システムの大きな負担になる。妊娠する前に禁煙し,その後も喫煙しないことが理想であり,妊婦に対する健康教育をさらに強化すべきである。


2003/11/27  <たばこ広告>広告の方法、内容の規制強化 財務省 (毎日新聞ニュース速報)  

 財務省は27日、たばこ広告規制の基本的な考え方を財政制度等審議会たばこ事業部会に示した。たばこの危険性を具体的に指摘する「注意書き」を箱だけでなく、広告にも表示するよう求めるなど、広告の方法、内容の規制を強化する。今年度中に「財務相指針」を改め、業界に自主規制見直しを促す。
 国内のたばこ広告は、89年策定の財務相指針と、業界の自主規制で制約を受けている。現在は(1)喫煙マナー啓発を除きテレビ・ラジオのCMは禁止(2)新聞・雑誌での広告は読者層で規制――などとなっている。
 改正指針は、5月に世界保健機関(WHO)の総会で採択された「たばこ規制枠組み条約」の趣旨や各国の状況もふまえ、新聞・雑誌、屋外、公共交通機関内での広告や販売促進景品、見本たばこの配布について規制を強化する。詳細は自主基準に任せる方針。【塚田健太】


2003/11/27  パブ通いは「がん」のもと…間接喫煙で英紙が測定結果 (読売新聞ニュース速報)  

 混雑するパブで1晩過ごすと非喫煙者でもたばこ2本分を吸ったことになり、毎晩過ごすと肺がんや心臓病の25%増加につながる――。26日付の英大衆紙デイリー・ミラーはロンドンのパブで行った一酸化炭素の濃度測定結果を掲載した。
 それによると、非喫煙者の同紙記者がパブで1時間ごとに空気中と自らの血中の一酸化炭素の濃度を調べたところ、午後7時に1ppmだった数値がピークの午後10時半には11ppmに急上昇、血中の濃度もほぼ同時並行で上昇した。英国では、間接喫煙が原因と見られる非喫煙者の病死も年間約300人に上るとされる。(ロンドン支局)


2003/11/21  <ガムたばこ>「モルモット」「リスクない」 販売で賛否 (毎日新聞ニュース速報)  

 法律上は「たばこ」だが、形や味はガムそっくりのスウェーデン製「ガムたばこ」が先月から東京都内などで試験販売されている。禁煙効果をうたったガムではなく、たばこと同じ成分を含むガムの発売は世界初。「日本人はモルモットではない」と販売中止を求める禁煙運動団体や関係学会に対し、製造元の副社長は21日の記者会見で、「健康のリスクは全くない」と反論。煙の出ないたばこを巡る論争の行方は──。【須山勉】
 この製品は、スウェーデンマッチ社が日本向けに開発した「ファイアーブレイク」で、1箱(10粒入り)280円。財務省が9月11日に認可し、これまでに約6万箱を輸入、東京都内の輸入販売元が10月16日から全国のコンビニエンスストアやたばこ店など500カ所余りで試験販売している。
 火が不要で煙も出ないため、場所を選ばず口にできるというのが宣伝文句。1粒にニコチン1ミリグラムを含み、外箱に「通常のたばこの1本に相当します。1粒で約20分間お楽しみいただけます」と書かれている。甘みのあるミント味だが、かむうちに舌やのどに辛さを感じる。
 ところが、かみたばこなどの無煙たばこは、タバコの成分を直接口に入れるためから作られるため、紙巻きたばこより有害物質が吸収されやすく、口腔(こうくう)がんとの因果関係も指摘されている。日本口腔衛生学会と日本口腔外科学会の2学会は今月4日、財務省に認可取り消しを要請。禁煙運動団体の代表らも20日、食品の安全を監視する厚生労働省に危害防止措置を取るよう求めた。
 要請した日本歯科大の中久木一乗(なかくきかずのり)・非常勤講師は「国際的にたばこ規制が強まっているのに、認可する姿勢は理解できない。未成年者が口にする可能性もある」と話す。
 一方、21日に厚労省で会見したボー・オーリン上席副社長は「紙巻きたばこのように煙を吸いこむ危険がなく、リスクが高いとの指摘は根拠がない。日本は喫煙率が高いが、今年から受動喫煙防止を義務付けた法律が施行されたこともあり、市場に選んだ。試験販売を続けた上で、本格販売するか決めたい」と説明した。
 厚労省監視安全課は「財務省がたばことして認可しており、食品衛生法に基づく規制は難しい」とし、財務省たばこ塩事業室は「たばこ事業法では健康被害を理由に認可を取り消すことはできない」との見解だ。


2003/11/20  「ガムタバコは危険」 嫌煙家ら規制申し入れ (共同通信ニュース速報)  

 外観はガムそっくりのスウェーデン産「ガムタバコ」が財務省の認可を受けて東京、大阪などで試験販売されているのを受け、全国の医師や禁煙推進の市民団体メンバーら四十人が二十日、厚生労働省に対し、有害物質を含む食品として規制するよう申し入れた。
 「子供が間違って口にしやすく危険」として、近く財務省にも認可取り消しを求めるという。
 記者会見した「たばこ問題情報センター」の渡辺文学代表らによると、問題となった商品「ファイアーブレイク」はスウェーデンの会社が日本向けに開発し、九月十一日に財務省がたばこ事業法に基づき価格を認可した。
 ミント味で十個入りが二百八十円。「一粒にニコチン一ミリグラムを含み、通常のたばこ一本分に相当」と表示し、禁煙場所でも“吸える”のが売りだ。
 輸入元側によると、ガムタイプのたばこは世界で初めて。日本で先行販売され、来年二月まで東京、神奈川、大阪のたばこ店やコンビニで試験販売した後、全国展開するかを決めるという。
 厚労省は「たばこ製品であり、食品ではない」との見解だが、渡辺さんは「どう見てもガム。口腔(こうくう)がんを誘発する恐れがある」と警告している。
 禁煙用の補助ガムは味のない「医薬品」で薬局で処方される別製品。

→ ガムタバコ告発サイトはこちら


2003/11/19  路上禁煙で訪問徴収実施へ 払わない違反者に千代田区 (共同通信ニュース速報)  

 罰則付きの路上禁煙条例を実施している東京都千代田区は十九日、過料二千円の支払いに長期間応じない違反者に対し、来年一月から自宅や勤務先の訪問による徴収を始めると発表した。全国初の取り組みとみられる。
 区によると、当面は今年三月末までに違反し、督促しても支払いに応じない二百二件(計四十万四千円)が対象。十一月中に催告書を送付した後、電話でも支払いを求め、それでも未納の場合は来年一月中旬から職員が訪問する。
 過料処分を始めた昨年十一月から今年三月までの違反は二千五百八十三件で、未納は約14%の三百六十一件。このうち架空の住所を申告するなどして、住所不明の百五十九件を除く二百二件を対象にしたという。


2003/11/17  たばこ規制の予算増を 日米の専門家が提言 (共同通信ニュース速報)  

 日米のがんや循環器病の専門家が、日本のたばこ規制を推進するための提言をまとめ、十七日都内で公表した。
 提言は、日本にはたばこ規制の専門部局がない上、未成年者がたばこを簡単に入手でき、喫煙が生活に入り込んでいると指摘。規制が進まないのは「たばこ産業と政府が切っても切れない関係にあるから」と分析した。
 規制予算を現在の一人当たり一円から百円に増やし、税率を上げて規制費用にするよう提案。青少年対策として、対面販売に限ることを求め、たばこの中毒性などの教育の重要性も挙げた。
 喫煙リスクの表示は包装表面の30%以上にし、徐々に50%以上に広げることを要請。政府には、禁煙指導への保険適用やたばこ規制枠組み条約の早期批准を求めた。
 提言は国立がんセンターや国立循環器病センター、日本医師会、米ジョンズ・ホプキンズ大関係者がまとめ、関係省庁に出した。策定メンバーの望月友美子国立保健医療科学院室長は「日本のたばこ対策は進んでおらず、さまざまな立場の人に提言を利用してほしい」と話している。


2003/11/13  「受動喫煙ゼロのお店」第1号に長島の料理店 (中日新聞記事)  

【三重県】県桑名保健福祉部は12日、「受動喫煙ゼロのお店」の認証制度を開始し、第1号店として長島町松ケ島のイタリアンレストラン「ファル・ファーレ」=伊藤幸彦店長(43)=に認証シールを交付した。
 今年5月の健康増進法施行を踏まえた同部独自の取り組みで、県食品衛生協会桑員支部が協力。禁煙、完全分煙を実施している店舗を募集し、申請した3店のうち、ファル・ファーレ、桑名市堤原の和菓子店「長栄堂」の認証を決めた。同部管内では、40店舗以上が禁煙を実施しているとみられる。
 シールは、ハートのマークとともに「うちのお店も『受動喫煙ゼロのお店』です」と記されている。同部では「店のイメージ向上とともに、地域全体の意識が変われば」と話している。
 ファル・ファーレでは女性客の要望をもとに、昨年10月から分煙を開始、今年5月から禁煙に踏み切った。喫煙者離れで売り上げが減少したが、非喫煙者の口コミなどで客が増えてきたという。
 伊藤さんは「お客さん同士で副流煙の苦情を言うことはできず、店として健康を守る姿勢を示した。公的な認知を得たことで、いいPRになる」と喜んでいた。

→ 「受動喫煙ゼロのお店」の認証が始まります - 三重県北勢県民局桑名保健福祉部の「受動喫煙ゼロのお店」認証制度ホームページ


2003/11/12  県庁も全面禁煙、来年4月から実施 /埼玉 (毎日新聞記事)  

 県は11日、県庁舎や県の施設などを04年4月1日から、原則として全面禁煙にすると発表した。5月に健康増進法が施行され、官公庁などの施設管理者に受動喫煙の防止が義務付けられたことを受け、今月7日に「受動喫煙防止対策に関する指針」を策定した。県教育局も同様の指針を策定し、県立学校や教育事務所などを禁煙にする。県によると、都道府県で5番目の実施という。
 指針は、庁舎などを全面禁煙にすると定め、必要がある場合は敷地内も禁煙とすることができるとした。利用状況から全面禁煙が難しい場合は、喫煙室などを設けて分煙することもできる。
 敷地内禁煙にするのは児童・生徒の利用が多い平和資料館(東松山市)、健康に深い関係がある県立高等看護学院(江南町)と県立総合リハビリテーションセンター(上尾市)。さいたまスタジアム2002(さいたま市)などの集客施設や県営保養所などは分煙にする。
 県は現在、「職場における分煙の指針」などを作って室内を禁煙とし、廊下などに空気清浄機を置いて喫煙場所にしている。


2003/11/12  着メロ聴きながら禁煙・ダイエット! (朝鮮日報記事)  

 KTFは11日、自社のモバイルインターネット「マジックエヌ(MagicN)」を通じ、禁煙を手助けする特殊な着信メロディを提供する「健康着メロ」サービスを開始したと明らかにした。
 同サービスは、小さい音が速いスピードで繰り返されると、音響の種類別に聴く人間の潜在意識が多様な影響を受けるという「サブリミナル効果( Subliminal Effect )」を応用した。
 禁煙用着メロの場合、禁煙の意志を高めるほか、禁断現象の克服を手助けする効果があると、同社は説明している。
 KTFはこの他にも、食欲を抑制するダイエット用着メロ、ストレス解消用着メロ、受験生の集中力をアップさせる着メロなど、100種類あまりのメロディを提供する。
 利用料金は、端末の種類によってモバイルデータ料金以外に、1メロディーあたり300〜500ウォンの情報利用料が賦課される。同サービスの利用には、KTFの「マジックエヌ」に接続し、該当サービスをクリックすればいい。
 KTF・コンテンツチームのユン・ソクヒョン次長は「日本で行われた臨床試験では、潜在意識に影響するメロディを聴かせた場合、80%以上が肯定的な効果を得たという研究結果がある」とし、「サラリーマンや受験生など、幅広い利用者層を対象に着メロの差別化を図った」とした。
白承宰(ペク・スンジェ)記者


2003/11/12  フランス むせぶ喫煙大国 がん対策で大増税 たばこ1箱788円!? (西日本新聞記事)  

【パリ11日坂井政美】欧州で最も喫煙に寛容な国といわれるフランスで「たばこ騒動」が持ち上がっている。十月に実施した大幅なたばこ増税をめぐって政府とたばこ販売業界が反目を続ける一方で、“高額商品”となったたばこを狙った強盗や密売事件が続発。「これも値上げのせい」と突き上げられ、政府はたばこ関連犯罪防止に向けた特別対策に乗り出すことになった。
 ことし二度目となる増税で、同国内のたばこ一箱の平均価格は四・六ユーロ(約五百七十五円)から五・四ユーロ(六百七十五円)に。さらに来年一月には六・三ユーロ(七百八十八円)に再値上げの予定で、欧州で最も高値となる。販売価格の約八割は税金が占める。
 保健省によると、同国内のがん患者数は二十年前と比べ六割以上増え、男性のがんによる死亡率は欧州で最高。女性の肺がん死亡率も急伸しており、同省は「喫煙や飲酒などの生活習慣が一因」と警告。このため、政府はたばこ増税をがん対策の一環と位置づけ、増収分を医療保険制度の赤字補てんにあてる。
 値上げの直撃を受けたのが全国約三万四千のたばこ店。フランスではカフェを併設した店舗が多く、印紙や場外馬券、宝くじなども販売し、地域での影響力や政治的発言力も大きい。たばこ業界は「死活問題」と激しく反発。先月末には全国一斉の抗議ストを行った。
 それに加えたばこを狙った盗難事件が相次ぎ、たばこ店にとっては弱り目にたたり目。七日にはフランス北東部の町でたばこ約二千箱、約一万ユーロ(約百二十五万円)相当が夜間、店内から盗まれ、八日夕には北東部の別の町で三人組の短銃強盗がたばこ店に押し入る凶悪事件も発生した。
 たばこの密輸入やインターネットなどを利用した不法売買も急増していることから、治安当局は十日、たばこ店保護と不正流通摘発のための特別対策に乗り出す考え表明。近く、具体策を発表する予定だ。


2003/11/12  JT海外戦略つまずく、トルコのたばこ会社買収困難に (読売新聞ニュース速報)  

 日本たばこ産業(JT)は12日、トルコ政府が、国営アルコールたばこ会社「テケル」のたばこ事業売却に関する入札を中止したと発表した。
 JTの応札価格がトルコ政府の見込みを大幅に下回ったためと見られるが、これにより、買収は困難な情勢となった。国内での需要落ち込みを海外で補うJTの方針は出だしからつまずいた形で、海外戦略の練り直しを迫られそうだ。JTの応札額は11億5000万ドル(約1260億円)で、英ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)を抑えて1位入札者を勝ち取り、今後、応札条件の審査をクリアすれば、買収が可能になるはずだった。再入札が行われるかなどは不透明だが、トルコ側の希望価格はかなり高いと見られ、買収実現は困難との見方が多い。
 トルコは2002年の市場規模が約1100億本と世界7位の市場。JTはテケル買収を、アジア・中東を軸にした海外強化の足がかりとしたい考えだった。


2003/11/12  JTによる買収は見送り トルコ政府、入札を中止 (共同通信ニュース速報)  

 日本たばこ産業(JT)は十二日、トルコ政府が、国営たばこアルコール会社「テケル」のたばこ事業の国際競争入札を中止し、JTへの売却を見送ったことを明らかにした。
 競争入札では、JTが最高額十一億五千万ドル(約千二百五十億円)を提示していたが、トルコ政府は見込み額の三十億ドルを大きく下回ったとして、売却中止の判断を下したもようだ。入札が再度実施されるかどうかは不明。
 英フィナンシャル・タイムズ紙(アジア版)の十二日の報道によると、JTの代表が十一日アンカラで、同国のウナクタン財務相と会談し、JT側は当初の応札額に六千万ドルを上乗せする提案をしたが、トルコ側は売却を拒否し、交渉は不調に終わった。
 今回の入札にはJTのほか英ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)が応札していた。
 同国政府は、国際通貨基金(IMF)の金融支援による財政再建策の一環として国営会社の民営化を進めている。


2003/11/11  JTによる買収は見送り トルコ政府、入札を中止 (読売新聞記事)  

 子供がたばこを吸うと、大人よりも早くニコチン依存に陥ってしまう実態を、高橋裕子奈良女子大教授が、このほど開かれた日本公衆衛生学会で報告した。
 2001年に禁煙外来を受診した18歳以下の42人(平均年齢14・5歳)を、同時期に受診した成人と比較、分析した。
 たばこを吸い始めてから受診するまでの期間は、成人の20年以上に対し、子供では1・7年と短かった。受診までに禁煙を試みた回数は、成人1・5回に対し2・3回とむしろ多かった。高橋教授は「子供は、自力では禁煙困難と自覚するニコチン依存になるまでの期間が短く、周囲が考えているよりも実はやめたいと感じている」と話す。
 その一方、禁煙達成までに必要だったニコチンパッチの量は成人平均21・7枚に対し、2・9枚と少量で効果を得ることがわかった。「精神論ではなく、医学的な禁煙治療が子供にも必要」と、高橋教授は指摘している。


2003/11/11  学校配布用の米週刊誌、たばこの広告削除で合意 (CNNニュース)  

 米たばこメーカー大手、「フィリップ・モリス」「R・J・レイノルズ」「ブラウン・アンド・ウィリアムソン」「USスモークレス」の4社が、中学、高校に毎週配る米主要週刊誌に、たばこの広告を掲載しないことで合意したことが分かった。全米の検事総長の組織のたばこ規制委員会が10日明らかにした。
 米国の中学、高校では授業に使用する資料などとして、「USニューズ・アンド・ワールド・リポート」「タイム」「ニューズウィーク」3誌の学生版が発送されている。
 同委員会は今年6月、未成年者にたばこの宣伝をしないとするたばこ業界の取り決めに「明らかに違反している」などとして、4社に対し広告を学校版の週刊誌に載せないことで、出版元と話し合うよう提案していた。
 学校版における同4社の広告は、2002年1月から2003年6月の期間で約120件に及んだという。ニューズウィーク誌だけで毎週30万部が学校に配られている。


2003/11/10  たばこ吸う人また減った 8年連続、成人の30・3% (共同通信ニュース速報)  

 成人でたばこを吸う人の割合は今年八月現在、前年比0・6ポイント減の30・3%で、八年連続で過去最低を更新したことが十日、日本たばこ産業(JT)の調査で分かった。
 調査は全国の成人男女一万六千人に実施。一万七百九十人(67・4%)から回答を得た。
 男女別では、男性が前年比0・8ポイント減の48・3%と十二年連続で減少し、女性は0・4ポイント減の13・6%。これを基に喫煙人口を推計すると、男性が前年比二十七万人減の二千三百八十七万人、女性が十七万人減の七百二十一万人になる。
 最も喫煙者率が高いのは男女とも三十代で、男性が59・9%、女性が20・9%。地域別は男女とも北海道が最も高く、北陸甲信越が低かった。
 「毎日吸う」と回答した人の一日平均の喫煙本数は、男性が二二・九本(前年比○・四本減)、女性が一七・二本(同○・五本増)だった。
 JTは喫煙者の減少について「健康に対する意識の高まり、長期化する景気低迷などが影響している」としている。


2003/11/10  大気汚染はスモーカーの心臓発作を誘発=仏の研究 (時事通信ニュース)  

【ワシントン9日】大気汚染水準の上昇は喫煙者を中心に心臓発作を誘発するとのフランスの研究報告が9日、米フロリダ州オーランドで開催された心臓学会の会議で公表された。研究は1年のうち大気汚染が最もひどい18日間に行われ、そんな日に心臓発作を起こす人は住民全体では161%増加し、スモーカーの場合は250%も増えたことが分かった。
 研究はフランス東部にあるディジョン大学のイブ・コッタン氏らのグループが行った。コッタン氏は、心臓発作のリスクに関する限り、スモーカーは大気汚染に弱いと述べた。主としてディーゼル車から排出される10ミクロン以下の微粒子が1立方メートル当たり25マイクログラムを超えた場合、心臓発作を起こして入院する確率が住民全体では91%高くなり、スモーカーの場合はさらに一層高くなるという。
 研究対象になったのはディジョン地域で心臓発作により病院で手当てを受けた322人で、うち42%がスモーカーだった。コッタン氏は、世界の他の都市部も同様の状況にある可能性が大きいが、一層の研究が必要だと述べた。〔AFP=時事〕


2003/11/ 7  <喫煙>子どもはニコチン依存に陥りやすい 奈良女子大教授 (毎日新聞ニュース速報)  

 医学的に禁煙の支援をする病院の「禁煙外来」に通う子どもたちは、たばこを吸い始めてから約1年8カ月でやめられなくなり、大人以上に禁煙に挑戦している――。こんな実態が、高橋裕子・奈良女子大教授の調査で分かった。一方、禁煙治療で処方するニコチンパッチを子どもに使うと、少量で高い効果があることも判明。子どもの禁煙への医学的なサポートの重要性が、改めて浮き彫りになった。
 調査は01年、奈良県内の市立病院の禁煙外来を受診した未成年(10〜18歳)42人と、成人(22〜82歳)386人を対象にした。喫煙を始めてから、やめられなくなって禁煙外来を受診するまでの期間は、大人が約20年なのに、子どもは約1年8カ月。この間に禁煙を試みた回数は大人が1.5回、子どもは2.3回だった。
 子どものように、成長過程にある脳の神経細胞は、薬物の影響を大きく受けやすいという海外の研究結果もあり、高橋教授は「1、2年の喫煙なら大抵の大人は自力でやめられるが、子どもは大人より短期間で重度のニコチン依存に陥りやすく、本人や親の努力ではやめられず、受診に至る」と分析する。
 ニコチンを体内に補充するニコチンパッチを使う治療では、禁煙成功までに大人が平均約22枚使うのに対し、子どもは約3枚。治療から2〜4週間後の禁煙成功率は9割以上で、高い効果があった。しかし、1年後の禁煙持続率は大人と同じく3〜4割で、長期的な支援の必要性もわかった。
 高橋教授は「たばこを吸う子どもには停学や反省文などの懲罰ではなく、早急な医学的治療と息の長いサポートが必要だ」と話している。
 禁煙外来は、全国の病・医院などで約200カ所にある。


2003/11/ 6  喫煙青少年の肺機能が顕著に低下 (朝鮮日報記事)  

 最近、青少年の喫煙率が高くなっている中、たばこを吸ってから1年しか経っていない青少年でも肺機能が顕著に低下していることが分かった。
 啓明(ケミョン)医科大学・トンサン病院の家庭医学科のホン・チェグン、金大顯(キム・デヒョン)教授チームは、昨年5月から今年9月まで、大邱(テグ)地域の高校4校を訪問し、たばこを吸う高校生103人と、これら高校生と身長と体重の同じ「非喫煙」生徒95人を対象に、各グループの肺機能を比較・調査した。
 「喫煙」グループの生徒がたばこを吸った期間は平均12カ月で、喫煙量は1日5本程度だった。これら生徒は全員、過去に心肺疾患を患ったことはなかった。
 肺機能の測定は、息を大きく吸った後、できるだけ早い速度で息を吐き出し、最初の1秒間に吐き出す呼気量と全体の呼気量などを測る方法で行われた。このような方法の「1秒の呼気量」は、肺と気管支の弾力性を把握できる指標で、全体の呼気量は肺活量と関係がある。
 調査の結果、「非喫煙」生徒の1秒の呼気量は2.8リットルだったが、「喫煙」学生は2.4リットルだった。全体の呼気量も「非喫煙」生徒は2.9リットルだったのに対し、「喫煙」生徒は2.4リットルだった。
 これはそれだけ喫煙している学生の肺活量と気管支の弾力が少なかったという意味。喫煙量の多い生徒であるほどAこれらの指標が低かった。
 金大顯教授は「青少年は喫煙期間が短く、喫煙による身体の変化を感知することは難しいが、このように短い喫煙期間でも、肺機能は既に低下している」とし、「同じ喫煙量と喫煙期間でも、青少年時代から喫煙を始めた人は、肺がんの発生率が更に高くなる」と話した。
 現在、国内の青少年の喫煙率は男子生徒(高校生)35%と世界最高水準だ。女子高生の喫煙率は8.1%と、ここ10年間で4倍以上急増している。
金哲中(キム・チョルジュン)医学専門記者


2003/11/ 6  56・6%が禁煙に成功 ファイザーがネット調査 (共同通信ニュース速報)  

 禁煙成功率56・6%―。米製薬大手のファイザーの日本法人が六日発表した「七月一日のたばこの増税をきっかけとした禁煙」に関する調査で、こんな高い結果が出た。
 同社によると「一般に禁煙成功確率は20%程度」といわれており、「増税が禁煙を促進した」と分析。成功したとはまだ言い切れない「挑戦中」(23・7%)を加えると、禁煙継続中の人は全体の八割に達している。
 「禁煙を始めた最大の理由」については「健康のため」が全体の50・0%でトップ。「禁煙して良かったこと」では「小遣いが節約できた」(28・8%)が最多で、金銭面のメリットを多くが実感している。
 調査は十月二日、たばこ増税を契機に禁煙に挑戦した全国の男女各百五十人にインターネットを使って実施した。


2003/11/ 6  <JT>トルコのたばこ事業を買収へ (毎日新聞ニュース速報)  

 日本たばこ産業(JT)が、トルコのたばこ事業民営化に伴う、最も有力な売却先候補になった。トルコ政府が6日までに実施した国営たばこアルコール会社「テケル」のたばこ事業入札で、JTが11億5000万ドル(約1260億円)の最高値を提示したためだ。ただ、政府が入札額を不満として売却しない可能性もあり、最終決定は今後の審査に委ねられる。
 JTにとっては、99年に米RJRナビスコ社の米国以外の海外たばこ事業部門を77億9000万ドル(当時のレートで約9400億円)で取得して以来の大型買収案件。
 トルコの02年のたばこ消費量は約1100億本(世界7位)で、テケルのシェアは約60%。買収に成功すれば、JTの海外販売数量は約32%増の2700億本程度になり、03年3月期の国内販売2290億本を上回り、国内外の販売比率が逆転する。マールボロ製品のライセンス契約が05年4月で終了し、06年3月期の国内販売は1790億本にまで減少する見通しで、先細りの国内を補うための海外強化が急務とされている。
 JTは、医薬と食品事業の育成に力を入れているが、たばこ事業は依然、安定的な収益源。海外では、たばこ事業の民営化が相次いでおり、JTが買収に動くケースが今後もありそうだ。


2003/11/ 5  衆院候補、喫煙派は2割=「自販機規制必要」9割超える (時事通信ニュース速報)  

 今回の衆院選に立候補した小選挙区、比例区の全候補者を対象に実施したたばこ問題のアンケート調査で、喫煙者の割合が約22%にとどまっていることが、民間非営利団体(NPO)法人「子どもに無煙環境を」推進協議会(大阪市)の4日までの調査で分かった。一般より低い喫煙率で、国政の重責を担おうとする候補者の健康志向が浮き彫りになった格好だ。
 408人が調査に答え、回答率は38.4%。「たばこを吸うか」との問いには402人が回答し、「吸わない」が303人(75%)に上ったのに対し、「吸う」は87人(21.6%)だった。2000年の前回総選挙時調査では、喫煙率は26%で、健康志向の時代、支持に直接響くと考えたのか、一段と低下した。


2003/11/ 4  禁煙する人を応援するブラ トリンプが試作 (共同通信ニュース速報)  

 大手下着メーカーのトリンプ(東京)は四日、禁煙する人を応援するブラジャーを試作したと発表した。総選挙にちなみ、その名も「禁煙マニフェスト ブラ」。
 胸の谷間部分に、禁煙中のイライラ感を和らげるラベンダーや、タバコの味をまずくするジャスミンの香りが入ったカプセルを装着できるようにし、禁煙効果を上げる。
 ブラと、セットになっているショーツの表地には、タバコのにおいを化学的に分解する酸化チタンを液状にして染み込ませた。ブラやショーツには禁煙マークがデザインされているほか、付属のパッドは、取り外してマスクとしても使える。
 都内で五日から開かれる新製品展示会で展示するが、試作品なので販売する予定はないという。
 同社は昨年から禁煙を宣言した社員の家族に特別ボーナスを支給する制度を導入しており、今回も「広く世の中に禁煙を訴えたい」としている。


2003/11/ 4  禁煙は「まず担当局から」 厚労省、率先し喫煙所撤去 (共同通信ニュース速報)  

 来年四月から一階の喫煙室を除いて庁舎内を「全面禁煙」にする厚生労働省で、健康局をはじめ四つの課・局が各部局の先頭を切って喫煙コーナーを七日に撤去することを決めた。
 健康局は他人のたばこの煙を吸わされる受動喫煙防止を定めた健康増進法の担当局。「うちがやらなきゃ始まらない」(同局総務課)と早々に撤去を決めたという。
 厚労省会計課によると、省内には現在、排気装置付きの一階喫煙室以外に、各部局の職場内に計二十六カ所の喫煙コーナーがある。各コーナーは空気清浄器を付けただけで煙が広がり、人事院が七月に示した指針に反するとして、厚労省は八月末に喫煙コーナーの撤去を決めた。
 七日に撤去するのは健康局、雇用均等・児童家庭局、大臣官房国際課、同会計課内の計六カ所。残りの二十カ所については「来年三月末日まで残して」(喫煙歴三十年以上の愛煙職員)との声も強く、部局ごとに撤去時期を決めるという。

※ 健康増進法が施行されたのは今をさかのぼること半年前の今年5月1日です。これが1年前の話ならわかりますが、いまやすでに法律違反なのでは?


2003/11/ 4  9月のたばこ税収入、687億円減少 (共同通信経済ニュース速報)  

 財務省が4日発表した9月の税収実績によると、所得税や酒税収入などが減少したことから、一般会計税収は前年同月比3・3%減の2兆861億円となった。
 所得税は、定額郵便貯金の利子税収の減少などを受け、5・6%減の8438億円。7月出荷分への課税が中心の酒税は、冷夏によるビール、発泡酒の売り上げ不振が響き、5・6%減の1554億円だった。たばこ税も7月からの税率引き上げで、687億円と6・4%減少した。


2003/11/ 2  WHO報告書「世界人口10%がたばこで死亡」 (韓国中央日報Joins.com記事)  

 世界人口62億9000万人の中で5億人程度がたばこのために命を失うだろうという報告書が発表された。
 韓国保健社会研究院が翻訳、2日に発刊した世界保健機関(WHO)の「世界禁煙動向と政策効果」報告によると、喫煙が全世界成人の死亡原因の10%を占めている。
 報告書は「現在生きている世界人口のうち5億人くらいが、たばこによって命を失うものとみられ、その半分が中年層と予測される」とし「予想される死者のうち約1億人は、中国人男性になるだろう」と警告した。
 また、発展途上国の15歳男子1000人のうち125人が中年になった後、喫煙で死亡し、中年が過ぎた後、再び125人が死亡する可能性があるという。
 これに比べて、日本と米国など先進諸国の場合、死亡率が相対的に低いものとされる。男性喫煙率は、韓国を含めた東アジアと太平洋沿岸諸国、東欧、中央アジアが59%で、最も高かった。
申成G(シン・ソンシック)記者 < ssshin@joongang.co.kr >


2003/11/ 1  病院禁煙:関西の大学で広がる 神戸大付属病院は全敷地対象 (毎日新聞記事)  

 他人のたばこの煙を吸わされる受動喫煙の防止を義務づけた健康増進法の施行から半年。関西の大学病院で、分煙から全面禁煙に踏み切る動きが広がっている。大阪大付属病院(大阪府吹田市)は今月に入って、院内の喫煙室を廃止し、禁煙の談話室に改装した。また、神戸大付属病院(神戸市)では来年から、職員は屋内に限らず、敷地全域で禁煙にするという徹底ぶりだ。
 阪大病院は98年に院内を原則禁煙にしたが、外来・中央診療棟1階に1カ所だけ喫煙室を設けていた。同法施行時も「見舞いに来た喫煙者への配慮」として存続させたが、「その後の社会状況を考慮して」廃止した。廃止した喫煙室の入り口には「受動喫煙の防止及び健康増進のため」と協力を求める張り紙が張られていた。
 神戸大病院は今月から、喫煙は屋外の専用スペースに限定、職員については来年1月から敷地全域で禁煙とする。
 このほか、近畿大医学部付属病院(大阪狭山市)も9月から院内を全面禁煙にして、屋外に専用の喫煙室を建てた。京都大付属病院(京都市)、関西医大付属病院(大阪府守口市)も現在ある喫煙室を廃止する方向で検討している。
 一方で、多少の混乱もみられる。喫煙室を院内から屋外に移した大阪医大付属病院(同府高槻市)では、トイレに落ちている吸い殻が増えた。同病院は「全面禁煙を目指すが、隠れたばこが増えると防火上危険」と困惑顔だ。入院患者が喫煙のため、指定時間外に外出することもあるという。
 5月1日の施行された健康増進法は、多くの人が集まる施設の管理者に受動喫煙防止に必要な措置を講ずる努力義務を課している。【奥野敦史】
 ◇たばこ対策に詳しい大島明・大阪府立成人病センター調査部長の話 医療機関の禁煙の流れは今後も加速するだろう。病院は禁煙が当然、という意識が浸透すれば、隠れたばこも減り、入院を機にたばこをやめる人も増えるのではないか。患者に禁煙を求めるのだから、職員も禁煙とするのが当然だ。


2003/11/ 1  校内禁煙化 急ピッチ 健康増進法 半年 (東京新聞記事)  

 五月の健康増進法施行に合わせ校内禁煙の実態を調査した全国三十三の教育委員会所管の小学校のうち、四分の一超が既に禁煙化を達成していることが日本小児保健協会学校保健委員会の調査で分かった。中学でも約二割、高校では約一割が禁煙化し、予想以上の早さで校内禁煙が進んでいる実態が明らかになった。十三日から鹿児島市で開かれる日本小児保健学会で報告される。
 都道府県、政令市の全六十教委に校内禁煙に関する質問表を配布し、五十九の教委が回答。うち三十三の教委が実態調査を実施していた。
 調査結果によると、三十三教委が所管する小学校九千六百四十一校中、千七百四十三校が建物内禁煙、七百五十一校が敷地内禁煙を達成。合わせて二千四百九十四校、全体の25・9%が禁煙化されていた。
 中学では四千三百八十六校中、六百十一校が建物内禁煙、二百四十四校が敷地内禁煙。高校では二千五百七十二校中、百六十八校が建物内禁煙、九十一校が敷地内禁煙になった。
 こうした中、京都、鳥取、岡山の三府県教委は禁煙ではなく「完全分煙」の指示を出していた。また、八教委は今後、校内禁煙調査を予定しているが、人口の多い東京、神奈川、愛知、大阪(高校のみ実施)、福岡など七都府県と三市は「調査の予定はない」と禁煙促進にやや消極的だった。
 調査した北海道池田町立病院小児科の原田正平医師は「健康増進法施行のおかげか、これまで十年間かけてやってきた取り組みがこの半年で一気に進んだ印象だ」と話している。


2003/11/ 1  「ガムたばこ」上陸で波紋 (読売新聞ニュース速報)  

 日本向けに商品化されたスウェーデン製ガムたばこが、先月中旬から東京、神奈川の一部地域で試験販売され、波紋が広がっている。
 財務省の認可を受けた正式な「たばこ」だが、見た目はガム。「子供が手を出しやすく、危険な商品」と医療、教育関係者らは反発しており、歯科医師らで作る日本口腔(こうくう)衛生学会と日本口腔外科学会は4日、財務省に対し認可の取り消しを求めて緊急申し入れを行う。
 このガムたばこは「ファイアーブレイク」。スウェーデンの会社が、喫煙人口の多い日本向けに開発した商品で、1箱(10粒入り)280円。小田急線沿線の駅売店やたばこ店、一部のコンビニエンスストアで、たばことして大人に試験販売されている。
 「1粒にニコチン1ミリ・グラムを含み、通常のたばこ1本分に相当する」と表示され、「吸えない時の代用品」がうたい文句だ。
 これに対し、子供の禁煙外来を開く医師の高橋裕子奈良女子大教授は「お菓子と同じ格好をしていて抵抗感が少ない。口をクチャクチャしていても、普通のガムと区別がつかない。ニコチン依存から喫煙に至る引き金にもなる」と言う。
 また、国際歯科連盟禁煙推進委員会の市来英雄幹事は「かみたばこは口腔がんとの因果関係が指摘されている」と警告。歯科の両学会は「煙が出ないため安全だという錯覚を、成人にも与える恐れがある」と、認可取り消しを申し入れることにした。
 たばこ製品は薬事法や食品衛生法の対象ではなく、厚生労働省の管轄外。それでも同省監視指導課は財務省に「未成年対策に配慮すべきだ」と要請しているが、財務省たばこ塩事業室は「問題が出れば、その時考えたい」とそっけない。
 ◆輸入元は「問題ない」◆
 輸入販売元の会社は「国から正式にたばことして認可されている。ガムではなく、たばこ製品であって未成年の使用は禁じられていることを明記したチラシも作成し、誤って使用されることのないよう注意を呼びかけている。自動販売機での販売もしない」と説明している。
 ◆かみたばこ=タバコの葉を口の中でかんだりしてニコチン成分を吸収する。インドなどで好まれているほか、スウェーデンの若者の間では、タバコの葉をパックに詰めて歯茎にはさむたばこが流行し、問題化している。

※ コメントにもありますが、かみタバコは口腔がんを引き起こすため、流行している国々では大変問題になっています。日本では発売を禁止すべきです。


2003/11/ 1  全面禁煙にしてほしい場所――歩きたばこ「迷惑」(何でもランキング)  (日経プラスワン記事)  

 五月の健康増進法施行などを機に公共スペースを禁煙にする動きが強まっているが、煙害で不快な思いをしている人は依然多い。「全面禁煙にしてほしい場所」を聞いたところ「路上」=写真は東京都千代田区大手町=が一位となった。

【表】全面禁煙にしてほしい場所
1  路上  753
東京都千代田区を皮切りに杉並区、広島市、福岡市などが歩きたばこ禁止に踏み切る   
2  横断歩道付近  370
信号待ちの時間でちょっと一服。「歩行中より煙を避けにくい」(30代女性)面も    
3  鉄道のホーム  279
全面禁煙化は一部私鉄のみ。喫煙場所以外で吸う不心得者への批判も多い    
4  駅構内  254
JR西日本が10月から駅構内を全面禁煙化。ルールを守らない喫煙者も少なくない    
5  列車の中  240
禁煙車が満席で喫煙車に座らざるを得ないケース。「逃げ場がない」(50代男性)のがネックに    
6  ファミリーレストラン  224
飲食店関係では最も全面禁煙を望む声が多かった。分煙対策の不十分さを指摘する意見が多い    
7  公園  168
全面禁煙の公園はごく少数。ベンチなどの周りに散乱する吸い殻が見苦しい    
8  テーマパーク・遊園地  166
子どもへの影響が心配。「乗り物待ちの行列でたばこを吸われ不快な思いをした」(40代男性)    
9  映画館・ホール  155
客席はほぼ100%禁煙だが、ルール違反の喫煙者がいる。煙でスクリーンが見にくくなる弊害も    
10  職場  154
分煙が不十分という不満が目立つ。影響が長時間に及び、健康面への懸念も    

【表】全面禁煙になると困る場所        
1    居酒屋・バー        251
2    自宅             199
3    喫茶店・カフェ       188
4    ファミリーレストラン    170
5    ホテル・旅館の部屋    165
6    カラオケボックス      129
7    路上             104
8    パチンコ店         103
9    職場              84
9    テーマパーク・遊園地   84


2003/10/31  <たばこ病訴訟>1審敗訴の原告が控訴 (毎日新聞ニュース速報)  

 「喫煙で病気になった」として、日本たばこ産業(JT)や国などに損害賠償などを求めた「たばこ病訴訟」で、肺がん患者ら6人は31日、請求を認めなかった東京地裁判決(今月21日)を不服として、東京高裁に控訴した。


2003/10/28  米レイノルズ、大幅赤字 (共同通信経済ニュース速報)  

【ニューヨーク28日共同】米たばこ2位RJレイノルズが28日発表した7−9月期決算は、純損益が前年同期の黒字から34億5100万ドル(約3700億円)の大幅赤字に転落した。リストラ関連の評価損を計上したため。
 売上高は12・7%減の13億8400万ドル。
 たばこ訴訟の費用負担に加え、タバコ離れにより業績は低迷。同社は事業を立て直すため9月に従業員2600人の人員削減を発表、2005年までにリストラなどでコストを10億ドル削減する。一方、「キャメル」「セーラム」などの人気ブランドはてこ入れしていく方針だ。
 同社は前日、生き残りをかけて同業のブリティッシュ・アメリカンとの事業統合を発表した。


2003/10/28  大手たばこが米事業統合 生き残りかけ再編 (共同通信ニュース速報)  

【ニューヨーク27日共同】米たばこ二位RJレイノルズと同三位ブリティッシュ・アメリカン(本社・ロンドン)は二十七日、両社の米国でのたばこ事業を統合、新会社を設立することで合意した。新会社名は「レイノルズ・アメリカン」。
 新会社の年間売上高は百億ドル規模に達し、米国での市場占有率(シェア)は約30%となる見通し。
 相次ぐたばこ訴訟の巨額な費用負担に加え、喫煙に関する規制が強化される中で、両社は生き残りをかけて再編に踏み切ることになった。
 新会社の株式はRJが二億六千万ドル拠出して58%取得、残りを生産施設などを現物出資する形でアメリカンがそれぞれ所有する。新会社は今後一年半から二年かけて、販売、製造部門などを段階的に統合する方針だ。
 RJは「キャメル」「セーラム」、アメリカンは「ラッキーストライク」などが主力ブランド。


2003/10/28  新法施行と増税響き、減少幅史上2位 たばこ上半期販売 (朝日新聞ニュース速報)  

 日本たばこ協会が28日発表した03年度上半期の紙巻きたばこの販売実績によると、販売数量は前年同期比3.9%減の1545億本で、消費税増税で落ち込んだ97年度上半期(5.5%減)に次ぐ史上2番目の減少幅を記録した。
 上半期ベースでは99年度以降、5半期連続で減少している。長期低落傾向にあるところに、5月に受動喫煙の防止を義務づける「健康増進法」が施行されたほか、7月からのたばこ税増税も重なり、今回の大幅な落ち込みにつながった。
 販売定価代金は同0.7%減の2兆519億円だった。高価格帯の外国紙巻きたばこが堅調なため、販売数量に比べて減少幅は小さくなっている。


2003/10/25  <憂楽帳>受動喫煙 (毎日新聞ニュース速報)  

 結婚するならたばこを吸わない人と。両親からそう言われて育った。いいつけを守るわけではないが、受動喫煙の怖さは分かる。
 東京大大学院生の中田ゆりさんは、国際線の客室乗務員経験がある。各社が全面禁煙に踏み切る前の時代。離陸後、禁煙灯が消えると、あちこちから紫煙が上がった。日本人の多い路線はひどかった。灰皿はすぐにあふれ、回収に追われた。着陸時、吸っている乗客に注意したら「ばか野郎! おれは客だ」と怒鳴られた。
 「接客のプロなんだからと、煙たくても我慢してました」
 大学院生に転身すると、受動喫煙を研究テーマに選んだ。公共の場所なのに分煙対策がおざなりな所が多い。大学病院では、煙が立ち込める喫煙所横の廊下を救急患者が運ばれていた。「煙を吸わされる従業員や未成年のアルバイト、客や患者の健康は誰が守るのですか」と中田さんは言う。
 世界保健機関は「安全な受動喫煙は存在しない」という。推計では、国内で年間2万人が死んでいる。結婚の条件に「非喫煙」を加える人が増えても、不思議ではない。


2003/10/23  たばこ注意表示で意見募集=財務省 (時事通信ニュース速報)  

 財務省は23日、健康への注意文言をたばこ包装に記載するよう義務付ける省令改正について、一般からの意見募集を開始した。
 注意文言は「喫煙はあなたにとって肺がんの原因の一つとなります」など8つ。現在の「あなたの健康を損なうおそれがありますので吸いすぎに注意しましょう」などの表現に比べ具体的で、表示面積も大きくなる。
 改正省令は11月中旬に公布・施行され、2005年7月から完全実施となる。一般からの意見は11月5日まで、郵便、ファクス、電子メールで受け付ける。問い合わせ先は、同省理財局総務課たばこ塩事業室(代表電話03−3581−4111)。

→ 財務省の意見募集サイトはこちら(締切は11月5日


2003/10/22  フランスで喫煙女性の肺がんが増える見通し=調査 (ヤフーニュース)  

[パリ 22日 ロイター] 女性の喫煙は美しさのシンボルとされることが多いフランスで、肺がんで死亡する女性喫煙者の数が今後数年間に急増する、との見通しを示す研究が発表された。
 国立公衆衛生研究所(INVS)が今週発表したもので、2015年以降、年間1万2000人の女性が肺がんで死亡する、と予想している。この数字は、1980年の6倍にあたる。
 1980―2000年の期間にも、肺がんで死亡した女性の数は2倍以上に増加している。肺がんで死亡する男性の数は、50%以下の増加にとどまっている。肺がんは、がんのうち同国で最も死亡率が高い。
 高齢者の増加で誤差が発生する部分があるものの、この数字は、依然多くの若い女性が喫煙を始め、後に禁煙することが男性に比べて難しいことが多い、との事実に対する懸念を浮き彫りにするものとなる。
 一方、別の調査では、同国の十代の少女と若い女性の3分の1が喫煙していることが分かっている。これは、男性とほぼ同水準。
 さらに、1日の喫煙本数が半ケースに上る女性の割合は、過去30年間に全体の10%から26%に上昇している。


2003/10/22  <受動喫煙>大学病院で国の基準を超える 産業医大調査 (毎日新聞ニュース速報)  

 大学病院での分煙が不完全なため、禁煙場所でも国の基準を超える「煙害」が起きていることが、東京大(東京都文京区)と産業医科大(北九州市)のグループによる調査で分かった。たばこの煙を非喫煙者が吸いこむ「受動喫煙」が原因とみられる死者は年間2万人と推計されている。5月に施行された健康増進法で受動喫煙の防止がうたわれたが、多くの患者が利用する病院でも受動喫煙が避けられない実態が浮かんだ。京都市で開催中の日本公衆衛生学会で23日発表する。
 調査は首都圏の3大学病院の▽喫煙室▽喫煙室の外の廊下▽院内の飲食店、の計10カ所で、たばこの煙の粒子(粉じん)を測定する機器を使い、空気1立方メートルあたりの濃度を測った。労働基準法や厚生労働省の分煙効果判定基準は、喫煙場所でも0.15ミリグラム以下を保つよう指導している。
 飲食店(7店)のうち、全面禁煙店(3店)ではほとんど検出されなかった。しかし、自由に喫煙できる2店では、昼食、夕食時間帯を中心に、1立方メートルあたり最高1.2ミリグラム、平均でも0.11ミリグラムだった。仕切りがないなど、分煙対策が不完全な2店は、喫煙スペースで最高0.56ミリグラム、禁煙スペースでもピーク時には基準の倍以上の0.3ミリグラムを超えた。
 院内の喫煙室では、人の出入りでドアが開くたびに煙が廊下に漏れ、患者が行き来する廊下でも、基準を超えることがあった。
 米国などでは、医療機関の多くが禁煙を徹底しており、患者も見舞い客も院内で喫煙できない。
 調査を担当した東京大大学院国際地域保健学教室の中田ゆりさんは「病気を治し、健康指導をする病院内で、喫煙を認めること自体、対策が遅れている。全面禁煙にするくらいでないと、医療機関の使命は果たせない」と指摘している。


2003/10/22  たばこ判決―怖さが伝わらない (朝日新聞ニュース速報)  

 たばこを長年吸って肺がんや肺気腫にかかったとして、患者6人が日本たばこ産業(JT)や国に損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁は原告の訴えを退けた。
 原告が問うたのは、害があることをきちんと知らせないまま有害な商品を売り続けていることの責任だった。
 しかし、裁判所は「たばこの製造・販売は、たばこ事業法に基づいている」と述べた。そのうえで、「あなたの健康を損なうおそれがありますので、吸いすぎに注意しましょう」という注意書きは警告として一定の機能を果たしている、と判断した。
 たしかに、有害と知られているたばこを長い間吸っていたのだから、病気になったからといって製造元を訴えることに違和感を持つ人も多いだろう。しかし、それにしても、今回の判決はたばこの害や怖さについて認識があまりにも足りない。
 判決は、たばこが有害であることは認めている。注意書きについて「消費者が有害性について意識し、喫煙をするかどうか自己決定をするにふさわしい文言であることが必要だ」とも述べている。
 それなのに、なぜ、いまのあいまいな表現でよしとしたのか。「吸いすぎに注意しましょう」というのは、吸い過ぎなければ害はないと言っているようなものだ。たばこを吸うだけで危険であり、周りの人にも害を及ぼすという事実は伝わらない。
 ほかにも首をかしげる点がある。依存性についての判断もそのひとつだ。
 一度習慣になるとやめられなくなってしまうのが依存性である。ニコチンに依存性はあるとしながら、「禁煙に成功した者も多い」から「依存性の程度はアルコールなどより格段に低く、意思と努力で禁煙できないほどのものではない」と述べた。
 だが、世界銀行の報告では、禁煙を個人的に試みても成功率は低く、成功しても大半の人が1年以内に再びたばこを手にするとされている。日本で禁煙指導に熱心な医師たちも「意思と努力で禁煙できるという思い込みは間違い」と口をそろえる。
 禁煙するのは難しい。一方で、たばこは様々な病気を引き起こし、若くして死ぬ可能性を高める。だから若者が吸い始めないようにする対策こそ、大事なのだ。
 日本の喫煙率は全体として減少傾向にあるが、20代の男性はほとんどの世代と同じく5割を上回る。女性は20代の増加が目立ち、この年代の2割がたばこを吸う。
 高校生の調査では、男子の半数以上、女子の4割が喫煙経験ありと答えている。
 この数字からも、たばこの怖さが若者に十分伝わっていないことが読み取れる。
 注意書きについて、財務省は05年から「喫煙は、あなたにとって肺がんの原因の一つとなります」などと具体的な病名を入れた内容に変える。たばこ規制枠組み条約の世界保健機関での採択を受けたものだ。
 世の中は少しずつ進んでいる。


2003/10/21  がん患者らの「たばこ病訴訟」、請求を棄却…東京地裁 (読売新聞ニュース速報)  

 がん患者ら6人が、喫煙によって病気になったとして、国や日本たばこ産業(JT)に計6000万円の損害賠償とたばこ広告の差し止めなどを求めた「たばこ病訴訟」で、東京地裁は21日、請求を棄却した。浅香紀久雄裁判長は、「ニコチンの依存性は、喫煙者の自由な意思決定を奪うほど強くない」と述べた。原告側は控訴する方針。
 この訴訟は、喫煙者が国を相手取った初の訴訟で、がんなどに冒された患者による訴訟としても国内では初めてだっただけに、司法判断が注目された。しかし、判決は原告側の訴えを全面的に退け、喫煙の有害性について、「肺がんなどにかかる危険性を高める」と指摘するにとどまった。
 また、「健康のため吸いすぎに注意しましょう」という表示が、1972年からたばこの箱に付けられるようになった点も、「諸外国に比べ、著しく遅れているとは言えない」とした。
 訴えていたのは、50代―70代の男性(3人は98年の提訴後に死亡)。
 原告側は、たばこの有害性を知らされず、喫煙を続けたことが原因で発病したと主張。JT側には「消費者に正しい情報を提供しないまま販売を続けた」とし、国には「違法な販売を放置した」として、たばこ広告の差し止めや、「発がん性がある」と明記することなどを求めていた。
 喫煙者の健康被害を巡っては、ニコチン依存症になったとする男性らが、JTに販売差し止めなどを求めた訴訟があるが、請求が棄却され、確定している。
 ◆原告からは失望の声◆
 「アメリカなどに比べ、30年前のような判決だ」――。判決がニコチンの強い依存性などを否定したことに、原告側からは失望の声が上がった。
 弁護団長の伊佐山芳郎弁護士は、判決後の会見で、「国際的な知見から著しく遅れた判決で、遺憾だ」と不満をあらわにした。
 原告団長として今年5月の結審まで訴訟の先頭に立ち、1か月半後に76歳で亡くなった荒木照夫さんの3男、淳さん(36)も、法廷で判決を聞き、釈然としない表情を浮かべた。
 東京都内で歯科医を開業していた照夫さんは、20歳から喫煙を始め、多い時は1日50―60本を吸った。81年に病院で肺がんと診断され、初めて医師から喫煙をやめるよう指示されたという。片肺を手術で切除したが、「たばこの恐ろしさを若い世代に知ってほしい」と、小中学校などを講演して回った。
 米国では98年、たばこの害が原因で医療負担を強いられた全米各州の政府が起こした訴訟で、たばこ会社側が総額約23兆円を支払う和解が成立。JTもこの和解に参加し、輸出品の一部には「がんの危険性あり」と表示している。淳さんは「父は有害性を知りながら国内では情報を開示しないJTの姿勢に憤っていた」と話した。

コメント : 「ニコチンの依存性は強くない」とした判決文は、医学的にも明らかに誤りです。タバコの依存性の強さは、なにより禁煙したくてもできない多くの喫煙者の方々が立証しておられます。


2003/10/20  喫煙は癌治療にマイナス  乳癌患者の長期死亡リスクは禁煙により低下 (WebMD Medical News)  

 喫煙は乳癌のリスク因子ではないか、と長年にわたり疑われてきた。乳癌の診断後であっても、禁煙によって女性の乳癌による死亡リスクを有意に低下しうる、と新規研究が示している。
喫煙と乳癌との関連を明確に示した研究はなかった。しかし、2002年に『Lancet』に掲載されたカナダの研究者らの報告によると、月経開始後5年以内に喫煙を始める女性は、全く喫煙しなかった女性と比べて50歳前に乳癌になる可能性が70%高いという。女性3,000例における癌の罹患率と喫煙歴の分析によると、この関連はティーンエージャーの喫煙期間とは関連がなかった。
乳癌細胞の成長を促進するエストロゲン活性は、喫煙によって抑制されるため、喫煙によって閉経後の女性の乳癌リスクが実際に減少する可能性がある、と示唆する研究も過去存在する。このため、本研究とその研究結果は重要である。
10月20日に発表された新規研究は、初めて乳癌の初期治療期間の喫煙が及ぼす影響を検討した研究であり、これによって、放射線療法や他の療法の施行期間中に喫煙を続ける女性は、全く喫煙しなかった女性と比べて、後に癌死する可能性が2.5倍高いことが明らかにされた、と研究者であるFox Chase癌センター(フィラデルフィア)のKhanh H. Nguyen, MDは述べる。
しかし、治療開始前に患者が禁煙すると、癌診断後10年以内の癌死リスクは、全く喫煙しなかった患者のリスクにまで低下する。
「禁煙は依然として乳癌の包括的管理に不可欠な要素であることがわれわれの研究から示唆される」と同博士は述べる。
「喫煙が治療の転帰に影響を及ぼすこともある」と同博士はWebMDに対して語る。「これは、禁煙するのに遅すぎるということは決してない、とあらゆる喫煙歴の患者に向けて示される、良いニュースである」。
同博士の研究は、米国放射線腫瘍学会(ASTRO)年次集会で発表されたが、本研究には、1970年以降、乳癌治療を受けた非喫煙者1,039例と喫煙者861例が含まれていた。その後、同博士は、平均5.5年間にわたり、患者の転帰を調査した。
癌の進展、手術や放射線治療によるコントロール等の因子を適正化したところ、治療開始後10年以内の死亡率は、喫煙を継続した女性の方が、治療開始前に禁煙したか、または全く喫煙したことのなかった女性と比べて、2倍高いことが同博士の研究チームにより明らかにされた。
「本研究の論旨は、喫煙は有益ではなく、(乳癌)診断後であっても禁煙によって好ましい効果が得られる可能性があるということである」とエール大学医学部(コネチカット州ニューヘブン)の放射線治療学教授Bruce Haffty, MDは述べる。同博士は、Nguyen博士の研究には参加していなかった。
「確かに、乳癌のリスクを低下させるために人々に喫煙を奨励することには抵抗を覚える」とHaffty博士は話す。「しかし、単一因子として喫煙を考えた場合、喫煙は癌の予防法ではないことを本研究は示している。実際、喫煙により転帰は悪化した。全体的な生存率を考慮すると、喫煙の継続は、予想通りの有害な影響を及ぼす」と同博士はWebMDに対して語った。もちろん、さらに良いのが喫煙を始めないことである。


2003/10/12  <傷害>駅での喫煙、カメラで撮影され逆上 川崎市 (毎日新聞ニュース速報)  

 11日午後10時40分ごろ、川崎市宮前区宮崎2の東急田園都市線宮崎台駅の上りホームで、たばこを吸っていた千葉市中央区椿森、会社員、松本浩容疑者(25)が、川崎市宮前区宮崎、会社員、後藤太郎さん(42)からたばこを注意されたことに腹を立て、後藤さんの顔を殴るなどした。後藤さんは鼻を骨折するなど全治1カ月のけが。後藤さんが松本容疑者を駅員に引き渡し、神奈川県警宮前署が傷害容疑で現行犯逮捕した。
 調べでは、松本容疑者が注意されても吸うのをやめなかったため、後藤さんがカメラ付き携帯電話で顔を撮影。松本容疑者は「カメラを向けられてカッとなった。申し訳ないことをした」と供述しているという。
 東急を含む関東の大手私鉄8社は、今年5月1日に施行された健康増進法に基づき、駅構内を終日全面禁煙としている。


2003/10/11  「排水舗装」が目詰まり たばこポイ捨てやめて −除去困難、浸透低下の恐れ (南日本新聞記事)  

 従来のアスファルト舗装に比べ、雨水の浸透性が高い「排水性舗装」が鹿児島市内の国道でも増えている。しかし水はけをよくするための細かなすき間に、ポイ捨てたばこの吸い殻が詰まり、除去が難しいため、管理する鹿児島国道事務所は苦慮。「見た目も汚いし、何より排水機能が低下する恐れがある。道路へのたばこのポイ捨ては絶対やめてほしい」と、呼びかけている。
 排水性舗装は、表層部分が1センチぐらいの砕石で構成され、すき間から雨水が内部に吸収され排水される仕組み。水たまりができず安全性が高く、タイヤ音などを低減できる効果がある。市内では1996年8月、伊敷町の国道3号を皮切りに、10号、225号などで導入され、今年3月末現在、約7.7キロの区間に使われている。
 このうち、吸い殻の詰まりが目立つのは、3月に施した新照院町付近の国道3号。新上橋交差点付近の中央部の車線と、新照院交差点の中央部が特にひどく、たばこのフィルターや紙くずが一面にこびり付いている。
 「このままではごみの詰まりで機能が低下する」と今年7月、業者に清掃を依頼。通常の散水車とロードスイーパーによる清掃を行ったが、すき間に食い込んだたばこを取り除くことが難しく、見た目で7割程度しか除去できなかった。
 国道事務所はこれまで、アスファルト舗装ではごみが集まりやすい路肩部分を清掃していたが、今後、現状を踏まえ、道路中央部分の清掃に加え、どのような方法が効果的か、回数も含め検討中。「除去してもポイ捨てが続いてはいたちごっこ。現時点では運転手のマナーに頼るしかない」と話している。


2003/10/10  禁煙の成否は遺伝子次第 (HealthDay News Japan記事)  

 長年喫煙していたにもかかわらずわずか1日で禁煙に成功し二度と喫煙しない人がいる一方で、禁煙に苦労する人がいるのはなぜか――その答えが神経伝達物質であるドパミンの機能に変化をもたらす2つの遺伝子にあることが、医学誌「Health Psychology」10月号掲載の米ペンシルバニア大学による研究で明らかになった。
 ドーパミンは脳内で神経細胞間のメッセンジャーとして働く神経伝達物質である。研究では臨床試験に組み入れた418人に対して抗うつ薬ブプロピオンまたはプラセボのいずれかを10週間にわたって投与し、行動カウンセリングを行った。遺伝子分析のために全例で血液採取析を行い、禁煙状態を10週目の終わりと6か月後に評価して同薬の禁煙効果を調べた。
 その結果、ドーパミントランスポーター(輸送)遺伝子(SLC6A3)およびドパミンレセプター(受容体)遺伝子(DRD2)の特定の変異体をもつ人は、そうでない人に比べ禁煙および再喫煙の回避に成功する率が高いことが判明した。将来的には、禁煙治療に対する反応を左右する患者個人の遺伝子構造に基づいてザイバン(プブロピオン)やパッチ(ニコチン補充療法)などの療法を適格に選択できる可能性が示唆されている。
 しかし、米オクスナー禁煙センター長のRobert Baker氏は「この治療法が確立するまで待っていたのでは生きながらえることができない」とし、「これらの遺伝子がない人には少し大変かもしれないが、それでも何千という成功例があり、必ず禁煙はできる」と断言する。ちなみに現在の米国では男性の約25%、女性の21%が喫煙者であるが、米国対がん協会(ACS)によるとすでに4400万人を超える人が禁煙に成功しているという。


2003/10/ 9  長期・大量喫煙の中年男性で悪性度の高い前立腺癌リスク倍増 (Medical Tribune 2003年10月9日号 / Vol.36 NO.41 / P.20)  

〔米ワシントン州シアトル〕 フレ ッドハッチンソン癌研究センター(FHCRC,シアトル)のJanet L. Stanford前立腺癌研究プログラム部長らは,長期にわたりヘビースモーカーであった中年男性の悪性度の高い前立腺癌リスクは,一度も喫煙したことのない男性の 2 倍であったと,Cancer Epidemiology, Biomarkers and Prevention(12: 604-609)に発表した。同研究は,米国立癌研究所(NCI)から助成を受けており,ワシントン大学(シアトル)の研究者らも協力している。
大量喫煙者は確実にリスク増大
筆頭研究者でワシントン大学公衆衛生・地域医療学の疫学教授でもあるStanford部長によると,特に喫煙歴が“40 pack-years”( 1 日 1 箱を40年間,または 2 箱を20年間吸い続けること)以上の65歳未満の男性では,悪性度の高い前立腺癌のリスク増大の確率は100%であり,非喫煙者と比べて 2 倍であるという。また,前立腺癌全体の罹患リスクも,ヘビースモーカーの男性は非喫煙者に比べて60%高く,現在も喫煙を継続している男性は40%高かった。
同部長は「今回の研究は,喫煙が前立腺癌の危険因子であることを裏づける新たなエビデンスを提供するもので,喫煙が致死的な前立腺癌のより強力な危険因子であることを示唆する最近の知見を追認するもの」と述べている。
同部長によると,喫煙と前立腺癌との関係についての研究結果は,これまでさまざまであったが,こうした過去の研究成果や,さらにはジョンズホプキンス大学(メリーランド州ボルティモア)およびハーバード大学(ボストン)の研究者らの最新知見によって,特に喫煙量が多く,長年習慣となっている場合には,喫煙を前立腺癌の重大な危険因子とするエビデンスが蓄積されてきたという。同部長は「公衆衛生の観点からすれば,喫煙に影響される悪性腫瘍の膨大なリストに前立腺癌を加えるだけの十分なエビデンスがそろったと言える」と述べている。喫煙が関与する癌としては,ほかにも肺癌,膀胱癌,子宮頸癌,食道癌,腎臓癌などがある。
若年層対象のため信頼性高い
今回の研究は,シアトル地域の40〜64歳の男性1,450例以上を対象とした。半数は前立腺癌患者(診断は1993〜96年の間)で,残り半数は非患者の対照群である。被験者には詳細な個人面接を行い,喫煙やアルコール摂取,食習慣,職歴などさまざまな因子を検討した。
同研究は,全体的な前立腺癌罹患率の低い若年層を対象としており,特定の危険因子の影響を引き出しやすいことから,信頼性が高いと言える。Stanford部長は「65歳未満の男性を対象としたことで,前立腺癌への喫煙の関与を検出しやすかったのではないか。高齢層ではさまざまな危険因子の蓄積作用で,単一の因子を特定しにくいが,若年層では前立腺癌の絶対リスクが低いからだ」と述べている。
また,同研究は,前立腺癌スクリーニング歴や食物摂取など,ライフスタイルに関する他の因子を考慮している点でも信頼性が高い。データ解析では,こうした因子を考慮しておかなければ,結果に偏向が生ずることがある。
禁煙でリスクは非喫煙者並みに
喫煙はいくつかの機序を介して前立腺癌を進行させる。その 1 つとして,循環アンドロゲン量を増大させ,正常細胞・腫瘍細胞を問わず,前立腺組織の成長を促進することが挙げられる。Stanford部長は「喫煙により,男性のホルモン環境は腫瘍成長を誘発する状態に傾くようだ」と述べている。
たばこを重金属カドミウムの取り込み源と捉える説もある。カドミウムは,いくつかの職業病調査で前立腺癌への関与が確認されている。ヒトにおける発癌物質として知られるこの金属は,DNA修復を阻害し,癌細胞の突然変異や増殖を可能にする。同部長は「カドミウムは前立腺での蓄積が確認されており,前立腺に有害な生物学的影響を与える化学物質が喫煙により取り込まれるケースの 1 つだと思われる」と述べている。
しかし,今回の研究では,年間の喫煙数に応じて前立腺癌進行の相対リスクは増大するが,その一方で,禁煙すれば10年以内に非喫煙者と同レベルまでリスクを低減できるという結果も出ている。
同部長は「禁煙に踏み切れば,10年もしないうちに前立腺癌のリスクは非喫煙者と実質的に同レベルまで戻る。したがって,ほとんどの男性の場合,今から禁煙すれば間に合う。前立腺癌の環境危険因子はほとんど特定されていないが,そうしたなかで禁煙はリスク低減のために自ら実践できる方法の 1 つと言える」と述べている。


2003/10/ 9  保有4万4000株売却=JTの自社株買いに応募−政府 (時事通信ニュース速報)  

 財務省は9日、日本たばこ産業(JT)が実施した自社株買いに応じる形で、政府保有のJT株4万4000株を売却したと発表した。売却収入332億2000万円は国債整理基金特別会計に繰り入れ、国債の償還原資とする。売却後の政府保有株数は128万9334株で、保有株比率は64.5%。


2003/10/ 7  <F1>日本GPに初の「禁煙マシン」 BMWウィリアムズ (毎日新聞ニュース速報)  

 三重県の鈴鹿サーキットで開かれるF1日本グランプリに、BMWウィリアムズチームが初の「禁煙マシン」で参戦する。7日、同チームのラルフ・シューマッハー選手(28)らが東京都内で会見して発表した。
 F1は歴史的にたばこ会社をスポンサーに発展してきたが、同チームは00年にたばこ会社の支援から脱却。今年4月には、禁煙運動を進める英国の製薬会社のスポンサーシップを取り付け、「健康」を旗印にすることにした。背景には、EU(欧州連合)内で05年にF1へのスポンサーシップを含め、たばこ広告が全面禁止されるなど、規制強化の流れがある。
 レースで使用されるマシンには、同社の禁煙補助剤名(日本未発売)が書かれているが、この日の会見のために「禁煙日本」とペイントされたマシンが用意された。シューマッハー選手は、兄のミヒャエル・シューマッハー選手(フェラーリ)が、たばこ会社の広告マシンで参戦することについて、「兄は口では言えないが、私同様に禁煙を支援している」と話していた。


2003/10/ 3  たばこのテレビCM禁止へ (共同通信経済ニュース速報)  

 財政制度等審議会(財務相の諮問機関)たばこ事業等分科会が3日開かれ、テレビCMや電車の車内広告などを、将来的に禁止する方向で議論を進めることを確認した。来年春ごろまでに広告の規制強化案をまとめる。
 財務省は、たばこ会社に対し、2005年7月から健康被害の注意文言を包装(箱)に明記させるほか、「マイルド」「ライト」の商品名で悪影響が少ないと誤解させない注意書きを表示させる方針を同日の会合で明らかにした。
 注意文言は、肺がん、心筋梗塞(こうそく)、妊婦の早産の危険などを警告する計8種類。たばこ会社は1、2種類を選んで、箱の表と裏の30%以上の面積に表記する。
 たばこ広告は現在、業界が自主規制しているケースが多い。財務省によると(1)テレビやラジオのCMは原則禁止(2)新聞や雑誌は読者層によって規制(3)学校周辺での宣伝禁止(4)たばこ会社がイベントの種類によってスポンサーになることの禁止−−などを業界で取り決めているという。
 財政審では、自主規制の対象外の電車やバスの車内広告を含めて、行政として原則禁止する方向で検討する。ただ、たばこ業界は広告を規制しても、喫煙マナーの紹介という形で事実上の宣伝を続ける可能性もある。
 世界保健機関(WHO)が「たばこ規制枠組み条約」を5月に採択したことから、日本でも規制強化が必要になった。


2003/10/ 3  <たばこ和解>重症やけどの少女に2億円支払い 米フィリップ・モリス (毎日新聞ニュース速報)  

 【ワシントン和田浩明】たばこが原因とされる火災で大やけどを負った米テキサス州の少女(13)が米たばこ大手フィリップ・モリスUSAを相手取り損害賠償を訴え、フ社が約200万ドル(約2億2000万円)の支払いで少女側と和解していたと、米メディアが2日、報じた。喫煙者らが健康被害の損害賠償を求める訴訟は米国では多いが、たばこ関連の負傷でたばこ会社が和解金を支払う例はまれ。フ社はやけどの責任は認めておらず、「今回は特殊な事例」と話しているという。
 ロサンゼルス・タイムズ紙などによると、92年4月、少女の母親が火のついたフ社製のたばこを残して離れた間に出火、自家用車が燃えた。乗っていた少女は全身の約8割をやけどし、治療薬の副作用で聴覚も失った。
 少女側は94年にフ社を提訴し、「吸っていない間も燃え続けるたばこの構造上の欠陥が、火災を引き起こした」と主張。フ社側は「たばこが原因との証拠はなく、子どもを車内に残した母親に責任がある」と反論していたが、今年5月に和解した。フ社が和解に応じたのは、法廷での決着を求めて敗訴した場合、類似の損害賠償訴訟が相次ぐ可能性などに配慮したものと見られる。


2003/10/ 3  「死亡の危険性2−4倍」財務省がたばこ注意文厳格化 (読売新聞ニュース速報)  

 「喫煙者は肺がんにより死亡する危険性が非喫煙者に比べて約2倍から4倍高くなります」――。
 財務省は2日、たばこの箱や包装の注意文で、健康への危険性を具体的に明示することを求めるなど、新たなたばこ規制を2005年7月から実施する方針を固めた。
 3日の財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の分科会に諮り、11月にも必要な省令改正をする方針だ。
 注意文規制は、5月に世界保健機関(WHO)総会で採択された「たばこ規制枠組み条約」の基準に合わせたもの。「健康を損なうおそれがある」などとしている現在の注意文を、心筋こうそく、脳卒中や肺気腫(きしゅ)など具体的な病名をあげて死亡の危険性を指摘する文面に改めるよう義務付ける。
 妊婦がたばこを吸えば「胎児の発育障害や早産の原因の1つ」になることや、周囲の人のたばこで被る「受動喫煙」の悪影響を指摘する表現なども含め、計8種類の注意文が順次表示されるように求める。表示面積も箱などの表裏それぞれの3割以上に広げる。
 分科会ではこのほか、〈1〉テレビなどでの広告の禁止〈2〉看板掲示を禁じる場所の拡大〈3〉試供品配布の全面的な禁止〈4〉商品名に「マイルド」などを用いる場合の警告の強化――などについても本格的な検討を始める。
 たばこ会社などの反発も予想されるため、テレビ広告が全面禁止になるのか、時間帯などに分けた部分禁止になるのかなどについて、協議される見通しだ。


2003/10/ 2  <ブータン>政府、今年中にも国内全面禁煙の方針 (毎日新聞ニュース速報)  

【イスラマバード西尾英之】ヒマラヤのふもとの小さな仏教国ブータンが、世界最初の完全禁煙国を目指している。現地からの報道によると、すでに国内のほとんどの地域でたばこの販売が禁止されており、政府は今年中にも全面禁煙を実現したい考えだ。
 同国の「禁煙運動」の歴史は古く、17世紀前半に同国を統一した高僧ナムギェルが住民の喫煙を禁止したことがある。現代になっても宗教的に喫煙を「悪」とみなす考え方が強く、地域の指導者である僧侶たちが政府に協力して住民に禁煙を説いて回ったという。
 すでに喫煙率は人口の1割以下というが、最後の「喫煙地域」として残ったのが首都ティンプー。人口3万人弱の「田舎町」とはいえ、衛星テレビなどで欧米流の生活スタイルを学び、喫煙を「カッコいい」と思う若者も多いという。ニドゥブ保健教育相は「最後の難関だが、完全禁煙を実現して国民の誇りにしたい」と語っている。


2003/ 9/27  罰則付きでポイ捨て激減 千代田区の条例施行1年 (共同通信ニュース速報)  

 東京都千代田区が全国で初めて罰則付きの「路上禁煙条例」を施行して十月一日で丸一年。歩道の吸い殻が激減するなど効果を挙げ、新たに東京駅周辺など三カ所が十月一日から禁煙地区になる。各地で同様の条例制定も相次ぎ「歩きたばこやポイ捨てに罰則」が広がりを見せている。
 九月下旬の九段下から神田の古書店街に続く靖国通り。昼休みのサラリーマンやOLが行き交うが、たばこを吸いながら歩く人は見当たらない。道路わきの小さな公園で一服していた男性会社員は「路上では吸わないし、吸える雰囲気でもない。この辺りは禁煙の“風土”ができている」と苦笑した。
 千代田区によると、過料二千円の罰則を実際に適用し始めた昨年十一月から今年八月末までの過料処分は計四千五百六件。最初の二カ月は七百―六百件台だったが、今年一月以降は毎月三百―四百件台で推移している。
 秋葉原の電気街で実施しているポイ捨ての吸い殻の定点観測では、一年前の条例施行直前と比べ本数が十分の一以下に減少。これまで寄せられた区民の意見の約75%が条例に賛成という。
 今年四月からは警視庁OB十人を巡回指導員に採用。その一人、小川利明さん(56)は「路上で吸う人が減ったのを実感する」と話す。同じ時間、場所で、以前は違反者が十分間に一人のペースだったのが、徐々に間隔が長くなってきたという。「中には私たちの姿を見て地下鉄の階段に逃げ込む人もいますけど」
 罰則付きの路上禁煙は品川区が十月一日から実施(過料千円)。杉並区や千葉県市川市、富山市、広島市、福岡市なども同様の罰則付きの条例を相次いで制定した。一部は罰則適用の時期が未定だが、今後、順次適用が始まる予定だ。
 今年五月に健康増進法が施行されたこともあってか、千代田区には全国の自治体からの問い合わせや議員らの視察が連日のようにあるという。
 千代田区の今後の課題は喫煙場所の設置。区は「基本的に公共の場所では喫煙しない」との考えから設置を見送ってきたが、一方で「規制するなら吸える場所をつくってほしい」という愛煙家の切実な声も届いている。ただ煙やごみの問題、場所の確保、地元住民の合意が得られるかなど課題は多く、区はなお慎重に検討するとしている。


2003/ 9/27  <がん学会>禁煙宣言を採択 病院などの全館禁煙化を国に要求 (毎日新聞ニュース速報)  

 日本癌(がん)学会(理事長=広橋説雄・国立がんセンター研究所長、会員約1万7000人)は27日、名古屋市で開かれた総会で「禁煙宣言」を採択した。病院や研究所など会員の所属する施設での全館禁煙化や、たばこを現行の2〜3倍の「欧米先進国並み」に値上げすることを国に求めることなどを盛り込んだ。
 宣言は、受動喫煙対策の強化を盛り込んだ健康増進法施行(今年5月)を受けた。10項目で、「あらゆる機会をとらえて喫煙の害を説き、禁煙を呼びかける」などと、会員の努力目標を規定。たばこ値上げによる増収分を喫煙対策費に充てることや、たばこ広告や自動販売機の規制、警告文書を強化することなどを国に求めている。
 肺がんの年間死者は約5万6000人で、がんの中で最多。うち9割は喫煙や受動喫煙が原因とされる。国内では昨年、日本呼吸器学会が専門医の認定条件に「非喫煙者」を加えた。また日本循環器学会も5年後までに、喫煙率を看護師などを含めた関係者で4分の1に、医学生で0%にする数値目標を掲げた。
 27日まで3日間開かれた学会でも、全館禁煙となったが、宣言採択後、会員が建物中庭に残された灰皿に群がる姿も見られた。


2003/ 9/26  テレビ和歌山が禁煙CM 開局30周年でキャンペーン (共同通信ニュース速報)  

 「親も子供もたばこにNO!」―。テレビ和歌山(和歌山市)は二十六日、自社CMによる禁煙キャンペーンを始めた。同社によると、喫煙マナーでなく禁煙を訴えるCMはこれまでにほとんどなく「テレビで大々的にやるのは初めてでは」という。民放連も「テレビ局が自社CMとして取り組んだ例はないと思う」と話している。
 CMは、赤ちゃんがそばで横たわる父親のたばこの煙を吸い込むものなど六種類。「その空気を子供たちも吸っています」などとしてたばこの害悪や危険性を訴える。放送は一日十回程度、朝と夜を中心に流す。
 来年の開局三十周年に合わせたキャンペーン。企業や団体などにも協賛を呼び掛け、これまでに同県医師会や製薬会社など十二団体が参加している。
 同社の平原佳和編成局長は「和歌山県教委や和歌山大学なども禁煙を率先して進めており、テレビ局にできる社会貢献と考えた。子供をたばこの害から守りたいという趣旨で、若いお父さん、お母さんらに見てほしい」と話している。


2003/ 9/24  酒に弱い人の飲酒と喫煙習慣、膵臓がんリスク10倍に (読売新聞ニュース速報)  

 酒を飲むと顔が赤くなりやすい人が日常的に飲酒の上喫煙していると、膵臓(すいぞう)がんになる危険度が、酒は飲むがたばこを吸わない人の10倍になることが、国立九州がんセンター消化器内科の船越顕博医長の調査で分かった。25日から名古屋市で開かれる日本癌(がん)学会で発表される。
 アルコールを体内で分解する能力は主に、ALDH2という酵素の型で決まる。日本人には酒に強い型、飲めるがすぐに顔が赤くなる弱い型の人が各45%、まったく飲めない人が10%程度いると考えられている。
 膵臓がんになった114人を調べたところ、酒に弱い型は計55人で、うち日常的に飲酒の上喫煙していた人は19人だった。これを酒は弱いが飲酒習慣があり、たばこは吸わない人と比較すると、膵臓がんになる危険度は10倍も高くなっていた。
 酒に強い型では、飲酒・喫煙両方の習慣がある人の、飲酒・非喫煙者に比べた危険度は3倍だった。
 船越医長は「膵臓がんは酒よりたばことの関係が深いことが知られていた。しかし、酒に弱い遺伝子を持つ人は喫煙の悪影響がさらに顕著に出るので、酒とたばこ両方を習慣的に愛好するのはやめるべきだ」と話している。


2003/ 9/22  喫煙と顔面障害との関係が明らかに (BBCニュース)  

喫煙が子供の顔面障害と「大きく」関係していることが、ある調査で明らかになった。
その調査によると、妊娠初期に妊婦がタバコを吸うと、生まれてくる子供が顔面裂を発症する危険性が3倍にもなることが分かった。
この調査は、WHOのプロジェクトの一環として口蓋裂、唇顎口蓋裂の原因を世界的規模で調査しているにダンディー大学歯学部ピーター・モセイ教授が行ったものである。
モセイ教授によると、口蓋は妊娠初期の6〜8週間の極めて重要な48時間で形成されるが、喫煙によりそれが阻害されるという。
妊婦の喫煙が胎児にこれほど深刻な影響を与える可能性があることは一般的に知られていない。―モセイ教授―
教授は、「他にも要因はあるが、喫煙が子供の口蓋裂の重要な要因であると思われる」と述べた。
 モセイ教授は続ける。
「女性は妊娠しても初期の場合、気づかない場合が多く、妊娠初期にも関わらずタバコを吸ったり、お酒を多量に飲んだりしているかもしれない。しかも本人は、子宮内で形成されつつある胎児に深刻な結果をもたらす可能性があるとは分かっていない。
「喫煙が健康を害する大きな要因であることはよく知られているが、妊婦の喫煙が胎児にこれほど深刻な影響を与える可能性があるとは一般的に知られていない。
「このような調査結果が、一般大衆がタバコをより遠ざけるきっかけになればよいと思います」。
この調査は、スコットランド、マンチェスター、リバプールの女性を二つのグループに分け行われた。生まれた子供が口蓋裂、唇顎口蓋裂であった女性の42.1%が妊娠第一期にタバコを吸っており、子供に顔面障害がなかった母親の中で喫煙者は23.1%であった。
環境要因
口蓋裂の子供を産んだ16歳から19歳までの母親の約70%がタバコを吸っていた。
又、女性が1日に吸うタバコの本数が多くなればなるほど顔面に障害を持つ子供を産む確率が高くなることも、分かった。
モセイ教授はタバコと顔面障害との関係が明らかになったことは「大発見」であると、述べ、他の国で得られたデータを総合・分析することによって今回の調査がこれからさらに深まるであろうと、強調した。
現在調査の対象になっている要因は、遺伝的素因や、食事、酒、間接喫煙などの環境要因である。
スコットランドにあるクレフト・サービス―顔面障害の発生件数をまとめている臨床医学者のネットワーク―のデータでは、スコットランドでは、出生児の700人に1人の割合で口唇裂や口蓋裂の子供が生まれている。


2003/ 9/20  バイト学生、受動喫煙深刻=飲食店で働く未成年8割が被害 (時事通信ニュース速報)  

◎バイト学生、受動喫煙深刻=飲食店で働く未成年8割が被害訴え−東大院生調査 東京都内の飲食店で働く未成年のアルバイト学生の8割が、客のたばこの煙を吸わされる「受動喫煙」の被害を訴えていることが20日、東大国際保健学教室の大学院生中田ゆりさんの調査で分かった。未成年者の受動喫煙に関する調査例は少ない。
 健康増進法施行後の7〜8月、ファミリーレストラン、ファストフード店、居酒屋で働く18、19歳の大学生男女計150人に聞き取り調査した。
 「アルバイト先で日常的にたばこの煙を浴びる環境にある」と回答した学生は、ファストフード店で76%、ファミリーレストランで68%、居酒屋では100%。全体でも81%に達した。


2003/ 9/19  3歳児のぜんそく横ばい 大気汚染との相関なし (共同通信ニュース速報)  

 環境省は十九日、二○○一年度に実施した三歳児対象のぜんそくと大気汚染の関係調査で「汚染濃度の高低とぜんそくの有症率に相関関係はない」との結果をまとめた。ぜんそくの有症率は3・57%で、前年度(3・53%)とほぼ横ばいだった。
 調査は青森県八戸市から那覇市まで、全国三十四地域の約八万二千人が対象で約六万九千人から回答を得た。
 ぜんそくの有無や五回以上の風邪ひきなどの回答と、各地域の窒素酸化物(NOX)浮遊粒子状物質(SPM)などの汚染物質の濃度分布を比較した。
 地区別の有症率は長崎県島原市が6・63%で最も高く、宮崎市5・27%、栃木県佐野市5・19%の順。大気汚染が激しい地域ほど有症率が高くなることを示す結果は得られなかった。
 一方、これまでと同様に、男児は女児に比べ1・54倍、母親が家でたばこを吸う子は吸わない場合より1・26倍、アレルギーのある子はない子より2・32倍、ぜんそくの有症率が高かった。


2003/ 9/19  レストラン、バーを禁煙に=EUが法案検討 (時事通信ニュース速報)  

【ブリュッセル18日時事】欧州連合(EU)のバーン欧州委員会委員(保健担当)は18日までに、加盟15カ国のレストランやバーなどの飲食店を禁煙とする法案の検討を始めたことを明らかにした。喫煙の規制が比較的緩やかだった欧州でも、米国並みの厳しい措置が講じられそうだ。
 同委員によると、職場なども禁煙の対象にしたいという。伝統や文化的な観点から飲食店での禁煙に抵抗する国が予想されるものの、同委員は「健康にかかわり、必要なことだ」と強調した。


2003/ 9/10  マイルドセブン、欧州から消える EUのたばこ規制で (朝日新聞ニュース速報)  

 日本たばこ産業(JT)は9日、欧州での「マイルドセブン」の販売を9月末で中止することを明らかにした。「マイルド」や「ソフト」という言葉を追放する欧州連合(EU)のたばこ規制が施行されるためだ。01年から欧州にお目見えしたマイルドセブンは、2年余りで姿を消す。
 01年5月に導入されたたばこ規制に対し、JT側は「マイルドセブンは各国で商標権を取っており、EUの決定は受け入れられない」と欧州司法裁判所などに提訴する一方、01年6月からオランダを皮切りに各地で売り出した。しかし、02年末に欧州司法裁は「EUの決定は有効」とする判決を下した。9月末以降も販売を続けた場合、違法状態となる。
 JT側は「マイルドセブンは味や香り、言葉の響きまで一体化した大事なブランドで、名を変えてすぐに売れるものではない。欧州での販売本数は年間1億本足らずで、影響は少ない」と話している。


2003/ 9/10  <たばこ>パッケージに真っ黒な肺の写真など掲載して警告 EU  (毎日新聞ニュース速報)  

 【ブリュッセル福原直樹】欧州連合(EU)は8日、来年10月からタバコの箱に、喫煙で黒くなった肺の写真やデザインなどを掲載し、タバコの害をさらに訴えていく方針を決めた。加盟国もおおむね賛同しており、来年からEU域内で売られるタバコには、喫煙を直ちにやめたくなるような、ショッキングな写真などがつくことになる。
 今月30日から、EU域内で売られるタバコは世界保健機関の「たばこ規制枠組み条約」に従い、箱の表裏面の3〜4割以上を使い、タバコの害を警告する文面が印刷される。文面は「スモーカーは早死に」「喫煙は心筋こうそくの原因」など厳しいものだが、EUは「文章だけでは、消費者に“慣れ”が生じ、タバコを買い続ける」と判断。写真やデザインをのせることにした。
 加盟国は今後、EUが指定した写真などの中からタバコの箱に添付するものを選ぶ。写真などの内容は未定だが「タバコでぼろぼろになった肺の写真などを使う」(EU広報官)という。また写真・デザインの添付は、加盟国の義務ではないが「大部分の国が実施する」(同)ともいう。
 これまでタバコの箱にはカナダ、ブラジルなどが写真・デザインを添付しているが、これだけ多数の国々が参加するのは初めて。EUによるとカナダでは効果が上がっているという。


2003/ 9/ 9  長野県知事 県施設を全面禁煙に (NHKニュース速報)  

 長野県の田中知事はきょう、県庁や県立高校などの県の施設について、原則としてすべて禁煙とすることを宣言しました。
 田中知事はきょうの会見で、たばこによる害のない社会を目指すとして「県の施設はきょうから完全に禁煙にします」と宣言しました。
 田中知事は会見が終わった後、すぐに禁煙を呼びかける張り紙を県庁内に張り出しました。
 禁煙は、長野県庁をはじめ県内各地の地方事務所、県立高校や警察署など県が管理する全ての施設が対象となっています。
 また県議会の議場がある県議会棟についても全面的に禁煙にするよう議会側に要請しました。
 しかし、例外措置として警察の取調室や駐在所の居住部分など、一部の施設については喫煙を認めるとしています。
 長野県では、おととしの暮れから喫煙室以外ではたばこを喫うことを認めない分煙を実施してきました。
 禁煙について、県庁の男性職員の一人は「冬でも外で吸うのはつらいが、時代の流れですから仕方ないと思います」と話していました。
 また長野県議会の小林実(コバヤシミノル)議長は「難しい宿題を与えられた。どう対応すべきか困るが、議会の各会派に意見を聞いてみたい」と話していました。
 長野県によりますと、全国の都道府県の中で県庁を禁煙にする措置は佐賀県や山口県でも行われていますが、学校や警察署も含めて、禁煙とするケースは例がないのではないかと話しています。


2003/ 9/ 5  860万人、たばこ関連の慢性病に苦しむ 米で初の統計 (朝日新聞ニュース速報)  

 米疾病対策センター(CDC)は4日、たばこの健康影響に関する米国初の調査報告を「疾病死亡週報」に掲載した。それによると、国民の約3%にあたる約860万人が、喫煙に関係した慢性疾患に苦しんでいる。
 最近の国民健康栄養調査と国勢調査、行動危険因子調査の3種類の統計をもとに、00年の時点のデータを推計した。現喫煙者だけでなく、過去に100本以上の喫煙歴のある人も対象。非喫煙者への副流煙の影響は含んでいない。 その結果、喫煙に関係した慢性疾患を抱えた人の総数は約860万人と推定された。内訳は、気管支炎450万人、肺気腫300万人、心臓発作250万人など(重複を含む)。また、年間44万人が肺がんなどで死亡しているとみられる。
 直接の医療費だけで年間750億ドルがかかり、生産性の低下は820億ドルに上る。
 CDCは「正確なデータを得るために、より大規模な調査が必要」と指摘している。


2003/ 9/ 3  「全館禁煙」に大使ら抵抗 頭悩ます国連本部 (共同通信ニュース速報)  

【ニューヨーク2日共同】職場やレストランなどの公共の場所が全面禁煙となった米ニューヨークで、例外的に喫茶室などでの喫煙が容認されていた国連本部が一日から全館禁煙となった。
 だが、禁煙が本格実施されたレーバーデー(労働者の日)連休明けの二日「ここはアナン事務総長の建物じゃない」と紫煙をくゆらせようとするラブロフ・ロシア大使の姿が外交官ラウンジ前で目撃されるなど、早くも抵抗の動きが出ている。
 館内の喫煙には懲戒処分も検討するというのが国連当局の建前だが、各国大使や外交官にも強制できるかどうかは別問題。国連側は「自発的に禁煙を守ってくれるのを望むしかない」(国連報道官)と対応に頭を悩ませている。
 国連本部があるニューヨーク市で四月に禁煙条例が施行されたのに続き、ニューヨーク州も七月に公共の場所を全面禁煙とする州法を施行した。
 このため「全館禁煙は当たり前」とする関係者は多いが、ある日本人外交官は「一服しながら他国の外交官と打ち合わせることが多かった。個人的には怒りを感じる」と不満顔だ。


2003/ 9/ 2  消防団詰め所が半焼!タバコの火の不始末か…青森 (読売新聞ニュース速報)  

 1日午後11時5分ごろ、青森県尾上町南田中西原、尾上町消防団第3分団(木村久仁秋分団長)の詰め所から出火、木造2階建て約145平方メートルのうち、2階部分約75平方メートルを焼いた。けが人はなかった。
 黒石署の調べでは、詰め所は1階がポンプ車の車庫、2階が会議室になっており、この日は午後7時半ごろから行われた防災訓練の打ち合わせ会議の後、同11時ごろまで6、7人の分団員が2階で酒を飲んでいた。分団員らが帰宅後、近くの住民が火に気づき、119番通報した。
 平賀尾上消防署から消防車3台が出動して消火にあたったが、詰め所に戻った分団員らも1階車庫からポンプ車を引き出し、一緒に消火活動をしたという。
 焼け跡から灰皿が3つほど見つかっており、黒石署はたばこの火の不始末が原因とみて調べている。
 消防団を管轄する尾上町の森内啓一郎・総務企画課長は「原因は調査中だが、仕事が仕事だけに、団員の意識向上を図らなければいけない」と話している。


2003/ 8/29  <JR西日本>駅コンコースの喫煙コーナー全廃 10月から (毎日新聞ニュース速報)  

 JR西日本は29日、管内の全832駅のコンコース(計1047カ所)に設置されている喫煙コーナーを10月1日に全廃すると発表した。各駅のホームにある喫煙コーナーは原則、現状のまま残すが、一部の駅はホームも全面禁煙にする。このため、今回の措置で、高槻(大阪府高槻市)、関西空港(同府田尻町)、金沢(金沢市)、小松(石川県小松市)の4駅が新たに終日全面禁煙になる。
 同社によると、94年3月から分煙を進め、ホームやコンコースの喫煙コーナー以外は終日禁煙を実施。今年5月1日の健康増進法施行以降、乗客から全面禁煙を求める声が多く寄せられ、コンコースの喫煙コーナーを全廃することにした。これまでの終日全面禁煙駅は、地下駅のため開業時から禁煙の難波駅と東西線の7駅だった。
 JR各社では、東日本がホームとコンコースに喫煙コーナーを設置。東海はコンコースは既に全面禁煙にしている。関東の大手私鉄8社は同法施行に合わせ、全730駅で終日全面禁止に踏み切った。関西では、阪急電鉄と能勢電鉄が平日の朝夕ラッシュ時に全駅で全面禁煙にしている。


2003/ 8/26  厚労省が「全館禁煙」へ 旗振り役やっと来春から (共同通信ニュース速報)  

 他人のたばこの煙を吸わされる「受動喫煙」を防ぐため、厚生労働省は二十六日までに、二十六階建ての庁舎のうち、一部の飲食店と一階にある喫煙室を除いた全館を来年四月から全面禁煙にすることを決めた。
 五月に受動喫煙防止を定めた健康増進法が施行され、自治体の庁舎や学校に全館禁煙の動きが広がる中、旗振り役であるはずの厚労省の対応遅れが批判されていた。
 九月一日に全職員向けの電子メールで周知し、二十九カ所ある喫煙コーナーは順次撤去する。厚労省が管理する「中央合同庁舎五号館」に同居している環境省も方針に従い、上層階の喫煙所一カ所を撤去するという。
 厚労省福利厚生室によると、現状は職場内に喫煙コーナーを設けて「分煙」と称していたが、仕切りがない上、空調ダクトを通じて他の部屋まで煙が広がっていた。
 人事院が七月、中央省庁に@全面禁煙を目指すA執務室内は喫煙不可B喫煙室は排気装置を設ける―などの対策指針を出したため省内で検討。構造上、二階以上の壁に穴を開けて排気装置を付けるのは無理と判断した。
 五月の検診時で社会保険庁も含む厚労省の五号館勤務職員は喫煙者が約千人で、喫煙率27%。愛煙者に配慮し、自動販売機四台は当面残す。既に文部科学省や経済産業省などは人事院指針を満たす対策を実施している。


2003/ 8/25  暴言や喫煙許しません…「機内迷惑防止法」1月施行 (読売新聞ニュース速報)  

 航空機内で酔って乗務員に暴言を吐いたり、喫煙したりといった「機内迷惑行為」を防止する改正航空法が、来年1月15日に施行されることになった。
 26日の閣議で正式決定する。迷惑行為者には50万円以下の罰金が科される。
 先月18日に成立した改正航空法は、携帯電話など機内で禁止された電子機器の使用や、トイレ内での喫煙、着陸時に座席ベルトを着用しないなどの行為を「安全阻害行為」と規定。また、これまで規定が明確ではなかった乗務員へのセクハラや、酔って暴言を吐くなどの行為も安全阻害行為に含め、処罰対象とした。
 違反者に対しては、機長が命令書を交付。それでも従わない場合、機長が航空会社経由で警察に通報し、着陸後に身柄を引き渡す。


2003/ 8/20  天然ガス爆発 たばこのライター点火が引火 作業員書 (NHKニュース速報)  

 今年四月、宮崎県西都市(サイトシ)の温泉の掘削現場で、吹き出した天然ガスが爆発し作業員三人が重軽傷を負った火災で、警察は作業員の男性がたばこを吸おうとライターに火を点けたことが原因だとして、この男性を業務上失火などの疑いで書類送検しました。
 この火災は今年四月八日、宮崎県西都市下三財(シモサンザイ)の温泉の掘削現場で、地下から吹き出していた天然ガスが引火して爆発し、作業員三人が顔や手などに火傷を負ったものです。
 警察は、佐賀県伊万里市の三十五才の作業員の男性が掘削現場に隣接する休憩所で天然ガスが吹き出ているのを知りながら煙草を吸うためにライターの火を点けたことが引火の原因だとして、この男性を業務上失火と、業務上過失傷害の疑いで書類送検しました。
 警察の調べに対してこの男性は「つい火を点けてしまった」と話しているということです。


2003/ 8/ 8  おいしい空気でおいしい食事=待望の禁煙レストランガイド (時事通信ニュース速報)  

「もう、名前だけの禁煙席には悩まされません」。禁煙、分煙を徹底した首都圏の230店を掲載する「空気のおいしい禁煙レストラン&カフェ・ガイド」(ほんの木)が9月上旬、禁煙派グルメの強い要望にこたえ出版される。企画したデザイナーの森川起代巳さんは「禁煙派の人々と優良店との橋渡しになれば」と話している。
 ガイドはレストラン、カフェ、バー、居酒屋など計約230店を「完全禁煙」「完全分煙」「かすかに煙のにおいがするが、許せる範囲の分煙」などにランク分け。空気だけではなく、料理のおいしさにもこだわった。市民運動団体などが手作りしたものはあったが、本としてまとめられるのは全国で初めてという。


2003/ 8/ 6  4千人の希望退職募集 5、6工場を追加閉鎖へ JTリストラ (共同通信ニュース速報)  

 日本たばこ産業(JT)の本田勝彦社長は六日記者会見し、国内のたばこ製造工場五、六カ所の追加閉鎖や約四千人の希望退職の募集など、大規模なリストラを柱とする二○○五年度末までの中期経営計画を発表した。
 喫煙規制の強化や今年七月からの増税の影響に加え、この日にフィリップ・モリス社のライセンス生産・販売を○五年四月末で終えることを決定。今後、販売や利益の落ち込みが予想されるため、大規模なコスト削減を実施することにした。
 本田社長は工場閉鎖や人員削減を「○四年度中に終了させたい」と、早期に着手する方針を表明。ただ追加閉鎖の対象工場については「最終的な詰めの段階で、まだ決まっていない。できるだけ早く決める」と述べた。
 JTは昨年七月、国内二十五工場(当時)を○五年三月末までに十七工場に減らす計画を発表し、現在は二十二工場が稼働中。今回の計画はこの十七工場の約三分の一を閉鎖する内容で、八五年の民営化時の三十五工場から三分の一程度に減ることになる。
 希望退職の実施は、工場閉鎖のほか三十一支店の約二割の統廃合、本社のスリム化を行うため。従来の人員削減計画に上積みし、社員数は今年三月末の約一万七千五百人から○五年度末には一万三千人となる。
 JTは、フィリップ・モリス社と「マールボロ」シリーズのライセンス生産・販売契約を結び、○二年度に国内で二百六十七億本を販売。しかし同社と競合する米RJRインターナショナル社の米国以外のたばこ事業を九九年に買収したことから、ライセンス契約を更新しないことにした。
 中期経営計画は、○五年度のたばこ販売数量を、○二年度に比べ五百億本減の千七百九十億本と予想。海外事業での買収・提携や、医薬品事業の開発強化なども進めるとしている。


2003/ 8/ 2  <甲子園煙害>嫌煙派の観客から苦情 (毎日新聞ニュース速報)  

 今季からスタンドが全面禁煙になった阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)で、嫌煙派の観客から新たな「煙害」に苦情が出ている。阪神タイガースの攻撃が終わる度、通路に設けられた喫煙所に愛煙家が殺到、換気が間に合わないためだ。霧のようにけぶる通路で、トイレ待ちの女性らがハンカチで自衛する姿も目立ち、球場側も集煙機を増設するなど分煙対策に乗り出した。しかし、決定打は見つからず、阪神の大入りの思わぬ弊害に頭を痛めている。
 喫煙所は、スタンドの全面禁煙に伴い、計30カ所新設され、大半がトイレの近くにある。特に阪神のラッキーセブン前の七回表などに多くの観客が集まり、モニターテレビで試合を確認しつつ一服。同時に女性客がトイレに集中し、40〜50人が列をつくるところもある。
 球場側は今季開幕前、喫煙所に据え置き型の集煙機や換気扇を設置した。しかし、思ったほど効果が上がらず、苦情が絶えないため、5月には更に大型集煙機を10機設置。使用しない入り口や窓を開けるなどして換気に努めた。それでも、1塁側アルプス席裏の3階通路などでは、通路幅が約2メートルと狭いこともあり、改善しきれていないのが現状だ。
 阪神甲子園球場側は「スペースの問題上、喫煙所を移動するのは難しい。更に集煙機を増やすなど改善を図りたい」としている。


2003/ 7/31  喫煙は死を招く最大要因、厚労省19年調査で裏付け (読売新聞ニュース速報)  

 高血圧や肥満など、種々の病気の要因のうち、死亡率を高める最大の原因は「喫煙」であることが、厚生労働省研究班(主任研究者=上島弘嗣滋賀医大教授)の19年間にわたる大規模調査で裏付けられた。
 1日1箱(20本)の喫煙は、「最高血圧が平均より40以上高い人」や、「血糖値が平均より100以上高い人」より死亡リスクが高いという結果になった。
 研究班は1980年から19年間にわたり、30歳以上の健康な男女約1万人を追跡調査。血圧やコレステロール値、血糖値、肥満度、喫煙習慣、飲酒習慣など、病気につながるさまざまな要因について、それぞれ死亡率にどれだけ関係しているかを調べた。
 その結果、最高血圧、血糖値は平均から「1」上がるごとに、死亡率もそれぞれ0・5―0・8%、0・3%上昇。高コレステロールや肥満度は、動脈硬化などの死亡率を押し上げる原因にはなっていたが、全体の死亡率にはほとんど影響していなかった。
 また、男性がたばこを1日1箱吸うと、吸わない人に比べ死亡率は34・6%上昇。毎日続けて飲酒すると、男性の死亡率は1・7%、女性は4・1%上がっていた。


2003/ 7/30  イラン、たばこPRを全面禁止 (読売新聞ニュース速報)  

 イラン政府が、たばこの製品紹介など喫煙のPRを全面的に禁止する方針を打ち出した。
 29日付の英字紙「イラン・デイリー」によると、世界保健機関(WHO)は、総人口に占める若年層の割合が他の国より高いイランは、たばこメーカーにとって有望市場になっていると指摘。若者への喫煙の広がりを懸念する保健省は、違反業者に対し法的措置を検討すると警告している。
 すでにイランではたばこ製品の広告は禁止されているものの、メーカー側は新聞に製品紹介の記事を掲載するなどの形でPRを行っている。
 喫煙に寛容な国柄だけに、政府方針が実際に徹底されるのか、いぶかる声もある。(テヘラン支局)


2003/ 7/29  脳に働き掛けて禁煙を=ニコチン欲求抑える補助剤開発へ− (時事通信ニュース速報)  

ファイザー製薬(東京)は28日、禁煙中の人がニコチンを渇望する衝動を抑制する禁煙補助剤の臨床開発を1年以内に始める方針を明らかにした。この薬は脳中枢に働き掛け、ニコチンを欲しがる感覚などを抑えるのが特徴。禁煙補助剤の品ぞろえを拡充し、嫌煙ムードが高まる日本市場の開拓を進める考え。


2003/ 7/28  参院委員会室も全面禁煙に (時事通信ニュース速報)  

 参院議院運営委員会は28日の理事会で、2004年度末までに、委員会ごとの申し合わせで喫煙が容認されている委員会室を全面禁煙とすることを決めた。本会議場入り口周辺の灰皿もすべて撤去する。5月の健康増進法施行や嫌煙派議員の「間接喫煙の被害がひどい」などの苦情を受けた措置。04年度末までに計5000万円を掛けて国会分館内など計12カ所に空気清浄機を備えた喫煙場所を設置する。
 衆院の委員会室は96年から全面禁煙となっている。


2003/ 7/28  全面禁煙指針、掛け声倒れ お寒い中央官庁たばこ対策 (共同通信ニュース速報)  

 「そんなに簡単にはいかない」「イライラして仕事に差し障りが…」。他人のたばこの煙を吸わされる「受動喫煙」を防ぐため、人事院が十日、全面禁煙を目指す対策指針を中央省庁に出した。しかし喫煙対策を所管する厚生労働省でも「全面禁煙までは…」と二の足を踏むお寒い状況。職員の抵抗感や建物の構造が壁となり、対策はなかなか進みそうにない。
 人事院の指針は、可能な範囲で全面禁煙への改善に努めるよう要求。庁舎内に喫煙室を設置する「空間分煙」を最低基準とし、事務室での喫煙コーナーは認めない―などとしている。
 総務、外務、国土交通など東京・霞が関に庁舎のある九省と、指針を出した人事院の計十庁舎の現状を調べると、全館禁煙の庁舎はなく、すべて空間分煙で対応。各フロアに喫煙所を設けている役所が多いが、指針の求める排気装置、仕切りがない建物もあった。
 事務室内に喫煙コーナーを設けている“指針違反官庁”が厚労、法務、農水、財務。分煙が比較的進んでいるのは、フロアの喫煙場所に強制排気設備がある経済産業、文部科学両省だった。
 人事院の指針は五月一日の健康増進法施行を受けて作られたが、同法を所管する肝心の厚労省が遅れている。「全面禁煙は難しい。屋外喫煙所は作る場所がない。予算や国会で忙しいのに、吸えずにいらいらする人が出るかも」と担当者。
 環境省などが同居する庁舎は、壁に穴を開けられないので排気装置も付けられず、事務室を追い出されたら一階の喫煙室に行くしかない。
 担当者は「ここは二十六階建て。たばこのために一階に行くのか。一日延べ一万五千人が出入りするのに小さな喫煙室で足りるのか。やれることには限度がある」。
 指針でハッパを掛けた人事院にしても、年内に空間分煙の条件は整う予定だが、全館禁煙は先送り。「無理強いするより穏やかに始めることにした」(職員課)とのんびり構えている。


2003/ 7/26  表示規制で販売打ち切り EUで「マイルドセブン」 (共同通信ニュース速報)  

 日本たばこ産業(JT)は二十五日、欧州連合(EU)域内での「マイルドセブン」「マイルドセブンライト」の販売を打ち切る方針を明らかにした。今年九月に、たばこに「マイルド」や「ライト」の表示を禁じるEU指令が発効するため。既に現地の販売業者には今後、出荷しない方針を伝えているという。
 表示規制に対応し、名称を変更する方法もあったが、同社は「『マイルドセブン』という世界ブランドの名を大事にしたい」として、販売打ち切りを決めた。
 JTは、二○○一年六月からオランダやイタリア、フランスなどで「マイルドセブン」の販売を開始した。「マイルドセブン」は、日本では年間約二百五十億本売れているが、EU市場の年間販売本数は約一億本にとどまっている。


2003/ 7/25  マルボロは依存性が強い (切明義孝氏訳)  

http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/3096823.stm
Last Updated: Friday, 25 July, 2003, 14:01 GMT 15:01 UK
'Super-addictive' cigarette probe

コメント;標準型のタバコに含まれるfree-base型ニコチン(ニコチンの強力な形態)割合はおよそ1〜36%。
American Spirit 36%  
(注;American Spiritは日本では手に入り難いが、添加物が一切、使われていないことをセールスポイントにしている。一方、JTのタバコには発癌性があり国内外で食品への添加が禁じられている化学物質クマリンが添加されている。)
Marlboro  9.6%
(JTが製造販売しているマルボロは、依存性を強めるために開発されたアンモニア・テクノロジーが応用された世界初の製品。free-base型ニコチンを多くすることにより、依存性を強化したところ、売り上げが急増した。)
Camel 2.7%
Winston 5%-6.2%
Gauloises Blondes 5.7%-7.5%

@@@@@ 本文ここから @@@@@

研究者によると、ある銘柄のタバコは、他の銘柄に比べ、20倍以上強力なニコチンの快楽が得られるようです。一般的な検査によればタバコの銘柄は異なっても、ほぼ同程度のニコチンが含まれています。しかしながら、それらの銘柄に、習慣性を形成する化学物質が同様に含まれていることを意味していません。喫煙者に速やかに吸収される"free-base"型ニコチン含有量が多い製品は、特徴的な快感を与えます。
Oregon Health and Science Universityの研究では、米国で購入された11の銘柄を検査しました。標準(standard)と記載された銘柄を対象に検査を行いました。購入したタバコは喫煙研究の目的のみに使用されました。その結果は様々なタバコ銘柄の依存性(addictiveness)を評価することを可能にするでしょう。
吸収され易い
ニコチンはタバコ煙の数十億の微粒子と共に喫煙者の体内に取り込まれます。ニコチンにはfree-base型と non free-base型の2つの形態があります。free-base型のニコチンは、喫煙の際に気体化しやすい性質を備えています。これは肺から容易に吸収され、脳に到達することを意味しています。それぞれの銘柄について、最初の3回吸入量(three "puffs" )を測定しました。
大きな違い
標準タバコ("standard" cigarette)はニコチンの約1%が free-base型でした。最も多い銘柄では36%が free-base型でした。マルボロには10%のfree-base型ニコチンが含まれており、その量は銘柄によって広く異なりました。
この研究を率いたProfessor James Pankowさんは、「この研究はタバコ煙を介して吸収されるニコチンの依存性の強さを理解する上で大きな一歩となりました。」と、語りました。
「我々は11銘柄に含まれる free-base型ニコチンの含有率が大きく異なることを発見しました」。この発見により、最も依存性が強い銘柄に対する対策を求めやすくなるでしょう。タバコ産業は、特にオランダで、タバコ添加物の開示を求める政府の努力に抵抗しています。Cancer Institute at the UniversityのDr Grover Bagbyさんは「米国では、喫煙は単一で最大の予防可能な病因と死因です。」と、語りました。

この研究はjournal Chemical Researchに発表されました。


2003/ 7/25  中学校の全面禁煙求め提訴 教育権侵害と名古屋の教諭 (共同通信ニュース速報)  

 学校の敷地内を全面禁煙にしないのは、禁煙指導に対する妨害で教育権を侵害しているとして、名古屋市の中学教諭平山良平さん(55)が二十五日、同市に慰謝料約三万円の支払いを求める訴えを名古屋地裁に起こした。
 訴えによると、保健体育を担当する平山さんは勤務する中学校で、敷地内の全面禁煙に成功した和歌山県の公立学校の例を紹介し、全面禁煙を実施するよう職員会議などで求めてきたが、校長は勤務時間内の午後五時までを禁煙とするにとどめた。
 このため「同じ学校内に喫煙する職員がいて生徒に喫煙の害を語れず、精神的苦痛を受けた」として、全面禁煙を求め始めた昨年九月から一日につき百円の慰謝料を求めている。
 平山さんは「学校での校長や教員の喫煙は、生徒に喫煙をそそのかしているのと同じだ」と話している。
 名古屋市では、ほかの中学校の教員も、受動喫煙の防止に努めるよう定めた健康増進法施行後も、市は図書館などの施設を完全禁煙にする対策を怠っているとして、慰謝料の支払いを求め名古屋地裁に提訴している。


2003/ 7/24  たばこで17歳娘の歓心買う 富山県警、父を書類送検 (共同通信ニュース速報)  

 富山県警井波署は二十四日までに、県立高校二年の娘(17)にたばこを買い与えたとして、父親の同県東砺波郡の会社員(52)を、未成年者喫煙禁止法違反(親権者による不制止)の疑いで、富山地検高岡支部に書類送検した。父親は「たばこを買ってやれば娘に無視されなくなるのではと思った」と供述しているという。
 調べでは、父親は六月上旬、娘に頼まれ近所の自動販売機でたばこを買って渡し、娘が吸うのを止めなかった疑い。
 翌日、同署員が祭りでたばこを吸っている女子高生二人を補導。うち一人が「父親に買ってもらった」と話したことから、任意で父親から事情を聴いていた。


2003/ 7/18  喫煙者は副作用発生5倍 肺がん治療薬イレッサ (共同通信ニュース速報)  

 副作用の間質性肺炎で多数の死者を出した肺がん治療薬イレッサ(一般名ゲフィチニブ)について、肺がんの専門医らでつくる西日本胸部腫瘍(しゅよう)臨床研究機構(会長・有吉寛県立愛知病院長)は十八日、喫煙歴がある患者は、ない患者に比べ間質性肺炎の発生頻度が約五倍になるとの研究結果を発表した。
 研究グループは、男性であることや肺線維症などの合併症も副作用発症の危険因子としており、「こうした患者にイレッサを投与する場合は、細心の注意を払うとともに、患者に情報を開示してほしい」と医師に呼び掛けている。
 研究機構に所属する七十三病院の協力を得て、昨年八月末から十二月末までにイレッサを投与された千九百七十六人を調査した。このうち、六十四人(3・2%)が間質性肺炎を発症、死者は二十五人で死亡率1・3%だった。
 間質性肺炎の発症は、喫煙歴がある男性患者は5・4%だったのに対し、非喫煙者は1・1%。女性患者では、喫煙者が2・2%、非喫煙者は0・4%と、いずれも五倍程度の差が開いた。
 肺がん患者の八割近くが喫煙者とされ、有吉会長は「イレッサの効果に期待するか、副作用のリスクを避けて投与を見送るかは、患者の自己決定に委ねるべきだ」と話している。


2003/ 7/15  <塩川財務相>禁煙呼びかけ 「税収減ってもいいから健康大事」 (毎日新聞ニュース速報)  

 「たばこの税収が減ってもいいから、健康というのが望ましい」ーー。塩川正十郎財務相は15日の会見で、税収より国民の健康が大事との考えを示し、禁煙を呼びかけ、たばこの包装への警告表示や広告規制の強化を進める意向を表明した。
 規制強化は、世界保健機関が採択した「たばこ規制枠組み条約」を来年の通常国会で批准するための条件整備として、財務省が検討している。
 90年に胃がんの手術を受け、たばこをやめた財務相は「危険性を承知のうえで吸って下さい。できれば止めて下さいということ」と禁煙を呼びかけた。ただ、同時に「吸いたい人はどないなことしても吸う。強制して(止めさせて)ウツみたいになっても困るから、たばこで発散していただくのはそれはそれで(いい)」と喫煙者への配慮ものぞかせた。


2003/ 7/14  テレビCM禁止など検討 たばこ自販機の利用制限も 財務省 (共同通信ニュース速報)  

 財務省は十四日、たばこ広告の規制強化や、未成年者対策として、たばこ自動販売機の利用制限を検討することを明らかにした。
 広告・販売では、業界団体で自粛中のテレビやラジオでのコマーシャルに加え、現在認められている電車やバスの車内広告も禁止する方向で検討する。
 自動販売機の利用に関しては、購入者が成人かどうか認識できるような装置の開発などを進める。また、たばこの街頭看板について、現在自主規制で設置されていない学校周辺を禁止区域に指定したり、繁華街での設置についても何らかの規制を設けることなどを議論する予定。
 世界保健機関(WHO)が、五月に採択した「たばこ規制枠組み条約」で、各国ごとにたばこ規制への対応を求めたことに対応したもので、財政制度等審議会たばこ事業等分科会で具体策を話し合う。
 同省の林正和事務次官は十四日の定例記者会見で「(来年の)国会での条約批准に間に合うように、条約で指摘されている内容の結論を出していく」と説明した。
 条約をめぐって、たばこ事業等分科会は一日、市販たばこの包装に肺がんなど健康被害の恐れを明示することや、こうした注意書きの表示面積を包装の三割以上とすることを義務付けるよう決めている。


2003/ 7/10  喫煙所は庁舎外にと人事院 受動喫煙対策で新指針 (共同通信ニュース速報)  

 人事院は十日、周囲を漂うたばこの煙を吸ってしまう「受動喫煙」を防ぐため、喫煙所はできるだけ庁舎外に設け、庁舎内に喫煙場所を造る場合は必ず排気装置を設置するとした指針をまとめ、各省庁に通知した。
 喫煙対策については、一九九七年に人事院が出した旧指針に基づき各省庁で取り組みが行われているが、今年五月一日に健康増進法が施行されたことから、喫煙場所や設備についてより厳しく見直すことにした。
 新指針では、できる範囲で全面禁煙に努め、庁舎内の特定の場所でだけ喫煙できる「空間分煙」を最低基準とした。
 喫煙場所とその周辺の空気の環境基準も初めて数値で提示し、三カ月に一回以上測定するよう要請。においや煙が廊下などに漏れないよう、喫煙場所に向かう気流の風速も毎秒○・二メートル以上とした。
 各省庁の実施状況について人事院は、必要に応じて調査したり、報告を求めていく。


2003/ 7/ 6  「いい病院」は全館禁煙が条件 医療評価機構が基準改定 (朝日新聞ニュース速報)  

 病院の医療体制や質を第三者の立場で評価・認定している財団法人「日本医療機能評価機構」が認定条件に「全館禁煙」を加えることを決めた。「健康を回復する施設で喫煙できるのは問題」とし、来年度中に改定する評価基準に盛り込む。実行できない病院は認定しない方針。全国約9000病院のうち1割がすでに認定病院となっているが、5年ごとの更新時に対応が必要となり、病院の喫煙対策が加速しそうだ。
 同機構は申請のあった病院を訪問審査し、医師の責任体制や患者の安全への配慮など項目ごとに審査して認定証を発行。質のいい病院の「お墨付き」になっている。
 たばこについては従来、分煙を前提に(1)喫煙区域確保による分煙(2)喫煙区域の表示(3)喫煙場所の換気(4)職員の分煙徹底を審査してきた。しかし、他人のたばこの煙を吸わされる受動喫煙の防止を定めた健康増進法が5月に施行されたこともあり、強く対策を求めることにした。
 新基準では、全館禁煙方針の確立と適切な実施を認定条件にする。ただし、精神科や長期療養、がん患者らの終末期医療については現場の実態を考慮するという。同機構は「医療機関で喫煙しないという社会的合意をつくっていきたい」としている。
 同機構は、旧厚生省や日本医師会などが95年に設立。これまでに全病院の1割にあたる955病院を認定した。07年度までに3000病院の審査達成を目指している。


2003/ 7/ 4  禁煙失敗、遺伝子の影響大 慶大チームが解明 (朝日新聞ニュース速報)  

 禁煙がうまく行かないのは意志が弱いせいだけではなく、遺伝子の影響が大きい――慶応大学医学部の山口佳寿博・助教授(呼吸器内科)と仲村秀俊助手らの研究チームが約330人の遺伝子を比較して、こんな研究結果を導き出した。ニコチンの分解にかかわる遺伝子の働きが弱いと依存度が高まり、禁煙に失敗しやすくなるという。英医学専門誌ソラックスの最新号で発表した。
 同大学病院を受診した50歳以上の喫煙者92人と半年以上吸っていない禁煙成功者111人、吸う習慣のない非喫煙者123人から同意を得て血液を採取。ニコチン分解酵素を作る遺伝子(CYP2A6)の構造の違いから、ニコチンの分解能力が高い人と低い人の2種類に分けて、喫煙習慣との関係を分析した。
 その結果、分解能力の低い人が禁煙に成功する割合は、能力が高い人の3分の1程度と低く、失敗しやすいことがわかった。分解酵素の不足で血液中のニコチン濃度が高く保たれやすくなり、ニコチン依存度が高まるためとみられる。
 研究チームによると、日本人の約3割はニコチンの分解能力が低いタイプ。分析結果では、このタイプは最大でも1日に2、3箱のペースで吸い続ける人に多かった。それ以上吸うヘビースモーカーは、逆に分解能力の高い人が多かった。
 山口助教授は「遺伝子検査を診断に応用すれば、禁煙に何度も失敗して悩んでいる人に理由を説明できる。将来は、個人の体質に合わせた禁煙法をアドバイスできるようになるだろう」と話している。


2003/ 7/ 4  <社説>たばこ注意文言 担当はもう厚労省に移せ (毎日新聞ニュース速報)  

 たばこの包みに印刷する、喫煙の害の注意文言が改定されることになった。新文言は8種類で、包みの30%を占める大きな表示になる。包装デザインの変更などで、実際に新しい文言を印刷したたばこが店頭に並ぶのは、1年ほど先になりそうだ。しかし、発展途上国並みだった日本のたばこの注意文言が、ようやく先進国並みの厳しい表現に変わる。当然のことといえよう。
 「あなたの健康を損なうおそれがありますので吸いすぎに注意しましょう」という現在の注意文言は89年に導入された。喫煙者がこの文言になれ、意識されなくなっているというのが、文言改定の理由の一つだ。
 また、5月の世界保健機関総会で採択された、たばこ規制枠組み条約の11条は、注意文言に新しい条件を定めている。
 さらに00年以降、日本肺がん学会、日本気管支学会、日本循環器学会、日本呼吸器学会などが相次いで禁煙宣言を出し、喫煙の害は医学的にも確認された。こうした環境の変化を受けて、注意文言が改定されることになった。
 新文言は大きな文字で、例えば「喫煙は、あなたにとって肺がんの原因の一つになります」と、具体的な病名を挙げて喫煙者に警告する。警告されている病気は、肺がん、心筋こうそく、脳卒中、肺気腫の4種類だ。
 さらに小さな文字で「疫学的な推計によると、喫煙者は肺がんにより死亡する危険性が非喫煙者に比べて約2倍から4倍高くなります」などと、注意文言の医学的根拠を説明する。そして「詳細については、厚生労働省のホームページをご参照ください」というメモとホームページのアドレスを、かっこ書きにしてある。
 現在の文言では、誰が、いかなる権威に基づいて喫煙者に警告しているのかが不明だが、新文言では厚労省の名が示されることになった。新文言ではこの他、妊婦の喫煙、受動喫煙、たばこへの依存、未成年者の喫煙について警告している。
 奇妙なのは、こうした国民の健康にかかわる注意文言が、財務省の財政制度審議会たばこ事業等分科会という、健康とは無縁な審議会で決まったことだ。
 たばこの注意文言の表示は、たばこ事業法39条で義務付けられている。具体的な文言は財務省の省令で定める。日本たばこ産業(JT)に民営化される前の旧専売公社は旧大蔵省の所管だった。このため、たばこ事業法の運用も旧大蔵省を引き継いだ財務省の所管になった。この結果、畑違いの審議会が国民の健康にかかわる注意文言を決める仕組みになっている。
 実際に文言を検討した作業部会には6人の医師が参加し、厚労省の担当者も出席していて、文言には現在の医学的知見が十分に反映されている。財務省は役割を果たした。しかし、健康や安全への国民の関心は高い。変則的な現状の維持は適切ではない。たばこ事業法を改正し、注意文言の担当はもう厚労省に移すべきだ。


2003/ 7/ 3  <恩賜タバコ>禁煙の流れに押され1世紀の歴史に幕か (毎日新聞ニュース速報)  

 健康増進法の施行など禁煙の動きが広がる中で、宮内庁は天皇、皇后両陛下が感謝の品として配布している「恩賜のたばこ」を見直すことを決めた。1世紀以上の歴史があったが、「脱たばこ」の時流を考慮した。鉛筆や日本茶など、たばこに代わる品物にも一長一短があり、「賜物(しぶつ)」選びに同庁は苦慮している。
 恩賜のたばこは、日本たばこ産業(JT)が同庁に納入している。純国産の葉を使用した「1号たばこ」と呼ばれ、10本と20本入りがあり、1本ごとに菊の紋章が印刷されている。両陛下が地方訪問などの際、警備に当たった警察官や皇居の清掃活動を行う勤労奉仕団などに渡される。西南戦争=明治10(1877)年=の傷病兵士に皇后らが支給したことが『明治天皇紀』に記載されている。
 天皇誕生日の記念品として同庁職員らにも配られていたが、3年前からお菓子に代わり、たばこは主役の座から降りつつあるという。同庁によると、今年度の購入予定は約107万本で、10年前の約170万本に比べ4割近く減っている。最近はインターネットオークションに高値で出品されるなど、希少価値からプレミアムもついている。
 同庁はたばこに代わる賜物として、鉛筆やお茶のティーバッグなどを候補にあげているが、決め手がないという。羽毛田信吾・同庁次長は「たばこに代わってふさわしいものがない間は、なくすのもどうか、悩ましい」と話している。


2003/ 7/ 1  「喫煙は肺がんの原因」 病名示し健康被害警告 (共同通信ニュース速報)  

 喫煙は肺がんの原因の一つとなります―。財政制度等審議会のたばこ事業等分科会は一日、市販たばこの包装に病名を明示した健康被害の恐れを表記することで一致した。
 注意表示の改訂は一九八九年以来。財務省は今後、たばこ事業法に基づき注意表示の表現を定めている省令を改正。日本たばこ産業(JT)や外国たばこ会社などは、抜本的な包装デザインの変更を迫られることになる。
 新たに決まった表示は肺がん、心筋梗塞(こうそく)、脳卒中、肺気腫(しゅ)の四疾病についての注意のほか、早産など妊婦への悪影響、喫煙への依存の可能性などを盛り込んだ計八種類。たばこ会社は、この中から一、二種類を選んで表記することになる。非喫煙者に比べ、特定の病気で死亡する危険性が高いことを示したデータも載せた。
 表示方法も、世界保健機関(WHO)が五月に採択した「たばこ規制枠組み条約」に従い変更。包装の側面に記載している現行方式から、主要面の両面の30%以上に注意書きを表記、八種類を順次まんべんなく載せるよう求めた。
 欧米やアジア諸国などでは、肺がんや心疾患など具体的な病名を挙げた注意表示が主流。これに対し、日本では「あなたの健康を損なうおそれがありますので吸いすぎに注意しましょう」との表現にとどまっており、対応の遅れが指摘されていたことから、財政審も専門の作業部会を二月に設置、見直しを検討していた。


2003/ 7/ 1  合コンでの喫煙は「不利」 中部学院大の学生アンケート (朝日新聞ニュース速報)  

 たばこが1日から値上げされたが、愛煙家にはつらそうなニュースがもう一つ。中部学院大学(岐阜県関市)の田久(たきゅう)浩志教授らによる学生対象のアンケートで、合同コンパで喫煙する人は不利になるという結果が出た。
 男女学生計944人から回答を得た。「合コンで、今から声をかけようと思っている男子または女子がたばこを吸っていたら?」という設問で、喫煙しない男子の79%が喫煙する女子を敬遠、喫煙する男子でも34%が喫煙する女子を気にしていた。
 喫煙しない女子では59%が喫煙する男子を気にしていた。ただ、喫煙しているか喫煙経験のある女子は、男子の喫煙をほとんど気にしていない。
 田久教授は「初対面の人と会う合コンでは喫煙はかなり不利。マナーを守って吸うのは自由だが、異性の友人を得る確率は低くなりそうだ」と話す。


2003/ 7/ 1  たばこ包装に肺がんなどの病名明記へ 14年ぶり見直し (朝日新聞ニュース速報)  

 「喫煙は、あなたにとって肺がんの原因の一つとなります」「喫煙は、あなたにとって脳卒中の危険性を高めます」――。財務省は1日、たばこの包装の注意表示の新しい文言を示した。8種類で、「肺がん」「心筋梗塞(こうそく)」など喫煙が原因となる可能性の高い4つの具体的病名を明記。新しい文言では、喫煙がこうした病気に直接つながる可能性があることを表示する。妊婦や未成年者への影響も示した。
 このほか、「喫煙者は肺がんにより死亡する危険性が非喫煙者に比べて約2倍から4倍高くなります」などと、具体的な推計データを添える。
 妊婦への影響については、「妊娠中の喫煙は、胎児の発育障害や早産の原因の一つとなります」と強調。周囲への影響についても、「たばこの煙は、あなたの周りの人、特に乳幼児、子供、お年寄りなどの健康に悪影響を及ぼします。喫煙の際には、周りの人の迷惑にならないように注意しましょう」とした。業者は8種類の文言を組み合わせて、箱の表裏に順番に表示していく。
 新表示は箱の表裏に30%以上の面積を割いての掲載が必要で、現在のデザインは大幅な変更を迫られる。今後省令を改正し、国内でたばこを販売する業者に対し、新しい注意表示を義務づける。
 日本たばこ産業は「たばこはデザインそのものがブランドと直結している。全体のバランスをみて新しいデザインを考えたいが、相応の時間は必要だ」と話している。


2003/ 6/30  たばこ、1日から値上げ 「禁煙推進に追い風」 (共同通信ニュース速報)  

 たばこ税の増税で、大半のたばこの価格が一日から上がる。禁煙推進派は「追い風」と歓迎する一方、たばこをやめられられない喫煙者からは負担増にため息が漏れた。
 値上げ幅は多くの銘柄が一箱二十円で「セブンスター」など一部銘柄は三十円。
 NGO「たばこ問題情報センター」(東京)の渡辺文学代表は「たばこをやめたいと思いながら吸い続けている人にとって、値上げは禁煙に踏み切る大きなきっかけになる」と評価。「未成年者の喫煙を防ぐためには一箱五百円にしてもいいぐらい」と意気盛んだ。
 今回の値上げ以外にも、五月には受動喫煙防止を定めた健康増進法が施行され、関東の大手私鉄八社が駅構内の全面禁煙に踏み切るなど禁煙の動きが広がりつつある。
 一日に二、三箱吸うという千葉県内の男性公務員(33)は「地元のスーパーで二十箱買いだめした。使える小遣いが限られているので、値上げは正直言ってつらい」とぼやいた。


2003/ 6/29  たばこ、1日から値上げ 半数が「やめる・減らす」 (共同通信ニュース速報)  

 たばこ税の増税により、大半のたばこが七月一日から値上げされる。民間調査では、これを機に喫煙者の半数近くが「やめる・本数を減らす」と回答。公共スペースから灰皿を撤去する動きに続き、愛煙家やたばこ業界にとっては悩ましい日々が続きそうだ。
 日本たばこ産業(JT)の値上げ商品は、百二十七のうち百二十一銘柄。うち百十銘柄は一箱二十円の値上げ幅だが、一部の低タール商品などは販売を伸ばそうと十円、「セブンスター」などは三十円とした。輸入品は大半が二十円だ。
 インターネットサイトのインフォシークが六月に実施した意識調査では、喫煙者の約12%が「たばこをやめる」、約36%が「本数を減らす」と回答。非喫煙者では増税・値上げ賛成派が多いが「夫が吸うので家計の影響は大きい。本数を減らしてくれれば」(四十代女性)と嘆く声もあった。
 JTは二○○三年度、前年度比百二十億本の販売減を予想。販売店サイドは「先週から二―三割販売が伸び、在庫の確保に気を付けている」(セブン―イレブン・ジャパン)などと、最後の駆け込み需要の取りこぼしを防ごうと懸命だ。


2003/ 6/26  分煙では優良病院と言えぬ 医療機能評価機構 (共同通信ニュース速報)  

 国などが出資し、病院の評価事業を行う財団法人「日本医療機能評価機構」は二十六日までに「全館禁煙」を優良病院の認定条件とする方針を決めた。「分煙の徹底」にとどまる現行の評価体系を、二○○四年度中に改定する。
 公共施設での受動喫煙防止を定めた健康増進法が、五月に施行されたことを受けた措置。
 評価機構の河北博文理事は「首都圏の私鉄が駅構内の全面禁煙に踏み切るなど禁煙の動きが広がる中、医療機関としてしっかり対応する必要がある。利用者の側も病院では喫煙しないというコンセンサスをつくってほしい」と話している。
 評価機構によると、現行の評価体系では喫煙対策に関して@院内での喫煙区域確保による分煙A喫煙区域の表示B喫煙場所の換気C職員の分煙の徹底―の四項目を審査している。
 喫煙コーナーがついたてで仕切られているだけの病院など、受動喫煙対策が不十分な場合は認定を見送っており、対策の不十分さが認定取得のネックになるケースも少なくないという。
 次期改定では、分煙より踏み込んで「全館禁煙の方針が確立され、適切に実施されていること」を認定条件に盛り込む。
 ただ、精神科医療や長期療養、緩和ケアは「一般医療と内容が異なる」として、現場の実情を踏まえて例外を認めるケースもあるという。
 評価機構は、審査で一定の基準をクリアした病院に対し認定証を発行している。これまで全国に約九千二百ある病院のうち、九百三十五病院が認定を受けている。


2003/ 6/26  たばこ注意されスプレー 高崎線車内、乗客3人軽症 (共同通信ニュース速報)  

 二十五日午後八時四十五分ごろ、東京都北区のJR赤羽駅に到着直前の前橋発上野行き高崎線上り電車内で、埼玉県に住む男性(37)がたばこを吸っていた男(29)を注意したところ、男が催涙スプレーを噴射した。
 男性と近くにいた五十一歳と五十三歳の女性客二人の計三人が目やのどの痛みを訴え病院に運ばれた。いずれも軽症。
 注意した男性が男を取り押さえ、警視庁赤羽署が傷害の現行犯で逮捕した。男は東京都台東区在住で無職という。
 JR東日本によると、このトラブルで高崎線のダイヤに乱れはなかった。


2003/ 6/23  不完全な分煙は逆効果?=対策なしなら基準の18倍−受動喫煙被害深刻・東大など (時事通信ニュース速報)  

 分煙対策が不完全な店では禁煙席の方が煙害がひどいことも−。東大大学院国際地域保健学教室の院生中田ゆりさんと産業医科大の大和浩・助教授が実施した飲食店の分煙実態調査で、不完全な分煙では効果がなく、条件によっては喫煙席より禁煙席の空気の方が汚染されるケースもあることが23日、分かった。分煙対策のない店では、汚染が基準の18倍になる所もあり、飲食店の「受動喫煙」の深刻さが裏付けられた格好だ。


2003/ 6/20  タバコ遺伝子8千個を解析 理研、医薬品開発に貢献 (共同通信ニュース速報)  

 理化学研究所横浜研究所の松岡健チームリーダーらは二十日、植物の成長など基礎研究に広く使われるタバコの遺伝子約八千の塩基配列を決定したと発表した。全遺伝子の四分の一が分かったことになり、植物に医薬品原料を作らせる研究や、健康に害の少ないたばこの開発に役立ちそうだ。
 今月末にスペインで開かれる国際植物分子生物学会で発表する。
 塩基配列を決定したのは日本で培養されたタバコ細胞株「BY2」。一週間で六十倍に増えるため世界中の研究者に用いられている。欧米では嫌煙運動もあって研究が進んでいなかった。
 理研チームは、細胞増殖時に働く約一万の遺伝子候補についてシロイヌナズナやトマトなどの塩基配列と比べ、八千の遺伝子を特定。その約四割はトマトなどの持っている遺伝子と同じであることを突き止めた。


2003/ 6/20  NY、さらにたばこ規制 ネットや郵便での購入禁止 (朝日新聞ニュース速報)  

 たばこ税値上げ、レストランやバーでのほぼ全面禁煙で追いつめられているニューヨークの愛煙家に、またまた難題が持ち上がった。インターネットや郵便で州外から安いたばこを買うことを禁止するニューヨーク州法が18日、発効したのだ。ネット販売の業者は州法の無効を求めて提訴している。
 ニューヨーク市では昨年7月、たばこ税が8セントから1ドル50セントに値上がりし、1箱の値段は平均7ドル50セント(約900円)にもなった。このため、税金の安い他の州や、税金がかからないインディアン居留地から、1箱3ドル前後の値段でネットや郵便で注文して取り寄せる愛煙家がぐんと増えた。
 市内のたばこ小売業者組合によると、値上げ後に売り上げが約4割減っており、このかなりの部分がこうした「取り寄せ」に流れたとみている。州当局は「とりこぼした」税は数百億円にのぼると見積もっている。
 州法は約3年前に議会を通ったが、ネット販売業者らが提訴し、発効が遅れていた。


2003/ 6/20  全面禁煙、破れば失格 22日に実施 青森市の職員採用試験 (共同通信ニュース速報)  

 たばこを吸ったら失格です―青森市は二十日までに、今月二十二日に実施する市職員採用試験で、会場となる市立古川中学校(同市久須志)の敷地内を全面禁煙とし、違反した受験者を即失格にすることを決めた。
 市人事課は「たばこを吸うことがいけないのではなく、禁煙という決められたルールを守れない人間は公務員としてふさわしくないため」と説明している。
 古川中学校は普段から全面禁煙のため、市は試験日に臨時喫煙所を設けることなども検討したが、同校から「教育上好ましくない」などと要請があり全面禁煙を決定。受験者に徹底させるために、厳しい基準を定めた。
 市は当日の試験開始前に全受験者に「敷地内での喫煙は失格」と説明し、休み時間には試験官らが敷地内をチェックして回るといい、市の担当者は「決してトイレなどで隠れて吸わないように」とくぎを刺している。


2003/ 6/19  カレーチェーン最大手の壱番屋、全店禁煙を発表 (朝日新聞ニュース速報)  

 「カレーハウスCoCo壱番屋」などを展開するカレーチェーン最大手の壱番屋(本社・愛知県一宮市)は18日、全国にある874店を7月1日から全面禁煙にすると発表した。受動喫煙を防ぐ健康増進法が5月に施行されたことに対応した。同法施行に伴い外食の全国チェーンが全面禁煙するのは初めてという。
 同社はすでに大都市などの約170店を終日禁煙にしている。残りの約700店は、店内が込む昼食時の午前11時〜午後1時半に限り禁煙。禁煙にしても業績への目立った影響がないので、全面禁煙に踏み切る。同社は「食事を提供する企業として、お客様の健康への配慮を徹底したい」という。
 同法施行後は、官公庁や病院、学校などの公共施設を中心に、分煙から全面禁煙への動きが広がっているが、外食チェーンは愛煙者への配慮などから、分煙の徹底にとどまるところが多い。


2003/ 6/17  試験同点なら非喫煙者優遇 大和市が職員採用で (共同通信ニュース速報)  

 神奈川県大和市は十七日までに、七月に実施する職員採用試験から、喫煙者と非喫煙者が合格ライン上に同点で並んだ場合は、非喫煙者を優先的に採用する方針を決めた。総務省によると、自治体が職員採用で非喫煙者を優遇するのは珍しいという。
 大和市は、受動喫煙防止を定めた健康増進法が五月に施行されたのを受け、七月から屋上以外での庁舎内全面禁煙を始めるなど、健康問題に対する市の取り組みを受験者にも理解してもらうのが目的としている。
 市によると、今年から面接時に面接官がたばこを吸うかどうかを質問。合格ライン上に受験者が並んだ場合、吸わないと答えた人を優先して採用する。
 大和市は「たばこを吸わないことが採用条件ではない」とし、喫煙者でも成績優秀者は従来通り採用。面接で禁煙すると約束した人は非喫煙者扱いにする。「複数の受験者が同点で並ぶことはまれで実際に優遇される確率は低いだろう」としている。


2003/ 6/16  たばこ条約、27カ国が署名 早ければ年内にも発効へ (共同通信ニュース速報)  

【ジュネーブ16日共同】世界保健機関(WHO)総会が先月採択した「たばこ規制枠組み条約」の署名手続きが十六日、ジュネーブのWHO本部で始まった。百九十二加盟国・地域のうち、初日はブラジルやタイなど二十七カ国・地域の代表が署名した。
 南アフリカ代表は署名に当たり「条約は、次の世代を担う子どもたちのためにある」と述べ、条約が青少年の喫煙率低下につながることに期待を表明した。
 条約は四十カ国が批准してから九十日目に発効するとしており、早ければ年内にも公衆衛生分野で初の国際条約が正式に誕生する。
 日本は条約を支持したが、署名の批准に当たって国内法制との整合性を検討する時間が必要として、初日の署名は見送った。米国は署名するかどうかさえ明言しておらず、場合によっては「たばこ大国」の米国抜きの発効となる可能性もある。
 条約は、たばこによる健康被害の削減を目的に@たばこ包装の30%に警告表示を義務付けAたばこ広告や自販機は、各国が可能な範囲で規制―などを盛り込んだ。


2003/ 6/13  「マイルド」禁止を要求 WHOがたばこ法で指針 (共同通信ニュース速報)  

【ジュネーブ13日共同】世界保健機関(WHO)は十三日、各国がたばこ規制法の制定に当たり「マイルド」などの商品名を禁止するよう求めた指針を発表した。途上国を対象に作成した規制法の「ひな型」では、たばこ自動販売機の全面禁止も明示した。
 WHOは先月の総会でたばこ規制枠組み条約を採択、今月十六日から各国の署名が始まる。条約発効後の国内法整備をにらんで作成された指針に強制力はないが、日本などの反たばこ非政府組織(NGO)にとっては各国政府に圧力をかける際の武器となりそうだ。
 指針はたばこの商品名について「ライトやマイルドなど、(健康被害が少ないかのような)誤解を与える商品名は禁止されるべきだ」と明記。オフィスなどで問題になっている間接喫煙に関しては「職場や公共施設内での喫煙を排除し、非喫煙者を守るべきだ」としている。
 計五十八条に及ぶ規制法のひな型では、自販機の全面禁止に加え、たばこ広告の全面禁止か大幅規制強化のための文面を例示した。違反に対しては罰金などの条項も盛り込んでいる。
 実際のたばこ規制枠組み条約は日米などの抵抗に遭い、マイルドなど商品名や自販機の禁止は拘束力のない努力規定にとどまった。指針は、条約が「骨抜き化」された部分を国内法制の強化で補う狙いがあるとみられる。


2003/ 6/12  たばこメーカーなどは協賛の対象外=日本・アンチドーピング機構 (時事通信ニュース速報)  

 日本アンチ・ドーピング機構(JADA)は12日、理事会を開き、JADA独自の認定マーク使用権を対価に協賛スポンサーを募っているマーケティング活動に関し、たばこメーカーなどは対象外とすることを決めた。 
 他に対象外となるのは、ウイスキーなどアルコール濃度が高い「ハードリカー」と漢方薬の各専業メーカー。また、反ドーピングの名を借りた誇大広告を避けるため、商品に禁止薬物の成分が含まれていないことをJADAが保証した「まる適マーク」を使用できる協賛社は、日本製薬工業会の会員に限定した。
 JADAは自主財源の確保を目的に、(1)協賛金(年額)200万円でシンボルマークを使える(2)同500万円でシンボルマーク使用に加え、商品への「まる適マーク」はり付けが可能−のプログラムを売り出している。


2003/ 6/12  <禁煙サポート>希望者に補助金 宮崎・清武町 (毎日新聞ニュース速報)  

 受動喫煙の防止を義務づけた健康増進法施行(5月1日)から1カ月。全面禁煙や分煙の動きが加速する中、宮崎県清武町が今月1日から、禁煙希望者に補助金を出す「禁煙サポート事業」を始めた。自治体が金銭的支援をするケースは珍しいうえ、同町は県内有数の葉タバコ生産地。予算わずか2万1000円からのスタートだが、町は「希望者が増えれば増額も」と前向きだ。
 先月31日からの禁煙週間に合わせて始めた。医師が面談して禁煙をアドバイスする「禁煙サポート外来」のある、宮崎県の外郭団体「県健康づくり協会」(宮崎市)と契約。禁煙希望の町民が受診した場合、初診料と1回目の再診料計4200円を町が負担する。
 当初「希望者は少ない」とみて5人分の予算しか組まなかったが、早くも男性2人が利用。町健康管理課は「意外に多い。初年度はまず様子を見て、状況に応じて補正予算も考えたい」と反応に驚いている。
 宮崎県は01年度、葉たばこ生産量が約6900トンと日本一で、うち清武町は6位の約334トンを生産する。禁煙が広まれば生産量に影響する可能性もあるだけに、町職員からは「金まで出して禁煙を手伝う必要があるのか」というぼやきも。
 禁煙サポート外来は、同協会が01年12月に設けた。医師はアドバイスだけでなく、禁煙の“禁断症状”を和らげる張り薬「ニコチンパッチ」も処方し、昨年度の利用者は24人。初の自治体との契約に「今後も申し出があれば積極的に応じたい」と歓迎する。
 自治体の禁煙支援事業では、老人保健事業の一環で相談窓口を設けている例はあるが、清武町のようなケースはほとんどない。電子メールのやりとりを通して禁煙に挑戦する「禁煙マラソン」の主宰者、高橋裕子・奈良女子大教授は「市町村や企業などでも最近、禁煙の動きが広がっているが、『禁煙外来』を掲げる病院はまだまだ少ない」と話し、自治体と専門機関が協力する取り組みを評価している。【谷本仁美】

 大人以上に子どもの喫煙は深刻化している。宮崎県健康づくり協会の「禁煙サポート外来」には今年度初めて、教諭に勧められた高校生が訪れた。サポート外来の窓口を担当する同協会の管理栄養士、寺山鈴子さんは「子どもの方がニコチンの依存度が高く、家庭や学校、専門機関との連携が必要」と話す。
 高橋教授は5月31日から、小学生以上の子どもが参加できる「禁煙ジュニアマラソン」を新設。参加者は小学4年〜高校3年まで十数人に上った。高橋教授は「大人が禁煙しても、それを上回る喫煙者が生まれれば意味がない」といい、「大人以上に、若い世代の喫煙防止に力を入れるべきだ」と話している。


2003/ 6/ 9  「市の施設は完全禁煙を」 嫌煙家が慰謝料求め提訴 名古屋 (共同通信ニュース速報)  

 他人のたばこの煙を吸う「受動喫煙」の防止に努めるよう定めた健康増進法が五月に施行された後も、名古屋市は施設を完全禁煙にするなどの対策を怠っているとして、同市の中学校教員宮崎邦彦さん(57)が九日、市に精神的苦痛の慰謝料十万円の支払いなどを求める訴えを名古屋地裁に起こした。
 訴状によると、たばこを一日二十本以上吸う夫を持つ妻は、たばこを吸わない夫を持つ妻と比べ受動喫煙で約二倍肺がんにかかりやすいと指摘。宮崎さんは同法施行後、市民情報センターや図書館などを訪れた際、喫煙者に出会い受動喫煙を強いられ、市は完全禁煙などの措置を取る義務があるとしている。
 宮崎さんは市内の学校でも完全禁煙となっておらず、生徒に対する禁煙指導に説得力を欠くと主張し「分煙とは名ばかりで、煙が垂れ流されているのが実情だ」と話している。
 名古屋市は「市として提訴を確認していないのでコメントできない」としている。


2003/ 6/ 6  たばこ訴訟は却下(カナダ) (共同通信経済ニュース速報)  

【ニューヨーク5日共同】バンクーバーからの報道によると、カナダ西部ブリティッシュコロンビア州の裁判所は5日、たばこ業界を相手にした州政府の損害賠償請求を、州憲法上の権限逸脱を理由に却下した。
 州政府はカナダで初めて、たばこによる健康被害で公的な医療支出が増えたとして、米アルトリア(旧フィリップ・モリス)や日本たばこ産業の子会社などに賠償を求めていた。
 州政府は米国各州のたばこ訴訟に倣い提訴したが、裁判所は1998年に州政府の権限を逸脱しているとしていったん訴えを却下。政府は関係法を修正した上で2001年にあらためて提訴していた。


2003/ 6/ 5  小さい赤ちゃんの割合最高 やせ志向や喫煙が影響か (共同通信ニュース速報)  

 二五○○グラム未満の低出生体重児(未熟児)の割合が、五日公表された二○○二年人口動態統計(概数)で過去最高を更新した。医療技術の進歩による赤ちゃんの生存率向上のほか、出産適齢期の二十―三十代で特に高い女性の喫煙率や、過剰な「やせ」志向、不妊治療の影響などが指摘されている。
 低出生体重児には、低血糖や黄疸(おうだん)などさまざまな健康上のリスクがあるとされ、適切な医療ケアを提供するための体制づくりが急務となっている。
 厚生労働省によると、○二年に生まれた赤ちゃん百十五万三千八百六十六人のうち、低出生体重児は十万四千三百二十九人で、体重別の記録を毎年取り始めた一九六八年以降で過去最高となる9・0%を占めた。
 低出生体重児の割合は七○年代前半まで減少傾向だったが、七六年の4・9%を底にその後はほぼ一貫して増加し続けており、九二年の6・7%に比べると十年間で約一・三倍となった。
 厚労省は、産前産後にわたってリスクの高い母親と赤ちゃんをケアする「総合周産期母子医療センター」を、二○○四年度末までに全都道府県に最低一カ所ずつ整備することを政策目標に掲げているが、今年四月時点の整備実績は二十都府県にとどまるのが実情。
 財政難に加え、産科、小児科の医師の人材不足がネックになっているとみられ、厚労省は新生児集中治療室(NICU)の病床数や医療スタッフ数などの要件を一部緩和し、取り組みが遅れている自治体に早期の整備を求めていく方針だ。


2003/ 6/ 4  <発信箱>禁煙教育 青野由利 (毎日新聞ニュース速報)  

 呼気の中の一酸化炭素濃度が10ppm以下であること。信州大医学部の4年生は「社会予防医学」の試験を受けるのに、この「基準」を満たさなくてはならない。
 担当教授によると、たばこを吸わない人の数値は8ppm未満。喫煙者は高値を示すが2日間の禁煙で下がる。単位が欲しい学生は一時でも禁煙せざるを得ない。
 世界保健機関の「たばこ規制枠組み条約」が採択され、日本では「健康増進法」が施行された。喫煙を取り巻く環境は急速に変化している。さすがに禁煙教育も進んだと感心していたら、喫煙者の友人が猛反発したので面食らった。
 自分の害を承知で吸うのは個人の自由。他人に迷惑な受動喫煙の害はきっちり分煙すればいいだけ。煙を吐かないですむたばこがあれば、それを吸うと主張して譲らない。
 あることを習慣にしている人とそうでない人の溝が大きいのは喫煙に限らない。今年の環境白書は、日常生活における個人の取り組みに焦点を当てた。確かに、家庭での節電もごみの分別も、ひいては地球規模の環境に影響を及ぼす。だが、やる気のある人はすでに実行している。問題は、実行しない人との溝をどう埋めるかだ。
 かつてノーベル賞科学者の福井謙一さんは「環境問題はごみを減らそうといった自己規制だけでは解決せず、科学が必要」と指摘していた。そう言われれば、節電よりは家庭用太陽光発電パネルに気をそそられる。
 非喫煙者と喫煙者の溝を埋めるにも、「有害物質を外には出さないたばこ」や「携帯分煙装置」の開発が必要なのだろうか。(論説室)


2003/ 6/ 3  阪急全駅、朝夕は全面禁煙 携帯電源オフ車両も導入 (共同通信ニュース速報)  

 阪急電鉄と能勢電鉄は二日、朝夕のラッシュ時にすべての駅を全面禁煙とすると発表した。十日から実施する。
 また、両電鉄は十日から、携帯電話の電源入力を禁じた車両を全電車に一―四両設ける。関西の私鉄では初めてという。
 関東の大手私鉄八社は五月から終日全面禁煙に踏み切っており、分煙を続けてきた関西の鉄道にも変化の波が寄せてきたようだ。 阪急などによると、乗客からの要望や、五月に健康増進法が施行されたのを受けた措置。これまではホームなど駅構内に一、二カ所の喫煙コーナーを設け分煙としていたが、平日の午前七時半―同九時と午後五時半―同七時半を全面禁煙にする。
 梅田や河原町など七駅は既に終日全面禁煙を実施しており、今回さらに中津、宝塚、三宮の各駅も同様とする。


2003/ 5/31  受動喫煙は「免疫に影響」 産業医学研など調査 (朝日新聞ニュース速報)  

 喫煙者の煙を吸う受動喫煙は人体の免疫系統に影響を及ぼす、という研究結果を、独立行政法人・産業医学総合研究所(川崎市)と筑波大学の研究グループが導き出した。グループは研究結果を基に、「職場の分煙化が非喫煙者の病気予防に役立つ」と指摘する。
 同研究所の中田光紀研究員(医学博士)らと筑波大・社会健康医学研究室の谷川武・助教授のグループは、分煙されていない職場の男性社員675人の協力を得て、喫煙や受動喫煙の有無について質問し、採血した血液成分との関連を調べた。
 受動喫煙は、「自分の席の近くで(家では同じ部屋で)喫煙する人がいるかどうか」の回答によって分類した。
 (1)喫煙者(363人)(2)受動喫煙者(118人)(3)受動喫煙のない人(35人)(4)過去に喫煙歴のある人(159人)――の4グループに分け、免疫全体をつかさどるヘルパーTリンパ球(CD4+)の数を調べた。
 その結果、受動喫煙のない人の場合、血液1立方ミリあたり平均425個だったのに対し、受動喫煙者は557個で、1.3倍。さらに喫煙者は756個で、1.7倍だった。他のリンパ球や総白血球の数でも、喫煙度合いの高い人ほど数が多い傾向が見られた。
 ヘルパーTリンパ球は免疫反応の司令塔として生体防御の中心的役割をもつもので、外からのストレスが多いとそれに対抗して数が増える。
 研究をまとめた中田研究員は「喫煙は動脈硬化を促進する強い因子として知られている。今回の結果から、受動喫煙の機会が多いと、リンパ球系を介して炎症や免疫反応が高まり、動脈硬化症の進展に影響する可能性がある」と説明する。


2003/ 5/31  たばこの含有発がん物質、米製は他国製より倍以上 (読売新聞ニュース速報)  

【ワシントン支局】米国製のたばこは、ほかの国のたばこに比べ、倍以上の発がん物質を含んでいることが、米疾病対策センターの調べで分かった。
 ロイター通信などによると、同センターは、世界1の売り上げがある米国製の人気銘柄「マルボロ」と、日本、ドイツなど13か国のたばこについて、発がん物質「ニトロソアミン」の含有量を比べた。
 その結果、日本を含む10か国のたばこの含有量は、マルボロの半分以下だった。また、マルボロを製造している米フィリップ・モリス社以外の米国製たばこも、マルボロと同程度の発がん物質を含んでいたという。


2003/ 5/30  Marlboroの発癌物質は他のライバル製品より著しく多く含まれている (切明義孝氏訳)  

http://story.news.yahoo.com/news?tmpl=story&u=/nm/20030530/hl_nm/tobacco_cancer_dc_1
Levels of Carcinogen Higher in Marlboro Cigarettes
Fri May 30,11:03 AM ET
By Paul Simao
ATLANTA (Reuters)
世界中の大きなタバコ市場の多くで販売され、世界中で一番売れているタバコの銘柄 Marlboroの発癌物質は、他のライバル製品より、著しく多く含まれていると米国の科学者は語りました。米国CDCの検査により、米国ブランド(Marlboro)は、13カ国中11カ国で販売される地タバコより、タバコ特異的ニトロソアミン(TSNA)を非常に多く含むことが発見されました。日本とドイツを含む10カ国で販売されているMarlboroには、タバコ製品に含まれる主な発癌物質の1つである、タバコ特異的ニトロソアミン(TSNA)の量が、競合する他の銘柄より、少なくとも2倍多く含まれていました。
Nicotine & Tobacco Research最新号に掲載されたこの発見は、アメリカ風ブレンドの紙巻タバコが、他の紙巻タバコを追い抜き、世界的に需要が伸びた時期に発表されました。
CDCのタバコ専門家David Ashleyさんとこの論文の著者は、「タバコ特異的ニトロソアミン(TSNA)の量が著しく多ければ、癌、その他のタバコ関連疾患が著しく増加するかどうかは知られていません。」と、語りました。そして、Ashleyさんは「もし、タバコ特異的ニトロソアミン(TSNA)を減少させても、紙巻タバコは決して安全にならないでしょう。」と、述べました。
WHOは地球上には12億人を超える喫煙者が存在し、年間400万人が癌、その他のタバコ関連疾患で死亡していると推定しています。
Marlboroを販売するPhilip Morris USAはCDCの発見には驚かないと語りました。「なぜなら米国の紙巻タバコは、葉タバコの乾燥と処理工程が異なるため伝統的に、タバコ特異的ニトロソアミン(TSNA)が多量に含まれています。」と、語りました。Philip Morris USA は Altria Group Incの一部です。 Philip Morris USA のスポークスマンBrendan McCormickさんは、「我々はタバコ特異的ニトロソアミン(TSNA)が多量に含まれていることを知っており、減らそうとしたことがあります。」と、語りました。そして、「3500万ドルを費やして、タバコ特異的ニトロソアミン(TSNA)などの発癌物質の量を軽減しようとしました。」と、付け加えました。
しかし、反タバコ活動家は「大手タバコ会社は、紙巻タバコに含まれる有害物質をほとんど減らしていません。」と、語りました。
「この研究は、タバコ産業が喫煙者の健康を全く配慮していないことを示す最も最新の事例です。そして、なぜ、連邦政府が無理にタバコを規制する必要があるのかという理由です。」と、 Campaign for Tobacco-Free Kidsの会長Matthew Myersさんは語りました。米国では年間約44万人がタバコによる肺癌やその他の疾患により死亡しています。米国では、タバコは回避可能な最大の死亡原因です。米国には約4650万人の喫煙者がいます。


2003/ 5/30  「学校禁煙」の動き加速 健康増進法追い風、定着へ (共同通信ニュース速報)  

 健康増進法の施行を追い風に、学校を全面禁煙にする動きが加速している。和歌山県教育委員会は昨春、都道府県では初めて公立の小中高全校の禁煙に踏み切ったが、その後、市町村でも禁煙を決めたり、学校独自で校内の喫煙をやめることを申し合わせたところも増えている。
 子どもの受動喫煙被害に加え「教師が喫煙する姿を見せるのはよくない」というのも理由。愛煙家の教師も「反論のしようがない」とあきらめ顔で、学校の禁煙は一気に定着しそうだ。
 市町村では青森県深浦町、宇都宮市、愛知県犬山市、三重県桑名市、兵庫県加西市、佐賀市などが実施済み。群馬県太田市と東京都小平市は世界禁煙デーの三十一日から小中学校を禁煙にした。
 小平市は数年前から各校が自発的に分煙にしていたが、市教委の担当者は「換気扇の下で遠慮がちに喫煙する教師もいるが、煙が拡散してかえって迷惑だった」と話す。
 高価な分煙装置を設置するのは財政的にも難しく、PTAの会議も含め、敷地内は全面禁煙。分煙維持を求める声もあったが少数だったという。
 学校独自で決めたのは東京都青梅市立第三小。「子ども第一に」と全職員一致で禁煙を決めた。校長室に来た子どもが「たばこ臭い」と顔をしかめたことを、岩谷湍校長が職員会議で紹介したのがきっかけ。岩谷校長は「教委の指示でなく、先生たちが自発的に動いたことに意義がある」と話している。
 今後実施予定の自治体は、既に試行期間に入ったところを含め、茨城県の公立全校、青森県の県立全校、北海道七飯町、山形県酒田市、仙台市、埼玉県行田市、静岡県三島市、広島市、鳥取市、鹿児島県出水市など。


2003/ 5/29  キムタク禁煙ならわたしも たばこやめてコンテスト (共同通信ニュース速報)  

 キムタクがやめればわたしも禁煙―。嫌煙団体のタバコ問題首都圏協議会(渡辺文学代表)は二十九日、たばこをやめたら影響力が大きいと思う有名人を投票で選ぶ「タバコやめてネ」コンテストの結果を発表。トップに木村拓哉さん、次いで明石家さんまさん、和田アキ子さんが選ばれた。
 これまで、喫煙マナーの悪い政治家やタレントを対象に「ワースト・スモーカー」を選んできたが、今年は趣向を変え、三十一日の世界禁煙デーに合わせてコンテストを実施。
 有名人三人に順位を付けてはがきや電子メールで投票する方法で、三百八十六人から応募があった。
 入選者にはそれぞれ寸評が添えられ、「若い女性の喫煙はかなり減る」(木村さん)、「トーク番組でひっきりなしに吸っているので影響大」(明石家さん)、「やめる意欲はありそう」(和田さん)など。
 四位にはビートたけしさん、五位に宮崎駿さん、六位に松たか子さんらが名を連ねた。


2003/ 5/29  <社説>たばこ規制条約 喫煙そのものを減らそう (毎日新聞ニュース速報)  

 世界保健機関(WHO)の総会が終わった。主題は重症急性呼吸器症候群(SARS)対策だったが、懸案だった「たばこ規制枠組み条約」も採択された。日本も署名・批准する方針だ。健康増進法など国内でもたばこ規制が進むが、条約採択で国際的にも足並みをそろえることになる。
 枠組み条約は、喫煙と受動喫煙による健康、社会、環境、経済への悪影響から、現在及び将来の世代を守ることを目的にしている。
 たばこ規制は本来、国内の法律や規制で十分な効力をもつ。にもかかわらず国際条約が採択されたのは、今後、発展途上国での喫煙者の急増が予想されること、製品としてのたばこ生産は日・米・欧州など先進国に集中しており、生産者に義務を負わせるためには先進国が参加した条約が必要なこと、などが理由だ。
 発展途上国は国内で強いたばこ規制を実現するために拘束力の強い条約を求めた。他方、たばこの生産国は強い条約に難色を示した。しかし、たばこ生産国の国内でもたばこ規制を求める世論が強まり、今回の採択になった。
 このため、枠組み条約は原則論では強い表現に、具体論では各国の決定を尊重する仕組みになっている。例えば、たばこの有害性に誤った印象を与えるとして問題になったロータール、ライト、マイルドといった商品名は、禁止はされなかった。しかし欧州連合(EU)ではそれらは禁止されているように、実際の規制は各国・地域に委ねられる部分が大きい。
 喫煙の害については、吸わない人も害を受ける受動喫煙が深刻に受け止められ、健康増進法では防止努力が義務付けられた。また医学的に喫煙者本人の肺がん、ぜんそく、気管支炎、心臓病、脳卒中、胃かいよう、妊娠に関連した異常、歯周病などと、たばことの関係が確認されている。特に、最近になって日本人の脳卒中とたばことの関係が確認され、たばこの害に対する専門家の意識は一変した。
 日本で当面の課題になるのは、広告と健康警告表示の扱いだ。広告については、条約発効後5年以内に全面禁止とし、憲法上それが不可能な国にも規制強化を求めている。日本でも最低限、規制強化の方向での議論が必要だ。
 健康警告表示については、たばこの包装表面の「理想的には50%以上、いかなる場合も30%以上」を同表示が占めるとしている。
 米国では「喫煙は肺がん、心臓病、肺気腫の原因になる」「喫煙をやめればあなたの健康の深刻な危険は大幅に軽減する」など、病名を明示したり、はっきりと禁煙を勧める4種類の文面を、順番に表示している。また、肺がんの衝撃的な写真を包装に印刷している国もある。
 日本の現在の警告表示は91年に採用された。現在、多くの医師も参加して新しい表示を検討中だ。
 先進主要国のなかで日本の男性の喫煙率は高い。また、広告規制や健康警告表示もゆるやかだ。喫煙の危険を幅広く知らせ、喫煙そのものを減らす努力が必要だ。


2003/ 5/27  “たばこ訴訟”5年の審理終わり判決は10月 (NHKニュース速報)  

 がんになったのはたばこが原因だと、がん患者が国や日本たばこ産業の責任を追及した初めての裁判は、きょうで審理が終わり、十月に判決が言い渡されることになりました。
 この裁判は、たばこを吸っていた男性六人が肺がんやこう頭がんなどになったのはたばこが原因だと主張し、国と日本たばこ産業などに一人あたり一千万円の損害賠償と、たばこの販売の規制などを求めているものです。
 裁判で原告側は「たばこの害は明らかなのに警告の表示をあいまいにするなど対策を怠り、健康被害を拡大させた」と訴えました。
 これに対し日本たばこ産業は、「たばこは『しこう品』で、喫煙するかどうかは個人の意思にまかされている。喫煙とがんとの関係は解明されていない」などと主張し、国も「適切な対策を取ってきた」と反論しました。
 五年に及んだ審理はきょうですべて終わり、判決は十月二十一日に言い渡されることになりました。
 がんになった喫煙者が起こした初めての裁判で、たばこと健康被害の関係や国の責任などについて裁判所がどのような判断を示すか注目されます。


2003/ 5/26  「窓」―煙の枢軸 (朝日新聞ニュース速報)  

 ブッシュ米大統領に「悪の枢軸(すうじく)」と呼ばれたのは、北朝鮮、イラン、イラクだ。
 ところで、健康を守ることに関心を持つ人々の間で「悪の枢軸」と呼ばれている国々がある。さて、どこか。
 答えは、米国、ドイツ、そして日本。「たばこ規制枠組(わくぐ)み条約」をめぐり、規制強化に反対を言い続けたからだ。
 たばこは、がんにとどまらず、心臓病や脳卒中(そっちゅう)など多くの病気を引き起こす。だが、一度吸い始めると体がニコチンを欲するようになり、なかなかやめられない。
 だから、吸っていない人にたばこを勧(すす)めるようなことはやめ、各国が協力して総合的な対策を取ることで、たばこによる病気を減らそうというのが条約の精神だ。
 目的は何より「継続(けいぞく)的、実質的にたばこ消費を減らす」ことである。ところが、条約にそう明記されるのを嫌(きら)った国が、世界保健機関(WHO)に加盟する192カ国のなかでたった一つあった。日本である。たばこ業界が削減(さくげん)目標に反発しており、「国内の調整ができていない」というのが理由だった。
 ドイツは広告を禁止する条項(じょうこう)に強い不満を示した。米国は健康被害(ひがい)に対する警告を箱に目立つように書く条項などについて修正を求めた。
 しかし、最後は3国とも賛成に回り、条約はWHO総会で全会一致(ぜんかいいっち)で採択(さいたく)された。
 日本が「悪の枢軸」呼ばわりされるのは気分が悪い。今からでも遅くない。国民の健康を大切にする文明国であることを、政府は世界に示してほしい。〈高橋真理子〉


2003/ 5/26  自販機撤去、結局半数だけ 厚労省庁舎にたばこ残る (共同通信ニュース速報)  

 庁舎内のたばこ自販機撤去問題を検討していた厚生労働省は二十六日までに、現在八台ある自販機を半減することで同じ庁舎に同居する環境省と合意した。全面撤去を求める声もあったが、愛煙家職員に配慮して“痛み分け”した形。「たばこの害を啓発する役所なのに」と批判も出ている。
 自販機論争が始まったのは昨年十一月。今後のたばこ対策を話し合う審議会の委員の一人が「厚労省に自販機があるのはおかしい」と指摘したのがきっかけだった。
 早速、自販機を管理する福利厚生室が環境省の担当者と協議を開始。たばこ対策担当の健康局は「姿勢を示すために撤去を」と求めたが、「無くなると困る」「職員のし好品を奪っていいのか」との反対意見も根強く、半数撤去で決着した。
 撤去は三十一日の「世界禁煙デー」に間に合うように実施。
 厚労省は他人の煙を吸わされる受動喫煙防止を定めた健康増進法を一日に施行したばかり。既に部局ごとに喫煙室が置かれ、七月に庁舎一階に開店予定の喫茶店二店も禁煙店と喫煙店に分けられるなど、庁舎内「分煙」は進んでいる。
 しかし、禁煙を進める非政府組織(NGO)代表、渡辺文学さん(65)は「地方自治体で庁舎の全面禁煙が進んでいるのに情けない。厳しい規制をすれば、煙に悩む人だけでなく、たばこをやめたいのにやめられない喫煙者も救えると発想を転換すべきだ」と話している。


2003/ 5/24  学童の病欠は親の受動喫煙が関係する (切明義孝氏訳)  

http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/3049423.stm
Last Updated: Saturday, 24 May, 2003, 23:00 GMT 00:00 UK
Passive smoking 'makes pupils ill'
By Pat Hagan

研究により、家族に喫煙者がいる家庭の子供は咳と風邪で学校を休むことが多くなります。
カリフォルニア南部の学校の生徒約2000人の調査により、喫煙者がいる家庭の子供は、喫煙者がいない家庭の子供と比べて、呼吸器疾患による欠席回数が4倍も増加することが示されました。この発見はBritish Medical Journal に受動喫煙の害に疑問を投げかける論文が発表されたわずか数日後に発表されました。(注;これは昨年から問題になっている、御用学者による受動喫煙の害を隠すプロジェクトで作成した論文を指しています。)
(参考 http://bmj.com/cgi/content/full/325/7377/1413 )
反タバコグループは、タバコ産業から資金供与を受け、受動喫煙と肺癌・心疾患の関連は従来考えられていた程強くないと述べた論文がBMJに発表された件について怒りを込めて反論しました。反タバコ団体Action on Smoking and Health(ASH)のスポークスマンは受動喫煙が身体的被害のみならず、社会的損失をも引き起こしていることを確認した最新の研究について語りました。「受動喫煙が子供達の健康のみならず、発育にも悪影響を及ぼすという話を聞いても私達は驚きません。」と、研究者の Naj Dehlaviさんは語りました。」
「私達は年間17,000人の5歳未満の子供たちが受動喫煙による中耳炎や呼吸器疾患で入院していることを既に知っています。」
少ない研究
幼い子供たちへの受動喫煙の影響は良く知られていますが、子供達の教育への影響についてはほとんど研究されていませんでした。Keck School of Medicine at the University of Southern Californiaの研究者は4年生の学童1932人を対象に両親や家族の喫煙について問診しました。そして、前6ヶ月間に呼吸器疾患で欠席し子供を把握するため記録を調べました。
この結果はAmerican Journal of Epidemiologyに発表され、喫煙者の家庭の子供は欠席が少なくとも27%以上多いことを示しました。家庭に喫煙者が2名以上いる場合と子供に喘息の既往がある場合には危険がかなり上昇しました。例えば、家庭に2人以上の喫煙者がいる喘息児の場合、両親が喫煙しない健康な子供より4倍も欠席が多くなりました。「環境タバコ煙は呼吸器関連疾患による子供達の欠席の増加と関連があります。特に喘息ではそれが著しくなります。」と、語りました。英国の全国喘息キャンペーンのスポークスマンは、他の研究も喫煙者の子供では喘息の発生率が60%高くなることを示していると語りました。彼女は「我々は喘息児の親は子供たちを肺の成長に有害なタバコ煙に満ちた環境から遠ざけるように促しています。」と、付け加えました。


2003/ 5/24  健康被害で22億円の賠償 米たばこ大手に地裁陪審 (共同通信ニュース速報)  

【ニューヨーク23日共同】喫煙者だった妻の死亡をめぐり米アーカンソー州に住む男性が大手たばこ会社に損害賠償を求めた訴訟で、同州リトルロックの連邦地裁陪審は二十三日、たばこ会社側に総額約千九百万ドル(約二十二億円)の賠償を命じる評決を下した。
 AP通信によると、敗訴したのは「ラッキーストライク」などの銘柄で知られるブラウン&ウィリアムソン・タバコ。男性は一九九八年、妻とともに提訴したが三十六年間の喫煙歴があった妻は係争中に六十九歳で死亡した。
 陪審団は健康への影響を警告するラベルに不備があったとする原告側の主張を退ける一方、同社の製品には欠陥があり、健康被害をもたらしたと認定した。ブラウン側は控訴する方針。


2003/ 5/22  <たばこ訴訟>17兆円賠償命じた陪審評決を破棄 米州高裁 (毎日新聞ニュース速報)  

【ワシントン斗ケ沢秀俊】米フロリダ州の住民が「喫煙で肺がんになった」として、米大手たばこ会社5社に損害賠償を求めた集団訴訟で、同州高裁は21日、約1450億ドル(約17兆円)の懲罰的損害賠償を被告に命じた同州高裁陪審の評決を破棄する判決を言い渡した。判決理由で「集団訴訟の適格性を欠く」と指摘しており、米国で相次いでいる、たばこ会社を相手取った集団訴訟に影響を与えそうだ。
 訴訟は同州の看護師ら3人が98年10月、州内の推定30万〜70万人の喫煙被害者を代表する集団訴訟として起こした。同陪審(陪審員6人)は00年4月、「たばこ会社が健康影響を十分に知らせなかった」と判断し、時効と認定した1人を除く原告2人に計約690万ドルを支払うよう被告5社に求める評決を出した。同年7月の評決では、損害賠償としては当時の最高額である1450億ドルの懲罰的損害賠償を命じた。
 しかし、被告側の異議申し立てを受けた審理を経て、裁判官3人が出したこの日の判決では「それぞれの原告の利益は共通ではないから、集団訴訟ではなく、個別に訴訟を起こすべきだ」と、集団訴訟を否定した。被告企業が倒産するほど金額の大きい懲罰的損害賠償を認めていない同州の法律にも反すると指摘し、陪審評決を破棄した。
 この裁判は全米初の喫煙者の集団訴訟として注目を集めていた。
 被告側で米たばこ最大手のフィリップ・モリスUSA社は「たばこに関連する訴訟では集団訴訟が認められないとする米国の司法判断の流れに沿った判決だ」と評価する声明を出した。


2003/ 5/21  たばこ規制条約、全会一致で採択 広告は原則禁止に (朝日新聞ニュース速報)  

 喫煙による健康被害の防止を目指す「たばこ規制枠組み条約」が21日、世界保健機関(WHO、192カ国)総会で採択された。最後まで条約案に反対してきた米国を含む全会一致だった。保健分野における初の国際条約で、たばこ広告の原則禁止を打ち出した。多くの国が署名、批准の意向を表明しており、早ければ年内、遅くとも来年中には発効する見通し。
 条約は、喫煙に関連した死者が年500万人近くに達し、しかも年々増え続けている状況の中で、3年前からWHOを中心に、策定作業が進められてきた。多数を占める「反たばこ派」と、たばこ産業を抱え、規制強化に慎重だった日本、米国、ドイツが対立、条約づくりは難航した。
 しかし、規制強化を求める世論が、慎重派の国内でも高まり、最終的には、重課税化の方向性など、たばこの消費削減を目指す包括規制の枠組みが、反対なしでまとまった。憲法に抵触するなどの理由がない限り、各国政府は条約発効から5年以内に、たばこ広告やスポンサー行為を禁止しなくてはならない。健康警告表示の拡大や、未成年者への販売禁止措置など、具体的な規制策も盛り込まれた。
 今後、各国は署名、批准を経て、条約の規定に合わせた国内法の整備を進めることになる。
 40カ国が批准した90日後に発効する。すでに、多くの途上国や欧州連合(EU)、同加盟予定国などが署名、批准の意向を表明しており、WHOでは1年以内の発効を期待している。
 日本も近く、同条約に署名する予定。ただ、米国が署名、批准をするかどうかは、不透明だ。米国代表のトンプソン厚生長官は総会で、条約採択を祝福すると述べたが、署名、批准には触れなかった。
 ブルントラント事務局長は採択後、「将来、何十億人もの人命や健康を救うことになる。各国は、条約を国内規制法の基礎としなければならない」と述べた。


2003/ 5/21  市民圧力が規制強化の鍵 日米独「枢軸」が骨抜き たばこ条約 (共同通信ニュース速報)  

【ジュネーブ21日共同=藤井靖】二十一日採択された「たばこ規制枠組み条約」は、二年半にわたる政府間交渉を通じ、たばこ大手を抱える日本と米国、ドイツの「枢軸」(WHO当局者)が厳しい内容の当初案を次々と骨抜きにし、最終的には具体的な義務を負わない努力規定が中心となった。
 それでも、健康への害が立証されながら合法的な嗜好(しこう)品であるたばこに、国際的な規制の網をかぶせた意義は大きい。今後、各国政府が国内規制をどこまで強化するかは、非政府組織(NGO)を中心とする市民社会が、条約をてこにどこまで圧力をかけられるかにかかっている。
 六回に及んだ政府間交渉では「健康と経済」をめぐる対立が続いた。国によっては、たばこ販売などによる税収が財政の重要な部分を占める。異なる事情を抱える各国政府は、交渉で激論を繰り返した。
 日本の場合、厚生労働省が規制を推進する一方、たばこ事業を統括する財務省やタバコ栽培農家を保護する農水省が抵抗するなど、各国とも国内対立を抱えていることも、交渉を一層複雑にした。
 対人地雷禁止条約や温暖化防止の京都議定書の交渉と同様、NGOも事実上の交渉当事者として影響力を行使した。条約は規制推進派と消極派の間を取った妥協の産物であり、今後は条約の細則を定める議定書の交渉を通じ両者の対立が再燃しそうだ。


2003/ 5/20  <たばこ条約>広告、販売を世界的に規制 WHO総会で採択 (毎日新聞ニュース速報)  

【ジュネーブ福原直樹】たばこ消費削減を目指し、広告、販売を世界的に規制する「たばこ対策枠組み条約」が21日にも、世界保健機関(WHO)総会で採択される。条約交渉では米が「条約の一部を留保する権利を認めるべきだ」と主張し、再交渉を求めていたが、今週になって全面的に条約案に賛成する意向を表明。20日の条約委員会で日本、中国、欧州連合(EU)などが賛成の意向を表明し、各国の最終的合意が得られた。
 条約は各国に対し、発効後3年以内に(1)健康被害が少ないと誤解を与えるような売り方をやめる(2)包装面積の3割以上を使い、健康被害を警告すると規定。このほか、5年以内にたばこ広告や販売促進などの全面禁止、規制を実施する措置を取るよう求める一方、自動販売機の制限などで未成年のたばこ購入を防ぐことなども要求している。
 また、たばこの消費削減のための課税強化措置などを検討するよう規定し、たばこ被害の救済のために法整備を検討するよう求めている。一方、「マイルド」「ライト」などの商標は「誤解を与える表示」と指摘されたが、これらの商標の規制は各国の自主判断に任される。
 条約は公衆衛生分野では初の国際条約となり、採択後、40カ国の批准で発効する。米はこれまで「広告規制なども厳しすぎる」などとも反発していたが、18日に米代表が「条約そのものは支持する」と表明。だが条約の署名、批准の可能性については「大統領と議会が決めることだ」と述べ、明言しなかった。
 【ことば】たばこ対策枠組み条約 ブルントラントWHO事務局長の提唱で、00年から策定を開始。たばこの消費や受動喫煙が死や疾病を招くことを明言し、たばこの生産から流通、消費まで幅広い規制を求めている。


2003/ 5/19  米長官、たばこ条約を支持 署名は大統領判断とも (共同通信ニュース速報)  

【ジュネーブ18日共同】AP通信によると、トンプソン米厚生長官はジュネーブで十八日、世界保健機関(WHO)総会で二十一日に採択予定の「たばこ規制枠組み条約」について「わたしは条約を支持するつもりだ」と述べ、採択に賛成する方針を表明した。
 米国はこれまで、条約案の一部修正を求めており、発言通りなら大きな政策転換となる。しかし長官は「条約に署名するかどうか、いつ署名するか」に関してはブッシュ大統領の判断次第とも語り、実際に米国が条約に署名、批准するどうかについては明確な言及を避けた。
 外交筋は長官発言について「条約案を全面支持して締約国となるつもりなのか、単に総会での採択に反対はしないという意味なのか不明だ」と指摘。総会初日の十九日にも、米政府に長官発言の真意をただす方針だ。
 たばこ条約交渉は二年半に及ぶ交渉の末、今年三月に最終案で合意、WHO総会への付託を決定した。しかし米国は、条約の義務を一部留保する権利などを盛り込む必要があるなどとして最終案の受け入れを拒否、総会での修正を求めていた。


2003/ 5/16  <受動喫煙>肺がん、心臓病の関連は薄い タバコ会社から資金提供を受けた学者が英医学誌に論文 (毎日新聞ニュース速報)  

 受動喫煙と肺がんや心臓病の関連性は薄いとの研究論文が16日、英医学誌ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル最新号に発表された。
 配偶者がたばこを吸い、自分は全く喫煙しないという米国人3万5561人を対象に、米カリフォルニア大ロサンゼルス校のジェームズ・エンストロム氏らが調べたところ、肺がんないし心臓病による死亡とはっきり結びつく結果は得られなかったとしている。
 同氏らは論文の結論として「わずかな関連性を排除することはできないとしても、受動喫煙が心臓病の危険を約30%高めるという定説を裏付けることは出来なかった」と述べた。
 この論文を1面記事で伝えたガーディアン紙など16日付の英各紙は、エンストロム氏がたばこ会社から研究資金を受けていることを指摘。「この論文は無害性を強調し過ぎているきらいがある」とする英国の専門家のコメントを紹介した。
 しかし、受動喫煙を防ぐためにレストランなどでの禁煙運動が進む中で、「英医師会が発行する権威ある医学誌がこうした論文をあえて掲載したことは波紋を広げる」(デーリー・テレグラフ紙)とみられている。(ロンドン共同)


2003/ 5/15  <高校生喫煙>3割が日常的 4割が1日1箱以上 京都府で (毎日新聞ニュース速報)  

 高校生の約3割が日常的にたばこを吸っているという調査結果を、京都府木津保健所(京都府木津町)がまとめた。そのうち「毎日吸う」と答えた生徒の約4割が1日に1箱(20本)以上吸い、約3割は小学生の時から吸い始めており、「禁煙は大変つらい」など、たばこ依存症特有の回答も目立った。喫煙率は過去の全国調査を上回り、近年の喫煙の低年齢化、常習化が一層浮き彫りになった。
 同保健所の冨岡裕彦所長(呼吸器内科)らが、01年1〜2月、府内の高校3校の生徒に無記名のアンケートを実施。男女2245人(各学年とも約750人)から回答を得た。
 毎日たばこを吸う「常習喫煙者」は22%、時々吸う「散発的喫煙者」は5%で、合わせて約3割がほぼ日常的に喫煙している。3年生に限ると、33%が「常習的喫煙者」だった。96年、国立公衆衛生院(当時)の全国調査では、毎日吸う3年生男子は25%で、今回の結果はこれを上回っている。
 「常習喫煙者」では、1日の喫煙本数は、10〜19本が36%、20〜29本が32%、30本以上も10%。吸い始めた時期は中学生からが54%、小学生からも30%。理由は「好奇心」がトップで、9割以上が自動販売機でたばこを買っていた。
 一方、「たばこの害」については「害ばかりで利点はない」と答えた生徒が全体の過半数で、「害の方が多い」を加えると8割以上がたばこの害を理解していた。しかし常習喫煙者では「たばこをやめるのは大変つらく、非常に難しい」という回答が6割、「少しつらい」を合わせると9割で、たばこ依存症状の進行がうかがえる。
 冨岡所長は「喫煙量や禁煙のつらさの認識などは、ニコチン依存の大人と全く変わらない。喫煙は短期間で習慣化する。小学生から防煙学習を行い、自販機設置も見直すべきだ」と話している。【奥野敦史】

怖さ教える必要
 小〜高校生に喫煙防止教育活動を行っている繁田正子・京都第一赤十字病院健診部長の話 1日10本以上の喫煙は、大人ぶったり、見栄のためでなく、ニコチン中毒で吸い続けてしまう状態だ。非行防止だけでなく、たばこの健康被害から子どもを守るためにも「一度吸うと止められないたばこの怖さ」を教えていく必要がある。


2003/ 5/ 9  「空気清浄器は効果薄い」 厚労省、職場喫煙で新指針 (共同通信ニュース速報)  

 厚生労働省は九日、職場の喫煙対策について、従来推奨してきた空気清浄器は効果が薄いとして、煙を完全に屋外に排出する排気装置や喫煙室を設置するよう求める方針を決め、労働安全衛生法に基づく指針を七年ぶりに改定した。
 新指針では、これまでOKだった空気清浄器の使用や喫煙コーナーの設置を原則として排除。会議室や応接室も喫煙者と非喫煙者が混在するため、「原則禁煙」を打ち出し、煙とにおいを完全にシャットアウトした対策を求めている。
 旧指針は、喫煙室か喫煙コーナーを作り分煙を促していたが、新指針では、たばこを吸わない人の受動喫煙対策をより確実にするため、非喫煙場所と明確に区切られている喫煙室の設置を最優先に挙げた。
 室内の空気を吸い込んで再び室内に戻す空気清浄器は、ニコチンやベンゼンなど有害物質の除去が不十分であるとして、屋外に煙を排出する換気扇などの設置を求めた。
 喫煙室や喫煙コーナーから煙がほかの部屋に漏れず屋外に流れるよう、喫煙場所に向け、毎秒○・二メートル前後の空気の流れをつくる数値目標も導入した。


2003/ 5/ 1  <私鉄全面禁煙>嫌煙家も喫煙者も「評価」「気持ちよくなった」 (毎日新聞ニュース速報)  

 今日から駅でたばこは吸えません――。関東地方の大手私鉄8社は1日、駅構内での全面禁煙に踏み切った。「全面禁煙」を歓迎する声は多く、愛煙家にとっては、さらに肩身が狭くなった感のある5月スタートになった。
 「本日から駅構内は全面的に禁煙とさせていただきます。ご協力をお願いします」。小田急線と京王井の頭線が交差する下北沢駅(東京都世田谷区)では、両線ホームとも、頻繁にこんなアナウンスが流れた。井の頭線では灰皿の撤去がまだ済んでいないが、灰皿口には「終日全面禁煙」と記したふたがかぶせられていた。その脇で電車を待つ同区の歯科医、国母英一さん(37)は「(全面禁煙は)いいこと。子供を連れている時は特に気になりますから」。
 横浜市西区の相鉄線横浜駅で電車を待っていた東京都中野区の会社員、小林庸至(ようじ)さん(24)も「くわえたばこや、歩きたばこの人のそばに子供がいたりすると危ないなとハラハラした」と禁煙を評価した。一方で、同市港北区の会社員、山本洋二さん(40)は「混雑時は禁煙でも仕方ないと思っていたが、全面禁煙はつらい。喫煙者に対する配慮もほしい」と訴えた。
 千葉市中央区の京成電鉄千葉中央駅でも、「全面禁煙」と書いた張り紙をして告知した。公務員の男性(40)は「気持ちが良くなった。もともとそうあるべきだった」と歓迎。40代の愛煙家の会社員も「構わない」と理解を示した。
 埼玉県川越市の西武新宿線本川越駅。会社員、内田和宏さん(24)は「私鉄はJRに比べて電車の本数が少ないから、間を持たせるために喫煙所が必要。結局ポイ捨てなどする人が出る。携帯灰皿の吸い殻の処理のためにも1カ所くらいはあってもいいのでは」と話した。ホームでたばこを吸っていたさいたま市の短大生は「全面禁煙についてはここに来て知った。個人的には困るが、分煙してもにおいはするから全面禁煙も我慢する」と話し、たばこを消した。


2003/ 5/ 1  たばこ煙防ぐ義務、駅・商店・旅館も 健康増進法施行 (朝日新聞ニュース速報)  

 他人のたばこの煙を吸わされる受動喫煙の防止を法的に義務づける健康増進法が1日施行される。罰則のない努力義務とはいえ、対象は多数の人が利用する施設すべてとなる。すでに公共施設や駅、高速道路のサービスエリアなどで全面禁煙にする動きも出ている。厚生労働省は30日の都道府県への通知で、必要な措置の対象として、商店や旅館、タクシーなども明示した。
 健康増進法は昨年7月に成立。「多数の者が利用する施設を管理する者」に受動喫煙防止に「必要な措置を講ずるよう努めなければならない」と求め、対象を学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、事務所、官公庁施設、飲食店、「その他」としていた。
 今回の通知は「その他」はバス、タクシー、航空機、駅、屋外競技場、商店や旅館、金融機関、美術館なども含まれると明示。「全面禁煙は極めて有効」とし、分煙する場合は、有害成分を取り除けない空気清浄機に頼らず、煙が漏れない喫煙場所を設けて外に排気するなど、効果的な対策を提示している。
 タクシーでの運用については具体的に指摘していないが、全面禁煙か喫煙可能なのか、明確な表示を求められることも考えられる。
 分煙徹底には仕切り壁や換気扇など新たな設備投資が必要で、関東地方の私鉄大手など10社は1日からの駅構内全面禁煙を決定している。
 日本道路公団の高速道路のサービスエリアでも、飲食店を含めて建物内は原則禁煙になる。
 また、自治体では4月に兵庫県加西市、佐賀県鹿島市が市管理の施設すべてを全面禁煙にした。5月1日からは佐賀市、大阪府摂津市、三重県桑名市も同様の措置を取る。


2003/ 4/25  たばこ販売4年連続減 健康意識と増税、値上げで (共同通信ニュース速報)  

 二○○二年度のたばこ販売量は約三千百二十六億本で前年度より六十七億本減少し、四年連続で前年度を下回ったことが二十五日、日本たばこ協会(東京都港区)のまとめで分かった。販売金額は前年度比97・9%の四兆百八十七億円だった。
 外国たばこの販売数量は、前年を約十五億本上回る八百三十六億本で、国内シェアは過去最高の26・7%だった。
 銘柄別の売り上げではマイルドセブン・ライトが二百七十八億四百万本で五年ぶりにトップ。マイルドセブン・スーパーライトが続き、依然として「軽い」たばこの人気が高い。
 販売量減少について、同協会や日本たばこ産業(JT)は「たばこと健康の意識の高まりに加え、過去の増税による値上げや不況が影響している」としている。


2003/ 4/23  分煙対策不十分の飲食店 禁煙席で基準の5倍近い空気の汚れ (NHKニュース速報)  

 来月から施行される新しい健康増進法では、他人のたばこの煙を吸い込む「受動喫煙」の防止対策が病院や飲食店に義務づけられますが、飲食店の中には分煙対策が不十分なため、禁煙席でもたばこの煙による空気の汚れが基準の五倍近くになったところもあることが研究グループの調査でわかりました。
 調査を行ったのは、東京大学大学院生の中田ゆりさんと、分煙対策に詳しい産業医科大学の大和浩(ヤマトヒロシ)助教授のグループです。
 研究グループは、たばこの煙に含まれるタールなどの粒子によって空気の汚れ具合を示す粉じんの濃度が上がる点に注目し、今年一月から今月にかけて首都圏の五十の飲食店で粉じんの濃度を測定しました。
 その結果、完全禁煙の店と、禁煙席と喫煙席のフロアを分けるなど分煙を徹底している店の禁煙席は全て厚生労働省の基準を満たしていました。
 一方、喫煙席と禁煙席が同じフロアにあって間仕切りなどで仕切られていない店の九十%で、禁煙席の粉じん濃度が基準を超え、中には平均の濃度が基準の四・七倍に達したところもありました。
 今回の結果について調査グループでは「分煙対策を行っていない店や対策が不十分な店のほとんどは空気の汚れがひどいことがわかった。客だけでなく、従業員の健康を守る観点からも対策を進める必要がある」と話しています。
 この研究は、山口市で開かれている日本産業衛生学会で、明日(二十四日)発表されます。


2003/ 4/21  首都圏の私鉄全面禁煙に 5月1日から実施へ (共同通信ニュース速報)  

 首都圏の大手私鉄は二十一日、駅構内を五月一日から全面禁煙にすると発表した。ホームに喫煙コーナーを設ける分煙を進めてきたが、コーナー以外での喫煙がなくならないなど「なかなか徹底しにくい」(京浜急行)ことから、一律禁煙に踏み切る。
 全面禁煙を決めたのは、東武、京成、西武、京王、小田急、東急、京浜急行、相模鉄道の大手八社と、新京成など一部の中小私鉄。公共施設での受動喫煙防止を定めた健康増進法が五月に施行されるのに合わせた。
 これまでは原則禁煙でホームに喫煙コーナーを設けてきた。しかし「喫煙コーナーから煙が流れてくる」「禁煙が徹底されていない」などの苦情が多く、小田急が実施したアンケートでは全面禁煙を求める意見が約三分の二を占めた。
 東京の営団地下鉄と都営地下鉄は一九八八年から全面禁煙を実施。JR東日本は五月から渋谷など東京都区部の六駅で朝の二時間、禁煙タイムを設けるが「列車の運転間隔が長く、待ち時間が長い路線もある」として当面分煙方式を続ける。


2003/ 4/19  <スポーツ大学>学内全面禁煙に取り組み 啓発活動実施へ (毎日新聞ニュース速報)  

 滋賀県志賀町に今月開学した私立「びわこ成蹊スポーツ大学」(森昭三学長)が、「キャンパス全面禁煙」に取り組んでいる。和歌山大学が「来春から全面禁煙」の方針を打ち出したが、同スポーツ大では今月3日の入学式で森学長が「日本初の、たばこのないキャンパスにしよう」とあいさつ。初めてサッカーの対外試合を行う20日には、啓発看板を立てるなど来訪者にも協力を呼びかける。
 全面禁煙は開学準備中の昨年秋、循環器系の専門医でもある高橋正行教授(46)が教員会議で提案した。喫煙者からたばこを取り上げるなど強制的な措置はとらないが、学内に灰皿を置かず、さまざまな機会にたばこの害への理解を深める方針。20日に摂南大学(大阪府寝屋川市)を迎えて行うサッカーの試合では、正門や通用口に立てる看板のほか、名刺サイズのカードを渡して来訪者にも禁煙への協力を呼びかける。
 同大学はスポーツ学部の単科大学で、1期生237人が入学。86年のびわ湖毎日マラソン優勝者の渋谷俊浩さんが助教授を務めるほか、客員教授にサッカーW杯フランス大会の日本代表チーム主将、井原正巳さんを迎えている。


2003/ 4/16  F1初の禁煙広告…「最後のとりで」に時代の流れ (読売新聞ニュース速報)  

【ロンドン=助川武弘】自動車F1のウィリアムズBMWは15日、イタリア・サンマリノGP(20日)から、レースチームとしては初めて、禁煙パッチのスポンサー広告をレースカーに付けることを明らかにした。パッチを販売する英製薬会社との契約期間は1年間。
 欧州委員会主導で、欧州にも禁煙の動きが加速する中、長年にわたってたばこ会社のスポンサー料に依存してきたF1は、業界にとって「最後のとりで」。現在も、フェラーリなど半数の5チームがレースカーのデザインにたばこブランドを取り入れており、国際自動車連盟(FIA)は欧州委員会の政策に反対の意を表明している。
 ウィリアムズの担当者は「モータースポーツ界の転換点だ。以前、たばこ業界からスポンサー料を受けていたのは事実だが、我々はアルミから車をつくることだって、もうやめた」と、“禁煙”を自賛した。


2003/ 4/16  たばこから「低タール」表示を削除=米フィリップ (時事通信ニュース速報)  

【ニューヨーク15日時事】米たばこ最大手フィリップ・モリスUSAが、「マルボロ・ライト」のパッケージから「低タール・ニコチン」の表示を削除する。「ライト」たばこの喫煙被害をめぐる集団訴訟で同社を訴えている原告側弁護士が15日、明らかにした。
 イリノイ州の裁判所は先月21日、ライトという表現を使うことで他のたばこより健康被害が小さいという誤った印象を与えたとして、同社に総額101億ドル(約1兆2000億円)の賠償金支払いを命じる判決を下した。
 同社は控訴する方針だが、原告側弁護士は、表示削除の決定は、ライトたばこが低タール・ニコチンだとして同社が数百万の顧客をだましてきた事実を認めたことになると主張している。


2003/ 4/15  控訴保証金を半減 米たばこ訴訟 (共同通信ニュース速報)  

【ニューヨーク14日共同】米イリノイ州の郡裁判所は十四日、「ライトたばこ」の表示をめぐる損害賠償訴訟で敗訴した米たばこ大手フィリップ・モリスUSAに対し、控訴の際に裁判所に預託する保証金を当初の百二十億ドル(約一兆四千四百億円)から約半分の六十八億ドルに減額する決定を出した。
 同社は「経営破たんの危機は去った。これで控訴できる」とのコメントを発表。今後は、まず親会社のアルトリア・グループから受け取った六十億ドルの手形を裁判所に提出し、現金八億ドルを今年九月以降、四半期ごとに分割して預託する。
 フィリップ・モリスは一九九八年のたばこ健康被害訴訟の和解金を全米四十六州に毎年支払っているが、今回の裁判での巨額保証金のため、この支払いが停滞する恐れが発生。九八年の訴訟では原告だったワシントン州などが保証金の減額をイリノイ州に働き掛けるなど皮肉な動きが表面化していた。
 同社は、これで今月十五日が期限の和解金二十六億ドルが予定通り支払えるとしている。
 関係者の間では「州政府の財政を考えると、たばこ会社は生かさず殺さず」との声が聞かれた。


2003/ 4/14  たばこが子宮筋収縮を促進 流産や早産誘発する可能性 (共同通信ニュース速報)  

 たばこを吸うと、子宮の筋肉が収縮しやすくなることを関西医大の安田勝彦助教授(産婦人科)らのグループが妊娠したラットを使った実験で突き止め、福岡市で開催中の日本産科婦人科学会で十四日発表した。
 妊娠中の喫煙は流産や早産につながる危険性があると指摘されている。同助教授らは喫煙で子宮筋収縮が誘発、促進されることが、その一因になっている可能性があるとみて、詳しいメカニズム解明を進めている。
 同助教授らは、妊娠中のラットに、特殊な装置を使って一日当たり、たばこ七本分に相当する煙を三日間吸わせた後、子宮筋の組織を採取。妊婦の体内で出産前後に働くホルモンで、子宮筋収縮作用のある「オキシトシン」の溶液に入れて、収縮反応を調べた。
 この結果、非喫煙群に比べて、収縮反応が二倍以上に高まっていることが判明。また、このホルモンと反応する受容体がよく働いていることも分かり、喫煙がこのホルモンに対する感受性を高めると考えられるという。
 たばこのどの物質が影響しているのかは不明で、代表的なニコチンとの関連を今後調べる。同助教授は「ラットの喫煙量は、人間に換算すると相当な量になるが、作用の仕方は同じと考えられる」と話している。


2003/ 4/13  ニコチンが乳幼児突然死を起こす (切明義孝氏訳)  

http://story.news.yahoo.com/news?tmpl=story2&cid=97&ncid=97&e=3&u=/hsn/20030413/hl_hsn/nicotine_may_have_link_to_sids
Nicotine May Have Link to SIDS
SUNDAY, April 13 (HealthScoutNews)
子宮内でニコチンに曝露されたラットの新生児は、呼吸が停止する状態、無呼吸になる危険が増加します。この研究は4月12日にサンディエゴで開催されたExperimental Biology meeting で発表されました。
アリゾナ大学の研究者は発育中のラット胎児をニコチンに曝露し、ニコチン曝露が呼吸リズムの調整に重要な役割を果たしている脳細胞に存在するGABAa受容体の機能亢進を引き起こすことを発見しました。生まれたばかりのラットのGABAa受容体が機能亢進すると無呼吸を生じやすくなります。妊娠したラットに、毎日2箱喫煙する喫煙者の血液中ニコチン濃度が保たれるよう、ニコチンを投与しました。母親のラットは妊娠5日目から出産する妊娠21日目までニコチンを投与されました。研究者は子宮内でのニコチン曝露が呼吸を調節するニューロンに存在するGABAa受容体の機能あるいは密度を上昇させることを裏付ける重要な証拠を発見したことを示しました。
ラット新生児の証拠は、胎児期のニコチン曝露が、人間の赤ちゃんにしばしば、長期間持続する、致死的な無呼吸を引き起こす要因になり得ることを示すようです。ヒトの乳幼児突然死(SIDS)は生後2ヶ月から4ヶ月の赤ちゃんの睡眠中に発生します。無呼吸あるいは呼吸停止、そして呼吸再開の欠如が死を引き起こします。これまでの研究により、妊娠中に喫煙した母親から生まれた赤ちゃんでは乳幼児突然死の危険が5倍も高くなることが知られています。


2003/ 4/ 4  窮地の米Pモリスを援護 たばこ和解金目当ての各州 (共同通信ニュース速報)  

 たばこの表示をめぐる訴訟で先月下旬に米イリノイ州の裁判所から百一億ドル(約一兆二千億円)という巨額の損害賠償金の支払いを命じられ窮地に陥っている米たばこ大手フィリップ・モリスUSAに対し、一九九八年にたばこ健康被害訴訟を起こして同社を攻めた全米の各州が一転、援護の手を差し伸べている。
 今月下旬までに控訴する方針の同社は、裁判所から賠償額を上回る百二十億ドルの保証金の納入を求められ、九八年の訴訟で各州に支払わなければならない和解金を「払えるかどうか分からない」と、支払い停止の可能性を示唆したためだ。
 苦しい台所事情を抱え和解金を当て込んでいた各州はこれに驚き、保証金の引き下げを求める動きを見せるなど皮肉な構図となっている。
 同社から「支払い危機」の書簡を受け取ったワシントン州のクリスティン・グリゴレ司法長官は「証拠金は巨額で、減額するよう(イリノイ州に)働き掛ける」と表明した。
 当のイリノイ州議会でも保証金削減の法案作成の動きがあったが、三日に州議会上院委員会が否決した。
 バージニア州は和解金を担保に経済活性化目的で予定していた七億六千七百万ドルの債券発行を延期するなど、既に影響も出ている。
 九八年の訴訟では、同社などたばこ大手四社が、健康被害への補償として、四十六州に対し九八―二○二五年の間に合計二千六十億ドルを支払うことで合意。今月十五日がうち二十五億ドルの支払い期限になっている。
 米格付け会社大手スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は「保証金が納められなかった場合、フィリップ・モリスUSAは破産法申請も選択肢として検討するだろう」と指摘している。(ニューヨーク共同=山鹿秀一)


2003/ 4/ 4  ブラジル政府ビジネス優先 F1のたばこ広告規制で (共同通信ニュース速報)  

【サンパウロ3日共同】ブラジルで4日から開催される自動車のF1シリーズ第3戦、ブラジル・グランプリを前に、同国政府は3日までに、F1ビジネスを優先する判断を下し、たばこ広告規制法を柔軟に解釈して、主催者の国際自動車連盟(FIA)との紛争を回避した。
 ブラジルでは法律により、ことし1月から文化・スポーツの催しでのたばこの広告が一切禁止されているが、今回はサーキットの広告看板は禁止するものの、レースの車やパイロットの服、ヘルメットなどの広告は規制外という玉虫色の解釈で落ち着いた。
 開催地のサンパウロ市では、経済効果は9000万ドル(昨年実績)とされ、雇用創出効果は間接雇用も含め3万人余りに上るという。
 国の独立機関の公衆衛生院は開催直前まで、市当局や地元のTV局グロボ、たばこ会社や広告を維持しているフェラーリなど五つのチームに対し、各200万レアル(約60万ドル)の罰金を科すことも辞さないとしていた。
 しかし、上海やバーレーンでサーキットを建設中で、誘致を目指しており、ブラジル政府は、開催地の権利を失いかねないとの懸念から、FIAとの衝突を避けた。
 F1のたばこ広告をめぐっては、世界保健機関(WHO)が2006年までの猶予期間を置いており、FIAも順守する方針で、米国や日本もこれに従うとしている。FIAは市場の大きい英仏に限り、広告禁止を容認している。


2003/ 4/ 3  職場のたばこルール厳しく 厚労省、7年ぶりに指針改正 (朝日新聞ニュース速報)  

 職場でたばこの煙を吸わされる受動喫煙対策を強化するため、厚生労働省は、事業者が取るべき対策を定めた「職場における喫煙対策のためのガイドライン」を7年ぶりに改正する方針を決めた。喫煙コーナーを設け空気清浄機を置く方法は不十分として「お墨付き」から外し、煙が漏れない喫煙室の設置と屋外への排気を求める。
 喫煙対策ガイドラインは労働安全衛生法に基づく指針の詳細版として、旧労働省が96年に策定。喫煙室や喫煙コーナー設置による分煙を求め、空気清浄機を「有効な対策機器」に挙げてきた。「対策機器」が部屋全体に設置されていれば、事務室や会議室でも喫煙可能としている。
 しかし、空気清浄機は粒子状の成分に有効な機器があるものの、発がん性物質のベンゼンなどガス状の成分は除去できず、限界があると指摘されている。
 改正案は、喫煙コーナーに代わり、非喫煙場所に煙が漏れない喫煙室の設置▽空気清浄機ではなく、煙が拡散する前に吸引して屋外に排出する方式、をそれぞれ推奨。煙が漏れないように、非喫煙場所から喫煙室へ向かって一定以上の空気の流れがあるよう求める。やむを得ず空気清浄機を使う場合は、換気に「特段の配慮」が必要とする。
 罰則はないが、ガイドラインに従えない事業者は従業員の健康確保についての姿勢を問われることになる。同省は、受動喫煙防止を定めた健康増進法が5月に施行されるのに合わせ、科学的な分煙効果の検討を踏まえた内容に改正することにした。


2003/ 4/ 2  受動喫煙は腫瘍血管の成長を促す (切明義孝氏訳)  

http://www.reutershealth.com/archive/2003/04/02/eline/links/20030402elin014.html
Secondhand smoke speeds tumor's blood vessel growth
受動喫煙は腫瘍血管の成長を促す。
Last Updated: 2003-04-02 12:35:27 -0400 (Reuters Health)
By Charnicia E. Huggins
NEW YORK (Reuters Health)
受動喫煙に曝露された人間は癌の危険が増加することが知られており、マウスの新しい研究によってその理由が説明できそうです。受動喫煙は腫瘍の成長と血管新生、新しい腫瘍血管の形成を促進するようだと、University of California at San FranciscoのDr. Stanton A. Glantzさんらは語りました。異常な新血管の形成は小さな腫瘍の成長と増大に必要な血液を供給し、癌の成長を促すと考えられています。「腫瘍が成長するためには、腫瘍に血液を供給するための血管新生が不可欠です。」と、Glantzさんは語りました。
肺癌様の条件下に置かれたマウスの研究では、受動喫煙は血管新生と腫瘍の成長を促進するようでした。言い換えれば、「タバコ煙に含まれる発癌物質は発癌(initiate、腫瘍発生)を促すのみならず、腫瘍の成長も促進します。」と、Glantzさんは語りました。この発見は今週シカゴで開催されたAmerican College of Cardiology第52回年次会議で発表されました。
今までの研究で受動喫煙に曝露される人々は肺癌と心疾患で死亡する危険が高いことが示されていました。受動喫煙は肺炎、小児の肺機能障害そして小児と成人の喘息を含む、さらに数多くの呼吸器疾患とも関連があります。この研究では、3グループのマウスの肺に肺癌細胞を移植し、15分毎に6時間毎日タバコ4本分の煙に暴露しました。6日後、受動喫煙に曝露されたマウスの腫瘍だけが“大きく増大”してたと研究者は語りました。
しかしながら、ニコチンの働きを阻害するmecamylamineを投与されたマウスでは、受動喫煙による腫瘍の増大と腫瘍血管の新生は比較的軽度でした。このことは、ニコチンは血管新生を促進するけれども、ニコチン以外の成分も血管新生を促していることを示しているとGlantzさんは語りました。
「ニコチンの働きを阻害しても、腫瘍は大きくなります。」と、彼は語りました。
「受動喫煙が血管新生に対するそれほど強力な効果を有しているとは認識していませんでした。」と、Glantzさんは付け加えました。そして、科学者は現在、癌の血管新生のプロセスを防ぐ方法を研究していると述べました。
「もし、腫瘍の血管新生を阻害することが出来れば、腫瘍を殺すことが出来るでしょう。」と、彼は語りました。「受動喫煙は人々が開発しようとしている治療法に真っ向から対峙する作用があります。」


2003/ 3/29  たばこの火事、異常ペース 1―2月、東京で17人死亡 (共同通信ニュース速報)  

 たばこの火の不始末が原因の火災が東京都内で一、二月に約二百件発生し、十七人の死者が出ていることが二十九日、東京消防庁のまとめで分かった。過去十年で最悪だった昨年は一年間の死者が三十六人で、異常なハイペースに東京消防庁が注意を呼び掛けている。
 死者が出た十七件は、火種が落ちたのに気付かず可燃物に着火したケースが十四件、火が完全に消えないうちにごみとして捨てたケースが三件。六十歳以上が十人で、死者の半数以上を占めているという。
 二月には東京都日野市の民家で、灰皿の吸い殻をごみ袋に捨てたため出火し男性(45)が死亡したほか、練馬区では寝たばこで火種を布団に落として火災が起き、男性(46)が死亡している。
 東京消防庁は「火が消えたように見えても、七百―八百度の火が中心に残っているケースもある。吸い殻をごみ箱に捨てないなどの注意をしてほしい」と話している。


2003/ 3/26  ニコチンは肺癌の成長を促進する (切明義孝氏訳)  

http://www.reutershealth.com/archive/2003/03/26/eline/links/20030326elin034.html
Nicotine may speed lung cancer growth
ニコチンは肺癌の成長を促進するようです。

Last Updated: 2003-03-26 17:03:13 -0400 (Reuters Health)
LONDON (Reuters)

タバコに含まれるニコチンは肺癌の原因になるのみならず、肺癌の成長を促すようです。Oregon National Primate Research Center in Beavertonの研究者は、ニコチンが、肺癌細胞の更なる悪性化と細胞分裂を促進させる分子の生産を刺激することを示しました。
「喫煙は肺癌の原因になるばかりでなく、腫瘍の成長を促すようです。」と、New Scientist誌は述べています。
アセチルコリンという分子は神経伝達物質であり、脳や神経系におけるメッセージを伝える化学物質です。Eliot Spindelさん達はいくつかの癌様細胞が細胞内にメッセージを伝えるためのレセプター(受容体)を持っていることを発見しました。
彼らはさらに、成長速度の速い癌細胞は大量の分子(アセチルコリン)を生産し、アセチルコリンが細胞分裂と増殖を促すという悪循環を発見しました。
しかし、科学者が、神経ガスの解毒剤であるアトロピンでその受容体を阻害すると、細胞は成長を止めました。「我々の発見はニコチンによる促進作用を少し明らかにしました。」と、Spindel,さんはLife Sciences誌で述べました。
彼は、難しいかもしれないが、アトロピンの様な薬物を利用して、肺癌の治療をすることが可能かもしれないと考えています。しかし、正確な投与量と神経系に影響を及ぼさないことが重要だと付け加えました。
「この悪循環は喫煙により促進されます。」と、Spindelさんは語りました。従って、喫煙しないことが最善です。


2003/ 3/24  喫煙女性の赤ちゃんの脳は小さい  (切明義孝氏訳)  

http://www.reutershealth.com/archive/2003/03/24/eline/links/20030324elin011.html
Smoking damages placenta, stunts fetal growth
喫煙は胎盤を障害し、赤ちゃんの成長を阻害する。
Last Updated: 2003-03-24 12:13:50 -0400 (Reuters Health)
LONDON (Reuters Health)

妊娠中の喫煙は胎盤を障害し、成長に不可欠な成長ホルモンの量を減少させ、脳が小さい低体重児を産む原因になると、英国の研究者は語りました。
「喫煙が胎児の成長に及ぼす深刻な影響は不可逆的で、健康障害を引き起こし、子孫にも影響を与えるようです。」と、Glasgow のBritish Endocrine Societies年次会議でDr. Peter Hindmarshさんは語りました。
「特に、喫煙者の赤ちゃんに見られる脳サイズの減少は子供の認識能力の障害に結びつく可能性があります。」と、彼は語りました。
University College LondonのHindmarshさんらは喫煙者200人を含む1650人の妊婦を出産まで観察しました。彼らは胎児と胎盤間の血流を測定し、そしてinsulin-like growth factors (IGF)と呼ばれる、胎児の成長と器官の発達に不可欠なホルモンの一種を測定しました。生後、研究者は新生児の体重、脳のサイズの指標になる頭部の大きさを測定しました。妊娠中の喫煙によって引き起こされる障害は良く知られていますが、血流、IGF、そして胎児の発育という全ての要素を調べた初めての研究であると、Hindmarshさんは語りました。
喫煙する女性では胎盤の障害により、胎児と胎盤を結ぶ動脈の血流が少なく、必要な栄養素の運搬が制限されることを研究者は発見しました。研究者はまた、母親の喫煙量が増加するに連れて、臍帯血中のIGF量が減少することを明らかにしました。
例えば、非喫煙者の血液中IGF-1量は平均70.2 nanograms per millilitreですが、一方、毎日タバコを20本吸う女性では60.7 nanogramsでした。
「IGF量が10%から15%低下すると、出生体重、身長、頭部の発育も同程度に減少します。」と、Hindmarshさんは語りました。低体重出生は高血圧、糖尿病、そして不妊を含む、成人期の数多くの健康障害と関連があります。最新の研究により、妊娠が判明したら禁煙することにより、胎盤機能、IGF量、そして胎児の大きさはほとんど正常になるとHindmarshさんは語りました。
「もし赤ちゃんの健康を願うのであれば、妊娠という非常に短い期間だけでも、禁煙を考える価値があることを示しています。」と、語りました。


2003/ 3/24  フランスは癌と戦うためタバコ問題に取り組みます (切明義孝氏訳)  

http://www.reutershealth.com/archive/2003/03/24/eline/links/20030324elin030.html
France seeks to stub out smoking in cancer fight
フランスは癌と戦うためタバコ問題に取り組みます。
Last Updated: 2003-03-24 13:00:22 -0400 (Reuters Health)
PARIS (Reuters)

ヘビースモーカだったJacques Chirac大統領は月曜日、タバコ消費に終止符を打つことを意味する反タバコ・キャンペーンを立ち上げました。イラク戦争を防ぐための何ヶ月間にも及ぶ仕事の後、シラク大統領は国内政策を方向転換し“タバコ戦争”を宣戦布告しました。タバコ対策は癌対策の主力エンジンで、今後5年間に5億ユーロを投じて対策を講じると公約しました。
「喫煙との戦いは避けられない、絶対的な優先事項です。」と、シラク大統領は健康専門家と政治家に語りました。「これは個人の自由を侵害するものではありません。
むしろ、態度を改めることで、多くの生命を救うことになります。」
最近まで多くの職場で喫煙が許されていました。フランスでは喫煙が日々の生活の一部でした。夕食後の喫煙や酒を飲みながらの喫煙はあたりまえで、喫煙者がタバコを盗む光景がしばしば見られ、地下鉄を待つ間に非合法薬物を吸う姿も見られました。
シラク大統領は5年間の任期中に癌と取り組むことを最大のテーマにしており、フランス人男性の3人に1人、そしてフランス人女性の4人に1人が喫煙すると語りました。特に若者では50%が喫煙しています。
フランスは1月にタバコ税を15%増税し、タバコ販売価格を引き上げ続けているとシラク大統領は語りました。癌に対する幅広い戦いの中で、研究が促進され、治療を受けやすくなり、そして更に多くの予防策が講じられるでしょう。
フランスでは今年末までに全ての女性が乳癌検診を受診できるようになるでしょう。
フランスでは年間15万人が死亡していますが、65歳未満では癌が最大の死亡原因となっています。フランスでは年間約3万人がタバコによる癌で死亡しているとシラク大統領は語りました。
「過去10年以上の間に、我々の戦争の歴史の中でも最も壊滅的な打撃を受けた、第一次世界大戦の犠牲者に匹敵する、150万人もの人々が癌の犠牲になっている。」と、彼は語りました。


2003/ 3/24  甲子園今春から禁煙、メガホン・プラカードで呼びかけ (読売新聞ニュース速報)  

 甲子園球場のスタンドが今春から禁煙となり、選抜高校野球大会出場校の応援団を横目にメガホンで呼びかけたり、プラカードを手に訴える球場スタッフが目を引いている。
 プロ野球の各球場は既に禁煙で、甲子園は最後の実施。阪神タイガースのイライラする試合が多くて、たばこで落ち着こうという気持ちもわかるが、時代の流れで重い腰を上げた格好だ。
 スタッフはスタンドでたばこを吸っている人を注意する役目があるが、選抜では球児の熱いプレーのおかげでその役目もほとんどない?


2003/ 3/22  1兆円超の賠償支払い決定 「ライト」たばこ訴訟で (共同通信ニュース速報)  

【ニューヨーク21日共同】米イリノイ州の裁判所は二十一日、「マルボロ・ライト」など「ライト」と名がつくたばこを吸った喫煙者が米たばこ大手フィリップ・モリスUSAに健康被害の損害賠償を求めていた代表訴訟で、被告側に総額百一億ドル(約一兆二千百億円)の損害賠償金支払いを命じた。
 原告弁護団によると「ライト」たばこの健康被害をめぐる代表訴訟で初めての判決。今後、同様の訴訟の前例となる可能性もあり、被告側のたばこ会社にとっては厳しい内容となった。
 同弁護団は「ライト」の名をつけた商品でも、通常のたばこ同様に害があることが証明されたと主張している。
 支払い命令の内訳は、原告側の損害賠償金が七十一億ドル、イリノイ州が受け取る懲罰的損害賠償金が三十億ドル。
 同社は「健康に対する警告のラベルを張っており、判決は誤っている」として控訴する方針を発表した。


2003/ 3/19  癌の危険を計算する公式 (切明義孝氏訳)  

http://news.bbc.co.uk/1/hi/health/2864999.stm
Formula to calculate cancer risk

喫煙者と前喫煙者は数学的な公式を利用して肺癌の危険を予想することが出来ます。この公式は喫煙期間、喫煙量、そして前喫煙者の場合には禁煙してからの期間に基づきます。
この計算式は危険を幅広く示してくれます。
51歳の女性が、9年前に禁煙するまで、14歳から毎日1箱喫煙していた場合、肺癌を発症する確率は100分の1です。しかしながら、68歳の男性が18歳から毎日2箱タバコを吸い続けている場合、78歳の誕生日までに肺癌になる確率は7分の1となります。もし、彼が直ちに禁煙すれば、その危険は9分の1に減少します。この公式は50歳以上の者で、少なくとも毎日半箱、25年以上喫煙した場合にのみ計算することが可能です。なぜならば、この公式はそのような集団における癌発生調査に基づいて作成されたからです。
使いやすい
この公式はNew York's Memorial Sloan-Kettering Cancer Centerの研究者が発明しました。彼らはウェブに使いやすいバージョンを公開しました。
医師は女性の乳癌の危険を予想するために、年齢、家族の医療歴、そしてその他の因子を利用した、類似する計算式を利用していました。
しかしながら、現在でもなお、さまざまな要因が関与しているため肺癌の危険を正確に予想することは困難です。
この新しい公式はさらに正確な情報を医師に与えるようです。
研究者のDr Peter Bach さんは語りました。「このリスクアセスメントツールは肺癌検査における利益と危険のバランスを医師と患者に教えてくれます」
「例えば、我々の研究では肺癌の危険が最も少ない者は今後10年間で肺癌になる確率は1%未満です。」
「これは、CTによるスクリーニング検査で精密検査や外科的バイオプシーが必要になる瘢痕や陰影が発見される30%〜50%の確率と対比される必要があります。たとえ、最終的には癌ではないと診断されてもです。」
この公式はJournal of the National Cancer Instituteに掲載されました。
Story from BBC NEWS:
http://news.bbc.co.uk/go/pr/fr/-/1/hi/health/2864999.stm
Published: 2003/03/19 15:49:38


2003/ 3/19  たばこ会社の利益没収提案 (共同通信経済ニュース速報)  

 米司法省はこのほど、米たばこ業界の利益2890億ドルを没収すべき、との見解を連邦裁判所に示した。19日付米ウォールストリート・ジャーナル紙が報じた。
 この金額は、1971年以降に未成年喫煙でたばこ依存症になった3300万人からたばこ業界が上げた販売利益。ワシントン連邦地裁で係争中の民事訴訟資料から集計した。
 訴えによると、米国ではたばこの健康被害で年間約44万人が死亡しており、国の医療給付金は年200億ドルに達している。米政府は、依存性があり、極めて有害な製品の健康被害を隠ぺいするため、会社側が不正を働いたと主張している。
 会社側は、独自の資料で政府の主張を否定。たばこ業界の販売方法は米憲法修正第1条の「商事的言論」として認められていると主張し、法廷で戦う構えだ。(ワシントンDJ=共同)


2003/ 3/13  呼吸器学会が禁煙宣言 全会員の非喫煙打ち出す (共同通信ニュース速報)  

 日本呼吸器学会(理事長・福地義之助順天堂大教授、会員約一万人)は十三日、福岡市内で記者会見し、全会員の非喫煙化や、医療、公共施設での禁煙推進などをうたった「禁煙宣言」を発表した。宣言は、一昨年の調査でも約15%だった会員の喫煙率をゼロにし、会員所属の保健医療施設での全館禁煙を目指す。
 教育、公共施設での禁煙に向けた啓発活動、禁煙指導を行う医療従事者の育成なども盛り込んだ。目標達成のため、学会で認定する専門医(約二千八百人)については、非喫煙を資格要件とする厳しい規定も設けた。
 同学会は一九九七年、他学会に先駆けたばこの害を呼び掛ける禁煙勧告を出したが、その後も社会全体の喫煙率が下がらず、さらに強力な姿勢を打ち出す必要があるとして宣言を採択した。
 たばこをめぐっては、日本循環器学会も昨年四月、会員医師らの喫煙率を二○○七年までに四分の一にするなどとする禁煙宣言を出している。


2003/ 3/13  受動喫煙と子供の虫歯 (切明義孝氏訳)  

http://www.globeandmail.com/servlet/ArticleNews/TPStory/LAC/20030313/USMOKOQ/Health/Idx
Secondhand smoke linked to tooth decay in children

By ANDRE PICARD
PUBLIC HEALTH REPORTER
Thursday, March 13, 2003 - Page A7

研究により、受動喫煙に暴露された子供は、そうでない子供に比べ、2倍虫歯になりやすいことが明らかにされました。昨日、 Journal of the American Medical Associationに公表された研究により、喫煙による更なる被害を明らかにし、喫煙規制を支持する人々に更なる武器を提供しました。
「受動喫煙の減少は多くの医学的な障害を予防するのみならず、子供の歯の健康を推進するためにも重要です。」と、University of Rochester小児科研究員のAndrew Aligneさんは語りました。
彼は虫歯は単独で最も一般的な慢性小児疾患であり、虫歯を減少させるためのあらゆる手法が大きな経済効果をもたらすと語りました。
カナダ人は虫歯の治療に年間約4億5千万ドルを費やしています。
研究者は、もし子供たちが受動喫煙に暴露されなければ、子供の虫歯の少なくとも4分の1が根絶されるだろうと推定します。
Statistics Canadaによれば、12歳未満の約80万人の子供たちが日常的に受動喫煙に暴露されています。一般的に信じられていることに反し、虫歯は甘い物の食べすぎが原因ではなく、虫歯の原因になる乳酸を産生するバクテリアが原因です。環境タバコ煙に暴露されると、感染症と戦う能力が障害され、受動喫煙に暴露されている子供たちは風邪や虫歯を含む様々な病気に罹りやすくなります。
この発見は米国で1988年から1994年にかけて実施された大規模研究、Third National Health and Nutrition Surveyから得られました。
研究者は歯科検診を完全受診し、血中コチニン量の測定を受けた4歳から11歳の3541人の子供たちのデータを調べました。コチニンはニコチンの代謝産物で受動喫煙暴露の正確な指標になります。子供たちの33%は少なくとも1歯以上の処置歯があり、25%の子供には少なくとも1歯以上の未処置歯がありました。半数以上の子供たちに受動喫煙に暴露された証拠がありました。受動喫煙に暴露された子供たちの乳歯の虫歯は、平均2倍多いことが示されました。2001年、カナダでは15歳以上の者における喫煙率は22%であると推定されています。


2003/ 3/11  喫煙と前立腺癌 (切明義孝氏訳)  

http://www.reutershealth.com/archive/2003/03/11/eline/links/20030311elin004.html
Smoking ups chances of high-risk prostate cancer
Last Updated: 2003-03-11 13:00:21 -0400 (Reuters Health)
By Alison McCook
NEW YORK (Reuters Health)

新しい研究により、喫煙は若い男性の進行型前立腺癌の危険を高めるようです。
前立腺癌の手術を受けた55歳未満の男性において、喫煙者は、非喫煙者と比べ、進行した前立腺癌と診断される者が3倍も多いことを発見しました。
10年間喫煙すると進行癌の危険が高まり、喫煙による影響は何年間も持続するようだと著者は述べました。
MarylandのJohns Hopkins University in BaltimoreのDr. William W. Roberts さんらは、「タバコを吸えば吸うほど、前立腺癌の危険が高くなります」と、 Journal of Urology で述べました。
「これは、タバコを吸うべきでないという、もう1つの理由です。」と、Robertsさんは語りました。
Roberts さんと彼のチームは1992年から1999年の間に前立腺の摘出手術を受けた498人の男性を対象に調査を行いました。手術した年やそれ以前の喫煙歴を含む生活習慣に関する問診を行いました。情報は、再発の危険が高い癌かどうかを判断するために切除された前立腺の組織検査結果と比較されました。
ハイリスク患者とは病気の程度が重い、あるいは癌が前立腺外に浸潤している(遠隔転移ではない)患者のことです。Robertsによれば、前立腺外に浸潤した前立腺癌は、手術しても再発しやすいため進行癌であると考えられています。
新しい発見にもかかわらず、Robertsさんは、この研究は過去の喫煙状況の不確かな記憶に基づくため、注意が必要であると語りました。
そして、彼はこの発見について、喫煙が進行型前立腺癌の危険を高めることが示されたけれども、更なる研究が必要であると語りました。研究者によると、喫煙が直接的に様々な進行癌の発生を促していると考えられている理由があります。
例えば、GSTP1と呼ばれるタンパク質はタバコ煙に含まれているいくつかの毒素を分解する重要な役割がありますが、前立腺癌患者のGSTP1タンパク質は不活型(訳注;タバコの毒素を分解できない)という特徴があります。
Robertsさんは、理論上、前立腺癌を持つ患者が喫煙すると、体内のタバコ煙毒素が増加し、このため前立腺癌がますます悪性化する可能性があると語りました。
SOURCE: Journal of Urology 2003;169:512-516.


2003/ 3/10  タバコと女性の尿失禁 (切明義孝氏訳)  

http://www.jointogether.org/sa/news/summaries/reader/0,1854,562064,00.html
Smoking Linked to Urinary Incontinence
3/10/2003

新しい研究により喫煙が女性の尿失禁を引き起こすことが明らかにされました。3月6日のロイター報道です。
ノルウェーのUniversity of Bergen の研究者は20歳以上のノルウェー人女性28000人を調査しました。研究者は、運動、喫煙、身長、体重、アルコール、コーヒー、そして茶を含むライフスタイル因子を解析しました。
研究者は喫煙する女性は尿失禁しやすいことを発見しました。付け加えていえば、喫煙する女性では重症の尿失禁が、喫煙しない女性と比べ、2倍も多いようでした。
研究を率いたDr. Yngvild S. Hannestadさんは、喫煙者の咳と喘鳴呼吸が尿失禁を引き起こすことがあると語りました。彼は、その他、喫煙による抗エストロゲン作用と喫煙による体内コラーゲンの産生障害も尿失禁の発生に寄与しているかもしれないと語りました。
The report is published in the March 2003 issue of the British Journal of Obstetrics and Gynecology.


2003/ 3/ 1  たばこ規制、警告表示や自販機対応が急務 条約承認 (朝日新聞ニュース速報)  

 世界でただ一カ国、たばこを減らすことに反対していた日本が国際世論に押し切られ、1日、たばこ規制枠組み条約がまとまった。警告表示の強化や自動販売機の規制などが盛り込まれ、日本も対応を迫られる。
 たばこによる国内の健康被害は、年間の死者が10万人、余分な医療費が1兆3千億円と推計される。条約は、たばこの箱の表裏面の30%以上を健康被害に対する警告表示にあてることを求めた。
 カナダでは2年前から箱表面の半分を割いて写真や図を載せ、肺がんや心臓病など具体的な病気や胎児への影響を警告している。
 財務省は、現在の警告文「あなたの健康を損なうおそれがありますので吸いすぎに注意しましょう」(89年作成)を変える方針だ。2月10日に専門家による作業班を設置し、医学的なデータ収集などを進めている。
 たばこ問題情報センターの渡辺文学代表は「警告表示が具体的内容になれば喫煙者にはボディーブローのように利き、医師らによる指導もしやすくなるはず」と話す。
 また、日本自動販売機工業会によると、国内に設置されたたばこ自販機は約62万9千台、米国の約4倍にのぼる。同工業会などは08年、たばこ自販機すべてを、ICカードが無いと買えない仕組みに一斉に切り替えることを計画している。カードは免許証などで20歳以上を証明できる人だけがあらかじめ発行してもらえる仕組みだ。
 厚生労働省研究班の00年度の調査では、高校3年男子の26%、中学3年男子の5%が毎日喫煙していた。喫煙している高校3年男子の76%は自販機から購入したと回答しており、未成年の喫煙対策が急務になっている。
 しかし「カードを悪用されると根本的な対策にならない」と禁煙団体などは反発している。
 条約は、当初の「自販機の段階的廃止」が削られたが、「各国は未成年者が自販機から入手できないよう適切な策をとる」とした。ICカードの実効性が問われることになる。


2003/ 2/25  喫煙者は非喫煙者に比べて腎機能低下を3倍起こしやすい (切明義孝氏訳)  

http://news.tobaccofreekids.org/plugin.jtml?siteID=TFKNEWS&p=1&Tab=News&Object_ID=561877&PrintThis=true
February 25, 2003
Smoking Could Cause Kidney Damage
喫煙は腎障害の原因になります。

新しい研究により、喫煙者は、非喫煙者に比べ、腎機能低下を3倍起こしやすいことが示されました。National Kidney Foundation2月21日の発表です。
この研究は成人1万1千人を対象に、喫煙と、腎機能の関係を調べました。対象者の血圧は正常で糖代謝異常はありませんでした。研究者は喫煙者では腎機能の指標となる glomerular filtration rate が60ml/min未満に低下していることを発見しました。
喫煙を続けると腎機能はさらに低下し、別の腎機能障害の指標である尿タンパク/クレアチニン比も大きくなります。
Medical Advisory Board of the National Kidney Foundation of the Delaware Valleyの議長Dr. Ellie Kelepourisさんは、「これらは重要な発見です」と、語りました。
「糖尿病や高血圧患者などでは、喫煙は腎疾患の発病と進行の危険因子です。しかし、喫煙が健常者の腎機能に及ぼす影響は明らかにされていませんでした」「これらの結果によれば、喫煙は慢性腎疾患の発病の危険を増加させるようです。
この研究の発見は National Kidney Foundationの公式刊行物American Journal of Kidney Diseaseに発表されました。


2003/ 2/22  たばこ違法販売で摘発へ 愛知県警、暴力団幹部ら (共同通信ニュース速報)  

 指定暴力団山口組系弘道会(名古屋市)の幹部らが、届け出とは異なる場所に営業所を設け、全国の傘下組織にたばこを違法に販売していたことが、愛知県警捜査四課と中署の二十二日までの調べで分かった。
 県警は週明けにもたばこ事業法違反(営業所の無許可移転)の疑いで関係者二人を書類送検する。販売を始めた二○○一年夏から一年間で約三億円を売り上げ、利益は組の活動資金になっていたとみられる。
 県警は、たばこの仕入れをしていた日本たばこ産業(JT)名古屋支店からも、違法な実態を知っていたかどうか事情を聴いている。
 書類送検するのは、山口組系太田組の前川広行組長(41)=組織犯罪処罰法違反(威力業務妨害)で公判中=と、広告販売業の金将史社長(28)=恐喝罪で服役中=の二人。
 調べでは、前川組長らは○一年春、愛知県刈谷市内にたばこの自動販売機を設置する許可申請を東海財務局に提出。同年八月ごろ許可を受けたがこの場所には設置せず、名古屋市北区に開設した営業所を通じて全国の弘道会傘下暴力団から注文を受け、たばこを定価で販売していた疑い。
 たばこの小売業者はJTから定価の九割で仕入れることができ、前川組長らが上げていた利益は三千万円を超えるとみられる。


2003/ 2/21  たばこ規制でも喫煙者増加 WHOが専門家報告公表 (共同通信ニュース速報)  

【ジュネーブ20日共同】世界保健機関(WHO)は二十日、たばこ規制の強化で世界の喫煙率が毎年1%ずつ減っても、それを上回る発展途上国での人口増などで、実際の喫煙者数は二○○○年の推定十二億二千二百万人から二五年には同十四億五千六百万人に増加すると予測した専門家報告を公表した。
 たばこ規制の強化で途上国の葉タバコ産業や労働者が損害を受けるとの主張に反論する狙いがあるとみられる。
 報告は世界を六地域に分け、二○○○年から二五年にかけて喫煙率が毎年1%ずつ減った場合の喫煙者数を推定。その結果、喫煙者が減るのは欧州だけで、残る五地域はいずれも増加する。
 アフリカ地域では、経済発展に伴い個人の購買力が強まるため、喫煙者数は二○○○年の推定六千五百万人から二五年には一億七百万人と約65%も増加。日本を含む西太平洋地域は、四千三百万人から四千五百万と約二百万人の増加にとどまる。
 現在ジュネーブで続いている「たばこ規制枠組み条約」交渉で、規制強化派は「たばこ課税の強化」を通じた消費削減を求めており、報告はこれを後押しする結果となった。


2003/ 2/19  喫煙映画は保護者が監督を 青少年に悪影響とWHO (共同通信ニュース速報)  

【ジュネーブ19日共同】世界保健機関(WHO)は十八日、一九八八年から九七年にかけてベスト25入りしたハリウッド映画のうち、85%に喫煙の場面が登場し、青少年の喫煙開始を助長していると批判した報告書を公表した。
 ジュネーブで続いている「たばこ規制枠組み条約」の政府間交渉に合わせて発表した。報告書は「青少年の喫煙開始」に歯止めをかけるため、喫煙シーンがある映画を見る際は保護者が同伴するなど監督が必要だとしている。
 報告書によると、米国では映画やテレビで喫煙の場面を百五十回以上見た青少年のうち31%が喫煙に及んだ。五十回以下の場合、喫煙率は4%にとどまっており、映画やテレビ番組の喫煙シーンが青少年の喫煙に影響を及ぼしていることが確認された。
 ハリウッド映画だけでなく、「ボリウッド」と呼ばれるインド映画も喫煙の場面が多い。報告書によると、九一―二○○二年にかけて製作されたインド映画三百九十五本のうち、三百二本に喫煙シーンがあったという。


2003/ 2/18  日本、「たばこ消費削減」を原則受け入れ 規制条約交渉 (朝日新聞ニュース速報)  

 世界保健機関(WHO)が推進する「たばこ規制枠組み条約」の最終策定交渉に参加している日本政府代表団は18日、たばこの消費削減を同条約の目的とすることを受け入れる姿勢を明らかにした。これまで、日本は、交渉参加国の中で唯一、条約案に盛り込まれた「継続的に消費を削減することによって、現在と未来の世代を、健康的、社会的被害から守ることを目的とする」との消費削減原則を「留保」してきた。
 日本の方針転換は、本会議で、日本代表が間接的な表現ながら表明。交渉議長など関係者へも伝えられた。ブルントラントWHO事務局長は、「これで交渉の(大きな)障害が取り除かれた」と日本の姿勢転換を歓迎したという。
 交渉は28日までの予定で、条約案をまとめ、5月のWHO総会での採択を目指している。


2003/ 2/17  「喫煙死時計」、ただいま1332万人 WHOが除幕 (朝日新聞ニュース速報)  

 健康に関する初の国際条約を目指す「たばこ規制枠組み条約」の最終策定交渉が17日、国連欧州本部で始まった。これに合わせ、規制強化の旗振り役であるブルントラント世界保健機関(WHO)事務局長が同日朝、「喫煙死時計」の除幕を行った。
 同条約の策定作業が始まった99年10月以降、喫煙に関連する病気で死亡した人数を表示したもので、除幕時は1332万人余。28日までの会期中、刻々と人数が増える。交渉を早くまとめるよう参加者に心理的な圧力をかけるのが狙いという。
 今回、6回目の政府間交渉となるが、たばこ広告の全面禁止など厳しい規制を求める「反たばこ派」と、規制強化に慎重な日本や米国の対立が続いており、会期中に条約案がまとまるかどうか、楽観を許さない情勢だ。
 ブルントラント事務局長は、「いま世界で、1分間に8人が喫煙に関連した病気で死亡している。今回、交渉をまとめるために、各国の団結が必要だ」とあいさつした。


2003/ 2/15  たばこ政策の転換を要求 嫌煙権運動25周年で集会 東京 (共同通信ニュース速報)  

 嫌煙権運動の二十五周年を記念した集会が十五日夕、東京・四谷のプラザエフ(旧主婦会館)で開かれ、運動にかかわってきた弁護士や医師、市民ら約百人が参加した。
 参加者は、この四半世紀で大きく様変わりした日本の喫煙事情を振り返り、たばこ事業の監督官庁を財務省から厚生労働省に移管することなど、政策の転換を求めるアピールを採択した。
 嫌煙権は、コピーライターの中田みどりさんが職場のたばこの煙に耐えかねて、一九七六年に提唱した造語だった。運動の輪が広がり、七八年二月には「嫌煙権確立をめざす人びとの会」が発足。嫌煙権が市民権を得て社会運動に発展するきっかけとなった。
 集会では、中田さんが「皆さんが嫌煙権を立派に育ててくださった。これからも頑張って成果を勝ち取り、歩んでいきたい」とあいさつした。
 同会代表の渡辺文学さんが二十五年前と現在を比較。男性の喫煙率が75%から49%まで低下、航空機が全面禁煙になり、新幹線の禁煙車両が七割に増えたことなどを「隔世の感」と報告した。
 たばこ病訴訟弁護団長の伊佐山芳郎さんらが次々に発言し、運動の新たな前進を確認し合った。


2003/ 2/14  <たばこ条約>骨抜きにしないで 超党派の禁煙議連が財相に (毎日新聞ニュース速報)  

 たばこ広告の規制などを各国に義務付ける世界保健機関(WHO)の「たばこ規制枠組み条約」採択に向け、17日からジュネーブで始まる最終政府間交渉を前に、超党派の国会議員で作る「禁煙推進議員連盟」(綿貫民輔会長、90人)は13日、条約を実効性のあるものにするよう求める要請書を塩川正十郎財務相などに提出した。
 条約は、たばこによる健康被害を国際社会が協力して抑止することが目的。各国政府は今年5月の採択に向け、00年10月から交渉を重ねている。日本は唯一、たばこの消費削減条項の賛否を留保するなどの姿勢が批判されてきた。禁煙議連は要請書で(1)条約を具体的に実効性のあるものとすること(2)具体的な喫煙抑止策を実現すること――を求めた。
 14日に記者会見した事務局長の小宮山洋子参院議員(民主)らは「条約に具体的な目標を置かせたくないという政府の意思は明らか。たばこ税を所轄する財務省の意向だろうが、国際的な規制の流れの足を引っ張らないでほしい」と訴えた。


2003/ 2/14  捨てたら「天使」拾います 神戸市がポイ捨て阻止作戦 (共同通信ニュース速報)  

 街角や路上でのたばこやごみのポイ捨てを阻止しようと、神戸市はことし夏にも、ボランティアの「まち美化エンジェル隊」を発足させる。
 エンジェルはポイ捨てを現認したら、さっそうと駆け付け、捨てた人の目の前でたばこやごみを拾う。注意などは一切せず、ごみを拾う姿を見せることで、マナー違反の自覚を促す作戦だ。
 市は十四日発表の二○○三年度当初予算案に約百十万円を計上。担当者は「多少嫌みに感じるかもしれないが、モラルを呼び覚ますことができれば」と期待している。
 市によると、エンジェルに“任命”されるのは大学生を中心とした若者。明るいイメージの制服に身を包み「できるだけ格好良く」(担当者)ごみを拾い、さわやかさをアピールする。
 エンジェルは一日十人程度が神戸市中央区のJR三ノ宮駅付近に出没し、ポイ捨てに目を光らせることになる。
 神戸市は一九九七年、「ポイ捨て禁止条例」を施行。啓発活動を続けてきたが、ポイ捨てはいっこうに減らず、対策に頭を悩ませてきた。


2003/ 2/13  子どもの誤飲事故、たばこが半数近く 厚労省調査 (朝日新聞ニュース速報)  

 子どもの誤飲事故のうち、半数近くを依然としてたばこが占めていることが、厚生労働省の13日公表した調査結果でわかった。たばこの1位は調査を始めてから23年連続。生後6〜17カ月が9割を占め、同省化学物質安全対策室は「手の届かないところにたばこを保管するなど、この時期に特に気を付ければ多くの事故は防げる」と注意を呼びかけている。
 調査は皮膚科8病院、小児科8病院の協力を得て事例を集める「01年度家庭用品健康被害病院モニター報告」。誤飲の報告計886件のうち、たばこは401件(45.3%)を占め、2位の医薬品など122件、3位の玩具57件を大きく引き離した。空き缶に水を入れて灰皿代わりにするなどし、ニコチンが吸収されやすい水溶液の形で誤飲した例も7件あった。死亡例はなかったが、たばこ1本分のニコチンが溶け出せば乳幼児の致死量に相当する。


2003/ 2/11  喫煙者は手術の合併症の危険を減らすため、手術前に少なくとも6ヶ月間は禁煙すべきである (切明義孝氏訳)  

http://news.bbc.co.uk/1/hi/health/1753016.stm
Friday, 11 January, 2002, 00:44 GMT
Smoking 'damages surgery recovery'

喫煙者は手術の合併症の危険を減らすため、手術前に少なくとも6ヶ月間は禁煙すべきであることが研究により示されました。
タバコ煙は心臓、肺、免疫系に悪影響を及ぼします。
これはまた心臓や肺疾患の症状をさらに悪化させることを意味しています。手術の創傷の正常な治癒も傷害されます。
Bispebjerg University Hospital, Copenhagen, Denmarkの研究者は腰部と膝部の関節置換手術を受けた患者を対象に喫煙による手術後合併症頻度の増加を調べました。
それによると、禁煙支援を受けた患者では合併症の頻度が少なく(18%)、禁煙指導を受けなかった者と比較して52%減少しました。
禁煙指導を受けた者では創傷治癒の障害は6分の1に減少し、禁煙指導を受けなかった者と比べ、平均2日速く退院しました。
また、禁煙指導を受けた群では心臓血管系の合併症が一名も発生しませんでした。
広い危険
「喫煙はほぼ全ての手術において創傷感染と心臓・肺合併症の危険因子です」と、 Dr Ann Moller さんは語りました。「術後合併症の多くは喫煙者に生じています」「もし、手術前の禁煙によりこれらの合併症が防止できるのであれば、患者の苦痛も出費も大きく減少するに違いありません」
Dr Moller さんは手術を受ける6〜8週間前に禁煙を支援すべきであると語りました。Oxford Universityの一般診療部 禁煙エキスパートのProfessor Godfrey Fowlerさんは、これらの発見には驚かないと語りました。
彼は、「禁煙によるメリットの証拠は非常に数多く存在します」と語りました。「もし、誰かが手術を受ける予定であれば、タバコを止める良い機会になるでしょう」と、語りました。
「しばしば人々は禁煙の効果を実感するまでずいぶん長い時間がかかると語ります。しかし、この場合、効果は非常に早く現れます」
この研究は The Lancet に発表されました。


2003/ 2/ 9  「新幹線に禁煙車両を」で出発、「嫌煙権運動」25周年 (朝日新聞ニュース速報)  

 「嫌煙権」の言葉を生み出し、健康や環境に及ぼすたばこの問題に取り組んできた市民団体「嫌煙権確立をめざす人びとの会」(東京都千代田区)の活動が、2月で25周年を迎えた。新幹線のひかりに禁煙車両を求めた署名運動から出発。公共の場での禁煙を訴えてきた。その歩みを振り返る会が15日、東京都内で開かれる。
 水俣病などの反公害運動や、日照権など生活環境への意識が高まりをみせた78年。同会は「日本で初のノン・スモーカー側からの市民運動」としてスタートした。会の共同代表でコピーライターの中田みどりさんが「嫌煙権」の言葉を提唱したという。
 25年のたばこ事情の変化を考えると「隔世の感がある」と、共同代表の渡辺文学さん(65)は振り返る。
 国鉄だった当時の新幹線の禁煙車両はこだまの自由席に1両あるだけ。駅ホームや構内も規制はなく、「灰皿代わりに空き缶が駅構内の柱にくくりつけられていた」(渡辺さん)状況だった。
 同会員は80年4月、憲法に保障された生存権をもとに、国、国鉄、専売公社を相手取り、禁煙車の新増設や慰謝料を求めた「嫌煙権訴訟」を東京地裁に起こした。
 請求は退けられたが、7年間の係争中に交通機関の「分煙」は大きく進んだ。現在はJRの新幹線、特急、急行車両の約7割、私鉄も半数以上は禁煙車両という。
 病院の待合室も「吸いたい放題」だったのが、今はほとんどが禁煙になった。学校内は和歌山県が02年4月、仙台市と宇都宮市が03年度中に、公立小中学校などで敷地内全面禁煙を実施。東京都千代田区は昨年10月、歩きたばこを禁止する条例を施行した。
 78年の成人喫煙者率は男性74.7%、女性16.2%。02年は男性49.1%、女性14%で、喫煙者は約380万人減っている。
 だが、たばこの販売総数は約180億本の増。この間、自販機が約3倍の62万6000台に増えたことで「未成年者の購入」(同会)が、販売本数を押し上げているという。
 今後も自販機の撤廃やたばこの広告規制に取り組んでいく考えだ。
 同会は15日午後4時から、東京都千代田区のプラザエフで「嫌煙権運動」誕生25周年記念集会を開く。活動に携わった人たちのリレートークやシンポジウムがある。無料。
 参加への問い合わせは同会(03・3222・6781)まで。


2003/ 2/ 6  <日本呼吸器学会>喫煙者は専門医として認めません (毎日新聞ニュース速報)  

 日本呼吸器学会(理事長、福地義之助・順天堂大教授)は、同学会認定の専門医に「禁煙」を義務づけ、喫煙者は専門医認定や更新を拒否する方針を固めた。3月13日から福岡市で開く総会で「禁煙宣言」し、学会則にも盛り込む。医学関係の学会が専門医のし好品を制限するのは初めてといい、論議を呼びそうだ。
 日本呼吸器学会の会員は約1万人(専門医は約3000人)。97年に医療従事者や患者、国民に禁煙を訴える「禁煙勧告」を出した。ところが、学会員の喫煙率は96年が21%で、徐々に低下したものの01年でも約15%に上る。このため、内部から「専門家として範を垂れる必要がある。示しがつかない」と声が上がり、昨年5月から「禁煙問題に関する小委員会」(委員長、永井厚志・東京女子医大教授)で議論を重ねてきた。
 個人のし好まで規制されることに抵抗は強く、「義務化ではなく、個人の良心に任せるべきだ」などと、激論が交わされた場面もあったというが、同9月の理事会で大筋合意にこぎつけた。理事20人のうち数人は喫煙者だったが、禁煙方針に反対者はおらず、現在はいずれもたばこをやめているという。
 同学会の認定専門医は、5年ごとに更新手続きがある。今後、喫煙者は更新を拒否され、「専門医」の看板をはく奪される。禁煙したかどうかは自己申告に基づくが、「うそを言っても、喫煙者の呼気は禁煙者に比べて一酸化炭素の濃度が高く、機器を使えば一発で見分けられる」と関係者は言う。
 同学会幹部は「医者自らやめることで、患者の苦労を理解し、患者を禁煙に導いてほしい」と話している。


2003/ 2/ 5  品川区も歩きたばこ禁止へ 首都圏駅周辺で禁煙拡大 (共同通信ニュース速報)  

 東京都品川区は五日、路上での歩きたばこや吸いがらの投げ捨てに罰則を適用して禁止する条例案を、二十六日から始まる区議会に提案すると発表した。都内では既に施行している千代田区、検討中の杉並区に続く動きで、成立すればJR秋葉原駅(千代田区)などに続き、五反田駅、大井町駅の周辺などでも歩きたばこは「ご法度」となりそうだ。
 条例案骨子では、原則として区内全域の道路、公園など公共の場所での歩行中の喫煙、吸い殻・空き缶の投げ捨てを禁止とする。特に五反田など区内の主要駅周辺地域を罰則の対象とし、悪質な違反者に過料を科す。民間人を含めた巡回指導員体制を実施し、見回りに当たる方針だ。
 成立した場合、四―九月を周知期間とし、十月から罰則を適用させたいとしている。
 千代田区の罰則付き路上禁煙地区はJRの有楽町、神田、秋葉原、御茶ノ水、水道橋、飯田橋、市ケ谷、四ツ谷の各駅周辺。東京都以外では、福岡市で同様の条例が昨年十二月に成立した。


2003/ 2/ 3  喫煙黙認の両親を書類送検 たばこ原因で自宅がぼや 石川県 (共同通信ニュース速報)  

 石川県警珠洲署は三日、たばこの火の不始末で自宅からぼやを出したとして、失火の疑いで、石川県珠洲市の無職少年(16)を書類送検。さらにこの少年が自宅でたばこを吸っていたことを黙認したとして、未成年者喫煙禁止法違反(親権者の不制止)の疑いで、運転手の父親(47)と母親(46)を書類送検した。
 石川県警によると、未成年者の喫煙の場合、親に子どものたばこをやめさせるよう指導するのがほとんどで、親を書類送検するのは全国的にも極めて異例という。珠洲署は「子どものたばこを親が黙認する風潮に警鐘を鳴らしたい」と話している。
 調べでは、少年は昨年十一月、たばこの不始末が原因で、自分の部屋からぼやを出した疑い。両親は昨年から少年が自宅で毎日のようにたばこを吸っていたにもかかわらず、黙認していた疑い。
 両親は「たばこをやめるように注意しても聞かない息子に『自宅なら吸ってもいい』と言った。火事まで出して申し訳ない」と容疑を認めているという。


2003/ 1/29  甲子園もスタンド内禁煙 12球団本拠地すべて禁煙 (共同通信ニュース速報)  

 プロ野球阪神の本拠地で、高校野球の春夏の全国大会の舞台でもある甲子園球場(兵庫県西宮市)が、今季からスタンド内禁煙となる。二十九日、同球場を管理所有する阪神電鉄が発表した。
 プロ野球12球団の本拠地のうち、火災予防条例などで禁煙になっているドーム5球場以外の屋外球場は、甲子園を除いて昨季までに禁煙となっており、これで全11球場が禁煙となった。
 喫煙に対する社会環境の変化や、日本高校野球連盟とファンからの要望に対応したもので、三月九日のオープン戦初戦(阪神―西武)から実施され、同二十二日開幕の第75回選抜高校野球大会にも適用される。ただし、全面禁煙ではなく「分煙」として、スタンド以外の各通路に喫煙所と観戦可能なモニターテレビが設置される。
 阪神の野崎勝義球団社長は「子どもさんの受動喫煙の問題もあり、時代の流れでしょう。わたしとしてはうれしい発表」と語った。
 野球以外ではサッカー、Jリーグのホームスタジアムのほとんどが観客席禁煙で、昨夏のワールドカップ(W杯)日韓大会も客席での喫煙は禁止されていた。


2003/ 1/25  公共施設を全面禁煙に 4月から加西市 (神戸新聞記事)  

 加西市(柏原正之市長)は四月一日から、市庁舎をはじめ公用車、公民館、小中学校などすべての公共施設から灰皿を撤去し、全面禁煙にする。兵庫県内では、相生市でも四月から市庁舎内を禁煙とするが、公民館や学校などは範囲外といい、厚生労働省の生活習慣病対策室も「すべての公共施設での全面禁煙は聞いたことがない。全国でも初めてではないか」としている。
 同市は三年前から事務フロアを禁煙とし、廊下やトイレなどの一角で喫煙する“分煙”を行ってきた。しかし、他人のたばこの煙を吸い込む受動喫煙被害の防止を盛り込んでいる国の「健康増進法」の五月施行をにらみ、全面禁煙に踏み切ることにした。
 同市の公共施設では三月末までに、たばこ自販機や灰皿を撤去。職員へは庁舎内禁煙を促す“禁煙令通達”を出し、市民にも張り紙や広報などで協力を求める。
 市総務課は「身体に及ぼす悪影響や世の中の流れを考慮して決めた。『健康都市かさい』実現へ、治療より予防に重点を置いた健康づくり事業に取り組む」としている。
 ただ、公共施設での全面禁煙については市議会などから再考を求める声もなくはなく、杉本信彦議長は「愛煙家の市民もおり、喫煙コーナーを設けるなどの対応が必要ではないか。近く議員運営委員会で協議したい」と話している。


2003/ 1/25  「政府がたばこ規制条約骨抜き」…医師会が抗議 (読売新聞ニュース速報)  

 日本医師会(坪井栄孝会長)は25日、たばこの健康被害を防ぐため世界保健機関(WHO)が策定中の「たばこ規制枠組み条約」について、日本政府の反対で骨抜きにされているとして、規制に積極的姿勢で取り組むよう政府に異例の申し入れをすることを決めた。
 同時に「禁煙推進に関する日本医師会宣言」案をまとめた。
 肺がんや心臓病など、たばこが原因の病気による死者は、世界で年500万人に達するとされる。条約は、こうした健康被害を防ぐため、世界各国が協力するのが目的。たばこ広告の規制や警告表示などを巡り、来月17日からスイス・ジュネーブで最終の多国間交渉が行われる。
 ところが、日本はこれまでの交渉で、たばこの需要を減らすという条約の目的に対し、WHO加盟192か国の中で唯一、態度を留保。今月示された条約の最終草案でも、「マイルド」「ライト」などのたばこの名称の使用禁止や、自動販売機の規制が、日本などの反対で大幅に後退した。
 日本は、喫煙率が成人男性で49%と、米国の20%台などに比べ先進国の中で際立って高く、自動販売機も野放しの“たばこ天国”。たばこ税の減収への懸念や、たばこ業界の反対を背景に、米国、ドイツと並び規制に消極的な国として、国際的な非難を受けている。
 この事態に、日医の坪井会長は「目先の経済優先の狭い視野で、国際的良識の場で負の暴挙をしている野蛮国」と、日本政府の姿勢を強く批判。条約の最終交渉を前に、緊急に申し入れることにした。
 一方、医師の喫煙率も日本は27%と高い。日医は自ら禁煙への姿勢を示すため「医師、医療関係者の禁煙を推進する」「非喫煙者をあらゆる受動喫煙から守る」など7項目の宣言案をまとめ、3月の代議員会に諮る。
 条約交渉の窓口である外務省は「各方面のご意見を関係省庁が十分に聞き、最終交渉へ向け、政府としてまとまった態度で臨みたい」としている。


2003/ 1/23  愛煙家の病気予防講演なんて 禁煙団体抗議でシンポ中止 (朝日新聞ニュース速報)  

 日本公衆衛生協会が2月1日に東京都内で開催予定だった「生活習慣病予防週間シンポジウム」が急きょ中止されることになった。講演者の作曲家三枝成彰さんが愛煙家であることから、禁煙団体が同協会などに交代を申し入れていた。
 三枝さんは「90歳まで現役宣言!」のテーマで講演することになっていた。しかし、「たばこ問題情報センター」(渡辺文学代表)が21日、三枝さんが禁煙・嫌煙運動に批判的な発言をしていることなどを理由に「講師にふさわしくない」として、同協会と後援する厚生労働省に交代させるよう求めた。同協会は22日夜中止を決め、23日ホームページで告知した。
 同協会は「諸般の事情で事業効果が達成できないと判断した。当日までに時間がなく、内容変更より、中止の方が混乱しないと考えた」と、申し入れとの関係を暗に認めている。
 渡辺代表は「生活習慣病で最も重視しなければならないのは喫煙習慣をなくすことだと世界保健機関も指摘している。中止するとは思わなかったが、一つの英断かなと思う」と話している。
 <三枝さんの話> 生き方の話をするつもりだったのに、たばこで降ろされるとは思わなかった。たばこが体に悪いのは確かだし、ヘビースモーカーなので怒る気はない。ただ、個人の好き嫌いを縛るのはよくない。ビートルズの写真からたばこが消されたとの報道があったが、声高に言えば通るというのはファッショに通じるようで怖い。たばこをやめるつもりはない。たばこをやめ長く生きていい曲が書けないならば、短く生きてもいい曲を書きたい。でも、できれば長生きしたい、そう思っている。


2003/ 1/23  <雑記帳>歩きたばこやポイ捨て防止に失業者活用 東京・中央区 (毎日新聞ニュース速報)  

 ◇東京都中央区は今月20日から、歩きたばこやポイ捨て防止の啓発に失業者をあて、マナー向上と雇用対策を図る「一石二鳥作戦」をスタートさせた。
 ◇日給1万〜1万5000円で雇った区内の失業者が、3月末までの計15日間、「清掃班」と「キャンペーン班」に分かれて活動。経費は約900万円で済む。
 ◇お隣の千代田区は、総額1億円以上をかけて過料付きの路上禁煙条例を実施中。「モラルの問題に億単位の金を投じても、喫煙者に自覚がなければ」と担当者。軍配はどちらに?


2003/ 1/22  <ビートルズ>禁煙派圧力でアビイ・ロードの写真を変造 英 (毎日新聞ニュース速報)  

 「あっ、指のたばこがない」――。ビートルズのアルバム「アビイ・ロード」のジャケットになった、メンバー4人がロンドンの横断歩道を渡る場面を撮影した有名な写真が、禁煙運動団体の圧力で変造されたと英紙サンが21日報じた。
 解散前年の69年に撮影され、ポスターとしてもベストセラーの一つ。現場アビイ・ロードの歩道は観光名所になっている。前から3人目、はだしで歩くポール・マッカートニーの右手をよく見ると、吸いかけのたばこが人さし指と中指の間に挟まっている。
 同紙によると「ファンがまねると良くない」と禁煙派が圧力。米国のポスター会社がコンピューター処理して、たばこをなくしたものを売り始めた。CDジャケットも次の版はたばこ抜きになる可能性があるという。
 同紙によると、喫煙派は「悲しい話だ。次はシャーロック・ホームズやウィンストン・チャーチル(の写真)からパイプや葉巻を外すのか。歴史の書き換えをすべきでない」と話している。(ロンドン共同)


2003/ 1/21  <喫煙>医療費1人40万円の損失 米大学が調査 (毎日新聞ニュース速報)  

【ロサンゼルス佐藤由紀】喫煙者1人あたりが医療費に与える損失は年間3331ドル(約40万円)――。カルフォルニア大学サンフランシスコ校保健研究所は20日、こんな調査結果を明らかにした。カリフォルニア州全体での年間総額は160億ドルで、全州民がそれぞれ約500ドルを支出する計算になるという。
 同州は全米で最も禁煙が進んだ州のひとつだが、同研究所のウエンディ・マックス博士は「喫煙の制限には成功したが、医療コストは増加傾向にある」と指摘した。同研究所が算出した損失コストには、救急車や医療費、看護料などの州政府の医療費負担分のほか、家庭での看護費用、死亡や病気治療に伴う生産性の低下分も含んでいるという。同研究所は、こうした損失を減らし、州が抱える深刻な財源不足を補うためには、たばこ税の大幅値上げをすべきだと提唱した。
 同州では男性の22.1%、女性の15.3%が喫煙し、日本の半分から3分の1。レストランや店舗など公共の場はもちろん、一般の事務所ビルも完全禁煙が徹底している。


2003/ 1/19  <たばこ焼死>視覚障害者の着衣に引火か 横浜市 (毎日新聞ニュース速報)  

 19日午前9時15分ごろ、横浜市旭区市沢町、アパート「コーポAK2」(木造モルタル2階建て)の201号室バルコニーで、この部屋に住む無職、吉田昭夫さん(55)が火だるまになっているのを通行人が発見し、119番した。通行人が室内に入り消火器で消火したが、吉田さんは約3メートル下の地面に転落。病院に運ばれたが、全身の9割以上をやけどしており、間もなく死亡した。
 旭署などの調べでは、吉田さんは視力がほとんどなく1人暮らし。暖房器具やコンロを使った形跡がなく、室内でたばこの吸い殻が見つかった。吸っていたたばこの火が何らかの原因で衣服につき、全身に火が回ったため慌ててバルコニーに出たのではないかとみている。


2003/ 1/17  <JT>禁煙の東京千代田区に喫煙所設置 嫌煙者から反発も (毎日新聞ニュース速報)  

 日本たばこ産業(JT)は17日、「生活環境条例」で路上喫煙を禁止した東京都千代田区に独自の喫煙所を20日から設置すると発表した。同社が実施する対抗策に対して、嫌煙者からは「そこまでして吸わせたいか」と反発も出そうだ。しかし、禁煙推進団体の中からも「たばこ会社が喫煙所を作るのはやむをえない」との冷静な受け止め方もあり、今後、論議を呼びそうだ。
 JTが設ける喫煙所は、約20人が同時に利用可能。トレーラーを改造したもので、紫煙と車に喫煙者をひっかけて「スモーカー」と名づけた。同区大手町1の東京サンケイビル前の広場に20日午後2時にオープン。平日の午前8時〜午後9時まで利用可能。喫煙所では自動販売機で清涼飲料を売るほか、午後3時以降は缶ビールを対面販売する。利用状況を見ながら第2、第3の喫煙所を区内に投入する方針だ。
 同条例は区内全域の路上喫煙を禁止し、JR有楽町や神田駅周辺などの8地域で路上喫煙に最高2万円(当面は2000円)の過料を科すことを定めている。今回の喫煙所の設置場所は過料対象地域ではない。
 千代田区の鈴木秀人・生活環境担当課長は喫煙所設置について「JTさんが自らの意思で喫煙者と非喫煙者の共存を図る試みで、我々がとやかく言うことではない」としたうえで、「ポイ捨てだけでなく、歩行喫煙をやめようというPR活動もやっていただけるとありがたい」と注文した。
 月刊「禁煙ジャーナル」などを発行するNGO(非政府組織)「たばこ問題情報センター」の渡辺文学代表は「JTに“公衆煙所”の設置を求めてきた従来の我々の提案が実現したもので賛成する」と評価する。一方、自らは喫煙はしないものの“禁煙ファシズム”を批判するジャーナリストの斎藤貴男さんは「喫煙所設置はJTの自衛手段として仕方ないが、その前提となった条例は個人の生き方に行政が介入するもので、問題がある」と話している。


2003/ 1/17  機内迷惑行為に罰金 喫煙や携帯、セクハラも 航空法改正へ (共同通信ニュース速報)  

 国土交通省は十七日までに、旅客機内での喫煙や、禁止されている携帯電話など電子機器の使用といった迷惑行為をやめない乗客に、五十万円以下の罰金を科すよう航空法を改正する方針を決めた。
客室乗務員へのセクハラ(性的嫌がらせ)も含めることを検討しており、改正法案を二十日から開かれる通常国会に提出する予定。
 機内での迷惑行為は近年、急増している。現行の航空法は安全運航に支障のある場合には問題を起こした乗客を座席に拘束することや、最寄りの空港に着陸して降ろすことを認めているが、乗客への罰則規定はない。喫煙や電子機器使用に対する刑法などの適用も困難で、航空会社は対応に苦慮していた。
 罰金の対象となるのは旅客機の安全運航を阻害する行為で、喫煙や電子機器使用のほか、ベルト着用指示に従わない、手荷物の通路への放置などを想定。客室乗務員へのセクハラも「保安要員である客室乗務員の任務遂行を妨げる」として対象とすることを検討している。
 安全運航を妨げる行為をした乗客に、機長がこれらの行為をやめるよう命令することができる。命令に反して迷惑行為を続ける乗客に罰金を科すとしている。
 国内航空会社で組織する定期航空協会によると、日航、全日空、日本エアシステムの三社で発生した機内迷惑行為は、一九九七年は七十六件だったが、二○○○年は五百七十件、○一年は四百十六件に達した。


2003/ 1/15  タバコ規制枠組み条約(WHO) (切明義孝氏訳)  

http://www.who.int/mediacentre/releases/pr2/en/print.html
WHO presents draft text ahead of final round of Negotiations on the Tobacco Convention
15 January 2003 | GENEVA

タバコ規制枠組み条約(FCTC)の政府間交渉(INB)議長を務めるブラジル人大使 Luis Felipe de Seixas Correaさんは、今日、世界条約の議長案を公開しました。タバコ規制枠組み条約が完成すれば、癌、心疾患、肺気腫と戦い、そして世界的な健康増進を実現する重要なツールになるでしょう。議長の改訂案は2月17〜28日に開催される最終セッション、第6回政府間交渉(INB6)の基礎になるでしょう。この11日間、WHOに加盟する192ヶ国の代表は5月にWHOが採択する最終案について交渉を行います。
「我々は非常に素晴らしい前進を成し遂げました。私は、次の会議では条約を採択することができるよう、我々はこの過程を更に前進させると確信しています」と、 Luis Felipe de Seixas Correa大使は語りました。「我々は地域や国境を越えて、人類全体の利益のために働かねばなりません。今日、公表したこの議長案は、これまでの交渉を通じて提出された様々な意見を考慮したものです。しかし、この議長案の第一の目的は公衆衛生の向上のために、効果的なツールである条約を確実に完成させることです」
昨年の10月、第5回政府間交渉が行われました。そこでは、タバコ広告、宣伝、スポンサー活動、タバコの密輸、タバコ税、国際協力、そして財源などの重要な問題に関する合意に向けての大きな前進を獲得しました。新しい議長案には、国内外におけるタバコ規制を効果的に強化することを約束する世界条約に、可能な限り多くの国々が合意できるよう、10月から各国と議論してきた内容が描かれています。
FCTCはWHOの下で締結される初めての国際健康条約です。
この条約は世界的に広がったタバコ疫病を減少させる世界戦略の重要な要素です。
昨年、タバコは490万人もの人々を殺しました。この2年間だけでもタバコによる死亡者数は急上昇しています。発展途上国におけるタバコによる真の死亡者数も明らかになりつつあります。
もし、タバコ対策を講じなければ、2020年までに、タバコによる死亡者数は年間1000万人に達するでしょう。タバコによる犠牲者の70%以上は発展途上国で生じるでしょう。
タバコ規制条約の締結に向けたこの作業は既に、様々な国々のタバコ規制を強化しました。厚生省に加え、財務省、貿易と外交を担当する省などが、本当に、縦割り行政の弊害を越え、健康問題を解決するために従事してきました。
WHO長官の Dr Gro Harlem Brundtlandさんは語りました。「この新しい議長案は、我々の条約締結のための強固な基礎になります。採択されれば、人々の健康を保護することになるでしょう」「全ての人々に受け入れられ、かつ、強力な力を持つ条約を締結することが出来ると、私は確信しています」
タバコ規制枠組み条約は、世界的な規模でタバコを規制するシステムを作ることを目的としており、この条約が締結されれば、この条約自身がタバコ疫病を世界的に抑制するのみならず、それぞれの国におけるタバコ対策さえも刺激、制定、補足することになるでしょう。
そして、世界健康会議で採択されれば、特定の問題に、より多くの詳細な規制を加える議論が始まるでしょう。
The text will be available on line at this address: www.who.int/tobacco


2003/ 1/15  広告規制など大幅後退 日米独の主張入れる たばこ条約最新案 (共同通信ニュース速報)  

【ジュネーブ15日共同=藤井靖】世界保健機関(WHO)は十五日、たばこの健康被害削減を目指した「たばこ規制枠組み条約」の最新案を公表した。たばこ大手を抱える日本や米国、ドイツの意向を受け入れ、当初案に比べ広告規制や商品の表示規制などの重要項目で大幅に後退した内容となった。
 条約案がこのまま通れば、日本はたばこ消費削減に向けた一般的な義務は負うが、「マイルドセブン」の表記変更や、自動販売機の削減・撤去といった具体的な義務は課せられないことになる。
 WHO加盟国は来月十七―二十八日に開かれる第六回政府間交渉で文面に最終合意し、今年五月のWHO総会での採択を目指す。しかし、ノルウェーや反たばこ非政府組織(NGO)などの規制推進派が最新案を「骨抜き」と批判することは必至で、合意達成は予断を許さない。
 最新案は、健康に被害を及ぼさないかのような誤解を与える商品名の規制対象について「マイルド」や「ライト」などの表記を「含めることができる」との表現にとどめた。マイルドセブンを主力商品とする日本たばこ産業(JT)を抱える日本の主張に配慮した結果とみられる。
 また、たばこ広告については全面禁止の可能性に言及しつつ、禁止措置に踏み切るかどうかは各国の憲法上の制約や、禁止が適切かどうかの判断に委ねるとし、強制力を持たせる表現は避けた。
 日本が神経をとがらせていた自動販売機の禁止に関しては、未成年が自販機で購入することのないよう「適切な措置を講じる」と記載。実際の自販機撤去や禁止については明言せず、「適切な措置」についての判断を各国に委ねた。


2003/ 1/15  日米3社が敗訴=たばこ密輸訴訟差し止めで−欧州裁 (時事通信ニュース速報)  

 【ブリュッセル15日時事】欧州連合(EU)の欧州委員会が米たばこ大手、フィリップ・モリスやRJレイノルズ、日本たばこ産業(JT)を米国の裁判所に提訴したのは不当だとして、3社が訴訟の差し止めを求めていた問題で、欧州司法裁判所の下級審に相当する第一審裁判所は15日、3社の請求を退ける判決を言い渡した。
 欧州委は、3社がたばこ密輸に関与して税収が減ったなどとして、2000年から02年にかけて、3件の損害賠償請求を米ニューヨーク連邦地裁に求めた。しかし、いずれも訴えは認められず、欧州委は控訴している。
 3社は欧州委が米国の裁判所に提訴する権利はないと主張、欧州委による提訴の決定を無効とするよう求めた。
 判決は、訴訟を続ける欧州委の言い分を認め、「米国の裁判所が訴訟の結果を判断できる」と指摘した。


2003/ 1/15  放火が出火原因トップ 昨年1―9月の火災 総務省消防庁 (共同通信ニュース速報)  

 総務省消防庁は十五日、二○○二年一―九月に発生した火災の概要を発表した。出火件数、死者数とも前年同期に比べてわずかに減少したが、一九九七年以降、年間の出火原因1位の「放火」が同時期でもトップとなったほか、高齢者の死亡が目立った。
 期間中の火災は四万八千八百七十四件で、前年同期比0・8%減。火災種別でみると、車両火災が8・6%減少したのに対し、林野火災が9・3%増えた。
 死者は千六百二十一人で、1・5%減った。年齢別では、六十五歳以上が全体の36・3%を占めた。住宅火災での逃げ遅れが多かったという。
 出火原因は「放火」が五千八百六十八件で全体の12・0%を占め、次いで「たばこ」の10・8%、「放火の疑い」9・6%の順だった。
 「放火」「放火の疑い」による火災が多かった都道府県は、東京都の千七百九十八件をトップに、大阪府千十六件、愛知県九百二十一件などだった。


2003/ 1/13  ’03発想転換―はたちになった、禁煙だ (朝日新聞ニュース速報)  

 成人の日を迎えた皆さん、おめでとう。
 平均寿命が50歳のころと、80歳に延びた現代では、20歳の成熟度が違うという説があります。体の成熟は早まったけれど、精神的な成長は遅くなっているというのです。思い当たりますか?
 それでも、節目は節目です。
 20歳になれば選挙権があります。酒が飲めます。たばこも吸えます。
 法律上の話です。すでに酒やたばこの味を知っている人は少なくないでしょう。
 でも、だからといって法律を守らないでいいと思うのは勘違いです。法に違反した大人は罰せられます。「法律を知らなかった」という言い分は通らないのです。
 法に触れさえしなければ何をしてもいいと考えるのも、いささか子どもっぽい。
 自分の心とからだを大切にし、周りの人のことも自分と同じように思いやる。ここを基本に、やって良いこと悪いことを自分で判断できるようになる。それが、たぶん、大人になるということなのでしょう。
 ただ、判断はできても実行が伴わない大人もたくさんいます。
 「論語」で孔子がいっています。自分の望み通りに行動しても社会の規範を犯さなくなったのは70歳のときだ、と。その境地に達するまでは、欲望をみずから律して生きていくしかありません。
 例えば、たばこです。
 たばこは心臓病やがんなどを引き起こします。いま吸っている、あるいはこれから吸いたいあなたは、自分は病気になっても構わないと思っているかもしれません。
 しかし、喫煙はそばにいる人の健康も害します。自分の喫煙が原因で病死する人は年間約10万人ですが、ほかの人が吸うたばこが原因で肺がん死する人も年間千人を超えるという研究があります。
 日本の医療は全員がお金を出し合う保険で運用されています。喫煙によって余計にかかる医療費が年1兆円を超すとの試算もあります。たばこによる病気は、吸わない人も含めた皆の財布の問題なのです。
 喫煙者にとって、たばこはそれなりに効用のあるものでしょう。でも、社会的な損失に目をつぶるのは甘えです。
 皆さんはインターネットがお手の物ですね。世界保健機関(WHO)の「たばこ地図」を開くと、男性の喫煙率は東アジアが際だって高いことが一目でわかります。
 バブルが崩壊したのは、あなたたちが小学校に入って間もなくでした。経済の混迷はいまも止まらず、デフレと就職難が皆さんを取りまいています。
 でも、厳しい時だからこそ、自分と社会のかかわりを真剣に考えざるをえないと肌身で感じている20歳もいるはずです。
 自立した個人が支え合う、自由で公正で温かい社会をつくるにはどうすればいいのか。出発点のひとつが、たばこは吸わない、ではないでしょうか。


2003/ 1/12  <化学物質過敏症>成人患者推計70万人 シックハウス対策 (毎日新聞ニュース速報)  

 国立公衆衛生院(現・国立保健医療科学院)が、シックハウス症候群の重症例である化学物質過敏症(CS)について、米国の一般的な判断基準となっている問診票を使って日本国内の成人に調査した結果、0.74%がCSの可能性が高いことが分かった。日本の一般市民を対象としたCSの広範な調査は初めて。調査を担当した元国立公衆衛生院労働衛生学部長の内山巌雄・京都大大学院教授(環境保健学)は「CS患者の疑いのある人が、成人だけで全国に約70万人は存在すると推計され、対策が急がれる」と話している。 
 調査結果は、シックハウス症候群をテーマに11日まで東京都港区で開催された国際会議で発表された。
 CSは建材や農薬などに含まれる化学物質が原因で起こるとされる。いったん発症すると、極めて微量の化学物質を浴びただけで体調が悪化するため、通勤や通学などの外出が困難になる。
 調査の問診票は、湾岸戦争(91年)帰還兵士の調査など米国で広く使われており、国際的に信頼度が高い。「殺虫剤、除草剤にどの程度反応するか」「ペンキ、シンナーにどの程度反応するか」など計30の質問があり、回答を集計して一定以上の点数がある場合、CSの可能性が高いと判定される。
 国立公衆衛生院の調査は00年7月、無作為で選んだ全国の成人4000人を対象に面接方式で実施し、2851人(71.3%)から回答があった。その結果、CSの可能性の高い人は21人(回答者の0.74%)だった。 【大島秀利】
 柳沢幸雄・東京大大学院教授(室内環境学)の話 未成年まで考慮すると、100万人近くがCSである可能性を示す調査結果だ。自覚症状がなかったり、誤った診断をされているCS患者が多数潜在していると思われる。
 ■ことば
 シックハウス症候群 建材などに含まれるホルムアルデヒドなどの化学物質を浴びて目、鼻、のどなどに不調が出る病気。重症になると化学物質過敏症(CS)と呼ばれ、香水、ワックス、たばこの煙、インキ、消臭剤などごく微量の化学物質でも体調を崩す場合がある。


2003/ 1/ 9  杉並区も歩きたばこ禁止へ 罰則付き条例を検討 (共同通信ニュース速報)  

 東京都杉並区の山田宏区長は九日、記者団と懇談し、指定された地域での歩きたばこを禁止し違反者に罰則を科す条例の制定に向けて検討を進めていることを明らかにした。「刑事罰を含めた罰則を検討している」と話しており、二月議会に提案を目指す。
 罰則付きの歩きたばこ禁止条例は、東京都千代田区が昨年十月に施行している。千代田区の条例施行後、区民から同種の条例制定を求める要望が強い。また同年夏に区内で開催された祭りで、児童が歩きたばこの火でけがをする事故もあったという。


2003/ 1/ 9  <未成年飲酒>黙認した母親を書類送検へ 沖縄・那覇署 (毎日新聞ニュース速報)  

 高校2年の男子生徒(当時16歳)が酒に酔って転落死した事故で、那覇署は転落した家の40歳代の母親が飲酒を黙認していたとして県青少年保護育成条例(青少年の有害行為のための場所提供禁止)違反の疑いで、今月末にも書類送検する方針を固めた。未成年と知りながら酒を販売した飲食店などが未成年者飲酒禁止法や風俗営業適正化法違反で摘発されるケースは多いが、同条例違反での立件は異例。
 調べでは、昨年10月25日午後8時ごろから、沖縄県久米島町仲泊のアパート3階の家で、母親の息子が転落死した男子生徒ら同級生4人を自宅に招いて食事した。全員が飲酒し、缶ビール約20本(計7リットル)を飲んだという。26日午前2時半ごろ、男子生徒の姿が見えないため探したところ、部屋の約5メートル下の1階通路で頭から血を流して倒れているのが見つかった。生徒は病院に運ばれたが、頭を強く打っていて、死亡が確認された。酒に酔って誤って転落したとみられている。
 那覇署は、飲酒した息子と同級生計4人を補導。母親についても、自宅で息子と友人たちの飲酒を見ていながら止めなかった疑いが強いとみて事情聴取した。母親は手作りのおでんを振る舞い、「外で飲むよりも家で飲みなさい」と声をかけていたという。
 飲酒の黙認が男子生徒の死亡の一因で、「未成年の飲酒に寛容な沖縄の風土に警鐘を鳴らす必要もある」(捜査幹部)と判断し、同条例違反容疑で書類送検する方針を固めた。同条例は18条で、青少年が飲酒や喫煙などの行為を行うことを知って場所を提供することを禁止する。調べに対し、母親は深く反省しているという。
 この事故を重くみた町教委などは昨年12月、青少年健全育成町民大会を開いた。人口の5分の1の2000人が参加し、未成年の飲酒や喫煙をやめる取り組みを進めることを確認し、注意を呼び掛けるビラを全戸配布した。


2003/ 1/ 7  たばこの値段10年で2倍、フランスの喫煙者11%減 (読売新聞ニュース速報)  

 喫煙者に甘いといわれてきたフランスで6日からたばこが1箱当たり8―17%値上げされた。一番の売れ筋で1箱3・9ユーロ(約480円)にまで値上がりしている。
 仏パリジャン紙(6日付)によると、値段は10年前と比べ、2倍以上。その間、喫煙者は11%減少、特に男性喫煙者の減少が著しい。毎月2万人が「禁煙したい」と医師らに相談しているといわれ、仏政府は「国民の健康を守るためにも、値上げの効果は大きい」と評価している。
 もっとも国庫に入るたばこ税は仏版国民健康保険に拠出されており、税収減は、拠出金財源に影響するため、どこまで値上げすべきか見極めが難しいところだ。(パリ支局)


2003/ 1/ 7  飲食店などの分煙設備を低利融資の対象に 厚労省  (朝日新聞ニュース速報)  

 他人のたばこの煙を吸ってしまう「受動喫煙」による健康被害への対策を進めるため、厚生労働省は03年度から、中小規模の飲食店などの分煙設備を国民生活金融公庫の低利融資の対象にする方針を決めた。今年5月、飲食店など多数の人が利用する施設での受動喫煙防止を定めた健康増進法が施行されることから、分煙を資金面から後押しする。
 分煙は喫煙コーナーに空気清浄機を置いただけでは不十分とされ、厚生労働省は壁などで仕切り、煙を屋外へ排気することを勧めている。しかし、飲食店などでは分煙していなかったり、喫煙・禁煙の席を分ける程度にとどまったりしているのが一般的だ。
 このため一定規模以下の飲食店や理美容店、旅館、映画館などが、仕切り壁やエアカーテン、排気設備を設置するのに必要な費用を、厚労省所管の「生活衛生資金」(03年度貸し付け計画額2300億円)の特例貸し付けの対象にすることにした。3千万円が限度で返済期間は15年以内。同資金の中でも最も低い利率(現在は13年まで年0.95%、以降は年1.15%)が適用される。
 受動喫煙によって肺がんや心臓病にかかる率が上がると指摘されており、年間1千〜2千人が死亡しているとの推計もある。同省研究班は受動喫煙による社会的コスト増は医療費で年間146億円、労働力損失で1144億円と試算している。


2003/ 1/ 7  路上喫煙禁止へ 都内自治体で条例の検討広がる  (NHKニュース速報)  

 東京・千代田区が去年路上でタバコを吸うと罰則を科す条例を全国で初めて制定したことを受けて、東京都内の自治体では歩きタバコの対策強化を検討する動きが広がっています。
 東京・千代田区は子どもや他の歩行者の迷惑になるとして、主な駅の周辺などの道路でタバコを吸うことを禁止し、違反した場合罰金の支払いを求める条例を去年十月全国で初めて施行しました。
 これを受けて東京都内では、同じような条例案を検討する動きが広がっています。
 このうち小金井市は罰則を盛り込むことも含めた歩行喫煙禁止の条例案を今年三月の市議会に提出することを検討している他、国分寺市も平成十五年度を目標に策定する環境基本計画と併せて新たな条例を定めることを検討しています。
 また、目黒区も平成十四年度中をメドに歩きタバコやポイ捨てをしないよう努力義務を定めた条例を制定する予定です。
 さらに足立区や町田市でも今のポイ捨て禁止条例を改正して歩行喫煙対策の強化を検討する動きが出ています。
 一方、豊島区や小平市、東村山市、武蔵村山市などは条例を制定するとパトロールやピーアールに多額の費用がかかることや、都心ほど混雑していないことなどを理由にモラルに訴える啓蒙活動を続けていくとしています。


2003/ 1/ 7  たばこ規制 条約交渉大詰めへ  (NHKニュース速報)  

 たばこを国際的に規制しようとWHO=世界保健機関が中心になって交渉を進めている「たばこ規制枠組み条約」は、今年五月の条約の締結を目指して来月(二月)から大詰めの交渉に入ります。
 WHOはたばこによる健康被害で世界で年間四百九十万人が命を落としているとして、たばこを国際的に規制する「たばこ規制枠組み条約」の締結を目指し、これまでに五回の交渉を行ってきました。
 この中では、主にたばこの広告や自動販売機の設置、それにマイルド、ライトといった商品名に対する規制や、たばこ税の税率の設定基準などをめぐって厳しい規制を求める大多数の国と緩やかな規制にとどめるべきだとする日本やアメリカなどの間で議論が平行線となっています。
 特に日本はマイルド、ライトという商品名の規制に反対しているほか、未成年の喫煙につながるとされる自動販売機の禁止についても一貫して反対する立場を取り交渉の進展を抑える形になっています。
 WHOは今年五月の総会での条約の締結を目指して来月から大詰めの交渉を始めますが、国際的なたばこ規制の流れに対して日本がどのような立場で臨むかが焦点の一つになっています。


2003/ 1/ 7  飲酒、喫煙率が全国の2倍 札幌市が妊婦の習慣調査  (共同通信ニュース速報)  

 札幌市が実施した「母子保健に関する市民意識調査」で、市内在住の妊婦の飲酒率や喫煙率が、全国平均の約二倍に達していることが分かった。
 妊娠中の飲酒は胎児の発育などに悪影響を及ぼし、喫煙は流産や出産時の体重が二五○○グラム未満の「低出生体重児」の原因になるとされており、調査担当者も「ショッキングな数字だ」と驚いている。
 それによると、札幌市の妊婦の飲酒率は40・5%、喫煙率は18・7%。旧厚生省が二○○○年九月に調査した全国平均は飲酒率が18・1%、喫煙率は10・0%で、それぞれ札幌市が全国の約二倍に達していた。
 また、札幌市保健所が二○○○年に取りまとめた統計では、反復すると不妊の危険性が高まるとされる人工妊娠中絶率も、十歳代(2・40%)と二十歳代前半(4・16%)で全国平均の約二倍になっている。
 同市の舘睦子保健指導担当部長は「札幌市の若い女性には、母になることや命を宿すことへの意識、責任感が希薄なのかもしれない」と分析している。
 市民意識調査は、乳幼児を育てている保護者から無作為抽出した八千人を対象に、妊娠中の飲酒・喫煙状況を問う形で実施し、四千六百八十五人の回答を集計した。


2003/ 1/ 7  <たばこ対策>厚労省が省内の自販機撤去へ 近く同居省庁と  (毎日新聞ニュース速報)  

 たばこ対策はまず身内から?――。喫煙による健康被害問題に取り組む厚生労働省が、省内にあるたばこの自動販売機を撤去する検討を始めた。厚労省がある中央合同庁舎5号館(東京都千代田区)は、内閣府と環境省も入居しているため、近く3省庁の担当者が協議する。「たばこ自販機を完全に撤去した省庁はまだないはず」(厚労省)で、実現すれば、初めての試みとなる。
 きっかけは昨年10月に開かれた同省厚生科学審議会の部会。今後のたばこ対策について話し合った際、一部委員から「厚労省内にあるたばこ自販機を、まず撤去すべきでは」との意見が出た。所轄の同省健康局からこの意見を伝えられた福利厚生室は近く内閣府、環境省の担当者と協議する方針という。
 厚労省は01年1月の省庁再編時から指定場所以外での喫煙を禁じているが、職員の中には愛煙家も少なくないため、庁舎の地下1階、1階、2階、19階、26階に、計8台のたばこ自販機が設置されている。
 喫煙による医療費の増加額は1兆円を超えるとの試算があるほか、厚生科学審議会の部会も昨年末、国民の喫煙率を引き下げるべきだとの意見書を坂口力厚労相に提出し、省内の愛煙家の肩身は狭くなるばかり。厚労省福利厚生室は「厚労省だけで決められる問題ではないので、内閣府、環境省と協議のうえ、意見が一致した点から対応していく形になると思う」と話している。
 これに対し、喫煙による健康被害を訴えている「たばこ問題情報センター」の渡辺文学代表は「中央合同庁舎5号館は厚労省だけでなく、環境省も入っている建物なのだから、自販機は即刻撤去し、全館完全禁煙にすべきだ。検討は遅きに失している」と話している。 【須山勉】


2003/ 1/ 6  ニコチンに発癌性がある (切明義孝氏訳)  

http://www.sciam.com/article.cfm?chanID=sa003&articleID=00051D10-FAA2-1E15-8B3B809EC588EEDF
January 06, 2003

Nicotine, Too, May Promote Cancer

新しい年が始まると共に、どれほど多くの人々が禁煙を決意したことでしょう。しかし、ニコチンの高い依存性により禁煙は困難です。さて、Journal of Clinical Investigation 最新号に発表された新しい研究は喫煙者に禁煙を決意させる刺激になります。
タバコに含まれるタールは長い間、発癌性物質であると考えられて来ました。しかし、新しい発見は、ニコチンとニコチンの代謝産物にも癌の発育と進行を促す作用があるようです。
National Cancer Institute のPhillip Dennisさんらは人間の正常な肺細胞を、タバコから抽出したニコチンとニコチンの代謝産物であるNKKに曝露し影響を調べました。
研究チームは、いわゆるAkt molecular pathway と呼ばれるものが活性化されることを発見しました。このpathwayは生体に備わっている癌などの腫瘍をアポトーシス(細胞を殺す)させる働きに対峙するもので癌の成長と進行を促します。
研究者は、ニコチンの代謝産物であるNKKを投与したマウスの肺でも Akt pathways が活性化され、喫煙者でも同様の反応が起こることを確認しました。
研究者は、ニコチンは現在のところ発癌物質に指定されていませんが、これらの発見は禁煙方法にも影響を与えそうだと述べました。「ニコチン置換療法による長期的な発癌の危険は不明です」
--Sarah Graham


2003/ 1/ 2  ニコチンの発癌性 (切明義孝氏訳)  

http://www.usatoday.com/usatonline/20030102/4746297s.htm
Nicotine may promote lung cancer
ニコチンは肺癌を促進するようです。
By Tim Friend
USA TODAY
タバコに含まれている、明白な依存性を有する成分であるニコチンには、肺癌を促進する強力な作用があるようです。この発見は本日のJournal of Clinical Investigationに掲載され、タバコ関連癌の発生メカニズムに関する新たな知見を提供しました。また、ニコチンの働きを抑える薬を開発すれば、肺癌の予防と治療につながる可能性があります。

しかし、専門家はこの研究は両刃の剣かもしれないと語りました。もし、ニコチンが肺癌の発生を促進するのであれば、禁煙のために利用されるニコチンパッチ、ニコチンスプレー、そしてニコチンガムの長期的な安全性を検討しなければなりません。
「もし、ニコチンパッチにより禁煙できるという選択肢があれば、私は明らかに、ニコチンパッチによる禁煙を勧めるでしょう」と、National Cancer Institute's Cancer Therapeutic BranchのPhillip Dennis さんは語りました。
「しかし、ニコチン置換療法の長期的な安全性は不明です。」

従来、科学者は、タバコに含まれている、明白な発癌性物質であるタールと化学物質が癌の第一の原因であると考えていました。膀胱癌、膵臓癌、そして腎臓癌を含む、タバコ関連腫瘍の発生に関する従来の見解は、タバコに含まれる発癌物質が細胞の遺伝子に障害を与え、腫瘍を発生させ、腫瘍の成長を促進させるというものでした。しかし、新しい研究は、ニコチンが健康な細胞の連携を維持するための重要な通信システムに影響を与え、そしてニコチン曝露は、遺伝子に障害が発生する以前の段階から影響を与えていることを示唆しました。Dennisさんのチームは、人間に本来備わっている、遺伝子に障害が生じた細胞を破壊する能力を、ニコチンが阻害することを発見しました。
正常な状態では、細胞が老化したり、障害を受けると、DNAのプログラムが活性化され、細胞分裂が停止し、細胞が死ぬように命令します。ニコチンは癌を予防するメカニズムを阻害し、異常な細胞が生き延びることを手助けします。この研究チームは、正常な肺細胞を用いて、通常の数分間の喫煙により摂取される量のニコチンが異常な細胞の生存を促すことを発見しました。
理論的には、ニコチンが肺または血流に存在する限り、発癌性物質による障害を受けた多くの異常な細胞が生き延び、癌の危険を増加させるでしょう。