★ タバコ関連最新ニュース2002年 ★ (2001年以前のニュースも若干あります)


2002/12/31  メンソールタバコはニコチンの代謝産物の排泄を遅延させる (切明義孝氏訳)  

http://news.tobaccofreekids.org/plugin.jtml?siteID=TFKNEWS&p=1&Tab=News&Object_ID=555917
December 31, 2002
Nicotine Byproduct Lingers with Menthol Cigarettes

メンソールタバコは普通のタバコと比べて、コチニンと呼ばれるニコチンの代謝産物の排泄を遅延させるようです。12月19日のロイター報道です。
Ohio State University の研究者は、毎日5本以上タバコを吸う、32人の女性を対象として研究を行いました。16人はAfrican Americans で、残りの16人は Caucasians です。
研究の初日、研究者は参加者の喫煙後の血中コチニン濃度を測定しました。研究者は血中コチニン濃度の低下を観察するため、喫煙した女性に6日間の禁煙をさせて、追跡しました。
研究者は、メンソールタバコを吸った女性のコチニンは低下しにくいことを発見しました。そのほとんどがアフリカ系アメリカ人でしたが、コチニン濃度は人種ではなく、メンソールと関係があると結論しました。この結果は禁煙プログラムにも役に立ちそうです。
禁煙後、コチニンが排泄されるまで一週間を要することがあります。このようなコチニン濃度の変化から喫煙者が無ニコチン状態になった日を特定することが可能です。この研究はjournal Nicotine and Tobacco Researchに発表されました。


2002/12/29  過料適用は1386件 千代田区の路上禁煙違反  (共同通信ニュース速報)  

  東京都千代田区は二十八日、全国初の罰則付き路上禁煙条例を十月に施行してから約三カ月の状況をまとめた。罰則の適用を始めた十一月一日から十二月二十七日までに、路上禁煙違反者への過料二千円の適用は千三百八十六件で、一日平均二十四人となった。
 区によると、このうち現場で現金で支払われたのは65%の九百六件だった。
 区はたばこのポイ捨てについて定点調査していたが、JR秋葉原駅西口近くで、条例施行前の九月二十九日に九百九十五本あったのが、十二月二十四日には三十三本(3%)に激減した。住民からは「歩きたばこが本当に減った」「朝昼晩掃除しても汚かったのに、今では朝の一回の掃除も要らないような状況だ」などの声が届いているという。
 今年二月に条例の骨子案を発表してから二十七日までに寄せられた意見などは三千五百十八件。問い合わせを除いた賛否は、賛成が73%、反対が27%だった。
 反対意見には「喫煙に過料まで科すのはどうか」「喫煙場所を設けるべきだ」などがあった。


2002/12/28  全面禁煙は小学5校 分・禁煙申し合わせ97%−−県内公立959校調査  (毎日新聞静岡版記事)  

 県内の公立学校で敷地内全面禁煙にしているのは小学校5校にとどまっていることが、県教委体育保健課のまとめでわかった。
 調査は、県教委が今年11月、公立小・中学校と県立学校計959校を対象に行った。それによると、教職員らの喫煙について「分煙・禁煙などの申し合わせがある」は932校(97・2%)。そのうち、「喫煙場所を定めている」が844校(88・0%)で、喫煙コーナーやベランダなど決めた場所でのみ喫煙できるようにしていた。喫煙時間を設けているのは43校にとどまった。
 また、会議などを禁煙にしているのは919校(95・8%)とほとんどを占め、児童・生徒から見える場所では喫煙しないよう決めているのは606校(63・2%)だった。
 近年、たばこの煙による非喫煙者への健康被害がクローズアップされ、学校現場でも禁煙・分煙化を求める声が高まっている。和歌山県では、4月から県内の全公立学校の敷地内全面禁煙を実施しているほか、栃木県宇都宮市では、来年4月から市内の小・中学校を全面禁煙にする予定。県内ではまだ小学校5校にとどまり、具体的な取り組みはこれから。県教委は「この結果を今後、学校の衛生管理の参考にしたい」と話している。


2002/12/27  進む“学校の禁煙化”、14校で取り組み  (山形新聞記事)  

http://www.yamagata-np.co.jp/kiji/20021227/0000015724.html
 松山中が本年度から校舎と敷地内を全面禁煙にして以降、県内各地で学校の禁煙化が進み、25日現在、14校が実施、もしくは実施予定となっている。東根工高や北村山高などが禁煙化するきっかけ役を果たした東北中央病院放射線科の大竹修一部長は「学校や地域単位の努力で禁煙活動が広がっているのは全国的に珍しい」と評価、一層の禁煙普及に期待を寄せている。
 喫煙者の煙で、たばこを吸わない人が害を受ける受動喫煙をなくそうと活動している全国組織の「禁煙マラソン」が、全国の禁煙化の学校一覧(25日現在)を発表。和歌山県は全県下の公立学校で実施。仙台市と宮城県柴田町、宇都宮市など計5市町が、公立学校や幼稚園での禁煙を実施または、予定しているが、全国的には、まだまだ動きは鈍い。しかも、行政指導で踏み切った例がほとんどという。
 本県では、トップを切った松山中のほか、高校で初めて東根工高が今月から禁煙を開始、次いで北村山高が1月から実施する。このほか、山形、新庄、天童の各市と、中山、大石田、小国、高畠の各町の小中学校で禁煙化の動きがある。
 同病院で禁煙外来を担当する大竹部長は東根工高と北村山高で講演を依頼され、禁煙の必要性を訴えた。早速、実現したことに、「学校や地域でボトムアップの形で禁煙運動が広がっているのが本県の特徴。モラルの高さを示している」と評価。「禁煙のため外来を訪れる高校生も多く、県内は、全体に喫煙率は高い。その意味でも、学校全体を禁煙化するのは重要」と指摘する。
 また、米沢市の舟山病院(舟山尚院長)が、県内の総合病院で初めて院内を全面禁煙にする「禁煙病院宣言」を行い、1月から実施する。大竹部長は「これからは、公共施設でも禁煙化が進むだろうし、新年を機に禁煙の輪がさらに広がってほしい」と語っている。


2002/12/26  値上げも一方法…たばこ消費抑制、厚生科学審が提言  (読売新聞ニュース速報)  

 厚生労働省の厚生科学審議会は25日、同省の今後のたばこ対策について、「喫煙率を引き下げ、たばこの消費を抑制し、国民の健康に与える悪影響を低減させていくことが必要」などとする「基本的考え方」をまとめ、坂口厚労相に提言した。
 「基本的考え方」は、たばこの価格と喫煙率との関係についても言及、「価格引き上げはたばこ対策の有効な方法の一つ」と、踏み込んだ提言をしている。
 このほか、受動喫煙対策について、「屋内に設置された喫煙場所の空気は屋外に排気する方法が最も有効」と指摘、屋外への排気ができない空気清浄機を設置しても受動喫煙対策としては不十分だとした。


2002/12/25  病院施設内の「禁煙宣言」を発表 日本プライマリ・ケア学会四国支部  (毎日新聞高知版記事)  

 四国の医師や薬剤師、看護師らでつくる「日本プライマリ・ケア学会」(本部・東京都)四国支部(瀬戸山元一支部長・会員約50人)はこのほど、病院施設内の「禁煙宣言」を発表した。
 宣言では、「喫煙は本人だけでなく受動喫煙者にも重大な健康被害を及ぼす」とし、具体策として、会員は全員禁煙▽会員所属の施設を禁煙にする▽会員以外の人にも禁煙を勧める――など7項目を実践するとしている。
 同支部は「たばこには生活習慣病の危険因子が多く含まれ、人体への影響が大きい。会員には喫煙者も多いが、まずは自分たちの身の回りから始めたい」としている。

(以下は記事にはありませんが、宣言の全文です)
日本プライマリ・ケア学会四国支部 「 禁 煙 宣 言 」
喫煙は、喫煙者本人のみならず受動喫煙を受ける者にも重大な健康影響をおよぼすことは周知のことである。プライマリ・ケア(PC:Primary Care)の観点からも、喫煙は肺癌をはじめ全身の癌・心疾患・脳血管疾患など多くの生活習慣病の危険因子であることが科学的根拠に基づいて明らかになっている。
しかし、これまで喫煙問題に対する日本プライマリ・ケア学会員や関連する保健医療福祉従事者の認識は必ずしも十分とはいえず、医学会をはじめとして医療機関などにおける対策も著しく遅れており、さらに広く市民や社会への情報提供も大きく不足している。他方、プライマリ・ケア医学は、単に疾病だけではなく、健康問題を有する人間に対する全人的な医療である。プライマリ・ケア医学に携わる従事者が喫煙対策に積極的にかかわることにより、患者さんや一般市民の方々に禁煙への気づきを促し、禁煙する動機を高め、予防医学の実践が地域社会のレベルから行われていくことになる。
WHO(World Health Organization:世界保健機関)は「喫煙習慣の伝播」を現代における最大の疫病と考え、2003年にタバコ規制枠組条約の批准をめざすなど国際社会が協力してタバコ対策に取り組むよう働きかけている。日本でも「健康日本21」や、「健康増進法」でタバコ対策の重要性がうたわれ、とくに後者の第25条では、学校、病院、劇場、集会場、百貨店、事務所、官公庁施設、飲食店をはじめとして、その他の多数の者が利用する施設では、受動喫煙の防止が重要視されている。タバコ対策は多大な経費を必要としないばかりか、タバコ関連疾病予防による医療費抑制効果が大きく、費用対効果は極めて優れている。
そこで、日本プライマリ・ケア学会四国支部は、生活習慣病全般に対応する専門家団体として、禁煙および受動喫煙対策を自ら積極的に推進し、さらに広く市民や社会に呼びかけることをここに宣言する。

日本プライマリ・ケア(PC)学会四国支部「禁煙宣言」
1 本支部会員は全員非喫煙者であることをめざす。
2 本支部関連開催のすべての会場を無煙環境とする。
3 本支部会員の所属する施設の禁煙化をめざし、タバコを販売しないように努める。
4 本支部は、学生教育、認定・専門・指導医研修などにおいて禁煙教育を推進する。
5 本支部会員は、日常診療の場で、すべての喫煙者に禁煙するよう忠告し、禁煙希望者に禁煙を支援し、受動喫煙者にもタバコ煙で健康被害を受けないよう忠告する。
6 本支部は、能動・受動喫煙が生活習慣病の危険因子であることや、健康問題や日常生活にまで影響を与えていることを、広く市民や社会に呼びかける。
7 本支部は、他の禁煙推進団体と連携して、タバコ煙の無い地域づくりを積極的に推進する。
   2002年12月20日
          日本プライマリ・ケア学会四国支部支部長 瀬 戸 山 元 一(高知県・高知市病院組合 理事)


2002/12/25  数値目標は盛り込めず 政府一体の喫煙対応  (共同通信ニュース速報)  

 厚生労働省の審議会が、たばこの消費抑制対策をあらためてまとめたのは、たばこが健康をむしばんでいる科学的証拠が次々と報告され「国民の健康を預かる立場として、対策強化は当然のこと」との判断があるためだ。
 だが、削減に向けての基本となる数値目標は盛り込まれなかった。業界団体や、税収源としてたばこ事業を保護する立場にある財務省の反発などを考慮した結果とも言える。
 しかし、政府内で意見の対立がある中で、喫煙対策を進めるのは不可能に近い。政府は人命を守ることを最優先し一体となった対応が求められる。
 たばこの害についての科学的証拠は枚挙にいとまがない。喫煙者本人だけでなく、周囲の人への影響も大きい。受動喫煙との関連が確実な疾患は肺がんのほか、虚血性心疾患や低体重児出生、乳幼児突然死症候群など九種に上る。
 厚労省所管の医療経済研究機構の調査では、喫煙被害による医療費増や労働力損失、火災などの社会的コストは七兆円にも上り、たばこ税収を上回った。
 こうした中、欧米では消費抑制策が進んでおり、オーストラリア政府はラベルに「喫煙によって交通事故死者の四倍以上の人が死ぬ」など警告表示を義務付け、英国は高税率をかけ一箱を八百円以上にしている。日本は先進国で対策が最も遅れているのが実情だ。


2002/12/25  たばこ消費の抑制策求める 厚労省審議会が強く要請  (共同通信ニュース速報)  

 厚生労働省の厚生科学審議会は二十五日、「たばこによる国民の健康への悪影響を低減させていくことが必要」として、たばこの消費抑制を盛り込んだ「今後のたばこ対策の基本的考え方」をまとめた。同日、坂口力厚生労働相に施策に生かすよう強く要請した。
 財務省の審議会は十月に「たばこは個人の嗜好(しこう)品で、消費削減を求めるべきでない」とする報告をまとめており、真っ向から意見が対立する形。
 世界レベルで喫煙の規制を目指す、たばこ規制枠組み条約の交渉が来年二月に大詰めを迎えるが、これまで規制に後ろ向きな立場を取ってきた政府の交渉姿勢にも影響を与えそうだ。
 「基本的な考え方」は同条約について、「目的や基本的方向はいずれも妥当」と評価した上で、国内対策の強化を提言。
 喫煙が、がんや心臓病などのリスクを増大させることが科学的に指摘されていることを明記し、日本の男性の喫煙率が45・9%と「先進国の中で極めて高い」と問題点を指摘した。
 さらに@医療負担の増加や労働力の損失など多大な社会的コストの発生A喫煙の依存性B受動喫煙による非喫煙者への健康被害―を踏まえ「喫煙率を引き下げ、たばこの消費を抑制していくことが必要」とした。
 具体的には、たばこ包装の警告表示の明確化や、未成年者の喫煙率ゼロに向けた教育・自動販売機対策などの取り組みのほか「たばこの価格の引き上げは有効な方法の一つ」とした。
 同省は来年五月に施行される健康増進法に基づく基本方針の中に今回の報告を盛り込む方針。
 同省は、国民の健康増進を目指し、二○○○年にまとめた「健康日本21」で喫煙率低下の方針を打ち出している。だが、受動喫煙のリスクや、喫煙と医療費の関係などたばこの有害性を示す新たな知見が得られたことや、海外での規制強化の動きを受けて、あらためて対策の強化を決めた。
 十月にジュネーブで開かれた、同条約交渉では日本は反たばこの非政府組織から「日本はたばこ消費を減らさないことを目標としており、時代遅れの恐竜」と非難されていた。


2002/12/25  <米喫煙調査>「病気になっても、やめられない人」が高率  (毎日新聞ニュース速報)  

【ワシントン斗ケ沢秀俊】 米国では肺気腫やぜんそくなどの慢性疾患を持つ人が高率で喫煙していることが24日、米健康調査局の喫煙調査で分かった。「病気になっても、たばこをやめられない」という人が少なくないことを示している。
 調査は成人(18歳以上)約1万5600人を対象に実施された。全体の喫煙率は23%。喫煙者の55%は男性だった。
 病気の人の喫煙率は、肺気腫が38%、ぜんそくが25%で、喫煙と関連の深い病気の人が高率で喫煙していた。心臓血管系病気、高血圧が各20%、糖尿病が19%など、ほかの病気でも成人全体の喫煙率と同程度の割合だった。


2002/12/24  山口県が分煙拡充に大作戦  (中国新聞記事)  

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn02122440.html
■けむらんど作戦 パンフなど配布
 たばこによる健康被害を防ぐため公共施設などでの分煙レベルを認証する、全国に先駆けた「分煙ステッカー制度」を創設した山口県は年末から、認証施設の数を増やす「けむらんど21拡充大作戦」に乗り出す。パンフレットやポスターを市町村や関係団体に配り、施設管理者や県民へのPRや意識高揚を目指す。
 分煙レベルは学校や体育館、病院、劇場、集会場など多くの人が利用する施設を対象に、喫煙場所設定などの対策に応じて1、2、3の三段階で認証する。
 最も進んだ対策のレベル3は「喫煙場所として間仕切りで区分するか、喫煙室をつくって換気扇を設置」「室内は禁煙で喫煙場所は屋外に設定」のいずれか。レベル2は室内禁煙で喫煙場所は別室か廊下に設定した場合、レベル1は喫煙場所は同じ室内に設定し換気扇か集煙装置を設置する―などとした。
 自分はたばこを吸わないのに、周りの人が出す煙を吸ってしまう「受動喫煙」による被害を防ぐため、県が世界禁煙デーの五月三十一日、全国初の試みとして制度をスタートさせていた。
 七月に、公共施設の管理者らが受動喫煙の防止に必要な措置を講じる努力義務を定めた健康増進法が成立。来年五月に施行されるため、法律の趣旨を広めて分煙対策をさらに進めようと、大作戦を展開することにした。
 パンフレットはカラー刷りA4判六ページで、一万六千部を印刷。制度の趣旨やレベル設定などを説明している。ポスターはA2判カラー刷りで、七千二百部作って一月に市町村などに配る予定。公共施設だけではなく、経済団体などを通じて認証施設の少ない民間企業などにも強く訴えていく。
【写真説明】分煙ステッカー制度の趣旨などをPRするパンフレット

注:メーカー自らもタバコ煙の有害物質が除去できないと説明している集煙装置(空気清浄機)を評価の対象としている点は問題があります。


2002/12/24  情報非公開決定を取り消し JT医薬研、安全確立せず  (共同通信ニュース速報)  

 大阪府高槻市にある日本たばこ産業(JT)医薬総合研究所について、同社が市に提出した建築確認申請書を非公開としたのは不当として、同市の府立高校教諭二木崇さん(50)が、市の非公開決定取り消しを求めた訴訟の控訴審判決で、大阪高裁は二十四日、原告敗訴の一審大阪地裁判決を取り消し、非公開決定を取り消した。
 太田幸夫裁判長は「研究所で行われているDNA組み換え技術は歴史が浅く、安全性が確立したとはいえない」として、同市条例が公開すべきだとする「人の生命、身体または健康を害する恐れのある事業活動」に該当すると認めた。
 また、同社研究員が二○○○年十二月、JR高槻駅で、同研究所から持ち出した放射性物質をばらまいた事件や、同研究所の配水管から昨年六月、環境基準を超える有害物質が検出されたことを指摘。「安全対策が不十分であることをうかがわせる」として、安全対策の検討に申請書の公開が有用であるとした。
 判決などによると、同施設は一九九三年、遺伝子組み換えなどの実験施設として開所。二木さんは九五年、「周辺住民に対する安全対策が知りたい」と同市条例に基づき、情報公開請求をしたが、同市は非公開の決定をしていた。
 昨年六月の一審判決は、「研究所の防犯上、危険が生じる可能性がある。また、人の生命や健康を害する恐れもなく、非公開は適法」と請求を棄却していた。


2002/12/23  たばこ規制/国民の健康を守る視点で  (神戸新聞社説)  

 歩きたばこを禁止する条例が、東京都千代田区に続いて、福岡市議会で成立し、来年夏ごろに施行される見通しになった。合掌づくり家屋が並ぶ岐阜県・白川村も来年中に制定する予定で、全国的に歩きたばこを規制する動きが広がっている。
 路上喫煙は、ポイ捨てなどで街を汚すだけでなく、受動喫煙や、やけどをさせるなど周囲の人に危害を与える恐れがある。
 千代田区では、条例施行後、路上の吸い殻が大幅に減るなどの効果が上がっているという。いかに喫煙マナーが悪かったかということの裏返しでもあろう。
 喫煙者には、こうした分煙の動きに不満もあるだろうが、これを機に、喫煙マナーを見直し、分煙を徹底してもらいたい。
 日本はこれまで、たばこによる健康被害に対する意識が甘く、規制もほとんどなかった。しかし、肺がん、心臓疾患などの要因や受動喫煙による妊娠中の女性や乳幼児への悪影響が、さまざまな調査研究から明らかになってきている。
 「たばこはし好品」として規制に反対する意見も強い。だが、たばこを吸わない人にまで悪影響を及ぼす受動喫煙は、見過ごせない。日本も、本格的にたばこ規制に取り組まなければならない。
 遅すぎた感はあるものの、来春から改正健康増進法が施行され、受動喫煙の防止が義務付けられる。学校、体育館、病院、劇場、官公庁など多数が利用する施設では、施設管理者が必要な対策を取らなければならない。公共施設などでは分煙が進みつつあるとはいえ、まだまだ、遅れているところも目につく。分煙対策を急いでほしい。
 とはいえ、分煙だけではたばこ規制は十分とはいえない。広告や販売規制、課税強化や子どもへの禁煙教育などを総合的に実施すべきだ。
 来年度の税制改正で、たばこ税が一本一円増税されることが決まった。ただ、場当たり的な増税で、健康被害の抑制や医療費削減効果などが論議された様子はない。厚生労働省の研究機関の調査では、禁煙者が増えても、一箱千円になれば一兆円の増収になり、医療費も八千億円以上減るという試算もある。さらに論議が必要だ。
 たばこ規制は、国際的な課題でもある。来年五月の採択を目指すWHO(世界保健機関)の「たばこ規制枠組み条約」の交渉が大詰めだが、「マイルド」の商品名への使用や自販機の規制に反対するなど、日本の消極姿勢が目立つ。政府は、関係団体の利害にとらわれず、国民の健康を守る観点から規制強化に取り組むべきだ。


2002/12/22  分煙義務違反には罰金 イタリアで禁煙法成立  (共同通信ニュース速報)  

【ローマ22日共同】  レストランやバーなどが「分煙」を実施しなければ経営者に最高二千ユーロ(約二十五万円)の罰金を科す禁煙法が二十一日、イタリア上院で可決され成立した。
 同法はほとんどの公共の場を禁煙とし、レストランなどは喫煙室を別に設けるよう義務付けている。
 また、禁煙の場所で喫煙した者には二十五―二百五十ユーロ(約三千百円―三万一千円)の罰金を科す。近くに妊娠した女性や十二歳以下の子供がいて違反した者には罰金が倍になる。同法施行は二○○四年から。
 医師でもあるシルキア保健相が禁煙を熱心に説き、今月上旬に法案が下院を通過した。


2002/12/21  制服警官ジロリ、喫煙生徒パタリ 列車同乗で改善 JR帯広―新得間  (北海道新聞記事)  

http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20021221&j=0022&k=200212207608
【帯広】 列車通学する高校生の車内での非行を防ごうと、帯広署はJR根室線・帯広―新得間のワンマン列車に、制服姿の署員を同乗させている。問題になっていた喫煙がすっかり姿を消すなど、“制服効果”が表れている。
 通学列車はワンマンカーで、二、三両編成の車内では、高校生がたばこを吸ったり、通路に座り込んで大声で携帯電話で話すなど、非行やマナーの悪さが問題になっていた。
 一般客からの苦情も多く、十勝教育局とJRが同署に警察官の派遣を要請。同署は「本格的な犯罪に走る前の段階で指導を」と、十三日から平日の登・下校時の列車に制服姿の署員を同乗させている。
 二十日は、制服と私服の二人の署員が午前六時五十六分帯広発の列車に同乗した。次々と乗り込んでくる高校生で満員になった客車内で、携帯電話を使っていた女子高校生を注意した。
 通路で化粧などをする高校生の姿は相変わらず見られたものの、喫煙する高校生の姿はなく、「たばこ臭くなくなっていい」「いつもより静かになった」と好評。
 一方で、「狭い列車の中で、警察官に見張られているよう」という男性客もいた。同署は、冬休みに入る二十四日まで同乗を続け、新学期以降については「状況を見て検討したい」としている。
<写真:乗り込んだ2人の帯広署員=20日午前7時20分>


2002/12/20  女性の喫煙は骨粗しょう症の危険性を高める (切明義孝氏訳)  

http://news.tobaccofreekids.org/plugi\\\n.jtml?siteID=TFKNEWS&p=1&Tab=News&Object_ID=555890&PrintThis=true
December 20, 2002
Women Smokers at Risk for Osteoporosis

新しい研究により、タバコを吸う閉経女性は、骨が弱くなる病気、骨粗しょう症に罹る危険が高くなることが明らかになりました。
12月16日、ロイターの報告です。
University of Connecticut Health Center in Farmington のDr. Cheryl Onckenさんらは、喫煙が骨の強度に与える影響を調査しました。この研究には、1日あたり少なくとも10本のタバコを吸う女性が38人含まれました。それらの女性の半分は禁煙するため禁煙カウンセリングに参加し、残りの女性は喫煙を続けました。
研究者は禁煙した女性ではsex hormone-binding globulin (SHBG)とN-terminal collagen(NTx)の値が低いことを発見しました。
この2つの成分は骨粗しょう症と関連があります。
「禁煙によりSHBG と NTxの値が変化し、長期的に骨密度が上昇し、骨折が減少することを確かめる更なる研究が必要です」と、著者は結論しました。
この研究は Nicotine and Tobacco Research12月号に発表されました。


2002/12/20  NY市レストラン禁煙へ (切明義孝氏訳)  

http://news.tobaccofreekids.org/plugin.jtml?siteID=TFKNEWS&p=1&Tab=News&Object_ID=555891&PrintThis=true
December 20, 2002
N.Y. City Council Passes Workplace-Smoking Ban

42票対7票で、ニューヨーク市議は大部分のレストラン、バー、オフィス、プール、ビンゴパーラー、そしてボーリング場の喫煙を禁止する法律を可決しました。12月19日Newsdayの報道です。
「最終的に、この法案はニューヨーク市の労働者の健康を守るものです」と、Gifford Miller 議長は語りました。
「人間は、健康か?それとも仕事か?という選択をすべきではありません」
タバコ対策の先頭に立ったMichael Bloombergさんは、来週この法案に署名します。この法律は3月後半に施行されます。
この法案はシガーバー、屋外カフェ、排気装置を備えた喫煙室があるバー、fraternal orders、老人ホーム、そしてその他、指定された喫煙室のある居住施設は除外されます。
この規制は1995年のSmoke-Free Air Actを拡大したものですが、米国では最も厳しい規制のひとつです。

訳者注:喫煙室はspecially-ventilated smoking rooms と表現されているので、空気清浄機による分煙は不可ということです。
(空気清浄機はタバコの有害物質を完全に除去できない)


2002/12/20  所沢の女児餓死 前夜、父は天ぷらと刺し身 検察明かす  (朝日新聞ニュース速報)  

 埼玉県所沢市で10月、4歳の女児に十分な食事を与えずに死亡させたとして、保護責任者遺棄致死の罪に問われた電気設備工、田中大策被告(34)に対する初公判が20日、さいたま地裁であった。検察側は冒頭陳述で、田中被告と妻が、やせこけた女児の前で天ぷらや刺し身を食べていたことなどを明かした。
 死亡したのは、田中被告の内縁の妻遠見理愛容疑者(27)=同容疑で逮捕=の次女若菜ちゃん。
 冒頭陳述によると、田中被告は昨年4月、2人の娘を連れた遠見容疑者とアパートで暮らし始めた。「ぞうきんがけやゴミ捨てを手伝わない」などといって、今年初めから若菜ちゃんの食事を抜き始めた。たばこの火を手に押し付け、入浴も2〜3週間に1度。若菜ちゃんはやせこけ、あかまみれになった。
 最後の食事は死亡2日前の10月5日。朝食はロールパン1個と麦茶1杯。夕食は小皿に盛ったスパゲティとオレンジジュース1杯。
 同6日。若菜ちゃんは少しだけ麦茶を飲んだ。田中被告と遠見容疑者は夕食に刺し身と天ぷらを食べた。
 若菜ちゃんは台所から黙って見ていた。翌7日朝、流しに背をもたれかけたままの状態で力尽きた。死亡時は体重6.3キロ。4歳児の標準体重の半分に満たなかった。


2002/12/20  <全面禁煙>石川・羽咋市役所が来年1月から 来庁者も協力  (毎日新聞ニュース速報)  

 石川県羽咋(はくい)市の本吉達也市長は20日、来年1月から議会エリアを除く市庁舎内を原則、全面禁煙にすると発表した。喫煙スペースは設けず、来庁者にも協力を求める。NPO「たばこ問題情報センター」(東京)は「自治体庁舎の分煙は全国で進んでいるが、全面禁煙は聞いたことがない」としている。
 目的は、喫煙する職員の生活習慣病を予防し、喫煙しない職員を副流煙から守るため。
 羽咋市は人口約2万6000人、職員は371人。市庁舎は地下1階、地上5階建て。市は現在、正午から1時間の昼休みを除き、午前10時からと午後3時からの各15分の喫煙時間を設け、愛煙家の職員に1人10分を上限に庁舎内の喫煙スペースでたばこを吸うことを許可する「分煙」を進めている。新年からは5階の議会エリアを除いて、これを更に徹底する。
 市が職員を対象に行ったアンケート調査では、喫煙する職員は27%で、その半数以上が禁煙を考えていた。アンケートで「ストレスのたまる職場なので、気分転換の機会を奪わないで」と訴えた愛煙家職員もいたが、たばこを吸わない本吉市長は「全面禁煙は市民にサービスを提供する機関として当然。議会エリアに関しては議会が判断することだ」と話している。 【勝野俊一郎】


2002/12/20  「喫煙で解雇」は権利乱用 京都・知恩院が敗訴  (共同通信ニュース速報)  

 勤務中の喫煙を理由に不当解雇されたとして、浄土宗総本山知恩院(京都市東山区)が運営する宿泊施設に勤務していた滋賀県新旭町の男性(58)が地位確認などを求めた訴訟で、京都地裁の楠本新裁判官は二十日、解雇無効と解雇後の賃金支払いを知恩院に命じる判決を言い渡した。
 楠本裁判官は「原告は喫煙のため度々職場を離れるなど勤務怠慢も認められるが、三回注意しただけで解雇しており、解雇権の乱用」と認定した。
 男性の弁護士は「ささいな理由で解雇した理不尽さが認められた。リストラばやりで、安易な解雇に走る企業にも警鐘になる」と指摘。男性は「職場復帰したい」と話している。
 判決によると、男性は一九九九年七月から知恩院の宿泊施設「和順会館」に機械室係として勤務。二○○○年一月から翌年五月にかけて、上司から機械室の前での喫煙など勤務態度を三回注意され、同月末に「今後も満足な勤務ができない」として解雇された。


2002/12/19  熊本市役所の本庁舎で職場分煙スタート  (熊本日日新聞記事)  

http://kumanichi.com/news/local/main/200212/20021219000373.htm
 熊本市役所の本庁舎で十九日、全十五階のうち八階分に喫煙室ができ、職場分煙が始まった。たばこを吸わない職員の受動喫煙をなくすのが目的で、喫煙室以外は原則禁煙。残りも順次分煙か禁煙を進める。
 この八階分は仕切りがないオープンスペースになっているため、約七平方メートルの喫煙室をつくり、空気清浄機を置いた。工事費など経費は約四百五十九万円。フロアが仕切られている三階や五階などは、喫煙室をどこに確保するか調整中。
 市民が訪れる一、二階ロビーは一九九八(平成十)年二月に小型空気清浄機六台を置き、既に喫煙コーナーを設けている。来年度以降に大型機数台と入れ替え、小型六台は十四階展望ロビーに移す予定。
 市職員厚生課は二〇〇一年七月、本庁舎の職員約千六百人にアンケートを実施。喫煙率は41%だったが、70%が空間を仕切った完全分煙を希望したという。

注:空気清浄機はタバコ煙有害物質が素通りするので分煙になりません。


2002/12/19  無許可のたばこ販売業者、事業法違反で初の有罪判決  (読売新聞ニュース速報)  

 たばこを無許可で販売したとして、全国で初めてたばこ事業法違反の罪に問われた宮崎市大工、会社役員福元孝哉被告(58)の判決公判が19日、宮崎簡裁で開かれた。寺尾富士男裁判官は「被告の行為は許可制や法秩序全体を侵害する危険性があり、処罰を免れない」として、求刑通りの罰金20万円を言い渡した。
 判決によると、福元被告は1997年7月から2000年5月にかけ、宮崎市内で経営するコンビニエンスストアで、大蔵大臣(現財務大臣)の許可を受けずに、約1億745万円分のたばこを販売した。
 福元被告は1995年11月、たばこの販売許可を九州財務局に申請したが、ほかのたばこ店との距離が150メートル以上という基準を満たさず、許可されなかった。しかし、別の販売店から定価通りや定価の5%引きで仕入れ、再三の警告にもかかわらず販売を続け、在宅起訴された。
 公判で、被告側は「規制緩和が進む中、たばこに規制が残っているのはおかしい。法律そのものが違憲」と無罪を主張。検察側は「小売業者の共倒れを防ぐためなどに規制は必要。職業選択の自由にも違反しない」と反論していたが、判決では検察側の言い分を認め、「許可制は違憲ではない」との判断を示した。


2002/12/19  賠償金3兆円を30億円に 米たばこ訴訟でロス地裁  (共同通信ニュース速報)  

【ロサンゼルス18日共同】三兆円の賠償命令は法外―。肺がんを患ったのは米たばこ大手フィリップ・モリス社の責任だとして、女性患者(64)が損害賠償を求めた訴訟で、ロサンゼルス地裁は十八日、同社に対し二千八百万ドル(約三十四億円)の懲罰的賠償金の支払いを命じる決定を下した。
 同地裁の陪審は十月、たばこ健康被害訴訟で過去最高の懲罰的賠償金額となる二百八十億ドル(約三兆四千億円)の支払いを命じる評決を下した。
 この日の決定で同地裁はフィリップ・モリスの責任は明らかだとして陪審の認定事実を追認した上で「陪審評決の賠償金額は法外だ」と千分の一に大幅減額した。
 原告の女性患者はカリフォルニア州法に基づき今月二十七日までに、地裁決定を受け入れるかどうかを決める必要がある。
 フィリップ・モリスは「原告はたばこのもたらす健康被害を知っていたし、地裁の決定にも事実誤認がある」として上訴する方針を明らかにした。
 女性患者は十七歳で喫煙を始めた。昨年、肺がんと診断され、フィリップ・モリスがたばこの危険性を知らせなかったとして提訴に踏み切った。


2002/12/18  喫煙レストラン、日本人のため必要 バンコクの知事  (朝日新聞ニュース速報)  

 今年11月から、冷房の効いたレストランや喫茶店などが全面禁煙となったタイ。違反者本人が2000バーツ(約6000円)の罰金となるだけでなく、施設の所有者も2万バーツが科せられるだけに、店側も真剣だ。
 しかし、店外のテーブル席で汗をかきながらの一服は不評で、「このままでは観光客減にもつながりかねない」と、バンコクのサマック都知事が異議を唱えた。バンコクポスト紙によると、「特に日本人に評判が悪いようだ」として、特別に喫煙を許可するレストランの設置を提案した。
 ただ、若年層の喫煙が問題化しているタイで、規制に例外を設けるのは難しそう。バンコクでは、店内の冷房を切って喫煙可能にする「抜け道」が登場。「当局の監視が手薄」とされる地方都市では、「運悪く見つかったら罰金を一緒に払いましょう」と断ったうえで、客に喫煙させる店も出始めたといううわさだ。


2002/12/18  歩きたばこ禁止条例可決へ 福岡市議会、全国2例目  (共同通信ニュース速報)  

 福岡市議会は十八日午後の本会議で、自民党などが議員提案した歩きたばこに罰則を科す「人に優しく安全で快適なまち福岡をつくる条例」を採決、賛成多数で可決する。施行は来年夏ごろの見通し。
 罰則付きの歩きたばこ禁止条例制定は東京都千代田区に次いで全国二例目。
 条例は市長の指定する「路上禁煙地区」で、歩行中または自転車に乗りながら喫煙してはならないと定め、違反者には千代田区と同様、二万円以下の過料を科す。
 罰則はないが、努力規定として@市内全域で歩きたばこをしないA屋外で喫煙する際には吸い殻入れを携帯する―など喫煙マナーの向上を求めているほか、ペットのふんの後始末や自転車放置禁止、落書き禁止なども定めている。
 条例は共産党を除く全会派が提案者となり審議された。共産党は「違反者全員を取り締まることは不可能で、公平さに欠ける」として反対、罰則を外すよう求めていた。


2002/12/18  日光も歩きたばこ禁止に 世界遺産を保護、条例検討  (共同通信ニュース速報)  

 世界遺産に登録された文化財がある栃木県日光市は、市内全域で歩きたばこを禁止する条例制定の検討を始めた。貴重な文化財や自然を火災から守るのが狙いで、当面は罰則は設けず、早ければ来春制定を目指している。
 日光市では世界遺産の「日光東照宮」「二荒山神社」「輪王寺」に計百三棟の木造建築があり、奥日光には中禅寺湖や森林など豊かな自然が残っている。
 文化財の建物内などは地元消防組合が禁煙にしてきたが、市内全域の規制はなく、観光客や釣り客のたばこのポイ捨てによる火災が懸念されていた。
 条例案は策定中だが、灰皿が設置されている所を除く屋外での喫煙のほか、空き缶やごみをまき散らす行為を禁止する方針。観光への影響を考慮して当初罰則は設けないが、施行後数年の状況を見て罰則導入も検討していく。
 真杉瑞夫市長は「世界遺産と自然を守るため、ぜひ制定したい」としており、来年一月に懇談会を開いて市民の意見を聞き、三月議会に提案する考えだ。


2002/12/17  米で中高生の喫煙率が急減=飲酒や麻薬も−同時テロで意識  (時事通信ニュース速報・毎日新聞ニュース速報)  

【ワシントン17日時事】 米政府の委託を受けてミシガン大学が今年、全国4万4000人の中高校生を対象に行った調査によると、6年前のピーク時と比べて、喫煙率が半分程度に激減していることが分かった。
 中学2年生の場合、「過去30日間にたばこを吸ったことがある」と回答したのは全体の10.7%で、1996年の21%から半減。「毎日吸っている」のは5.1%で、これも96年の10.4%と比べると半分に減少した。同様に、高校1年生でも喫煙率はほぼ半減したという。

【ワシントン斗ケ沢秀俊】(毎日新聞) 米国立薬物乱用研究所とミシガン大は16日、全米の中学、高校生を対象にした喫煙や飲酒、薬物使用の調査結果を発表した。いずれも減少しており、ロイド・ジョンソン同大教授は「喫煙や薬物などの害を伝える90年代の活動の成果が表れたことや、同時テロの悲劇の影響で、若い世代が分別のある行動をするようになったのが原因」とみている。
 調査は日本の中学2年〜高校3年生に相当する8〜12年生の約4万4000人を対象に実施された。「毎日喫煙する」生徒は8年生が5%で96年に比べて半減したほか、10年生が10%、12年生が17%と、いずれも前年から2ポイント減少した。過去1カ月に喫煙を経験した生徒も減少した。
 「過去1カ月の飲酒経験」は8年生が20%で、96年の26%から減少するなど、各学年で飲酒離れが進んだ。パーティー用麻薬として人気のある「エクスタシー」の使用経験者が初めて減少に転じるなど、麻薬の経験者も軒並み減った。


2002/12/17  火災原因 5年連続で放火が最多 消防白書  (NHKニュース速報)  

 去年一年間に全国で起きた火災はおよそ六万三千件にのぼり、火災原因としては五年連続して「放火」が最も多くなっています。
 総務省消防庁がまとめた「消防白書」によりますと、去年一年間に発生した火災は六万三千五百九十一件で、前の年と比べて千百三十七件、率にして一・八パーセント増えています。
 火災の原因は、「放火」が五年連続して最も多く八千百二十件、次いで「たばこ」が六千七百六十九件、「放火の疑い」が六千二百八十八件と続き、「放火」と「放火の疑い」を合わせると全体の四分の一近くを占めています。
 また、放火による自殺者がここ十年間では二番目に多い八百五人にのぼり、火災による死者二千百九十五人の三分の一以上を占めているのが目立ち、長引く不況が少なからず影響していると見られています。
 このほか消防白書では、去年九月に起きた東京・新宿の歌舞伎町ビル火災を受けて消防法が改正され、消防の立ち入り検査の権限を拡大するとともに悪質な違反をした企業などの法人に対し罰則が強化されたことを特集して、防火管理や違反の是正などを徹底していく必要があることを指摘しています。


2002/12/17  EU、たばこ広告の禁止徹底 新聞、雑誌にネットも  (朝日新聞ニュース速報)  

 欧州連合(EU)は新聞、雑誌、インターネット上でのたばこの広告を05年から禁止する。テレビ広告はすでに禁止されており、メディアを使ったたばこ広告の禁止がより徹底されることになった。
 今月初めのEU保健相理事会で欧州委員会の提案に対してドイツと英国が反対したが、禁煙に熱心な北欧諸国を中心に15カ国中13カ国が賛成に回った。EU域外で印刷される出版物、看板、映画、ポスターでの広告は許されるが、街頭での無料たばこ配布や、スポーツ行事などでのたばこ広告は禁じられることになった。
 ドイツは2年前に欧州委員会がたばこ広告禁止措置を決めた際に、欧州司法裁判所に提訴して、決定を覆すなどたばこ広告禁止に反対する立場を取ってきた。英フィナンシャル・タイムズ紙は、同国の新聞雑誌業界のたばこ広告収入が年間5千万ユーロ(約60億円)近くになり、依存度が高いことをその背景に指摘している。英国は「自動車レースなどでの06年からの広告禁止を決めた国内法との矛盾が生まれる」との理由で反対した。
 たばこ広告の是非をめぐっては欧州で大論争になってきたが、欧州議会で最近、同様の決議が通るなど、広告禁止の流れが強まっていた。禁煙派で知られる欧州委のバーン委員(保健担当)は、「たばこ産業を棺おけに葬るための、新しいくぎを打ち込めた」と理事会決定を賞賛した。


2002/12/16  官庁街で禁煙呼び掛け 指定外だけど 千代田区がキャンペーン  (共同通信ニュース速報)  

 全国で初めて罰則付きの路上禁煙条例を施行した東京都千代田区は十六日、路上禁煙地区に指定されていない霞が関の官庁街に職員が繰り出し「歩きたばこ」をやめるよう呼び掛けた。
 区によると、過料二千円の徴収を始めた十一月以降、禁煙地区内での喫煙や吸いがらのポイ捨ては激減。しかし、禁煙地区以外では改善されていないため、街頭キャンペーンを実施した。
 午前九時から、石川雅己区長やたばこの着ぐるみをかぶった職員が厚生労働省近くの路上でチラシを配ったり、吸いがらなどを拾ったりしてPR。営団地下鉄霞ケ関駅出入り口の路上に「歩きタバコはやめましょう」と書いたシートを張り付けた。
 条例では「公共の場所で歩きたばこはしないように努めなければならない」と規定。石川区長は「霞が関の人は法令は熟知されてるだろうが、念のため呼び掛けることにした」と皮肉交じりに話した。


2002/12/14  受動喫煙の害を隠したタバコ産業 (切明義孝氏訳)  

http://bmj.com/cgi/content/full/325/7377/1413
How the tobacco industry responded to an influential study of the health effects of secondhand smoke
Mi-Kyung Hong, public administration analyst, Lisa A Bero, professor.

BMJ12月14日号の記事の要約です。
■1995年の論文(Lee ,1995)
title
喫煙者と結婚した妻を日本人非喫煙女性の環境タバコ煙曝露指標として利用することは妥当性に欠ける
abstract
環境タバコ煙が肺癌の危険を増加させると言う直接的な証拠は無い...
acknowledgements
「資金を提供してくださいました複数のタバコ産業様に感謝いたします。日本からご協力下さいました帝京大学の矢野栄二教授に感謝いたします...」
Lee PN. "Marriage to a smoker" may not be a valid marker of exposure in studies relating environmental tobacco smoke to risk of lung cancer in Japanese non-smoking women. Int Arch Occup Environ Health 1995; 67: 287-294

http://news.tobaccofreekids.org/plugin.jtml?siteID=TFKNEWS&p=1&Tab=News&Object_ID=555846&PrintThis=true
December 18, 2002
Industry Accused of Undermining Secondhand-Smoke Study

タバコ産業が受動喫煙の危険に関する研究に影響を及ぼしていたとカリフォルニア大教授は語りました。
12月13日、HealthScout Newsの報道です。
1981年、日本の研究者(平山雄)が受動喫煙と癌の因果関係を発見しました。しかし、1995年に発表された2番目の研究は最初の研究は誤っていると結論しました。
そこで、University of California at San Franciscoのclinical pharmacology 教授、Lisa A. Beroさんは、タバコ産業が後援する、2番目の報告の信憑性に疑念を抱きました。
「実際、我々はこの問題の責任が誰にあるのかは知りません。この研究を行った人々は関与を隠そうとしました」と、Beroさんは語りました。
Beroさんは1981年以降の、タバコ産業による受動喫煙を否定する広報活動について検証しました。
彼女は、タバコ産業が1981年の研究を否定するために、タバコ産業が設立した、Center for Indoor Air Research (CIAR;屋内空気研究センター)を利用したことを裏付ける内部文書を発見しました。
1995年の報告は、受動喫煙は喫煙者の妻の癌の原因にならないと結論しました。
タバコ産業のスポークスマンは、この研究を擁護し、タバコ産業が資金提供したことは明らかでした。
「我々はタバコ産業が関与した研究に疑問を抱かねばなりません。例え、それが隠されていてもです」とBeroさんは語りました。
「この調査では、タバコ産業による計画と指揮の全貌は明らかになりませんでした」
Beroさんの報告書はBMJ12月14日号に掲載されました。


2002/12/14  禁煙治療失敗ならNY市が医師提訴も  (読売新聞ニュース速報)  

 ニューヨーク市保健局が、管内の医師に対し「ニコチン中毒患者が禁煙できなかった場合、治療した医師は医療過誤で訴えられる可能性がある」との警告を出し、物議を醸している。13日付ニューヨーク・ポスト紙が伝えた。
 市保健局は、四半期ごとの広報の中で「治療により禁煙が達成できる可能性は高い」と指摘し、達成できなかった場合は「適切な診療を怠ったと見なされる場合もあり得る」との見解を示した。
 市保健局は「治療を向上させるための教育の一環」と説明しているが、医師会では「実現不可能な基準だ」と突然の警告に困惑顔で、「ニコチン患者が禁煙できなかったからといって医師が訴えられるなんて前代未聞」と反発の声が上がっている。


2002/12/14  サポーター大騒ぎ チャーター機、英空港に緊急着陸 トイレで喫煙がきっかけ  (読売新聞ニュース速報)  

【ロンドン13日=助川武弘】サッカーのサポーターを乗せた英国のチャーター便が13日、機内で乗客が起こした「騒動」により英カーディフに緊急着陸、英空軍まで出動し、乗客6人が傷害や暴行の容疑で逮捕される騒ぎとなった。
 緊急着陸したのは、英スコットランドの名門クラブ・セルティックのサポーター148人を乗せたチャーター機。12日にスペインで行われた欧州連盟(UEFA)杯のセルタ・ビーゴ戦から本拠地のグラスゴーに戻る途中だった。
 ロイター通信などによると、乗客がトイレで喫煙したことを客室乗務員が注意したことがきっかけとなり、他の乗客を巻き込んだ騒ぎとなった。機長は緊急信号を発し緊急着陸、英空軍のヘリコプターが出動した。乗客が飲酒していたかは明らかになっていない。地元警察は「客室乗務員は明らかに傷つけられていた。相当、危険な状態になっていたのは間違いない」とする一方で、乗客の1人は「客と乗務員のちょっとした口論はあったが、深刻な事態はなかった」と語っている。
 セルティックは、12日の3回戦の第2戦で1―2で敗れたが、2試合の合計が2―2となり、大会規定で4回戦進出を決めていた。


2002/12/14  「窓」―先生のたばこ  (朝日新聞ニュース速報)  

 「君たちはたばこを吸うな。吸えば身長が伸びなくなるぞ」。そういって、たばこの害を説く教師がいた。
 ところが、職員室に行くと、その先生、実にうまそうに紫煙をくゆらせながら仲間と談笑している。
 「たばこってそんなにいいものか。大人になったら吸ってみよう」。中学2年のころ、そう思った。その通り、1日に80本も吸うようになり、10年前にやっと禁煙した。
 医療施設に続き学校も全面禁煙の時代に入りつつある。
 和歌山県では今年度から全公立小中高校が踏み切った。来年度中には仙台市が市立幼稚園、養護学校と小中高校で、宇都宮市が市立小中学校でそれぞれ始める。
 罰則はないが、教職員も訪問者も学校の敷地内では一切たばこを吸えない。「教育上の効果や説得力」が全面禁煙導入の理由だ。表立った反対はないという。
 厚生労働省の2年前の調査では、中学3年生で男女とも約1割が喫煙を経験し、高3になると男性の4割弱、女性の2割弱が経験者だった。昨年1年間に喫煙で補導された少年は約44万人にのぼる。
 学習指導要領はたばこの害を教室で教えるよう促しているが、その効果は満足にあがっていない。
 一歩学校の外に出れば大人の喫煙者がいる。街は自動販売機だらけだ。結局は学校を含む大人の社会全体が子どもの健康を守れるか、というところに行き着く。
 愛煙家の先生方、さあどうします?〈山上浩二郎〉


2002/12/14  FIAがEUに抗議=たばこ広告禁止強化で  (時事通信ニュース速報)  

【パリ13日時事】国際自動車連盟(FIA)は13日、モナコで開いた世界モータースポーツ評議会で、たばこ広告禁止の猶予期間を短縮する規制強化を打ち出した欧州連合(EU)に抗議文を送付することを決めた。
 FIAはF1に出場している10チーム中5チームが、06年シーズン終了までたばこ会社と契約を交わしており、EUが猶予期間を05年7月までとしたことに抗議。FIAのモズレー会長は、「05年7月から06年終了まで、EU内でレースを開催できなくなる」と文書で訴えた。


2002/12/13  タバコ産業が受動喫煙の害を否定する報告書の作成に報酬を支払ったことを認めた (切明義孝氏訳)  

日本人が書いたとされる受動喫煙を否定する報告書(BMJより)

喫煙者と結婚した妻を日本人非喫煙女性の環境タバコ煙曝露の指標として利用することは妥当性に欠ける(矢野、香川,Lee,1992)。
(Yano E, Kagawa J, Lee PN. Lack of validity of marriage to a smoker as a marker of environmental tobacco exposure among Japanese non-smoking women. Covington and Burling. 8 Jul 1992.)

矢野 榮二教授 疫学者、呼吸器専門家、帝京大学医学部衛生学公衆衛生学教授 
Professor Eiji Yano is an epidemiologist and respiratory specialist based at the Department of Public Health at Teikyo University,

香川順 教授 疫学者、医師、呼吸器専門家、東京女子医科大学 衛生学公衆衛生学
Professor Jun Kagawa is an epidemiologist, physician and respiratory specialist currently teaching medicine at the Department of Hygiene and Public Health,Tokyo Women's Medical College.

http://www.independent.co.uk/story.jsp?story=361095
Health study 'discredited by secret tobacco plot'
By Cahal Milmo
13 December 2002

タバコ産業は、受動喫煙が癌の原因になるという歴史的発見を中傷する報告書の作成を依頼し、受動喫煙の害を隠したと、有名な医学雑誌は非難しました。
数年間に及ぶタバコ産業への法的措置を通じて得られた文書により、タバコ産業は「受動喫煙の害を否定する報告書の作成に報酬を支払った」ことを認めました。

この報告書は1981年の平山雄の報告、「喫煙者と結婚した女性は非喫煙者と結婚した女性に比べ、肺癌の危険が2倍に増加する」と、矛盾するように作成されました。

British Medical Journal 誌によれば、タバコ産業は受動喫煙と肺癌の関係を明確に否定する研究報告書の作成を希望しました。

米国の研究者が入手した内部文書によれば、日本人研究者が報告書を作成し、大手タバコ産業が報酬を支払いました。
この文書によると、タバコ産業は、CIAR(屋内空気研究センター)というタバコ産業が設置した外部団体を通じ、報酬を支払ったことを示しています。

1991年のタバコ産業重役のメモには、CIARが直接、報告書の報酬を支払うことは出来ませんが、「CIARがスポンサーになるのは、タバコ産業の関与を隠すためだという理由があるようです。
1つは、CIARを利用してプロジェクトを隠したいのでしょう。それを急ぐことは重要だと思います」と書かれています。

CIARによる不適切な行為を示唆する証拠はありません。研究者によれば、受動喫煙の害を隠すプロジェクトには他の大手タバコ産業も関与したという証拠もあります。

あるメモによると、タバコ産業の研究者Chris Proctorさんは、平山雄の研究の信用を失墜させるプロジェクトの黒幕だったようです。
完成した報告書は「受動喫煙が肺癌の危険を増加させるという直接的な証明は無く、平山雄の研究は非科学的であると結論しました」。
タバコ産業はDr Proctorさんの関与を隠そうとしたようです。

カリフォルニア大学の2名の研究者によって書かれたBMJの記事によれば、タバコ産業のために、英国のコンサルタントの名前で発表された1993年の報告書は、タバコ産業が後援していたことが知られています。
この報告は、日本人研究者により初期原稿が書かれましたが、Dr Proctor さんは、5000ドルの報酬を受け取ったこのコンサルタントが著者であると言っていました。
BMJの記事に利用されている文書についてタバコ産業は本物であると語りましたが、平山雄の研究を科学的に検証していると語りました。
タバコ産業のスポークスマンは「これは合法的活動です」と語りました。タバコ産業は報告書の中にタバコ産業の関与を明記していると語りました。
「公表された報告書にはタバコ産業が報酬を支払ったことが明記されています。」と語りました。

■1995年の論文。acknowledgementsに明記されている。
abstract
環境タバコ煙が肺癌の危険を増加させると言う直接的な証拠は無い...
acknowledgements
「資金を提供してくださいました複数のタバコ産業様に感謝いたします。日本からご協力下さいました帝京大学の矢野榮二教授に感謝いたします...」

Lee PN. "Marriage to a smoker" may not be a valid marker of exposure in studies relating environmental tobacco smoke to risk of lung cancer in Japanese non-smoking women. Int Arch Occup Environ Health 1995; 67: 287-294


2002/12/13  もっとたばこ増税をの声も 喫煙者は渋い顔 税制改正大綱  (共同通信ニュース速報)  

 十三日の税制改正大綱でたばこ一本当たり一円の増税が決まったのを受けて、喫煙者は憤る一方、たばこ規制強化を求める非政府組織(NGO)からは「今回の増税幅は小さすぎる」と不満が上がった。
 今年十月一日から路上での喫煙が禁止された東京都千代田区。“取り締まり”を受け、二千円の罰金を納めた会社員田中啓一さん(24)は「十箱近く買えたなぁ」とがっくり。
 「国や区には何の期待もしていないのに、税金や罰金だけ取られ、理不尽さを感じる」と怒りをぶちまけた。
 喫煙率が男女ともに全国一位の北海道。小樽市の会社員鍋田茂人さん(44)は「世間が禁煙化に向かっているだけに、仕方ないのかな」とあきらめ顔。
 「一本当たり十円―二十円の増税を求めていたが、一本一円の増税では禁煙効果は中途半端だ」と主張するのは、NGO「たばこ問題情報センター」の渡辺文学代表。
 「たばこの値段を倍にしても、本当に吸いたい人は買うはずだから税収は変わらないはずだ。むしろ大幅に増税して、その増収分を葉タバコ農家の転業支援などに使うべきだ。未成年者の喫煙も減る」としている。


2002/12/12  1円は中途半端じゃないか たばこ税値上げ幅で首相  (共同通信ニュース速報)  

 小泉純一郎首相は十二日、自民党税制調査会の相沢英之会長と首相官邸で会い、来年度の税制改正でたばこ税を一本一円引き上げるなどの与党三党の合意内容について報告を受けた。首相は「一円というのは中途半端じゃないか」と、引き上げ幅を大きくすべきだとの見解を示したが、最終的には合意を受け入れた。
 報告後、相沢会長は「(一本)二円という線があったが、諸般の情勢上こういうことで了解いただいた」と述べた。
 福田康夫官房長官も同日午後の記者会見で「たばこを吸わない私からすれば、(引き上げの)金額が少ないかなという感じがする」と感想を述べた。


2002/12/12  発泡酒10円、たばこ1円 与党合意、ワインも増税  (共同通信ニュース速報)  

 自民党税制調査会(相沢英之会長)は十二日午前の幹部会合で、二○○三年度税制改正で税項目の焦点となっている酒・たばこ税について、発泡酒を一缶(三五○ミリリットル)当たり約十円、たばこを一本約一円増税する方針を決めた。公明、保守両党も合意した。いずれも○三年五月から実施の見通し。
 発泡酒は一九九六年十月、たばこは九八年十二月以来の増税。企業減税の一方、大衆課税の強化など個人の税負担増により税収を確保する来年度改正の概要が確定した。
 来年度の先行減税規模はこれまで、増減税差し引きで一兆五千億円程度とみられていたが、酒・たばこの増税幅が減少したことで、一兆七千億―一兆八千億円に拡大する見通しだ。
 また幹部会は、法人事業税(都道府県税)への外形標準課税の導入時期を、総務省案通り○四年四月からにすることを確認した。
 財務省の改正原案は酒税について、ビールと発泡酒が代表するような同種とみなすことが可能な酒の間の税率の格差を二分の一に縮小することを提案したが、与党協議で公明党が反対を表明。
 自民税調は、格差是正を四分の一に圧縮することで妥協を図ることにした。実現すると、発泡酒とワイン(七二○ミリリットル)はそれぞれ一本当たり約十円、合成清酒(一・八リットル)で約二十七円の増税になる。
 たばこ税も、財務省案では一本当たり約二円の増税方針だったが、保守党の反対に配慮し増税幅を約一円に縮小した。


注:税金だけだと実際にはタバコ1本当り0.82円の増税。タバコ価格は1本1円上がります。


2002/12/12  NYの飲食店が全面禁煙に 他の大都市も追随の構え  (共同通信ニュース速報)  

【ニューヨーク11日共同】 米国最大の都市ニューヨークのブルームバーグ市長は十一日、市内のレストランやバーをほぼ全面禁煙とする条例案について、市議会側の同意を取り付けたと発表した。条例案は近く可決、九十日間の告知期間を経て施行される。
 ニューヨークに続き、シカゴやボストンなども近く同様の措置に踏み切る構えで、米国の大都市は今後、愛煙家にとって一層暮らしにくくなりそうだ。
 ニューヨーク市は現在、規模の小さいレストランやバー、カウンター席などでの喫煙を認めている。
 市長は「間接喫煙による従業員への健康被害」を理由に全面的な禁煙を主張。一方で「客足が落ちる」といったバーの経営者らの立場に配慮し、従業員が立ち入らない「特別喫煙室」を設ければ、そこでの喫煙は例外的に認めることで妥協した。
 条例施行で、市内の約一万三千軒のバーなどが影響を受けるとみられている。


2002/12/11  シカゴも屋内の喫煙を禁止へ (切明義孝氏訳)  

http://story.news.yahoo.com/news?tmpl=story&u=/ap/20021211/ap_on_he_me/smoking_ban_1
Chicago May Ban Smoking in Restaurants
Wed Dec 11,10:00 AM ET
By BRANDON LOOMIS, Associated Press Writer
CHICAGO (AP)

医師、喘息患者、さらにいくつかのレストランまでも、シカゴ市議会に、屋内では喫煙を一切禁じるよう要求しました。
火曜日、Christopher Butlerさん(18歳)は、シカゴの学生団体、その他青年団体を代表して、満員の健康委員会会議にて、「喫煙は子供を徐々に殺害する不法行為です」と、語りました。現在、市は、レストランの少なくとも30%を禁煙化したいと考えています。
Butlerさんは「レストランの禁煙席の面積は、トイレの面積の3分の1です」と、語ります。市は2つの提案を考えています。ひとつは、レストラン、スポーツ会場、職場、での喫煙を禁止すること、もう1つの提案は、バーについても喫煙規制の対象に含めることです。 他の州と都市でも同様の議論がありました。カリフォルニアでは既に、州全体でレストランとバーでの喫煙を禁止しています。
ニューヨーク市長のMichael Bloombergさんも同様の提案を行っています。
火曜日、市議会議員は禁煙団体からヒアリングを行いました。
1月7日、市議会議員は反禁煙団体からヒアリングを行う予定です。
Northwestern Memorial Hospitalの cardiology chief のRobert Bonow さんは「受動喫煙は鉛ペンキやアスベストより、さらに危険です」と、語りました。レストラン協会は喫煙禁止に反対する声明を発表しました。Colleen McShaneさんは「経営を考えたら規制は困難です」と語りました。しかし、Vincent Satkoff さんは、彼のSalpicon Mexican restaurant について、「数年前から禁煙ですが盛況です」と、反論しました。
「おそらく、夕食客で喫煙を望む客は150人中2名程度でしょう」彼は語りました。 Richard Daleyシカゴ市長は、バーはともかく、レストランでの喫煙禁止を支持すると語りました。


2002/12/11  <喫煙者ゼロ会社>トリンプ社員全員が禁煙宣言 奨励制度で  (毎日新聞ニュース速報)  

 禁煙宣言をすれば報奨金を支給する「禁煙奨励制度」を7月に導入した女性下着メーカー、トリンプ・インターナショナル・ジャパンは11日、常習的に喫煙していた社員全員が禁煙を宣言し、「喫煙者ゼロの会社になった」と発表した。同社は社員が健全な職場環境を作る努力をした結果だと評価し、制度の対象になった全社員307人に特別賞与として一律5万円を支給した。
 制度は、禁煙宣言をした社員の家族に報奨金3万円を、この社員の喫煙現場を“密告”した社員には「同僚の健康管理に貢献した」との理由で、協力金1万円を支給。密告で禁煙失敗が明らかになった社員は報奨金の倍の6万円を返納しなければならないシステム。
 同社で喫煙していた社員は計138人で、今月上旬までに全員が禁煙を申告する手続きを済ませた。今のところ禁煙の約束を破った社員は出ておらず、注目された密告のケースもないという。制度は今後も継続する。


2002/12/11  EU 「マイルド」は駄目  (NHKニュース速報)  

 EU=ヨーロッパ連合が、たばこの名前に「マイルド」などといった表現を使うのを禁止する規制を打ち出したことに対し、日本たばこ産業などが「規制はEUの権限を越えている」などと訴えていた裁判で、EUの司法裁判所は十日、訴えを退け、規制が実施される見通しになりました。
 この裁判はEUが、たばこの名前に「マイルド」や「ライト」などといった健康への害が少ないと消費者に思わせる表現を使うのを禁止する規制を打ち出したことに対し、日本たばこ産業とイギリスの大手たばこ会社二社が「規制はEUの権限を越えており違法だ」などと主張して、EUの司法裁判所に訴えていたものです。
 これに対し、裁判所は十日、「EUは域内で販売されるたばこの名前を規制する権限を持つ」として、今年九月の一審に続いて、たばこ会社側の訴えを退ける判決を出しました。
 これによって判決が確定し、来年十月までには規制が実施される見通しとなりました。
 日本たばこ産業は、また裁判で「主力商品に使われている『マイルド』という表現は商標の一部であり、EUの規制の対象とはならない」と主張しており、日本たばこ産業では「判決がこうした主張も退けているかどうか、詳細に検討したい」としています。


2002/12/11  ベルギーGP開催不能に たばこ広告禁止で  (共同通信ニュース速報)  

【ブリュッセル10日共同】  スポーツ大会の場などでたばこ広告を禁止する法律がベルギーで来年八月に発効することになり、毎年夏にスパフランコルシャンで行われていた自動車レース、F1シリーズのベルギー・グランプリ(GP)が開催不能に追い込まれた。
 ベルギー下院が十日、禁止法の発効延期を求める法案を否決したため。禁止法が施行されると、同国でのGP開催には、F1の有力スポンサーであるたばこ会社の広告をマシンから外すことに全参加チームが同意することが必要条件となることから、開催が不可能になった。ベルギーGPの開催を保留していた国際自動車連盟(FIA)は、議会決定を受け近く正式に中止を決定する。
 ベルギーGPが地元に落とすお金は二千五百万ユーロ(約三十一億円)。期間中は二千五百人の雇用が生み出されていただけに、地元経済への悪影響を心配する議員らが発効を二○○六年まで延期する法案を提出、上院は通過したものの、下院で紛糾の末に否決された。
 欧州連合(EU)は今月二日、ベルギーと同様のたばこ広告規制強化法令を採択、○五年の実施を目指しており、今後、欧州でのF1開催はベルギーと同じような問題に直面する可能性が高い。F1関係者の中には、将来的にGP開催は中国などEU域外に移るとみる向きもある。


2002/12/10  たばこ増税求める要望 国会議員や市民団体  (共同通信ニュース速報)  

 来年度の税制改正で焦点となっているたばこ税増税をめぐり、超党派の国会議員で作る禁煙推進議員連盟の国会議員ら四十四人は十日、たばこ税増税を要望する決議をまとめた。
 決議は喫煙による健康被害は、科学的に証明されているが、日本の消費抑制策は諸外国に比べて大幅に遅れている指摘。消費抑制には増税が最も有効とし、増税分を喫煙による健康被害を救うための医療費として使うことを求めている。
 また、日本禁煙推進医師歯科医師連盟やたばこ問題情報センターなど三団体は同日、たばこ一本につき十円から二十円の大幅な増税を求めた一万六千人分の署名と申し入れ書を財務省に提出した。
 たばこを一箱千円にすると喫煙者は千七百万人減り、死者も三万人減少、医療費も大幅に削減され、税収は一兆円増えるという医療経済研究機構がまとめた調査を紹介。たばこ増税は税収増、医療費削減、喫煙者減少といった一石三鳥の効果があると訴えている。


2002/12/10  たばこ増税を要望=国会議員44人  (時事通信ニュース速報)  

 超党派の国会議員でつくる「禁煙推進議員連盟」(綿貫民輔会長)の呼び掛けに応じ、小宮山洋子参院議員(民主党)ら国会議員44人は10日、たばこ税増税を要望する決議をまとめた。喫煙による健康への悪影響を訴え、たばこの消費抑制には増税を伴う価格政策が最も有効としている。


2002/12/10  たばこ増税賛成署名提出 禁煙運動の3団体  (朝日新聞ニュース速報)  

 「たばこ問題情報センター」(渡辺文学代表)など禁煙運動に取り組む3団体が10日、03年度税制改正の焦点になっているたばこの増税に賛成する1万6000人分の署名を財務省に提出した。
 日本たばこ産業(JT)などが10月から増税反対の署名を集めているのに対抗して、医師らが集まる学会の会場やインターネットを通じて集めた。
 同日記者会見した渡辺代表らは、増税で価格が大幅に上がれば喫煙者や医療費の減少にもつながり、特に未成年者の喫煙防止に大きな効果があると主張。検討されている1本2円程度の増税では健康を守るには不十分だとして、1本10〜20円の増税を求めた。
 また、超党派の国会議員でつくる禁煙推進議員連盟(綿貫民輔会長)の事務局長を務める小宮山洋子参院議員(民主)らが同日記者会見し、議連に加わる議員ら44人が増税を求める決議文に署名した、と発表した。
 小宮山さんらは「医療費の抑制には、たばこの消費抑制が最も有効」とし、増税の趣旨に「健康被害を抑止するため」との内容を加えるよう求めた。


2002/12/10  与野党有志議員 たばこ税引き上げを決議 健康被害抑制に有効  (NHKニュース速報)  

 来年度の税制改正の焦点のひとつになっているたばこの税率の引き上げについて、きょう与野党の国会議員の有志がたばこによる健康被害を抑えるには消費を抑えることが有効だとして、たばこの税率の引き上げを求める決議を行ないました。
 これは禁煙を推進する議員連盟のメンバ―の自民党の清水元環境庁長官と民主党の小宮山洋子(コミヤマヨウコ)参議院議員が記者会見して発表したものです。
 それによりますと、決議には与野党の国会議員四十人余りが賛同し、たばこによる健康被害が科学的に証明されている中で高騰する医療費を抑制する必要があるとした上で、健康被害を抑えるには消費を抑えることが有効だとして、たばこの税率の引き上げを求めています。


2002/12/10  46年ぶりの議員提案 北海道議会に空き缶条例案  (共同通信ニュース速報)  

 自民党北海道議会議員会は十日、空き缶やたばこの吸い殻の投げ捨てを禁止する罰則付きの条例案を、議員提案することを決め、条例素案を公表した。
 各会派との協議後、来年二月に提案するが、同党は過半数を占めており、条例案の可決は確実。道議会では一九五七年以来、四十六年ぶりに議員提案の条例ができる見込みだ。
 条例案は空き缶の投げ捨てに二万円以下の過料を課し、努力規定としてたばこの吸い殻や散乱した印刷物の回収などを定める。「環境美化促進地区」の指定や「空き缶等散乱防止月間」の設置なども盛り込んだ。
 同議員会は昨年八月、議員提案による条例制定の検討を開始。「拾う側とのイタチごっこが続き、捨てる側の規制が必要」との声が強く、同条例の勉強会を重ねた。同党政策審議委員長の原田裕道議によると、議会事務局に昨年度、政策調査課が設置されたことも、追い風となったという。
 原田委員長は「条例がゴミ捨て防止の啓発に寄与できれば」と効果に期待を寄せている。


2002/12/10  たばこ表示で企業が敗訴  (共同通信経済ニュース速報)  

【ブリュッセル10日共同】
 欧州司法裁判所(ルクセンブルク)は10日、たばこの箱に「ライト」「マイルド」などと表示することを禁止した欧州連合(EU)の法令は正当だとして、たばこ会社2社の訴えを退ける判決を出した。
 EUの法令は「ライト」などの表示がたばこの害について消費者に誤解を与える可能性があるとして、来年10月から表示を禁止。同時に箱の表裏にそれぞれ30%と40%以上のスペースで健康への悪影響を明示するよう命じている。
 これに対して、インペリアル・タバコとブリティシュ・アメリカン・タバコが不当だとして訴えていた。
 日本たばこ産業(JT)は「マイルドセブン」は商標であるとして同裁判所に別の訴えを起こしている。


2002/12/ 7  たばこ自販機ついに消滅? 喫煙対策担当の厚労省  (共同通信ニュース速報)  

 職場にたばこの自動販売機は必要か―。喫煙対策の旗振り役の厚生労働省は七日までに、庁舎内の自販機撤去に向け検討を始めた。「たばこの害を啓発する立場を踏まえ、足元から見直すべきだ」という外部からの指摘がきっかけ。利便性を考えて「残してほしい」という愛煙家職員も多く、“たばこ自販機論争”が起きそうな雲行きだ。
 厚労省が環境省とともに入居する東京・霞が関の中央合同庁舎第五号館には現在、八台のたばこ自販機がある。庁舎内の自販機を取り扱っている業者に、建物全体を管理する厚労省側が自販機の設置台数を割り当てているという。
 たばこ自販機をめぐっては、今後の喫煙対策の在り方を話し合うため十一月に開かれた同省厚生科学審議会の部会で、委員が「たばこの害を啓発する役所に自販機が置かれているのはおかしい」と指摘。喫煙対策を担当する生活習慣病対策室が、自販機を所管する福利厚生室に指摘を伝え、撤去の検討を要請した。
 だが、庁舎内のたばこ自販機は「利用する職員が少なくなく、現状ではまだニーズがある」との判断で設置されており、すぐに全面撤去を実現するのは難しいという見方もある。
 厚労省はここ数年、五月三十一日の世界禁煙デーに合わせた禁煙週間中だけ、自販機の電源を切り利用できないようにしてきた。台数も十数台あった七、八年前より減っている。
 ただ、来年五月にはたばこの害を啓発する基本方針の策定を盛り込んだ健康増進法が施行されることもあり、生活習慣病対策室の大江雅弘室長は「省内が一体となってきっちり対応をしたい」。
 こうした状況に一日二、三箱吸うという職員は表情を曇らせ「外に買いにいくのは大変。せめて何台か残して」と話している。


2002/12/ 7  姫路市庁舎の分煙開始  (朝日.comの記事へのリンク)  

 姫路市役所は1日から、市庁舎内での分煙を始めた。原則として執務室や会議室、トイレ、廊下などは終日禁煙になり、市職員のほか、市役所を訪れた市民にも協力を求めている。
 市庁舎内ではこれまで、会議中や公用車内、エレベーター内などを除いて自由に喫煙できたが、職員や市民がのどの痛みを訴えるなど分煙化を求める声が高まり、受動喫煙による非喫煙者への健康被害を防止しようと実施を決めた。
 分煙は、庁内の各階に喫煙室や喫煙コーナー計28カ所を設け、換気扇で煙を屋外に排気する。食堂は禁煙となり、喫茶コーナーは喫煙席と禁煙席に区分する。職員会館も原則禁煙になる。
 同市は、庁舎玄関などに掲示板を設置して、職員や市民に協力を呼びかけている。


2002/12/ 4  こちらは増税大賛成 禁煙推進派が署名活動  (共同通信ニュース速報)  

 たばこ業界などの増税反対署名キャンペーンに対抗し、「国民の健康と税収増を同時に確保しよう」という増税大賛成の署名活動を、日本禁煙推進医師歯科医師連盟(東京)などが共同で繰り広げている。
 インターネットなどで集めた署名は四日までに約一万三千で、業界側が各種広告で呼び掛けて十一月末までに集めた六百万近くよりはるかに少ない。しかし、業界側の広告「税率6割」をパロディにした「外国のたばこは税率8割」「嗜好(しこう)品でなく死向品」などのアピールに、支持は増えているという。
 署名は、業界側署名が始まった約一週間後の十月下旬に開始。国内外の調査結果をもとに@先進国の税率は通常七―八割で、日本の六割は低いA増税による値上げで禁煙者が増えれば、喫煙が原因の死亡者を減らせるB値上げは未成年者の喫煙率低下に効果的―などと主張している。
 署名の主催者は「増税分をたばこ農家の転作奨励や販売店の転業対策にも充てれば、広く理解が得られるのではないか」としている。
 署名のホームぺージは http://www.nosmoke-med.org/signature/


2002/12/ 4  福岡市も歩きたばこ禁止へ 罰則付き、全国2例目  (共同通信ニュース速報)  

 自民党福岡市議団は四日までに、罰則付きの歩きたばこ禁止規定を盛り込んだ「人に優しく安全で快適なまち福岡をつくる条例案」をまとめた。十一日開会の十二月市議会に提出、可決される見通し。
 市議団によると、罰則付きの禁止条例制定は東京都千代田区に次いで全国二例目。合掌造り家屋の白川郷で知られる岐阜県白川村でも来年、同様の条例を制定する予定で、自治体による歩きたばこ規制の動きが各地に広がっている。
 条例案は、市長が指定する「路上禁煙地区」で「歩行中または自転車に乗車中に喫煙してはならない」と定め、違反者には二万円以下の過料を科す。禁止地区はまだ決まっていないが、人込みの激しいJR博多駅周辺や、天神地区などが想定されるという。
 罰則のない努力規定ながら@市内全域で歩きたばこをしないA屋外で喫煙する際は吸い殻入れを携帯する―など喫煙者のマナー向上を促す規定もある。ペットのふんの後始末や、自転車放置や落書きの禁止など、広範囲な分野でのモラル向上を求めているのも特徴だ。
 千代田区では条例施行から一カ月が過ぎた十一月から、条例で定めた過料の上限額の十分の一に当たる二千円を違反者に科している。福岡市の条例は議員提案のため市当局の態勢づくりはこれからだが、山崎広太郎市長は「市議会と相談して効果があるように対応したい」と、積極姿勢を見せている。
 条例をまとめた自民党の光安力市議は「喫煙者からも『歩きたばこは危険でマナー違反も目に余る』という声が多い。喫煙者を非難するのではなく、場所を考えてほしいということだ」と話している。


2002/12/ 3  禁煙条例 投げ捨て激減  (NHKニュース速報)  

 道路でタバコを吸うことを禁じた東京・千代田区の条例で、罰則の適用が始まって一か月になりますが、千代田区が調査した結果、道路に落ちているタバコの吸殻は、条例前はおよそ千本あったものが二十七本まで激減していることがわかりました。
 東京・千代田区の有楽町や秋葉原など駅の周辺の道路では、今年十月から条例でタバコを吸うことが禁じられ、先月からは違反した人は二千円の罰則の支払いを求められています。
 この条例の効果を見るため、千代田区がJR秋葉原駅の近くの四か所で道路に落ちているタバコの吸殻の数を毎週調べたところ、条例がスタートした十月以前はあわせておよそ千本の吸殻が落ちていたものが、条例が始まった直後に二百八本まで減り、さらに罰則を適用するようになってほぼひと月が経過した先週には二十七本にまで激減したということです。
 またこの一か月間で罰則を適用されたのは七百四十九人で、一日平均およそ二十五人になり、このうちの六十%の人はその場で二千円を支払ったということで、千代田区は「条例への理解が進んでいるうえ、思っていた以上に効果が出ている」と話しています。


2002/12/ 2  EUの厚生大臣がタバコ広告禁止支持 (切明義孝氏訳)  

http://story.news.yahoo.com/news?tmpl=story2&cid=571&ncid=571&e=3&u=/nm/20021202/hl_nm/tobacco_advertising_dc_1
EU Health Ministers Pass Tobacco Advertising Ban
Mon Dec 2, 4:31 PM ET

BRUSSELS (Reuters)
EUの厚生大臣は月曜日、ラジオや印刷物そしてインターネットなどの主要なメディアによるタバコ広告規制を強化する、厳しい新法を支持しました。EUは既に、テレビでのタバコ広告を禁止しています。そして、EUのほとんどの加盟国は、より厳しいタバコ広告規制を実施しています。新しい法律はEU15カ国における様々な法律の基準となることを目的にしています。この法律は様々なメディアによるタバコ広告を明確に禁止しています。デンマークのHealth and Interior 大臣 Lars Loekke Rasmussenさんは、公開討論会の後、法案に投票し、「我々が正真正銘の多数派です」と語りました。
この投票は、今、法律が採択され、EUの新聞や広報に発表されるとともに効力を発揮することを意味します。ポスター、屋外広告(ビルボード)、映画、そして洋服のタバコのロゴなどのいわゆる間接広告は規制されません。しかし、EU加盟国は、それぞれの国民が禁止を希望すれば、これらについても禁止することが可能です。
しかし、EU外で出版される雑誌と地域誌は規制の対象ではありません。英国とドイツはこの法案に反対しましたが、承認されました。
「もし、EU指令に何らかの差異があれば、タバコ産業はこれを無効にしようと模索するでしょう」英国健康長官 Alan Milburnさんは語りました。ロンドンの主な心配は、この法律が訴訟に耐え得るかということです。この法律に反対したドイツは、地方紙に対する規制が無ければ同意は可能だと語りました。
この法案を書いた欧州委員会は、欧州司法裁判所がブリュッセルに健康政策を行う権限を与えてから2年の後、欧州委員会はEU加盟国が管理する地域のためにこの法案を作成しました。


2002/12/ 2  EUがたばこ広告禁止強化  (共同通信経済ニュース速報)  

【ブリュッセル2日共同】欧州連合(EU)は2日の雇用・社会問題・保健・消費者問題担当相理事会で、EU域内でのたばこ広告を全面的に禁止する法令を採択した。欧州議会での禁止法令採択を受けた措置。加盟国が国内法に取り込んだ後に発効する。
 EU域内では、既にテレビでのたばこ広告が禁止しされており、今後は新聞・雑誌などの印刷物、インターネットやラジオ、国際的なスポーツイベントでの広告も禁止される。
 さらに、たばこ会社が自動車レースのフォーミュラワン(F1)などのイベントのスポンサーになることも禁止した。
 EUは以前にも同様の法令を定めたが、ドイツが広告会社などの意向を受けて欧州司法裁判所に提訴。同裁判所が禁止はEU法令に反するとの判断を示したため、法令策定を最初からやり直していた。


2002/12/ 2  受動喫煙「不快、改善」は8割 京都市役所分煙アンケート  (京都新聞記事)  

 京都市職労女性部はこのほど、市役所本庁舎内のたばこの分煙に関する職員アンケート結果をまとめた。6割近くが「完全な分煙」など何らかの改善策を求めており、たばこを吸わない人が喫煙者の煙を吸ってしまう受動喫煙については「改善すべき」「不快」と答えた人が8割を超えた。
 市職労が分煙問題でアンケート調査を行ったのは、今回が初めて。9月に用紙を配り、678人から回答を得た。
 職場内の喫煙者の割合はトップが「極少数」で42%、「4分の一」が40%で続き、喫煙者は「少数派」だった。庁内では禁煙タイムも広がっているが、今後の対策として「全面禁煙」が29%、「完全分煙」が24%などととなり、半数以上が何らかの改善を求めている。
 副流煙の健康被害が指摘されている受動喫煙については「不快」が58%、「気にならないが改善すべき」が26%を占めた。
 市総務局によると、分煙などの対応は各課ごとで異なる。区役所などを含めた市役所全体では、禁煙タイムなどを実施している職場が47%、全面禁煙が28%となっている。現在は分煙スペースを確保するよう各課ごとに依頼しているという。
 市職労女性部は「職場では『禁煙にしましょう』と声をあげるのは難しい。禁煙タイムの実効性にも疑問があり、執務室内に喫煙スペースを確保する分煙を確立すべきだ」としている。


2002/11/30  仙台の市立校、来年度から「タバコだめ」…先生には断煙の機会に? /宮城  (毎日新聞宮城県版)  

◇喫煙者は少数派、反対言いにくく
 来年度始まる仙台市立学校の敷地内全面禁煙で、藤井黎(はじむ)市長の19日の突然の発表に、現場の先生から批判の声が上がっている。たばこの害を率先して子供たちに訴える趣旨には賛成だが、トップダウン方式すぎるとして「喫煙者の人権無視」「まず話し合うのが民主主義」との声も出ている。ただ、嫌煙の風潮の中で批判も小声の恨み節にとどまっている。
 市教組によると、市教委からは事前に「全面禁止」の直接の相談はなく、両者は「校内分煙」の進め方を議論していたところだという。市教組は「喫煙コーナー設置や灰皿回収などに取り組んでいたところで、今回の決定は突然すぎる」と困惑。市高教組も「害は分かるが、話し合って決めるべきだ。人間の多様性も否定しかねない」と指摘しており、両組合は12月中旬の市教委との話し合いで見解をただす方針だ。
 ただし喫煙者は劣勢。28日の県教組の会合では、「仙台市の決定は現場無視では」と上げた声に、非喫煙者の先生から「先生が率先するのは当然」とすぐ反論されたという。ある小学校教諭は「短い休み時間ごとに、校外に出るわけにもいかない。事実上、禁煙しろということ」。別の組合幹部も「喫煙所新設に比べ、全面禁煙だと費用はゼロ。反対意見も言いにくく、簡単で効率的な市長のパフォーマンスに負けた」と嘆いた。
 市教委によると、市立校教員約6200人のうち、喫煙者は約18%と少数派。全面禁煙措置に向け、教委では先生向けの禁煙プログラム策定も目指している。【高橋昌紀】
 ◇県立高では「推移見守る」−−教育長
 私は吸わないんですけれど――。仙台市が市立学校での全面禁煙を決めた中、県議会本会議でも29日、一般質問で県立高校での全面禁煙を求める質問が出た。これに対し、千葉真弘教育長はこう前置きした上で「完全分煙化を図っており、しばらくはその推移を見守りたい」と答えた。
 県教委福利課によると県教委は昨年6月、県立高での完全分煙の実施を通達。職員室は禁煙となり、休憩室や廊下、ベランダなどが「喫煙室」となっている。だが、教育上の問題からも「生徒の見えない場所で吸う」との前提があり、先生たちは人目をしのぶように吸っているのが現状だ。
 千葉教育長は自らが「非喫煙者」だと主張しながら、「方向性としては敷地内全面禁煙が望ましいと思う。だが、昨年6月に通達したばかり。校庭のどこで吸うかも法律で禁止されている問題ではないので、みなさんの理解を得ながら時間をかけて検討したい」と答えていた。【飯山太郎】

※教育長の「校庭のどこで吸うかも法律で禁止されている問題ではない」であるが、少なくとも、喫煙場所が他人にタバコ煙を吸わせない場所でなくてはならないことは、健康増進法第25条規定の通りである。


2002/11/30  飲食店の禁煙・分煙を促進 「空気もおいしいお店」 道が登録始める  (北海新聞記事へのリンク)  

 道は一日から、禁煙や分煙を徹底しているレストランなどを「空気もおいしいお店」として登録する事業を始める。
 市立保健所を持っている札幌、旭川、小樽、函館の四市を除く道内市町村の外食店が対象。その店が完全禁煙としているか、喫煙室や集煙装置などを設け、喫煙、禁煙のスペースを分離していることなどが条件となる。店からの届け出を受け、道立保健所が現地調査を行った上で登録する。
 登録店にはステッカーを交付して店頭に張ってもらうほか、希望により道のホームページで紹介する。登録期間は二年間で、更新可能。
 道内の喫煙率(男性57・2%、女性22・6%)は全国平均(男性49・1%、女性14・0%)を大きく上回っており、北海道は全国九地方の中で最悪だった。道地域保健課は「『空気もおいしいお店』事業を通じ、煙のない食生活を推進したい」と話している。


2002/11/30  健康増進法、来年5月施行=政府  (共同通信ニュース速報)  

【ロンドン29日共同】ノルウェー政府は二十九日、レストランやバーを二○○四年一月から法律で全面的に禁煙にすることを明らかにした。米国やカナダでは州や市単位で、駅など公共の場所を禁煙にしているところがあるが、国中のレストランを禁煙にするのは世界で初めてという。
 ホイブローテン保健相は「たばこを吸わないお客と同様に、レストランの従業員を煙の害から守るため」と狙いを説明している。
 ノルウェーはかつて、中国と並び世界で最も喫煙率が高い国だった。たばこの吸い過ぎによる健康問題を深刻に受け止めた政府は、十四年前に「禁煙法」を制定、駅やオフィスでの喫煙を全面的に禁じた。しかし、愛煙家の煙にさらされることが多いレストランやバーで働く人は保護されていなかった。
 ノルウェーでは、間接喫煙が原因とみられる病死者が約四百五十万人の国民のうち年間三百五十―五百五十人に上る。このため、たばこを吸わない人を守ることが課題となっていた。
 レストランやバーでは既に、たばこの煙がこもるような場所は禁煙にしているところが多いが、店主らの間からは、法律で強制的に全店禁煙にするのは現実的でないと不満の声が上がっているという。


2002/11/28  山形県の県立2高校、校舎・敷地内全面禁煙に  (アサヒコム山形版記事へのリンク)  

 山形県東根市の県立東根工業高校が12月1日から、同尾花沢市にある北村山高校が来年1月から校舎、敷地内を実施します。東北中央病院で禁煙外来を担当する大竹修一放射線科部長が行った禁煙教育の講演がきっかけになったとのことです。


2002/11/28  健康増進法、来年5月施行=政府  (時事通信ニュース速報)  

 政府は28日の事務次官会議で、国や地方自治体に国民健康・栄養調査の実施などを求めた健康増進法の施行期日を2003年5月1日とする政令案を内定した。29日の閣議で正式決定する。
 同法の主な柱は、(1)国と自治体に対し、がんや脳卒中など生活習慣病の発生状況の把握を求める(2)学校、飲食店、デパート、官公庁などの管理者に、受動喫煙の防止措置を講ずるよう努力義務を課す−など。国民の健康増進を通じた医療費抑制が狙い。


2002/11/28  日光も「歩きたばこ禁止」条例制定へ  (読売新聞ニュース速報)  

 世界文化遺産を守ろうと、栃木県日光市は、「歩きたばこ禁止」条例を制定する方針を固めた。市全域もしくは大半を含む広いエリアを規制対象とする方向で、来春以降の実施を目指す。既に実施している東京都千代田区や、世界遺産「白川郷合掌造り集落」を守るために制定を検討中の岐阜県白川村と違って罰則規定は設けず、あくまでも観光客に禁煙を呼びかけるという。
 日光市には、世界遺産「日光の社寺」として東照宮、輪王寺、二荒山神社の103の建造物がある。これらを火災から守ると共に、日光国立公園などの自然保護や年間600万人以上が訪れる観光都市としてのイメージアップを図るのが狙い。


2002/11/27  SIDS予防電話相談 県内10カ所であす、あさって−−県 /島根  (毎日新聞-ヤフーニュース)  

 県は28、29両日の午前9時半〜午後4時(正午〜午後1時は休み)、乳幼児突然死症候群(SIDS)予防のための電話相談を健康福祉センターなど県内10カ所で行う。
 SIDSは睡眠中の赤ちゃんが突然、死亡する病気。国内では2000人に1人の割合で発症し、昨年は全国で328人が亡くなった。乳児の死亡原因の3位で、詳しい原因は解明されていないが、うつ伏せ寝をやめる▽親がたばこをやめる▽できるだけ母乳で育てる――などで予防効果があるとされている。
 厚生労働省のSIDS対策強化月間に併せ、電話でSIDS予防の相談のほか、育児に関する悩みや乳幼児の健康相談も受ける。各地の健康福祉センターと隠岐支庁健康福祉局、各支所で。 【阿部雄介】(毎日新聞)


2002/11/27  たばこの怖さ、医師が出張授業−−伊勢市立有緝小の6年生 /三重  (毎日新聞-ヤフーニュース)  

 伊勢市船江の市立有緝小(小松ゆき子校長)で26日、たばこの害について、医師から話を聞くユニークな授業があった。
 同校は、若いうちからたばこを吸わないように、6年生の保健の授業で指導。伊勢市医師会に指導を求めたところ、出張授業が実現した。講義を受けたのは、6年1組の児童35人。午後から、コンピューター室で、同医師会会長の角前泰之医師(58)の話を聞いた。
 「無煙世代を育てよう」がテーマで、日本では戦後になってから喫煙者が増加したことや、並行してがんの死亡率も増えていることを紹介。たばこのニコチンの影響で、足が黒く腐った写真を見せたりした。
 講義を受けた児童たちは、「お父さんにもやめるよう話す」「自分は絶対に吸わない」などと、感想を述べていた。【石塚誠】(毎日新聞)


2002/11/21  千代田区先例に、韓国で歩きたばこ規制法案論議  (読売新聞ニュース速報)  

 韓国で、歩行者が多い通りを地方自治体首長が禁煙区域に指定し、歩きたばこを規制できるようにする法案が国会に提出され、論議を呼んでいる。
 20日付韓国日報紙によると、法案を提出した野党ハンナラ党の李根鎮議員は「ソウルの明洞など特定の繁華街を対象にするのだから、過度の規制ではない。東京都千代田区の先例もある」と説明。これに対し、愛煙家団体は「国民が守れるような現実的な法を作るべきだ」と反発している。
 韓国でも愛煙家は多いだけに、担当省庁の保健福祉省関係者も「(国レベルで)歩きたばこを規制するのは世界でも前例がない。法的に妥当かどうか検討する」と慎重な姿勢だ。(ソウル支局)


2002/11/21  EU、たばこ広告禁止へ  (共同通信ニュース速報)  

ブリュッセル20日AP=共同】欧州連合(EU)の欧州議会は20日、EU域内で新聞や雑誌、インターネット、ラジオ放送、国際的なスポーツイベントでのたばこ広告を禁止する法令を採択した。たばこ会社が自動車レースのフォーミュラワン(F1)などのイベントのスポンサーになることも禁じている。
 欧州委員会のデビッド・バーン委員(保健・消費者保護担当)は採択を歓迎、EU各国の批准などにより、2005年7月には広告禁止が発効するとの見通しを示した。
 EUは以前にもたばこ広告の全面禁止を提案したが、たばこ・広告会社の支持を背景に反対したドイツ政府などが提訴。欧州司法裁判所はドイツの訴えを認めていた。
 EU圏内ではたばこのテレビ広告は既に禁止されている。


2002/11/20  買い入れ価格引き下げ JT、03年産の葉タバコ  (共同通信ニュース速報)  

 日本たばこ産業(JT)は二十日、二○○三年産の葉タバコの買い入れ価格を、前年比1・87%引き下げ、一キロ当たり千八百八十円九十八銭にすると発表した。買い入れ価格の引き下げは一九八八年以来十五年ぶり。
 また、○三年のタバコ耕作面積は二万三千四百十ヘクタールとし、前年と比べて三百十ヘクタール減らす。
 JTは同日午前、同社の諮問機関である「葉たばこ審議会」に買い入れ価格と耕作面積を諮問、諮問通りの答申を得た。


2002/11/19  子供たちの心血管系に対する受動喫煙の害 (切明義孝氏訳)  

http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/2489767.stm
Tuesday, 19 November, 2002, 00:25 GMT
Child passive smoke damage spotted

研究により、子供たちの前でタバコを吸う親による、子供たちへの被害が明らかにされました。受動喫煙に曝露されている子供たちの血液中化学物質レベルが著しく高いことから、子供たちの血管壁は既に障害を受けているらしいことが示されました。
反タバコ活動家は、米国の心臓病会議で紹介された発見について、両親はタバコ煙から子供たちを守る努力を強化する必要があると語りました。University of Viennaの研究チームは3歳から15歳までの子供たち158人の血液と尿のサンプルを採りました。そして、彼らは8-epi-PGF2alphaと呼ばれる化学物質を調べました。
この物質は "free radicals"と呼ばれる物質がarachidonic acidと接触することにより生じます。arachidonic acidは血管の弛緩と収縮をコントロールする重要な化学物質であり、血栓を防ぐ作用があります。このarachidonic acidの活性が障害されると、理論上、血管内皮細胞層の適切な働きを止め、動脈硬化を促し、心疾患を引き起こします。
加速される障害
この障害は一生を通じて蓄積されると考えられており、喫煙により加速されます。しかしながら、親の喫煙により、受動喫煙に曝露された幼い子供たちでも、8-epi-PGF2alphaのレベルが上昇します。もし、両親が1日40本のタバコを吸っているならば、両親がタバコを吸わない場合と比べて、8-epi-PGF2alphaのレベルは130%も高くなります。母親の喫煙による影響はさらに明瞭な影響を及ぼします。研究を率いた Helmut Sinzinger さんは「母親による子供への受動喫煙の影響が大きいのは、父親に比べ、家庭でより密接に子供たちと接するからでしょう」と、語りました。「子供たちがいる場合、両親はタバコを吸わないように注意されるべきです」「米国と西ヨーロッパでは、約半数の子供たちが、何らかの形で受動喫煙に曝露されています。子供の頃に受動喫煙に曝露されると、後々、心疾患の引き金になる可能性があります」
強調
反タバコ団体Action on Smoking and HealthのAmanda Sandfordさんは、両親に対し、子供たちの周囲でタバコを吸わないよう、強調します。彼女は語ります。「受動喫煙が子供たちの健康障害を引き起こすという証拠は、時間の経過と共に、強固になっています」「子供たちの体はタバコ煙による有害な作用を受けやすいようです」「喫煙者は子供たちの前で自由に喫煙して良いと感じているようです」


2002/11/19  しらさぎ、加越の新型公開 初のパソコン電源も JR西日本  (共同通信ニュース速報)  

 北陸地方と名古屋、米原を結ぶ特急「しらさぎ」「加越」の新型が来年春に導入されるのを前に、JR西日本金沢支社は十九日、報道関係者に新型車両を公開した。在来線では初めてとなるパソコン用コンセントとグリーン車喫煙コーナーを新設したのが特徴。
 車体は白に青、黄色の線が入ったデザインに一新。各車両の最前列と最後列の座席にはコンセントと大型テーブルを設けた。これまで全面禁煙だったグリーン車に、空気清浄器付きの喫煙コーナーができた。
 しらさぎは富山―名古屋間を一日七往復、和倉温泉(石川県)―名古屋間を一往復。加越は金沢―米原(滋賀県)間を七往復する。来年秋までに全車両が新型に置き換わる予定。

注:タバコ煙に無効だとされている空気清浄器が使われることは問題です。


2002/11/19  仙台市が市立学校を禁煙に 幼稚園含め来年4月から  (共同通信ニュース速報)  

 たばこの煙による健康被害から子どもたちを守ろうと、仙台市の藤井黎市長は十九日、市立の幼稚園と全学校を来年四月から全面禁煙とする方針を発表した。
 対象となるのは、市立の幼稚園、小中学校、高校、養護学校の計百九十五施設。「敷地内から一切の煙を排除し、分煙も認めない」(藤井市長)という。
 仙台市教育委員会によると、公立学校の全面禁煙は和歌山県が本年度から全県的に実施しており、宇都宮市も来年度から導入する方針だが、幼稚園まで対象に含めたのは初めて。
 外部からの来訪者も禁煙で、運動会などの行事でも禁煙を徹底。来年四月から半年間かけて周知を図り、二学期が始まる十月十四日から完全実施するという。

(読売新聞ニュース速報)
 仙台市は19日、市立小中高校、養護学校、幼稚園195校・園すべての敷地内を来年度から全面禁煙にすると発表した。市教委によると、幼稚園まで含めた実施は全国初という。
 市教委の調べでは、市内の教職員の喫煙率は18%。9割近い学校で職員室のベランダに限るなどの分煙化が進み、会議中の禁煙も実施しているが、「喫煙を注意する教師が吸う姿が生徒の目に触れるのは好ましくない」(教育指導課)などと判断した。運動会などの学校行事で訪れる保護者ら、来校者も対象となる。ただ、違反した場合の罰則は検討しておらず、市教委では「大人の良識に期待したい」としている。
 日ごろ、校長室の換気扇の下で吸っているという同市青葉区の中学校長は「愛煙家にとってはつらい」としながらも、「子供に範を示すためにも我慢せざるを得ない」と、早くも覚悟を決めていた。
 日本学校保健学会は昨年11月、学校の禁煙化を提言。仙台市は、今年3月、非喫煙率を2010年までに男性70%(現状56%)、女性90%(同84%)に目標設定。防煙教育の充実も掲げている。


2002/11/18  空気清浄機メーカーに警告  表示法違反の恐れと公取委  たばこの煙のガスは困難  (共同通信ニュース速報)  

 インターネットのホームページ(HP)に「タバコの煙問題をすべて解決します」と、実際の能力以上の記載をして、空気清浄機などの分煙システムをPRしていた大手メーカーに、公正取引委員会が景品表示法違反(優良誤認)の恐れがあるとして、警告していたことが十八日、分かった。
 たばこの煙に含まれる発がん物質など約二百種といわれる有害物質は、煙のほとんどを占めるガス状物質中にある。しかし、清浄機が除去できるのはガス状物質以外の粒子状物質で、有害物質の多くは、現在の技術では除去困難とされている。
 このため、兵庫県で禁煙指導をしている山岡雅顕医師が、オフィスや公共施設向けの機器を製造、販売する「トルネックス」(東京)の記載について「不当表示だ」として今年四月、公取委に申し立てていた。
 山岡さんによると、HP以外にカタログにも、ガス状物質を除去できないことには触れずに「クリーンな空気を約束する」などとの記述があった。
 山岡さんは、こうした表示について昨年から会社側に抗議していたが、公取委への申し立て以降、同社は記載を一部修正したという。十八日現在、HPの記載は「タバコの煙問題の解決を提案します」となっている。
 山岡さんは、同社以外の大手電機メーカー二社についても不当表示の申し立てをしていた。公取委は警告などの措置はとらなかったが、業界団体による改善措置がとられたという。

トルネックスの話 屋内の分煙対策で最も効果的なのは、煙を漏らさず排気することだが、建物の構造上の理由などでこうした措置が難しいところもあり、当社のシステムを提案している。一酸化炭素などのガス成分を除去できない機器の限界については、販売員が直接説明し、承知していただいた上で販売している。今後も、業界団体などと歩調を合わせ、広告やカタログで適切な表現をするよう努めるとともに、機器の性能を向上させたい。

申し立てをした山岡雅顕医師の話 警告の具体的内容は分からないが、たばこの煙の有害物質のほとんどが空気清浄機を素通りしていることは、どのメーカーも分かっていたこと。商品の性能を正確に伝えず、消費者を誤解させるような広告には問題がある。受動喫煙対策のうたい文句で、既に清浄機は市場に広まっていることにどう責任をとるのか。

注:受動喫煙対策の第一は全面禁煙、第二は排気装置を用いた完全分煙。空気清浄機は意味がありません。空気清浄機問題についての詳細はこちら。


2002/11/17  「007」最新作、ボンドが13年ぶりに喫煙  (ヤフーニュース)  

[ロンドン 17日 ロイター] 人気スパイ映画「007」シリーズ最新作「ダイ・アナザー・デイ」で、主人公ジェームズ・ボンドが葉巻を吸うシーンが13年ぶりに復活、喫煙反対派の怒りを買っている。
 英紙サンデー・タイムズによると、18日にロンドンでプレミア上映される同作では、ボンド役のピアース・ブロスナンが葉巻をくゆらせる姿が見られる。
 初期の作品にはボンドが葉巻やたばこを吸う場面があったが、1989年の「殺しのライセンス」以降はなくなり、90年代後半にボンド役を引き継いだブロスナンは喫煙反対の立場を強く打ち出していた。
 しかし、新作では舞台がキューバであることから、ブロスナンも葉巻を吸うことに同意したと同紙は伝えている。
 英国は来年、たばこ広告の規制を強化するものとみられ、映画やテレビドラマでのたばこの使用も禁じられる見通し。


2002/11/17  禁煙違反で160人逮捕 条例施行から1週間 比ダバオ市  (共同通信ニュース速報)  

【マニラ17日共同】罰則を強化した禁煙条例を九日から施行したフィリピン・ミンダナオ島のダバオ市で、条例施行から一週間で約百六十人が逮捕されたことが十七日分かった。
 逮捕者の多くは条例を知らなかった市外からの訪問者。人口約百十五万人の同市内には日本人が約二百人住んでいるが、日本人の逮捕者はないという。
 同条例は商店街、ホテル、飲食店などの公共の場での喫煙を全面禁止。違反者は最高二千ペソ(約四千五百円)の罰金もしくは一年以下の禁固刑が科されるが、罰金を払えず腕立て伏せを三十回させられた大学生もいた。


2002/11/16  市民団体が喫煙番付発表  (毎日新聞ニュース速報)  

 ◇禁煙運動を進める市民団体「たばこ問題情報センター」(渡辺文学代表)が、「著名人禁煙派、喫煙派番付表」の最新版を作った。
 ◇番付は禁煙派、喫煙派に分けて並べ、年3回改定している。喫煙派では、東京都千代田区の路上禁煙条例を「おかしい」と批判した作家の猪瀬直樹氏が、前頭4枚目(今年5月)から一足飛びに横綱に昇進。禁煙派では、テレビなどで禁煙を主張しているタレントの大橋巨泉氏が、番付を作り始めた97年からの横綱を守っている。
 ◇知名度も判断基準だが、禁煙条例の仕掛け人となった石川雅己・同区長の名はない。渡辺代表は「知名度はOKですが本人が喫煙するからランク外」と厳しい判定。 【宮川裕章】


2002/11/16  路上禁煙の効果  (琉球新報朝刊コラム「金口木舌」)  

▼数日前、東京都千代田区の電気街・秋葉原に出掛けた。歩きながらたばこを吸う人の姿がほとんど見られず、随分雰囲気が変わっている
▼それもそのはず。千代田区は全国で初めて罰則付きの路上喫煙禁止条例を十月に施行。十一月一日からは違反者からの過料徴収を始めている。区によると、この二週間で一日平均二十五人の違反者が過料処分を受けているが、特にトラブルもないそうだ
▼路上禁煙地区に指定されているのは秋葉原駅や御茶ノ水駅周辺など八カ所。当初、実効性を疑問視する向きもあったが、地域を挙げたキャンペーンで条例の周知徹底に努めた結果、予想以上の効果が出ている
▼違反が見つかれば衆人環視の中で”罰金”二千円を請求される羽目になる。愛煙家も自粛せざるを得ないのだろう。電器店の従業員に聞くと「道路の吸い殻が減った」と歓迎していた
▼千代田区には全国の自治体から問い合わせが相次ぎ、連日のように視察団が訪れている。このうち、福岡市は同様の条例を議員提案する予定という
▼県内でも吸い殻のポイ捨てが後を絶たず、街の美観を損ねている。モラルに訴えるだけでは問題は解決しない。この際、県都・那覇市にも路上禁煙地区を設けてはどうか。千代田区の取り組みを参考にしてほしい。


2002/11/15  <記者の目>千代田区の路上喫煙過料徴収 遠藤和行・夕刊編  (毎日新聞ニュース速報)  

 東京都千代田区が、人通りの多い8地区で歩きたばこや、ポイ捨てをした人から2000円の過料を取り始めて2週間たった。独自の条例を定めての過料徴収には賛否両論ある。が、街中で現場に立つと、この「ショック療法」は有効だと実感できる。
 条例の施行は10月1日。区は1カ月の注意期間を置いた上で、今月1日から実際に過料徴収を始めた。私は7、8日の2日間、指定地区のパトロールの様子をあえて物陰から観察した。記者として同行すると、指導員と違反者のナマのやり取りが分からないと思ったからだ。
 カメラを構えると、指導する側、される側双方が意識する。過料徴収の初日、違反した女性が「カネさえ払えばいいんだろ!」と3万円を投げ捨てる強烈な映像がニュースで流れたが、あれも計16社の報道陣が囲んだから女性が怒ったと聞いた。彼女も実はその直前、素直に書類に必要事項を記入していたという。
 7日午後1時半すぎ、JR神田駅近くの交差点。指導員6人は、歩きたばこで渡ってくるスーツの男性に声をかけた。男性はおとなしく書類を書く。その場で2000円を払ったのか、後日の納付にしたのか分からない。同じ交差点でもう1人、30〜40代のスーツ姿の男性が引き止められた。彼はその場で払った。その後も50代と60代くらいの男性2人が、それぞれ歩きたばこで過料を求められ、素直に払っていた。特に60代ぐらいの男性と職員は互いにお辞儀をして別れた。
 翌8日はJR有楽町駅周辺のパトロールを追いかけた。飲食街で歩きたばこのスーツ姿の男性が止められ、遠目にはおとなしく応じていた。この男性をはじめ2時間で男性4人が歩きたばこで過料を求められたが、みな素直に支払った。
 午後3時。歩道で喫煙していた男性が注意され、不満げにたばこをくわえたまま近くに止めていたバイクで走り去った。
 結局、物陰取材の2日間で「逃げた」のを見たのは、この1件だけ。私には拍子抜けの結果だった。
 ポイ捨てなどを禁止する条例は全国にある。千代田区の条例が注目されるのは、違反者から区の職員が直接、金(過料)を徴収する一点だ。効果もあるだろうが、当然、「取られる人」との間でトラブルが予想された。だから、同区では違反者との想定問答を盛り込んだ、指導員向けの独自マニュアルを作成し、「ソフトに」と言い聞かせていた。事前の心配はいまのところ、杞憂(きゆう)に終わっている。
 指定地区となっている世界有数の電気街・秋葉原では、区がポイ捨てされた吸い殻の本数を定点観測している。それによると、条例施行前の9月29日が995本、10月8日が208本、11月5日が42本と確実に少なくなっている。職員の感触では全体として朝の歩きたばこも少なくなったといい、条例の効果が上がっているという。
 歩きたばこの理由がニコチン依存などによる無意識の行動であれば、喫煙者本人だけの努力に期待するのは無理かとは思う。しかし、千代田区の条例が全国的に注目されたことで、たばこを吸わない人に不快感を与えていることを、喫煙者に改めて気づかせた効用があったと思う。
 「千代田ショック」は全国に広がっている。岐阜県白川村は、ユネスコの世界遺産に登録された合掌家屋のある集落内で、来春から歩きたばこに過料を科す方針だ。また、福岡市議会では最大会派の自民党が中心となって千代田区と同じように、市内の人通りの多い地区で歩きたばこに過料を科すことを盛り込んだ条例案を12月定例市議会に議員提案する。13日には、市議有志が同区を視察に訪れた。
 私はたばこを吸わないし、歩きたばこを迷惑と感じる。特に3歳の長男と人ごみを歩く際に、子供の顔の高さぐらいになる、喫煙者の手の行方が気になる。喫煙者には、たばこの先を自分の身体側に向ける人もいると聞くが、あまり見たことがない。
 「人権侵害だ」「禁煙ファシズム」だと言い募る声が喫煙者から上がっていることは知っている。しかし、今回、千代田区の指定地区を歩いた限りでは、喫煙者も自制してルールを守っていた。
 これは、確かに成果だと思う。やればできるじゃないか。大いに喝さいを送りたい気分だ。千代田区の条例は分煙の極端なケースだ。私は分煙でいいと思っている。分煙が確実にできれば、喫煙に反対はしない。


2002/11/15  喫煙は平均寿命を短縮させる (切明義孝氏訳)  

http://news.tobaccofreekids.org/plugin.jtml?siteID=TFKNEWS&p=1&Tab=News&Object_ID=555283&PrintThis=true
November 15, 2002
Smoking Linked to Shorter Life Expectancy

米国の教育レベルの低い人々では、喫煙関連疾患により平均
寿命が短縮されていることが示されました。11月14日の報告です。
University of California at Los Angelesの研究者は、教育レベル
が低い人々は、教育レベルが高い人々に比べて、寿命が6年短 いと報告しました。1986年から1994年の全国健康調査のデータを分析し、様々な疾病による死亡率を評価し、高校教育を受けなかった人々は、そうでない人々に比べ、死亡が9年早いと結論しました。
教育レベルの差異に関係がある疾患は、心臓病、肺癌、脳卒中、うっ血性心不全、肺炎、そして肺疾患であり、これらの全てがタバコ病でした。「これまでの研究により、アフリカ系アメリカ人とこれらの教育レベルが低い人々は、様々な病気に罹りやすいことが知られていましたが、公衆衛生政策の焦点をどこに当てるべきか不明でした」と、研究を率いたDr. Mitchell D.Wongさんは語りました。
「この研究は、公衆衛生政策の再評価と今後の研究の方向性を決めるために非常に重要な意味合いを持っています。」
この研究結果はNew England Journal of Medicine11月11日号に発表されました。


2002/11/14  節煙しても肺は障害される (切明義孝氏訳)  

http://www.reutershealth.com/archive/2002/11/14/eline/links/20021114elin012.html
Lungs still harmed even when smokers cut down
Last Updated: 2002-11-14 13:03:01 -0400 (Reuters Health)
NEW YORK (Reuters Health)
節煙では慢性閉塞性肺疾患(COPD)を予防できないようです。
デンマークの研究者によれば、慢性閉塞性肺疾患の最良の予防策は完全なる禁煙です。COPDには肺気腫と慢性気管支炎が含まれます。そして、COPDの特徴は著しい息切れと咳です。世界では、この病気は癌、脳卒中、心疾患に続く、死因の4位に位置します。Copenhagen University Hospital のDr. N. S. Godtfredsen さんらは、20000人の肺の健康状態を14年間観察しました。研究者は、観察期間の最低半分の期間を節煙したヘビースモーカー(1日喫煙本数15本以上)と、禁煙者、ヘビースモーカーとを比較しました。
「観察期間の初期に禁煙することは、COPDによる入院の危険を約40%減少させました」と、 Godtfredsen さんらはThorax誌11月号に発表しました。禁煙は、喫煙者と比較すると、肺機能を改善し、肺疾患の進行を遅らせることが繰り返し証明されました。しかし、「節煙の効果は認められませんでした」と、研究者は述べました。研究者は、節煙群と喫煙群では、COPDで入院する危険に、差が認められない事を発見しました。
「さらなる研究が必要です、特に、節煙の効果についてです。しかし、この研究により、節煙には、タバコの有害効果を減少させる代替医療効果やサプリメント効果が無いことが明らかになりました。」
SOURCE: Thorax 2002;57:967-972.


2002/11/12  2000万人以上の子供たちが受動喫煙に曝されている (切明義孝氏訳)  

http://story.news.yahoo.com/news?tmpl=story2&cid=571&ncid=571&e=21&u=/nm/20021112/hl_nm/smoke_kids_dc_1
Many U.S. Kids Exposed to Cigarette Smoke
Tue Nov 12, 1:21 PM ET
NEW YORK (Reuters Health)
米国の2000万人以上の子供たちが家庭で受動喫煙に曝されています。これまでの研究により、受動喫煙は子供たちの喘息、入院、欠席の原因になることが示されています。
University of California, Los AngelesのDr. Mark A. Schusterさんは全国健康調査のデータを分析し、家庭で子供たちが両親や訪問者による受動喫煙を受ける頻度を調べました。 この調査により、米国の子供たちの35%、2100万人が、家庭で、少なくとも週に一度は誰かの受動喫煙に曝されていることが明らかになりました。1900万人以上の子供たちが、家庭で、毎日喫煙する住人と共に暮らしています。 この調査はArchives of Pediatrics and Adolescent Medicine11月号に報告されました。
しかし、受動喫煙に曝露されているのは子供たちだけではありません。 子供を持つ非喫煙者の16%は、他の同居者や訪問者による家庭での喫煙を許していると語りました。 これほどまでに多くの両親が子供たちにタバコ煙を浴びせる理由は明らかではありません。 しかし、親の教育程度が低ければ低いほど、収入が低ければ低いほど、子供たちはタバコ煙に曝露されることが明らかになりました。 南部に住む親は喫煙する傾向があり、家庭で他人が喫煙することを許す傾向が見られました。
幼い子供を持つ両親、2人以上の成人がいる家庭、アフリカ系アメリカ人、そしてヒスパニック系の両親は家庭で喫煙する傾向が少ないことを研究者は発見しました。 この調査結果は、米国が、子供たちの環境タバコ煙曝露を2010年までに減少させるという全国的な目標に到達出来そうもなく、異なる方面への努力を倍増させる必要があることを示しました。
Schuster さんらは語りました。「子供たちへの環境タバコ煙を減少させるために、政策に基づく規制を含む、法的規制、メディアと教育努力、そして臨床的な介入による戦略を提案します。特に、小児科医は、両親に、子供たちの受動喫煙を防止する方法をアドバイスすることが可能です。」
この報告によれば、いくつかの研究により、両親への教育が、子供たちのタバコ煙曝露を減少させることが明らかにされています。
SOURCE: Archives of Pediatrics and Adolescent Medicine 2002;156:1094-1100.


2002/11/ 9  「窓」―フィンランド症候群  (朝日新聞ニュース速報)  

 フィンランド症候群という言葉をご存じだろうか。
 よく耳にするのは、こんな説明だ。フィンランドの保健局が約600人の管理職に定期的な健康診断をし、たばこや飲酒を控えるなどの摂生を求めた。別な600人には何もせず様子を見た。15年後に比べたら、何もしない集団の方が死亡者が少なかった。
 健康管理は健康に悪いという逆説的な結果が人々の関心を引き、症候群と呼び習わされるようになったらしい。禁煙しない理由として引き合いに出されることも多い。
 だが、震源地となったヘルシンキ大学の研究者らの論文にあたると、様相が違う。
 血圧やコレステロール値が高かった男性約1200人のうち、半分に薬を5年間飲んでもらい、その後も年1回の検査を勧めた。残りの半分には薬を使わなかった。
 治療を施した集団は血圧やコレステロール値は下がったが、15年間の死亡者総数で見ると、なぜか非治療群より多かったという内容なのだ。
 予想を覆す結果だったことは間違いないが、焦点は薬物治療の是非だ。ちなみに
喫煙量では両集団に差はない
 東京慈恵医大健康医学センターの和田高士センター長は「私たちの研究でも摂生し過ぎると血圧があがるという結果が出ましたが、大切なのは程良く気をつけることです。摂生しない方が健康に良いとはいえません」という。
 フィンランド症候群を盾に喫煙や酒量の多さを正当化するのは、やめた方が良さそうだ。〈高橋真理子〉


2002/11/ 8  常夏のタイで冷房禁煙令 罰金6千円、外国観光客も  (共同通信ニュース速報)  

 【バンコク8日共同】常夏の国タイで八日、冷房付きのレストランやデパート、公衆トイレ、タクシーの中などでの喫煙を禁じる厳しい禁煙令が施行された。営業への影響を懸念する飲食店が多い上、外国からの観光客にも適用されるため、しばらくは混乱が予想される。
 警察が監視し、違反した場合、吸った者は二千バーツ(約六千円)、店の経営者らは二万バーツ(約六万円)の罰金。禁煙の対象はほかに、空調設備のあるショッピングセンターや映画館、理容店など。病院や金融機関では職員の個室など限られた場所であれば喫煙できる。
 一方、パブやバーなど歓楽施設は規制されず、タイ飲食店協会は「レストランとして登録しているパブレストランはパブに変更するように」とアドバイス。
 喫煙客の多い日本料理店の経営者は「人目につく一階ではたばこを控えてもらうが、二階の個室は見逃す。そうでもしないと客が来ない。暑い国で冷房を止めるわけにはいかない」と話している。


2002/11/ 8  白川郷で歩きたばこ禁止へ 村が罰則付き条例検討  (共同通信ニュース速報)  

 合掌造り家屋の集落が世界文化遺産に登録されている岐阜県白川村は七日、条例で集落内での「歩きたばこ」を罰則付きで禁止する方針を明らかにした。現在でも吸い殻の投げ捨てなどを禁止する「ポイ捨て等防止条例」があるが、喫煙自体の規制で防災効果を高めるのが狙い。
 同条例に新たな規定を設ける形で改正、議会の承認が得られれば、来年春にも施行する。
 罰則付きの路上禁煙条例は、東京都千代田区が十月から全国で初めて施行している。
 世界遺産に登録された同村荻町地区には、合掌造り家屋が百十三棟立ち並ぶ。木造でかやぶき屋根の家屋は火に弱く、観光客の増加に伴って、吸い殻のポイ捨てなど喫煙マナーの悪さが火災の原因として不安視されていた。
 白川村は千代田区の条例制定をきっかけに検討を開始。荻町地区約四十五ヘクタールを対象に、観光客のほか住民にも灰皿のある場所以外での喫煙を禁じ、違反者には過料の罰則を科す規定を盛り込む考えだ。金額は、今後検討するという。
 蟻原勧助役は「住民が毎夜巡回するなどして防災しているが、危険を減らし、遺産を守るのがわれわれの使命。罰則で実効性を高めたい」と話している。


2002/11/ 7  アイルランドの飲食店が禁煙 (切明義孝氏訳)  

http://news.bbc.co.uk/2/hi/europe/2415217.stm
Thursday, 7 November, 2002, 11:45 GMT
Smoking ban for Irish eateries
レストランでの喫煙は禁止されます。

アイルランド共和国では全てのレストランと食事を提供するパブでの喫煙が禁止されると厚生大臣が語りました。
木曜日、Micheal Martinさんは職場での喫煙を禁止する規制法がほぼ完成したと語りました。「食事を給仕するパブでは喫煙が禁止されるだろう」と、Mr Martinさんは語りました。
彼は語りました。「レストランでの喫煙を禁止するのに、パブでは何ら対策を講じないというのは、公平ではありません。」 「我々はパブがレストランのように食事を出していることを知っています。」「ある種の形態のレストランを差別することは出来ません。」
Mr Martinさんは付け加えました。「我々は食事を出すパブを問題にしています。しかし、一日中、食事を出さないパブについては適用されません。」
Mr MartinさんはRTEラジオで店舗のオーナーはこの規則を守る責任を負うと語りました。彼は喫煙はこの国の最大の死因であり、健康サービスに大きな影響を及ぼしていると語りました。
人口の30%が喫煙者であると見積もられています。そして毎年7000人がタバコ病で死亡していると付け加えました。新しい法律は、喫煙のために設計された場を除いて、職場にも適用されます。この法律により、市内鉄道の喫煙車両も廃止されます。
アイルランド共和国では、バス、公共施設、屋内での喫煙がすでに禁止されています。


2002/11/ 6  英国医師会が喫煙規制を要求 (切明義孝氏訳)  

http://news.tobaccofreekids.org/plugin.jtml?siteID=TFKNEWS&p=1&Tab=News&Object_ID=555086&PrintThis=true
November 6, 2002
British Doctors Call for Smoking Ban

英国医師会は公共の場の禁煙と受動喫煙の危険を周知徹底させるキャンペーン資金として、タバコ産業の収益に対し、新たなタバコ税を課すことを要求しました。11月6日の ITV Newsの報道です。
英国医師会は政府に、公衆が利用する閉鎖された全ての空間(商店、銀行、タクシー、職場を含む)での喫煙を禁止する法案を導入するよう要求しました。
そして、タバコ産業の利益に新税を課すことも要求しました。この税金は受動喫煙の危険に関する教育キャンペーンを行うために利用されます。
英国医師会の新しい報告書「公衆の場の禁煙に向けて」によれば、英国では受動喫煙により、年間1000人が死亡しています。
英国医師会Science and Ethics divisionの Dr Vivienne Nathansonさんは語りました。
「公共の場での喫煙を放置することにより、政府は膨大な数の国民を危険に曝し、国民健康保険制度に負担を強いています。」
彼女は付け加えました。
「汚染した者が代価を支払うという原則に基づいて、タバコ産業の製造物による損害を賠償する時が来ました。政府が、受動喫煙の危険に関する公衆衛生キャンペーンを行う資金のために、タバコ産業に新たな税金を課すことは可能でしょう。」


2002/11/ 6  1日約20人に過料適用 千代田区の路上禁煙条例  (共同通信ニュース速報)  

 全国初の罰則付き路上禁煙条例を施行した東京都千代田区が、違反者から過料二千円の徴収を始めて七日で一週間になる。六日午後五時までに計百三十三人に過料を適用。一日平均約二十人に科しているが、大きなトラブルは起きておらず、区の担当者は「条例が徐々に浸透してきている」とほっとした様子だ。
 区によると、一日から五日までに電話や電子メールで寄せられた意見のうち、「賛成」は約65%の二百七十二件。区内の商店街からも「吸い殻のポイ捨てが十分の一以下に減った」と喜ばれているという。
 区は偽指導員を防止するため、過料は原則として指定口座に振り込んでもらい、現場では徴収しない方針だったが、百三十三人のうち、五十三人が「潔く」その場で二千円を支払った。
 路上禁煙に指定した八地区のエリア別では、JR秋葉原駅周辺が五十四人と最も多く、二位の有楽町駅周辺の十九人を大きく引き離した。区は「電気街の買い物客など区外から訪れる人が多いからでは」と分析している。
 初日の一日、指導員の間で、罰則の適用基準があいまいだったため、区は「条例を知らないという理由で、指導・注意にするのは不公平」として、違反者には罰則を科していくことを確認した。


2002/11/ 4  喫煙の経済損失年間7兆円超  (NHKニュース)  

 喫煙による経済損失は年間約7兆4000億円という試算がまとまりました。医療経済研究機構が、たばこが原因の病気の医療費や入院・死亡で失われる労働力を計算したもので、 経済面からも喫煙率を下げる必要があるとしています。

問い合わせ・報告書請求先
「たばこ税増税の効果・影響等に関する調査研究報告書」 主任研究者 油谷由美子(医療経済研究機構主任研究員)
(財)医療経済研究機構 東京都千代田区永田町1丁目5−7  TEL: 03-3506-8529  FAX: 03-3506-8528


2002/11/ 4  喫煙がリンパ節の癌の原因になることが示された (切明義孝氏訳)  

http://news.tobaccofreekids.org/plugin.jtml?siteID=TFKNEWS&p=1&Tab=News&Object_ID=555042&PrintThis=true
November 4, 2002
Smoking Linked to Aggressive Lymph Cancer
喫煙がリンパ節の癌の原因になることが示されました。喫煙が癌をさらに悪性の癌へ変化させることが示されました。
Northwestern Universityの11月4日の発表です。
Northwestern University の癌研究者はタバコ煙とfollicular lymphoma(リンパ腫の一種)の遺伝子変異の関係を調べていました。 Feinberg School of Medicine のRonald Gartenhaus, M.D.さん(助教授)とRobert H. Lurie Comprehensive Cancer Center of Northwestern Universityさんは2001年に報告された新規リンパ腫患者 50,000人を調査しました。 Gartenhausさんによれば、 大部分のfollicular lymphoma にはBcl-2 oncogeneと呼ばれる腫瘍遺伝子のrearrangementがあります。
diffuse large cell lymphoma へと悪性化するfollicular lymphomaには、さらに遺伝子の変異があり、特にp53腫瘍抑制遺伝子に変異があります。 Gartenhausさんはこれらのさらなる変異も喫煙と関連があると語りました。
「 喫煙がmicrosatelliteの不安定化と関係があるのであれば、DNA修復機能が喪失し、細胞の調節や薬剤耐性と関係がある重要な遺伝子に突然変異をもたらすでしょう。」 Gartenhaus さんは語りました。「我々の発見により、これらの分子障害のある患者には別の治療法を勧めることになるかも知れません。」


2002/11/ 3  台湾式かみたばこ、売り子嬢の“露出”競争に待った  (読売新聞ニュース速報)  

 台湾人の嗜好(しこう)品「ビンロウの実」をめぐる販売競争が過熱、若い女性の売り子が下着姿で店頭に立つなど、過激化する一方なため、台湾北部の自治体、桃園県はこのほど、売り子の服装規制に乗り出した。胸、尻、腹の一部でも「見せてはならぬ」とする「三不政策」を導入、露出度を最小限に抑える狙いで、同県内の業者も従う姿勢を見せている。しかし、規制への反発も強く、追随する他の自治体は今のところ出ていない。(台北 若山 樹一郎)
 ビンロウはヤシ科の植物で、果実にはタンニンや脂肪が含まれる。口の中でかむと、弱い覚せい作用などがあるため、「台湾式かみたばこ」として、主に男性の間に定着している。現在、愛好者は台湾全島で約300万人、年間の総販売額も1000億台湾ドル(1台湾ドルは約3・6円)近くに上る。すべて台湾内で生産され、作付面積はこの30年間で35倍に拡大、コメに次ぐ台湾第2の農作物となった。ただ、常用すると口腔(こうくう)がんを誘発するなどとして、18歳未満には販売禁止だ。
 街道沿いの屋台などで売られているが、1998年ごろから販売競争が激化。露出度の高い衣装を着た若い女性の接客が普通の光景となった。売り子は「ビンロウ西施」(西施は中国・春秋時代の美女の名)と呼ばれ、全島にある大小約40万軒の屋台で、数万人以上が働くという。
 ビンロウ屋台の多くはガラス張り。売り子たちはドライバーの目を引くため、その中で待機。屋台の前で車が止まると、運転席に駆け寄り、ビンロウやたばこを売りさばく。
 人権団体からは女性蔑視(べっし)の象徴として非難されてきたほか、最近ではやくざ組織や売春産業との関連も指摘され、社会問題化していた。
 1か月間に及ぶ業界団体との協議を経て、規制を決めた朱立倫・桃園県長(知事)は「治安や教育面から対策が必要だった。我が県は台北市に隣接、国際空港もあり、外国人観光客も多い」と語る。
 ただ、朱県長は今回、新たな条例などは制定せず、業界の自主規制に任せる“行政指導”にとどめたと強調。「胸や尻はともかく、なぜ腹も露出禁止にしたのかとの反対論もあるが、下着姿を防ぐにはこうするしかなかった」と話し、一部にある「服装など表現の自由に対する抑圧」との批判は当たらないとした。行政指導に従わない業者には、交通法規や社会秩序保護法などを厳格適用し、排除していく考えという。
 同県内のビンロウ屋台では先月15日以降、下着姿が消え、Tシャツにスカートなど、普通の服装が戻った。業界団体の同県ビンロウ協会の彭天楽・秘書長も「これで露出競争が収まり、正常化するなら業界にとっても望ましい」と歓迎する。しかし、現在のところ、隣県の新竹県をはじめ、ビンロウ愛好者が多い南部地域では従来通りの販売が続き、各自治体も規制に乗り出す動きはない。
 一帯にビンロウ屋台だけを集めた「ビンロウ特区」を作ろうという動きもあるものの、「ビンロウは台湾の固有文化の象徴。ビンロウ西施は貴重な観光資源でもある。どんな規制も反対」(業者の1人)という意見も根強い。
 桃園県の主要街道沿いで働くビンロウ西施の1人、湯雅ブンさん(17)は「売り上げ次第で月3―4万台湾ドルになる貴重なバイト。初めは恥ずかしかったが、すぐ慣れた。規制? マスコミが騒がなくなったらすぐ元に戻るんじゃないかしら。台湾はいつもそうだから」と話していた。(湯雅ブンさんのブンは、雨かんむりに文)


2002/11/ 1  日本の交渉方針定まらず たばこ条約交渉、大詰め  (共同通信ニュース速報)  

 公衆衛生分野で初の国際条約を目指す「たばこ規制枠組み条約」の政府間交渉が大詰めを迎えている。早ければ来年五月の世界保健機関(WHO)総会で採択されるが、日本たばこ産業(JT)を抱える日本政府は関係省庁の利害が入り乱れ、いまだに条約案の根幹部分で交渉方針が定まらない状態が続いている。
 JTを所管する財務省の財政制度等審議会たばこ事業等分科会は第五回政府間交渉が始まる直前の十月十日、「たばこ消費の削減は目的としない」との中間報告を発表、反たばこの非政府組織(NGO)から「日本は(時代遅れの)恐竜」との批判を浴びた。
 条約交渉は「たばこによる死者は世界で年間四百九十万人」とするWHOの肝いりで、喫煙削減を目的に始まった。中間報告に対し、外務省や厚生労働省の関係者は「最終方針はまだ決まっていない」と釈明、第五回交渉では最後まで削減に関する明確な立場を打ち出せなかった。
 JTの主力商品の一つが「マイルドセブン」だが、条約は「マイルド」「ライト」といった「健康に害が少ないとの誤解を与える商品名」の規制を目指している。第五回交渉では、条約案に規制対象の例から「マイルド」がいったん削除された後、復活。混乱ぶりをうかがわせた。
 財務省は「マイルドとは吸い味を指し、害が少ないという意味ではない」と説明する。だが、反たばこNGOにはへ理屈としか映らず、交渉進展を妨げている「三悪」とされる日、米、ドイツの中でも日本が際立つ事態を招いている。
 最新の条約案には、各国が「能力に応じて」商品名を規制するとの文言が入った。しかし「実行力がない途上国に配慮した部分」(日本外交筋)であるだけに、日本が「能力がない」を理由に「マイルド」を規制しない場合、一層の非難を浴びるのは必至だ。
 また、日本が、二○○○年の交渉開始当初から反対を続けているのが自動販売機に対する規制。国内約六十万台の自販機を大幅に削減すると、小売業者や自販機業者にも大打撃を及ぼすとして、条約案に盛り込む規制に関する文言は後退を繰り返した。
 交渉議長を務めるセイシャスコレア駐ジュネーブ大使(ブラジル)は、折衷案として「自販機のない国は禁止、自販機がある国は徐々に削減」を打ち出した。WHO関係者は「単なる現状追認を小難しく言っただけ」と皮肉たっぷりだ。
 現段階の草案を受け入れるかどうか、日本の態度は決まっていない。(ジュネーブ共同=藤井靖)


2002/11/ 1  違反者の過料適用19人 千代田区の路上禁煙  (共同通信ニュース速報)  

 全国初の罰則付き路上禁煙条例に基づき、禁煙地区でたばこを吸った違反者への過料適用が始まった東京都千代田区では一日午後も、指導員がパトロール。区によると、午後五時までに十九人に過料二千円を適用、うち四人はその場で現金で支払った。
 このほかに、違反しても「条例を知らなかった」などと答えた四十三人に注意や指導をした。
 一チーム七人で巡回、違反者には過料二千円の納付書を渡した。中には逃げたり、無視するなどした人もいた。
 JRの神田駅や有楽町駅周辺など八カ所の禁煙指定地区のうち、この日は秋葉原地区などで違反者が目立った。
 区は同日、九月から十月にかけて実施した区民の意識調査結果を発表した。回答者の90%が条例を認知しており、「大変良い」と「まあ良い」を合わせると88%が評価していた。


2002/10/31  <WHO>たばこ、高血圧、アルコール 寿命縮める3大要因  (毎日新聞ニュース速報)  

【ジュネーブ大木俊治】世界保健機関(WHO)は30日、02年版の「世界保健報告」を発表し、先進国ではたばこ、高血圧、アルコールが、寿命を縮める3大要因になっていると指摘した。
 報告は世界14地域ごとに、健康で長生きできる「平均健康余命」を縮める要因を分析。先進国の場合、たばこが全要因の12%、高血圧が11%、アルコールが9%を占め、高コレステロール、肥満がこれに続いた。途上国を含めた全世界では、(1)低体重児(2)安全でない性行為(3)高血圧(4)たばこ(5)アルコールの順だった。国別データは算出していない。
 また「貧困国に食糧不足による低体重の子供が1億7000万人いる一方、世界中で10億人以上が過体重か肥満」「世界中でたばこによる死者は約500万人、肥満による死者は約300万人」などと具体的数字を挙げながら、「早死に防止」のための日常の心がけを呼びかけている。
 WHOは毎年、各国の平均余命など世界の保健情勢をまとめた年次報告を発表しているが、今回は初めて、死亡や重病の要因となるリスクに焦点を当て、分析した。
 また、報告では日本の平均寿命は81.4歳とされ、前回に続き、世界一の長寿国となった。


2002/10/30  路上禁煙で注意など7千件 11月から過料2千円 千代田区  (共同通信ニュース速報)  

 全国初の罰則付き路上禁煙条例を施行している東京都千代田区は、十一月一日から過料二千円を違反者から徴収する。
 十月一日から一カ月間は周知期間として、違反者に対し指導や注意にとどめてきた。区によると、JR有楽町駅や秋葉原駅周辺などの路上禁煙指定地区で、指導員が注意・指導した件数は三十日夕までに七千二百八十二件に上った。
 本格的運用を前に担当者からは「過料を取る際、トラブルにならないだろうか」という不安も漏れる。
 注意や指導には「ほとんどの人が素直に応じてくれた」(広報広聴課)。区に電話やメールなどで寄せられた声も約七割が条例賛成派で、禁煙地区以外の住民からは「街がきれいで安全になるから、禁煙ゾーンを広げてほしい」との要望が届くほどだ。
 実際に過料を払うとなると愛煙家の反発が予想され、区では禁煙地区内に喫煙ゾーンを設けるなどの救済策を一時、考えた。
 しかし「灰皿があることで逆に歩きたばこを助長する面もある」と、禁煙地区の表示や条例の説明を徹底し、これまで平日昼間は一組四人でパトロールしていた態勢を、十一月からは強化する方針だ。


2002/10/30  健康寿命の延伸のために、抜本的対策を (切明義孝氏訳)  

http://www.who.int/mediacentre/releases/pr84/en/
Years of healthy life can be increased 5-10 years, WHO says

タバコ
2000年、世界ではタバコが原因で年間490万人が死亡しました。
タバコによる死亡は全死亡数の8.8%を占め、タバコによるDALYsの喪失(5910万)は全喪失DALYsの4.1%を占めているとWHOは推定しています。なお、1990年のタバコによる死亡は390万人でした。タバコ疫病とタバコによる被害が急速に広がっている新しい証拠が示されましたが、その大部分は発展途上国です。
介入−タバコ広告の禁止、タバコのパッケージへの強力な警告表示、屋内喫煙規制、タバコに対する高額課税、健康教育、禁煙プログラムを含む、様々な介入方法を組み合わせた包括的タバコ対策プログラムを採択した国々はかなりの成功を収めました。
WHOはタバコ税により、タバコ価格が10%上昇するごとに、タバコ消費量は一般的に、2〜10%低下することを発見しました。
国内プログラムに加えて、効果的なタバコ規制枠組み条(FCTC)は、多国間におけるタバコ問題についても対応出来るでしょう。
ニコチン置換療法(NRT)は、現在の全ての喫煙者を対象とするには、他の戦略と比較して、費用対効果が高いとは言えませんが、高所得国においては利用可能になってきました。ニコチン置換療法(NRT)にはニコチン・パッチ、ニコチン・チューインガム、ニコチン鼻スプレー、ニコチン・キャンディ、エアロゾル吸入器、そして数種類の抗欝剤を含みます。


2002/10/29  タバコに含まれる化学物質が病気の原因 (切明義孝氏訳)  

http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/2361167.stm
Tuesday, 29 October, 2002, 00:40 GMT
Tobacco chemical blamed for disease
タバコに含まれる化学物質が病気の原因です。
科学者はタバコに含まれる重要な化学物質を同定しました。
科学者はタバコに含まれる、糖尿病、癌、アルツハイマー、そして老化を促進する化学物質を発見したようです。化学物質、ノルニコチン(nornicotine)はタバコの葉に含まれている成分です。また、ノルニコチンはニコチンの代謝産物(注;ニコチンが体内で分解されるとノルニコチンになる)でもあります。
Scripps Research Institute in the US のチームは、ノルニコチンが体内のタンパク質と反応し、タンパク質の機能に障害を及ぼすことを発見しました。
そのプロセスは、砂糖を茶色になるまで加熱したり、食品を熟成させたり、腐敗させるなどの調理の過程に似ています。研究者はノルニコチンがさらに第2の作用を持つことを発見しました。ノルニコチンはcortisoneやprednisoneなどの通常ステロイドと呼ばれる物質と反応し、有害物質に変化させます。
障害を与える反応
ノルニコチンはタンパク質の表面にあるアミノ酸とステロイドに結合します。これらの修飾されたステロイドやタンパクは体内の他の化学物質と反応してadvanced glycation endproducts (AGEs)と呼ばれる様々な成分を形成します。これらの成分は、糖尿病、癌、動脈硬化、アルツハイマー病などを含む多数の疾患に関与していることが知られています。
研究員のDr Tobin Dickersonさんは語りました。「これらの AGEsは本来、人間の体内には存在しません」「人体はこれらの成分に対応できないのです」研究員は、喫煙者は非喫煙者と比べてノルニコチン、修飾されたタンパク、そしてAGEsのレベルが高いことを発見しました。
排泄されにくい
ノルニコチンはニコチンよりはるかに長時間血液中に存在します。一方、ニコチンは喫煙を止めると速やかに消失します。これは喫煙の依存性の仕組みを説明するものであると研究者は信じています。研究を率いたProfessor Kim Jandaさんは AGEs は体細胞の変異率を増加させ、癌の危険を増加させると語りました。さらにそれは脳の protein plaques 形成を刺激します。このことはアルツハイマー病の主要な原因であると考えられます。Professor Jandaさんは語りました。「体内で破壊的な作用が起きるという我々の発見が正しいかどうかがは将来明らかにされるでしょう。」「しかしながら、タバコには新しい別の有害成分が含まれているということを大衆に周知するべきです。
そして、ニコチンのあらゆる代謝産物がタンパクや処方薬の異常な修飾を引き起こすことを知らせるべきです。」
この研究はProceedings of the National Academy of Sciencesで発表されます。


2002/10/29  タバコ規制枠組み条約(WHO) (切明義孝氏訳)  

http://news.tobaccofreekids.org/plugin.jtml?siteID=TFKNEWS&p=1&Tab=News&Object_ID=554956&PrintThis=true
October 29, 2002
Progress Reported on Worldwide Tobacco Treaty
他のヨーロッパ諸国はドイツとの共同路線を放棄し、強力な国際タバコ規制条約を推進するアフリカやアジア諸国の陣営に加わりました。10月25日、Associated Press の報道です。
スイスのジュネーブでの2週間に及ぶ交渉は終了しました。望みある前進が得られました。
「まさに我々は、我々が望んでいたことを達成しました」ブラジル人議長 Luis Felipe de Seixas Correaさんは語りました。「我々は今までよりさらに最終目標に近づきました。予定どうりの成果です」
タバコ規制枠組み条約案はタバコ価格の引き上げ、パッケージに健康への有害性を明示すること、低タールやマイルドなどの語句の使用禁止、強力な密輸対策実施、自動販売機の撤去を求めています。
アメリカ、日本、そしてドイツは広告、宣伝販売に関して強固な姿勢を崩しておらず交渉を遅らせています。米国はこの条約案が憲法で保障された言論の自由に反すると述べました。
最終日の会議で、各国の条件を尊重し、広告規制や禁止を可能にする合意案が作成されました。
「タバコ広告の全面禁止に関する論点も条約に盛り込まれるでしょう。我々は良い結果を目指さねばなりません」De Seixas Correaさんは語りました。
タバコ規制枠組み条約は2003年5月のWHO年次会議で採択されることが期待されています。この条約は増大するタバコ病による死亡者数を減少させることを目的としています。


2002/10/29  来年のベルギーGP中止 F1、たばこ広告禁止で  (共同通信ニュース速報)  

【ロンドン28日共同】国際自動車連盟(FIA)は28日、ロンドンでF1委員会を開き、ベルギーのたばこ広告禁止に伴い、来年のシーズン第14戦としてスパ・フランコルシャンで開催する予定だったベルギー・グランプリ(GP)の開催を中止すると決めた。
 ベルギーではたばこ広告規制法が来年から実施されるため、同国でGPを開催するには、F1の有力スポンサーであるたばこ会社の広告をマシンなどから外すことへの全参加チームの同意が必要条件となっていた。
 来季のF1開催日程は、既に10月初めに最終戦の日本GPを含む全17戦が発表されているが、今回の決定で全16戦となる。


2002/10/27  たばこ増税賛成の署名募集  (読売新聞朝刊)  

たばこ税増税を求める署名運動のホームページ(http://www.nosmoke-med.org/)を、日本禁煙推進医師歯科医師連盟が開設した。たばこの健康被害を防ぐための署名参加を呼びかけている。
世界保健機関(WHO)が10月発表した推計では、世界中で年間490万人がたばこが原因で死亡している。たばこ税を一定額引き上げると、税収は増える一方で、たばこの消費量は減り、医療費も削減される”一石三鳥”の効果が期待されるという。


2002/10/26  <たばこ政府間交渉>「マイルド」付きの商標、規制対象に復活  (毎日新聞ニュース速報)  

 【ジュネーブ大木俊治】たばこの広告・販売を規制する「たばこ対策枠組み条約」の策定を目指す第5回政府間交渉は25日、規制強化を目指す途上国や欧州主要国と、規制に消極的な日米独との対立が解けないまま終了した。
 一時容認されかけたJT(日本たばこ産業)の「マイルドセブン」に使われている「マイルド」の表現は、途上国などの巻き返しで再びその「商標」も含めて規制対象に復活した。来年2月後半の次回交渉で条約の内容について最終合意を目指すが、交渉の行方は不透明になってきた。
 パッケージ表示の規制をめぐっては、「害が少ないとの誤解を与える」として「マイルド」や「ロータール」「ライト」「ウルトラライト」を明確に規制すべきだとの多数派と、各国の裁量を認めるべきだとの日本などが対立。その溝は最後まで埋まらなかった。ただ25日までに各国の意見を総合した中間案では、これらの表現が「たばこ製品を奨励することにならないよう」求めたものの明確な禁止対象としておらず、使用できる余地を残している。
 交渉を統括するコレア議長(ブラジル)は今回の議論をもとに1月半ばまでに妥協案をまとめる方針を表明したが、「反たばこ」の非政府組織(NGO)は、消極派の日米独を交渉から除外するよう主張している。
 このほか、焦点の一つだったたばこの広告規制は、全面禁止を求める多数派と、自国の憲法規定などに抵触するとして反対する日米独などの対立が解けなかった。


2002/10/26  健康志向を追い風に 減税分の穴埋め狙う  (共同通信ニュース速報)  

 財務省が来年度税制改正でたばこ増税の検討に前向きな背景には、健康志向の高まりから、他の増税項目に比べ国民の抵抗感が小さいとの読みがある。
 政府が目指す先行減税は、当初の減税分の穴埋めを、その後複数年をかけて取り戻す「多年度、税収中立」が前提。同省と政府税制調査会(首相の諮問機関)はそのための増税項目として、配偶者特別控除などの所得控除を縮小する方針を打ち出している。だが、景気低迷を考え併せれば家計を直撃する所得増税は難しい情勢にある。
 その点、たばこ増税は対象が愛煙家に限られるうえ、小幅な値上げなら消費量の激減はなく、増税の選択肢に入れやすい。
 米ニューヨーク市が大幅増税を実施するなど、欧米の主要国で禁煙促進を名目に税負担が重くなっているのも増税の支援材料。健康に関する初の国際条約を目指す「たばこ規制枠組み条約」策定への機運の盛り上がりなど、国際的にもたばこへの風当たりは強くなっている事情もある。
 一方の発泡酒増税は、庶民の楽しみを奪うとのイメージが一段と濃い。当然、ビール業界からも前年に引き続き、激しい反発が巻き起こるだろう。


2002/10/24  喫煙者率、過去最低を更新 男性、初めて50%割る  (共同通信ニュース速報)  

 成人でたばこを吸う人の割合は今年五月現在、前年比1・8ポイント減の30・9%で、七年連続して過去最低を更新したことが二十四日、日本たばこ産業(JT)の調査で分かった。
 調査は全国の成人男女一万六千人を対象に実施。約一万千人から回答を得た。
 男女別では、男性が前年比2・9ポイント減の49・1%と初めて50%を割り、女性は0・7ポイント減の14・0%。これを基に喫煙人口を推計すると、男性が前年比百三十万人減の二千四百十四万人、女性が三十二万人減の七百三十八万人になる。
 最も喫煙者率が高かったのは男性が三十歳代の59・6%で、女性が二十歳代の24・3%。地域別は男女とも北海道が最も高かった。
 JTは喫煙者が減少していることについて「長引く景気低迷や健康と喫煙についての意識の高まりなどが考えられる」としている。
 一方、日本たばこ協会が同日まとめた二○○二年度上半期(四―九月)のたばこ販売実績によると、販売数量は前年同期比1・4%減の千六百八億本と四年連続して減少した。


2002/10/22  タバコ広告禁止へ(英国) (切明義孝氏訳)  

http://news.tobaccofreekids.org/plugin.jtml?siteID=TFKNEWS&p=1&Tab=News&Object_ID=554850&PrintThis=true
October 22, 2002
Britain Passes Tobacco Ad Ban
英国はタバコ広告を禁止する法案を可決しました。Associated Press 10月22日の報道です。タバコ広告と販売促進活動に関する法律は、特に若者の喫煙を防止することと、タバコ病を減少させることを目的としています。
Hazel Blears副厚生大臣は語りました。「これは、消費者にタバコの有害性を隠し続けるタバコ産業によって引き起こされる、不必要な死亡です。」
この法案により、英国ではタバコ産業によるスポーツスポンサー活動は2003年までに禁止されます。そして、F1レースを含む世界的なスポーツ大会でのスポンサー活動は2006年までに禁止されるでしょう。タバコ広告と販売促進活動に関する法律は今年中に実施されると期待されています。


2002/10/22  ニコチンを体外に排出 カネボウフーズがガム商品化  (共同通信ニュース速報)  

 ニコチンの害を軽減してくれるガムはいかが―。カネボウフーズは二十二日、韓国のバイオ企業エゼンバイオが開発し、喫煙などで体内に吸収されたニコチンを無害な物質に転換し、排出させる機能を持った天然成分「ニコエン」を使ったガムを年内をめどに発売する、と発表した。
 ニコエンはリンゴやセロリ、桑の葉、カリンなど計十一種類の天然成分から抽出。体内のニコチンを無害なコチニンと有害物質ニトロサミンなどに転換し、コチニンの50―60%を尿から体外に排出する。
 ニコエンは、コチニンの尿からの排出を通常の一・五―二倍に促進することなどが韓国の延世大学などで確認されている。副流煙の被害を受ける間接喫煙者にも有効という。
 韓国では既に、大手菓子メーカーが「ニコエックスガム」として商品化し、大ヒットしている。グローバル特許も出願中。
 カネボウフーズは、エゼンバイオと日本国内でのニコエンの使用契約を九月に締結。第一弾としてガムを販売するほか、キャンデーの商品化も検討する。
注:韓国の専門家は、この商品について、ニコチン量が減った結果、喫煙量が増えたり、他の有害物質の摂取量の増加が懸念されるなど警告しています。


2002/10/21  「マルボロマン賞」の喫煙大国  (熊本日日新聞コラム「射程」)  

 「マルボロマン賞」って何?―各国の反たばこ非政府組織(NGO)でつくる国際組織が反たばこ運動に最も逆行している政府や企業に贈っている。このいささか不名誉な賞が日本に与えられたという。
 授賞理由は、政府間交渉中の「たばこ規制枠組み条約」で、たばこの消費削減そのものを目的にしないとの基本方針を日本が固めたこと。
 世界保健機関(WHO)の調べでは、たばこ関連の死者は年間四百万人にも上る。同条約は、健康被害を少なくするため、各国の個別的な規制を一本化して生産と消費を減らすのが狙いだ。日本の方針は条約の趣旨に真っ向から対立している。
 「マルボロマン」というのは米大手たばこ会社が人気商品マルボロのテレビCMに登用したカウボーイ姿の男性のこと。“マルボロマン氏”は七年前に七十三歳で亡くなったそうだが、「コマーシャルの撮影でたばこを吸い続けたために肺がんになった」と、妻が会社を相手取り提訴したとか。皮肉な話だ。
 禁煙、嫌煙…反たばこは世界の潮流。マルボロマン賞の“喫煙大国ニッポン”への風当たりは一段と強まろう。このまま規制に消極的な姿勢でいいのか。わが国でも毎年約十万人(推定)もが、たばこ関連で命を失っているのである。(大)


2002/10/21  世界の医師団体、反たばこ条約締結を要請  (ヤフーニュース)  

[ジュネーブ 21日 ロイター] 当地で開催されている世界保健機関(WHO)主催の「たばこ規制枠組条約」に関する会議で、出席した医師団体は、喫煙を削減するための厳しい国際条約を締結するよう各国政府に要請した。 
 この会議には、世界医師会など117カ国の医師1000万人が加入する医療団体が出席している。
 参加団体は、世界的なたばこ規制を求める声明を、ブルントラントWHO事務局長に提出する予定。
 この声明は、たばこパッケージへの健康被害に対する警告記載を徹底させることや、銘柄によって健康への悪影響が低下するといった誤解に歯止めをかける対策を取ることなどを、各国政府に要請。
 このほか、たばこ広告の禁止や受動喫煙からの非喫煙者の保護を、条約に盛り込むことを求めているという。


2002/10/21  働く女性の7割、第1子出産後に仕事辞める  (朝日新聞ニュース速報)  

 働く女性の約7割が第1子出産後、仕事を辞めていることが21日、厚生労働省が公表した初の出生児縦断調査の結果からわかった。
 厚労省は01年の1月と7月の各8日間に生まれた赤ちゃん全員を対象に調査を実施。9割近い約4万7000人の親から回答を得た。対象の赤ちゃんが成人し、子どもを持つころまで追跡調査する予定という。
 母親の就業状況については、出産する1年前に職業に就いていた人は全体の73.5%(常勤47.2%、パート・アルバイト22.5%)。職を持っていた母親で、第1子出産を機に仕事をやめたのは67.4%だった。
 育休の取得率は母親が80.2%。勤め先の規模別では、4人までの企業で47.8%、5〜99人で66.8%、100人以上は80%以上と、小規模ほど低かった。父親は規模によってほとんど違いはなく、官公庁を除き、いずれも1%を下回った。
 父親がいつもする育児は「入浴させる」「家の中で相手をする」が4割を超えたものの、「食事の世話をする」「おむつを取り換える」などは1割に満たなかった。父親がいつもする家事は、「ゴミを出す」が3割を超えたが、炊事、掃除、洗濯は1割を下回った。
 また、法律で喫煙が禁じられている未成年の父母の喫煙率が他の年代に比べ高く、父親が83.8%、母親が44.1%だった。


2002/10/21  <ぜんそく>母親が喫煙の子供は有症率1.3倍 環境省調査  (毎日新聞ニュース速報)  

 家庭で母親が喫煙している子供の方が、家族に喫煙者がいない子供に比べ、ぜんそくにかかっている割合が約1.3倍高いことが21日、環境省の調査で分かった。
 00年度に全国35地域で約8万1000人の3歳児について調査、約6万8000人から回答を得た。その結果、母親が喫煙する男児がぜんそくにかかっている割合は4.8%で、「母親以外の家族が喫煙」の4.52%、「家族が喫煙しない」の4.33%を上回った。母親が喫煙する女児の場合も3.62%で、「家族が喫煙しない」の2.62%、「母親以外の家族が喫煙」の2.38%をいずれも上回った。
 環境省保健業務室は「一般に母親は子供と一緒にいる時間が長く、たばこの煙がぜんそくに影響している」とみている。


2002/10/21  3人に2人「初産」機に退職  (読売新聞ニュース速報)  

 働く女性の3人に2人は初出産を機に退職する――。厚生労働省は21日、2001年生まれの子どもの生活状況や家族の意識などを追跡調査していく「21世紀出生児縦断調査」の第1回調査結果を発表した。
 同年1月と7月に生まれた子の家庭5万3575世帯に調査票を配布、4万7007世帯(回収率87・7%)から回答があった。
 それによると、同年に初めて出産した母親の73・5%は、出産1年前まで仕事を持っていたが、うち67・4%が出産半年後までに仕事をやめていた。
 また、従業員500人以上の大規模企業勤務の女性の85・8%が育児休業を取得しているのに対し、従業員4人以下の小規模企業では47・8%と半数以下しか取得していなかった。官公庁勤務の女性は、94・9%が育児休業を取っていた。
 このほか、同年中に子供が生まれた父母の喫煙率は、父親が63・2%、母親が17・4%で、父母ともに喫煙していないと回答した家庭は35・6%しかなかった。


2002/10/21  ぜんそくと汚染の関係否定 環境省調査に批判の声  (時事通信ニュース速報)  

 環境省は二十一日、三歳児を対象にしたぜんそくと大気汚染濃度の関係について「汚染濃度の高低による発症率の変化はなく、因果関係はない」とする二○○○年度の調査結果をまとめた。
 しかし調査対象は汚染濃度が比較的低い住宅地が中心で、濃度が高い道路沿いは「測定方法が困難だ」として除外している。
 調査結果について、二十九日に判決が言い渡される東京大気汚染公害訴訟の住民側弁護団は「汚染と健康被害の関係がはっきり出てくるのは小学生や大人になってからだ。三歳児に影響がみられることはまれ。環境省の調査は意図的で意味がない」と批判している。
 調査は一九九六年度から毎年行っているもので、二○○○年度は、全国三十五地域の三歳児約八万一千人を対象に実施。二酸化窒素(NO2)などの濃度と、ぜんそくの発症率を調べた。
 その結果、ぜんそくの発症率は前年度とほぼ同じ3・5%。汚染濃度の高低による違いはほとんどなく環境省は「濃度が高いからといってぜんそくになりやすいという結果にはならなかった」としている。
 環境省はぜんそくの原因として母親のたばこや、本人がもともとアレルギー疾患だったことなどが考えられると指摘している。


2002/10/21  母親の喫煙、子供のぜんそくに影響=吸わない家庭の1.3倍  (時事通信ニュース速報)  

 母親が喫煙する子供は、誰も喫煙しない家庭の子供に比べ、ぜんそくにかかる率が1.33〜1.34倍高いことが21日、環境省の調べで分かった。母親以外の家族がたばこを吸う家庭の場合は1.04倍で、母親のたばこの煙が子供の健康に与える影響の大きさが確認された。
 調査は2000年度、全国35地域の3歳児8万1212人を対象とし、回答率は84.0%。


2002/10/16  上半期の火災、2.2%増=総務省消防庁  (時事通信ニュース速報)  

 総務省消防庁は16日、今年上半期(1−6月)の火災概要を公表した。全国の総出火件数は3万5694件で、前年同期に比べ2.2%、755件の増加。建物や林野の火災などが増える一方、車両火災は7.3%減った。
 火災による死者は1256人で、前年同期に比べ10人増。出火原因のトップは放火(全体の12.0%)で、以下、たばこ(11.2%)、放火の疑い(9.8%)、こんろ(8.5%)の順。


2002/10/16  日本のたばこ輸入は世界1 男性喫煙、G7でトップ  (共同通信ニュース速報)  

【ジュネーブ15日共同】世界保健機関(WHO)は十五日、各国のたばこ消費などをまとめた「世界たばこ地図」を発表、日本のたばこ輸入量は世界最大の年間約八百三十五億本に達した。また、男性の喫煙率は52・8%と、先進七カ国(G7)の中でも群を抜いて高かった。
 ジュネーブで同日始まった「たばこ規制枠組み条約」の交渉に合わせ発表した。大手たばこ会社を抱え、拘束力が強い規制に反対する日本や米国などの「たばこ大国」ぶりを浮き彫りにする狙いもあるようだ。
 「たばこ地図」によると、日本の女性喫煙率は13・4%と、男性とは対照的にG7の中で最低。このため、男女の合計では33・1%となり、ドイツ(35・0%)やフランス(34・5%)をやや下回った。男女合計の喫煙率が一番高かったのは、ナウルの54・0%。
 たばこ輸入では、日本の後はフランス(約六百七十六億本)、イタリア(約五百六十五億本)と続いた。タバコ葉の作付面積では中国が約百四十四万ヘクタールと、二位のインド(約四十六万ヘクタール)を大きく引き離しトップとなった。


2002/10/16  日本に「マルボロマン賞」  (共同通信経済ニュース速報)  

【ジュネーブ15日共同】各国の反たばこ非政府組織(NGO)で組織する「NATT」は15日、世界の反たばこ運動に最も逆行している政府や企業を対象とした「マルボロマン賞」を日本に付与すると発表した。
 NATTによると、たばこ規制枠組み条約の第5回政府間交渉が15日に始まる直前、日本財務省の審議会がたばこの消費削減を条約の目的としないとする中間報告をまとめた。このため「日本は交渉開始前から、早々と第1回の賞を獲得した」と皮肉った。
 マルボロマンは、米フィリップ・モリス社が人気商品マルボロを宣伝するために登用したカウボーイ姿の男性。NATTは25日までの交渉を監視し、毎日「きょうのマルボロマン賞」を発表するという。


2002/10/16  喫煙死、20年には840万人に=WHO (時事通信ニュース速報)  

【ジュネーブ15日時事】世界保健機関(WHO)は15日、たばこに関する地域・国別の状況をまとめた「たばこアトラス」を発表した。その中で、2000年は490万人だった喫煙による死者は、有効な手段が講じられなければ20年には840万に達すると予想。中国、インドなど人口の多い国や開発途上国での喫煙率の上昇、若年層・女性への喫煙の広がりに警鐘を鳴らしている。


2002/10/15  規制派と日米の激論必至 たばこ条約交渉、正念場に  (共同通信ニュース速報)  

【ジュネーブ15日共同】年間四百九十万人に上ると推計される喫煙による死者数低減を目的とした「たばこ規制枠組み条約」の第五回政府間交渉が十五日、ジュネーブで始まった。北欧諸国などが拘束力のある強い規制を求めているのに対し、大手たばこ会社を抱える日本や米国、ドイツなどが反対しており、激論は必至だ。
 実現すれば公衆衛生分野で初の多国間条約となる。来年二月に最後の政府間交渉を行い、同五月の世界保健機関(WHO)総会で採択を目指す。交渉事務局を務めるWHOは、二週間にわたる今回交渉で条文の大枠を固めたい意向で、交渉は正念場を迎えた。
 ブルントラントWHO事務局長は開幕演説で「(交渉の)遅れは、(喫煙による)死者増を意味する」と強調、各国に対し交渉の早期合意を求めた。
 今年七月にまとまった条約の最新草案は、広告規制や自動販売機の禁止など主要点で当初案から大幅に後退。広告規制では当初案の「あらゆる種類のたばこ広告禁止」が「各国が能力に応じて削減」に変わった。
 財務省の「財政制度等審議会たばこ事業等分科会」は今月、たばこ消費の削減を条約の目的としないとする基本方針を盛り込んだ中間報告をまとめており、日本は今回交渉で最新草案の「一層の骨抜き」(交渉筋)を目指す可能性がある。
 条約が一般論の列挙にとどまった場合、各国政府が負う具体的な義務は付属議定書に委ねられる。議定書策定のための特別交渉開催をめぐり、規制推進派と消極派は既に駆け引きを始めている。


2002/10/15  喫煙とタバコ煙(IARC) (切明義孝氏訳)  

http://monographs.iarc.fr/htdocs/monographs/vol83/01-smoking.html
TOBACCO SMOKING AND TOBACCO SMOKE
(Group 1)
5. Summary of Data Reported and Evaluation VOL.: 83 (2002)
5.1 暴露データ

世界では10億人以上の人々が喫煙しています。多くの先進国では喫煙率が低下していますが、他の地域では喫煙率は高いままであり、女性と発展途上国の喫煙率は上昇を続けています。大部分の国では男性の5分の1から3分の2は喫煙者です。女性の喫煙率は様々ですが、男性と同じではありません。
タバコは通常、紙巻タバコとして吸われます。紙巻タバコは非常に精巧に作られたニコチンを吸う道具です。ある地域では、パイプ、葉巻、 Bidis、その他の製品が好んで使用されています。紙巻タバコは細かく刻んだ葉タバコを紙やとうもろこしの葉で包んで製造します。葉巻はbinder leafになるcut tobacco と螺旋状に巻くwrapper leafから構成されています。Bidisは刻んだ葉タバコを、乾燥したtemburni の葉で包んだものです。
タバコ煙に含まれる化学物質は、個人の喫煙様態による影響を受けますが、第一にタバコの種類により決定されます。
紙巻タバコの場合、製品の設計による影響もあります、フィルターの有無、そして通気孔、巻紙の通気性、添加物の種類による影響もあります。その結果、タバコ煙に含まれる個々の化学物質の濃度は変化します。
現代の紙巻タバコを吸う人々を調査したところ、喫煙者が実際に吸入するニコチン、発癌性物質、毒素の量は喫煙頻度と吸い方に依存し、表示されているタール含有量とは関係が無いことが明らかにされました。
喫煙者固有の喫煙パターンの結果として、紙巻タバコから吸入されるタバコ煙の総量が、第一に、喫煙者の有害物質吸入量を決定付けます。
現在、利用可能な全てのタバコ製品には明白な発癌性物質が十分量含まれており喫煙者はこれを吸入しています。
ここ10年の間に、標準的な測定方法で測定した、紙巻タバコのタール、ニコチン、一酸化炭素含有量は、世界中の大部分の国々で低下しましたが、いくつかの国々では高値のままです。現在、表示されているタール及びニコチン量は誤解を生じやすく、人間の発癌性物質暴露を評価する指標としての価値はほとんどありません。法律により喫煙とタバコ煙の成分を規制すれば世界中は大きく変化するでしょう。
ある種の規制措置、例えば、タバコ税増税と職場の禁煙は喫煙率を減少させ、非喫煙者を保護する効果的な方法です。
5.2 人間への発癌性
1986年に発表された IARC Monograph on Tobacco Smokingは喫煙は肺癌、口腔癌、咽頭癌、喉頭癌、食道癌(扁平上皮癌)、膵臓癌、膀胱癌、そして腎盂癌を引き起こすと結論しました。この時のMonograph以降に発表された、さらに多くの研究が、これらの因果関係を裏づけています。
付け加えて言えば、今では喫煙と鼻腔癌、副鼻腔、食道癌(腺癌)、胃癌、肝癌、腎癌(腎細胞癌)、子宮頸癌、骨髄性白血病の因果関係を立証する十分な証拠があります。
1986年に発表されたIARC Monographによると、癌の部位別相対危険度は肺癌の20倍から膵臓癌の3倍までさまざまでした。現在この Monographでは、喫煙による癌の部位別相対危険度は全体的に2〜3倍であると観察されました。
5.3 動物への発癌性
タバコ煙の発癌性はげっ歯類、ウサギ、犬の吸入実験により研究されています。動物にタバコ煙を暴露させる動物実験は人間の喫煙を完全にシュミレートするものではありません。
そして、動物に発生する腫瘍は人間の癌を完全に表現するものではありません。それでも、動物実験はタバコ煙の発癌性を評価するために価値ある情報を与えてくれます。タバコ煙の動物に対する発癌作用を示す注目すべき証拠は、ハムスターでの全タバコ煙あるいはタバコ煙の微粒子暴露による、再現性がある、いくつかの喉頭癌発生実験です。
ラットによる5つの実験のうち4つで、タバコ煙に暴露されたラットでは悪性または良性の肺腫瘍を中程度増加させました。同様に、肺癌感受性を変化させたマウスによる8つの実験のうち4つで、タバコ煙に暴露されたマウスの肺腺腫の頻度を中程度増加させました。犬をタバコ煙に暴露させる動物実験により肺腫瘍の増加が観察されたという報告がありますが、悪性腫瘍に特徴的な組織病理学的所見であったかについては不明です。
タバコ煙と発癌性科学物質 (N-nitrosodiethylamine and 7,12-dimethylbenz[a]anthracene)の両方に暴露されたハムスターにおける呼吸器系の腫瘍反応は、いずれか一方による暴露と比較して、高度でした。
タバコ煙と放射性核種(radon progeny とplutonium oxide)による暴露実験でも同様な結果が観察されました。タバコ煙にはイニシエーターとプロモーターの両方の作用があり、動物に腫瘍を発生させます。
マウスの皮膚にタバコ煙の成分を塗布することにより、良性腫瘍と悪性腫瘍の両方を引き起こすことが出来ます。これには再現性もあります。ウサギの皮膚にタバコ煙の成分を塗布する実験でも皮膚腫瘍を発生させることが出来ます。
マウスの口腔粘膜にタバコ煙の成分を塗布したところ肺腫瘍とリンパ腫瘍の発生が増加しました。
ラットではタバコ煙の成分を肺内へ注入したところ肺腫瘍が発生しました。
マウスの皮膚に、タバコ煙の成分を1回局所塗布し、続けてクロトン油を塗布する、イニシエーション/プロモーション分析では、良性と悪性の両方の皮膚腫瘍をイニシエートする十分な作用が観察されました。
Indian bidi の煙成分を経胃管投与すると多数の臓器に腫瘍の発生が観察されました。
これらの実験動物による研究は、タバコの主流煙には発癌作用があるという証拠を提供してくれました。
5.4 その他の関連あるデータ
能動喫煙と生殖機能障害、様々な非腫瘍性疾患、慢性閉塞性肺疾患と心疾患を含む、因果関係は明白に確立されています。喫煙は依存性があり、ニコチンはタバコ製品に含まれる最大の依存性薬物です。
血液、尿、唾液中に含まれるニコチン代謝産物コチニンの測定により、タバコ煙暴露に対する特異的で感度が高い検査が可能です。この検査により能動喫煙者と受動喫煙を受けた非喫煙者を区別することが可能です。
能動喫煙は呼気中の一酸化炭素、ベンゼン、揮発性有機成分の濃度を上昇させます。
タバコ煙に含まれるいくつかの重要な発癌物質および関連する成分の代謝産物の尿中濃度は、一貫して喫煙者の方が、非喫煙者より、高い。
これらには人体に対する発癌性が知られているベンゼンの代謝産物はもちろん、げっ歯類に肺腫瘍を発生させるいくつかの発癌物質の代謝産物が含まれています。
喫煙者では、非喫煙者と比較して、血液中のタンパクに共有結合しているタバコ煙に含まれる発癌物質(付加体)の量が著しく多いことが証明されました。
血液中のタンパクに共有結合する付加体は芳香族アミン(例えば、4-aminobiphenyl)、多環式芳香族炭化水素(例えば、benzo[a]pyrene)、タバコ特有ニトロソアミン(例えば、4-(methylnitrosamino)-1-(3-pyridyl)-1-butanone)、ベンゼン、アクリルアミド、アクリロニトリルなどを含む様々なタバコ煙の成分に由来しています。
喫煙に関連するDNA付加体は呼吸器、膀胱、子宮頚部、その他の組織から様々な分析手法により検出されています。
多くの研究により、発癌性があるDNA付加体の量は、非喫煙者に比べると、喫煙者で高いことが証明されています。
喫煙関連DNA付加体は娩出された胎盤からも検出されており、非喫煙者に比べると、喫煙者で高いことが証明されています。また、喫煙関連DNA付加体は心血管組織からも検出されています。
総説すると、利用可能な生物学的データによれば、体内に吸収された発癌物質は、活性化し、DNAなどの巨大分子に結合します。これらの量は、非喫煙者に比べ、喫煙者の方が高いことが明らかにされました。
実験動物に対するタバコ煙主流煙暴露は、まず、げっ歯類では、数多くの生物学的効果をもたらします。例えば、(i)発癌物質の代謝におけるphase I とphase IIの酵素活性の増減、 (ii)酸化防止酵素活性の増加、(iii)窒素酸化物合成酵素、様々なプロテインキナーゼ、コラゲナーゼ活性の増加、(iv)組織におけるタバコ煙関連DNA付加体形成、 (v)肺に沈着した微粒子排出の遅延などです。
喫煙には、人間の組織中にある様々な酵素の活性を、抑制あるいは亢進させる効果があることが知られています。
薬物や発癌性物質の代謝に影響を与える外来性化合物代謝酵素(薬物代謝酵素)も喫煙による影響を受けます。
タバコ煙またはタバコ煙抽出物で培養細胞を処理し、酵素に対する影響を調べた多数の研究報告があります。
人間では、喫煙は遺伝子突然変異と染色体異常を引き起こします。喫煙者の尿は変異原性があります。
非喫煙者と比較すると、喫煙者の肺腫瘍はTP53とKRAS遺伝子の突然変異の頻度が高く、突然変異のスペクトラムは特有の特徴があります。
喫煙者でみられる大部分の遺伝的影響はタバコ煙やタバコ煙の抽出物で処理した培養細胞や実験動物でも観察されます。タバコ煙は人間と実験動物に対し、遺伝子毒性があります。
5.5 評価
喫煙が人間に対し、肺、口腔、鼻咽腔、咽頭癌、下咽頭癌、鼻腔、副鼻腔、喉頭、食道、胃、膵臓、肝、腎(腎と腎盂を含む)、尿管、膀胱、子宮頚部、骨髄(骨髄性白血病)の癌を引き起こすという十分な科学的根拠があります。
タバコ煙が人間の乳癌と子宮内膜癌の原因になるという証拠は不十分ですが、タバコ煙とタバコ煙抽出物を利用した動物実験では乳癌と子宮癌の原因になるという十分な証拠があります。
総合評価
タバコ喫煙とタバコ煙は人間に対する発癌性を有する。(Group 1)


2002/10/15  第5回たばこ条約交渉WHO長官演説 (切明義孝氏訳)  

http://www.who.int/dg/speeches/2002/genevacicg/en/
Geneva, 15 October 2002

The Fifth Session of the Intergovernmental Negotiating Body on the WHO Framework Convention on Tobacco Control Opening Remarks
WHOタバコ規制枠組み条約に関する第五回国際政府間交渉 
WHO長官Dr Gro Harlem Brundtland さんの演説

議長、閣下、代表の皆様、友人、そして同僚、今、私は死の時計を公開します。この時計はタバコ病による死亡者数を絶え間なく数え続けています。我々がこの交渉を開始した当時を思い出してください。当時、我々は、世界中でタバコが年間400万人を殺していると語りました。今日、我々は、世界中でタバコが年間490万人も殺していると語らねばなりません。時計は一定の速度で時を刻みますが、タバコ病による死亡割合はそうではありません。我々が会話している間にもタバコ病による死亡割合は増加を続けています。それゆえ、決して忘れないでください。タバコ規制の遅れは更なる死亡を意味します。タバコ規制の遅れは解決方法が存在するタバコ疫病の抑制の失敗を意味します。

紳士・淑女の皆さん、ようこそ第五回タバコ規制枠組み条約交渉(negotiations on the Framework Convention on Tobacco Control (FCTC))におこしくださいました。我々の前にある新しい議長案により大きな現実的な進歩が可能になりました。それは 4年前に始められた作業が確固たるものになったことを表しています。この結果に完全に満足できる国などないでしょう。それがまさに条約交渉の本質です。我々がこの作業の最も重要な段階に到達するにつれて、恐らく、我々は自分自身に1つの質問をしなくてはなりません。この作業が遅れることにより利益を得る者は誰でしょう?

4年前、私たちはあえて夢を見ました。皆さんとともに、我々は消費者の半分を殺す製品の宣伝、製造、販売に関する規制と世界的なルールを確立するため地図の無い道を歩み始めました。医学会の判断は非常に明確でした。医学会はこれを数十年前から望んでいました。世界中のタバコ消費に起因する死亡者はいずれも防ぐことが可能でした。政策の選択肢は明瞭です。タバコ病による死亡はタバコ税の増税、広告禁止、そして屋内空気規制により防ぐことが可能です。

タバコ対策を優先事項にするという私の任務は私にとっては自分への挑戦でした。私は今日ここにいるあなたがたの多くと、当時、議論したことを覚えています。もし我々が断固として行動しなければ、今から100年先、我々の孫と孫の子供たちが我々を振り返り、我々に真剣に尋ねるでしょう。「どのようにして、人々は、公衆衛生と社会正義に対し、タバコ疫病を広げ、放置することを認めさせたのですか?」

タバコ対策の解決方法を模索するためにWHOの19の条文に基づいて加盟国に世界ルールと基準に関する交渉を促しました。タバコ病による死亡を防ぐため、WHOの条約締結能力を結集させることを決断し、タバコ規制枠組み条約の締結へと動き、我々は公衆衛生の歴史を作ろうとしています。我々が問題点を共有すればするほど、タバコ規制枠組み条約が前進することを私は確信しました。

最近、私は年次会議に出席するため全ての地域委員会を訪問しました。私は強力な条約と関連条約原案の作成に携わるWHO加盟国の決意に打たれました。我々は既にいくつかの地域では成功を収めています。例えば、4年前、厚生大臣の多くがタバコ規制に何の関心も持っていませんでした。しかし今日では、全ての厚生大臣がタバコ対策に取り組んでいる、あるいは時間や予算等を確保しています。WHO加盟国にとってタバコ規制枠組み条約は、強力な国際的タバコ規制のために必要な政策決定を活性化させる触媒となっています。このプロセスは強力な公衆衛生規範の核心を強調しました。例えば、疫学、教育、訴訟を含む法律、通信そして経済です。タバコ規制枠組み条約は多くの作業を行いました。しかし、それは公衆衛生の原動力となったことを強調しなければなりません。タバコ規制枠組み条約は規範と基準の策定に鋭い焦点を当てました。

このラウンドが始まると同時に、昔から繰り返されている言葉が聞こえてきました。「タバコ病は金持ちの病気だ!」。彼ら自身に真実を語らせましょう。私は発展途上国の貧しい人々のタバコ消費量の推移を非常に心配しています。例えばインドネシアなどのいくつかの国々では、貧困層のタバコ消費量が最も速い勢いで増加しています。中国のある地域での調査によると各家庭の喫煙者は個人収入の60%、家計収入の17%をタバコの購入に費やしています。バングラデッシュの、最も貧しい市民、一月当たりの収入が24ドル未満、における喫煙率は最も裕福な市民の約2倍でした。タバコ規制枠組み条約に関する作業を進めるにつれて我々は有害な横槍に対し常に警戒しなくてはなりません。

タバコ疫病には病原媒介生物(vector)が存在します。あちこちで大発生しています。タバコ産業は単に利益とマーケットシェアのみに関心があり、それらを獲得するために行動し反応します。巧妙に企画された広告、宣伝、そして餌(景品)を利用して若い女性と男性を誘惑し釣り上げます。誤った医学情報とタバコ宣伝を洪水のように氾濫させています。タバコ産業は良い企業イメージを印象付けるために見せ掛けのイベントを行い人々を魅了しています。他にも多くの収益がありました。1つは他のどれよりも注目するに値します。タバコ規制枠組み条約締結のために加盟国によってなされた多くの作業により、タバコ産業は隠れる場を失いました。最近の最も良く知られている栄光はFIFAによるワールドカップ2002禁煙宣言であり、これは他の大きなスポーツ団体をも禁煙宣言に導きました。法律制定、訴訟、政策決定、規則と規制、新法、そして新しい訴訟事件、これらを毎日我々は耳にしています。そして、これらは誰かに希望をもたらし、この潮流は死と病気をもたらす犯人を不利な状況に追い込むでしょう。我々の内部調査につづいて、世界健康会議も我々にタバコ産業を警戒し、油断しないよう警告しました。タバコ産業による加盟国の公衆衛生行政の妨害に関する調査でも、タバコ産業は似たような嘘を付いていることが判明しました。

今は休むときではありません。INB5(第5回 Intergovernmental Negotiating Body )への意見として、最近、大手タバコ産業が我々全員に条約案に対する要求を提出してきました。数多くの営利団体と同様に、広報会社、広告会社、大学のコンサルタントなどタバコ産業による利益のとりこになった団体が我々の仕事を脱線させようと数ヶ月にわたり押し寄せてきました。

INB4の期間中、我々全員がタバコの宣伝、広告そしてタバコ製品に関する自主規制についての手紙を受け取ったことを思い出すでしょう。私はきっぱりと無視しました。私は4年前に発言したことを今でも確信しています。タバコ疫病は広告疾患であり、魅了されるべきではなく、補助金が交付されるべきでもありません。タバコ産業の内部文書により、そのような計画の動機は政府に対する影響力を獲得するためであり、健康政策を歪め、効果的なタバコ規制を破壊するためであることが明らかにされました。

私たちは4年間、この問題について共に働き、共に考えてきました。新しい知見が得られれば、新たな挑戦が生まれます。タバコ規制枠組み条約には多くの事柄が期待されています。タバコ規制枠組み条約は子供たちの喫煙防止を可能にする道具です。今日ここに集まった我々全員にとって、昔も今もタバコ規制枠組み条約は重大な挑戦です。この会議場で世界中の子供たちをタバコの災禍から守るための規制作りを満場一致で要求しました。タバコ産業は我々の子供たちについて「タバコ病で毎日死亡する喫煙者の欠員補充のために必要だ」と語りました(''replenishment pools'' )。我々はスポーツからタバコを排除する世界的な運動を推進することに成功し、そしてこれは我々の決意をさらに強固なものにしました。

世界は変化する準備が整ったと考えています。このため、来年の世界禁煙デーは世界中の子供たちがタバコの誘惑を受けている問題に焦点を当てます。 私は映画とファッションについて語ります。我々は世界の舞台であるHollywoodとBombayの Bollywood に焦点を当てる予定です。映画の中でタバコを紹介する理由など決して存在しません。ファッション業界でも同様です。タバコはファッションアクセサリーではありません。むしろ我々はタバコによる死亡と破滅について考えるべきです。
(訳注;日本では「タバコは動くアクセサリー」という宣伝が大々的に行なわれていました。)

我々の子供たちからも膨大な数のタバコ病犠牲者が出ていることを我々は認識しています。 Global Youth Tobacco Survey による最新のデータによれば、いくつかの国々では13歳から15歳の子供たちの60%がタバコを吸っていることが明らかになりました。13歳から15歳の喫煙する子供たちの4人に1人が10歳未満でタバコを吸い始めています。これらの子供たちの大部分が禁煙を試みたことがあり、喫煙する子供たちの大部分が禁煙を願っています。
The Macroeconomics and Health Commission's Report は世界的にタバコ消費量がうなぎのぼりに上昇しており、いまだかつてない危害を与えていると警告しました。うなぎ昇りのタバコ消費量を支えているのが、まさに我々の子供たちです。タバコ産業は我々の子供たちに焦点を当て重点的に狙っています。

子供の喫煙はしつけの問題であると主張するタバコ産業は、事実、子供たちの喫煙開始を防ぐ手段を講じず、むしろ子供たちの喫煙を容易にする環境を作っています。多くの厚生省では予算が不足していますが、タバコ産業から資金を貰うと必然的に公衆衛生上の優先順位を歪め、結果的に人々の健康に反する政策を行うことになります。したがって、我々は政府にタバコ産業からの資金、あるいは、タバコ産業の協賛をいかなる形であっても断るよう、強くアドバイスしています。

しかし、タバコ産業は、21世紀に10億の生命を奪った、タバコ関連疾患の集団発生の原因を作り、さらに被害を拡大させているにもかかわらず、タバコ産業は150カ国以上の国々で実施されている、「未成年の喫煙を防ぎましょう」等の宣伝で解決できるという立場をとっています。タバコ産業は様々な資金提供を行う一方で、タバコ産業は子供たちに「タバコは大人の嗜好品」という情報提供キャンペーンを展開しています。いくつかの研究により、これらのキャンペーンには子供たちの喫煙を防ぐ効果も、減少させる効果も無いことが示されました。むしろ、いくつかの実例により、タバコ産業による未成年喫煙防止キャンペーンが、現実には、子供たちの喫煙を促しているようです。我々はこのような行為を中止させるべきです。そして、タバコ産業による全ての未成年喫煙防止キャンペーンを即座に中止するよう要求すべきです。タバコ産業はタバコ規制枠組み条約のプロセスに携わりたいようですが、私のメッセージはこうです。タバコ産業は言動によって裁かれるのではなく、タバコ産業自身の所業によって裁かれることになるでしょう。私にはタバコ産業に伝えたいメッセージがあります。もし、タバコ産業が真剣に子供たちの喫煙を防ごうとしているのであれば、タバコ税増税とタバコ広告全面禁止のための作業を支援するでしょう。もう1つ、我々がタバコ規制枠組み条約最終案に盛り込む準備が出来ているのは密輸関連の部分です。 何年間も、我々は密輸が、特に子供たちの喫煙開始に果たす役割について学んで来ました。事実、全ての加盟国はこの有害な現象を認識してきました。加盟国の多くが世界的なタバコ広告禁止と密輸防止を求めています。我々の要求は米国政府にも届き、タバコの非合法取引に関する国際会議にWHOを招待してくださいました。私たちはタバコ密輸が単に通常の市場経済に起因するものではないことを認識しています。事実、マーケットシェアの拡大と脱税を目的として、部分的にタバコ産業側が密輸を主導しています。タバコ密輸は国家の価格政策の障害になり、政府の税収を減少させタバコ対策予算を減少させ、タバコ産業の横暴を許し、タバコ規制に関する国際協力を妨害し、特に、タバコの警告表示や子供たちへのタバコ販売などを規制する法的規制および保健関係法を無効にします。控えめに推定しても、タバコ税を平均1箱あたり1.25ドル から 1.50ドルとして、タバコ密輸量を年間200億箱とすれば、政府の歳入が年間250億ドルから300億ドル 失われている計算になります。

我々は世界中のタバコ税を検討し、次のように結論しました。ほとんどの国々ではタバコ税を大幅に引き上げる余地が十分あります。多くの国々の例に見るように、タバコ税の増税は特に子供たちと貧困層の喫煙率を減少させる著しい効果があります。密輸はあらゆる段階で防がなければなりません。

淑女、紳士。かつて私は、タバコ規制に関連する選択肢の中で、我々はどれが有効な規制であるかを知っていると語りました。現在、最も重要なことはタバコ規制枠組み条約を現実のものにすることです。これは政治的公約です。重要事項は適切に盛り込まれ、我々は最終段階に到達しました。WHOによる初めての国際条約をいかに強力なものにするかを決断する決定的な段階です。今、私たち全員が世界中に、タバコは人殺しであると語る時がきました。 意味論や政治では現実を変えることは出来ません。新しい条約は世界中の非常に多くの人々の生命と健康のために、現実に大きな変化を生み出すことが可能です。私はINB5が非常に大きな成功を収めることを期待しています。

ありがとうございました。


2002/10/15  タバコアトラス(WHO) (切明義孝氏訳)  

http://www.who.int/mediacentre/releases/pr82/en/
WHO Atlas maps Global Tobacco epidemic
15 October 2002 GENEVA

タバコは1時間あたり560人、1日あたり13,400人、1年間では490万人の人間を殺しています。全ての国々、そして全ての民族が例外なくタバコによって殺されており、病気にされています。
WHOの新しいタバコアトラス(Tobacco Atlas)はタバコの流行が世界的に猛威を振るっていることを視覚的に紹介します。
このアトラスは各国におけるタバコ対策の相違点と類似点など詳細なデータを提供します。これらのデータは、ある国の行動や不作為が他国のタバコ対策に影響を及ぼすことを示しています。
「このタバコアトラスは地球的規模でのタバコ流行に関する様々な重要な情報を教育的かつ独創的な手法で提供します」とWHO長官のDr Gro Harlem Brundtlandさんは語りました。「このタバコアトラスは疫学や統計に関する複雑な情報を誰にでも簡単に理解できるよう作成されており、誰でも効果的に利用することが可能です」
このタバコアトラスを政策決定者が国内的そして国際的なタバコ規制を策定するためのツールとして利用するよう促します。
タバコ消費量は世界中で増加しつつあり、強力なタバコ規制を導入しない限り、2020年には年間840万人がタバコによって殺されることになるでしょう。今日の若年喫煙者の2人に1人はタバコが原因で死亡するでしょう。タバコによる死亡者の大部分が発展途上国の住民となり、全死亡者数の70%を占めるようになるでしょう。
タバコアトラスは米国アトランタ州のCDCと共同で作成されました。これはタバコ流行に関する素晴らしい統計情報を提供してくれます。カラー地図と画像を利用し、タバコ問題に関する数多くの統計情報を視覚的に判りやすく説明しています。タバコ産業の運営、タバコ消費量の男女差、タバコ産業による投資、タバコ使用による損失、密輸、訴訟は各国ごとに類似点や相違点があります。
「今日の行動は明日の現実を決定します。このアトラスはタバコの流行と取り組む上で貴重な情報源になります。」アトラスの著者Senior Policy Advisor to the Tobacco Free Initiative of the WHOのDr Judith Mackayさんは語りました。共著者はformer Director of the US Office on Smoking and Health and current consultant at the Centers for Disease Control and PreventionのDr Michael Eriksenさんです。
ジュネーブで開催されているWHO加盟国によるタバコ規制枠組み条約締結のための第5ラウンド交渉にあわせてこのタバコアトラスは発表されました。
タバコ規制枠組み条約の締結は2003年の5月に予定されています。


2002/10/14  禁煙治療における心理学的介入 (切明義孝氏訳)  

http://www.reutershealth.com/archive/2002/10/14/eline/links/20021014elin014.html
Therapy doesn't boost anti-smoking drug effect
Last Updated: 2002-10-14 16:55:49 -0400 (Reuters Health)
NEW YORK (Reuters Health)

禁煙を希望する喫煙者が、禁煙補助剤と集団療法を併用しても、付加的な効果は認められないことが新しい研究により明らかになりました。今までの研究により、ある種の抗うつ剤を使用することで、禁煙希望者の4人に1人が1年間の禁煙に成功することが発見されています。専門家は禁煙補助剤に集団療法を加えると果たして禁煙成功率が高まるのかという疑問を抱いていました。University of California at San Francisco のDr. Sharon M. HallさんらはGeneral Psychiatry 10月号に発表しました。
Hallさん達のチームは禁煙希望者220人の禁煙治療の組み合わせを評価しました。禁煙希望者は6つのグループに分類されました。3つのグループはそれぞれbupropion (Zyban)、nortriptyline 、プラセボを投与されました。他の3つのグループではそれらの薬と併用して5つの集団療法にも参加しました。そして、全ての禁煙希望者を1年間追跡しました。この禁煙治療では、治療の初期から医師による指導を数回行い、禁煙の利点と禁煙の進捗について話し合われました。心理学的介入として、喫煙しないことの利点と禁煙を支援する生活習慣の変容についてカウンセラーと議論する90分のセッションを5回行いました。
Hallさんのチームは薬物療法単独による一年後の禁煙成功率をbupropion群29%、nortriptyline群23%、プラセボ群13%と報告しました。薬物療法と集団療法を併用した群の禁煙成功率はbupropion群29%、nortriptyline群21%、プラセボ群21%でした。
研究者が予測したとおり、薬物治療群はプラセボ群と比べて禁煙成功率が高くなりました。プラセボ群では医師の指導よりもカウンセラーによる集団療法を受けた群の方が禁煙成功率が高くなりました。しかし、研究者は集団療法は薬物療法の効果を高めないと語りました。「薬物療法と心理学的介入の併用は禁煙治療においては限られた効果しかない」と著者は述べました。
「以上のデータにより、心理学的介入と抗うつ剤の併用は、抗うつ剤単独治療より効果があるとは言えない。」と結論しました。

SOURCE: Archives of General Psychiatry 2002;59:930-936.


2002/10/14  WHOはタバコ価格の引き上げを要求 (切明義孝氏訳)  

http://www.reutershealth.com/archive/2002/10/14/eline/links/20021014elin031.html
World Health body urges sharp tobacco price rise
Last Updated: 2002-10-14 13:04:47 -0400 (Reuters Health)
GENEVA (Reuters)
WHOは月曜日、各国政府にタバコ価格を最低5%引き上げるよう要求し、これにより数百万人の生命が救われると語りました。
国連の機関である世界銀行の報告書を引用し、タバコ価格を10%引き上げれば4000万人の人々が禁煙し、数百万人の人々は決してタバコを吸わなくなるだろうと語りました。
「タバコ価格の引き上げは1000万人の生命を救うでしょう。発展途上国では900万人の若年死亡が回避できます。」WHOは語りました。しかし、政府が10%は過大であると考えるのであれば、5%の価格引き上げから始めるべきです。
「公衆衛生上、タバコ税増加は効果的な介入手段です。特に子供たちの喫煙開始を防ぐには有効です。」WHOは語りました。
ジュネーブに本部があるWHOは192カ国の加盟国に対し、喫煙を抑制するための国際条約締結に合意するよう呼びかけています。タバコ枠組み規制条約の交渉は1999年に始まりました。そして、次回の2003年5月の会議までに完成する予定です。
最近、WHOはタバコ病による死亡者数を推定年間420万人から490万人へと改めました。この原因は主にタバコ病の範囲の見直しと発展途上国での心疾患の増加によるものです。
そして、2030年には年間1000万人がタバコ病で死亡するという見積もりは過小評価であろうと語りました。
タバコ税増税は、特に健康に恵まれない国々では、タバコの需要を減少させ、子供の喫煙を減少 させるとWHOは語りました。
タバコ規制条約は加盟国に対し、タバコ広告の廃止と誤った印象を与える「マイルド」や「低タール」などの語句を禁止します。
加盟国は、相互に協力して、タバコ対策の効果を損ねるタバコ密輸対策に取り組み、タバコ病訴訟に利用可能な研究結果と情報を交換するようになるでしょう。


2002/10/13  一石三鳥  (東奥日報)  

 たばこが1箱3百円に値上げされると喫煙者の16%がたばこをやめ、千円なら63%が禁煙するというアンケート結果を厚生労働省所管の研究機関がまとめた。禁煙者が増えても、千円になればたばこ税などの増収が1兆円を超え、医療費削減、健康増進も進む“一石三鳥”の試算結果で、増税論議を後押ししそうだ。
 同研究機関の試算では「3百円たばこ」の場合、現在2800万人余に上る喫煙者が約470万人減り、10万人を超す死亡者も約1万7千人減少して8万人台に。医療費は2千億円余り削減される。税収は「3百円たばこ」では約2兆3千億円からわずかに減少するが、「5百円」では4千億円、「千円」では1兆円余りそれぞれ増えるという。


2002/10/13  喫煙防止は小学生から=来年度、啓発ポスター作製−文科省  (時事通信ニュース速報)  

 たばこの害は小学生の時から教えなければ−。文部科学省は2003年度、小学生に喫煙の害を認識してもらうための啓発ポスターを作製、配布する。中高生向けの啓発パンフレットも同時に作る予定だが、同省が小学生向けの喫煙防止教材を作るのは「おそらく初めて」(文科省学校健康教育課)という。
 ポスターは全小学校に数部ずつ配布する方針。中高生向けのパンフレットは各学校の1年生全員に行き渡るようにする。


2002/10/12  <たばこ条約>守勢の日本が厳しい立場に 第5回政府間交渉  (毎日新聞ニュース速報)  

【ジュネーブ大木俊治】たばこの広告・販売を世界規模で規制する「たばこ対策枠組み条約」の締結に向けた第5回政府間交渉(192カ国参加)が、14日から25日までジュネーブで開かれる。たばこ撲滅を目指す世界保健機関(WHO)の主導で、来年5月の成立を目指す。交渉は大詰めを迎えており、たばこ産業を抱えて守勢の日本は、米国とともに厳しい立場に立たされる。
 7月に政府間交渉のコレア議長(ブラジル)が全38条の第2次草案を公表。(1)「ライト」「マイルド」など誤解を与える表示をしない(2)客が自由に取れる陳列棚などでのたばこ販売を禁止(3)自販機を次第に追放(4)免税販売を段階的に制限(5)(未成年者など)弱者を対象とする広告・販促行為を厳しく制限(6)スポーツ・文化事業へのたばこ会社の後援を次第になくす――などを盛り込み、このために各国が必要な措置を取るよう定めた。
 昨年出された当初案には、自販機や免税販売の禁止、未成年者への広告・販促行為の禁止、たばこへの課税強化などが明記されていたが、2次案では緩やかな表現に後退した。これに対し「反たばこ」の非政府組織(NGO)は強く反発。一方で、日米は表現・経済活動の自由を理由に一層の規制緩和を求め、日本は特に「ライト」「マイルド」の表現禁止や自販機追放に反対している。
 最終合意は来年2月の次回交渉にもつれ込む可能性が強いが、WHOのブルントラント事務局長は今交渉を「正念場」と位置付け、各国に規制強化を働きかけてきた。インドと中国が「自販機追放」支持を打ち出し、欧州連合(EU)が「マイルド」表示の禁止を決めるなど、大勢が規制推進に動く中、抵抗する日米の対応が焦点だ。


2002/10/11  タバコ条約交渉について(WHO) (切明義孝氏訳)  

http://www.who.int/mediacentre/releases/pr78/en/
Countries meet in Geneva to craft tobacco treaty
タバコ製品の広告、宣伝、販売、密輸に関する規制を確立するため、WHO加盟国の代表は来週から2週間ジュネーブに集まります。国際政府間交渉は10月14日から25日まで 4年間の交渉を通じて提案された新しいタバコ枠組み規制条約について検討します。この新しい条約案はブラジル人議長Ambassador Luis Felipe de Seixas Correaによって作成されました。
「これは交渉の最も重要な部分です。技術的な作業はすべて終了しており、各国がタバコ流行を抑制するための決意を見せる時が来たと考えています。」WHO長官のDr Gro Harlem Brundtlandさんは語りました。
「我々がタバコ枠組み規制条約に取り組み始めてからも、タバコ病による死亡率は増加を続けています。我々がこの作業をはじめた頃、タバコは年間400万人を殺していました。今日ではタバコは年間490万人を殺しています。
強力なFCTCは生命を救います。条約の締結が遅れれば死亡者はさらに増加し、さらに多くの子供たちがタバコの餌食になることを忘れてはなりません。」彼女は付け加えました。
タバコは長い間「豊かな国」の問題であると思われていましたが、この4年間を通じ、世界は、いかにタバコが発展途上国の脅威になっているかを理解しました。タバコ産業はヨーロッパや北アメリカなどタバコ消費が停滞する国々の代わりに、発展途上国や閉ざされてきた市場を開拓し、タバコを販売しようと躍起になっています。
多くの国々が強力な広告規制、国内外の強力な密輸防止対策、子供たちがタバコを購入することを防ぐためのタバコ販売価格引き上げを要求しています。
調査によって、いくつかの国々では13歳から15歳の子供たちの60%以上がタバコを吸っていることが明らかにされました。
喫煙する13歳から15歳の子供たちの4分の1は10歳までに喫煙を開始しています。喫煙する子供たちのほとんどが禁煙を試みたことがあり、禁煙を望んでいます。
交渉はタバコ産業の作為、特に交渉を決裂させようとする策謀、についても焦点を当てます。世界健康会議 (WHA) は「たばこ対策の透明性」を決議し、加盟国にタバコ産業とその代理人による陰謀に油断しないように注意を喚起しました。
タバコ産業とその代理人は交渉の核心とは無関係な問題を提示し、見当違いな解決策を提案してきます。タバコ枠組み規制条約は2003年の5月にWHAによって採択される予定です。
最後の交渉は来年の2月に予定されています。

FOR MORE INFORMATION ABOUT WHO’S TOBACCO FREE INITIATIVE, VISIT
- TFI website
For more information contact:
Helen Green - Information Officer
NMH Communications
WHO, Geneva
Telephone: (+41 22) 791 3432
Fax: (+41 22) 791 4832
Email: greenh@who.int


2002/10/11  15歳以下の禁煙治療開始 「来てみて良かった」 静岡市  (共同通信ニュース速報)  

 十五歳以下の子どもを対象に禁煙治療を専門的に行う「卒煙外来」を開設した静岡市の静岡県立こども病院で、十一日午後から診察がスタート。訪れた患者からは「来てみて良かった」などの声が聞かれた。
 この日、診察を受けたのは喫煙歴一年で、一日数本を吸うという中三の男子生徒(14)。担当する加治正行医師がニコチン依存症のメカニズムのほか、たばこが本人と周囲に及ぼす悪影響を説明。男子生徒からは喫煙の状況などを詳しく聞く、カウンセリング形式で治療を進めた。
 一時間半ほどの診察を終えた男子生徒は「たばこの怖さと、(喫煙が)他人にも迷惑をかけるということが分かった。今はまだやめる気はないが、やめた方がいいとは思っている。友達にも行くことを勧めたい」などと感想を話した。
 加治医師は「じっくり話を聞いてもらったので、やりがいがあった。やめるきっかけになってくれれば」と話していた。
 全国的にも珍しい未成年者を対象にした禁煙治療は毎週金曜日の午後。他の病院の紹介状が必要で、保険適用外のため初診料は六千五百円となっている。


2002/10/11  運転中にたばこを拾おうとして事故-飲酒運転巡査長を懲戒免職  (共同通信ニュース速報)  

 神奈川県警は十一日、飲酒運転で自損事故を起こし、車を放置して立ち去ったとして、道路交通法違反(酒気帯び運転、事故不申告など)の疑いで、県警留置管理課の巡査長(29)を書類送検し、同日付で懲戒免職処分にした。
 県警監察官室によると、巡査長は九月二十一日午後九時半ごろから二十二日午前六時四十五分ごろの間、横須賀市内のスナックや居酒屋で焼酎やビールを飲んだ。同八時二十分ごろ、自分の車を運転中に横浜市鶴見区の首都高速大黒線で道路脇の側壁に衝突したが、事故を通報せずに車を放置して立ち去った疑い。
 巡査長は「運転中に落としたたばこを拾おうとしてハンドル操作を誤った。飲酒運転がばれるのが怖かった」などと話しているという。
 巡査長は居酒屋から横須賀市内の自宅へ車を運転して帰ろうとしたが、日曜日の早朝だったので、家族が起きるまで時間をつぶすため東京都内へ向かう途中だったらしい。


2002/10/10  節煙や低タールたばこは意味 (切明義孝氏訳)  

http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/2312421.stm
Thursday, 10 October, 2002, 10:01 GMT 11:01 UK
Light smoking still a cancer risk
喫煙者3人のうち2人は禁煙を希望している。
喫煙本数を減らしている(節煙している)喫煙者や低タールタバコへ切り替えた喫煙者は早く禁煙すべきです。専門家は、タバコの本数を減らしたり、低タール製品に切り替えても、癌の危険があると警告しました。タバコの本数を減らすと健康被害も減少すると考えることは単なるごまかしです。多くの場合、このような人々はタバコ煙を深く吸い込んでおり健康を破壊するものであると語りました。University College Londonの健康行動教室のMartin Jarvis教授は喫煙者は禁煙するよう試みるべきであると語りました。
愚か者の幸せ
「禁煙のための最初のステップとしてタバコの本数を減らすことは、一部の人々には有用かもしれませんが、節煙に留まるべきではありません。節煙は愚か者の幸福に他なりません。節煙しても人々は残ったタバコを深く吸うようになり、タバコ消費量を減少する以前に、タールや他の危険なタバコ煙の成分をより多く吸い込むことになります。」
director of tobacco control at Cancer Research UKのJean Kingさんは節煙や低タールタバコを吸う人々は癌の危険を増加させていることを自覚していないと語りました。
「人々は吸い過ぎに注意すればよいと考えているようです。我々は吸い過ぎないよう注意するのではなく、禁煙の勧奨を継続しなければなりません。」「タバコ煙に含まれているニコチンには強い依存性があるため禁煙は困難です。」「その上、節煙したり、低タールタバコに切り替えても、タバコ煙を深く吸い込むためニコチン依存症となり、さらにタバコを渇望するようになることを研究者は証明しました。」
Cancer Research UK chief executiveのSir Paul Nurseさんは「節煙はあくまでも最初の一歩です。完全に禁煙することが最終的な目標です。」と語りました。
英国の喫煙者の3人に2人はタバコを止めたいと考えています。
8月に発表された研究では、1日に2、3本のタバコを吸うと深刻な健康障害が引き起こされることが示されました。
デンマークの医師による研究では1日3本のタバコを吸う女性では心疾患による死亡や早死の危険が2倍になることを発見しました。
男性でも1日6本のタバコを吸うと同じ危険があります。


2002/10/10  カナダ受動喫煙訴訟で原告勝訴 (切明義孝氏訳)  

http://reuters.com/news_article.jhtml?type=healthnews&StoryID=1562146
Canadian Waitress Wins Second-Hand Smoke Ruling
October 10, 2002 05:24 PM ET
OTTAWA (Reuters)
カナダのウエイトレスは受動喫煙に40年間曝露されて末期の肺癌になった補償金を受け取るでしょう。この判決は広くバーやレストランでの喫煙を禁止する条例の成立を促すでしょう。
Ottawa Citizen 紙は水曜日に、オンタリオ労働安全保険委員会( Ontario's Workplace Safety and Insurance Board )は非喫煙者Heather Croweさんのために判断したと語りました。彼女は受動喫煙により病気になったと語りました。この判断は他のレストランで働く労働者への補償を促すことになるだろうと新聞は報道しました。
57歳のCroweさんはタバコの煙が充満したバーやレストラン、ホテルで40年間働いてきました。今年の3月、彼女は首の周囲に3つのしこりを発見し、X線検査で肺癌を病んでいることが明らかにされました。医師はあと一年も生きられないと彼女に宣告しました。
「本当に腹が立ちました。これはフェアでないと思いました。化学療法を受けて失意のどん底に居ます。」「私は氷を食べることしか出来ません。全ては誰かの喫煙が原因です。」
カナダの多くの都市ではバーやレストランでの喫煙を禁止、あるいは制限しています。オタワのバーとレストランは昨年から禁煙になりました。
Croweさんは失った収入、永久的な障害、ケアのための費用、独立した生活が不可能になった補償などを得るだろうと新聞は報道しました。Ottawa's medical officer of healthのDr. Robert Cushmanさんは職場での喫煙が厳しく規制されない限り、ますます多くの訴訟が起きるだろうと語りました。
「いずれ政府は補償金を払えなくなると思います。」彼は語りました。


2002/10/10  たばこ消費削減に異論 規制条約で財務省審議会  (共同通信ニュース速報)  

 財務省の財政制度等審議会たばこ事業等分科会(分科会長・矢崎義雄国立国際医療センター総長)は十日、世界保健機関(WHO)主導で世界的なたばこ規制の一本化を目指す「たばこ規制枠組み条約」について、たばこ消費の禁止や削減を目的としないとの基本方針で交渉に臨むよう提言する中間報告をまとめた。
 たばこ消費削減という世界の潮流に逆らい、たばこ規制を「たばこの需要、供給、害を低減する戦略、基準設定」と定義する条約案の理念を正面から否定する内容。
 報告書を受けた小林興起財務副大臣は「報告の基本的な考えを踏まえて交渉に臨む」としており、十四日からジュネーブで始まる第五回政府間交渉で、たばこ規制に後ろ向きとの日本批判が強まりそうだ。
 報告書は総論として、規制は@健康リスク情報の適切な提供A未成年者の喫煙防止B公共の場での分煙の観点から行うべきとし、消費削減、禁止を求めるべきではないとした。
 条約案に盛り込まれた、商品名に「マイルド」や「ライト」などの表現禁止、自動販売機の段階的廃止・禁止については、個別対応が可能であり条約で一律に規制すべきでないとの立場を明確にした。
 来週の交渉再開を前に、外務省が財務、農水、厚生労働など関係省庁の意見をとりまとめているが、条約に積極的な厚労省と消極的な財務省が対立し、調整は難航している。


2002/10/ 9  Nassau (N.Y.)で強力な喫煙規制可決 (切明義孝氏訳)  

http://news.tobaccofreekids.org/plugin.jtml?siteID=TFKNEWS&p=1&Tab=News&Object_ID=554691&PrintThis=true
October 9, 2002
Nassau County Passes Toughest N.Y. Smoking Ban

全ての職場、レストラン(屋外の席を含む)、バー、ビンゴホールでの喫煙を禁止する法案が Nassau County (N.Y.)の議会で可決しました。Newsday10月8日の報告です。
この法案は10対8で可決されました。共和党はこの法案に反対していましたが民主党はこの法案を支持しました。
批評家は個人の権利を侵害すると語りました。喫煙規制は小規模ビジネスに打撃を与えるという議論もありました。
「我々は店を閉めなければならなくなるでしょう。」East RockawayのバーFrankie C's PlaceのオーナーMaryanne Oatesさんは語りました。「客はセブンイレブンに行ってタバコを6パック買い、家へ帰ると言うでしょう。」州では最も厳しい喫煙規制です。
この法案は2003年3月1日から有効になります。しかし、ビンゴホールは2004年1月1日から規制されます。
付け加えて言えば、収入の90%をタバコの売り上げに依存する商売は免除されます。
この喫煙規制は1998年に成立した Nassau のレストランに空間分煙された喫煙室を設置するよう要求する法律を拡張したものです。


2002/10/ 8  タイ税関がJTの積み荷没収  (毎日新聞ニュース速報)  

 ◇これだけは許せないマナーを、「たばこをポイ捨てする人」と考えている人は、結婚情報サービス会社「ツヴァイ」が行ったアンケート調査(10〜60代の1582人)で、90.9%で最も多かった。
 ◇ポイ捨てに続いて、多かったのは「電車内の大声」(87.2%)や「酔っ払い」(86.5%)。「歩きたばこ」(78%)もワースト5入りで、愛煙家には厳しい結果となった。
 ◇東京・千代田区では1日から路上での喫煙者に過料を取る条例が施行されたばかり。「人のふり見てわがふり直せ」というが、世間の冷たい視線は、条例より効果があるか? 【前田剛夫】


2002/10/ 8  タイ税関がJTの積み荷没収  (共同通信経済ニュース速報)  

 タイの英字紙バンコク・ポストによると、タイ税関当局はこのほど、米たばこ大手フィリップ・モリスと日本たばこ産業(JT)両社の総額10億バーツ相当の積み荷を差し押さえた。両社による輸入たばこの申告価格が市場実勢を大幅に下回っていたためという。
 タイ税関当局は、市場実勢を反映しやすくするため、酒類やたばこの輸入品について新たな基準価格を発表する計画だ。


2002/10/ 8  タバコを吸うと胃癌になる  (切明義孝氏訳)  

http://www.reutershealth.com/archive/2002/10/08/eline/links/20021008elin020.html
Many stomach cancer cases caused by tobacco use
Last Updated: 2002-10-08 17:00:54 -0400 (Reuters Health)
NEW YORK (Reuters Health)
米国の大規模な調査により、紙巻タバコ及びその他のタバコ製品の使用は男女ともに胃癌で死亡する危険を著しく増加させることが明らかになりました。胃癌は世界で2番目に多い癌で、潰瘍の原因となるHelicobacter pyloriの慢性感染と関係があることが知られています。
American Cancer Society in Atlanta, GeorgiaのDr. Ann Chaoさんは今年の6月に実施されたタバコの有害性の評価によると、IARCはタバコが人間の胃癌の原因になるという十分な証拠があると結論しました。
Chaoさんらの発見は International Journal of Cancer10月1日号に掲載され、タバコが胃癌の原因であると言う結論を裏付けました。Chaoさんのグループは、Cancer Prevention II Studyに登録された情報を利用して、女性の紙巻タバコ使用と胃癌死亡率の関係、男性の紙巻タバコ、葉巻、パイプタバコ、無煙タバコ使用と胃癌死亡率の関係を調査しました。
男性467,788人のうち胃癌による死亡は996人で、女性588,053人のうち胃癌による死亡は509人でした。
胃癌死亡率を非喫煙者と比較すると、男性の紙巻タバコ使用者の胃癌死亡率は非喫煙者より2倍以上高く、女性喫煙者では胃癌で死亡する危険が49%高くなりました。葉巻を使用する男性は、非喫煙者と比べ、胃癌で死亡する危険が2.3倍高くなりました。
慢性の消化不良または胃潰瘍のある紙巻タバコ使用者は胃癌で死亡する危険が、非喫煙者と比べ、3倍以上になりました。
同様に、葉巻を使用する者では胃癌で死亡する危険が、非喫煙者と比べ、9倍以上になりました。米国人男性の胃癌死亡の28%はタバコが原因であり、女性の胃癌死亡の14%はタバコが原因たと推定しました。
「これらの結果は、我が国では他国に比べ胃癌が少ないけれども、喫煙率が増加している国々では胃癌も増加しており国家の大きな問題となっていることに合致する。」とChaoさんは語りました。
SOURCE: International Journal of Cancer 2002;101:380-389.


2002/10/ 7  <路上禁煙ルポ>区職員らに同行 条例効果は上々 千代田区  (毎日新聞ニュース速報)  

 路上での喫煙や吸い殻のポイ捨てをした人から最高2万円の過料を取る千代田区の全国初の条例「生活環境条例」が7日、施行1週間を迎えた。今月中は見つけても注意だけだが、11月から当面は、実際に2000円の過料が科される。条例は浸透しているのか、喫煙者の反発はないのか――。雨の午前、神田駅周辺を巡回する区職員らに同行取材した。 【宮川裕章】

 午前8時。雨の降りしきるJR神田駅西口を、区職員3人、警備員2人とともに出発した。通勤ラッシュの時間帯。「雨の日は傘とバッグで手がふさがるから、たばこを吸う人は普段より少ないはず」。先頭を行く警備員、仁田山広行さん(39)が言う。
 神田司町2の司町交差点で、傘をさしながらたばこに火をつけようとしているスーツ姿の男性(30)を見つけた。仁田山さんが「恐れいります」と丁寧に注意すると、「条例は知ってたけど、つい」と照れくさそうに笑った。施行初日に続き2回目の巡回となる道路公園課、岩井徹さん(36)は、「条例はかなり周知されていると思います」。
 内神田3の交差点でたばこを吸いながら歩いているジーンズにバックパック姿の男性を発見。職員が注意し、携帯用の灰皿で消してもらうと、渋々と応じた。男性は不愉快そうな表情で、「こんなことをしてもポイ捨ては減らない」とアスファルト上で雨にふやけた4〜5本の吸い殻を指差した。「どうせなら、区内でたばこの販売自体を禁止すればいいのに。区は企業に迎合している」と吐き捨てた。
 さらに、神田一番街のアーケードをくぐったところで、たばこに火をつけようとしていた男性(31)は、「過料を払えと言われれば払う。だけど路上に喫煙スペースを作ってくれてもいいのでは」と注文をつけていた。
 似田山さんは「今月は注意だけだから、この程度だけど、来月から実際過料を取るとなると、もっと反発が出るだろう」。区道路公園課の古田義幸さん(53)は「私もたばこを吸うから路上で吸いたい気持ちは分かるが、ルールは守ってもらわなければ」と話していた。
 神田地区の商店主によると、路上の吸い殻は1週間前の10分の1前後に減少するなど、条例の効果は上々のようだ。


2002/10/ 7  たばこ消費削減に“ノー” 財務省、規制条約で方針  (共同通信ニュース速報)  

 世界保健機関(WHO)の主導で世界的なたばこ規制の一本化を目指す「たばこ規制枠組み条約」で、日本政府が規制について「消費削減そのものを目的としない」との基本方針で政府間交渉に臨む方向で調整していることが七日、明らかになった。財務省の財政制度等審議会・たばこ事業部会がこの方針で報告書をまとめ、近く塩川正十郎財務相に提出する。
 たばこ事業を所管し、関係省庁の中核である財務省が、世界規模でたばこの消費、生産を減らして健康被害の低減を進めるという条約の理念に真っ向から異を唱えることになる。
 日本に対しては、先進国の中でたばこ対策に最も消極的との批判があるだけに、厳しいたばこ規制を主張する非政府組織(NGO)を中心に政府への風当たりが一層強まりそうだ。
 関係者によると、報告書は総論でたばこについて、麻薬などと異なり禁制品ではなく「大人の嗜好(しこう)品」と定義。この上で規制に関し「喫煙規制は消費削減そのものを目的とせず、健康リスク情報の提供、未成年者の喫煙防止、公共の場での受動喫煙防止などの観点から行うべきだ」と主張する。
 たばこ規制枠組み条約は来年五月の合意を目指しており、十月の交渉では七月に示された新議長案を基に議論する。日本政府の方針については現在、外務省を中心に財務、厚生労働、農水など関係省庁が意見調整している。
 財政審・たばこ事業部会は、自動販売機や広告規制など条約案に盛り込まれた個別策への対応での調整を急ぎ、十四日からジュネーブで行われる第五回政府間交渉までに報告書をまとめる方針だ。


2002/10/ 7  受動喫煙は『乳癌』の原因  (切明義孝氏訳)  

http://www.reutershealth.com/archive/2002/10/07/eline/links/20021007elin008.html
More evidence smoking linked to breast cancer
Last Updated: 2002-10-07 13:00:33 -0400 (Reuters Health)
NEW YORK (Reuters Health)
喫煙する女性や受動喫煙に曝露されている女性は乳癌の危険が増加することが明らかになりました。この発見は金曜日に公表された、「十代から喫煙を始めた女性は、より乳癌になりやすい」いう報告など、今までの研究を肯定するものです。このほかにも最近、喫煙すると乳癌になるという報告がされています。
新しい研究によると、喫煙する女性は、受動喫煙を受けていない女性と比べると、乳癌になる危険が50%増加します。また、禁煙した女性でも乳癌になる危険が20%増加することを研究者は発見しました。
非喫煙の女性でも、1日1時間、1年以上受動喫煙に曝露されると乳癌の危険が60%以上増加します。この研究はAmerican Journal of Epidemiology10月1日号に掲載されました。
しかし、幼児期や初回妊娠前の受動喫煙曝露による影響は明らかではありませんでした。研究員は、喫煙年数に応じて乳癌の危険が増加するけれども、喫煙を止めると乳癌の危険が減少することも発見しました。この研究は50歳までに乳癌と診断された468人の女性(ほとんどが閉経後)と1000人以上の健康な女性を対象に調査しました。
現在のところ、タバコが乳癌を引き起こすメカニズムは不明です。タバコ煙には人間の乳癌を引き起こす物質が含まれていると言う証拠があります。しかし、喫煙と乳癌の関連の証明はしばしば失敗してきました。タバコが乳癌を引き起こすメカニズムがどうであれ、公衆衛生上の高い優先事項として取り組まねばなりません。なぜならば、喫煙率と受動喫煙率は高いからです。
German Cancer Research Center in Heidelberg の Drs. Silke Kropp さんと Jenny Chang-Claudeさんは結論しました。
SOURCE: American Journal of Epidemiology 2002;156:616-626.


2002/10/ 6  「煙害」着実に減少 愛煙家は悲鳴 千代田区に賛否相次ぐ  (共同通信ニュース速報)  

 歩きたばこに吸い殻のポイ捨て―。喫煙者のマナー違反を正す全国初の罰則付き路上禁煙条例を、東京都千代田区が施行してから七日で一週間になる。愛煙家は「ストレス解消の場が奪われた」と悲鳴を上げているが、パトロールの効果で「煙害」は着実に減少。区には賛否の声や他自治体からの問い合わせが相次ぎ、同様の条例制定を検討する自治体も出始めた。
 学生やサラリーマンが慌ただしく行き交う同区内のJR水道橋駅。たばこをふかしていた背広姿の男性が区の指導員に呼び止められ、指導員が手にした灰皿に吸い殻を捨てた。男性は「隣の区から歩いてきたから、つい」と照れ笑い。
 指導員の区職員塚田邦彦さん(41)は「ほとんどの人が注意に従ってくれる。吸い殻はぐっと減りました」と手応えを語る。「少なくとも区内では、喫煙モラルを感じるようになったかな」
 有楽町、神田などポイ捨てが目立つJR主要駅周辺の八地区を、約四十人の指導員が交代で巡回。四日現在で千人以上に指導や注意をした。
 「歩道がきれいになった」と周辺住民には好評で、区外からも「安心して子どもと街を歩ける」(三十代主婦)など条例に賛成する電話やメールが寄せられている。
 十月は違反行為を見つけても注意にとどめるが、十一月からは過料二千円を科す。本格実施を前に指導員には不安もあるという。
 「お金が絡むと、反抗的な態度を取る人が出る」と塚田さん。対策として指導員に民間の警備員を入れるほか、一回の違反では罰則を適用しないなどの方法を検討中で、試行錯誤が続く。
 一方で「車中以外の喫煙は携帯灰皿を使っても違反」とする厳密さに、喫煙派からは「一方的に全面禁止とはひどい」との苦情が絶えない。電話やメールの意見も反対がやや上回っている。区では救済策として将来、禁煙地区内に喫煙ゾーンを設けることもあり得るという。
 千代田区の条例にならい、同様の規制強化ができるか研究を始めた自治体も。福岡市では九月、自民党市議団が歩行中の喫煙を規制する条例案を議会に提出する方針を明らかにした。
 ポイ捨て禁止条例が成立したものの、環境に改善がみられない大阪市も千代田区から情報を収集。「将来の選択肢の一つとして注目したい」としている。
 区によると、自治体からの問い合わせは五百件を超え、視察要望も多い。しかし、ある自治体は「(千代田区の条例は)罰則が厳しく、踏み込み過ぎの感もある。過料徴収が始まってトラブルがないか見守りたい」としており、しばらくは様子をみる構えだ。


2002/10/ 5  3兆4千億円の賠償命令 個人では過去最高額 米たばこ訴訟  (共同通信ニュース速報)  

 米大手たばこ会社フィリップ・モリスが喫煙の危険性を知らせなかったとして、肺がんを患った米カリフォルニア州の女性(64)が損害賠償を求めていた訴訟で、同州の裁判所の陪審は四日、同社に二百八十億ドル(約三兆四千億円)の懲罰的損害賠償の支払いを命じる評決を出した。
 個人が提訴したたばこの健康被害をめぐる訴訟で、陪審が評決した賠償額としては、これまでの三十億ドルの記録を大きく上回る最高額となった。
 同社は「陪審は、原告が喫煙の健康被害について知っていたことに焦点を当てるべきだった」などとして同日、控訴する方針を発表した。
 懲罰的損害賠償は、加害行為が悪質な場合に抑止効果を狙って科される。陪審はこれとは別の評決で、治療費などを補償する損害賠償八十五万ドル(約一億円)の支払いも命じている。
 評決を受け、ニューヨーク株式市場のダウ工業株三十種平均の構成銘柄でもある同社株は7%超の急落となった。同社をはじめ米たばこ会社に対しては健康被害をめぐる訴訟が多数起こされており、経営を圧迫する要因となっている。
 訴えによると、この女性は十七歳から喫煙を始めたが、同社が喫煙とがんの関係など健康被害で適切な情報を隠していたことから、たばこを吸い続けていたと主張していた。


2002/10/ 4  従業員は職場の禁煙化を望んでいる  (切明義孝氏訳)  

http://www.grandforks.com/mld/grandforks/news/4215130.htm
Posted on Fri, Oct. 04, 2002
British Workers Want Smoke-Free Workplaces - Poll
Reuters

受動喫煙は有害性であるとする医学的事実があり、英国人の85%は職場で喫煙すべきでないと考えていますが、多くの英国人が職場で受動喫煙に曝露されています。
反タバコ団体ASH(Action on Smoking and Health)が土曜日に公表した調査によると、労働者の11%、約300万人が働いている職場で未だに喫煙が許されていると答えていることを明らかにしました。「国民は受動喫煙が人殺しであることを理解しています。しかしながら何百万人もの国民が危険にさらされています。」ASHのMarsha Williams さんは語りました。「この調査は受動喫煙を回避できる状況下で、労働者をタバコ煙に満ちた環境で働かせることは受け入れ難いと広く認識されていることを示します。」
この調査に協力した2000人のうち42%は職場に喫煙所があると答え、40%は職場での喫煙が完全に禁じられていると語りました。85%の人々は職場での受動喫煙を避ける権利は仕事中に喫煙する権利よりも優先されると語りました。そして、喫煙者の62%は職場での喫煙規制に賛成しました。
「回答者は、政府はタバコ産業から資金をもらっている団体が主張している『喫煙する権利』よりも、『安全で健康的な職場で働く権利』を擁護すべきであること考えていました。」
ASHはこの問題が議会で討論されることを望んでいます。なぜならば労働者を保護する法律が導入されるべきだからです。
IARCの専門家による受動喫煙の危険に関する研究で、受動喫煙により肺癌の危険が増加することが示されました。
非喫煙者が吸入する有害化学物質と有毒ガスの濃度は喫煙者が吸っている濃度ほど高くありませんが有害であることに変わりありません。


2002/10/ 4  10代女性の喫煙は乳癌の危険を70%増やす  (切明義孝氏訳)  

http://www.guardian.co.uk/uk_news/story/0,3604,804405,00.html
Teenage smoking may increase breast cancer risk
James Meikle
Friday October 4, 2002
The Guardian

十代の初めに喫煙を始めた少女は乳癌になる危険が70%増加すると今日、研究者が警告しました。早期にタバコを吸い始めると閉経前に乳癌になる危険が増加します。研究者は、彼らの発見について、発育中の乳腺組織は発癌物質による影響を受けやすいと考えられると語りました。
英国では11歳から15歳の少女の11%は常習喫煙者です。そして、医学誌the Lancet に掲載されたカナダの研究は、思春期少女のタバコ消費量について大きな懸念を生じさせました。
この研究は、British Columbiaに住む女性の喫煙と癌の調査に基づいています。初潮から5年以内の喫煙開始や出産経験がない女性の喫煙は、閉経後に喫煙を開始した女性と比べると、乳癌を発症する危険がより大きくなります。
閉経後の女性は、何歳で喫煙を始めたか、あるいは何回妊娠したかにかかわらず、乳癌との関係は認められませんでした。Cancer Research UKのStephen Duffyさんは「この研究にはまだ不明な部分が残っており、さらなる研究が必要であると語りました。」


2002/10/ 2  <客船火災>「D・プリンセス」これまでもボヤ騒ぎ  (毎日新聞ニュース速報)  

 三菱重工長崎造船所(長崎市飽の浦町)で建造中の豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス」で1日夕発生した火災は、丸1日たった2日夕、ほぼ鎮火した。ダイヤモンド・プリンセス号では、これまでもボヤ騒ぎがあったという。
 内装作業の下請けをしている関連会社の男性によると、今年6月に船内でたばこが原因と思われるボヤが数回起き、船内禁煙の通達が出されたという。男性は「船内には塗料の入った容器が大量に置かれたり、電気関係の配線が床にはっていたりして、可燃物は多かったと思う」と心配そうに話していた。
 別の下請け会社の男性は、船内で煙が出ていたのを一度見たことがある。「その時は溶接によるものかと思った。このことが原因かどうか分からないが、5月か6月に入って船内が禁煙になった」と話した。
 一方、三菱重工長崎造船所総務部は「社としては把握していない」と話している。


2002/10/ 2  「窓」―歩きたばこ  (朝日新聞ニュース速報)  

 1日から東京都千代田区で歩きたばこが禁止となった。
 6月に成立した「安全で快適な生活環境の整備条例」が施行されたのである。
 吸い殻のポイ捨てを禁止する条例は各地にある。だが、歩きたばこそのものも禁止するのは初めて、と千代田区はいう。しかも罰則つきだ。
 今月中は口頭での注意にとどめるが、11月からは繁華街を中心とする指定地域で違反を見つけたら、原則として2千円を徴収する。違反者は納付書をもらい、後日払いでも、その場で払ってもいい。
 各地の条例の多くが罰則をもつが、現実にはほとんど適用されていない。しかし、千代田区はやる気である。
 条例施行前から、たばこの着ぐるみをつけたキャンペーン隊が街を歩くなどの広報活動を繰り広げ、施行後は土日も含めて区職員がパトロールに出る。夜の繁華街には管理職が行くというから、意気込みのほどが伝わってくる。
 昨年4月に青森県深浦町が施行した「屋外たばこ自動販売機撤去条例」を思い起こす。未成年でも自由にたばこを買える状況はおかしいと、平沢敬義町長が率先して条例制定に動いた。
 ところが、屋外に自販機を置く27店のうち撤去したのは8店だけで、19店の28台がいまだに屋外にある。
 正論を唱えても、大半が応じてくれない。歩きたばこは迷惑と言っても、やめてもらえない。それが現実なら、千代田区の違反金もやむなし。いや、英断として拍手を送りたいと思う。〈高橋真理子〉


2002/10/ 1  <路上禁煙条例>初日の指導167件 東京・千代田区  (毎日新聞ニュース速報)  

 路上での歩きたばこやポイ捨てをした人に最高2万円の罰則を盛り込んだ全国初の条例が1日、東京都千代田区で施行された。「うまく注意指導ができるだろうか」。不安を抱えつつ初出勤する区職員に同行した。 【遠藤和行】
 ◆初めての対面勤務
 サラリーマンの通勤が一段落した午前9時半のJR神田駅前。この地区を担当する指導員5人が集まった。うち古田義幸さん(53)と渡辺孝さん(33)は、土木事務所に勤務する。本来の仕事は公園の清掃など。人を相手とする仕事は初めてだ。古田さんは、約30年間の職員生活を公園管理一筋に勤めてきた。6月に指導員職の説明があったときも、戸惑いはぬぐえなかったという。「指導の練習もしていないし、注意しても逆に怒られるのではないかと不安です」と漏らして出発した。
 ◆指導マニュアルも
 区が最も気を使ったのは、現場でのトラブルをどう防ぐかだった。基本は「ソフトに」だ。
 区が作成した「指導員マニュアル」には、「大切なこと」と題して次のように記している。
<最も大切なことは、その相手の容姿(一見して○○風)を瞬時に見極め(略)、ソフトな口調で質問をする>
 さらに、相手との対応について三つの細かな想定問答を挙げている。最も厳しい場面
となる「その3」では――。
相手:おれだけじゃねえんだよ。回りを見てみろ、あそこにも、あそこにもいる。なぜおれだけを注意するんだよ(略)
指導員:我々も限られた人数で連日、皆さんに理解と協力していただくよう一生懸命に取り組んでいるところです。我々が日々継続して実施している姿勢がいずれ周囲の方々にも理解され、協力していただけると信じております。
相手:わかったよ。
 ◆初日は平穏だが
 千代田区のまとめによると、初日の「路上喫煙」の注意指導件数167件。1件だけ大声を出されるトラブルはあったが、平穏な出だしだったといえるだろう。もっとも、指導員に同行した大勢の報道カメラにたじろぎ、逃げ出した人も3人はいた。
 巡回を終えた古田さんはほっとした表情を見せた。「指導すると素直に従ってもらえました。今後の巡回に少しずつ自信が付いてきました」
 10月中は注意・指導のみ。実際に当面の過料2000円を徴収するのは、11月からになる。


2002/10/ 1  路上禁煙条例がスタート 千代田区がパトロール  (共同通信ニュース速報)  

 「歩きたばこ」に全国で初めて罰則を設けた東京都千代田区の路上禁煙条例が一日、施行され、歩行者が禁止地区の路上でたばこを吸わないよう区の指導員がパトロールを始めた。
 区役所前で行われた出発式で、石川雅己区長は「きれいで安全な街にするのは区民の願い。不退転の決意で臨む」とあいさつ。四十七人の指導員が、腕章やイエローカードなど「七つ道具」が入ったカバンを手に出発した。
 条例は、指定した路上禁煙地区で喫煙したり、吸い殻を捨てたりすると、罰則として二万円以下の過料を科すと定めている。区は周知期間として十月中は違反行為を見つけても、注意や指導にとどめ、十一月以降に二千円を科す。
 路上禁煙地区はJRの有楽町、神田、秋葉原、御茶ノ水、水道橋、飯田橋、市ケ谷、四ツ谷の各駅周辺。いずれも通勤や通学など歩行者が多い地域で、区の面積(一一・六平方キロメートル)の約30%を占める。
 路上禁煙地区では車の中を除き、喫煙行為はすべて違反。携帯用の灰皿を使った場合も違反となる。
 吸い殻のポイ捨てに罰則を設けた自治体はあるが、喫煙自体に罰則を付けたのは初めて。
 日本を代表するオフィス街や学生街を抱える千代田区では、以前から「服を焦がされた」など歩きたばこに対する苦情が多く、区は「マナーに期待するだけでは迷惑行為はなくならない」として、今年六月、条例を制定した。


2002/10/ 1  ネットの格安たばこ急増 頭抱える米当局とメーカー  (共同通信ニュース速報)  

 たばこ税の大幅な引き上げが相次ぐ米国で、インターネットを使った格安たばこの販売が急増、税務当局やたばこメーカーが頭を抱えている。
 米国では嫌煙運動の高まりで、今年に入り多数の州が大幅なたばこ増税に踏み切った。ニューヨーク市は七月、紙巻きたばこ一箱当たり八セントだった市税を一ドル五○セントに引き上げた結果、市内での米国製有名ブランド品の小売価格は一箱七ドル(約八百四十円)以上に急騰。愛煙家が飛びついたのがインターネットだった。
 州をまたぐ通信販売の場合、地方税が捕捉されにくい点に目をつけ、税率の低いバージニア州などから安いたばこがニューヨークなどの大消費地に大量流入。外国から格安で郵送するネット販売業者も現れた。米会計検査院の報告書によると、税金逃れのネット販売は二○○五年までに五十億ドルに上る見込みという。
 大手メーカーのフィリップ・モリスは「マールボロ」など同社の商標権を侵し、違法輸入をしているなどとしてネット業者を相手に八件の訴訟を起こした。格安たばこに打撃を受けた同社は九月下旬、年間の業績を大幅に下方修正。翌日のニューヨーク市場の株価急落につながるなど影響は広がるばかりだ。


2002/10/ 1  深浦たばこ条例1年 協力店増えず  (東奥日報記事へのリンク)  

 深浦町が全国に先駆けて制定した「屋外たばこ等自動販売機撤去条例」の実質的な施行から、九月三十日で一年が経過した。スタート時、撤去に応じたたばこ店は二十五店中六店だったが、現在も状況は変わっていない。平沢敬義町長は青少年の喫煙防止を前面に出し、あくまで屋外自販機ゼロを目指す構えだが、販売店側は「撤去は生活権を奪うもの」と一歩も譲らない。町内の三小学校が全面禁煙の措置を取ったり、県内外から視察団が訪れたりと波及効果は出ているが、後に続く自治体もなく「意識条例」の枠を超えられない厳しい現実問題が突き付けられている。


2002/ 9/29  10月1日から路上禁煙条例 東京・千代田区がPR  (共同通信ニュース速報)  

 全国で初めて罰則付きの路上禁煙条例を十月一日から施行する東京都千代田区が二十九日、JR秋葉原駅前でイベントを実施し、買い物客らに「歩きたばこや吸い殻のポイ捨てはやめて」と呼び掛けた。
 正午から始まったイベントでは、石川雅己区長のほか、たばこやペットボトルなどの着ぐるみをまとった学生たちが秋葉原の電気街を練り歩いてPR。区の職員は地図で路上禁煙地区を示したチラシを配った。
 たばこを一日三十本吸うという石川区長は「公共の場所はプライベートな場所以上にきれいにすべきだ。過料を科すため、現場でトラブルが起きる不安もあるが、不退転の決意でやりたい」と述べた。
 路上禁煙地区はJRの有楽町、神田、秋葉原、御茶ノ水、水道橋、飯田橋、市ケ谷、四ツ谷の各駅周辺。区の面積(一一・六平方キロメートル)の約30%を占める。
 罰則は最高二万円の過料を科すが、区は当面、二千円に減額。十月中は違反行為を見つけても、注意や指導にとどめる。


2002/ 9/29  10代の喫煙は肺がん早める 愛知がんセンターが調査  (共同通信ニュース速報)  

 十代で喫煙を始めた男性は、特定のタイプの肺がんを早く発症する危険が高まることが、愛知県がんセンター疫学・予防部の嶽崎(たけざき)俊郎室長らの調査で分かり、東京で開かれる日本癌(がん)学会で十月三日、発表する。
 肺の組織が成熟し切らないうちに、たばこの有害物質にさらされるのが原因ではないかと同室長らはみており、未成年者の喫煙にあらためて警鐘を鳴らす結果といえそうだ。
 調査は、一九八八―二○○○年に愛知県がんセンターを受診した二十―七十九歳の肺がん患者千五百四十五(男千百十、女四百三十五)人を対象に実施。
 十代で喫煙を始めた男性が、肺がんになる危険が大きい傾向が分かったため、受診時点で喫煙を続けていた男性七百八十五人について特に詳しく分析した。
 その結果、二十一歳以降にたばこを吸い始めた男性患者の平均発症年齢は六四・一歳だったのに対し、十代から吸っていた男性では平均五七・六歳と、発症が六・五年も早まる傾向が分かった。
 中でも、肺の奥の方にできる「腺がん」「大細胞がん」という二つのタイプの肺がんでは、十代の喫煙開始グループの発症が八―十年も早かった。
 嶽崎室長は「肺の奥にある組織は、二十歳すぎまで成長が続くといわれる。成長期の肺組織にとって喫煙の害はとりわけ大きい可能性があるのではないか」と分析している。


2002/ 9/28  15歳以下対象に禁煙治療 静岡の病院に「卒煙外来」  (共同通信ニュース速報)  

 静岡県立こども病院(静岡市)は二十七日、未成年者の喫煙率が年々増加傾向にあることなどから、十五歳以下の子どもを対象に禁煙治療を専門的に行う「卒煙外来」を十月から新たに開設することを明らかにした。
 「禁煙外来」を開設する病院は近年増えているが、未成年者だけを対象とした専門科は全国的にも珍しいという。
 卒煙は「煙を卒業しましょう」という思いを込めた造語。治療に当たる加治正行医師は「中高生など低年齢者ほどニコチン依存症に陥りやすい。補導や停学などの処分で対処するのではなく、一つの病気として正面から向かい合わせた上で、子どもたちを救いたい」と話している。
 治療では、医師のカウンセリングのほか、皮膚に張ってニコチンを摂取させ、禁煙を助ける禁煙補助薬、ニコチンパッチなどで症状を軽減させる。
 ミニコミ誌「禁煙ジャーナル」編集長の渡辺文学さんは「非常にいいことで、高く評価したい。自分の子どもが受診するのを機に、親も禁煙意識を高めてほしい」と話している。
 厚生労働省が二○○一年にまとめた調査によると、「毎日喫煙する」とした生徒の割合は、高三男子で26%に上っている。


2002/ 9/28  未成年からの喫煙→50代で肺がん危険  (読売新聞オンライン)  

 未成年から喫煙を続けていると、50代の若さで肺がんになる恐れが著しく高くなることが、愛知県がんセンター研究所の嶽崎(たけざき)俊郎室長らの調査でわかった。未成年から喫煙している男性が肺がんになる年齢は平均57・6歳で、21歳以上から吸い始めた人(64・1歳)より、7歳も若かったという。この結果は、来月1日から東京都内で開かれる日本癌学会で報告される。
 同センターを受診した患者1545人(男性1110人、女性435人)について、肺がんの種類ごとに喫煙歴を調べた。その結果、未成年で喫煙を始めた平均年齢はほぼ18歳で、未成年で吸い始めた人ほど若くしてがんを発症する確率が高く、この傾向は肺がん患者の半数を占める腺(せん)がん、大細胞がんに集中していた。
 未成年で吸い始めた人が腺がん、大細胞がんになるのは平均でそれぞれ54歳、52・2歳の若さで、21歳以上で喫煙を始めた人(腺がん62・9歳、大細胞がん62・6歳)よりも10歳近く若くして発症している実態が判明した。
 肺は通常、20歳ぐらいまでは少しずつ成長し続けている。嶽崎室長は「未成年の喫煙は、成長期の肺に想像以上に大きなダメージを与えている可能性が高い」と指摘している。


2002/ 9/28  喫煙は殺人”と表示=たばこ販売で規制強化へ−EU  (時事通信ニュース速報)  

 【ブリュッセル27日時事】欧州連合(EU)で30日から、域内で販売されるたばこのパッケージに「喫煙は(人を)殺す」など強い警告の表示を求める法令が実施される。販売規制の強化でEUは、若者を中心とした喫煙習慣の予防と、肺がんなど喫煙が原因とされる病気による死亡者の削減を目指す。
 EUの新指令によると、メーカーは1年以内に警告をたばこの箱全体の30%以上に表示する必要がある。


2002/ 9/27  カリフォルニアのタバコ病訴訟  (切明義孝氏訳)  

http://news.tobaccofreekids.org/plugin.jtml?siteID=TFKNEWS&p=1&Tab=News&Object_ID=554521
September 27, 2002
Calif. Jury Rules in Favor of Smoker

カリフォルニア、ロサンジェルスの陪審員は、タバコ産業Philip Morrisに対し、詐欺行為と不作為の賠償として63歳の前喫煙者に $850,000支払うよう判決しました。ロイターの9月26日の報道です。
17歳で喫煙を始めたBetty Bullockさんは今、肺癌で死にかけています。
彼女はPhilip Morrisが彼女に喫煙の危険性を警告しなかったとして告訴しました。4日間の審議の後、陪審員はBullock さんの経済損失に対する賠償金 $750,000とタバコ病による苦痛に対する賠償金$100,000を認めました。


2002/ 9/27  ドイツもタバコ税増税へ  (切明義孝氏訳)  

http://www.reutershealth.com/archive/2002/09/27/eline/links/20020927elin038.html
Germany mulling cigarette tax to fund public health
Last Updated: 2002-09-27 16:24:03 -0400 (Reuters Health)
By Ned Stafford
FRANKFURT
ドイツの厚生大臣Ulla Schmidt さんは公衆衛生政策のための財源としてタバコ一本あたり5 euro cents のタバコ税を課税する意向を固めました。
ZDFテレビの報道では、この提案は 5 cents以内の増税になり、Schmidtさんは「健康サービスに充当する財源として国民は理解してくれると信じている。」と語りました。Gerhard Schroeder 首相は選挙前には増税しないと公約しているため増税は公約に反します。しかし首相のスポークスウーマンAnnelies Ilona Klug さんはこれが増税になるのか、既存の税率を引き下げるのかはまだ明確でないと語りました。Klug さんは「ドイツのタバコ税は他のヨーロッパ諸国と比べると比較的安い。」と語りました。しかし、それはタバコ税を増税する余地があるという意味なのかと尋ねると、「そのようには言っていない。」と答えました。
健康保険組合の代表であるVdAK associationはタバコ税増税を強力に支援していると語りました。タバコによる健康障害は健康保険組合にとって大きな負担になっていると語りました。ドイツでは年間1400億本のタバコが販売されています。タバコ1本当たり5 centのタバコ税を徴収すると70億ユーロの税収になります。 Schmidtさんは月曜日に公式にこの提案を行い、SPD党のSchroederさんがパートナーの Greens党と共同政策について話し合いを始める予定です。


2002/ 9/27  EU でタバコの添加物等に関する新しい指令  (切明義孝氏訳)  

http://www.reutershealth.com/archive/2002/09/27/eline/links/20020927elin034.html
New EU tobacco rules begin to take effect next week
Last Updated: 2002-09-27 13:00:02 -0400 (Reuters Health)
LONDON (Reuters Health)

EUではタバコの製造と販売を規制する新しいタバコ指令が来週から実施されます。EUの金曜日の発表です。この指令はタバコの表記に「ライト」、「マイルド」などの語句を使用することを禁じます。そして、タバコの箱の前面の30%、裏面の40%の面積を占める警告表示「タバコは人殺し」を要求します。
EUのスポークスウーマンのBeata Gminderさんは語りました。 「このEU指令は来週からEU全域で実施されます。」タバコ産業は2003年の9月までにタバコのパッケージの警告表示を変更しなければなりません。そして、2003年の末までに「マイルド」、「ライト」などの語句を使用したタバコの販売を中止しなければなりません。彼女は語りました。「来週からは、新旧両方のタイプのパッケージが混在することになります。来年の9月までは新旧両方の警告表示タイプのパッケージのタバコが出回る可能性があります。」
今月初め、British American Tobacco (BAT) と Imperial TobaccoがEU指令に対し異議を申し立てましたが、欧州司法裁判所での予備審査で拒否されました。
The court's Advocate Generalの Leendert GeelhoedさんはEUの主張の大部分を尊重しましたが、輸出用のタバコにまで「マイルド」や「ライト」などの語句の使用を禁じる法的権限は及ばないと判断しました。最終的な判決はadvocate general's の意見から2〜3ヶ月以内に出されます。裁判の約80%で裁判官はadvocate general's の意見を尊重しています。
EU指令はタバコ産業に対し、今年の末までにタバコに添加している全ての添加物を当局に公開するよう要求しています。そして当局はそれらの添加物に関する情報を人々に提供することが求められています。
EUは2004年からタール、ニコチン、一酸化炭素の含有量規制が始まると語りました。輸出用のタバコについては2007年1月から適用されます。Health and Consumer Protection Commissioner のDavid Byrneさんは語りました。 「EUは喫煙による死亡者数を減少させることを固く約束しています。そして、この規制は目的を達成することを支援するでしょう。」と語りました。「ヨーロッパでは人口の3分の1が喫煙者ですが、これを5分の1まで減少させたいと考えています。」


2002/ 9/27  秒読み「歩きたばこ禁止」、禁煙の路面表示始まる  (読売新聞ニュース速報)  

 繁華街などで歩きたばこを罰則付きで禁止する条例が来月1日から施行される東京都千代田区で27日、「禁煙地区」などを示すマークを歩道に表示する作業がJR秋葉原駅前などで始まった。
 交通標識に似せた、赤い縁取りの円(直径約30センチ)のデザインで、喫煙の禁止と、空き缶や吸い殻のポイ捨ての禁止を呼びかける2種類がある。今後、有楽町駅や神田駅周辺など、約1000か所でも行われる。


2002/ 9/26  ボストンも職場、バー、飲食店の喫煙を禁止 (切明義孝氏訳)  

http://news.tobaccofreekids.org/plugin.jtml?siteID=TFKNEWS&p=1&Tab=News&Object_ID=554499
September 26, 2002
Boston Considers Workplace Smoking Ban

ボストン市長のThomas Menino さんは職場、バー、レストランでの喫煙を禁止する提案を行いました。Associated Press 9月25日号の報告です。
「これはバランスの問題です。喫煙による束の間の快楽よりも、労働者の長期的な健康のほうがはるかに重要です。」Meninoさんは語りました。「タバコが吸いたくなれば、屋外で吸いましょう。」
Boston 公衆衛生委員会の重役John Auerbachさんは「ボストンに喫煙を許している職場がいくつあるかはわかりません。」現在のボストンの法律はレストランに空間分煙された喫煙所を設けるか、あるいはテーブルから最低6フィート離れたところに喫煙所を設置するよう定めています。」Meninoさんの提案について公聴会が開かれるでしょう。
Boston 公衆衛生委員会は健康のための規制を行う権限を持っているので市議会の承認は不要です。この提案が承認されれば、ボストンでは屋外、自宅、ホテルの個室を除く全ての場所で喫煙が禁止されます。


2002/ 9/25  妊婦の禁煙支援が必要  (切明義孝氏訳)  

http://www.reutershealth.com/archive/2002/09/25/eline/links/20020925elin034.html
Pregnant women need help to kick habit: UK study
Last Updated: 2002-09-25 12:22:44 -0400 (Reuters Health)
By Pat Hagan
LONDON (Reuters Health)

妊娠中の禁煙を促すための現在の情報提供キャンペーンは十分な効果がありません。英国の研究者は妊婦の喫煙率が高いことを発見しました。Whittington Hospital in London のHeulwen Morgan さん達は、妊娠の診断時に医師が手渡すパンプレットによる、現在の情報提供キャンペーンは効果が無いと語りました。
彼らの研究は妊娠を計画している180人の女性を観察しました。その117人が非喫煙者で63人が喫煙者でした。全員に標準的な禁煙パンフレットを提供し、その後妊娠中期に問診を行いました。
問診の結果、63人の喫煙者のうち53人が禁煙に失敗し、7人は喫煙本数を減らし、4人が禁煙しました。しかし妊娠中に喫煙を始めた女性が3人いました。
この発見はJournal of Obstetrics and Gynaecology 10月号に発表されました。
「全ての女性が妊娠中の喫煙は自分と胎児の健康に有害であることを知っていました。」と研究者は語りました。「それにもかかわらず出産前の最初の産婦人科受診の後でも妊婦の喫煙率は非常に高いままでした。」医師と看護婦は、患者に直接およぶ危険を強調する方が効果的だろうと考えています。
「現在の禁煙事業はリーフレットに依存していますが、これは効果がありません。」「健康専門家は女性に喫煙の有害性を適切に提供し、妊娠前の禁煙を支援する必要があります。」
喫煙は胎児の成長を障害し、低体重児が生まれる危険等を増加させます。英国当局の統計によると妊婦の3人に1人が喫煙者です。
英国政府は2010年までに妊婦の喫煙率を15%に減少させるという目標を掲げています。
反喫煙団体QUITは妊婦への禁煙支援が不十分であることを認めています。2年前、QUITは喫煙妊婦を支援する電話相談を開始しました。「女性が電話相談に電話すると、アドバイザーが日程を調整し、妊娠中から赤ちゃんが生まれるまで電話で応援してくれます。」
「例えば、パーティや休暇などでタバコの誘惑に負けそうになることがあるでしょう。しかし、我々は赤ちゃんが生まれた後も電話をかけます。出産後の喫煙も赤ちゃんに有害です。今まで880人以上の女性が電話相談により禁煙しました。」
電話相談はこちらへ(英国) 0800 169 9169.
SOURCE: Journal of Obstetrics and Gynaecology 2002;22:498-500.


2002/ 9/25  「薬局で買える禁煙」大ヒット、スイス大手も参戦検討  (読売新聞ニュース速報)  

 米製薬大手のファルマシアが開発・製造、武田薬品工業が日本で販売する禁煙補助剤「ニコレット」の売り上げが、発売1年間で約90億円に達し、年間50億円で大ヒットと言われる大衆薬で久々の大型商品となった。これを受け、スイス製薬大手のノバルティスも薬局で買える大衆薬の禁煙補助剤の発売の検討に入った。日本の成人男性の喫煙率は欧米より高いが、禁煙を試みる人も多いと見られるため、禁煙補助剤の市場は一段と拡大すると業界では期待している。
 武田はファルマシアから日本でのニコレットの販売権を取得、昨年9月から大衆薬として発売を始めた。医薬品は、医師の処方せんの必要な医療用医薬品と、薬局で売られている大衆薬に分かれるが、ニコレットは薬局で購入できる手軽さが人気を呼んでいる。
 これに対し、ノバルティスは禁煙補助剤の「ニコチネルTTS」を医療用医薬品として発売しているが、昨年の売上高は約15億4000万円にとどまる。ノバルティスは「医者の指導がある方が確実に禁煙できる」としているが、厚生労働省に大衆薬への転換を申請することも検討している。
 厚生労働省によると、日本の成人男性の喫煙率は52・8%(98年)と米英の2倍程度だが、日本の喫煙者の64・2%が「たばこをやめたい」「減らしたい」と考えている。日本製薬工業協会は「ニコレットは大ヒット商品だ。喫煙者の数を考えると、今後も市場は伸びる」とみている。


2002/ 9/23  ベトナム政府がJTに広告禁止要求  (切明義孝氏訳)  

http://news.tobaccofreekids.org/plugin.jtml?siteID=TFKNEWS&p=1&Tab=News&Object_ID=554405
September 23, 2002
Vietnam Bans Advertising by Tobacco Companies

ベトナム政府は2つのタバコ会社に全てのタバコ広告を中止するよう要求しました。Associated Press 9月19日の報道です。
文化情報省の監査官は米国の“Philip Morris” と“日本たばこ産業が政府の規制に違反したためタバコ広告を中止するよう命じたと語りました。
当局はPhilip MorrisがMarlboroのロゴが入ったライターとマッチ箱を何十万個も配布し協定に違反したと語りました。
日本たばこ産業はMild Seven のロゴ入りの大きな傘でタバコ露店を覆いました。Philip Morris は宣伝用のマッチやライターからロゴを取り除くと語りました。


2002/ 9/21  肺の奥のがんも喫煙で増加 「低ニコチン」と関連か  (共同通信ニュース速報)  

 肺の奥にできるがんで、喫煙との関連が比較的少ないとされてきた「腺がん」でも、喫煙者は非喫煙者に比べ男性で二・八倍、女性でも二倍もなりやすいことが、厚生労働省研究班の大規模追跡調査で分かった。
 肺がんに腺がんの占める割合は近年、世界的に増える傾向にあるが、アジアの状況を追跡調査で明らかにしたのは初めて。研究班は「普及している軽い低ニコチンたばこを吸う人は、ニコチン摂取量を増やそうと無意識に深く吸い込む傾向があり、原因のひとつではないか」としている。
 十月一日から東京で開かれる日本癌(がん)学会で発表する。
 研究班は、全国十一地域の四十―六十代の男女計約九万人を、七―八年間追跡。肺がんになった約四百二十人について、最初の時点に調査した喫煙状況との関連を調べた。
 がんの種類別で喫煙者が発症する危険性が高いのは、太い気管支にできて喫煙と関連が深い「扁平(へんぺい)上皮がん」と「小細胞がん」で、合わせると喫煙者は非喫煙者より男性で一二・七倍、女性で一七・五倍もなりやすかった。
 肺がん全体では男性で四・五倍、女性で四・二倍。肺がん患者の男性の七割、女性の二割は、たばこを吸わなければ発病しなかったことになるという。
 日本人が喫煙で肺がんになる危険性は欧米に比べ低いが、非喫煙者の肺がんの傾向は逆に高く、相対的に喫煙者の危険性が下がった可能性もある。研究班は今後、受動喫煙や遺伝的要因などとの関係を検討するとしている。
 研究班の祖父江友孝・国立がんセンター研究所部長は「肺がんへの喫煙の影響は圧倒的だ。禁煙すれば何歳であっても、吸い続けた場合より肺がんの危険性は下がる」と話している。


2002/ 9/20  喫煙はHPV感染者の子宮頸癌を増加させる  (切明義孝氏訳)  

http://www.reutershealth.com/archive/2002/09/20/eline/links/20020920elin017.html
Smoking ups cervical cancer risk in women with HPV
Last Updated: 2002-09-20 13:00:07 -0400 (Reuters Health)
By Steven Reinberg
NEW YORK (Reuters Health)

HPV(human papillomavirus)に感染している女性が喫煙すると、喫煙しない女性に比べて、子宮頸癌の危険が著しく増加します。
この研究はJournal of the National Cancer Institute9月18日号に掲載されました。
HPVには100種類以上の異なるタイプがあります。生殖器のイボの原因になるタイプもあります。ある種のHPVは性行為によって感染し癌の原因になります。
ある種のタイプの危険なHPVは子宮頚癌の原因の第一位です。しかしながらHPVは性行為以外でも感染します。このウイルスに感染しても大部分の女性は子宮頸癌を発病しません。
研究を主導した Dr. Philip E. Castleさんは語りました。
「HPVに感染した女性を10年間観察したところ喫煙は子宮頸部の前癌病変と子宮頸癌の危険を2〜4倍も増加させました。経口避妊薬と出産回数は関係ありませんでした。」
MarylandのNational Cancer Institute in RockvilleのCastleさん達はKaiser Permanente in Portlandで実施されている子宮癌研究参加者から1,812人の女性を抽出して検討しました。
彼女達はHPV検査で陽性でした。そして喫煙、経口避妊薬、その他に関する問診を行いました。
10年間の経過観察により研究者は経口避妊薬の使用と出産回数は子宮頸癌との因果関係が無いことを発見しました。しかしながら、1日1箱以上喫煙する女性は、非喫煙者と比べ、前癌病変と子宮頸癌を発病する危険が4倍増加しました。禁煙者では、喫煙経験が無い者と比べ、前癌病変と子宮頸癌を発病する危険が3倍増加しました。
Castleさんはこれらの発見は特に発展途上国で重要な公衆衛生的な意味合いを持つと語りました。
「世界の貧困な国々では喫煙率が上昇してきており、次善の策として子宮癌検診( Pap smear screening)がありますが、我々は喫煙により子宮頸癌が増加することを心配しています。」
SOURCE: Journal of the National Cancer Institute 2002;94:1406-1414.


2002/ 9/20  非定型抗酸菌は喫煙者の肺にさらなるダメージを与え、致命的になることがある  (切明義孝氏訳)  

http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/2264661.stm
Friday, 20 September, 2002, 23:00 GMT 00:00 UK
Drug could prevent lung infections

タバコにより肺に障害を負った患者の細菌感染を予防することが可能になるかもしれないと研究者は語りました。Mycobacterium avium(非定型抗酸菌、マイコバクテリウムアビウム)は喫煙者の肺にさらなるダメージを与え、致命的になることがあります。Mycobacterium aviumは肺に障害を持つ人々に容易に感染することが明らかにされました。
Royal Brompton Hospital in London の医師はMycobacteriumaviumの肺細胞への侵入を防ぐ方法を発見したようです。この方法は既にMycobacterium aviumに感染し抗生物質による治療を受けている患者を救うことが出来るかも知れません。この研究はSociety for General Microbiology conference inLougboroughで水曜日に発表されました。
製薬会社GlaxoSmithKlineの分子生物学者Dr Andrew Middletonさんは障害された肺組織のある領域ではマイコバクテリア(mycobacteria;Mycobacterium aviumなど)が容易に結合・侵入することを発見しました。
マイコバクテリアはこれらの細胞にのみfibronectinと呼ばれる蛋白質を利用して結合することを発見しました。
おとりタンパク質
実験では、Dr Middleton さんが肺組織と fibronectinに結合する合成蛋白を混合しました。fibronectinを阻害するとマイコバクテリアは細胞に結合することが出来ず感染しませんでした。fibronectin結合蛋白で処理された組織は、そうでない組織と比較して、バクテリアから保護されていました。
Dr Middletonさんは語りました。
「この研究はMycobacterium avium complex感染患者の治療の研究に方向性を示すものです。」「我々の研究の長期的な利点は、感染した患者の生活の質を向上させ、さらに感染しやすい患者を予防することでしょう。」「吸入する阻害薬の開発や抗生物質療法と併用するワクチンの開発は可能でしょう。」
鳥理論
Mycobacterium avium感染は、昔は鳥と密接に接触することで感染すると考えられていました。しかし現在では土壌や水中に存在することが知られています。
Mycobacterium aviumは日和見感染症です。ほとんどの場合、Mycobacterium aviumは喫煙や病気で既に障害された肺にのみ感染します。
Mycobacterium aviumの仲間、Mycobacterium tuberculosis(結核菌)は結核の原因菌です。このRoyal Bromptonの研究は不幸にも、この殺人的な感染症に何の影響も与えそうにありません。結核菌は異なる方法で人間に感染しているとDr Middletonさんは語りました。阻害タンパク質は結核菌の肺細胞への結合を防ぎましたが、結核に感染することを防げませんでした。


2002/ 9/20  <禁煙>条例阻止に米たばこ大手が資金援助  (毎日新聞ニュース速報)  

 19日付のニューヨークのデーリー・ニューズ紙は、米たばこ大手フィリップ・モリスがレストランなどでの全面禁煙を目指すニューヨーク市条例の成立を阻止しようとする団体などに資金援助する方針だと報じた。
 条例案はブルームバーグ市長が提案、来月から本格的な審議に入る。一部のレストラン、バーで認められてきた喫煙を全面的に禁止する内容で、飲食業関係団体などが「客足が落ちる」と強く批判している。(ニューヨーク共同)


2002/ 9/19  ラドンが特に喫煙者の肺癌を促進する  (切明義孝氏訳)  

http://news.yahoo.com/news?tmpl=story2&cid=571&ncid=751&e=7&u=/nm/20020919/hl_nm/radon_cancer_dc
Even Low Levels of Radon May Up Lung Cancer Risks
Thu Sep 19, 5:45 PM ET

ラドンが特に喫煙者の肺癌を促進する。

ラドン(放射性ガス)は低レベルであっても長期曝露されることにより肺癌の危険が2倍以上に増加することがスペインの科学者により発見されました。以前はラドンの有害性は小さいと考えられていました。
ラドンガスは周囲の土壌から建物の中へ浸透します。ラドンガスは無色、無臭のガスでラドンを検出する検査を行わない限り発見することは出来ません。ラドンガスに長期間曝露されると成人の肺癌の危険が、特に喫煙者で増加することが知られています。
現在、健康専門家はラドンガス濃度が4 picoCuries per liter (pCi/L) を超える建物に住んでいる人々はラドン濃度を下げるために十分な換気をするよう勧告しています。
この研究を率いたUniversity of Santiago de Compostela のDr. Juan Miguel Barros-Dios さんのチームは163人の肺癌患者の住居のラドン濃度を測定し、健康な241人の住居のラドン濃度と比較しました。その結果、住居のラドンガス濃度を1〜1.4 pCi/L, 1.5 〜 3.9 pCi/L そして 4 pCi/L以上の3群で観察すると、それぞれの肺癌の危険は順に2.73倍, 2.48 倍 そして 2.96 倍になりました。
この研究はAmerican Journal of Epidemiologyの9月号に発表されました。さらに、研究者は喫煙者は非喫煙者に比べ、ラドンガス曝露による肺癌の危険が著しく高くなることを確認しました。
Barros-Dios さんのチームは述べました。
「この研究は住居のラドンが肺癌の危険因子になることを示しました。」
「この研究は例え低レベルであってもラドンが人間に有害であることを発見した初めての報告です。」
SOURCE: American Journal of Epidemiology 2002;165:548-555.


2002/ 9/18  スウェーデン女性の肺癌増加  (切明義孝氏訳)  

http://news.yahoo.com/news?tmpl=story2&cid=594&ncid=594&e=12&u=/nm/20020918/hl_nm/lung_cancer_dc
Women Catching Up to Men in Lung Cancer Deaths
Wed Sep 18, 1:30 PM ET
STOCKHOLM (Reuters)

スウェーデンの統計が示す1960年代に始まった女性喫煙者数
の増加により、今後5年以内に女性の肺癌死亡者数は男性の肺癌死亡者数を上回るだろうとスウェーデンの科学者は水曜日に語りました。
「おそらくスウェーデンは女性の肺癌死亡者数が男性のそれを上回る世界で最初の国になるでしょう。」Karolinska Institute の教授でEuropean Respiratory Society congress meeting in Stockholmの議長 Kjell Larssonさんは語りました。
スウェーデン同様に女性の肺癌死亡者数が男性を超える可能性がある国はアイスランドだけでしょう。アイスランドでは多くの女性が喫煙者です。スウェーデンでは8年以内に、多くの女性が乳癌ではなく肺癌で死亡することになるでしょう。
現在では最も多い癌は肺癌です。Larsson さんは語りました。スウェーデンでは成人の6人に1人がタバコを吸い、タバコ病が増加しています。タバコ病患者の特徴も変化しました。「20年前には呼吸器科を受診する患者の多くは教養の高い男性でした。彼らは1950年代に喫煙を始めていました。」
Larssonさんは語ります。
「今日ではかつてないほど呼吸器科の待合室は混雑しています。女性の患者がどんどん増加し、患者の年齢も低くなっています。教養が低い患者が多くなっています。彼女達は1970年代、1980年代に喫煙を始めています。」
スウェーデンでは女性の喫煙率は21%ですが男性ではたったの16%です。スウェーデン男性の喫煙率は20年前の半分です。
多くのヨーロッパの国々と比べ男性喫煙者数は少なくなっています。しかし、EUでは禁じられている無煙タバコの一種、嗅ぎタバコ(snuff)が 利用されています。
スウェーデンでは毎年2700人が肺癌の犠牲になり、肺癌患者の90%以上は1年以内に死亡します。


2002/ 9/16  保健、衛生問題など議論 京都でWHO委員会開幕  (共同通信ニュース速報)  

 アジア・太平洋地域の保健、衛生問題について各国の担当閣僚らが議論する第五十三回世界保健機関(WHO)西太平洋地域委員会が十六日、五日間の日程で京都市左京区の国立京都国際会館で始まった。
 期間中、日本や中国、韓国、オーストラリア、マレーシアなど加盟二十七カ国から、政府関係者や非政府組織(NGO)の代表ら計約三百人が参加。十六日の開会式では坂口力厚生労働相が「国境を越えて人が移動する現在、地域の保健問題は一国では解決できず、加盟国間の協力が重要」などとあいさつした。
 開会式後、記者会見したブルントラント・WHO事務局長は「日本では非常に喫煙率が高く、自動販売機で誰でもたばこを買える。日本政府はこの状況を変える必要がある」と指摘した。
 十七日は同事務局長の基調演説後、実質討議に入り、エイズ(後天性免疫不全症候群)や結核などWHOが撲滅を目指している感染症への対応策や、貧困と病気との関連性、生活習慣病、医療倫理などについて話し合う。
 同委員会は毎年一回、九月に加盟国で開催されている。


2002/ 9/13  タバコ税増税は、タバコ病による死亡を防ぐ最も効果的な方法である  (切明義孝氏訳)  

http://news.tobaccofreekids.org/plugin.jtml?siteID=TFKNEWS&p=1&Tab=News&Object_ID=554022

September 13, 2002
Higher Cigarette Tax Prevents Tobacco-Related Deaths

タバコ税増税は、タバコ病による死亡を防ぐ最も効果的な方法であると結論されました。
9月6日HealthScout Newsの報道です。
この研究は、タバコ税増税、ニコチン置換療法、タバコ広告と宣伝活動の禁止、禁煙教育などの様々なタイプのタバコ対策を調査しました。研究者は経済モデルと従来の研究結果を利用してそれぞれのタバコ対策の効果を分析しました。
その結果、タバコ価格を10%引き上げれば、世界では今後数年間で500万人から1600万人のタバコ病による死亡を防ぐことが出来るだろうと結論しました。
タバコ価格の引き上げによる影響を最も大きく受けるのは低〜中所得の国々と15歳から29歳の喫煙者です。
研究を主導したLondon School of Hygiene and Tropical Medicine in EnglandのDr. M. Kent Ransonさんは語りました。「一般に値上げは最も費用対効果が高いタバコ対策です。」

この研究はNicotine & Tobacco Research2002年9月号に発表されました。


2002/ 9/12  妊婦の喫煙で乳幼児突然死が急増する  (切明義孝氏訳)  

http://www.guardian.co.uk/uk_news/story/0,3604,790437,00.html
Cot death alert over nicotine patches and gum
Sarah Boseley, health editor
Thursday September 12, 2002
The Guardian

研究者によると、タバコに含まれているニコチンのみならずニコチンパッチとニコチンガムに含まれるニコチンが乳幼児突然死の大きな原因のようです。
両親または父母の片方が喫煙者であれば乳幼児突然死が発生しやすいことが以前から知られています。
Foundation for the Study of Infant Deaths in Londonによると、今までの研究からタバコ煙に曝露された子供の死亡率は、そうでない子供に比べて、2倍になることが明らかにされています。
母親の3分の1が喫煙する集団では、禁煙により乳幼児突然死の30%から40%を防ぐことが出来るだろうと推定されていました。
しかし最新の研究、信頼ある米国科学アカデミー誌は乳幼児突然死の原因はニコチンでありタバコ煙の他の有毒成分ではないことを示しました。
妊婦はニコチンガム、ニコチンパッチを含む全てのニコチンを避けるべきであることを発見したと科学者は語りました。
「私達はニコチンそのものが毒であることを発見しました。」研究を主導したKarolinska Institute in Stockholmの小児科学教授Hugo Lagercrantzさんは「例え、あなたがニコチンガムを使っていても毒であることには変わりありません。」と、語りました。
乳幼児突然死と考えられる赤ん坊は、通常生後2〜4ヶ月ごろ、原因不明の理由により呼吸が停止します。しかし、正常な子供は死を回避する仕組みが備わっています。
睡眠中に鼻や顔が枕に塞がれて血中酸素濃度が低下すると、脳にあるレセプターが神経系に警告を発します。この警告により赤ちゃんは睡眠から覚醒し、口を開き、寝返りをします。研究者はニコチンがこの警告システムを障害すると考えています。
Prof Lagercrantzさんは パリのInstitut PasteurのJean-Pierre さん、Chang-eux さん、Robert Debre hospitalのPhilippe Evrard さんと協力してネズミの研究を行いました。
彼らは遺伝子工学的に覚醒レセプターを欠如させたネズミは呼吸が止まっても覚醒しないことを発見しました。
このレセプターはニコチンにも反応します。そこで科学者は成長中の胎児がニコチンに曝露されるとレセプターが麻痺し、覚醒反射が障害され乳幼児突然死の危険が増加すると結論しました。
「研究者は遺伝子工学的にレセプターを欠損させたマウスでは酸素の欠乏に対する反射反応が消失することを証明しました。このことは覚醒反射にレセプターが関与していることを示します。」と報告書は延べました。
Prof Lagercrantzさんは乳幼児突然死の最大の原因を発見したと確信しています。「もし、全ての女性がニコチンを断ち切れば乳幼児突然死はことんど根絶されるでしょう。」彼は語りました。
しかしながら、Foundation for the Study of Infant Deaths は注意を促しました。「両親がタバコを吸わなくても乳幼児突然死が起きることがあります。赤ちゃんによっては違う要因により、違うメカニズムで乳幼児突然死が発生するでしょう。全ては発育過程における脆弱性と関係があるでしょう。」
しかしFSIDは、妊娠中に母親が喫煙すると乳幼児突然死の危険が15倍になるので、子供を作る前に両親は禁煙すべきだと語りました。


2002/ 9/12  クローン病の治療  (切明義孝氏訳)  

http://www.reutershealth.com/archive/2002/09/12/eline/links/20020912elin025.html
Nonsmokers respond better to Crohn's disease drug
Last Updated: 2002-09-12 13:00:29 -0400 (Reuters Health)
NEW YORK (Reuters Health)

クローン病の研究により、タバコを吸わない患者と免疫抑制剤を内服している患者は治療薬(infliximab)が良く効くことが示されました。クローン病は腸管の炎症による消化器疾患で腹痛、下痢、体重減少を引き起こします。
Infliximabは腫瘍壊死因子αというクローン病の炎症の鍵と考えられているタンパク質を阻害します。この薬は他の治療方法に反応しない患者に有効です。この薬は高価で、静脈投与しなければなりません、副作用もあると研究者は語りました。
論文の著者The Cleveland Clinic Foundation のDr. Jean-Paul Achkarさん達は語りました。薬の費用と副作用のため、治療に反応しにくい患者への使用を制限することは道理にかなっています。infliximabに良く反応する患者を調べるために、Achkarさんのチームは infliximab で治療したクローン病の患者100人を最低3ヶ月間観察しデーターを分析しました。
炎症症状だけの者が数人いました。その他の者は体表面や体腔に瘻(fistulas)を形成していました。炎症症状のみの患者は最低1回のinfliximab注射を受け、瘻(fistulas)を形成したものは最低3回infliximab注射を受けていました。
炎症症状のみの群では、非喫煙者と免疫抑制療法を受けた患者は治療薬が良く奏功することを研究者は発見しました。非喫煙者の73%は薬が良く奏功しましたが、喫煙者では22%にしか有効ではなかったと著者は述べました。さらに、薬の効果が2ヶ月以上持続する者は喫煙者より非喫煙者に多く見られました。
免疫抑制剤の併用は薬の効果と持続期間の両方を向上しました。
fistulous群では、喫煙は薬の持続期間を短縮しましたが効果には影響を及ぼしませんでした。免疫抑制剤の併用は薬の効果や持続期間にも影響を与えませんでした。
Achkarさん達はなぜ喫煙がinfliximabの効果を減少させのるか不明であると述べています。1つの可能性として喫煙は免疫系の要素に影響を与え、喫煙者では抗炎症薬が効き難くなる可能性があります。
「我々は炎症性クローン病の患者に免疫抑制剤の併用を勧めると共に、全てのクローン病の患者と特にinfliximab療法を受けようとしている患者に禁煙を強く勧めるよう勧告します。」研究者は結論しました。
SOURCE: Gastroenterology 2002;123:707-713.


2002/ 9/12  歩きたばこ規制条例提案へ 自民党福岡市議団が表明  (共同通信ニュース速報)  

 福岡市議会の自民党市議団は12日、歩行中や自転車に乗車中の喫煙規制を柱とする「人に優しく安全で快適なまち福岡をつくる条例」(仮称)を今年12月の定例市議会に提案し、成立を目指す方針を明らかにした。
 やけどの危険のある「歩きたばこ」など公共の場でのモラルやマナーの欠如により、従来の取り組みでは「生活環境の改善の効果はあまりあがっていない」として、新たな条例制定が必要と判断した。
 歩きたばこを規制する同様の条例は、東京都千代田区が今年6月に制定、10月に施行するが、全国的にはまだ珍しいという。
 市議団の条例案によると、市長が特に必要と認める地域を「路上禁煙地区」として指定。この地区内では、道路上で歩行中または自転車に乗車中に喫煙すると過料が科せられる。
 また、罰則は設けないが「屋外で喫煙するときは、吸い殻入れを携帯するよう努めなければならない」といった喫煙者の責務も盛り込む考えだ。


2002/ 9/11  路上喫煙、罰則2千円に 1カ月間は指導だけ 東京・千代田  (共同通信ニュース速報)  

 日本有数のオフィス街を抱える東京都千代田区は十二日、十月一日に施行する全国初の路上禁煙条例の罰則を当面は二千円の過料にし、施行後一カ月間は違反した場合でも注意や指導にとどめると発表した。周知期間が必要だとして、愛煙家にやや配慮した形になった。
 条例の罰則は二万円以下の過料。同区は「前例がないので、とりあえず二千円にしたが、施行後の状況によっては過料の額を引き上げることもありうる」と話している。
 過料の徴収方法は原則納入通知書を違反者に渡し、後で金融機関で振り込んでもらう方式。違反した場所で徴収することもできるように検討中という。
 区は四人一組でJR秋葉原駅や御茶ノ水駅周辺など路上禁煙指定の八地区を交代で巡回する。時間は平日は午前八時から午後九時まで。土、日、祝日は午前十時から午後五時まで、違反者に目を光らせる。
 区は条例の普及、啓発のために、ポスター約一万枚を作成。今後、会社や行政機関への掲示を依頼する一方、日本語や英語、中国語などのチラシ計四万枚を通行人らに配布する予定。


2002/ 9/11  たばこ名称裁判 EU支持の意見書提出  (NHKニュース速報)  

 EU=ヨーロッパ連合が、たばこの名前に「マイルド」などといった表現を禁止する措置を打ち出したことに対し、日本たばこ産業などが争っている裁判で十日、EU側の主張を支持する意見書が裁判所に提出され、EU側が優位に立ったという観測が有力になっています。
 この裁判は、EUが来年から、たばこの名前に「マイルド」などとといった、健康への害が少ないという印象を与える表現を禁止する措置を打ち出したことに対し、「マイルド」という表現が入った名前のたばこを販売している日本たばこ産業などが、「EUにはたばこの名前に介入する権限はない」などとして、EUの裁判所に訴えているものです。
 この裁判をめぐり、独立した立場で法律面の解釈を担当する裁判所の法務官は十日、「EUは、単一市場での物流に関する障壁を取り除く権限を持っており、たばこの名前に一定の基準を設けることができる」として、EU側の主張を支持する内容の意見書を裁判所に提出しました。
 裁判所では、この意見書を踏まえて、あらためて判決を示すことになりますが、審理に大きな影響を与える法務官がEU側の主張を支持したことで、EU側が大幅に優位に立つことになったという観測が有力で、日本たばこ産業は今回の意見書に失望しているというコメントを発表しました。


2002/ 9/11  乳幼児突然死の呼吸停止メカニズム  (切明義孝氏訳)  

http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/2251737.stm
Wednesday, 11 September, 2002, 15:52 GMT 16:52 UK
Nicotine 'increases cot death risk'

妊娠中の喫煙は既に乳幼児突然死を増加させることが知られていますが研究者はニコチンガムやニコチンパッチも危険を増加させる可能性があると考えています。
乳幼児突然死とは外見的に正常な赤ちゃんが睡眠中に突然呼吸が停止して死亡するものです。
マウスを用いた研究によりニコチンは正常な呼吸が妨げられた場合に発せられる遺伝的メッセージ(genetic messages )の伝達(血液中酸素濃度が低下した際に脳から神経系へ伝えられる警告)を障害することが明らかになりました。メッセージ・システムが機能している場合、人間は覚醒し、再び適切な呼吸が出来るよう行動します。
Karolinska Institute in Stockholm and the Pasteur Institute in Parisの研究者は、ニコチンは睡眠中の呼吸管理能力を障害すると語りました。
彼らの研究は、血液中酸素濃度が低下した際に警告を発する脳内レセプターの機能を調べました。研究者は、発育中の胎児が繰り返しニコチンに曝露されるとこの脳内レセプターの機能が喪失することを示しました。
つまり、警告機能が適切に機能しなくなり、乳幼児突然死の危険を増加させるのです。

ニコチン注射
研究チームは鍵となる脳内レセプターを遺伝子工学的に欠損させたマウスを使って実験を行いました。このマウスは睡眠中に呼吸が止まっても覚醒しませんでした。研究者はこの脳内レセプターには睡眠中に酸素が欠乏した際に警告を発する役割があることを証明したと語りました。さらに付け加えて、正常なマウスにニコチンを注射すると睡眠中の呼吸反応に影響を及ぼしました。
この研究を率いたKarolinska Institute のHugo Lagercrantz小児科学教授は語りました。「我々はニコチンそのものが危険であることを発見しました。ニコチンガムも危険です。」「もし女性からニコチンを遠ざければ乳幼児突然死は事実上根絶されるかもしれません。」

禁煙の重要性
Foundation for the Study of Infant Deaths のスポークスウーマンは語りました。「妊娠中と出産後の喫煙は乳幼児突然死の危険を増加させます。ニコチンガムとニコチンパッチは両親の禁煙を助けるために良く使われています。あらゆるタバコが乳幼児突然死の危険を増加させるため、両親が禁煙することは本当に重要です。しかしながら、タバコに含まれる大量のニコチンと多種多様の毒物と比較すれば、少量のニコチンが含まれていてもニコチンガムやニコチンパッチを選択するべきでしょう。」
Action on Smoking and Health のClive Bates さんは語りました。
「妊婦にニコチン置換療法を行うには大きな躊躇があります。なぜなら結果的に胎児はニコチンに曝露されるからです。これは良いことではありません。しかし、禁煙はあなたの健康と赤ちゃんのために出来る最も素晴らしい事です。もしニコチン置換療法で禁煙できるのであれば、やる価値があります。」
この研究はProceedings of the National Academy of Sciencesに報告されました。
乳幼児突然死はヨーロッパでは出生児2000人に1人の割合で発生しており、一方、北アメリカでの発生はその2倍です。


2002/ 9/10  ニコチン置換療法でも禁煙成功しない場合がある  (切明義孝氏訳)  

http://dailynews.yahoo.com/news?tmpl=story2&cid=570&ncid=753&e=1&u=/nm/20020910/sc_nm/health_smoking_dc
Nicotine Patch May Not Help You Quit
Tue Sep 10, 4:06 PM ET
多くの喫煙者が禁煙に挑戦しています。ニコチンパッチやニコチンガムに頼る者が増えていますが、しばしば苦労の甲斐なく禁煙に失敗すると研究者は火曜日に報告しました。
1999年のカリフォルニアの喫煙者調査は約61%の喫煙者が最低1日以上の禁煙を試みていることを発見しました。1992年の調査の38%より増加しています。
喫煙者の7人に1人は禁煙のためにニコチンパッチやニコチンガムなどのニコチン置換療法を試みました。これらは、1996年に店頭販売されるようになり、販売促進活動の効果もあって1992年から1999年の間にカリフォルニアでの販売量は4倍になりました。
ニコチンパッチとニコチンガムは特にヘビースモーカーの再喫煙を防ぐ助けになりましたが、これらの製品を使おうと使うまいと2〜3ヵ月後の禁煙率は20%ほどでした。
パッチやガムは禁煙を希望するライトスモーカーには効果がありませんでした。しかし、最終的な禁煙成功率はやや高めでした。抗うつ剤もまた禁煙を希望する喫煙者に処方されましたが、これらの薬の効果を判断するに十分なデーターは得られませんでした。
「この調査結果は、禁煙に対する薬物支援の効果が臨床試験では認められても、一般にはあてはまらないという懸念を与えます。」University of California, San DiegoのJohn Pierce and Elizabeth Gilpin さんはJournal of the American Medical Association で述べました。
臨床試験に参加することが被験者の禁煙への意識を高めたのでしょう。


2002/ 9/ 9  Bupropion が禁煙と体重減少に効果  (切明義孝氏訳)  

http://news.tobaccofreekids.org/plugin.jtml?siteID=TFKNEWS&p=1&Tab=News&Object_ID=553841&PrintThis=true
September 9, 2002
Antidepressant Could Help Spit Tobacco Users to Quit

抗うつ薬Bupropionは喫煙者の禁煙を助ける効果があることが知られています。Bupropionはspit tobacco (無煙タバコ )依存症の治療にも有効かもしれません。
Mayo Clinicの9月3日の発表です。
メイヨークリニックの研究では、68人の参加者をランダムにbupropion投与群とプラセボ投与群に分けて12週間経過観察しました。12週の時点ではbupropion投与群の44%が禁煙に成功し、一方プラセボ群では26%の禁煙率でした。
さらにbupropion 投与群では12週間の経過観察期間中に体重が減少しました。24週間の時点では両群の禁煙者は29%でした。研究者はspit-tobacco使用者は12週間以上bupropionを内服した方が良さそうだと語りました。
「この結果は禁煙を希望するspit-tobacco 使用者にとって良いニュースです。」Mayo Clinic のニコチン依存症専門家(specialist in nicotine “dependence”)のLowell Dale, M.D.さんは語りました。
「 禁煙を希望するspit-tobacco の使用者に対してはニコチンパッチもニコチンガムも有効性が認められていませんでした。今まで、spit-tobaccoの使用者には効果が立証された禁煙支援ツールがありませんでした。」
メイヨークリニックは今年末、さらに大規模な研究を計画しています。この研究はAugust 2002 issue of the journal Nicotine and Tobacco Researchに発表されました。


2002/ 9/ 9  Philip Morris USA は2003年に低毒タバコを販売する計画  (切明義孝氏訳)  

http://news.tobaccofreekids.org/plugin.jtml?siteID=TFKNEWS&p=1&Tab=News&Object_ID=553840&PrintThis=true
September 9, 2002
Philip Morris Plans 'Reduced-Risk' Cigarette for 2003

喫煙の危険を訴える健康団体の圧力に直面し、Philip Morris USA は2003年に低毒タバコを販売する計画です。9月4日のロイターの報道です。
Philip Morrisの会長兼最高経営責任者のMichael Szymanczykさんは語りました。「我々は従来のタバコに加えて第一世代の低毒製品を2003年に市場投入する予定です。」
業界はこの新製品が伸び悩むタバコ消費を加速することを期待しています。
「最近、競争が激しい経営環境はさらに厳しさを増してきました。弱い経済状態、消費者の信頼の喪失、安価な製品の参入、タバコ税増税による販売価格と表示価格の上昇です。」Szymanczykさんは語りました。
その結果、シェアが小さかった数多くの銘柄が値下がりし、シェアを拡大し、タバコ産業の高級銘柄を圧迫ています。
2001年、Vector Group LtdはOmniというブランドを市場に投入しました。
このタバコは“低発癌性タバコ”("reduced-carcinogen" cigarette) として宣伝されています。


2002/ 9/ 9  ニコチンが乳幼児突然死の危険を増加させるメカニズムの一端が明らかになった  (切明義孝氏訳)  

http://www.reutershealth.com/archive/2002/09/09/eline/links/20020909elin001.html
Mouse study gives clues to nicotine-SIDS link
Last Updated: 2002-09-09 17:00:04 -0400 (Reuters Health)
By Alison McCook
NEW YORK (Reuters Health)

喫煙する妊婦から生まれた乳幼児は乳幼児突然死の危険が高くなります。ネズミを使った新たな研究によりニコチンが乳幼児突然死の危険を増加させるメカニズムの一端が明らかになりました。
ニコチンはあるタンパク質の機能に影響を及ぼすことが示されています。
Proceedings of the National Academy of Sciences初版に掲載された研究によるとヨーロッパの研究者は、ネズミの赤ちゃんの睡眠中によくある短時間の呼吸停止が発生すると、あるタンパク質がネズミの赤ちゃんを睡眠から覚醒させることを証明しました。結果的に、ニコチンがこのタンパク質を障害すると乳幼児突然死の危険が増加すると著者は述べました。
睡眠中に乳幼児が短時間呼吸停止すると、組織への酸素供給が減少し、乳幼児は生きるために“あえぎ呼吸”(gasp)をする必要があるとHopital Robert-Debre in Paris, FranceのDr. Claude Gaultierさんは語ります。 「もし、“あえぎ呼吸”をしなければ死ぬでしょう。」
Gaultierさんは語りました。
ニコチンに曝露されたネズミの赤ちゃんは「呼吸再開」("gasping" recovery) に関連するタンパク質の機能が低下していました。
このため、ニコチンに曝露された赤ちゃんは低酸素状態から回復できない可能性があるとGaultierさんは説明しました。
Gaultierさんのチームの研究は正常なネズミとニコチンの作用部位である脳内「nAChRs」(nicotinic acetylcholine receptors)が欠損したネズミの睡眠中の呼吸パターンを測定しました。
この2種類のネズミを低酸素環境下で観察すると、正常のnAChRsを持つネズミは、nAChRsが欠損したネズミと比較して、より上手に、睡眠時無呼吸として知られる睡眠中の呼吸停止から呼吸を再開することを発見しました。
Gaultier さんはニコチンは発育中の胎児に悪影響を及ぼし、その結果nAChRsの機能を低下させるようだと説明しました。
これまでの研究により、nAChRsの機能が低下すると、赤ちゃんの正常な呼吸が障害され、無呼吸からの回復も障害されることが発見されていると、彼は付け加えて語りました。
今回の発見は、これまでの研究と同じく、タバコ煙が乳幼児突然死の危険を増加させるという報告を肯定するものです。
喫煙する妊婦から生まれた乳幼児は睡眠から覚醒しにくい傾向があり、睡眠時無呼吸のエピソードも多いと言う報告があります。
タバコ煙の成分で胎児の成長に有害な成分はニコチンだけではありません。他の研究者はラットの実験から一酸化炭素や様々なタバコ煙の成分が胎児の心筋細胞の成熟を障害することを発見しています。
Gaultierさんは乳幼児突然死の原因は1つではないと語ります。タバコ煙に曝露されたことがない赤ちゃんでも睡眠中に突然死亡することがあります。しかしながら、タバコは最も重要な要因のようです。
「もし、我々が妊娠中の喫煙を抑制することが出来れば、世界中の乳幼児突然死の数は確実に減少するでしょう。」Gaultierさんは語りました。

SOURCE: Proceedings of the National Academy of Sciences 2002;10.1073/pnas.192463599.


2002/ 9/ 9  未成年喫煙者、肺がんも早発=「成長期はリスク増」−愛知がんセンター  (時事通信ニュース速報)

 10代から喫煙を始めた男性ほど肺がんにかかるのも早い−。愛知県がんセンター(名古屋市)が9日、こんな調査結果をまとめた。21歳以降にたばこを吸い始めた男性に比べると、発症年齢は平均6年半も早く、調査に当たった同センターの田島和雄疫学・予防部長は「成長期の喫煙がリスクを増大させる」と警告している。
 同センターは、1988年から2000年にかけて受診した肺がん初発患者のうち、がん発見の1年以内まで喫煙していた男性773人について、喫煙開始の年代別に発症年齢の分布を調べた。


2002/ 9/ 7  喫煙が乳幼児突然死のきっかけ?  (読売新聞ニュース速報)

 原因不明とされる乳幼児突然死症候群は、親の喫煙がきっかけの1つとなる可能性の高いことが分かりました。
 豪州の研究チームが調査したもので、赤ん坊を仰向けに寝かせていても、親が喫煙していると、うつ伏せに寝かせたときと同等の危険性があるとのことです。


2002/ 9/ 7  <たばこ条例>路上喫煙2000円徴収 東京都千代田区  (毎日新聞ニュース速報)

 人通りの多い路上での喫煙者に、最高2万円の過料を払わせる全国初の条例を10月1日に施行する東京都千代田区は6日、条例の実施要領をまとめた。当初は最高額の2万円を徴収する方針だったが、当分の間「実効性」を優先させ、払いやすい金額として2000円を徴収することにした。
 この条例は6月の区議会で成立。秋葉原、神田、御茶ノ水、水道橋、飯田橋、市ケ谷、有楽町、靖国通りの計8カ所を路上禁煙地区とし、指定地区内で、喫煙や吸い殻のポイ捨てをした人から最高2万円の過料を取ることを定めた。
 実施要領によると、区職員らがパトロールし、10月中は注意、指導だけを行い、11月以降は注意しても喫煙をやめないなど悪質なケースに、その場で納入通知書に住所、氏名などを記入させ、銀行や郵便局から過料を振り込ませるシステムにする。その場での支払いに応じる場合は、徴収する。また、喫煙を見とがめた際、住所確認のために身分証明書や運転免許証の提示を求めることも検討している。


2002/ 9/ 6  仰向け寝でも乳幼児突然死が起きる可能性がある  (切明義孝氏訳)  

乳幼児突然死(SIDS)の原因の1つとしてうつ伏せ寝にすると睡眠からの覚醒が抑制され、無呼吸からの回復が遅れるため呼吸停止に至る可能性が指摘されています。しかし、母親が喫煙者であれば、仰向けに寝かせても児の覚醒は抑制されており、呼吸停止になる可能性がある。

http://www.reutershealth.com/archive/2002/09/06/eline/links/20020906elin017.html
Study sheds light on cigarette smoke, SIDS link
Last Updated: 2002-09-06 16:25:40 -0400 (Reuters Health)
NEW YORK (Reuters Health)

オーストラリアの研究はタバコを吸う母親から生まれた児は覚醒しにくいことを発見しました。
喫煙により乳幼児突然死症候群(SIDS)が発生するメカニズムが説明出来そうです。
SIDSの原因は不明ですが、研究者はうつ伏せ寝(顔を下に向けて寝かせる)、やわらかい寝具、受動喫煙が乳幼児突然死の危険を増加させることを明らかにしています。
Monash Medical Centre in Victoria, Australiaの Dr. Rosemary S. C. Horne さん達は述べました。
「私達の研究は母親の喫煙の悪影響を強調するものです。例え、児が仰向けに寝かされていても、児は覚醒しにくく、うつ伏せ寝と同じ状態になります(arousabilityがうつ伏せ寝と同レベルにまで低下する)。」
研究者は“うつ伏せ寝”と“母親の喫煙”はいずれも睡眠からの覚醒を抑制すると述べました。
研究者は睡眠中の乳児24人の顔に空気を吹き付け睡眠からの覚醒を、うつ伏せ寝と仰向け寝の状態で、比較しました。児は生後2〜3週間、2〜3ヶ月、5〜6ヶ月の時点で検査を受けました。全ての児は健康で早産ではありませんでした。
母親の11人が喫煙者で13人が非喫煙者でした。この研究はArchives of Disease in Childhood: Fetal and Neonatal Edition9月号に掲載されました。
Horneさんのチームは喫煙する母親の児は仰向けに寝かせても覚醒しにくく、 Quiet sleep(Active sleepに対し)からの自発的な覚醒も悪かったと述べました。この現象は乳幼児突然死(SIDS)が最も起こりやすい生後2〜3ヶ月の時期に発生しました。
Active sleepはREM睡眠時に生じる、児が比較的容易に覚醒する軽い睡眠段階です。一方、Quiet sleepは睡眠の深い段階でより覚醒しにくい状態です。
1992年、アメリカ小児科学会は健康な赤ちゃんは仰向けに(背中を下に)寝かせるよう勧告しました。
SOURCE: Archives of Disease in Childhood: Fetal and Neonatal Edition 2002;87:F100-F105.


2002/ 9/ 5  受動喫煙はディーゼルの16000倍の発癌性がある(EPA報告)  (切明義孝氏訳/コメント)  

ディーゼルの発癌性を認定したとするEPA報告書を読むと下記のことが明らかになりました。
ディーゼル排ガスは喘息などの呼吸器疾患の原因になると結論していますが、発癌性が受動喫煙並に強いとは結論していません。
受動喫煙はディーゼル排ガスより最高16000倍もの発癌性があります。

http://oaspub.epa.gov/eims/eimscomm.getfile?p_download_id=36223 9.6. SUMMARY AND CONCLUSIONS ( 9-24 ページ)
18行目
>ディーゼルの排ガスは人間の肺に対する発癌性を有すると考えられるが、環境中または高濃度曝露状況下で“probable” human carcinogen(人間に対する発癌性がありそうだ)あるいは“likely to be carcinogenic in humans by inhalation”(吸入により人間に対する発癌性がありそうだ)と表現されると判断した。

同段落の下方

>これらの分析により人間の発癌の危険(lifetime cancer risk )は0.00001から高くて0.001前後増加する。評価には仮定や不確実な資料が使われていることを考慮しても、小さな危険があるかもしれない。ゼロ・リスクを除外できなかった。( zero risk cannot be ruled out)

<コメント>
これはディーゼル排ガスに曝露されると、肺癌になる確率が1.00001倍〜1.001倍になるというものです。
ちなみにWHOの受動喫煙に関する下記文書では
Press Release WHO/29 9 March 1998
PASSIVE SMOKING DOES CAUSE LUNG CANCER, DO NOT LET THEM FOOL YOU
(「受動喫煙は肺癌の原因です。嘘を許すな!」という文書です。)

これによると
>The study found that there was an estimated 16% increased risk of lung cancer among non-smoking spouses of smokers
IARCでは受動喫煙は非喫煙配偶者の肺癌危険を16%増加させると報告しています(1.16倍になる。)。この数字をもとに、単純計算すると
受動喫煙のほうが16000倍から160倍有害です。
(0.16÷0.00001=16000)
(0.16÷0.001=160)


2002/ 9/ 5  たばこの害、カードで語ろう 仙台中央署が作製  (河北新報

 喫煙で補導された少年(少女)にたばこの害をしっかり伝え、親や家族と話し合う機会をつくってもらおうと、仙台中央署が健康への影響などを記した『たばこ有害連絡カード』を作製して活用を始めた。「害の大きさを知らないまま、たばこを吸っている少年が多い」(中央署)といい、喫煙少年に注意しながらこのカードを見せると、案外素直に話を聞き、たばこの害に驚くという。
 仙台中央署管内で1月から7月まで、喫煙や飲酒などの不良行為で補導された少年は計2501人。このうち喫煙で補導された少年は約80%の1987人に上る。
 今回、あらためてたばこの害の啓発活動に乗り出したことについて、中央署生活安全課は「補導の際、少年から『大人はいいのに、どうして未成年がたばこを吸ってだめなのか』と聞かれることが多い。それでカードを作った」(高橋勝子・少年警察補導員)と説明する。
 カードの大きさは縦12センチ、横9センチ。裏面に喫煙が体に及ぼす影響を細かく記載しており、「成人にならないうちにたばこを吸い始めると、肺がんによる死亡率は吸わない人の6倍に上る」といった情報が載っている。
 カードには「たばこを吸うことはなぜいけないか、話し合っていただけませんか」と、家庭での対話を呼び掛ける親あての一文も記されている。
 子どもからカードを見せられた親が、署に感謝の電話をかけてくることもあるという。中央署は「家に帰ってから、『こんなカードもらった』などと、親と話すきっかけになっているのだろう」と推測。「たばこの害悪PR」と「親子の対話」の相乗効果によって、非行減少につながることを期待している。


2002/ 9/ 5  <シンガポール>10本入りたばこの販売禁止 喫煙抑制が狙い  (毎日新聞ニュース速報)

 シンガポールのゴー・チョクトン首相は、毎年恒例の「健康生活キャンペーン」開始の演説で「20本入り未満のたばこの販売を禁止する」と発表した。同国では日本同様、20本、10本入りが販売されているが、手軽に買える10本入りの販売を禁止し、喫煙を抑制するのが狙い。
 喫煙への厳しい規制で知られる同国では、パブやディスコなどを除きオフィスビル、地下鉄、飲食店など、ほぼすべての公共スペースが法律で禁煙とされ、違反者には最高1000シンガポールドル(約6万8000円)の罰金が科される。雑誌などへのたばこ広告掲載も禁止されている。 (シンガポール共同)


2002/ 9/ 5  カンナビノイド受容体拮抗薬  (切明義孝氏訳)  

http://dailynews.yahoo.com/news?tmpl=story2&cid=585&ncid=585&e=15&u=/nm/20020905/sc_nm/health_sanofi_smoking_dc
Sanofi Drug May Help Smokers Quit - and Stay Slim
Thu Sep 5, 5:12 AM ET
LONDON (Reuters)

フランスの製薬会社Sanofi-Synthelabo はある実験薬が体重を増加させることなく禁煙を助ける効果を示したと語りました。
Rimonabant(肥満の治療薬としても開発中である)は脳に存在する、大麻(cannabis)を吸った時に空腹を感じさせる、生物学的なスイッチを切る働きがあります。
実験薬はカンナビノイド受容体拮抗薬(cannabinoid receptor antagonists)に分類されます。
この薬の禁煙支援効果の詳細が今週の investor roadshows in Europeand the United Statesで発表されました。このプレゼンテーションはSanofi-Synthelabo のウェブサイトでも見ることが出来ます。
360人の患者が参加した4週間の研究によれば Rimonabant を投与されたグループの禁煙成功率は30.2%でしたが、偽薬を投与されたグループの禁煙成功率は14.8%でした。
さらに、 Rimonabant を投与された者は平均1.2Kg体重が減少しましたが、偽薬を投与された者では平均1.1Kg体重が増加しました。
Sanofi社はこの薬のPhase III 試験を始めました。業界のアナリストは、もし法律で定められた手続きが完了すれば、莫大な利益を生むだろうと見ています。
「喫煙と肥満の両方とも広く蔓延する病気であり大きな健康問題です。もし、この薬が両方に効果があるのであれば5億ドル以上の売上を誇る主力商品になる可能性があります。」Merrill LynchのJames Culverwellさんは語りました。


2002/ 9/ 4  ドーパミンは喫煙を止める鍵  (切明義孝氏訳)  

http://story.news.yahoo.com/news?tmpl=story&u=/nm/20020904/hl_nm/dopamine_smoking_dc_1
Dopamine May Be Key to Kicking the Habit: Study
Wed Sep 4, 5:44 PM ET
By Keith Mulvihill
NEW YORK (Reuters Health)

ヘビースモーカの研究により、脳内報酬回路( brain's "reward" system )を阻害する薬は喫煙欲求を強め、一方、ドーパミンレベルを引き上げる薬は喫煙欲求を減弱させることが結論されました。
この発見は脳内ドーパミンを模倣する薬が喫煙者の禁煙を助けることを示唆します。この論文の著者Veterans Affairs Greater Los Angeles Healthcare System in CaliforniaのDr.Nicholas H. Caskey さんは説明しました。
いくつかの動物実験によりニコチンは脳内報酬回路と関係ある領域のドーパミンレベルを引き上げることが発見されています。しかし、人間の喫煙行動におけるドーパミンの役割を調べた研究はほとんどありませんでした。Caskey さんは語りました。
Caskeyさん達はヘビースモーカーにブロモクリプチン(ドーパミンの作用を模倣する薬)1回量を投与した場合に生じる反応を調べました。一週間後、同じ喫煙者は違う薬(ハロペリドール)を服用しました。ハロペリドールは脳内ドーパミンの活動を阻害する薬です。
研究者は研究に参加した喫煙者の行動をそれぞれの薬の内服後5時間に渡ってさまざまな方面から観察しました。全ての喫煙者はこれまで毎日15本以上のタバコを吸っていました。
この研究はNicotine and Tobacco Research誌9月号に掲載されました。
喫煙者がブロモクリプチンを内服するとハロペリドールを内服した場合に比べて、喫煙本数が減少し、タバコ煙を吸入する回数も減少し、喫煙間隔も延長しました。
Caskeyさんは語りました。
この発見によりドーパミンが喫煙行動に関与していることが示唆されました。「ブロモクリプチンあるいはそれに類似する薬には禁煙支援効果があるかもしれません。」「しかし、ブロモクリプチンがそのような薬であると断言するにはまだまだ長い道のりがあります。」
彼はこの発見を裏付けるために大規模な臨床試験を行わなければならないと語りました。
ブロモクリプチンはパーキンソン病の治療のために承認された薬で、腫瘍の治療や月経周期の障害を持つ女性にも利用されています。
SOURCE: Nicotine and Tobacco Research 2002 September.


2002/ 9/ 4  ブロモクリプチンで喫煙欲求が消失する  (切明義孝氏訳)  

http://story.news.yahoo.com/news?tmpl=story&u=/hsn/20020904/hl_hsn/dopamine_extinguishes_smoking
Dopamine Extinguishes Smoking
Wed Sep 4, 7:05 PM ET
WEDNESDAY, Sept 4 (HealthScoutNews)

脳内化学物質ドーパミンを増加させる薬品は喫煙者のタバコへの欲求を消失させる。
20人のヘビースモーカーを対象にしたこの研究報告はNicotine and Tobacco Research9月号に掲載されました。
被験者には脳内ドーパミン量を増加あるいは減少させる薬が投与されました。ドーパミンは運動機能に影響を与える神経伝達物質で感情にも影響を及ぼすと考えられています。
動物実験でニコチンは脳に作用し、ドーパミンの分泌を促進し快感を生じることが明らかにされました。
この新しい研究により、ドーパミンを模倣する薬物を喫煙者に投与すると、ドーパミンの働きを阻害する薬物を投与された者よりタバコ消費量が減少することが発見されました。
ブロモクリプチンはパーキンソン病、ある種の腫瘍、月経障害の治療薬です。
「全体として、これらの結果は、ドーパミンの働きを刺激あるいは阻害することにより喫煙行動をコントロール出来ることを示唆します。これは禁煙支援にはドーパミンが重要であることを強く示唆します。」
Veterans Affairs Greater Los Angeles Healthcare System and theNeuropsychiatric Institute at UCLA's David Geffen School of MedicineのNicholas H. Caskeyさんは語りました。


2002/ 9/ 4  橋本龍太郎氏禁煙続く  (毎日新聞ニュース速報)

 政界有数のヘビースモーカーだった橋本龍太郎元首相が、たばこと絶縁する決意を固めた。8月末、買い置いていたふろしきいっぱいの「チェリー」を、同じチェリー愛好家の青木幹雄参院幹事長にプレゼントして未練を断った。
 髪をオールバックにして紫煙をくゆらす姿は橋本氏のトレードマークになっていた。久美子夫人は以前から禁煙を勧めていたが、「たばこを止めたら生きがいがなくなる」と1日1〜2箱は欠かさなかったという。
 ところが、橋本氏は今年2月、心臓の弁が閉まらなくなる「急性僧帽弁閉鎖不全症」で入院。手術を受けて、4月に退院後は「吸う気がしない」と禁煙を続けていた。愛煙家の橋本氏がたばこと絶縁するほど健康を気遣うようになったのは、「抵抗勢力」とのレッテルに対抗して積極的に政局にかかわっていく決意の表れとのうがった見方も。


2002/ 9/ 3  子供にテレビを見せると喫煙が増える  (切明義孝氏訳)  

http://www.reutershealth.com/archive/2002/09/03/eline/links/20020903elin008.html
Kids' TV habits linked to later smoking risk
Last Updated: 2002-09-03 13:04:10 -0400 (Reuters Health)
By Charnicia E. Huggins
NEW YORK (Reuters Health)

新しい研究により、テレビを長時間見る子供や青年は、テレビを1日2時間未満しか見ないものと比べて、喫煙者になり易いことが明らかになりました。
論文の著者Children's Hospital and Health Center in San Diego,California のDr. Pradeep P. Gidwaniさんは語りました。
「我々はテレビは間接的なタバコ広告であると考えています。」「テレビの喫煙場面は現実に恐怖を感じます。」
最新の報告によれば子供向けのG評価(G-rated)の番組でさえ喫煙場面が存在します。
「両親は子供たちのテレビ視聴時間を制限する必要があります。」
彼は語りました。
GidwaniさんらはNational Longitudinal Survey of Youth による1990年のテレビ視聴習慣のデーターと、1990年から1992年に喫煙を始めた10歳から15歳の子供たちのデーターを調査しました。
1992年、12%の子供たちが喫煙していました。これは1990年の子供の喫煙率5%を上回りました。研究者はこの研究結果をPediatrics9月号に報告しました。
1990年に1日5時間以上テレビを見ていた子供たちでは3分の1が喫煙しており、テレビを見る時間が1日2時間未満の子供達では喫煙者は10人に1人でした。
1日5時間以上テレビを見る子供たちは、テレビをほとんど見ない子供と比べ、喫煙率が約6倍高いことが報告されました。
また、1日4時間以上テレビを見る子供たちの喫煙率は5倍でした。
アメリカ小児科学会はテレビの視聴時間を1日あたり2時間未満に制限し、教育番組と非暴力番組のみ見せることを勧告します。
「この研究のみならず他の研究でも、アメリカ小児科学会の勧告のように、テレビの視聴を制限することは数多くのメリットがあります。」
Gidwani さんは、以前発表した、テレビ視聴頻度と肥満の関連に関する研究を示しながら語りました。
「これらの結果は保護者、教育関係者、健康専門家に警告を与えます。子供たちのテレビ視聴を制限することは喫煙率減少に効果的な戦略であり、さらに喫煙につながりやすい危険な行動も減少させます。」Gidwani さんらは結論しました。
SOURCE: Pediatrics 2002;110:505-508.


2002/ 9/ 3  たばこ代値上げ一石三鳥? 1箱千円で税収増1兆円  (共同通信ニュース速報 神戸新聞記事

 たばこが一箱三百円に値上げされると喫煙者の16%がたばこをやめ、千円なら63%が禁煙するというアンケート結果を三日までに、厚生労働省所管の研究機関、医療経済研究機構(東京)がまとめた。禁煙者が増えても、千円になればたばこ税などの増収が一兆円を超え、医療費削減、健康増進も進むという“一石三鳥”の結構ずくめの試算結果で、増税論議を後押ししそうだ。
 研究機構は昨年十一―十二月、全国の二十歳以上の喫煙者二千四百二十人を対象に調査を実施し、二千百五人から回答を得た。
 現在の売れ筋たばこは一箱二百五十円が主流。
 三百円に値上げされた場合「たばこをやめる」と答えた人は16%で、「同じ銘柄で本数を減らす」という人が30%。五百円に値上げされた場合は42%、千円になると63%が「たばこをやめる」と答えた。千円でも「同じように吸う」人は4%しかいなかった。
 研究機構はこの回答を基に、値上げした場合の喫煙者数のほか@直接喫煙による年間死亡者数Aたばこが原因の医療費Bたばこ税や消費税による税収―を試算した。
 「三百円たばこ」だと、現在二千八百万人余に上る喫煙者が約四百七十万人減り、十万人を超すと考えられる死亡者も約一万七千人減少して八万人台に。医療費は二千億円余り削減される。
 これが「千円たばこ」なら、喫煙者は千七百八十万人減って、死亡者も三万人台まで減少。医療費は約八千億円以上減って今の三分の一近くに削減できる。
 これに対し税収は「三百円たばこ」だと現在の約二兆三千億円からわずかに減少するが、「五百円」では四千億円、「千円」では一兆円余りそれぞれ増えるという。
 調査した油谷由美子主任研究員は「値上げ幅がわずかな場合は、実際に個人がどう動くか分からないが、死亡者の減少や医療費削減など増税の効果を予測する情報になるのではないか」と話している。


2002/ 9/ 3  乳幼児突然死のメカニズムが解明された  (切明義孝氏訳)  

http://www.reutershealth.com/archive/2002/09/03/eline/links/20020903elin026.html
Study suggests why cigarette smoke a SIDS risk
Last Updated: 2002-09-03 16:00:22 -0400 (Reuters Health)

BERLIN (Reuters Health)

イタリアの研究者は、妊娠中の喫煙が乳幼児突然死症候群(SIDS)の危険を増加させるメカニズムを解明したようです。
University of FlorenceのProfessor Alessandro Mugelli さんらは、タバコに含まれる一酸化炭素に曝露されたラットの胎児では心臓細胞の成熟が障害されることを発見しました。
この研究はEuropean Society of Cardiology annual conferenceにて発表されました。
「我々は喫煙がSIDSを引き起こすメカニズムに関する新たな発見をしました。我々のメッセージはこうです。もし、あなたが妊婦であればタバコを吸ってはいけません。そして、子供がいる部屋ではタバコを吸ってはいけません。」
Mugelli さんは語りました。
研究者は喫煙者がタバコから吸入する濃度と同じ150ppmの一酸化炭素に妊娠したラットを曝露しました。
すると、一酸化炭素曝露により心筋細胞のいくつかの部分の成熟が遅れました。その結果、心臓の電気的活動を記録する心電図のQT intervalに影響が生じました。
QT interval が延長した赤ちゃんは不整脈の危険が非常に高くなり、これは新生児の突然死の危険を増加させます。
Mugelli さんは語りました。
「我々はタバコが乳幼児突然死症候群の危険因子であることを知っています。しかし、メカニズムは不明でした。」
Mugelliさんは語りました。
乳幼児突然死は新生児の死因として最も良く知られています。うつ伏せ寝も乳幼児突然死の危険因子です。受動喫煙、過剰な暖房、やわらかい寝具も危険です。


2002/ 8/30  シカゴのレストランが全面禁煙に  (切明義孝氏訳)  

http://news.tobaccofreekids.org/plugin.jtml?siteID=TFKNEWS&p=1&Tab=News&Object_ID=553684&PrintThis=true
August 30, 2002
Chicago Mayor Considers Restaurant Smoking Ban

シカゴ市長のRichard Daleyさん(かつてタバコ対策に尻込みした人物)は、シカゴのレストランを全面禁煙にすることを考えていると語りました。8月29日Chicago Tribune の報道です。
「レストランの禁煙は公衆衛生です。我々はそうするべきです。バーよりも、特にレストランは禁煙にすべきです。」
Daley さんは語りました。
「公衆衛生は、しばしば、多くの問題をもみ消します。現実的になりましょう。あなたはこの問題に対し合理的な方法で、かつ喫煙は健康に悪いことを理解し、切り抜けていくべきです。」
Aldermen Edward Burke さんとEd Smith さんが提案する法案はシカゴにある全てのレストランでの喫煙を禁止します。
現在、レストランは一定の割合で禁煙エリアを設けることが要求されています。
イリノイ・レストラン協会は喫煙禁止に反対です。「我々の産業は決して喫煙者側に偏っているわけではありません。
我々は店長に正しい経営判断を行い、顧客の便宜を図るよう奨励しています。」レストラン協会会長のColleen McShaneさんは語りました。


2002/ 8/30  タバコを吸うと乳癌の危険が増える  (切明義孝氏訳)  

http://www.reutershealth.com/archive/2002/08/30/eline/links/20020830elin009.html
Long pack-a-day habit may up breast cancer risk
Last Updated: 2002-08-30 14:00:36 -0400 (Reuters Health)
NEW YORK (Reuters Health)

喫煙による乳癌の危険の増加については指摘されていませんでしたが国際的な科学者のチームは喫煙により乳癌の危険が増加するかもしれないと語りました。
タバコ煙には人間の乳癌の原因となる発癌物質が含まれている科学的な証拠があります。しかしながら、喫煙と乳癌の因果関係の証明はしばしば失敗してきました。
Albert Einstein College of Medicine, Bronx, New York のPaul D. Terry さんらはその1つの答えとして、タバコに乳癌を発生させる物質が含まれているのであれば数十年後に乳癌を発生させるだろうと考えました。
Terryさんのチームは40歳から59歳の女性約90000人の喫煙習慣を調査しました。そして約11年間追跡し観察期間中に2552人が乳癌と診断されました。タバコを1日1箱40年以上吸った女性では、タバコを吸わない女性と比較して、乳癌の危険が83%増加していました。
この研究はInternational Journal of Cancer8月20日号に掲載されました。
一方、1日当たりの本数はほぼ同じだが40年間も吸わずに途中で禁煙した女性では乳癌の危険は22%の増加でした。
Terryさんたちは語りました。
「私達はタバコを長期間、本数多く吸えば乳癌の危険が増加することを発見しました。」
タバコを吸う女性を対象に、30年から40年あるいはそれ以上に及ぶ喫煙歴と乳癌の発生率を観察するには非常に多くのデーターが必要です。著者は結論しました。
SOURCE: International Journal of Cancer 2002;100:723-728.


2002/ 8/30  職場の受動喫煙は非常に危険  (切明義孝氏訳)  

http://www.reutershealth.com/archive/2002/08/30/eline/links/20020830elin008.html
Passive smoke worse in workplace than in home
Last Updated: 2002-08-30 10:00:38 -0400 (Reuters Health)
By Alison McCook
NEW YORK (Reuters Health)

職場で受動喫煙に曝露されている女性は、喫煙者と結婚した女性よりも、肺癌になる危険が高くなります。ドイツの研究者による報告です。
喫煙者と結婚した非喫煙女性は、非喫煙者と結婚した女性より、肺癌になる危険が約2倍になります。また、喫煙が禁止されていない職場で働く非喫煙者は、非喫煙職場で働く非喫煙者より肺癌の危険が約3倍になります。
これまでの研究により非喫煙者が喫煙者の出すタバコ煙を吸い込むと肺癌の危険が増加することが証明されています。そして、今回の研究は過去の研究を支持する結論を導き出しました。
論文の著者Institute of Radiation Hygiene in Neuherberg, GermanyのDr. Michaela Kreuzer さんは語りました。
「非喫煙者は家庭や職場における受動喫煙を避けるべきです。」と語りました。
もちろん、肺癌の危険が高くなる職業に従事することや発癌物質を扱う工場で働くことも避けるべきです。例えば発癌物質は木材工場や印刷工場で使用されています。
研究者は肺癌と診断された女性234人と健康な535人を対象に家庭や職場での受動喫煙に関する調査を行いました。いずれの女性も400本以上喫煙した者はいませんでした。また、前喫煙者が少数いました。
調査者は、タバコ煙に満ちた職場で働いた女性は、禁煙職場で働いた女性より、約3倍多く肺癌を発病していることを発見しました。
一方、喫煙者と結婚した女性は、非喫煙者と結婚した女性より約2倍肺癌を発病することを発見しました。
さらにKreuzer さんたちは、発癌物質を使用する職場で10年以上働いた女性は、他の職業で働く女性より約2倍多く肺癌を発病することを発見しました。
野菜やチーズを沢山食べる女性は肺癌の危険が比較的低いことも発見した、と著者はInternational Journal of Cancerの論文で述べました。
Kreuzerさんは今までの研究によりアンチオキシダントが多い(antioxidant-rich)野菜を中心とした食事は肺癌を予防すると言いました。しかし、チーズも肺癌予防効果がありそうだと語りました。
Kreuzerさんはチーズは病気を防ぐとされる他の健康食品よりも効果が高そうだと語りました。
なぜ職場でのタバコ煙曝露が家庭でのタバコ煙曝露より悪いのかという点に関して、研究者は職場に何人の喫煙者がいるかまでは調査していませんが、タバコ煙に満ちた職場での労働時間は調査しています。
「喫煙が許されている職場には多くの喫煙者がいますが、家庭ではせいぜい1人なので職場の受動喫煙のほうがより危険だと思われます。」
Kreuzerさんは「家庭や職場におけるタバコ煙は非喫煙女性の肺癌の危険を増やします。これは非喫煙男性でも同じことが言えるでしょう。」と語りました。

SOURCE: International Journal of Cancer 2002;100:706-713.


2002/ 8/30  カリフォルニアたばこ訴訟  (切明義孝氏訳)  

http://news.tobaccofreekids.org/plugin.jtml?siteID=TFKNEWS&p=1&Tab=News&Object_ID=553685
August 30, 2002
Calif. Smoker's Lawsuit Attracts Nationwide Attention

タバコ産業と法律専門家はPhilip Morrisに対するカリフォルニアたばこ病訴訟の行方を注意深く見守っています。なぜならこの裁判はカリフォルニア最高裁判所がタバコ産業の有罪を判決した後、引き続いて起こされた裁判だからです。
8月19日のAssociated Pressの報告です。
8月5日、最高裁判所は1988年の州の法律について、単にタバコ産業を訴訟から保護するための法律であると述べました。
昨年、Betty Bullockさん(63歳)は肺癌と診断され、この判決に続いて訴訟を起こしました。彼女はPhilip Morrisは欠陥商品を製造し販売したと訴えます。訴訟では大手タバコ産業はタバコの有害性を隠し、ニコチン量を操作し、喫煙者を依存症にしていたと主張しています。
Philip Morris はBullock さんは彼女の自由意志でタバコを吸いはじめ、吸い続けたと反論しています。
カリフォルニアの病人に支払った賠償金により巨額の損失を出したタバコ産業に有利な判決が出るのでしょうか。
カリフォルニアではタバコ産業を相手に75件の訴訟が判決を待っており陪審員への影響が予想されます。


2002/ 8/29  未成年喫煙者の3分の2が禁煙を願っている  (切明義孝氏訳)  

http://story.news.yahoo.com/news?tmpl=story2&cid=571&ncid=571&e=22&u=/nm/20020829/hl_nm/smoking_children_dc_1
14 Percent of World Youth Smoke, Survey Finds
Thu Aug 29,11:05 AM ET
WASHINGTON (Reuters)

世界では13歳から15歳の子供達の14%が喫煙しており、タバコを吸う子供たちの3分の2が禁煙を希望しています。
水曜日に発表された報告です。
US Centers for Disease Control and Prevention、 National Cancer Institute 、WHO、Public Health Associationの調査により、喫煙する子供たちの4分の1は10歳未満で喫煙を始めていることが明らかにされました。
43カ国の75地域、ヨルダン川西岸地区およびガザ地区を含めて行われた13歳から15歳を対象とした Global Youth Tobacco Survey により、発展途上国の子供たちの喫煙率が最も高いことが明らかになりました。
チリ、ロシア、ウクライナ、マリアナ諸島北部では3分の1以上の子供たちが現在タバコを吸っていると答えました。

この調査は次のホームページで公表されています。
http://www.cdc.gov/tobacco/global/GYTS.htm 
米国の子供たちの喫煙率は17.7%でした。しかし、喫煙する子供たちの55.8%は禁煙したいと答えました。
CDCはこの調査結果をTobacco Control誌9月号で公表しました。CDCのコメントです。
「全体として、68.4%の子供たちが早く禁煙したいと願っていることが示されました。」「最も大きな問題は世界中のあまりにも多くの子供たちが家庭や公共の場でタバコ煙に曝露されているという事実です。約半分の子供たちが家庭で他人のタバコ煙に曝露されていると答えています。」
「全体として60%の子供たちが公共の場で受動喫煙に曝露されていました。」

WHOは2030年にはタバコ病により年間1000万人が死亡すると予想しています。そして、その犠牲者の70%は発展途上国の住民であると予想されています。


2002/ 8/29  タバコを2,3回吸うと子供達は依存症になる  (切明義孝氏訳)  

タバコを2,3回吸うと子供達は依存症になる。
http://story.news.yahoo.com/news?tmpl=story2&cid=571&ncid=571&e=17&u=/nm/20020829/hl_nm/smoking_nicotine_dc_1
Kids Can Be Hooked After a Few Cigarettes: Report
Thu Aug 29,11:11 AM ET
By Melissa Schorr
NEW YORK (Reuters Health)

子供達が、例え面白半分であっても、タバコを吸うと子供達はニコチン依存症になります。University of MassachusettsMedical School in WorcesterのDr. Joseph R. DiFranzaさんは語りました。
「始めてタバコを吸う子供達がタバコ依存症になるまでの期間は以前考えられていたより短いことが明らかになりました。」「ニコチン依存症は、たとえニコチン量が低くても、非常に早く出現します。」
DiFranzaさんたちは12歳〜13歳の子供達約700人を対象に調査を行いました。そして喫煙を始めたばかりの子供達は、ほんの数本タバコを吸っただけでニコチン依存症の症状が出現することを発見しました。
例えば、今まで一度もタバコを吸ったことが無い子供達では、タバコを一回吸っただけで、40%の子供達が依存症(dependence)になり、タバコを切望するようになり、イライラや情緒不安定などの禁断症状が出現しました。
この発見は9月号のTobacco Control誌に掲載されます。
「従来、子供達がタバコを吸い始めて依存症(禁煙できずに毎日タバコを吸うこと)になるまでの期間は約2年で、少なくとも1日半箱吸う必要があると考えられていました。」「タバコを毎日吸うようになるまで、誰も禁煙が難しいとは知りませんでした。しかし、現実にはよくあることです。」
DiFranzaさんは語りました。
30ヶ月以上に及ぶ追跡期間中に半数以上の子供達がタバコを吸ったと答えました。
子供達が最初にタバコを吸ったのは平均12歳未満でした。依存症の症状を訴えた全ての子供達のうち、3分の1は月に一回タバコを吸っており、半数は週に一回タバコを吸っていました。さらに研究者は子供達が依存症になるまでの期間が短いことを発見しました。
DiFranzaさんは「半数の子供達は2ヶ月以内にタバコ依存症になっていた。」と語りました。女児は男児より早く依存症になる傾向が認められ、女児は男児より依存症の症状を多く訴えました。
「女児の半数はタバコを吸い始めて3週間以内に依存症になりました。一方、男児では6ヶ月以内でした。」
「特に女児では早期にニコチン依存症(dependence on nicotine)になりやすいことが明らかになりました。」
ニコチン依存症の症状を1つ以上訴えた子供達では禁煙が一層困難でした。ニコチン依存症の症状を訴えた子供達は、症状の無い子供達と比べて禁煙が30倍困難で、調査期間の終了時までに禁煙できなかった者は44倍多かった。
DiFranzaさんによって、子供達の脳は発育過程にあるため成人よりもニコチン依存症になりやすいことが明らかにされました。
「皆さんにはタバコの実験が出来ないでしょうから、私の研究が子供達に届くことを望みます。安全にタバコを吸う方法などありません。」「我々は、たった一本でもタバコを吸うと生涯を通じて依存症になることを子供達に教える必要があります。」DiFranzaさんは語りました。
SOURCE: Tobacco Control 2002;11:228-235.


2002/ 8/29  7人に1人の子どもがタバコを吸っている 

http://www.cnn.com/2002/HEALTH/08/29/youth.smoking/index.html
CDCとWHOの調査によって、世界中の13−15歳の少年の内、14%がすでに喫煙者で、そのうちの25%は10歳までに最初のタバコを手にしていることがわかった。しかし、その70%がすぐにでも禁煙したいと思っている。また、家庭内で受動喫煙を受けている子どもは49%にのぼる。また、公共の場では子どもの60%が受動喫煙を受けている。
WHOは、タバコによって年間400万を越える死がもたらされると考えます。また、2030年までに1年当たり1000万にその数字が上昇するだろうと予測しています。
学生のほぼ80パーセントは、スポーツなどの行事ででたばこの広告を見ました。
子どもの喫煙者の約9.4パーセントは、1日当たり6本以上のたばこを吸うと言いました。
子どもの喫煙者10パーセント以上は、タバコ会社により無料のたばこを提供されたと言いました。


2002/ 8/28  受動喫煙と心疾患の関係  (切明義孝氏訳)  

http://dailynews.yahoo.com/news?tmpl=story2&cid=585&ncid=585&e=8&u=/nm/20020828/sc_nm/health_smoke_dc
Study Links Second-Hand Smoke to Heart Disease
Wed Aug 28, 7:29 PM ET

他人のタバコ煙に曝露されると心疾患の危険が劇的に増加します。ギリシャの研究者は木曜日に発表しました。
英国医学会による専門誌Tobacco Controlによれば職場の喫煙を禁止することが非喫煙者を心臓発作から守る最善の方法であることが示されました。
この研究により、非喫煙者が受動喫煙に、定期的あるいは時々、曝露されると心疾患の危険が47%増加することが明らかにされました。心疾患の危険は非喫煙者が受動喫煙にさらされた年数に応じて指数関数的に増加します。
科学者は心疾患のあるギリシャ人男女847人と心疾患の無い1078人を観察しています。心疾患患者の86%は1日あたり30分以上受動喫煙に曝露されていました。一方、心疾患の無い者で受動喫煙に曝露されていた者はたったの56%でした。
「非喫煙者を受動喫煙の被害から保護する唯一の方法は、公衆の場、職場はもちろん家庭からも健康に有害なタバコ煙を排除することです。」と研究者は結論しました。


2002/ 8/28  タバコのブラックマーケット  (切明義孝氏訳)  

http://news.tobaccofreekids.org/plugin.jtml?siteID=TFKNEWS&p=1&Tab=News&Object_ID=553647&PrintThis=true
August 28, 2002
NYC Cracks Down on Black-Market Cigarettes
ニューヨーク市は闇市場を取り締まります。

ニューヨーク市の職員は無許可のタバコ販売を厳しく取り締まり始めました。8月26日のAssociated Pressの報告です。
2001年2月から2002年2月の間に法執行職員は無許可のタバコ売人40人から 11,871 パックのタバコを押収しました。市がタバコ税を8セントから$1.50へ増税した時、当局はブラックマーケットが増加すると予想していました。
連邦税と州税あわせてのタバコ税増税によりニューヨーク市のタバコ価格をは1箱 $7.50に引き上げられました。
市のcommissioner of consumer affairsのGretchen Dykstraさんは市の厳しい取り締まりはMichael Bloomberg市長のタバコ対策に対する真剣な姿勢を証明するものであると語りました。


2002/ 8/28  禁煙にニコチンパッチを無料配布−−来月3日から、鎌倉保健福祉事務所  (毎日新聞神奈川県版

 ◇これで、たばこやめてね−−愛の禁煙キャンペーン
 鎌倉保健福祉事務所は、9月3日から「愛の禁煙キャンペーン」を始める。腕に張ってニコチンの禁断症状を和らげるニコチンパッチを無料配布する全国初の試み。「成人だけでなく中、高校生も対象」とし、未成年の喫煙防止も視野に入れている。
 ニコチンパッチは医師の処方せんが必要な医薬品で、丸いパッチを腕に張ると、ニコチンが体内に吸収され、ニコチン切れのイライラを緩和する。だんだんパッチを小さくすることにより、禁煙に導く。
 同事務所は診察のうえ、パッチ3日分を無料で配布する。その後は同市と逗子市、葉山町の医療機関23カ所が協力し、処方する。パッチ1日分は約450円で、3日以後は自己負担となる。
 アイデアを出した同事務所副技幹で医学博士の原田久さん(36)は「1日20本ほど吸っていたが、今年初めにパッチを知人からもらい、2カ月ほど腕に張り禁煙できた。効果のあるニコチン置換療法だ」と体験を話す。
 受け付けは9月3日以降、毎週火曜日の午後1時半〜午後3時。対象は原則として2市1町の在住、在勤者。成人だけでなく未成年者の場合も、喫煙の健康被害を訴えるビデオを見せるとともに、医療機関によるセラピーも行う。
 中出和子同所保健予防課長は「職場や学校にもポスターを張り、地域ぐるみで禁煙支援を行う。1年後に体験者のアンケートをし効果を探る」と話す。禁煙希望者は、「いざ鎌倉」ということになりそうだ。


2002/ 8/28  韓国 禁煙を訴えたコメディアン死亡  (NHKニュース速報)

 韓国で自ら肺がんに罹ったことを告白し、禁煙ブームを巻き起こした国民的な人気コメディアンがきのう亡くなり、韓国では追悼番組が放送されるなど死を惜しむ声が高まっています。
 亡くなったのは、韓国で国民的な人気を誇っていたコメディアンのイ・ジュイルさん(六十一)です。
 イさんは去年、肺がんで倒れたあと、煙草が病気の原因になったとして煙草を止めるようテレビなどを通して国民に訴えてきました。
 闘病生活を続けるイさんの姿は韓国の人たちに大きな衝撃を与え、今年に入ってから、会社を挙げて禁煙運動に取り組む所が現れるなど、全国的な禁煙ブームが巻き起こっていました。
 イさんの死について、韓国のテレビ局は急遽追悼番組を放送したり、韓国の新聞の多くが一面で伝え、イさんの冥福を祈りました。
 またイさんには、禁煙運動に貢献したとして韓国政府から勲章が贈られることになっています。
 
※イ・ジュイル(李周逸)


2002/ 8/28  喫煙率 東京都が調査 男性12ポイント減の39.8%、女性横ばいの15.4%  (東京新聞関連記事

  都内の男性の喫煙率は昨年39・8%で、調査を始めた一九九六年以来初めて四割を切ったことが二十七日、都の調査で分かった。この二年で一気に12・2ポイントも落ちており、担当者は「今年の調査を見ないと分からないが、喜ばしい傾向」としている。
 調査は昨年十一月、都内の千五十四人を対象に実施。喫煙状況は二十歳以上を対象に聞いた。女性の喫煙率は15・4%と横ばい傾向で、全国よりやや高いのが特徴。喫煙率が高い世代は二十代男性で68・8%。女性では40代の25・0%。吸うたばこの一日の平均本数は、男性が二一・四本、女性は一三・八本だった。


2002/ 8/27  ウエートレスが受動喫煙に賠償を要求  (切明義孝氏訳)  

http://news.tobaccofreekids.org/plugin.jtml?siteID=TFKNEWS&p=1&Tab=News&Object_ID=553626&PrintThis=true
August 27, 2002
Canadian Waitress Files Secondhand-Smoke Claim

カナダのウエートレスは受動喫煙に賠償を要求しました。
カナダのオタワのウエートレスは、サービス業に従事する従業員を職場の受動喫煙の被害から守ることを求めて賠償金の支払いを要求しました。 Ottawa Citizen 8月22日号の報告です。
非喫煙者のHeather Crossさんは40年間に渡って、1日12時間、タバコ煙に満ちたオタワとトロントのレストランで働きました。8月1日、彼女は進行した手術不可能な肺癌であると診断されました。
彼女の主治医は彼女の肺癌は受動喫煙が原因であると語りました。
57歳の CrossさんはOntario Workplace Safety and Insurance Boardに労働災害の申請を行いました。
彼女はレストラン産業で働く労働者を受動喫煙の被害から保護するために労働省が労働基準を再検討することを求めています。
現在、州が定めた職場における喫煙規制は単に喫煙区域を床面積の25%未満に制限することにより労働者を保護しています。
さらに、the Ontario Occupational Health and Safety Actは労働者の化学物質曝露を規制していますが、この法律によって規制されている26の劇毒物のうち17の劇毒物がタバコ煙に含まれていますが、この法律はタバコ煙には適用されません。
「私は人々に受動喫煙の有害性について少しでも多く知ってもらいたいのです。」
Crossさんの弁護士Phillip Huntさんはこの裁判は明快です。
「彼女は一度もタバコを吸ったことがありません。」「彼女はタバコ煙に満ちた職場環境で受動喫煙にさらされた典型的な例です。重要なタバコ煙と言えば、労働環境が原因です。」


2002/ 8/27  男性喫煙率を半減、公共の場は分煙 滋賀県 たばこ対策で素案  (京都新聞関連記事

 滋賀県は、たばこによる健康への被害を減らそうとこのほど、県内の行政機関や民間事業所などが取り組むべき行動計画を示した「健康しがたばこ対策指針」の素案をまとめた。男性喫煙率の半減や公共の場所での完全分煙化に向け、飲食店などでの禁煙・喫煙席の完全区分、市町村や医療機関の禁煙支援の充実などを内容に盛り込んでいる。
 たばこ対策指針は、県が「健康いきいき21−健康しが推進プラン−」に定めた分煙化などの目標達成に向け、今秋にも策定する。
 素案では、はじめに県内の男性の喫煙率が55・7%(全国平均50・8%)、女性が9・8%(同10・9%)で、男性の喫煙率が高いことや、全国の男性の肺ガンの死亡率を一〇〇としたとき、滋賀県は一一四である現状などを指摘。男性喫煙率の半減には、喫煙による健康被害の十分な知識の普及が必要だしている。
 分煙対策としては、屋内の場合、場所を分けるだけでなく、換気装置や仕切りが必要だとしたうえで、構造上、対策が難しい施設や、保健所・病院については全面禁煙にするべき、としている。また、市町村は、禁煙希望者向けの教室の開催や、妊婦・乳幼児の保護者に対し、禁煙の働きかけを積極的に行い、医療機関に対しても禁煙指導を充実するよう求めている。


2002/ 8/26  健康機器の注意喚起 厚生労働省の検討会  (愛媛新聞・医学のひろば)

 厚生労働省の検討会は、2010年を目標にした健康づくり国民運動「健康日本21」の一環として、多様な健康関連機器について選択、使用上の留意点を整理した報告書をまとめた。
 科学的根拠に乏しい誇大広告に注意することを指摘して、「適正体重維持」「分煙の徹底」など、健康日本の目標ごとに、関連する機器の種類や留意点を詳しく紹介している。
 例えば、分煙対策に使う空気清浄機は「ニコチン、タールなど粒子成分や、におい成分の除去が基本。煙成分の大部分を占める有害なガス状成分は除去できない」など、教えられることが多い。


2002/ 8/24  <飼い猫受難>副流煙でリンパ節がん2倍に 子どもも危険?  (毎日新聞ニュース速報)

 たばこを吸う飼い主と暮らしている猫は、たばこを吸わない主人を持つ猫に比べて、2倍以上リンパ節のがんになりやすいことが、米マサチューセッツ大などの23日までの研究で分かった。さまざまな悪影響が指摘されているたばこの副流煙を、どうやらペットも煙たがっているようだ。
 同大学のエリザベス・バートン博士は「人間のリンパ腫についても、受動喫煙との関連を調べる必要がある」と指摘している。
 研究グループは、93年から00年までの間に、マサチューセッツ州内の獣医師の協力を得て、悪性リンパ腫と診断された猫など約200匹について、飼い主の喫煙歴を聞き取り調査。たばこを吸う飼い主に飼われていた猫は、吸わない飼い主の猫に比べて2・4倍も悪性リンパ腫になりやすいことを突き止めた。
 リンパ腫の発症率は飼い主の喫煙歴が長いほど高く、5年以上も副流煙にさらされている猫の発症率は、3・2倍にもなった。
 猫がたばこの煙を吸い込むほか、毛づくろいをする際に、体に付着した微粒子を飲み込むことが原因らしい。
 グループは「同様のことが、汚染されたおもちゃを口に入れることが多い、小さい子供に起こっている可能性もある」と、人間のリンパ腫との関連を調べる必要性を強調している。(ワシントン共同)


2002/ 8/24  WHO事務局長が退任表明  (時事通信ニュース速報)

WHO事務局長が退任表明
 【ジュネーブ23日時事】世界保健機関(WHO)のブルントラント事務局長(元ノルウェー首相)は23日、2003年7月の任期切れ(1期5年)で退任すると発表した。2期目が終わると69歳と高齢になるのを理由に挙げている。同事務局長は「たばこ規制枠組み条約」の成立に力を入れており、再選断念は今後の交渉にも影響を与えそうだ。


2002/ 8/23  カナダ政府の禁煙キャンペーンは効果が薄い  (切明義孝氏訳)  

http://news.tobaccofreekids.org/plugin.jtml?siteID=TFKNEWS&p=1&Tab=News&Object_ID=553558&PrintThis=true
August 23, 2002
Canadian Anti-Smoking Campaign Called Ineffective

カナダの公衆衛生グループは、現在のカナダ政府による禁煙キャンペーンでは10代の喫煙を防ぐ効果が乏しいと語りました。8月20日のCBCニュースの報告です。
公衆衛生グループはAnne McLellan厚生大臣へ手紙で、タバコ産業による、10代を狙った喫煙を促すタバコ広告の放送を禁止するよう訴えました。
「今こそ、喫煙を減少させる効果的なマスメディアキャンペーンの実施を真剣に考える時です。」この手紙にはカナダ肺学会、カナダ医学会、カナダ癌学会の署名があります。
公衆衛生グループはカリフォルニア、フロリダ、マサチューセツでの最も成功した禁煙キャンペーンを引用しました。タバコ広告にはタバコの害を示す画像と警告文を表示すべきです。
McLellanさんは目的の達成を見極めるために今後も政府の禁煙キャンペーンの効果を再評価して行くと語りました。


2002/ 8/23  禁煙タクシー、普及は1%未満 客選別に抵抗感  (朝日新聞ニュース速報

 禁煙タクシーは88年から導入され、当時は旧運輸省の認可制だったが、00年8月から自由化されました。
 業界団体のアンケートによると、7割の人がタクシーの禁煙を進めるべきだと考えていますが、今年3月末現在で、禁煙車は法人タクシー全体の約26万台中1606台(約0.7%)、個人タクシーでは約4万5000台中832台(約1.8%)。両方の平均は約0.9%とのことです。


2002/ 8/22  ヴァージニア州もタバコ税増  (切明義孝氏訳)  

http://news.tobaccofreekids.org/plugin.jtml?siteID=TFKNEWS&p=1&Tab=News&Object_ID=553517&PrintThis=true
August 22, 2002
Va. Considering Raising Cigarette Taxes

ヴァージニア州の職員は米国で最も低いタバコ税を増税し、州の膨大な財政赤字の解決策とすることを検討しています。8月19日のCNS News の報告です。
ヴァージニア州は大手タバコ産業Phillip Morrisの本拠地です。ここでは1960年以来タバコ税増税は行われていません。
州知事のMark Warner さんはタバコ税は増税しないと語りますが、彼のスポークスマンのEllen Qualls さんは知事はそのように考えていないと語りました。
Quallsさんは「それは税収と予算と州政府の義務のバランスを保つための潜在的なオプションです。」と語りました。昨年、ヴァージニア州のタバコ税を1箱あたり50セント増税する法案が提出されましたが支持不足により成立しませんでした。
しかし、最近、公衆衛生グループによって行われた調査により、ヴァージニア州の住民はタバコ税を1箱あたり60セント増税する提案を強く支持していることが示されました。
assistant director of advocacy for the Campaign for Tobacco-Free Kidsの Pete Fisherさんは
「ヴァージニア州が財政赤字に直面しており、増税すべき時期であると感じます。ヴァージニアのような州でも今では昔のようにタバコ産業の利益に支配されることはないでしょう。」「多くの喫煙者が禁煙したいと願っていることを知っています。タバコ税が増税されれば禁煙できるでしょう。」
Philip Morris と他のタバコ産業はタバコ税増税に反対しています。2002年には米国の18の州でタバ税が増税されました。


2002/ 8/22  英国政府タバコ広告禁止を検討  (切明義孝氏訳)  

http://www.reutershealth.com/archive/2002/08/22/eline/links/20020822elin026.html
UK government seeking tobacco ad ban
Last Updated: 2002-08-22 10:00:22 -0400 (Reuters Health)
LONDON (Reuters Health)

木曜日、英国の厚生大臣は今年の年末までにタバコ広告が禁止される可能性があると語りました。
タバコを宣伝する印刷物、インターネット、屋外広告などを禁じる「タバコ広告と宣伝の禁止法案」が英国議会で承認されようとしています。
もし、夏休み後にこの法案が承認されれば2002年末より効力を発揮すると厚生大臣のHazel Blears さんは語りました。
「我々はタバコ広告の包括的な禁止を導入することを決定しました。」「タバコ広告とタバコの宣伝活動を禁止することは、若者の喫煙開始を防ぎ、癌や心疾患などタバコ病による数多くの死亡を減少させることに繋がります。」「タバコ広告の禁止により年間3000人の生命が救われる。」と厚生大臣は語りました。
英国厚生省はタバコ広告禁止法案の重要な構成に関する諮問報告書を発表しました。報告書はタバコを販売促進するための広告やタバコの銘柄のシェアを維持するための広告の禁止は速やかに効果を発揮することができるでしょう。しかし、ほとんどのスポーツ大会は2003年7月までにタバコ産業以外のスポンサーを見つけなければなりません。
世界的なイベントであるF1レースなどでは、例外的に、2006年の10月を目標にタバコ産業によるスポンサー活動を段階的に廃止していきます。国民11月15日までこの法案に対するコメントを提出することが出来ます。


2002/ 8/22  隗より始めよ−宇都宮市立の全小中学校が完全禁煙  (朝日新聞ニュース速報

平成15年度から宇都宮市立の全小中学校を完全禁煙にするという決定を宇都宮市教委が下しました。


2002/ 8/22  走ってストレス解消 断酒、禁煙もと米大統領  (共同通信ニュース速報)

 テロとの戦いのストレスは走って解消―。運動好きで知られるブッシュ米大統領(56)は二十二日、日々のジョギングによって対テロ戦など大統領職にのしかかる重圧をはねのけていることを明らかにした。
 同日発売の米ジョギング専門誌「ランナーズ・ワールド」のインタビューで語った。大統領は週に六回、約五キロをジョギング。健康状態は同年代のトップ1%内に入ることで知られる。
 大統領は「走っていると何もかも忘れて心が透明になる。自らを若く保つことができる」と効用を指摘。「昔はビールの一、二本も飲んだが、二日酔いとジョギング後のさわやかさを比べることはできなかった」と述べ、ジョギングで断酒と禁煙を達成したことも強調した。
 同誌によると、大統領は二十六歳の時にジョギングを開始。昨年九月の中枢同時テロ以降は「より集中して走るようになった。それでストレスを解消しているのだと思う」と述べた。


2002/ 8/21  禁煙補助剤、40万人が成功?…売り上げ90億円に  (読売新聞ニュース速報)

 武田薬品工業とファルマシアは21日、昨年9月に大衆薬として発売した禁煙補助剤「ニコレット」の売上高が、7月末までの10か月余りで約90億円に達したと発表した。売上高から逆算すると約100万人が禁煙に挑戦したとみられ、「実験データなどから、うち40万人が成功したのでは」と推計している。
 「ニコレット」は、禁煙時のイライラなどを和らげる医薬品で、喫煙者を無理のない禁煙に導く効果があるという。日本の喫煙人口は3000万人といわれるが、職場の分煙が進み、禁煙を推奨する企業も増えているため、人気を集めた。
 9月2日には、これまでの1箱48個入りと96個入りに加え、24個入り(希望小売り価格2100円)を発売、販売拡大を狙う予定だ。


2002/ 8/20  来年からたばこ広告禁止=マレーシア  (時事通信ニュース速報)

【クアラルンプール20日時事】マレーシア政府は来年1月から、たばこ広告とたばこ会社によるスポーツイベントへの後援を禁止する。ただ、自動車レース「F1」とサッカー、東南アジアで人気が高い球技「セパタクロー」への後援は「さらなる協議が必要」(チュア・ジュイメン保健相)として当面、例外的に認める。国営ベルナマ通信が20日伝えた。
 チュア保健相は「若年層はメディア広告に影響を受けやすい」と指摘し、日本たばこ産業(JT)、英ブリティシュ・アメリカン・タバコ(BAT)、米フィリップ・モリスの3社が既に広告の年内取りやめを申し出たことを明らかにした。


2002/ 8/19  女性の肺癌による死亡は600%増加-公衆衛生局総監報告書  (切明義孝氏訳)  

http://news.tobaccofreekids.org/plugin.jtml?siteID=TFKNEWS&p=1&Tab=News&Object_ID=553472
August 19, 2002
U.S. Surgeon General Declares Smoking-Related Disease An Epidemic

米国の公衆衛生局総監 David Satcher さんは女性の間でタバコ関連疾患(タバコ病)が猛烈な勢いで感染する疫病になりはじめていると語りました。U.S. Medicine8月17日号の報告です。
最新の公衆衛生局総監報告書"Women and Smoking: A Report of the Surgeon General," によればタバコが原因となった全死亡者数のうち、女性が占める割合は39%になりました。
Satcherさんは語ります。
「タバコが流行し始めた当初の10年間は男性を中心に流行が広がりましたが、その後25年間で男女の喫煙率の差は縮まり、現在では女性の喫煙は良く見られるようになりました。」
「女性が喫煙すると、男性同様に健康上の危険が増加するのみならず、女性特有の健康障害が発生します。例えば、妊娠の合併症や、月経への悪影響、子宮頸癌の危険などに直面します。」
Satcherさんによれば、1950年代以降、女性の肺癌による死亡は600%も増加しました。女性の肺癌死亡の少なくとも90%はタバコが原因です。この報告書は1980年のwomen and smokingという報告書の続編です。Satcherさんはこの最新の報告書はタバコによる疫病が花盛りになったと述べています。

彼はこの最新の報告書で述べられた8つの大きな発見を強調しました。それらの発見とは、
・喫煙は健康障害を引き起こすという強い証拠にもかかわらず、1998年では女性の22%が喫煙者でした。
・2000年、過去一月以内に喫煙した経験があると回答した女子高校生の割合は29.7%でした。
・1980年以来、米国の約300万人の女性がタバコによる腫瘍、心疾患、呼吸器疾患、小児科疾患、そしてタバコによる火災で時期尚早に死亡していると推定されています。
・現在、米国人女性の死因は1987年に肺癌死亡が乳癌死亡を上回り、肺癌は女性の最大の死因となりました。
・受動喫煙は非喫煙女性の肺癌と心疾患の原因です。
・喫煙を止めた女性は時期尚早に死亡する危険を減少させます。何歳で禁煙しても、禁煙は有益です。
・妊娠中の喫煙が危険であるという証拠が次々に発見されていますが、妊娠中の喫煙は依然として大きな公衆衛生問題です。
・米国や他の国々の少女が喫煙を始めている理由はタバコ産業のマーケティングが原因です。
「効果的に喫煙者を減少させる戦略には膨大な科学的根拠があるにもかかわらず、女性と少女の喫煙率を半減させるという目標を実現するには長い道のりが必要です。」
「私達は更に喫煙を防ぎタバコ消費量を減少させる必要があります。」
この報告書はいくつかの勧告を行っています。勧告の内容はタバコが女性に与える有害性の情報を提供する機会を増やすこと、州レベルでの包括的タバコ対策を制定すること、タバコ販売を制限すること、女性団体に肺癌などのタバコ病に立ち向かうよう働きかけること、ほとんどの女性がタバコを吸わないことを強調することです。


2002/ 8/16  インドの子供達はスモークレス・タバコ(無煙タバコ)依存症になりつつある  (切明義孝氏訳)  

http://news.tobaccofreekids.org/plugin.jtml?siteID=TFKNEWS&p=1&Tab=News&Object_ID=553452&PrintThis=true
August 16, 2002
Children in India Becoming Addicted to Smokeless Tobacco

無煙タバコの魅力的な広告により、インドではGutka依存症になった幼い子供達の数が確実に増加しています。 New York Timesの8月6日の報告です。
Gutkaはチューインガムと同様に簡単に使用でき、キャンディと同じ甘みがあります。Gutkaはインド亜大陸を通じて南アジア、英国まで広がっています。
Gutkaは水っぽいライムペーストにスパイス、 areca nut、葉タバコを加えbetel leafで包装します。Gutkaはpaanの乾燥バージョンですがbetel leaf が少なく、フォイルやプラスチックで包装されています。
医師は若者の間に口腔癌が増加していることを警告しています。Tata Memorial Hospitalの予防腫瘍学のヘッドDr. Surendra Shastriさんは「前癌状態になった高校生と大学生が増加しています。」と語りました。「幼い頃からのGutka使用者が増えています。」
インドでは年間75,000 件から 80,000件の新規口腔癌患者が発生しています。これは世界一の発生率です。さらに、インドではタバコが原因で毎日2000人が死亡しています。
Tata Memorial Hospitalのlead head-and-neck surgeonのDr. A. K. D'Cruzさんは「口腔癌の大発生を招いたのはこの包装されたタバコです。」と語りました。「手軽さが彼らを虜にしたのです。」
Gutka問題に取り組むために、Maharashtra州はGutkaの製造、販売、輸送、所持を5年間禁じる措置を講じました。
禁止の措置は8月1日から実施されました。他のいくつかの州でも同様の禁止措置が講じられるようになってきましたが、裁判所が停止命令を下した地域もあります。
Gutka製造業者は、もしGutkaが禁止されるのであれば紙巻タバコも同様に禁止されるべきであると主張しています。


2002/ 8/16  妊娠中の喫煙は小児喘息の危険を増加させる  (切明義孝氏訳)  

http://story.news.yahoo.com/news?tmpl=story2&cid=97&ncid=97&e=4&u=/hsn/20020816/hl_hsn/smoking_during_pregnancy_increases_kid_s_asthma_risk
Smoking During Pregnancy Increases Kid's Asthma Risk
Fri Aug 16, 7:05 PM ET
FRIDAY, Aug. 16 (HealthScoutNews)

妊娠中に喫煙していた母親から生まれた子供は、ある種の酵素を持っていない場合、喘息になる危険が増加する。

American Journal of Respiratory and Critical Care Medicineの最新版によれば酵素には様々なバリエーションがあり、子供達が持っている酵素のバリエーションが肺を保護する能力に影響を与えます。もし母親が妊娠中にタバコを吸うと、子供達は喘息その他の呼吸器障害を起こしやすくなると研究者は結論しました。
このバリエーションにはglutathione S-transferase M1(GSTM1)と呼ばれる、汚染物質から肺を保護する酵素を作る遺伝子が含まれています。
この酵素はタバコに含まれるいくつかの毒素を解毒し、オキシダントが肺組織に障害を与える前に分解しています。
GSTM1 という遺伝子を持たない子供達が子宮内でタバコ煙に曝露されると、喘息を発症し、ゼーゼーと音を出し、呼吸器関連の救急救命室を受診する者が、GSTM1遺伝子を持つ子供達と比較して、多かったと研究は述べました。
Keck School of Medicine at the University of Southern Californiaの研究者は4年生、7年生(中1)、10年生(高1)の2950人の子供達を調査しました。
彼らは、母親が妊娠中にタバコを吸っていたかどうか問診し、そして子供達が呼吸器障害を持っているかどうか尋ねました。
16%以上の子供達の母親が妊娠中にタバコを吸っていました。そして、子供達の45%がGSTM1遺伝子を持っていませんでした。
研究者はGSTM1遺伝子を持たない子供の母親が妊娠中に喫煙することによる影響を調べ、次のことを発見しました。

a..救急救命室を受診する危険が約4倍に増加することが昨年の調査で明らかになりました。
b..気管支狭窄音(喘鳴)の危険と治療頻度が2倍以上に増加しました。
c..気管支狭窄音(喘鳴)を発症する危険は80%増加しました。
d..喘息を発症する危険を70%増加させ、早期に喘息を発症する危険
を60%増加させる。

GSTM1遺伝子を持つ子供は子宮内でタバコ煙にさらされても危険の増加はありませんでした。
この論文の著者で予防医学の教授Dr. Frank D. Gillilandさんは語りました。「この研究により、ある種の遺伝的感受性を持つ子供達が子宮内でタバコ煙に曝露されると長期的な健康障害が発生することが示されました。」
「母親の喫煙はしばしば見かけます。しかし、人口の半数近くはGSTM1遺伝子を持っていません。このため喘息を予防するためにはハイリスクグループであるGSTM1遺伝子を持たない人々が重要になります。」

さらなる情報
ニコチン依存症は最も止めにくい嗜癖の1つです。
しかし中止すべき理由があるとすれば妊娠はリストのトップに位置します。American Lung Association はQ&Aのページを用意して女性に妊娠中の喫煙の危険を説明しています。


2002/ 8/16  タイは飲食店、トイレでの喫煙を禁止します  (切明義孝氏訳)  

http://www.reutershealth.com/archive/2002/08/16/eline/links/20020816elin025.html
Thailand to ban smoking in toilets, restaurants
Last Updated: 2002-08-16 16:00:07 -0400 (Reuters Health)
BANGKOK

タイ厚生省は積極的なタバコ対策を推進し、空調設備のある飲食店および公衆トイレでの喫煙を全面的に禁止すると金曜日に発表しました。
Sudarat Keyuraphun厚生大臣は記者会見で現在の16種類の公共施設での喫煙を禁じる法律を強化し、商店街、映画館、美容院を含めた19種類の施設での喫煙を禁じる規制案に署名しました。
「我々は空調設備のある飲食店での喫煙を禁止することでタイ国民の健康を向上することが出来ます。」
Sudarat Keyuraphun厚生大臣は語りました。
この法律は11月8日から有効になります。厚生大臣は法律に違反すると喫煙者には2000バーツ($47.50)、施設のオーナーには20,000バーツの罰金が科せられると語りました。
5月に、タイはタバコ産業に対し、未成年者の喫煙を防ぐため、タバコのパッケージに肺癌の写真を警告表示するよう求めると語りました。


2002/ 8/16  日本の反タバコ運動が支持を得つつある  (切明義孝氏訳)

日本の反タバコ運動が支持を得つつある。
http://news.tobaccofreekids.org/plugin.jtml?siteID=TFKNEWS&p=1&Tab=News&Object_ID=553453&PrintThis=true
August 16, 2002
Japan's Anti-Smoking Efforts Gaining Support

日本の反タバコ運動が議員や一般大衆の支持を得つつあります。8月13日ロイターの報告です。
「少しづつ状況は変化しています。」国会議員のYoko Komiyamaさんは語りました。今年の3月に彼女は50人の同僚を説得して議会の上層階を禁煙にしました。
しかし、反喫煙運動は、特に、強力なタバコ団体や日本たばこ産業の大株主でタバコの税収を減らしたくない大蔵省による大きな抵抗に直面しています。
「タバコ農家、タバコ産業、小売店はすべて与党の支持者です。」
Yoko Komiyamaさんは語りました。
「大蔵省はタバコ関係のすべてを所管していますが、大蔵省の関心は税収であり国民の健康を守ることではありません。」
現在、日本人男性の約47%、女性の約10%が喫煙者です。そして、日本では毎年95,000人がタバコ関連疾患により死亡しています。
Komiyamaさんは国民の喫煙に対する態度は徐々に変化しつつあると語りました。非喫煙者は清浄な空気を吸う権利を求めて立ち上がりはじめています。企業では徐々に職場の分煙が広がり、従業員に禁煙奨励金を払って禁煙を勧奨している会社もあると語りました。


2002/ 8/15  たばこ産業が二コレットの販売を妨害  (切明義孝氏訳)

フィリップモリスが禁煙商品の販売を妨害しました。
http://news.tobaccofreekids.org/plugin.jtml?siteID=TFKNEWS&p=1&Tab=News&Object_ID=553419&PrintThis=true
August 15, 2002
Philip Morris Muzzled Marketing of Cessation Products

保健政策研究者はタバコ産業が製薬会社に禁煙支援商品の宣伝を止めるように圧力をかけていたことを発見しました。AP通信社の8月13日の報告です。
University of California at San FranciscoのLisa Bero と Bhavna Shamasunderさんは1980年代と1990年代にタバコ産業がニコチンガムとニコチンパッチの宣伝販売を妨害していたと報告しました。
研究者はタバコ産業が製薬会社Dow Chemicalの子会社に対しニコチンガム(二コレット)を推奨する禁煙教材を配布しないよう圧力をかけました。この禁煙教材は医師に患者の禁煙を勧奨する内容でした。
そのとき、Philip Morris はDow Chemical社からタバコに使用する化学物質を購入していましたが、化学物質の購入を一時停止し、ニコチンガムの宣伝販売に圧力をかけました。
葉タバコ農薬を生産しているCiba-Geigy社に対しても同様の戦術がとられました。Ciba-Geigy社はHabitrol nicotine patchを販売しています。
この報告書は、1998年の米国タバコ病訴訟の和解により入手され、HPで公開されているタバコ産業の内部文書に基づいています。
Philip Morris USA のスポークスマンのBrendan McCormickさんは語りました。「この文書は現在の我が社の状況を反映していません。我が社は喫煙が喫煙者の深刻な健康障害の原因になり、喫煙には依存性があると確信しています。」
この報告書はJournal of the American Medical Association2002年8月14日号に掲載されました。


2002/ 8/15  1日数本の喫煙で心疾患の危険が増大する  (切明義孝氏訳) →読売オンライン記事へのリンク

1日数本の喫煙で心疾患の危険が増大する。
http://www.reutershealth.com/archive/2002/08/15/eline/links/20020815elin012.html
Smoking just a few cigarettes ups heart attack risk
Last Updated: 2002-08-15 10:04:25 -0400 (Reuters Health)
NEW YORK (Reuters Health)

喫煙本数を減らすこと(節煙)やタバコをふかすだけで有毒なタバコ煙を吸い込まなければタバコの害を減らすことが出来ると考えている喫煙者は(禁煙するよう)再度考えてください。
Denmarkの新しい研究によれば、1日当たりわずか3〜5本のタバコを吸う女性でも心臓発作の危険が2倍に増加することが明らかになりました。
男性の場合、1日当たり6〜9本のタバコを吸うと心臓発作の危険が2倍になります。この研究はJournal of Epidemiology and Community Health8月号に掲載されました。
Institute of Preventive Medicine in Copenhagenの Dr. Eva Prescottさんらは、
「喫煙の健康に対する有害性は有名ですが、一部の喫煙者は数本の喫煙やタバコをふかすだけでタバコ煙を吸い込まなければ危険は無いと受け止めている。」と述べました。
これまでの多くの研究により、1日あたり10本、15本、あるいは25本という多量の喫煙による健康障害が明らかにされました。しかし、1日あたり数本の喫煙による健康障害について調査した研究はほとんどありませんでした。
この研究チームは喫煙習慣と健康に関する調査を行うため12000人の男性と女性を22年間に渡って追跡しました。
この観察期間中に476人の女性と872人の男性が心臓発作を起こし、2305人の女性と2883人の男性が死亡しました。
研究者は、非喫煙者と比較して、1日あたり3〜5本のタバコを吸う女性は心臓発作の危険が2.14倍になり、死亡率は1.86倍(全死因)になったと報告しました。
また、1日あたり6〜9本のタバコを吸う男性では心臓発作の危険が2.10倍になり死亡率は1.76倍(全死因)になりました。
タバコをふかすだけでタバコ煙を吸い込んでいないと回答した集団でも心臓発作の危険は増加していました。
「喫煙本数が非常に少なくても、タバコは健康に有害な影響を与えることを認識することが非常に重要です。」と研究者は結論しました。

SOURCE: Journal of Epidemiology and Community Health 2002;56:702-706.


2002/ 8/14  感染症がCOPDを悪化させる  (切明義孝氏訳)

http://www.reutershealth.com/archive/2002/08/14/eline/links/20020814elin012.html
Bacterial newcomers can worsen lung disease
Last Updated: 2002-08-14 17:01:06 -0400 (Reuters Health)
By Linda Carroll 
NEW YORK (Reuters Health)

通常検出されない細菌が慢性閉塞性肺疾患(COPD)による咳、喘鳴、呼吸困難を悪化させることが研究により明らかになりました。
COPD患者がある種の細菌に感染すると、症状が悪化し、しばしば入院を余儀なくされます。
この研究はThe New England Journal of Medicine今週号に掲載されました。
COPDとは2つの肺の状態を意味しています。慢性気管支炎と肺気腫です。共著者のDr. Timothy F. Murphy さんは語りました。
University of Buffalo and chief of infectious diseases at the Buffalo V.A. Medical CenterのMurphyさんは語りました。
「慢性気管支炎と肺気腫は米国の死因の第4位です。」「
慢性気管支炎と肺気腫の90%はタバコが原因です。」
Murphyさんは語りました。
「COPD患者は肺や気管支に障害があり、症状は慢性の息切れ、咳、喘鳴、粘液性痰などです。そして、しばしば容態が悪化することがあります。」「典型的な患者は、咳と共に多量の痰を喀出し、痰は黄色や緑がかった色をしています。」「容態が悪化すると息切れが出現します。息切れが出現する前は階段を上ることも可能ですが、症状が出るとせいぜい同じ階にあるバスルームまで歩くことしか出来なくなります。」「しばしば症状は非常に悪化し、患者は最終的には病院で人工呼吸器につながれたままになります。」
何年間も、医師は患者の症状が時折悪化する原因を解明しようと努めてきました。今までの研究によりCOPDの患者は症状が穏やかな時にも喀痰から細菌が検出されることが示されています。
しかし、Murphyと彼の同僚は細菌の種類を識別するために特に鋭敏な検査を行いました。
彼らは患者の症状が悪化する時には新しい種類の細菌が出現することを発見しました。
このことは、例えば、ある患者がすでにある種(strain)のStreptococcus pneumoniaeに感染しており患者もそれに対する抵抗力を有していても、新しい種類のStreptococcusに感染すると患者は再び病気になり症状が悪化します。
新しい研究では、Murphyさんらは81人のCOPD患者を4年間以上追跡しました。患者が診療所に来院するたびに喀痰のサンプルを採取しました。
のべ1975回の通院のうち、患者が症状の増悪を訴えたのは374回でした。
研究者は新しい種類の細菌が出現すると症状が増悪する危険が2倍になることを発見しました。
「この研究は患者の症状悪化を抗生物質で治療するということに強い論理的根拠を与えると考えています。」
「しかし、抗生物質による治療には論争がありました。」
Murphyさんは警告しました。
「これはCOPDの患者が細菌感染を防ぐために継続的に抗生物質を内服すべきであるということを意味するのではありません。細菌は簡単に抗生物質に対する耐性を獲得してしまいます。」
結局、解決策は様々な種類の細菌に対するワクチンを開発することでしょう。
Murphyさんは語りました。
「今、私はその問題に取り組んでいます。」「望みは、我々が細菌の全てのstrainに共通する蛋白を発見することです。そうすれば、我々は患者を様々なstrainの細菌から守る免疫反応を導くことに成功するでしょう。」

SOURCE: The New England Journal of Medicine 2002;347:465-471.


2002/ 8/13  F1撤退のうわさで騒動=たばこ広告全面禁止控えて−ベルギー  (時事通信ニュース速報)

 【ブリュッセル13日時事】たばこ会社の広告を来年8月以降、全面禁止するベルギーから自動車レースの最高峰、F1が撤退するとのうわさが持ち上がり、経済的な打撃を懸念する地元の関係者らは頭を抱えている。
 レースを主催する国際自動車連盟(FIA)は、世界的なたばこ広告規制の流れを受けて、2006年のシーズン終了からたばこ会社の広告と協賛を禁止する措置を決めている。ところが、フランスなどF1開催国の一部は既に、たばこ広告の全面禁止を実施済み。欧州連合(EU)も05年8月からの禁止を検討するなど、規制を前倒しする動きが広がっている。
 FIAは規制の先取りに警戒感を強め、こうした動きを封じ込めるため、「小国のベルギーをやり玉に挙げた」(関係者)とみられる。FIAは既に、中国などとの間でF1の開催について仮契約に調印。ベルギーからは、03年を最後に撤退するとされている。
 これに対し、レースが開催されるスパの地元関係者らは大慌て。「レース前後の1週間で観客や関係者ら15万人が訪れ、経済効果は数千万ユーロに上る」(観光局)ためだ。一部議員はF1を規制の対象から除外する法案を連邦上院議会に提出したが、7月に否決された。観光局は「ブリュッセルなどにも観客が宿泊する。国全体にかかわる重大な問題だ」とし、事態打開を強く望んでいる。


2002/ 8/13  佐世保市が「非喫煙者バッジ」を近く発売  (長崎新聞記事

 「私はたばこを吸いません。周りでたばこを吸わないで」―。佐世保市健康づくり課は、喫煙者にさりげなく意思を伝える「非喫煙者バッジ」(五百円)を近く発売する。
 分煙運動の一環で、厚生労働省生活習慣病対策室は「興味深いアイデア。全国自治体でも初の取り組みと思う」と話している。
 バッジは、金属製で縦三センチ、横二センチ。リボンが丸く交差するデザインは、エイズに対する偏見、差別がないという意思を表す「レッドリボン」をヒントにした。色は黄緑で「新緑のイメージでさわやかな空気を表現した」(同課)という。
 昨年度策定した市民の健康づくりのための指針「けんこうシップさせぼ21」の策定作業中、職員から「喫煙者に言いづらい」と問題提起があったのを受け、「バッジ作製」が決まった。
 バッジは、障害者の自立支援のための同市内の「地域活動所」に発注、福祉支援にも一役買っている。
 同課は「市の分煙推進スローガンは『吸う人も吸わない人も互いに気持ち良く』。喫煙者はバッジを見たら、ぜひ心配りを」と話している。


2002/ 8/12  タバコを演出した脚本家  (切明義孝氏訳)

映画の脚本家(Screenwriter)がタバコを魅力的に演出したことを謝罪しました。
http://news.tobaccofreekids.org/plugin.jtml?siteID=TFKNEWS&p=1&Tab=News&Object_ID=553370
Screenwriter Apologizes for Glamorizing Cigarettes in Movies
8/12/2002

ハリウッドの脚本家(Screenwriter)で、映画"Basic Instinct"や"Showgirls,"などの撮影に携わったJoe Eszterhasさんは映画の中でタバコを魅力的に演出したことを謝罪しました。
8月9日の Associated Press の報道です。
長い間タバコを吸い続けてきたEszterhasさんは、先日、喉頭癌の治療を受けていることを公表しました。
「私の多くの映画の中で喫煙シーンは重要な部分となっていました。なぜなら私が攻撃的な喫煙者だったからです。」
「喫煙は悪い少年のイメージの一部でした。喫煙、飲酒、パーティ、ロックンロール、これは私が長い時間をかけて築き上げたものです。」
彼は語りました。
57歳のEszterhasさんは、映画産業に、映画の中で喫煙を促すことを止めるよう呼びかけています。
「私の手は血で汚れています。(訳注;人を殺したという意味。)ハリウッドも同じです。」彼は語りました。
「私は数えることが出来ないほど多くの人々を殺した殺人者の共犯でした。私は神との契約により、これを事実であると認めます。
私を許してください。他人が私と同じような犯罪を犯すことを止めさせるよう努力します。」


2002/ 8/10  喫煙すると乳癌の危険が増える  (切明義孝氏訳)

何年間もタバコを吸っている女性は乳癌の危険が高くなります。

Risk of breast cancer increases with number of years' smoking
http://bmj.com/cgi/content/full/325/7359/298/d
Roger Dobson Abergavenny

新しい研究により、40年間以上タバコを吸った女性は非喫煙女性に比べて乳癌の危険が60%高くなることが明らかになりました。
1日に20本以上、40年間タバコを吸い続けた女性では非喫煙女性に比べて乳癌の危険が83%高くなります。
「我々は、タバコを長期間、1日に何本も吸うと乳癌の危険が増加することを発見しました。」
研究者は語りました。他のいくつかの研究でも長期間の喫煙が乳癌の危険を増やすことが報告されてます。
New YorkのBronxのAlbert Einstein College of Medicineの研究者は喫煙と乳癌の発生について1980年初期から女性のコホート研究を行い、40年間の喫煙の影響を観察しました。
それらの女性は平均10.6年追跡されました。(International Journal of Cancer 2002:100:723-8).
この研究はカナダの全国乳癌研究に参加した女性90 000 人データを利用しました。
この研究により喫煙本数と喫煙期間、喫煙開始からの年数、年間タバコ消費量と乳癌の危険増加の間に強い関連があることが発見されました。
しかし、喫煙開始年齢と禁煙年数と乳癌の発生の間には明確な関連が見られませんでした。
研究者は40年間喫煙した女性の乳癌発生の危険は大きく増加したと語りました。
特に、1日20本以上吸っていた女性では乳癌の危険が非常に大きく増大しました。
この研究により1日1箱40年間喫煙した女性と1日2箱20年間喫煙した女性では著しく乳癌の危険が増大しておりタバコを多量に吸うと短期間で乳癌の危険が高まることが明らかになりました。
研究者は付け加えて言いました。「喫煙開始からの年数そして禁煙してからの年数と乳癌の危険との関連を考慮すると喫煙は第一に乳癌のpromoterと言うよりむしろ initiatorとして作用すると考えられます。この説(タバコがinitiatorであること)は大腸癌の研究により既に提唱されています。」
研究者はタバコの煙には多種多様の有害物質が含まれており、窒素酸化物、揮発性アルデヒド、alkenes、芳香族炭化水素などが乳癌発生の様々な段階で様々な作用を及ぼしていると語りました。


2002/ 8/ 9  ニューヨークでは喫煙規制の強化へ  (切明義孝氏訳)

http://www.reutershealth.com/archive/2002/08/09/eline/links/20020809elin031.html
Anti-smoking NY Mayor proposes wider smoking ban
Last Updated: 2002-08-09 15:25:03 -0400 (Reuters Health)
NEW YORK (Reuters)

ニューヨークのMichael Bloomberg市長はタバコ対策に熱心に取り組んでいます。市長は労働者を守るためニューヨーク市の全てのレストランやバーを禁煙にする法律の制定を望んでいると語りました。
Bloombergさんは記者会見で語りました。「労働者は健康に有害なタバコ煙にさらされるべきではありません。」「もし空気中にアスベスト(石綿)があれば、危険だという理由で直ちに我々はその場所を閉鎖するでしょう。」
もしも、ニューヨーク市議が1995年に制定された、35席以上を有するレストランでの喫煙を禁止した法律の改正案を承認すれば、アメリカ最大の都市はバー、レストランを含むほぼ全ての職場における喫煙を禁じているCalifornia や Delawareの仲間入りをします。
Bloombergはビジネスマンでは始めて、1月の市長選挙で市長に選ばれました。
今年の州会議ではタバコ税の増税を承認させ、ニューヨーク市のタバコ価格を7.50ドルに引き上げました。
市長はBloomberg国際金融ニュースや情報会社を設立した億万長者で、公衆衛生分野にも気前よく資金を提供しています。
例えばBaltimoreにあるJohns Hopkins University's school of public healthは彼の名前を冠しています。
彼はタバコ嫌いを隠すことはありません。
Bloombergさんは金曜日、彼のweekly WABC というラジオ番組で「喫煙は人々を殺す。」と語りました。
米国だけでも毎年35万人の人々がタバコ病により死亡していると彼は語りました。
「私は、全ての人々が人々が喫煙に抗議しないことに驚かされています。頭がおかしいからタバコを吸うのです。タバコはあなたを殺すのです。」Bloombergさんは語りました。
Bloombergさんはバーテンダー、ウェイター、ウェイトレスのためにもタバコの無い環境を提供したいと語りました。
新しい法案は月曜日に市議会に提出されるでしょう。
いくつかのレストランやバーのオーナーや、飲食店組合の代表者は反対するかもしれません。ニューヨーク州レストラン協会はニューヨークの法律は米国で最も厳しく、改正すべきでないと語りました。


2002/ 8/ 6  たばこ大増税で販売半減  (共同通信ニュース速報)

 【ニューヨーク6日共同】ニューヨーク市が今年7月から実施したたばこの大幅増税で、市内のたばこの販売が半減したことが6日、分かった。
 同市は7月1日、20本入りの1箱当たり、市税をそれまでの8セントから1ドル50セントに引き上げ、多くの銘柄で1箱7ドル(約850円)以上になった。
 AP通信によると、昨年7月には2920万箱の販売があったのに対して今年7月には1560万箱に落ち込んだ。一方で、税収は230万ドルから1230万ドルと約5倍以上になった。


2002/ 8/ 6  喫煙による肺気腫で死亡する女性が増加している  (切明義孝氏訳)

http://news.tobaccofreekids.org/plugin.jtml?siteID=TFKNEWS&p=1&Tab=News&Object_ID=553185&PrintThis=true
August 6, 2002
Rise in Emphysema Deaths Among Women Tied to Smoking

肺気腫で死亡した女性の数が男性を上回りました。専門家は1940年代から増加している女性の喫煙率が原因であると非難しました。8月1日のNBCニュースの報道です。
CDCによると2000年に肺気腫で死亡した女性は60000人で、一方男性は59000人でした。
1980年、肺気腫で死亡する男性は37000人でしたが、女性の死亡数は16000人でした。
CDCは1000万人の米国人が肺気腫と診断されており、さらに自分が肺気腫であると知らない患者が1400万人存在すると語りました。
National Jewish Medical and Research CenterのBarry Make,さんは「これは我々がちょうど光を当て始めたばかりの沈黙した流行病です。」と語りました。


2002/ 8/ 6  たばこ広告を全面禁止へ チェコ政府が法案発表  (共同通信ニュース速報・朝日新聞ニュース

 【ベルリン5日共同】プラハからの報道によると、チェコ政府は五日、たばこ広告をほぼ全面的に禁止する法案を発表した。
 二○○四年一月からたばこ販売店の店頭などを除き広告を全面禁止するほか、たばこ会社が各種催事のスポンサーになることも禁じ、近く議会に提案する。
 シュピドラ首相は記者会見で「欧州連合(EU)がたばこ広告の撤廃を望んでいるのは疑いない」と述べ、二○○四年にも予想される同国のEU加盟を念頭に法案をまとめたことを明らかにした。


2002/ 8/ 2  喫煙低年齢化の中で全国禁煙教育研修会  (朝日新聞山形県版の記事へのリンク

 「子どもに無煙環境を」をテーマに第19回全国禁煙教育研修会が8月3〜4日、山形県上山市かみのやま温泉の月岡ホテルで開かれる。学校敷地内全面禁煙に踏み切った和歌山県教委の小関洋治教育長ら教育、医療関係の300人以上が集まって、喫煙体験の低年齢化の中での禁煙教育の取り組みなどを議論をする。主催は禁煙教育をすすめる会、山形県喫煙問題研究会。


2002/ 8/ 1  医師とたばこ  (東奥日報の記事へのリンク

 禁煙キャンペーンに取り組む日本医師会が刊行したたばこ対策のマニュアル。英国医師会たばこ対策センターが2000年に発行したものを翻訳した。A4判163ページ。医師ら医療従事者やその団体が人々の喫煙を減らしていくために何をしたらよいか、最新資料を基に具体的に示している。
 25歳から69歳までに喫煙者の4人に1人は喫煙のため命を落としていると指摘。「たばこは疾病原因のうち予防可能な最大のもの」「喫煙という保健医療問題では医師の役割が極めて重要」という視点で書かれている。日本医師会は全国の医師会に配布し、自らのホームページでも公表している。アドレスはhttp://www.med.or.jp


2002/ 8/ 1  タバコの違法取引防止に合意  (切明義孝氏訳)

タバコの違法取引防止の必要性について国連で合意が得られました。
http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=4353&Cr=tobacco&Cr1=
Meeting at UN Headquarters agrees on need to stem illicit tobacco trade

8月1日。ニューヨークの国連本部で開催されたタバコの違法取引に関する国際会議( International Conference on Illicit Tobacco Trade)について、WHO高官は世界的規模でのタバコ規制条約の実現のための幅広い合意が得られたと語りました。

Dr. Derek Yachさんは米国アルコールたばこ銃器局(United States Bureau of Alcohol, Tobacco and Firearms)が主催した3日間の会議の結果、タバコ枠組み規制条約のための「強固な合意を得た条約案」を作成することが出来たと語りました。上手くいけば密輸防止に関する条約も締結されるでしょう。条約締結に向けての交渉は10月にジュネーブで開かれます。
条約のその他の項目である「世界的規模で国々が協力し国境管理を強化する必要性」についても合意が得られたとDr. Yach さんは語りました。
彼は違法なタバコ取引と取り組むことの重要性を強調しました。密輸されるタバコは安いタバコです。その結果、若者や貧困者のタバコ消費量が著しく増加することになります。闇取引されるタバコは健康に関する警告表示が無く、政府の税収入を大きく減少させます。
同時に、違法取引により生じる資金は犯罪行為やテロなどに使われることがあります。いくつかの参加国は法律の執行力を強めるためにタバコ税を引き上げるべきであると主張しました。これは英国が採用し、結果的に国家の収益を増加させた方法です。
Dr. Derek Yachさんは語ります。
「英国ではタバコ税を引き上げることで税収を3億ドルから30億ドルに増加させました。」
この会議は公衆衛生専門家と法執行職員という異なる背景を持つ2つのグループによる会議でしたが、「タバコ対策と取り組むことは、全ての人々を救うことになる。」という共通の認識を持っていたとDr. Yach さんは語りました。
この会議にはInterpol(国際警察)やWHOなどの国際機関はもちろん145カ国の代表が参加しました。


2002/ 7/31  ドイツは職場の喫煙を禁止します  (切明義孝氏訳)

http://www.reutershealth.com/archive/2002/07/31/eline/links/20020731elin026.html
Germany to toughen workplace smoking rules
Last Updated: 2002-07-31 16:03:55 -0400 (Reuters Health)
By Ned Stafford
FRANKFURT (Reuters Health)

ドイツの厚生大臣は、ドイツ連邦政府は非喫煙者の権利を向上させるために、職場での喫煙を制限する新たな規制を承認したと語りました。
新しい規制は公式発表から2週間後に施行され、事業主はタバコ煙による健康障害から非喫煙者を確実に守るために必要な手段を講じることが要求されます。ただしこの規制はレストラン、バー、その他いくつかの職業は対象外です。
ドイツには1990年代後半まで職場での喫煙規制はありませんでした。当時、施行された喫煙規制は緩やかな表現で、強制力もありませんでした。その結果、喫煙は多くの職場で常態化していますが、新しい規制により変化がもたらされるでしょう。
Ulla Schmidt 厚生大臣は、「喫煙は癌や心疾患など様々な病気の原因であり、受動喫煙もまた危険であることは、“我々、全ての人々が知っています。”」と延べました。そして「我々は長い時間と労力をかけて非喫煙労働者を守る明確な法律を作ることに成功しました。この法律により非喫煙労働者の法的立場は大きく強められました。」と語りました。


2002/ 7/31  職場の禁煙化で、たばこ消費量が3割減少  (日経MedWaveの記事へのリンク

 職場を全面禁煙にすると、喫煙者がたばこをやめたり量を減らし、結局たばこ消費量は29%まで削減することが、26報の論文を分析した結果で明らかになった。また税金を上げて同じ効果を得るには、たばこの値段を1.73倍にまで引き上げる必要があることもわかった。この結果を発表した米国California大学のCaroline M. Fichtenberg氏らは、副流煙など受動喫煙が原因の疾患を減らすには、職場での禁煙化が有効であると考えている。この内容はBritish Medical Journal(BMJ)7月27日号に掲載された。
 論文のタイトルは「Effect of smoke-free workplaces on smoking behaviour:systematic review」。
 論文全文はこちらhttp://bmj.com/cgi/content/full/325/7357/188


2002/ 7/30  受動喫煙は病欠を増やす  (切明義孝氏訳)

http://news.tobaccofreekids.org/plugin.jtml?siteID=TFKNEWS&p=1&Tab=News&Object_ID=552999&PrintThis=true
July 30, 2002
Passive Smoking Results in More Sick Time

University of Hong Kong の研究者は、喫煙が規制されていない職場で働く非喫煙者は禁煙職場で働く労働者と比べて病欠が多いことが明らかにされました。BBCの7月22日のレポートです。
研究者は香港警察の職員を対象に調査を行いました。喫煙したことはないが受動喫煙にさらされている5000人を検討しました。研究によると一年以上受動喫煙にさらされた非喫煙者の病欠は約2倍になりました。
さらに、過去2週間以内に呼吸器症状で通院したものの割合は、喫煙職場で働く非喫煙者の方が禁煙職場で働く非喫煙者より30%多くなりました。
「多くの国々では職場の大部分が禁煙ではありません。非喫煙者の従業員は常時受動喫煙にさらされています。さらに、多くの娯楽施設でも受動喫煙にさらされています。」
この研究者は、初めて、受動喫煙が比較的短時間でも健康障害をもたらすことを明らかにしました。
「我々は受動喫煙から従業員を守る対策を講じなければなりません。受動喫煙から子供達のみならず、成人をも守るためには、受動喫煙が存在する全ての職場での喫煙を禁止することが有効です。」と研究者は結論しました。
The study is published in the Journal of Epidemiology and Community Health.


2002/ 7/30  喫煙と失明  (切明義孝氏訳)

http://news.tobaccofreekids.org/plugin.jtml?siteID=TFKNEWS&p=1&Tab=News&Object_ID=553000&PrintThis=true
July 30, 2002 Study Shows Link Between Smoking, Blindness

新しい研究により喫煙者は非喫煙者と比べて3倍も黄斑変性症を発症しやすいことが明らかになりました。黄斑変性症は高齢者に多く、視力を低下させる病気です。この研究は7月24日に発表されました。
この研究はUniversity of Miami's Medical School の黄斑変性症の専門家 Ivan Sunerさんにより行われました。Ivan Sunerさんは400人の黄斑変性症患者を対象に遺伝や喫煙などの危険因子を調査しました。
Dr. Sunerさんは語ります。「出血を伴う黄斑変性症でも40%の患者はタバコを止めません。」「タバコは黄斑変性症を引き起こし、読字や運転はもちろん、映画やTV鑑賞も困難になることを子供達や若者に警告する必要があります。」
黄斑変性症は主に55〜85歳の人々に発症します。
この研究結果はフロリダのVision and Eye-Disease Researchersの総会で発表されました。


2002/ 7/26  母親の喫煙と自閉症の関係  (切明義孝氏訳)

http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/2151289.stm
Friday, 26 July, 2002, 23:00 GMT 00:00 UK
Smoking mothers link to autism
Smokers were 40% more likely to have an autistic child

喫煙者の子供は自閉症の危険が40%高くなります。妊娠早期の喫煙は子供が自閉症になる危険を高くします
スウェーデンの研究者は2000人以上の子供達を調査し、喫煙する母親から生まれた子供では自閉症になる危険が40%も高くなることを発見しました。
ストックホルムのDepartment of Medical Epidemiology at the Karolinska Institutetの研究員Dr Christina Hultman さんは子宮内での胎児の発育障害と自閉症の関係は既に明らかであると語りました。彼女は、「喫煙も発育を障害するので胎児は同様な影響(自閉症の危険の増加)を受けるだろう。」と語りました。「我々は子宮内での発育障害と他の統合失調症(精神分裂病)などの精神障害や神経性食欲不振症などの関係についても調査しましたが、これらの疾患もまた母親の喫煙により危険が高くなることが疑われます。」

喫煙
「妊娠中の喫煙、妊娠年齢、母親の出生国は全て子供の出生時体重や胎児の成長に影響を及ぼすことが知られており、我々はこれらの影響を考慮して調査を行いました。」「しかしながら、我々は妊娠早期の喫煙が自閉症の独立した危険因子であることに驚かされました。これは始めての発見です。」
彼女は「動物実験により子宮内でのニコチン曝露が精神や行動に影響を与え、脳の機能障害を引き起こすことが証明されました。」と語りました。
自閉症は他人とのコミュニケーションに障害をもたらす発達障害です。自閉症の人々は他人と上手に交際することが出来ません。そして、周囲の状況を詳細に理解する能力に障害があります。結果的に、友情を深める能力が障害され、他者の感情を理解する能力が劣っています。
しばしば、自閉症は学習障害にも関係しています。

さらなる研究
Dr Hultmanさんは、「環境因子や遺伝因子のみにとらわれず、喫煙と自閉症の関係に関するさらなる研究が必要です。」と語りました。
National Autistic SocietyのDavid PotterさんはJournal Epidemiology に掲載された、早急に更なる研究が必要であるという結論を、肯定しました。
「この研究によると妊娠中に喫煙をすると、喫煙しない妊婦と比較して、子供が自閉症になる危険が1.4倍になる。」と語りました。「この研究では喫煙が自閉症に及ぼす影響についてこれ以上のことは説明できません。確実な結論を導くためには更なる研究が必要です。」「自閉症は遺伝子と密接な関係があることが知られています。環境因子が自閉症の引き金になるかどうかを確認する研究を急ぐ必要があります。」「出産前の一酸化炭素曝露、麻薬使用、内分泌系異常などの因子が自閉症と関係が深いことは既に知られています。」「自閉症に関する医学研究はまだ十分ではありません。さらなる研究が必要です。」
と語りました。


2002/ 7/26  喫煙者を救う職場の禁煙化  (切明義孝氏訳)

http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/2151159.stm
Friday, 26 July, 2002, 00:37 GMT 01:37 UK
Smoke-free zones 'help smokers'

職場の禁煙化は非喫煙者を受動喫煙から守るのみならず、禁煙を考える喫煙者数を2倍に増やします。
カリフォルニア州サンフランシスコの研究者は禁煙職場で働く労働者はタバコ消費量が減少する、あるいは禁煙する傾向があることを発見しました。
職場を禁煙にすると、タバコ消費量が平均29%減少し、喫煙者数は4%減少します。
Center for Tobacco ControlとResearch and Education at the University of Californiaの研究者が職場の禁煙化による効果を調べた26の研究に基づき結論しました。

タバコ税
職場での喫煙を禁じることはタバコ税を増税するよりも喫煙者を大きく減らす効果があります。研究者によると職場の禁煙化はタバコ価格を73%引き上げることに相当する効果があります。
研究者は、もし英国の全ての職場が禁煙化されると喫煙者数は平均7.6%減少するだろうと推定します。
「職場を禁煙にすることは非喫煙者を受動喫煙の危険から守るのみならず、喫煙者を禁煙に導き、喫煙者のタバコ消費量を減少させます。」
研究者は職場を完全に禁煙にすることは、タバコが吸える職場に比べると禁煙率が2倍になることを発見しました。

何百万人もの喫煙者
英国には約1100万人の喫煙者がいます。そして、300万人もの非喫煙者が職場で受動喫煙を受けていると推定されています。
反タバコ団体の Action on Smoking and Health (ASH) のMarsha Williamsさんは政府は職場での喫煙を禁ずる法律を導入すべき時期であると言います。
しかしながら、Health and Safety Commissionは2000年の報告書で職場の喫煙を禁じる勧告を行いましたが法律の導入には至りませんでした。
「政府は国民の健康よりも、タバコ対策に反対する小売店や接客業の利益を優先しているように思えます。」と彼女は語ります。「職場の禁煙化は実際、命を救う本当に単純な方法です。」
厚生省のスポークスウーマンは言いました。
「喫煙が周囲の人々に与える影響を喫煙者に自覚させるような措置を講じようとしています。」
「The Public Places Charter(公衆の場に関する憲章)は飲食の場の禁煙を奨励しています。そして、Local Tobacco Alliances は受動喫煙対策を推進するための基金として設立されるでしょう。」


2002/ 7/26  たばこの煙害防止に努力義務 健康増進法が成立  (朝日新聞の記事へのリンク

 受動喫煙の防止を初めて法律に盛り込んだ健康増進法が、26日の参院本会議で与党3党の賛成多数で可決、成立しました。
受動喫煙防止に関する条文は以下の通り。

第二節 受動喫煙の防止

第二十五条 学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、事務所、官公庁施設、飲食店その他の多数の者が利用する施設を管理する者は、これらを利用する者について、受動喫煙(室内又はこれに準ずる環境において、他人のたばこの煙を吸わされることをいう。)を防止するために必要な措置を講ずるように努めなければならない。


2002/ 7/26  妊婦3人に2人が受動喫煙 夫のプカリ、被害深刻 厚労省調  (産経新聞の記事へのリンク   読売新聞の記事へのリンク

 妊婦の三人に二人が、夫らのたばこの煙を日常的に吸い込む受動喫煙の危険にさらされていることが二十六日、厚生労働省の付属機関、国立保健医療科学院(埼玉県和光市)のアンケートで分かった。全国の約一万六千人が対象で、妊婦とたばこの関係に絞ったこれだけ大規模な調査は国内で初めて。
 厚労省の検討会が昨年まとめた報告書は、妊婦の受動喫煙が赤ちゃんの出生時体重を減少させるほか流産のリスクを高める可能性を指摘しており、多くの妊婦が周囲の人による“煙害”に直面している深刻な実情が明らかになった。
 一方、全体の約10%は妊婦本人が喫煙しており、そのうち十人に九人は胎児への影響を知りながら、喫煙を続けていた。妊婦の喫煙は流産リスクを、吸わない人の一・五―二倍に増加させることが国内外の研究で明らかになっている。
 調査をまとめた同科学院元部長の大井田隆・日大教授(公衆衛生学)は「子供は親を選べない。赤ちゃんの健康を考えれば、本人はもちろん、妊娠中は夫らも禁煙するべきだ。行政や医療機関がもっと積極的にたばこの害を啓発する必要がある」と指摘している。
 厚労省は昨年十一月の母子健康手帳改訂で、妊婦本人の喫煙のほか受動喫煙の危険性にも触れ、夫らに禁煙を呼び掛けているが、職場での分煙など、さらに積極的なたばこ対策を迫られそうだ。
 調査は今年二月、四十七都道府県の産科がある医療機関計二百六十施設で実施、計一万六千五百二十八人から回答を得た。
 「日常的にあなたの前でたばこを吸う人がいるか」との問いに「いる」と答えた人は、ほぼ三人に二人に当たる計一万二百六十八人。喫煙者は「夫」が約82%と最多で、ほかに「夫以外の家族」「友人・職場の同僚」などだった。
 半数以上が「喫煙者に近づかないようにする」「自分の近くで吸わないよう伝える」「換気に気を付ける」などの自衛策を取っていたが「相手に禁煙を勧めた」は約14%と少なかった。 (共同通信ニュース速報)


2002/ 7/25  ヨーロッパ議会はより厳しいタバコ規制法を承認します  (切明義孝氏訳)

http://news.tobaccofreekids.org/plugin.jtml?siteID=TFKNEWS&p=1&Tab=News&Object_ID=552889&PrintThis=true
July 25, 2002
European Parliament Approves Tougher Anti-Smoking Laws

2003年9月から欧州連合の全てのタバコ産業は、タバコの箱に大きな警告表示を印刷しなければなりません。
そして、タバコの添加物を明記し、マイルドやライトの文字を削除しなければならないとロイターは5月15日に報道しました。
ヨーロッパ議会は新タバコ規制法に最終的な承認を与えました。タバコの箱の30%以上の面積を占める警告表示が義務付けられます。
この法律により政府はタバコ産業に、画像を用いてタバコの危険性を警告するよう要求することが可能になります。
「タバコが有害であることは知られていますが、しかし、危険性の程度や喫煙により引き起こされる疾患の名前を答えることが出来る人は少ないでしょう。新しい警告表示は今まで以上に強力に情報を伝えることが出来るでしょう。」
Action on Smoking and Health (ASH)の会長 Clive Batesさんは語りました。
新しい法律はタールとニコチン量をタバコ一本あたり最大10〜12mg以下に抑えるよう規制します。英国タバコ協会のスポークスマンJohn Carlisleさんは言いました。
「タール量を減らすとヨーロッパのタバコ輸出は壊滅的な打撃を被るでしょう。アジア、オーストラリア、アフリカの消費者は強力なタバコを欲しがっているからです。」


2002/ 7/25  タバコを止めたい喫煙者は10人中7人(CDC)  (切明義孝氏訳)

http://story.news.yahoo.com/news?tmpl=story2&cid=541&u=/ap/20020725/ap_on_he_me/smoking_2&printer=1
CDC: 7 in 10 Smokers Want to Quit
Thu Jul 25, 1:10 PM ET
By ERIN McCLAM, Associated Press Writer

米国では喫煙者の10人中7人が禁煙を望んでいます。しかし、人種や教育により禁煙成功率に差が出ます。政府の木曜日の発表です。
CDCは2000年の32000人以上の成人を対象とした調査から喫煙率は23.3%と公表しました。1993年の喫煙率25%からわずかに減少しています。
喫煙者と定義された者(今までに100本以上のタバコを吸ったことがあり現在も定期的に喫煙している者)の70%がタバコを止めたいと答えました。しかし、禁煙成功率は様々な背景により差があることが明らかになりました。
白人では禁煙希望者の成功率は51%でしたが、黒人は37%、ヒスパニック系は43%、アジア系は45%でした。
禁煙成功率は教育レベルに伴い上昇しました。高校中退者の禁煙成功率は半数にも届きませんでしが、大卒の禁煙成功率は64%、大学院卒の禁煙成功率は74%でした。
収入と禁煙成功率の関係でも同様な傾向がありました。
低所得者でない者( above the poverty line )の喫煙成功率は約50%でしたが、低所得者の禁煙成功率は3分の1でした。
CDCは、貧困者には禁煙治療のコストが高価で、禁煙カウンセリングを含む高品質の医療を受け難いことが差異を生じる原因だと説明しました。
1993年から喫煙率は低下傾向ですが、CDCは目標にはまだまだ遠く2010年までに喫煙率を12%低下させたいと語りました。
CDCは喫煙率を下げるためには、タバコ税増税、タバコ広告規制、禁煙支援製品の普及が効果的であると語りました。


2002/ 7/24  「歩きたばこ」やめよう  (東奥日報社説

 歩道のあちこちに、たばこの吸い殻が落ちている。信号待ちの間に吸ったのだろうか、交差点付近では特に多い。たばこを吸いながら歩いている人とすれ違う際、やけどしそう、と危険を感じた経験を持つ人もいるのではないか。
 たばこを吸った手を振り下ろす高さは、幼児たちの顔の位置。火がついたたばこの先端は熱く、六五〇−八〇〇度にもなる。一九九四年、千葉県のJR船橋駅構内で、三歳の幼児のまぶたにたばこの火が当たり、やけどした。一つ間違えば失明するところだった。
 この事故がきっかけで結成した船橋市の市民団体が昨年行ったアンケートによると、歩きたばこでやけどした経験がある人が7%、衣服を焦がされたことがある人は12%いた。
 県内は、東京など大都市のように人が押し合うように歩くことはあまりないが、歩きたばこ被害に遭わない、とは言い切れない。
 宵宮のシーズンだ。毎年三百万人以上の人出でにぎわう青森ねぶた祭など、大きな夏祭りも間もなく始まる。神社の境内や祭りの沿道は、夏休み中の子どもを連れた家族、観光客らで埋まる。
 雑踏での歩きたばこは、通りがかりの人にけがを負わせる“凶器”になりかねない。喫煙者は、人込みの中での一服を慎んでもらいたい。
 東京都千代田区が、歩きたばこなどを禁止する全国初の「罰則付き路上禁煙条例」をつくった。吸い殻のポイ捨てが多い繁華街のほか、子どもの安全を守るため小・中学校の通学路などを路上禁煙地区に指定。終日禁煙にし、違反したら二万円以下の過料を科す。
 六月二十四日の条例成立から一カ月。波紋は全国に広がった。喫煙者の権利を奪う、などの反対論もあるが、賛成の声が圧倒的に多かった。
 国会も動き出した。超党派議員でつくる「禁煙推進議員連盟」は、公共の場所で歩きたばこすれば一万円以下の罰金を科す、という軽犯罪法の一部改正案の成立を目指している。
 たばこに対する風当たりは、年々強くなっている。喫煙者自身の健康を損なうほか、たばこを吸わない人にも受動喫煙被害を与えることが数々の研究で裏付けられており、禁煙、脱たばこは世界的流れになっている。
 成人男性の二人に一人が吸っている日本は「喫煙大国」と揶揄(やゆ)され、たばこは「し好品」でなく「死向品」と指摘する人もいるほどだ。
 ただ、歩きたばこを法規制しようとする動きがここにきて活発化してきたのは、直接は健康問題からではなく、喫煙マナーの問題、喫煙できる場所が少なくなっていることと関係がある。
 全国で約千の自治体がたばこポイ捨て条例をつくっているが、ポイ捨ての歯止めになっていない。歩きたばこで服を焦がしたなどの被害も絶えない。喫煙者のモラルに期待できない、というわけだ。
 公共の場や交通機関、職場で分煙・禁煙が広がっている。身の置き所がなくなり、屋外で気兼ねなく、と路上で紫煙をくゆらす喫煙者が増えているという。
 青森市の繁華街でも、平日の朝・夕などは、駅やバス停と職場を行き交う合間に、サラリーマンらが歩きながら一服している姿をよく見かける。
 だが、歩きたばこは、やはり困りものだ。禁煙推進議連の長妻昭衆院議員(民主党)は「火のついたたばこはナイフと同じ。危険物を人のたくさんいる所で振り回すな」と話している。吸う場所をわきまえてほしい。
 歩きたばこをしているとハイ罰金、と取り締まられる。そんな世の中になることを喫煙者は望んでいないはずだ。


2002/ 7/24  TVの喫煙シーン規制(イタリア厚生省)  (切明義孝氏訳)

http://www.reutershealth.com/archive/2002/07/24/eline/links/20020724elin045.html
TV shouldn't make smoking sexy: Italy health chief
Last Updated: 2002-07-24 14:58:33 -0400 (Reuters Health)
FLORENCE, Italy (Reuters Health)
タバコ対策に熱心に取り組んでいるイタリア厚生大臣Girolamo Sirchia さんは水曜日、テレビ局(Rai、MediasetおよびLa7)の管理者に、喫煙を促す番組や映画を中止させるために、自警団の設立を提案する手紙を送りました。
Sirchia 厚生大臣は手紙の中でTV番組には若者を狙う裏の意図が込められていると述べました。
「TV番組では喫煙が権力や解放、自由、SEXなどと連想付けられています。TV局はこのような間接的な宣伝を行うべきではありません。」
Sirchia 厚生大臣は喫煙対策はEUの目標であり、イタリアも全面的に賛同しています。
先週、上院の Constitutional Affairs Commission はSirchia 厚生大臣の厳しいタバコ規制法案が夏休み明けに上院で議論されるかもしれないと述べました。
この法案は自宅や特別に設計された喫煙所を除く、屋内での喫煙をほぼ全面的に禁止するものです。
カフェやバーを含む全ての屋内空間での喫煙が禁止されます。Istat(国立統計研究所)の最新の統計では、イタリアには1800万人の喫煙者と1500万人の受動喫煙者がいます。


2002/ 7/24  FDAにタバコ規制を要求するキャンペーン Ad campaign pleads for FDA regulation of tobacco (切明義孝氏訳)

http://www.reutershealth.com/archive/2002/07/24/eline/links/20020724elin039.html
Last Updated: 2002-07-24 15:00:32 -0400 (Reuters Health)

WASHINGTON (Reuters)

水曜日、公衆衛生グループ連合は、タバコ産業が若者を狙ってタバコを宣伝していることを非難する広告キャンペーンを立ち上げ、議会に、FDAにタバコを規制させるよう要求しました。
FDAはタバコを規制するための権限を求めて戦ってきました。そして、FDAにタバコを規制する権限を付与する法案が上院と下院に提出されましたが成立しませんでした。
米国医学会、米国癌学会、をはじめ24以上の団体に支持されたこのキャンペーンは議会に法案を成立させるよう求めました。
Campaign for Tobacco-Free Kidsの会長Matthew Myersさんは語りました。「タバコ産業は有害な行為を改めようとはしません。議会がFDAにタバコを規制するための強力な権限を与えない限りタバコ産業は従わないでしょう。」
「FDAの権限強化はタバコ産業の広告から我々の子供達を守り、タバコ産業の欺瞞と死の商品に終止符を打つために不可欠です」
1998年、タバコ産業は2460億ドルで国と和解し、子供や未成年にタバコを販売することを止めると誓いましたが、印刷物や放送による広告が依然として行われておりタバコ産業はこの誓約を守っていないと非難しました。
「和解の2年後、タバコ産業は販売量を42%も増加させました。FTCの最新のcigarette marketing expendituresという報告書によると、2000年の販売額は96億ドルにも達し、記録を更新しました。一日あたりの販売額は2600万ドルにもなります。」
「販売額が大きく増加したのは小売店での販売です。小売店はタバコを子供達に効果的に販売する拠点であり、子供の目に付きやすい棚にタバコを陳列させると報奨金が支払われます。また、“タバコを1箱買うと、もう1箱を無料進呈”などの値引きが子供達のタバコ入手を容易にしています。そして、無料の帽子やミニラジオなどを配布して子供達を誘惑しています。」
FDAに権限を付与する案はまだ決定されていません。
「他の消費者製品と同様に、タバコも添加物の開示、製品規制、正しい警告表示、適切な広告が行われるべきです。」
「マカロニやチーズに添加されるいかなる添加物もFDAに承認されねばなりません。一方、タバコにはアンモニア、フォルムアルデヒド、砒素などが含まれていますが規制されていません。」


2002/ 7/23  タバコ税の増税は喫煙を防止する(米国) Study says state cigarette taxes deter smoking (切明義孝氏訳)

http://www.reutershealth.com/archive/2002/07/23/eline/links/20020723elin028.html
Study says state cigarette taxes deter smoking
Last Updated: 2002-07-23 10:00:29 -0400 (Reuters Health)
DENVER (Reuters)

全米各地の州や都市によるタバコ税増税は財源を増やすのみならず、強力な喫煙防止策になることが証明されました。反タバコ団体は月曜日に報告しました。
Smokeless States National Tobacco Policy Initiative はデンバーで開催されたNational Conference of State Legislatures annual meeting にて研究結果を報告しました。
「いくつかの州ではタバコ消費量が20%以上減少しましたが、それでも数百万ドルの税収増加になりました。」
ニューヨーク市はタバコ税を$1.42増税して$7に引き上げました。しかし、それほど大幅な増税でなくても健康増進につながると研究者は報告しました。タバコ価格をたったの10%上昇させるだけで、未成年者の喫煙率を7%引き下げることが出来ると研究者は言いました。
反タバコ団体はタバコ税増税は未成年者の喫煙を防ぎ、タバコ病による死亡を減少させ、将来的に医療コストの削減につながると説明します。
昨年4つの州でタバコ税が増税されました。Puerto Rico と16の州では今年の1月からタバコ税が増税になりました。
反タバコ団体はAmerican Medical Association と Robert Wood Johnson Foundationにより設立された団体です。


2002/ 7/23  フランスは喫煙者にショックを与えるため肺癌患者の最期の姿を放送しました France airs death video to shock smokers (切明義孝氏訳)
フランスの新聞フィガロ紙の7/23トップ記事 http://www.lefigaro.fr/sciences/20020723.FIG0167.html

http://www.reutershealth.com/archive/2002/07/23/eline/links/20020723elin033.html
Last Updated: 2002-07-23 11:45:21 -0400 (Reuters Health)
PARIS (Reuters)

フランスのテレビ局は月曜日、タバコが家庭にもたらす被害を知らせるため、健康団体がホームビデオで撮影した、犠牲者となり、やせ衰えた肺癌患者の衝撃的な最後の日々を放映しました。
この27秒間のフィルムは、ある50歳男性の死ぬ直前の姿を妻が撮影したものです。
彼がタバコを吸い始めた年齢は14歳でした。14歳当時に撮影された若く健康的な彼の写真のイメージとは対照的に、彼の肉体は無残な姿を呈しています。
フィルムを製作したNational Committee Against Smokingは言います。
「これは俳優ではありません。実際の犠牲者です。このようなキャンペーン放送は英語圏では広く行われていますがフランスでは新しい試みです。」
「このフィルムは病気に侵され死にかけている男性の自発的な証言です。家族の支援の下で作成されました。」
このフィルムは民間放送TF1のmain evening news の直前に放映されました。
映画とカフェという長年の文化を背景に、フランスでは反タバコ活動家がタバコの危険を喚起してきた米国や他の国々と比べると喫煙に寛容です。
毎年2万人のフランス人が肺癌で死んでいます。その他のタバコ病でも数千人が死亡しています。
未成年の喫煙率の増加に伴い、タバコによる死亡率は今後も増加すると考えられています。
この放送は、「水銀、アンモニア、その他化学物質が含まれている商品に関する情報を提供する電話番号」を放映した6月のキャンペーンに引き続いて行われました。
百万人近くがその電話番号に電話し、その「答えはタバコである」と告げられました。
フランスのメディアはこのような騒動を引き起こすことに疑問を抱いています。しかし、キャンペーンを支持するINPES健康教育会議は良い方法であると言いました。
ショック戦術は、フランス人の危険な性癖であり、ヨーロッパ最悪の死亡原因の1つであるシートベルト未着用に焦点を当てた最近の安全キャンペーンでも利用されました。


2002/ 7/23  6週間でらくらく禁煙 コンテスト参加者を募集  (産経新聞の記事へのリンク

 今年中に禁煙を成功させよう―。財団法人日本予防医学協会(東京都江東区)は、六週間で禁煙を進める「らくらく禁煙コンテスト」の参加者を募集している。一九八八年にスタートしたコンテストは、今回が十回目。これまでに約三万六千人が参加し、八千人以上が禁煙に成功しているという。
 参加者は、大阪がん予防検診センター(大阪市)作成のプログラムに従って禁煙に挑戦。プログラムはたばこの害悪情報を提供するだけでなく、「格好よく見せたくて吸っている“あこがれ喫煙”」など自分自身の喫煙習慣を分析したり、「吸いたくなったら時計を見て秒数を数えてみる」など身近な対処法を紹介している。
 「ご褒美」も禁煙のきっかけになると、成功者全員に認定証と図書カードを贈呈。抽選で五万円分の旅行券などもプレゼントする。
 個人でも応募できるが、同センターによると、職場全体で禁煙に取り組もうと、団体で応募してくるケースが増えている。
 コンテストは九月一日からで、リポート返信による通信制。参加費は四千円。申し込みは八月十七日まで。問い合わせは同協会、電話03(3649)3809。


2002/ 7/22  事業所全体で、健康面のみならず、安全面や環境面(衛生面)からも職場の禁煙を求めていく運動は有効性が高い  (切明義孝氏訳)

http://news.tobaccofreekids.org/plugin.jtml?siteID=TFKNEWS&p=1&Tab=News&Object_ID=552794&PrintThis=true
July 22, 2002
Broad-Based Workplace Smoking-Cessation Found Effective

新しい研究によると、職場における健康作りや安全衛生活動の一環として、職場を禁煙化することにより労働者は禁煙しやすくなることが明らかにされました。
Dana-Farber Cancer Instituteが7月19日に発表しました。
この研究はDana-Farber Cancer Institute の研究者により、東マサチューセッツの16の事業所の従業員を2つのグループに分けて行われました。
1つめのグループは単なる健康増進活動として禁煙と健康的な食生活の指導を受けました。
もう1つのグループは同様な指導を受けましたが、健康のみならず安全や衛生の向上と言う総合的な視野で取り組みました。
2年後、安全・衛生・健康の向上と言う総合的な視野から健康づくりに取り組んだグループでは、そうでないグループに比べると禁煙者が2倍以上多いことが明らかになりました。
Dana-Farber's Center for Community-Based Researchの研究員Glorian Sorensenさんは言いました。
「我々が知る限り、この禁煙プログラムは、事業所労働者対象としては、著しく高い禁煙率を達成しました。類似するプログラムが有効であることを示しています。」
事業所全体で、健康・安全・衛生を組み合わせて健康つくりに取り組めば、会社の管理職と労働者が共に健康問題を共有しているという認識を生み出し、労働者が自主的に健康生活をはじめるきっかけになりますとSorensenさんは言いました。
The report is published in the August 2002 issue of the journal Cancer Causes and Control.


2002/ 7/19  インドは噛みタバコを禁止します  (切明義孝氏訳)

http://news.bbc.co.uk/2/hi/world/south_asia/2137938.stm
Indian ban on chewing tobacco

北インド州の Uttar Pradesh の裁判所は広く親しまれている噛みタバコと口臭消し(breath fresheners) を口腔癌の原因であるという理由で禁止しました。
これらの商品はインドでは非常に古くからある伝統文化の一部です。そして、これらは消化や口臭除去に有効だとされています。
裁判所はgutkhaとして知られている全ての噛みタバコはもちろん、betel nuts( paan masalaとも呼ぶ)から製造された非タバコ製品も禁止します。裁判所はまた、それらの商品のいかなる宣伝をも禁止しました。
このインド最大の人口を抱える州の判決は、タバコ製品類の国際的禁止を求めるキャンペーンを行ってきた活動家に歓迎されました。
ポピュラーな選択
Betel leafは人々の家々に植えられています。また、国中の随所にある商店で販売されています。
既製品のpaan masala は綺麗なポリエチレンの袋で包装されており、betel nutや香料、ライム、タバコなどの添加物(ingredients)が含まれています。
健康活動家は安価で容易に入手できる、これらの製品のため依存症になる人々は途方も無い勢いで増加しています。それらは家庭などで低コストにて製造されるため、品質を管理することが出来ません。
健康への不安
様々な報告書で、タバコ関連疾患はインド人を約百万人殺していると結論されています。健康専門家は「噛みタバコ」がタバコ関連疾患による死亡の主要な原因になっていると考えています。
木曜日のUttar Pradesh の裁判所命令は噛みタバコが発癌性物質を含有しているという化学検査による証拠に基づいています。
全国規模でのタバコ製品規制を求める声は年々大きくなってきました。しかし、噛みタバコを製造する業者はそのような動きを阻止しようとしました。
モラル圧力
裁判所は、Kanpurの噛みタバコ事業者が偽paan masalaを作った者を逮捕するよう求める請願の後に、判決を下しました。製造メーカーは最高裁判所に上告することが可能です。
健康産業は法廷が健康への圧力を増やしpan masala に類似する規制を加速すると言います。
Uttar Pradeshはこのような規制を行った2番目の州です。水曜日、Maharshtra でも、長い訴訟の末、同様な規制を行います。


2002/ 7/19  FDAはタバコキャンディ(ニコチンキャンディ)を禁止するよう求められました FDA asked to ban tobacco lozenge (切明義孝氏訳)

http://edition.cnn.com/2002/HEALTH/07/19/tobacco.lozenge.ap/index.html
CHESTER, Virginia (AP)

42州の司法長官はFDAに、Virginia cigarette companyが販売する、タバコキャンディの販売を規制することを求めました。タバコキャンディ(商品名Ariva)はチェスターにあるStar Scientific Incが製造しています。
タバコキャンディは葉タバコをミント味(ユーカリ風味)に加工しています。タバコキャンディはタバコ一本分のニコチンを含有します。タバコ会社は喫煙が禁止された場所で、喫煙者はタバコの代わりにニコチンを摂取できると宣伝しています。
Star Scientific 社は昨年の11月からニコチンキャンディーの販売を始めました。現在では40州の約30000の商店で販売されています。
司法長官はニコチンキャンディの安全性試験は実施されておらず、明るいパッケージと甘い風味が子供を誘惑していると言いました。
司法長官は月曜日、FDAにコメントを提出しました。
ミシガン司法長官Jennifer M. Granholm さんは言いました。
「タバコキャンディは、究極の、羊の皮を着た狼です。」「砂糖をまぶして、可愛い包み紙で包んでも、タバコが殺人鬼であることは隠せません。」
FDAのスポークスマンのKathleen Kolar さんは木曜日、FDAは調査していると言いました。Kentucky, North Carolina そしてVirginiaなどタバコを製造している州はFDAに要望を出しませんでした。
Star Scientific 社の社長兼最高執行責任者のPaul L. Peritoさんはニコチンキャンディは“タバコ”であり、キャンディではないと否定しました。
ニコチンキャンディのパッケージには「大人になってから」と書かれています。FDAはニコチンパッチやニコチンガムなど製薬会社が製造したニコチン依存症治療薬を規制しています。しかし、最高裁判所はFDAにタバコを規制する権限を与えていません。
最近、FDAはニコチン水やニコチンロリポップ(棒付きキャンディ)、ニコチンリップバーム(nicotine lip balm)などに対する禁止を勧告しました。
ニコチンロリポップやニコチンリップバームは禁煙支援商品として販売されていました。


2002/ 7/16  メリーランド州の禁煙キャンペーン Maryland Begins Aggressive Anti-Smoking Campaign (切明義孝氏訳)

http://news.tobaccofreekids.org/plugin.jtml?siteID=TFKNEWS&p=1&Tab=News&Object_ID=552698&PrintThis=true
July 17, 2002
Maryland Begins Aggressive Anti-Smoking Campaign
メリーランド州は積極的な禁煙キャンペーンを始めます。メリーランド州は州歴史上最大の禁煙キャンペーンを開始しました。広告、ビルボード(屋外広告)、ウェブなどを利用して禁煙を勧奨します。Jacksonville Capital Gazette 紙は7月13日に報道しました。
州に入ると、ドライバーを、「ようこそアナポリスへ、これから先は禁煙です。」という看板が歓迎します。州を貫く高速道路にも上記の看板が8つ設置されます。
ビルボードに加えて、州は5つの禁煙CMを放映します。
最初のCMは短いMTV形式で、メリーランドの若者に禁煙を呼びかけます。
州の健康局職員のFrances Phillipsさんは言います。
「このCMはお説教ではなく、面白みがあります。」
「CMは即効的な効果があります。禁煙CMは私たちに可能な適切な方法です。」
その他の4つの禁煙CMは受動喫煙の危険性など専門的な問題に触れています。ウェブでも禁煙キャンペーンが行われます。
州知事の Parris N. Glendeningさんは言いました。「この禁煙キャンペーンは、特に若者に、タバコは病気と死を招くという、強力なメッセージを伝えます。」
メリーランドの18ヶ月の禁煙キャンペーンは全米タバコ病訴訟により勝ち取った1400万ドルの基金から賄われます。
この禁煙キャンペーンはカリフォルニアとフロリダで成功したキャンペーンを参考にして企画されました。


2002/ 7/ 15  CDCはタバコ対策に取り組むために国際的な連携体制をつくります CDC Forms International Partnership to Address Tobacco Control (切明義孝氏訳)

http://news.tobaccofreekids.org/plugin.jtml?siteID=TFKNEWS&p=1&Tab=News&Object_ID=552559&PrintThis=true
July 15, 2002
CDC Forms International Partnership to Address Tobacco Control
米国CDCはベトナムと東南アジアに専門家を送り、各国のタバコ対策を支援します。U.S. Medicine の7月12日の報告です。
CDCのOffice on Smoking and Healthの副所長Burke Fishburnさんは、2年の任期でハノイに赴任し、ベトナム、ラオス、マレーシアで、喫煙と健康に関するCDCとWHOの共同事業を始めました。
この国際協力はタバコ病による世界的な死亡者の増加を抑制することを目指します。
U.S. Department of Health and Human Services(HHS)は、世界ではタバコ病により毎年400万人が死亡しており、2030年には年間1000万人がタバコ病により死亡すると予想しています。
Fishburnさんの任務の一部はタバコ病疫学研究の指導とタバコの監視、タバコ監視行動のための訓練と支援の提供、タバコ対策のための国家行動計画の作成支援、そして、さまざまな研究の成果を行動に結びつけることです。
ベトナムは現在、国家的なタバコ対策方針を持っているためWHOとFishburnさんのグループはタバコ対策を実現する支援を行います。
タバコ産業は増えつつあるベトナムの人口に興味があり、タバコ市場を開拓するため、国家に圧力をかけているとFishburnさんは語りました。


2002/ 7/17 禁煙報奨金3万円、喫煙通報1万円 読売オンライン関連記事

「禁煙宣言」した社員に3万円!――女性下着メーカーのトリンプ・インターナショナル・ジャパン(東京)は、社員の健康維持を目的に、たばこを吸うのをやめると決意した社員に報奨金として3万円を支給する制度を創設した。
 1800人の全社員のうち、販売店を除く本社や地方の営業部に勤務する400人の中でたばこを吸う約半数が対象。人事部発行の「禁煙宣言」用紙に本人とその協力者である家族がそれぞれ署名、なつ印して届ければ、福利厚生費から3万円を現金で支給する。
 ただし、宣言者が喫煙しているのを発見した社員が人事部に知らせる「愛の密告」をすれば、「同僚社員の健康管理に貢献した」との評価で協力金として1万円が支給される。逆に密告を受けた社員は報奨金の倍額に当たる6万円を会社に返納しなければならない。再チャレンジしてその一部を取り戻すには幹部会議での決定が必要だ。
 「カジュアル・デー」をいち早く導入するなど社員の能率アップを目指した社内規定が多い同社は、95年に本社や営業所を全面禁煙にし、今回の提案者である社長も2年前から禁煙。6月下旬から始めたこの制度には役員を含めてこれまでに52人が宣言し、会社側は「禁煙もゲーム感覚が大事。いずれは全社員が禁煙してくれれば」と期待している。


2002/ 7/16 タバコ規制枠組条約大幅後退の危機 (毎日インタラクティブ関連記事

 世界保健機関(WHO)は16日、公衆衛生分野で初の多国間条約として制定を目指す「たばこ規制枠組み条約」の最新草案を公表した。主な争点であるたばこ広告や自販機の規制などで昨年の当初案に比べ大幅に後退している。
 大手たばこ会社を抱える日米など主要先進国の主張を反映した内容。交渉議長のブラジル大使がまとめた最新草案に対し、WHO事務局や規制推進派は反発を強めており、今後は巻き返しを目指す。
 最新草案によると、たばこ広告の規制では当初案の「あらゆる種類のたばこ広告禁止」が「徐々に廃止することも視野に入れ、各国が能力に応じて削減する」になった。削減の期限や内容は明記しておらず、具体的な方策は各国政府の裁量に委ねている。
 また、日本が神経をとがらせていた自販機をめぐっては、当初案は「18歳未満の青少年がアクセスできるすべての場所」で禁止するとしていたが、最新草案では「各国は自販機を徐々に減らし、廃止する措置を取り得る」となった。
 他の項目でも、締約国が具体的な義務を負う部分はほとんどなく、WHOの担当者は「最新案には失望した」としている。
 条約参加国は今回の草案を基に今年10月、ジュネーブで第5回交渉を開催し、2003年中の取りまとめを目指す。 (共同通信ニュース速報)


2002/ 7/ 4  タバコの違法取引によりタバコ病が増える  (切明義孝氏訳)
http://www.who.int/mediacentre/releases/who62/en/
New York City
4 July 2002
Press Release/WHO 62
Illicit tobacco trade contributes to global disease burden

ニューヨークで開催された国連主催のInternational Conference on Illicit Tobacco Trade (ICITT;タバコ違法取引に関する国際会議) において、WHOはタバコの違法取引がタバコ消費量の増加と、世界中で問題になっているタバコ関連疾患による死亡を促していると述べました。
ICITTはUnited States Agency for Alcohol, Tobacco and Firearms (ATF;米国アルコール・タバコ・銃器局)により組織された会議です。
この会議はWHO加盟の191カ国によるFramework Convention on Tobacco Control (FCTC;タバコ枠組み規制条約)締結にむけての数多くの交渉のうちの1つです。
WHOは、タバコの違法取引により、タバコ価格が低下するとタバコを購入しやすくなり、タバコ消費量が世界的に増大すると語りました。タバコ価格の低下は、特に価格に敏感で医療費が払えないような人々、若者や貧困者などを魅了します。
さらに、タバコのバラ売り(一本単位で売ること)が無秩序に行われると、若者はさらにタバコを購入しやすくなります。
喫煙者の2人に1人はタバコ関連疾患により死ぬというデーターがあります。タバコは毎年400万人の人々を殺しており、2020年には年間840万人を殺すだろうと推定されています。
タバコによる犠牲者の70%は発展途上国の住民です。今日、タバコ消費量は予防可能な最大の死因です。
WHOは、人々の命を救うためにタバコ消費量を引き下げることを、公衆衛生上の最優先課題にすることを宣言しました。
ICITTの開催式でWHOのExecutive Director for Non-Communicable Diseasesの Dr Derek Yachさんは語りました。
「WHOは国内的あるいは国際的なタバコ違法取引が国民の健康に非常に有害な影響を及ぼしていることを非常に心配しています。」「タバコの違法取引が国家の売価政策(pricing policies)を破壊しています。タバコ対策に取り組む政府の歳入を減少させ、タバコ産業を堕落させ、国際的な協同タバコ規制を破壊し、その結果、法的規制も破壊され、有害性の警告表示や未成年に対する販売禁止などの健康のための規制も破壊されてしまいます。」
タバコ違法取引は世界的な問題です。政府は公衆衛生当局に協力し強力な手段を用いてこの問題に取り組まねばなりません。世界銀行は、違法取引されるタバコの量はタバコ消費量の6%〜8.5%を占めると推定しています。
タバコ生産量の5分の1近くが輸出されています。その約3分の1(30%)、およそ3550億本のタバコが違法取引されています。
タバコによる死亡やタバコ関連疾患の増加という緊急事態に対処するため、WHO加盟国191カ国はタバコ枠組み規制条約(FCTC)の交渉を始めました。
2000年の10月より4回の交渉が行われました。公衆衛生課題に取り組むためにWHOが条約策定に関わるのは初めてのことです。
FCTCはタバコ広告、スポンサー活動、公衆の場の禁煙、タバコ税、タバコの警告表示、教育、研究、タバコの違法取引に関する条約です。
The New York International Conference on Illicit Tobacco Trade は違法取引を防ぐ有効な手段を開発し、有効な手段や現実的な手法に関する勧告を行うでしょう。
この勧告は2002年10月にスイスのジュネーブで開催される次回FCTC交渉において公表されるでしょう。


2002/ 7/ 3  厚生労働省が「平成11-12年度たばこ煙の成分分析について(概要)」をホームページに掲載
http://www.mhlw.go.jp/topics/tobacco/houkoku/seibun.html
3月20日の朝日新聞の報道によると厚労省が「販売に影響を与えるおそれがある」と銘柄を隠していたデータ。
低タール、低ニコチンを売り物にしたタバコでも、銘柄によってタールは表示の約7倍、ニコチンも約5倍の量を吸い込む可能性が大きいことが明らかになった。


2002/ 7/ 3  妊娠中の喫煙は児の自閉症の危険を高める Epidemiology 2002;13:417-423. (切明義孝氏訳)
http://www.reutershealth.com/archive/2002/07/03/eline/links/20020703elin008.html
Smoking during pregnancy linked to autism
Last Updated: 2002-07-03 11:32:21 -0400 (Reuters Health)
NEW YORK (Reuters Health)

 喫煙する妊婦から出産した児は自閉症になる危険が増加すると予想されます。自閉症は子供500人につき1人の割合で発見されます。自閉症ではコミュニケーションや人間関係を保つ能力が障害されます。自閉症は視覚、聴覚、触覚刺激に対する反応が障害されるかもしれません。障害を持つ子供たちの3分の1は正常か、正常に近い、高いIQを持っています。
 医学専門家は自閉症の発生には遺伝が関与していると考えていますが、環境因子を除外することは出来ません。
 Karolinska Institute in Stockholm, Sweden のDr. Christina M. Hultman さんは、1974年から1993年の間に生まれた408人の自閉症と診断された子供たちと、同じ期間に生まれた2040人の自閉症でない子供たちとを比較検討しました。
 妊娠初期に毎日タバコを吸っていた母親から生まれた子供たちは自閉症を発症する危険が40%も増加することが明らかになりました。この研究はEpidemiology 6月号に掲載されます。
著者は言いました。
「妊婦の喫煙が胎児に及ぼす長期的影響は、精神や肉体の発育に及ぼす影響は完全に解明されてはいませんが、喫煙が子供の行動に影響を及ぼすことが知られており、衝動的行動、混乱(conduct disorder)、注意障害、多動などと関係があります。」
 その他の発見として、帝王切開は自閉症の危険を60%増加させることや、妊娠週数に比較して小さい児は自閉症の危険が2倍になることも明らかにされました。研究者は、自閉症の原因解明のために、遺伝のみならず環境面からの研究も必要であると結論しました。


2002/ 7/ 1  <WHO>世界のがんの現況と対策指針をまとめた報告書を発表 毎日新聞インタラクティブ関連記事

 世界保健機関(WHO)は1日、世界のがんの現況と対策指針をまとめた報告書「がん抑制国家計画――政策と管理の指針」を発表した。
 それによると、00年に発覚したがん患者は世界で約1000万人。がんによる死者は約600万人と全死者の約12%を占めた。患者の発生は年々増える傾向にあり、20年後のがんによる死者は年約980万人になると予測している。
 発覚したがんの部位は男性が(1)肺(90万人)(2)胃(55万人)(3)前立腺(54万人)の順。女性では(1)乳(105万人)(2)子宮(47万人)(3)結腸・直腸(44万人)だった。
 報告書では、がん治療の研究が注目される一方で、患者数を減らすためには予防対策や早期発見がより効果的だが、軽視されていると指摘。喫煙や飲酒の抑制、肥満防止などで「少なくとも新規患者の3分の1は予防が可能」として、こうした側面も視野に入れた総合的ながん抑制計画の必要性を訴えている。
 また、早期発見のための集団検診に関し、乳がんと子宮がんを除くがん検診は「費用対効果の観点からまだ有効とは立証されていない」と指摘。日本で行われている特殊なX線技術を使った胃がん検診は「高価なため日本でしか実施されていない」と述べている。
 今回の報告書は、91年に発表されたものを10年ぶりに改訂した。


2002/ 6/22  米たばこ訴訟で損害賠償プラス18億円の懲罰的賠償 (読売オンライン関連記事

 循環器系疾病によって両足切断に追い込まれたのは長年の喫煙のせいだとして、67歳の男性が米たばこ大手RJレイノルズ社を訴えていた訴訟で、米カンザスシティーの連邦地裁は21日、「会社がたばこの常用性を隠していたのは“極悪”だ」と、損害賠償とは別に1500万ドル(約18億円)の懲罰的賠償を命じる判決を言い渡した。
 「キャメル」などのブランドを抱える同社は今月6日にも、未成年者をターゲットとした広告を掲載したとして、カリフォルニア州最高裁から2000万ドル(約24億円)の罰金を言い渡されたばかり。
 男性は43年間にわたり喫煙していたが、同社側は、男性の健康は喫煙よりも、飲酒と高脂肪の食事によって損なわれたなどと主張していた。
 同連邦地裁は、会社には悔い改める姿勢が見られないとして、陪審団が評決した約20万ドル(約2400万円)の損害賠償に懲罰的賠償を加えた。 (読売新聞ニュース速報)


2002/ 6/19 胃がんや肝がんとも関連 喫煙影響で国際機関  (読売オンライン関連記事

 世界保健機関(WHO)傘下の国際がん研究機関(IARC、本部フランス)は十九日、受動喫煙による肺がんを含め、たばこと人間のがんとの間に明確な関連があるとの評価報告書を発表した。
 喫煙者のがんについては肺がんだけでなく、胃、肝臓、子宮、腎臓などのがんや骨髄性白血病など、さまざまながんの原因となっていると断定。「たばこによるがんの危険性はこれまで考えられていたよりもはるかに大きい」と禁煙対策の強化を求めた。
 IARCは約三十人の専門家による委員会で発がんとたばこに関する研究成果を詳しく検討。これまで必ずしも明確でなかった肺がん以外のがんについても、たばこの影響が明白だと結論付けた。
 報告書は、たばこを吸わない人が他人のたばこの煙を吸う「受動喫煙」も肺がんの原因になっていると断定。一方で受動喫煙と肺がん以外のがんとの関連や、親の喫煙が子どもが成長してからのがんにつながっているかについては十分な証拠はないとした。
 IARCは先進国の女性や発展途上国の人々にたばこの害が拡大する傾向にあることも言及。世界的な禁煙対策の重要性を指摘した。 (共同通信ニュース速報)


2002/ 6/19 受動喫煙は肺癌のみならず、胃癌、肝臓癌、腎臓癌、子宮頸癌、白血病の原因である  (切明義孝氏訳)

http://www.reutershealth.com/archive/2002/06/19/eline/links/20020619elin022.html
Secondhand smoke causes lung cancer: experts
Last Updated: 2002-06-19 10:00:34 -0400 (Reuters Health)By Patricia Reaney LONDON (Reuters)

 有害な受動喫煙により、世界中の何十億もの人間が、肺癌を発症する危険が増加していると警告されました。水曜日の報告です。
 International Agency for Research on Cancer (IARC;国際癌研究機関)の研究者が実施した包括的医学研究は、受動喫煙が癌の原因であると証明しました。
 そして、タバコ煙に含まれる化学物質やガス成分が胃癌、肝臓癌、腎臓癌、子宮頚癌、骨髄性白血病の発症に寄与していると結論しました。
 IARCの研究メンバーの1人、メリーランド BaltimoreのJohns Hopkins UniversityのJonathan Samet教授は言いました。
「自由意志に反する喫煙−−受動喫煙−−は人間に対する発癌性があります。たとえ、タバコ煙の濃度が高くなくても、非喫煙者は受動喫煙により喫煙者と同様に発癌物質を吸収します。」
 Samet は記者会見で言いました。
「非喫煙者の体液や尿からも発癌性物質が検出されるという確固たる証拠により非喫煙者は呼吸により発癌物質を吸入していることが証明されました。大気中の発癌性物質は体内に吸収されています。」
「私の知る限り、WHOと世界中の科学者が同じ結論に達したのは初めてのことです。」
 IARCはフランスのリヨンにあるWHOの組織の一部です。IARCは12カ国で29人の専門家により実施された50の独立した医学研究の分析により結論しました。
 (訳注:独立した医学研究;WHOや米国医学界ではJT等から賄賂をもらっていないという意味。)
 研究によると小児期の癌と受動喫煙の間には明瞭な関係は認められなかったがしかし、小児期に曝露された受動喫煙が子供の将来に及ぼす長期的影響は計り知れないと言いました。
 驚愕すべき影響
 Sametは言います。
 紙巻タバコ、葉巻、パイプ、bidis(葉で巻かれたタバコ)を吸う喫煙者は世界で12億人に上ると推定されています。そして、数十億人もの非喫煙者が受動喫煙により発癌性化学物質を吸っています。
 英国の反タバコキャンペーングループASHのMarsha Williamsさんは迅速な対策が必要であると主張します。彼女は声明しました。
「世界中のタバコ産業は受動喫煙は単なる迷惑であると主張しています。しかし、受動喫煙は明らかに単なる迷惑を超えるものです。受動喫煙により人々は障害を受け、殺されています。いまこそ、タバコ産業、政府、喫煙者自身がこの事実を認識すべきです。」
 科学者は肺癌の原因の90%はタバコが原因であるという証拠に加え、タバコは胃癌、肝臓癌、腎臓癌、子宮頸癌、ある種の白血病の原因であると結論しました。乳癌と前立腺癌に関しては関連性が認められませんでした。
 Sametは言います。
「新しい世代は幼い時期からタバコを吸いはじめており、彼らは一生を通じてタバコを吸い続けます。このままでは将来どうなるのか全く予想がつきません。」
「我々はタバコの危険に関する十分な教育を受けていません。
 タバコが原因であるとされる、現在の、癌のリストは不十分です。タバコは様々な癌の原因であることを(胃癌、肝臓癌、腎臓癌、子宮頸癌、ある種の白血病などを)記載すべきです。」
 タバコ煙の粒子やガス成分には4000種類以上の化学物質が含まれています。一酸化炭素、アンモニア、フォルムアルデヒド、青酸ガス、これらは全て有毒ガスです。喫煙者の半数はタバコ関連疾患により殺されています。タバコ関連疾患による犠牲者の半数は中年で死亡しています。 (切明義孝氏訳)


2002/ 6/18  6畳間でたばこ1本 有害物質濃度、環境基準4倍に
コメント
朝日新聞社のウェブサイト、アサヒ・コムに掲載のニュースです。朝日新聞の関連記事はこれで3本目。HPで公表すると言った厚労省はまだ詳細データを公表していません。


2002/ 6/13 <歩きタバコ>禁止する軽犯罪法改正案を提出 民主党

 民主党は13日、危険な「歩きタバコ」を禁止することを目的とする軽犯罪法改正案を衆院に提出した。歩きタバコの火が幼児の目などに当たり、けがをするケースが後を絶たないことを受けてまとめたもので、罰則は30日未満の拘留か1万円以内の科料とした。 (毎日新聞ニュース速報)


2002/ 6/12  厚生労働省が分煙効果判定基準策定検討会報告書を公表

詳細や洲本市禁煙支援センターの解釈/評価表はリンク先をご覧下さい。


2002/ 6/12 禁煙ワクチンの臨床試験 米企業が商品化目指す

 たばこを吸ったときに体内に入るニコチンが、脳に達して興奮を引き起こすのを防ぐことで、たばこの習慣性をなくす「禁煙ワクチン」の臨床試験を、米国の製薬会社が始めると十二日、発表した。
 安全性の確認が目的で、商品化されるのはまだ先になりそうだが、ワクチンを開発したナビ・バイオファーマシューティカル社は「ニコチン中毒を治療するこれまでにない方法となるはずだ」としている。
 NicVAXというこの薬は、免疫細胞を刺激して、血液中のニコチンと結合する抗体を作らせる。抗体と結合したニコチンは脳に達しにくくなり、快感を感じさせることがなくなるため、人間のニコチンへの依存性を抑えることができるという。
 動物実験では、脳に達するニコチンの量を60%以上少なくすることができたという。第一段階の臨床試験では二十人のボランティアを対象に、ニコチンに結合する抗体のでき方や、副作用などを調べることにしている。 (共同通信ニュース速報)


2002/ 6/11 喫煙が増えると犯罪も増える  (切明義孝氏訳)

タバコ依存症はオーストラリアでの犯罪増加の原因
http://news.tobaccofreekids.org/plugin.jtml?siteID=TFKNEWS&p=1&Tab=News&Object_ID=551666&PrintThis=true
June 11, 2002
Tobacco Addiction Causes Crime in Australian Communities

Sydney Morning Herald は6月1日、 Australia's Aboriginal 、Torres Strait Islanderのコミュニティーにおける犯罪の増加は蔓延したタバコ依存症が原因であると非難する記事を掲載しました。
National Aboriginal Community Controlled Health Organization が出した報告書「Tobacco -- Time for Action」は結論しました。
「タバコ依存症により引き起こされる数多くの問題はアルコールや非合法ドラッグの使用により発生する問題に似ています。例えば、タバコに優先的に出費するため貧乏になり食品の購入が不可能になる。タバコやタバコ購入費用を求めてストレスや、暴力、犯罪が増加します。今年はじめ、全オーストラリア人の喫煙率は20%まで低下しました。しかし、Aboriginal と Torres Strait Islanderのコミュニティーでは喫煙率が54〜80%と依然として高率です。」
報告書はこれらのコミュニティーではタバコ依存症の頻度が高率である原因をいくつか指摘しました。Aboriginal と Torres Strait Islanders コミュニティーへの国家支援の欠如、タバコ問題への社会的関心の欠如、財源がタバコ購入に費やされ、タバコ対策のための資金が欠如あるいは不足していること。報告書は更に、国はAboriginal と Torres Strait Islanders のコミュニティーに対する迅速で有効なタバコ対策を行うべきであると勧告しました。


2002/ 6/11 女性の喫煙は大腸癌の危険を増加させる  (切明義孝氏訳)

喫煙と直腸がん
http://news.tobaccofreekids.org/plugin.jtml?siteID=TFKNEWS&p=1&Tab=News&Object_ID=551667&PrintThis=true
June 11, 2002
Smoking Linked to Rectal Cancer

(ロイターMay 31)
新しい研究により女性の喫煙は大腸癌の危険を増加させることが明らかになりました。
New York のAlbert Einstein医科大学のDr. Paul D. TerryさんらはCanadian National Breast Screening Studyに参加した40歳から59歳までの8万9835人の女性を対象に調査を行いました。
10年間の追跡調査の中で、363人の女性が大腸癌、164人の女性が直腸癌と診断されました。この研究によると40年間タバコを吸った女性は非喫煙者に比べて直腸癌の発生が3.14倍になると結論しました。30年間タバコを吸い続けた女性でも直腸癌の発生の危険が増加していました。大腸癌と喫煙の間には明らかな関連は認められませんでした。
Terryさんは言いました、
「今までの研究により、喫煙は発癌を促進するのではなく、喫煙は癌を生じさせることが示されています。」
タバコ煙に含まれる発癌性物質が経口的に摂取され、便として大腸を通過する過程で水分が吸収されて濃縮され、直腸の上皮細胞に障害を与える可能性があります。
May 20, 2002 issue of the International Journal of Cancerに掲載されます。


2002/ 6/ 7  TV・ラジオのタバコ広告禁止へ(メキシコ)

 メキシコでは来年からテレビ・ラジオでのタバコ広告が禁止されます。タバコ広告規制はメキシコの喫煙を減少させるキャンペーンの一部として実行されます。
 広告禁止に加えて、厚生大臣のJulio Frenkさんは言いました。
「タバコのパッケージの、側面ではなく、正面にタバコの有害警告を表示するように義務付けます。薬局でのタバコ販売の段階的禁止も計画しています。」「私たちの政策は簡単です。」「多国籍企業であるタバコ産業に対し、タバコ産業の母国が行っている同様なタバコ規制に、この国でも従うように求めているのです。」
 メキシコではPhilip Morrisの関連会社 Cigatam社とBATの子会社Cigarrera La Moderna社がタバコ市場を独占しています。
 厚生大臣のJulio Frenkさんは言いました。
「メキシコ人の生命は米国人や英国人の生命の価値に劣るという考えは受け入れることが出来ません。」
 メキシコでは毎年、タバコ関連疾患で5万人が死亡しています。さらに、タバコ関連疾患の治療費として年間約30億ドルが費やされています。 (ロイター 5月31日 切明義孝氏訳)


2002/ 6/ 6 米たばこ大手に罰金命令 25億円、若者向け広告で

 米たばこ持ち株会社大手RJレイノルズ・タバコが若者向け雑誌に広告を掲載したのは一九九八年のたばこ訴訟で合意した和解内容に反するなどとして、カリフォルニア州司法長官が同社を訴えた訴訟で、同州の裁判所は六日、同社に二千万ドル(約二十五億円)の罰金支払いを命じた。
 同社は命令を不服として上訴する方針。
 訴えによると、同社は九八年のたばこ訴訟で、未成年を対象にしたたばこ広告を行わないことでカリフォルニアを含む米国の四十六州と和解したにもかかわらず、その後、十代の若者たちが愛読する五十の雑誌に広告を掲載したという。
 このためカリフォルニア州司法長官は、昨年三月に起こした訴訟で、同社に対して広告の雑誌掲載禁止なども求めていた。
 同社は「十代の若者を対象にした広告活動はしておらず、広告の規制は表現の自由を保障した米修正憲法第一条に反する」と主張していた。 (共同通信ニュース速報)


2002/ 6/ 5 98億円賠償命令の評決支持 たばこ訴訟で米裁判所

 喫煙のため肺がんで死亡したのは米たばこ会社フィリップ・モリスの責任だとして、遺族らが損害賠償を求めた訴訟で、米オレゴン州の上訴裁判所は五日、同社に七千九百五十万ドル(約九十八億六千万円)の懲罰的損害賠償金の支払いを命じた陪審の評決を支持する決定を下した。
 同社は州最高裁に上告の方針。訴訟をめぐっては、同州ポートランドの裁判所の陪審が一九九九年三月に認定した懲罰的損害賠償金に対し、裁判所側が同年五月、約三千二百万ドルに減額する決定を下していた。
 校務員だったジェシー・ウィリアムズさんは四十二年間にわたり同社のたばこを吸い続け、肺がんを患い九七年に六十七歳で死亡。遺族らは同社がたばこの危険性を知らせなかったとして提訴していた。 (共同通信ニュース速報)


2002/ 6/ 6 たばこは腰痛にもいけません 日大教授らが学会で発表へ

 たばこを吸う人ほど腰を痛めやすい、という喫煙と腰痛の因果関係を、日本大学医学部の松崎浩巳教授(整形外科)らのグループが突き止めた。背骨でクッションの役目を果たす椎間板(ついかんばん)がニコチン摂取によってつぶれやすくなることを、動物実験で確認。6日から宮崎市で始まる日本脊椎(せきつい)脊髄(せきずい)病学会で発表する。
 実験は、たばこを1日20本吸う人とほぼ同じ血中濃度のニコチンを、ウサギの体に4〜12週間続けて注入した後、解剖して椎間板の変化を調べた。ニコチンを長く与えたウサギほど、椎間板は弾力を失うことがわかった。
 弾力のない椎間板は弱い力でもつぶれやすい。つぶれた椎間板は背骨周辺の神経を刺激して腰の痛みをもたらす。
 これまで米国の大学の調査などで、腰痛患者の喫煙率が高いことは指摘されていた。だが、その理由は詳しくわかっていなかった。
 松崎教授は「椎間板の変化は、ニコチンによって血流障害が起き、コラーゲンが破壊されたためだろう。たばこへの疑惑は『灰色』から『クロ』に近づいた。腰痛に悩む人は、ぜひ禁煙を」と話している。 (朝日新聞ニュース速報)


2002/ 6/ 5 米たばこ大手がスパイ行為? 嫌煙権運動絡みでと米誌

 米公衆衛生誌「アメリカン・ジャーナル・オブ・パブリックヘルス」六月号は、米たばこ大手のフィリップ・モリス、RJレイノルズが喫煙による害などを告発する非政府組織(NGO)の会合に関連会社の社員などを“スパイ”として送り込み、運動の戦略などNGO側の重要情報を入手していたと報じた。
 同誌によると、RJレイノルズは一九九二年、十代のニコチン中毒者の撲滅を目指す「STAT」の会合に関連会社のコンサルタントとPR会社社員を送り込み、うち一人が録音の禁止が通告されていたにもかかわらず会合のもようをひそかに録音した。
 同社がさまざまな方法で嫌煙権運動の活動家らの名前を特定し、同社が情報を提供する対象者のリストなどからこうした活動家の名前を削除したケースもあったという。
 またフィリップ・モリスは九三年ごろから、大企業製品のボイコット運動で知られた別のNGOにPR会社社員を接触させ、嫌煙権運動がその後どう変化していくかなどの情報収集に努めたという。
 フィリップ・モリスは「偽りの方法で情報を得たとすれば不適切なことだ」とコメントしている。 (共同通信ニュース速報)


2002/5/31 <禁煙>参院全委員会室への導入を申し入れ 超党派議連

 世界禁煙デーの31日、超党派の国会議員でつくる禁煙推進議員連盟(会長・綿貫民輔衆院議長、89人)の小宮山洋子事務局長(民主)ら7人が、次期国会から参院の全委員会室への禁煙導入を山崎正昭・参院議院運営委員長に申し入れた。衆院の委員会室は、既に6年前に禁煙を決定済み。同日は小宮山氏らが「良識の府として禁煙を」と訴え、山崎氏も「理事会に諮りながら手続きを進めたい。私も(タバコを)吸いませんので」と前向きに応じた。
 同議連は申し入れを前に各党の根回しを進めてきたが、自民党だけは調整がつかないままだった。そこで小宮山氏らは31日朝、自民党きってのヘビースモーカー、青木幹雄参院幹事長に直談判。青木氏から「私も委員会で吸ったことはないですから」と快諾を得て、「全会一致」での要請にこぎつけた。 (毎日新聞ニュース速報)


2002/5/31 7地域で路上喫煙禁止 千代田区の条例案公表

 東京都千代田区は三十一日、六月議会に提案する全国初の「罰則付き路上禁煙条例案」の内容を発表した。
 条例案によると、吸い殻の「ポイ捨て」が多いJRの秋葉原駅や御茶ノ水駅の周辺など、区の面積の25%に当たる七地域を路上禁煙地区に指定。基本的に終日禁煙とし、違反したら二万円以下の過料。
 職員が二人一組で終日パトロール、反抗的な態度を見せるなど悪質なケースに適用していく。
 指定地域以外でも、歩行喫煙しないよう協力を求め、目に余る場合は、区広報誌への氏名、勤務先の公表も考える。
 石川雅己区長は「千代田区は日本の政治経済の中心なのに生活環境が悪化している状況は日本の恥。モラルに期待にするのはもう限界だ」と話している。 (共同通信ニュース速報)


2002/5/31 ジダン選手らが「火消し役」=若者の喫煙防止で−EU

 欧州連合(EU)は31日から、喫煙の低年齢化を食い止めるキャンペーンを行う。多くの若者が観戦するサッカー・ワールドカップ(W杯)の開催に合わせ、ジダン(仏)やラウル(スペイン)ら欧州サッカー界のスター選手をテレビコマーシャルに起用する。
 キャンペーンは、欧州サッカー連盟(UEFA)の協力を得て実施。20秒間のCMでは、選手らが次々に画面に登場、若者らに向かい「(喫煙は)ノー」と呼び掛ける。CMは、EU加盟15カ国のテレビ局を通じて放映される。 (時事通信ニュース速報) 


2002/5/31 禁煙デーに相次ぎシンポ

 世界保健機関が定める「世界禁煙デー」の三十一日、たばこと健康の問題や喫煙対策の在り方を考えるシンポジウムが、東京都内で相次いで開かれる。
 厚生労働省や日本医師会などが主催する記念シンポは、今年の禁煙デーの標語である「たばことスポーツは無縁(無煙)です」がテーマ。スポーツをする人に対する禁煙指導などに関する専門家の講演や、マラソンランナーらを交えたパネル討論などが行われる。午後零時半から中央区銀座の銀座ガスホールで。
 一方、市民団体の「タバコ問題首都圏協議会」主催のシンポ「国・自治体の喫煙対策を考える」は、歩きたばこに罰金を科す条例を検討中の東京都千代田区長や、今年発足した超党派の「禁煙推進議員連盟」のメンバーらが講演。国や自治体に喫煙対策の徹底を求めるアピールを採択する予定だ。千代田区飯田橋のシニアワーク東京で、午後六時半から。 (共同通信ニュース速報)


2002/5/30 8割が喫煙開始直後に発症 若者に多い急性肺炎

 喫煙との関連が指摘されている新種の肺炎、急性好酸球性肺炎(AEP)は、未成年を含む若年層に多く、喫煙を始めてから一カ月以内に発症する危険が高いことが、広島大医学部の中島正光講師(呼吸器内科)と川崎医大(岡山県)のグループによる全国調査で三十日までに分かった。
 たばこが原因となる呼吸器疾患は、肺がんや慢性閉塞(へいそく)性肺疾患が知られているが、中島講師は四年前に、AEPも喫煙が原因となることを初めて報告している。
 同講師は「今回の調査で、全国的に同様の発症例があることが分かった。たばこを吸い始めて間もない時期に、息苦しいなどの症状が起きた場合には特に注意が必要だ」と話している。
 AEPは細菌感染などで起きる通常の肺炎と違い、原因がはっきりしていない。アレルギーなどに関係する白血球の一種、好酸球が肺の中で大幅に増加するなどの特徴がある。
 中島講師は治療した患者に若者が多く、初めての喫煙から短期間で発症した例が多いため、全国調査を計画。昨年秋、呼吸器内科の専門病院約百施設に質問票を送付。AEPによる入院例の報告があった三十七施設の患者を分析した。
 生活状況が判明した九十五人のうち、喫煙者は五十九人。さらに、その81%に当たる四十八人が、喫煙開始から一カ月以内で発症していた。また、歩行困難になるほど急激に呼吸不全が悪化した例も半数以上に上った。
 喫煙者の75%は二十五歳以下で、34%は未成年。入院治療中に、喫煙を再開したため呼吸不全を起こした例も八人あったという。 (共同通信ニュース速報)


2002/5/30  たばこ自販機は違法と告発 嫌煙団体、府警は不受理

 嫌煙権を求めて活動する大阪市の市民団体「たばこれす」は三十日、未成年者がたばこを自由に買える自動販売機が、昨年末に改正された未成年者喫煙禁止法に違反しているなどとして、日本たばこ産業(JT)などに対する告発状を大阪府警に提出した。同団体によると、府警は「違法事実の告発とみることはできない」として受理を見送ったという。
 告発状によると、同法改正により、たばこ販売業者は未成年者の喫煙防止のため年齢確認などが義務づけられたが、怠っているとしている。同団体は、野放し状態となっている自販機の写真約二百枚を併せて提出した。
 一方、JTは「自販機に『未成年者の喫煙は法律で禁じられています』というステッカーを張ったり、自販機の夜間規制を行っており、同法違反には当たらない」と説明。「ICカードによる成人識別型の自販機を千葉県で試験運用中。二○○八年までに全国で稼働する」と話している。 (共同通信ニュース速報)


2002/ 5/28 「軽い」たばこを調べました 健康リスク減らす証拠ない
朝日新聞社のウェブサイト、アサヒ・コムに掲載のニュース


2002/ 5/27  たばこ吸ったら増える医療費、1兆円超国立医療科学院など試算

コメント
朝日新聞社のウェブサイト、アサヒ・コムに掲載のニュースです。このような試算は過去にも多くなされていますが、後藤公彦氏の「タバコによる経済効果より社会的損失の方が毎年3兆円上回っている」など、タバコは社会的全体に多額の損害を与えていることがいずれも試算でも明確になっています。


2002/ 5/24 FIFAを批判=たばこ会社のスポンサー容認で−米団体

 米国の教育団体、医療団体などで構成する「子供をたばこの脅威から解放する連合会」は24日までに、サッカーのワールドカップ(W杯)日韓大会で、英たばこ大手ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)がマレーシアで放映される試合のスポンサーになることを認めたとして、国際サッカー連盟(FIFA)を厳しく批判し、決定を取り消すよう求める声明を発表した。 (時事通信ニュース速報)


2002/ 5/23 FIFAに世界保健機関賞 W杯のたばこ規制を評価

 世界保健機関(WHO)は二十三日、公衆衛生の向上に貢献した個人・団体をたたえる今年の「WHO事務局長賞」を国際サッカー連盟(FIFA)に授与すると発表した。サッカーのワールドカップ(W杯)で厳しいたばこ規制を実現したというのが授賞理由。
 発表によると、FIFAはWHOと結んだ覚書に基づき、今回のW杯で公共スペースを禁煙としたほか、韓国と日本での試合会場でたばこ製品の販売を禁止。また、たばこ会社がW杯を利用した宣伝をすることも禁じた。
 同賞は、たばこ規制の強力な推進者として知られるブルントラントWHO事務局長が就任した一九九八年に創設。昨年は、イスラム教の聖地であるメッカとメディナで公共スペースを禁煙としたファハド・サウジアラビア国王が受賞している。(共同通信ニュース速報)


2002/ 5/28  治療中も喫煙している小細胞肺癌の患者は、治療開始前に禁煙した患者よりも生存期間が明らかに短くなる

 治療中も喫煙している小細胞肺癌の患者は、治療開始前に禁煙した患者よりも生存期間が明らかに短くなる−−。米国Harvard医科大学Dana-Farber癌研究所のGregory MM Videtic氏らが5月20日(現地時間)、米国臨床癌学会(ASCO)の一般口演「Small-Cell and Other Thoracic Malignancies」で発表したもの。小細胞肺癌の主原因は喫煙とされているが、治療中の喫煙行為が治療効果に与える影響については、これまでほとんど研究されていなかった。
 Videtic氏らは、病気が限局型(LD、腫瘍が片側の肺とその近傍のリンパ節にのみ存在)の小細胞肺癌患者に絞り、1989年から1999年における215人(男性126人、女性89人、年齢の中央値が63歳)を後ろ向きの解析対象とした。受けていた治療方法は化学・放射線併用療法。化学療法は、CAV(シクロホスファミド、アドリアマイシン、ビンクリスチンの組み合わせ)とEP(エトポシド、シスプラチンの組み合わせ)の交互の6サイクル投与で、放射線療法は、最初のEP投与とともに、3週間15回で40グレイもしくは5週間25回で50グレイを胸部照射していた。
 215人のうち、治療開始時の喫煙状況がわかったのが186人で、喫煙していたのは79人、一方、禁煙していたのは107人だった。両グループ間で、年齢、リンパ節転移の有無などの患者背景には特に相違はなかったが、性別のみ喫煙群に女性が有意に多かった。
 データをレトロスペクティブに解析した結果、生存期間の中央値は禁煙群が18カ月だったのに対し、喫煙群は13.6カ月で、禁煙群が有意に生存期間が長くなっていた(p=0.0017)。治療開始2年後における生存率については、禁煙群が28%、喫煙群が16%、また、5年後だとそれぞれ9%、4%だった。
 また、無病生存期間については、禁煙群の中央値が14.8カ月、喫煙群のそれは15.8カ月だった。2年後の無病生存率は、禁煙群が32%、喫煙群が18%、5年後ではそれぞれ18%、7%。無病生存期間の中央値で、喫煙群の方が長いのは、喫煙群の無病生存率が18カ月後くらいまでは禁煙群をやや上回っているが、それ以降は急激に悪くなるため。
 なお、併用療法の施行中に副作用で治療を一時中断した患者は56人(26%)いたが、治療中の喫煙状況と治療中断の間には相関がなかった(p=0.49)。しかし、治療中断経験がある喫煙群のみ、他よりも生存期間が短く、生存率も低かった。例えば、2年生存率でみると、中断ありの喫煙群は0%だったのに対し、他は15〜28%と、差が大きいことがわかった。
 Videtic氏は、「喫煙者の生存率が下がっているという事実は、喫煙そのものが治療効果を減らしていることを示しているのだろう。過去の喫煙歴によらず、患者は治療中、たばこを吸うべきではない」と強調した。(日経BP MedWave)


2002/ 5/18  “歩きたばこ”に罰金刑=軽犯罪法改正案、今国会提出へ−民主党

 歩きながらたばこを吸った人は、1万円の罰金または1カ月の拘留−。こんな法案が今、民主党を中心に検討されている。歩行者の持つたばこの火で小さな子供がけがをする事件が続発していることから、長妻昭氏ら同党若手議員らが立案した。同氏らは法律の「抑止効果」に期待している。
 法案は、軽犯罪法の対象に「相当の注意をせずに、公共の場所で、他人の身体・財産に熱による害を及ぼす恐れのある状態で喫煙した者」を追加する内容。別件逮捕の口実に悪用されないよう、新法でなく、乱用禁止が明記されている軽犯罪法の改正案とした。 [時事通信社]


2002/ 5/12  人気たばこのタール・ニコチン実測値公開 厚労省
コメント
朝日新聞社のウェブサイト、アサヒ・コムに掲載のニュースです。この記事は朝日新聞が、今年平成14年3月9日にスクープした『「軽い」たばこ、表示の7倍のタール吸う可能性』という報道の続報になりますが、この時、厚生労働省が「販売に影響を与えるおそれがある」と銘柄を明らかにしていなかったものを朝日新聞社が文書公開を求めて公開させたものです。『軽いタバコは軽くない』という根拠がまたひとつ出たことになります。
この後、当方からも文書公開請求を行いましたところ、厚生労働省のHPに掲載するとの連絡を受け、報告文書を送付頂きました。


2002/ 5/11 喫煙者は手術お断り、まず禁煙を

朝日新聞社のウェブサイト、アサヒ・コムに掲載のニュース



2002/ 5/ 7  計算力や読解力、少し低下 たばこの煙吸う子供調査

 他人のたばこの煙(副流煙)を吸っている子供は、その量がごくわずかでも、読解力や計算などの能力がわずかながら低下することが、米国のシンシナティ子供病院の約4400人を対象にした調査で分かった。同病院の研究グループが6日、米国の小児科学会で発表した。
 グループは、喫煙経験がなく、副流煙を吸う環境にある6歳から16歳までの子供、4399人を対象に、たばこに含まれるニコチンが体内で分解されてできるコチニンという物質の血中濃度を分析。
 さらに、米国で標準とされるテスト方法で、計算力、読解力、理論的思考の能力などを測定。副流煙を吸っていない子供と比較した。
 その結果、血中のコチニン濃度が高くなるほど、これらの能力の点数はわずかながら低くなることが判明。コチニンの濃度が血液1ミリリットル中1ナノグラム(ナノは10億分の1)以下という微量でも、点数の低下が確認された。
 同1ナノグラムのコチニンは、1日にたばこを1箱程度吸う人と一緒に暮らしている子供の血中濃度にほぼ等しいという。
 研究グループのキンバリー・ヨルトン博士は「今回の結果は、子供をたばこの副流煙から守るための対策が、いかに重要かを示すものだ」と指摘している。(共同)

コメント
喫煙妊婦から生まれた子どもの知能指数が低いというデータは以前にイギリスで出されていました。


2002/ 5/ 1 禁煙にすると飲食店の収益が増える
 Smoke-Free Restaurants Increase Profits

 最新の調査により飲食店等での喫煙を禁止する法(喫煙規制法)は、経営者が恐れるレストラン経営を圧迫することは無く、むしろ収益を増やすということが明らかになりました。Dallas Morning News は 4月25日に報道しました。
 この調査は厳しい喫煙規制法が施行されているテキサスの4都市で行われました。厳しい喫煙規制法が飲食店の収益に与える影響を調べた最大規模の調査でした。
 テキサス健康局の研究者はPlano, Arlington, Wichita Falls, Austinで喫煙規制法施行前後の納税データーから飲食店の収入の変化を調査しました。 喫煙規制法は独立した換気装置が設置された喫煙所(空間分煙の喫煙所)以外は屋内での喫煙を禁止する法律です。
 健康局のタバコ慢性疾患対策部長のDr. Phil Huangさんは言いました。調査の結果、喫煙規制法の導入により4つの全都市で飲食店の収益が増加を続けていました。
「屋内空気を清浄に保つための法律(Clean indoor air 法)は飲食店の収益を減らしません。飲食店を禁煙にすると収益が減るという主張には根拠がありません。」
 この調査結果は「喫煙規制法により収益が減るのでは?」という飲食店経営者の懸念を払拭するものでした。2002年4月24日に米国CDC、アトランタ(ジョージア)、の主催する会議で報告されました。 (切明義孝氏訳)


2002/ 4/19  両親が喫煙→女児増える…日本とデンマーク共同調査

 【ワシントン18日=館林牧子】妊娠前に両親が喫煙していると、女児が増える傾向にあることが、日本とデンマークの共同調査でわかった。生まれる子どもの男女比は、1960年代ごろからなぜか“女性優位”に変化してきており、性別のバランスを崩しかねない事態も懸念されている。19日発行の英医学誌「ランセット」に掲載される。
 兵庫県赤穂市にある福田産婦人科麻酔科の福田操男院長と、デンマークのコペンハーゲン大学病院のアン・ビスコフ教授が、両国の1万1800人の乳児の性別と両親が受胎周辺期に喫煙していたかどうかを調べた。両親とも喫煙しないと答えた子どもの男女比は女児1人に対し男児1・21人と男児の率が最も高かった。両親とも1日20本以上喫煙する場合は0・82人で逆に女児の生まれる割合が高かった。母親が喫煙しなくても、父親が1日20本以上吸っていれば、0・98人でやはり女児の割合が高い。
 福田院長によると、日本で1960年代に生まれた子どもの男女比は、女児1人に対し男児1・06人だったのが2000年直前には1・045人まで低下したという。喫煙の影響について、ビスコフ教授は「男性の性染色体を持つ精子が、女性のそれより影響を受けやすいのでは」という。(読売オンライン)

コメント
喫煙は不妊の原因なので、この研究は「喫煙で男児が生まれ難い」ということを示すものであって、記事の「喫煙で女児生まれやすい」とする報道記事を誤解しないようにして下さい。福田医師も原因について染色体の脆弱性から「男児が減る」ということを述べておられ、特に、女児を望む夫婦がこの記事を読んで、喫煙を続ける動機にしたとしたら、早流産や乳幼児突然死のリスクを高める行為になり大変危険なことです。「喫煙によって不妊や流産などのリスクが増えて男児女児ともに減るが、特に男児が減る」というのが本当のところです。


2002/ 4/12 喫煙習慣のある妊婦、妊娠判明後も半数近くが喫煙を継続

 喫煙習慣のある妊婦のうち、約半数が妊娠判明後も喫煙を継続していた−−。改めて妊婦への禁煙指導の必要性を訴える発表が4月9日、日本産科婦人科学会のポスターセッションであった。
 医療法人定正会・谷口病院の鈴木史明氏らは、2001年3月1〜31日の間に同病院産科外来を受診した妊婦で今回の妊娠中に喫煙歴があった227人を対象に、アンケート調査を実施した。その結果、48.9%(111人)もの人が妊娠判明後も喫煙を継続していたことが明らかになった。
 喫煙を継続していた人の禁煙に対する関心度をみると、「1カ月以内に禁煙する意思がある」が44.4%、「1〜6カ月以内に禁煙する予定」が36.4%、「6カ月以降に禁煙する予定」が8.1%、「禁煙の意思がない」が11.1%だった。一般の喫煙者グループと比べて、禁煙への関心度が高かった。
 対策として同病院では、妊娠後も喫煙を続けていた妊婦を対象に、1回1時間半の講義中心の講座「タバコの楽なやめ方講座」を開催した。タバコの害や吸いたい気持ちをコントロールする方法などを説明。妊婦ゆえニコチンパッドなどを使用できず、指導中心にしなければならないこともあり、1回当たりの参加者は1〜4人となるべく個別に実施した。
 講座の結果、約20人の参加者のうち大半の人(約86%)が、出産1カ月後まで禁煙することができたという。
 こうした結果を踏まえ、鈴木氏は、「医師などの医療従事者が禁煙してもらうことにもっと努力する必要があるのではないか」と語った。
(日経BP)


2002/ 3/20  【記者は考える】 たばこのリスク 正確に伝えよ /添田孝史 科学部 (朝日新聞)

 85年に「マイルドセブンライト」が発売されてから、「軽い」たぼこが主流になった。売り上げベスト10の中で「ライト」 「マイルド」とついた銘柄が九つもある。
 だが、箱に明記された軽さを示す数値、すなわちニコチンやタールの量に問題があった。最大でその数値の約7倍も吸い込む可能性があることが厚生労働省の調べでわかった。メーカーが採用しているたばこの吸い方モデルが実態とかけ離れているためだ。
 発がん物質の種類によっては、「軽い」たばこの方が重いものより多い場合もあった。健康を考えて軽さを求めていた人は、だまされたと感じるのではないだろうか。

 化学物質を減らす活動に取り組むNGO(非政府組織)の事務所で、たばこをすぱすぱ吸う人を見て驚いたことがある。タバコの葉にはもともとニコチンが含まれているが、火をつけると化学反応でタールなど多くの有害物質を生じる。焼却炉でタイオキシンができるようなものだ。煙の中には約4千種類の物質が混在し、少なくとも60種類は発がん性がある。味や香りの調合などのために約600種の添加物も使われている。
 厚労省の「たばこ白書」は、国内で喫煙によるがんや心臓病で年間約9万5千人が死ぬとの推計を取り上げた。肺がんでは年に約5万2千人死ぬ。8割はたばこが原因と国立がんセンターは推測する。非喫煙者も周辺に漂う煙が影響して年千〜2千人が肺がんで死んでいるという。

 喫煙者が他人に迷惑をかけないようにたばこを吸うのはかまわない。ただし、健康へのリスクを正確に知っていることが前提だ。表示の問題が改まらない限り、正しい知識は得られない。
 表示と実態のずれは、研究者が以前から指摘していたが、それを国が調べて確かめた意味は大きい。ただ、取材でその事実を明らかにするまで、厚労省は発表をしていなかった。また、調査した銘柄の名前も「商業上不利益になるおそれがある」 「メーカーに訴訟をおこされる」などとしてまだ明かしていない。
 喫煙に関する問題は空気清浄機にもある。ガス状の有害物質を取り除く能力はなく、喫煙者のそばにいる人を守ることはできない。業界も昨年秋ごろからその事実を認め始めた。厚労省はもっと前から清浄機の限界を知りながら、分煙場所への設置に歯止めをかけてこなかった。環境問題の専門家によれぱ、分煙用の清浄機が普及しているのは日本ぐらいという。
 たばこによる年間死者は推定で交通事故死の約10倍。たばこの危険を知らせることにもっと力を入れてもいいはずだ。厚労省は業界の利益より国民の健康を配慮し、リスクをきちんと伝えて欲しい。


2002/ 3/ 9  タール7倍・ニコチン5倍 「軽い」たばこ 表示より摂取 厚労省、7銘柄明かさず (朝日新聞)

 低タール、低ニコチンを売り物にしたたばこでも、銘柄によってタールは表示の約7倍、ニコチンも約5倍の量を吸い込む可能性が大きいことが、厚生労働省の分析でわかった。同省は「販売に影響を与えるおそれがある」と銘柄を明らかにしていない。
 売り上げが多い中から7銘柄を選び、カナダの検査機関に2千万円で分析を委託。煙に含まれるタール、ニコチンなどの発がん物質を含む約30項目を測った。
 たばこの成分は、1本を消費したときに吸い込むと想定される量で示される。分析の前提とした吸い方は@65年当時の吸い方に基づく国際基準で、メーカーが現行の表示に採用しているものA今の現実の吸い方に近くて米国やカナダ保健省で採用されているもの−の二つ=メモ参照。
 表示と最もかけ離れていたのは「タール1mg、ニコチン0.1mg」という銘柄。Aの吸い方では、タールは表示の6.7倍、ニコチンは4.8倍だった。
 差が最小の銘柄でも、同じ吸い方ではいずれも2.2倍だった。有害物質量が少なく表示された銘柄ほどAの食い違いが大きかった。ペンゾピレンといった発がん物質も「軽い」銘柄の方が「重い」銘柄より多い場合があった。
 国立公衆衛生院の望月友美子主任研究官は「たばこが軽くなるにつれ、喫煙者はニコチンを求めて強く頻繁に吸い込むようになってきた」と背景を説明する。メーカーの表示は、これに目をつぶった形だ。
 JTは「今回の報告書は最終的に固まったものではなく、現段階ではコメントできない」としている。

 たばこ1本の有害物質測定法 フィルターから3mmになるまで人工吸煙装置で吸って測る。メーカーが採用する国際基準は、フィルター側面の通気孔を開放し1分間隔で1回に2秒かけて35mlを吸引する。今の吸い方に近い方法では、通気孔を半分閉じて30秒間隔で1回に2秒、45ml吸引する。


2002/ 2/ 7  中年喫煙者は吸わない人に比べ死亡率が男性で1・6倍

 中年の喫煙者はがんや心臓病になりやすく、10年間追跡調査すると、吸わない人に比べ死亡率が男性で1・6倍、女性で1・9倍も高いことが、厚生労働省の研究班(主任研究者、津金昌一郎・国立がんセンター研究所臨床疫学研究部長)の調査で分かった。
 80年代にも類似の調査が行われているが、今回は飲酒量や食習慣、肥満度などの影響も含めて精密にデータを分析した。
 研究班は90年に岩手、秋田、長野、沖縄県に住む40〜59歳の男女約4万人に、喫煙の有無や飲酒量、食習慣などをアンケートした。喫煙者は男性の54%、女性の約6%だった。その後、10年間追跡調査をし、結果を統計的に分析した結果、喫煙者と非喫煙者の死亡率に差がはっきりと出た。
 また、男性の全死亡者1024人のうち225人(22%)、女性の全死亡者500人のうち25人(5%)は、「たばこを吸わなければ予防できた死亡だった」と推定できるとしている。
 一方、90年に行ったアンケートで「以前たばこを吸っていたが、その後やめた」と答えた人の死亡率は、最初から吸わない人と変わらなかった。研究班は「長生きするためには一刻も早くたばこをやめることが大切」と話している。 【高木昭午】(毎日新聞)

コメント
上記記事では、男性22%という表現ですが、喫煙者に限った場合、35%、つまり3人に1人が喫煙のために死亡する、と言うことになります。イギリスの研究では喫煙者の半数は70歳までに寿命を迎えることになります。


2002/ 1/31  原因トップはたばこ!火災概要まとめ  (四国新聞 香川のニュース)

 県消防防災課はこのほど、県内の二〇〇一年の火災概要をまとめた。火災発生件数は前年より四十五件少ない四百七十八件。出火原因別では、たばこが前年の三位からトップになった。同課は「就寝前のたばこの火の始末には特に気をつけてほしい」と注意を呼び掛けている。
 概要によると、〇一年の県内の火災発生件数は四百七十八件(前年比四十五件減)。月別では、三月の五十四件がトップ、四月も四十九件と多い。行楽シーズンで山に入る機会が増えるのと、四月に牟礼町周辺で放火とみられる林野火災が相次いだのが主な要因。
 一方、火災による死者は十八人で前年に比べ七人減少、負傷者は六十八人で九人増えた。死者のうち六十五歳以上の高齢者が八人。逃げ遅れや着衣着火によって命を落とすケースが目立っている。
 火災の種類別では、建物が二百七十三件(同九件減)で全体の57・1%を占める。次いで、車両五十四件、林野四十二件など。三月には土庄町豊島で小型機が墜落炎上した航空機火災もあった。
 焼失面積をみると、建物は一万九千四百六十六平方メートルで前年比二千四百九十二平方メートルの減。林野は、豊浜町で七千アールを焼損した大規模な火災があった前年の七千七百四十三アールから四百六十五アールに激減した。
 出火原因は、たばこが前年より十九件増え六十九件でトップ。うち建物火災が四十五件を占めている。二位は放火(疑いを含む)の五十七件(同一件減)。以下、たき火四十七件、こんろ三十三件、ストーブ二十一件となっている。


2002/ 1/28  妊婦でもニコチンパッチ大丈夫  (切明義孝氏訳)
http://health.yahoo.com/search/healthnews?lb=s&p=id%3A7892
Nicotine Patch OK for Pregnant Women
January 28, 2002 06:01:04 AM PST, HealthScout News
By Colette Bouchez
HealthScoutNews Reporter
MONDAY, Jan. 28 (HealthScoutNews)

ニコチンパッチは、妊娠中でさえ喫煙を止められない女性の禁煙を支援するために、安全に使用できます。
新しい研究により、ニコチンパッチを利用した禁煙は児と母の両方にとって安全であることが明らかになりました。特に妊娠第三期の喫煙は喫煙関連合併症が発生しやすい時期です。
研究を指揮したState University of New York at Stony Brookのdirector of maternal-fetal medicineのDr. Paul Ogburnさんは言いました。
「我々は、少なくとも、ニコチンパッチは児の健康にとって、タバコのように有害性や危険が無いことを明らかにしました。」Ogburnさんは言いました。「妊娠中の喫煙は早産や周産期死亡の危険を著しく増加させることが知られています。妊娠中の喫煙は低体重児出生と早期胎盤剥離の原因であることが知られています。早期胎盤剥離は胎児を養う胎盤が母体の子宮から剥離するため流産や早産を引き起こします。」
ニコチンパッチにはタバコから女性の体内に吸収される有害化学物質の成分の1つが含まれますが、Ogburnさんは喫煙に比べるとはるかに有害性は少ないと考えています。
「ニコチンはタバコの有害成分のうち最も有害な物質ではありませんが、もし、タバコの有害成分全てを避けることが出来れば子供を守ることができます。」
Ogburnさんは New OrleansでのSociety for Maternal-Fetal Medicine 会議で報告しました。同会議で、CanadaのUniversity of Ottawa の研究者は喫煙が児の神経管欠損(neural tube defects)の危険を増加させるという新しい証拠を報告しました。神経管欠損(neural tube defects)はしばしば新生児死亡の原因となる深刻な先天性奇形です。
産科医のDr. Andrei RebarberさんもOgburnさんと同じ意見です。
「もちろん、ニコチンを断ち切ることが出来れば最上です。しかし、タバコを止めたくても止められず、頻回に喫煙する場合、ニコチンパッチを使うのは良いアイデアです。」
医師が喫煙を止めるよう指導したにもかかわらず禁煙できなかった21人の妊婦を対象として小規模ですが重要な研究が行われました。彼女たちは妊娠第三期にもかかわらず1日15本以上のタバコを吸っていました。医師は彼女たちにニコチンパッチを処方し、4日間入院して経過観察しました。そして自宅で8週間ニコチンパッチによる治療を続けました。この間、妊婦は超音波による胎児の健康診断を毎週受けました。妊婦は定期的に呼気検査を受けるように勧められました。呼気検査は妊婦の喫煙の有無を確認するために行われました。
最終結果
Ogburnさんは全ての赤ちゃんが正常体重で生まれたことを確認しました。しかしながら、全ての赤ちゃんが予定より数週間早く生まれました。妊娠第二期までの喫煙が胎児に及ぼした影響は明らかではありません。出産までに禁煙できたのは21人中たったの8人(38%)でした。
Ogburnさんは言いました。
「ニコチンパッチは妊婦に対して安全です。喫煙関連の合併症の危険が最も高いといわれている妊娠第三期でもニコチンパッチは安全です。」
Rebarberさんは、この発見は重要であるが、全ての喫煙妊婦にニコチンパッチを使用することがより安全な妊娠につながるとはまだ言えないと考えています。
「ニコチンパッチを使うかどうかの判断はケースバイケースにならざるを得ないと思います。1日ほんの2〜3本のタバコを吸う女性では、ニコチンパッチから吸収するニコチン量の方が多くなり、ニコチンパッチのメリットは明らかではありません。しかし、もし妊婦が1日15本以上のタバコを吸う場合にはニコチンパッチの使用を考慮すべきでしょう。子供のために一番重要なことは妊娠前にはタバコを止めるべきだということです。」
Ogburnさんは言います。
「ニコチンパッチは安全です。しかし、ニコチンパッチは禁煙しようと願っても禁煙できない場合のみ使用すべきです。」
ニコチンガムなどのニコチン置換療法はRebarberさん も Ogburnさんもまだ研究していませんがニコチンパッチと同じように安全であると予想されます。
Rebarberさんは警告しました。
「妊婦がニコチン置換療法を行う際には必ず主治医と相談してください。」


2001/12/19  他人のたばこで肺癌死 日本で年間に1000人〜2000人 (朝日新聞「くらし」欄「受動喫煙 空気清浄機だけでは限界も 分煙対策に落とし穴」の一部)

  国立がんセンターは今年5月、日本で年間千人から2千人が他人のたばこによる肺がんで死亡していると推計される、と発表した。
 がんだけでなく、心臓病、呼吸器の病気などほかの病気の可能性も高める。世界保健機関(WHO)が今年の世界禁煙デー(5月31日)向けに発表した資料は、年間に人口100万人あたり147人から251人が受動喫煙による病気で死亡していると推計した研究を取り上げた。日本の人口に単純に当てはめると、年間約1万9千人から3万2千人になる。交通事故死の2〜3倍だ。米国立がん研究所は「受動喫煙は米国の主要な死因の一つ」と警告している。
 病気を引き起こす原因はたばこの煙に含まれる数千種類もの化学物質で、発がん物質も多い。喫煙者が吸い込む煙(主流煙)より、フィルターを通らない先端から立ち上る煙(副流煙)の方が、発がん物質を多く含んでいる。たとえばベンゼンは8倍から10倍、ホルムアルデヒドは50倍など。副流煙には少なくとも40種類以上の発がん物質が含まれている。 


2001/11/30  Philip Morrisは喫煙と細菌性髄膜炎の関連を7年前から知っていた  (切明義孝氏訳)  

http://news.tobaccofreekids.org/plugin.jtml?siteID=TFKNEWS&p=1&Tab=News&Object_ID=546681
November 30, 2001
Smoking Linked to Deadly Meningococcal Disease

オーストラリアの研究者は喫煙が細菌性髄膜炎と関連があることを発見しました。Australian Associated Pressの11月27日の報道です。
さらに反タバコ団体は、大手タバコ産業のPhilip Morrisは喫煙と細菌性髄膜炎の関連を7年前から知っていたと語りました。
タスマニアの禁煙プロジェクトの職員Barbara Buckinghamさんによると、Philip Morris による1994年の英国西部の髄膜炎流行の調査で喫煙と受動喫煙が疾患に対する抵抗力に重要な鼻腔繊毛を障害することを証明していました。しかし、タバコ産業はこの研究結果を公表しませんでした。
最近、オーストラリアの研究者たちは、喫煙者が非喫煙者に比べて4倍も髄膜炎菌に感染しやすいことを証明しました。
髄膜炎菌は脳障害を起こす菌で、唾液により感染します。細菌性髄膜炎の症状は発熱、悪寒、頭痛、吐気です。
「幼い子供たちは特に危険が高く、特に親が喫煙者であれば、タバコ煙を吸う危険があり、子供たちは感染を受けやすく、悪化しやすくなります。」Buckinghamさんは語りました。


2001/ 5/31  受動喫煙者の年間1000人〜2000人が肺がん死 (朝日新聞)

  たばこを吸う人たちは、まわりの非喫煙者を年間1000人から2000人も肺がんで殺している――。喫煙者には耳の痛いこんな推計を、国立がんセンター研究所の山口直人・がん情報研究部長がまとめた。31日は世界禁煙デー。「喫煙者はこれだけの害をまき散らしていることを認識し、分煙の徹底を図ることが必要」と山口さんは話している。
 旧厚生省が99年に全国の約1万4000人を対象に受動喫煙の状況を訪問調査しているが、職場や学校では35%、家庭では28%の人が「ほとんど毎日受けている」と答えている。
 今回の推計は、このデータや人口動態統計、これまでの疫学調査でわかった受動喫煙による肺がん危険率などをもとに、99年時点で調べた。
 肺がん死者約5万2000人のうち、自分が吸うたばこが原因で肺がん死する人を約3万8000人と推計。残りの人たちのうち、非喫煙者は1万1000人と見て、さまざまなデータを分析して、1000人から2000人との数字をはじき出した。疫学調査によって危険率が異なるため、推計に幅が出た。
 受動喫煙で吸う煙の方が、喫煙者本人が吸う煙より、一酸化炭素や発がん物質のベンツピレンなどの有害物質が多く含まれていることが知られている。
 山口さんは「肺がんで亡くなる非喫煙者の8人に1人は、受動喫煙が原因だ。害は肺がんにとどまらず、心筋こうそく、子どものぜんそくなど、ほかにもたくさんある」と念押ししている。


2000/ 8/ 8  喫煙により21世紀に10億人死亡 WHOと世界銀行発表 (共同通信)

  WHOと世界銀行は8日、喫煙者の増加に歯止めがかからなければ21世紀中に約10億人が喫煙による疾病で死亡するおそれがあるとの合同報告を発表したた。
・先進国では喫煙者への医療保険の支払いが最大でGDPの約1.1%に相当する、と経済的な面での損失も強調
・たばこ価格を10%上げれば世界全体で死者を少なくとも1千万人減らせる
・20世紀中に肺癌など喫煙が原因で死亡した人は約1億人
・現在は年間約400万人が死亡しているが、2030年には同1千万人に達し、有効な対策を取らなければ21世紀中に10億人に上る恐れがある
・喫煙者を減らすにはたばこの非合法化や禁輸は「非現実的」で、たばこに対する増税が有効
・増税により1995年時点で存命中の喫煙者のうち、たばこによる死者を世界全体で1千万人減らせると推定
・さらに、禁煙職場の導入などで同500万人、ニコチン依存症の治療を奨励することで同100万人の死亡を防げる

→ Press Release WHO 8 August 2000 HIGHER TAXES KEY TO BATTLE AGAINST TOBACCO, SAYS NEW WHO/WORLD BANK PUBLICATION


2000/ 6/11  受動喫煙と小児の髄膜炎  (切明義孝氏訳)  

http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/786601.stm
Sunday, 11 June, 2000, 14:55 GMT 15:55 UK
Smokers' babies 'risk meningitis'

喫煙者の赤ちゃんは髄膜炎の危険が2倍になる。
Edinburgh Universityの研究者は親が喫煙すると赤ちゃんの生命を脅かす細菌性髄膜炎の危険が2倍になると報告しました。ギリシャの研究によりタバコ煙はバクテリアの喉粘膜への付着を促すことが発見されています。赤ちゃんが受動喫煙に曝露されれば曝露されるほど、赤ちゃんの喉でバクテリアが繁殖しやすくなります。
大学の医学微生物学教室の研究チームの1人、Dr Caroline Blackwellさんはこの発見は乳幼児突然死と赤ちゃんの呼吸器感染症の研究にも影響を与えると語りました。
ほとんどの人々は髄膜炎菌による髄膜炎に対する抵抗力を持っています。しかし、5歳未満の子供たちには小さな危険があります。
「ここ数年、喫煙者はバクテリアのキャリアー(保菌者)になり易いことが知られています。」Dr Blackwellさんは語りました。「我々は重要な因果関係を発見しました。もし母親が喫煙すれば、子供達からバクテリアが検出されやすくなります。」「ほとんどの細菌感染症ではバクテリアの数が多いほど発病する危険が高くなります。」
「喫煙者の子供では髄膜炎を発病する危険が2倍になります。」と彼女は付け加えました。
貧困のリンク
Dr Blackwellさん達のチームはギリシャで250人の赤ちゃんを対象に調査を行いました。そして、髄膜炎菌を保菌している赤ちゃんの母親全員が喫煙者であることを発見しました。
受動喫煙に曝露されると喉と鼻腔組織に喫煙者と同じ影響が出ることが発見されました。
この研究はギリシャで実施されました。なぜならばギリシャの女性喫煙率は英国の喫煙率と同じく、貧困層の喫煙率が高い傾向にあります。髄膜炎は低所得層の人々に多い傾向があり、Dr Blackwell さんは喫煙と髄膜炎の関連を証明したと語りました。
彼女は乳幼児突然死と子供の呼吸器感染症の原因となるバクテリアも受動喫煙による影響を受けると語りました。


1998/ 5/20  タバコ産業から研究資金をもらった研究者は、そうでない研究者に比べて、88.4倍も多く受動喫煙の危険性を否定する論文を書いていた  (切明義孝氏訳)  

JAMA. 1998;279:1566-1570 Vol. 279 No. 19,May 20, 1998
http://jama.ama-assn.org/cgi/content/short/279/19/1566
Why Review Articles on the Health Effects of Passive Smoking Reach Different Conclusions
Deborah E. Barnes, MPH; Lisa A. Bero, PhD

結論:論文の結論と著者がタバコ産業から研究資金をもらっていることの間には強い関連が認められた。
(The conclusions of review articles are strongly associated with the affiliations of their authors.)
よって、著者は論文を書く際には研究資金の出所を明記すべきである。読者もまた著者の研究資金の出所を考慮して論文の正当性を判断すべきである。